久々にキレました。性暴力被害に遭った方々への支援を約束しておきながら前市長は1年間全く何もしていませんでした/教育福祉常任委員会(2017年12月議会)

教育福祉常任委員会(2日目)が開かれました

昨日だけでは審査を終えることができなかったので、今日は『予備日』を使用しての教育福祉常任委員会(2日目)が開かれました。

教育福祉常任委員会の終了後に

教育福祉常任委員会の終了後に


昨晩からフジノは38.5度の熱が出てしまい、けさになっても下がりませんでした。

もしも発熱の原因がインフルエンザだった場合、外出禁止になってしまいますので、すぐ病院に検査に行きました。

運良く、検査結果は陰性でした。

熱だけで鼻水も咳も出ていなかったので、マスクをして午後から委員会に出席しました。

「高熱なのだから欠席でもよろしいのでは・・・」

というお声もいただいたのですが、質問をすることで必ず現実を動かすことができる市議という立場にある以上、質問の機会を1度でも逃す訳にはいきません。

実際に今日フジノは質疑を行なって、とても許すことができない事実が分かりました。

やはり出席して質問をして良かったと強く感じたのでした。



性暴力・性犯罪被害に遭った方々への支援はフジノのライフワークです

フジノの大切にしている政策に、犯罪被害者の支援があります。

特に、性暴力・性犯罪の被害に遭った方々への支援は政治家に転職する前から取り組んできたテーマです。

あらゆる角度から何度も一般質問でとりあげてきました。

犯罪被害者支援条例を新たに作るように提案し続けてきました(単独の条例は実現せず、犯罪防止の総合的な条例が策定されました)。

そして、犯罪被害に遭った方々の相談窓口を設置することができましたし、横須賀市が総合的な条例を作った時には『犯罪被害者支援の条文』を盛り込むことができました。

また、性犯罪・殺人未遂の被害に遭った方に講師をお願いして、市職員向けの研修として生の声を聴いて頂く機会を作ることができました。

さらに、市民を対象にした講演会も実現して、犯罪被害の現実を生の声でお伝えしていただくことができました。

横須賀市単独ではなかなか動きが鈍いので、県・NPOと協力しながら、日々の市民の方からのご相談に対応をしてきました。

性暴力や犯罪被害のご相談をいただくことは毎年必ずあります。

短期的な解決などということはまずありえず、いったんご相談を頂いたら、いろいろな相談機関にご一緒したり、深い悲しみや苦しみを少なくとも数年間は感じ続けます。

「性暴力は『魂の殺人』だ」という言葉がありますが、まさにその言葉を実感する日々です。

今日フジノが行なった質問のきっかけも、つい最近受けた匿名での相談電話がきっかけでした。



信じられない答弁が返ってきました

フジノが行なったのは、とても単純な2つの質問でした。

  1. デートDVの担当部局であるこども育成部は、緊急避妊用ピルとレイプキットを常備している市内産婦人科を把握しているか。していなければ、把握せよ。


    →レイプ(強制性交)された場合、感染症や妊娠を防ぐ必要から産婦人科の協力が不可欠です。可能な限り早く産婦人科を受診することが必要です。特に、意識が高い産婦人科は警察と協力していて、緊急避妊用ピルとレイプキット(加害者を特定するための証拠を収集するためのキット)を常備してくれています。

  2. 市立2病院の担当部局である健康部は、昨年の小幡さおり議員の一般質問に対する吉田市長の答弁を受けて、県が実施している性犯罪被害への支援協力病院に市立2病院がなるように働きかけたか。その結果はどうだったのか。


    →1年前に小幡さおり議員が市立病院も県の協力病院となるよう一般質問をし、吉田前市長は「働きかける」と前向きな答弁をしました。小幡議員はもともと吉田前市長のインターンだったこともあり、いわゆる与党会派でしたから、前向きな答弁をした以上、事態は前進していると期待していました。



どちらも、とても単純な質問です。

デートDVの防止に力を入れてきたこども育成部の対応、前市長が与党会派の議員に前向きな答弁を行なったことを受けた健康部の対応をそれぞれ確認する内容です。

しかし、返ってきた答弁は許しがたいものでした。

質疑応答を文字起こししたものを下に掲載します。

2017年12月5日・教育福祉常任委員会での質疑

フジノの質問

性暴力被害に対応した『緊急避妊用ピル』および『レイプキット』の有無について、こども育成部に質問をします。

今回こういう質問をするのは、市民の方から匿名でのご相談があって「交際相手に強制的に性行為をされて、避妊もしてもらえなかった」というご相談があり、「警察には届けられない」「今すぐ緊急避妊用ピルをもらえる産婦人科を教えてほしい」という電話を受けました。

今まで通常の相談電話であれば、僕は『かながわ性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センターかならいん』をご紹介するのですが、とにかく「一刻も早く病院を教えて欲しい」ということでありましたので、

神奈川県と連携している市内唯一の内出医院、産婦人科ですけれども、こちらの電話番号をご紹介することしかその時はできませんでした。

はっきりと申し上げて、これは『デートDV』である可能性が高い訳です。匿名の電話相談ですから真偽の程は分かりませんが。

本来在るべき対応というのは警察にご相談をするということかとは思うですが、実際の相談の場ではそういったことは言っていられないというのが僕の本音です。

そこで『デートDV』の担当課を持ち、かつ市内産婦人科とも協力関係が深いこども育成部にあえてお伺います。

性暴力被害に対応した緊急避妊用ピルとレイプキットの用意がある産婦人科の存在を内出医院以外にこども育成部は把握しておられるのでしょうか。

お聞かせ下さい。

こども青少年支援課長の答弁

私どもの方で女性の為のDV相談の窓口を持っておりますが・・・

申し訳ありません。今、委員がおっしゃったような情報というのは持ち合わせていません。

フジノの質問

内出医院以外に把握していないという意味なのか。内出医院の存在も把握していないという意味なのか。

もう1度お聞かせ下さい。

こども青少年支援課長の答弁

内出医院の情報も含めて・・・女性相談員が個人的に情報を持っているかどうかまで承知しておりませんが、

我々の方では『シェルターへの避難』ということが主な中心の相談という形になっていますので、避妊の関係での対応する医療機関等々の情報は持っていないという現状かと思います。

フジノの質問

これはぜひ持っていただきたいと思います。

相談員の方は持っておられると思いますが、こども育成部として『デートDV』の担当課でもあることからぜひ持っていただきたいと思います。

そして続いては健康部に質問をします。

2016年11月29日の本会議における小幡さおり議員の一般質問では「性犯罪・性暴力の被害者を支援していくべく、市立2病院にも協力を要請してほしい」という提案がなされて、前市長は「性犯罪被害に遭った方の妊娠や感染症の不安に対して、市立病院に被害者支援の窓口的なものになれないか働きかけをしてみたい」と答弁がありました。

それからちょうど1年が経つ訳ですが、健康部は両病院に対して働きかけを実際に行なったのでしょうか。

また、働きかけたのであれば、どのような回答があったのか、お聞かせ下さい。

病院担当課長の答弁

すいません。まだ、その点については働きかけをしておりませんでした。

フジノの質問

現在神奈川県が公表をしている『性犯罪被害者への支援における協力病院等』というリストがあるんですけれども、このリスト、病院の一覧が出ているんですけれども、横須賀市内には先ほど申し上げた内出医院しか『協力病院』が無いんですね。

性犯罪被害者への支援における協力病院等

性犯罪被害者への支援における協力病院等


市内産婦人科には、できるかぎり多くの病院に『協力病院』になっていただきたい。

残念ながら、我々は(医療政策を担当する)県では無いので、即なにか市内病院に働きかけるというよりは『協力』をお願いすることしかできないと思うんです。

そこでまずは『協力』を、本市の医師会を通じて『協力』を依頼をしていただきたい、というのが1つ目の提案です。

そしてもう1つ目の提案は、今申し上げた「市立2病院の産婦人科において協力体制を整えてほしい」という要請をしてほしいと思うのですが、この2点についてお答えいただけるでしょうか。

健康部長の答弁

1点目については、市全体の性的犯罪ということになりますので、ちょっと健康部だけでお答えできるのは難しいと思います。

2点目の市立病院への働きかけについては定期的にそれぞれの病院と会う機会がありますので、こういったご要望があったことはお伝えしていきたいと思います。

フジノの質問

健康部長、その答弁には全く承服できません。

まず1点目ですが、「健康部だけでは難しい」というご答弁ですが、健康部だけでは難しいならば、ではどうするのか?

当然、市民安全部地域安全課あるいは県警とコネクションがある方を通じて、医師会に要望していくべきなのかをご相談して頂いて、実際に医師会に依頼に向けて動いていただきたい。

それから、「要望があったことは伝えたい」と市立2病院に伝えて下さるというご答弁でしたが、この質問が小幡議員からあったのは、もう1年前です。

当時の質疑でも、当時の市長が「毎年被害者が20数名から30名居る」という数字を挙げていますが、当時小幡議員は「親告罪である為、被害を報告できていない人がどれだけいるか分からない」と。僕もその状況は全くそのとおりだと思います。

これは要望でなくて、前市長の答弁として「両病院に対して働きかけをしてみたい」という答弁をしているのですね。

1年間動いていなかったことも驚きですが、「要望があったことを伝えたい」と1年後の今お答えすることにも全然納得ができません。

したがいまして、もう1度答弁を頂きたいと思います。

市内の産科婦人科に働きかけていただけるように医師会にぜひ働きかけをしていただきたいと思います。

それからもう1点は、市立2病院に早急に働きかけをしていただきたい、要請をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

健康部長の答弁

1点目については、県の制度がどういったようなことを要求される制度で県としてどの程度まで広げたいのかということを今現在詳しく承知しておりません。

まずそのあたりが、県がどういうふうに考えているかというところをよく伺って、健康部だけで全部解決できる問題ではないので、それぞれ今おっしゃったような部局とも調整が必要になると思いますので、先ほどのような御答弁とさせていただきました。

病院に伝えるということについては単に伝えるということではなくて、「検討して下さい」ということが前提になると思います。

また、1年近く働きかけができなかったことは、改めてお詫びを申し上げたいと思います。

フジノの質問

前市長の時は「検討します」ということを議会で答弁して、それで1年間放っておいて良かったと思うのですが

(上地市長の)所信表明の際に僕は市長と質疑をしたのですけれども、「検討をする」「研究をする」と答弁をしたら、「2定例議会後には必ずその答えを出せるようにしたい」というふうに、僕だけでなく、他の議員にもお答えを頂いています。

今回1年間も放置されていたというのは大変残念であります。

前市長の姿勢ということなのだとは思うのですが、今後はこういうことは許されないと思っていますので、今後この問題はしつこく、仮に僕が聞かなくても小幡議員がきっと聞いて下さると思いますし、

必ず市立2病院については要請をしてその回答を理由を含めて我々におきかせいただきたいと思います。

信じられない、許せない答弁が返ってきました。

こども育成部の答弁も許せませんでしたが、初めての問題提起でしたから委員会の後にすぐに把握してもらえば済みますのでまだガマンできます。

信じられない、許せない答弁だったのは、健康部です。

「またか」と思いました。

このブログをずっと読んで下さっているみなさまはご存知のことですが、前市長時代には議会でその場しのぎに前向きな答弁をしておいて実際には部局に対して何も指示をしていないということばかりでした。

だから、本会議や委員会で質疑をしても全く意味が無いと感じるような市政が続いた闇の8年間でした。

そして今回の性暴力・性犯罪に対する支援協力病院に市立2病院がなるように働きかけることを、なんと1年間サボタージュしていたのです。何もしていなかったのです!



上地市長のもと、必ず動き出してほしい!

それにしても今回の答弁は、まさに前市長時代のウミが出た典型的な例だと感じました。

前市長はその場しのぎの答弁でごまかしていましたが、上地市長は違います。

すでに、議会に対して「前向きな答弁をしたら、必ず2定例議会後(半年後ですね)までには検討結果を報告する」と約束してくれました。

委員会が終わった後に、担当課長と話しあったところ、早急に対応すると約束してくれました。

担当課長はとても信頼できる方ですので、とても期待しています。

過去にもフジノが厳しい提案(長年続いた『単コロ』を廃止せよ)をした時も、翌年度にはそれを実現してくれました。

可能な限り早く対応してほしいです。

かつてフジノが参加した、2014年に市内で初開催された性暴力・性犯罪に関するシンポジウムではうわまち病院の看護師長がすでに取り組みを進めていることを報告してくれていました。うわまち病院にはもう支援体制ができているはずです。

あとは、横須賀市として神奈川県に正式に支援協力病院になることを申請すれば良いのです。

ぜひ進めてほしいと思います。

しばらくは前市長時代のウミがこうして出てくると思いますが、全て出しきってしまいたいです。

本当に市長が交代して良かったです。

一刻も早く、犯罪被害に遭った方々の尊厳が回復される為の出来る限りの支援に取り組みたいです。



教育福祉常任委員会の終了後に

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