映画「氷川丸ものがたり」上映会、大成功。女優・丸山祐花さんもサプライズ登場!/市民平和のつどい2016

今年の「市民平和のつどい」は文化会館大ホール!定員1000名の募集をしました

『市民への平和思想の普及と平和に関する意識の高揚を図ること』を目的に、毎年開催している『市民平和のつどい』

予算規模は約10〜20万円ほどしかない『ミニ事業』です。

横須賀市HP「国際平和啓発」のコーナーより

横須賀市HP「国際平和啓発」のコーナーより


けれども、横須賀市の数千にのぼる事業の中でも、フジノはとても大切にしてきました。毎年参加して、実際にその場に立ち会うことにしています。

なんと今年は『横須賀市文化会館』大ホールでの開催となりました。

「市民平和のつどい」会場にて

「市民平和のつどい」会場にて


こどもたちとその保護者のみなさまをターゲットに、日程も『夏休み』に開催しました。

過去に無い大規模で、募集定員も1000名です!

「市民平和のつどい」チラシ

「市民平和のつどい」チラシ


自信をもってお送りするプログラムは、長編アニメーション映画『氷川丸ものがたり』の上映会です。

上映に先立って、原作者の舞台挨拶と、歌のお姉さんが歌ってくれます。

プログラム

今年は、戦前、戦中、戦後を客船、病院船、引揚船としての航跡を残し、横須賀にも関わりのあった氷川丸を紹介する長編アニメ「氷川丸ものがたり」を上映し、生きることの素晴らしさ、海の魅力、平和の尊さを次世代の子どもたちに伝えます。

  • トークライブイベント(20分) 「氷川丸ものがたり」原作者・伊藤玄二郎さんのお話と元NHKうたのおねえさん・田中あつ子さんによる歌

  • 長編アニメ『氷川丸ものがたり』上映(90分)

そんな本日の様子をご紹介したいと思います。



「氷川丸」の数奇な運命、横須賀とのつながり、戦争との関わりをぜひ知ってほしいです

山下公園に係留されている客船『氷川丸』。今は博物館として自由に乗船して見学できます。

氷川丸

氷川丸


喜劇王チャーリー・チャップリンが日本を訪れた時に乗船していたことや皇族の方々も乗船されるなど、華やかな歴史を持つ豪華客船です。

その美しい姿は、みなとみらい・マリンタワー・山下公園・中華街などと並んで、無くてはならない存在です。あなたも家族に連れられたり、学校の遠足や、恋人とのデートなど、1度は訪れたことがあるのではないでしょうか。

実は、横須賀の浦賀とも深いつながりがあります。

しかもその数奇な運命は、イベント紹介の文章に記されたとおり、『市民平和のつどい』の目的を果たすのにふさわしいと思います。

今年は、戦前、戦中、戦後を客船、病院船、引揚船としての航跡を残し、横須賀にも関わりのあった氷川丸を紹介する長編アニメ「氷川丸ものがたり」を上映し、生きることの素晴らしさ、海の魅力、平和の尊さを次世代の子どもたちに伝えます。

まず、『氷川丸ものがたり』原作者の伊藤玄二郎さんからお話がありました。

出品されていた『ダラス・アジアン映画祭』にて、『アニメーション最優秀作品賞』を受賞したとのニュースが入ってきたそうです。

原作者・伊藤玄二郎さんのお話

原作者・伊藤玄二郎さんのお話


ぜひWikipediaでの『氷川丸』の歴史を読んでいただきたいのです。

1930年に竣工した氷川丸は、美しい装飾や徹底したサービスから豪華客船として高い評価を得て、国民的に愛されていました。横浜・神戸とアメリカのシアトルをつなぐ『シアトル航路』の航海は、憧れの的でした。

しかし第2次世界対戦の戦況が悪化していくに連れて、『シアトル航路』は1941年に閉鎖されました。民間の客船だった『氷川丸』も、日本政府によって徴用されてしまいました。『交換船』となり、日本に暮らすアメリカ・カナダ人を送り届けて、アメリカ・カナダに暮らす日本人を乗せて帰国しました。

舞台挨拶に女優で看護師役で出演した丸山祐花さんがサプライズ登場!

舞台挨拶に女優で看護師役で出演した丸山祐花さんがサプライズ登場!


続いて『日本海軍』に徴用されて、『病院船』として使用されることになりました。

この時、横須賀海軍工廠で氷川丸に改造されました。国際法によって『病院船』であることを示す為に、美しい船体は真っ白に塗り直されてしまいました。さらに赤十字が描かれました。

『病院船』としての氷川丸の役目は、戦地に向かっては負傷した日本兵を乗せて帰国することです。氷川丸のかつてのダンスホールや客室には、負傷した日本兵が収容されました。時には機雷によって大きな被害を受けることもありました。

丸山祐花さんのツイッターより(丸山さんは横須賀生まれの横須賀育ち!)

丸山祐花さんのツイッターより(丸山さんは横須賀生まれの横須賀育ち!)


敗戦後には、『引揚船』としてたくさんの人々を故郷・日本へと連れて帰りました。

浦賀に所蔵されている「引揚に使われた氷川丸」の写真

浦賀に所蔵されている「引揚に使われた氷川丸」の写真


『引揚船』の悲劇は、こちらの記事をご覧下さい。

横須賀市民のみなさまにとって、浦賀も氷川丸もなじみが深い存在です。

田中あつ子さんによる歌「われは海の子」「おぼろ月夜」

田中あつ子さんによる歌「われは海の子」「おぼろ月夜」


けれども、市民の方に「引揚船の悲劇を知っていますか?」とお聞きすると、知っている方はほとんどいらっしゃいません。氷川丸が引揚船として使われたことも知られていません。

開国の歴史を持つ、美しい浦賀のまち。誰からも愛されて、まもなく国から重要文化財として指定される『氷川丸』。どちらも、とても愛されています。

しかし、浦賀にも、氷川丸にも、今の姿からは全く想像できない、壮絶で悲惨な歴史がありました。

フジノはそれを市民のみなさまに知ってほしいです。

その全てを知った時、浦賀にも氷川丸にも今以上に深い愛情を持つようになっていただけるのではないかと思うのです。

映画「氷川丸ものがたり」

映画「氷川丸ものがたり」


映画『氷川丸ものがたり』は、まさにそうした全てを2時間で伝えてくれる素晴らしい作品でした。

上映会もたくさんのこどもたちが参加してくれて、大成功でした。

舞台挨拶には、サプライズもありました。横須賀出身の女優・丸山祐花さんが来場して下さいました。

丸山さんはこの映画の中で重要な看護師役で出演しています。さらに不思議なご縁に驚かされたのですが、原作者の伊藤玄二郎さんは大学時代の恩師だそうです!

もと歌のお姉さん・田中あつ子さんが『われは海の子』と『おぼろ月夜』を歌って下さいました。映画の中でも歌われる歌です。こどもたちもとても喜んでいました。

こうして、今年の『市民平和のつどい』は大成功に終わりました。



市の事業で果たして「平和を愛し、平和を求めて行動する市民」を生み育むことができるか?

毎年、横須賀市では『市民平和のつどい』と『国際平和のポスターの募集と標語の募集』を開催しています。

『市民への平和思想の普及と平和に関する意識の高揚を図ること』を目的とした市の事業です。

(昨年の様子はこちらをご覧下さい)

『市民のみなさまに平和への想いや意識を高めていただく』という目的そのものは、誰も否定できない素晴らしいものです。

けれども、それを『実際に実現すること』はとても難しいことだとフジノは率直に感じています。

横須賀市の政策推進部が2つの事業(『市民平和のつどい』『国際平和のポスターの募集と標語の募集』)を実施しても、果たしてどれだけ効果があるのかは分かりません。そもそも、将来にわたって平和を求めて行動し続けて下さる市民を行政が生み育てていく、という考えは傲慢なのかもしれません。

市の予算も例年10〜20万円しかつきません。参加する年齢層はだいたい固定してしまい、参加人数も同じ。

けれども、絶対に大切な取り組みだという想いから、担当職員は「絶対に単なる毎年のルーティーンにはしてしまわない」という意気込みを持ち続けてきました。プログラムも毎年とても工夫して取り組んできました。

さらに、今年は例年の約10倍の予算をかけて、思い切った取り組みを行うことになりました。

年度 事業費用
2014年度決算  11万2604円
2015年度予算  18万0000円
2016年度予算  130万2000円

行政にとって、前年比10倍もの予算を獲得することは本当に大変なことなのです。

これが、今日実現した映画『氷川丸ものがたり』上映会だったのです。



それでも「平和を求める取り組み」は大切だと信じています

今のこの暮らしは、多くの悲劇の上に成り立っています。フジノ自身、浦賀の悲劇も氷川丸の歴史も知りませんでした。それを知ったからこそ、フジノは浦賀も氷川丸もより愛おしく感じるようになりました。

平和を求める想い、それは日常の中では漠然としています。そんなことを考える瞬間は、忙しい毎日の中ではまず無い方がふつうかもしれません。

それでも、『平和への想い』を抱いてもらいたい。

それでも、『平和を実現する為に行動する人々』になってほしい。

フジノはそう願っています。

そうした願いが、今日1回の上映会だけで即実現することは無いかもしれません。

しかし、小さな種にすぎないかもしれませんが、参加してくれたこどもたちの心にその種がまかれていつか芽が出ることを祈っています。

本日の成功に向けてがんばった政策推進部のみなさん、本当におつかれさまでした。

原作者の伊藤玄二郎さん、女優の丸山祐花さん、歌手の田中あつ子さん、出演ありがとうございました。

本日の上映会に参加してくださったみなさま、ありがとうございました。