医療的ケア児や医療依存度が高いこどもたちと保護者を守る「小児在宅ケア」体制づくりの必要性を訴えたフジノの質問が載っています/「よこすか市議会だより」No.28が発行されました

「よこすか市議会だより」、けさ発行されました

本日5月11日、『よこすか市議会だより』が発行されました。

2018年5月11日発行「よこすか市議会だより」表紙より

2018年5月11日発行「よこすか市議会だより」表紙より


新聞各紙に折り込みされて、横須賀市議会ホームページにも掲載されました。

あなたのお手元にも届いていますか?



生まれ変わった「広報公聴会議」

『よこすか市議会だより』は、『広報公聴会議』の委員のみなさま(もちろん全員が議員です)が全ての作業を行ない、年4回、発行しています。

この前身の『議会だより編集委員会』にフジノもかつては所属していたことがあるのですが、当時は年1回の発行でした。

しかし『議会改革』の取り組みの1つとして、単なる議会だよりの発行機関から、現在は新たに『広報公聴会議』へと生まれ変わりました。

『広報』(広く市民のみなさまにお伝えする)と『公聴』(市民のみなさまのご意見を広くお聴きする)の2つの機能を持つ組織です。

『広報』の取り組みとしては主に2つです。『議会だより』の発行と『議会報告会』によって情報発信を行なうことです。

『公聴』の取り組みとしては、昨年度から新たに『議会報告会』の第2部において、参加者の方々との意見交換を行なうようになりました。ここでの声は『政策検討会議』へフィードバックされます。

フジノも所属している『政策検討会議』では、『広報公聴会議』で集約された参加者のご意見を政策形成に反映していくことになります。

『政策検討会議』と並んで『広報公聴会議』はとても重要な議会改革の取り組みなのです。



「1記事260文字まで」「掲載は年2回まで」が「市議会だより」のルールです

さて、『市議会だより』についてです。

市民の方から

「今回は『市議会だより』に載ってなかったけど質問しなかったの?」

と尋ねられることがありますが、決してそんなことはありません。

フジノは『横須賀市議会の質問王』として、この15年間全ての本会議で質問を続けてきた唯一の議員ですから。

『市議会だより』は紙面が少ないので、発行のルールがあります。

市議会だよりの編集のルールより

市議会だよりの編集のルールより


年4回の発行のうち、2回だけ、質問を掲載することができます。

フジノは全ての本会議で質問をしますので年4回(年によっては年4回以上)質問をしますが、全ては掲載することができません。

また、文字数に260文字という制限があります。

記事を書くのは、市長へ一般質問を行なった本人がその部分を担当するルールです。

そしてフジノは2018年予算議会でもたくさんの質問を行ないましたから、どの質問を記事として書くか、今回もとても悩みました。

文字数の制限もありますので、絞りに絞って行なった一般質問の中からさらに最もどうしてもお伝えしたい事柄を選んで記事にしました。



フジノの記事は「小児在宅ケア」体制づくりを訴えた質問です

2018年予算議会でフジノが行なった質問の全文はこちらをご覧下さい。

これらの質問の中から記事に選んだのは、医療的ケア児や医療依存度が高いこどもたちの「小児在宅ケア」の体制づくりの必要性を訴えた質問です。

フジノの質問の記事「よこすか市議会だより」より

フジノの質問の記事「よこすか市議会だより」より


本会議で行なった質問は、実はとても長いです。

再質問でもこの質問に関連するやりとりに最も長い時間を使いました。

そこで260文字では表現しきれないとても強い想いを知っていただく為に、2018年予算議会・フジノの質問を改めて掲載します。

2018年3月1日・本会議・市長への質問

3.「小児在宅ケア」の仕組みづくりの必要性について

『復活3構想』実現の3つ目の柱『子育て・教育環境の再興』では、障がいのあるこどもへの取り組みも語られ、インクルーシブ教育の推進と支援教育の充実について市長は触れて下さいました。

しかし、障がいのあるこどもたちの中でも最も支援が必要な存在でありながら、これまで光の当たらなかった医療的ケアや医療依存度が高いこどもたち(以下、医療的ケア児)については触れられませんでした。

医療の進歩によってこれまで救えなかったこどもの命が助かるようになり、病気や障がいの為に24時間365日人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養等の医療的ケアが必要なこどもたちが増えています。

さらに近年、対象となるこどもたちは低年齢化しています。

そして、ご家族の暮らしは大変なご苦労の中にあります。

そこで、医療的ケア児が自宅で暮らしていかれる『小児在宅ケア』の推進について伺いたいと思います。

医療的ケア児の支援体制を質す藤野英明


平成28年5月、児童福祉法が改正されて、新たに第56条の6第2項が次のように追加されました。

「地方公共団体は、人工呼吸器を装着している障害児その他の日常生活を営むために医療を要する状態にある障害児が、その心身の状況に応じた適切な保健、医療、福祉その他の各関連分野の支援を受けられるよう、保健、医療、福祉その他の各関連分野の支援を行う機関との連絡調整を行うための体制の整備に関し必要な措置を講ずるように努めなければならない。」 

この条文によって、これまで日本の障害者の概念・定義に含まれていなかった『医療的ケア児』が初めて法的に位置付けられました。

この改正児童福祉法や診療報酬の改定において医療的ケア児に対する訪問看護が充実するなど、ようやく『小児在宅ケア』に注目が集まってきました。

一方、本市ではこれまでうわまち病院小児医療センターを中核とする取り組みが進められてきました。

さらに、地域において『小児在宅ケア』に取り組む医師・訪問看護・訪問介護・歯科医・薬剤師・リハビリなどが少しずつ増えつつあります。

そこで、今こそ『在宅療養連携会議』のこども版を立ち上げるべきです。

ご高齢の方々を対象とした本市の『在宅療養連携会議』の設置とその取り組みは、『地域包括ケア』の先進事例として全国に知られています。

しかし、残念ながらこの会議は、こどもたちを対象としていません。

かつて高齢者に関わる多職種が顔の見える関係になり、在宅療養に参画する医療・介護・福祉関係者が増えたように、『小児在宅ケア』を支える多職種が集まって、医療的ケア児とご家族が地域で安心して暮らしていかれる仕組みづくりをすべきです。

すでに『神奈川県小児等在宅医療推進会議』の取り組みや、県内でモデル事業に先行して取り組んできた茅ヶ崎・厚木・小田原の知見もあり、本市は今こそ取り組みを始めるべきです。

そこで伺います。

【質問22】
ご家族を筆頭に、『小児在宅ケア』に関わりのある保健、医療、福祉、教育その他各分野の方々と行政の担当各部局をメンバーとした新たな連絡調整の場を作り、定期的かつ継続的に開催していくべきではないでしょうか。

そして、退院支援、生活の場におけるケア、レスパイト、急変時の対応、看取りまで、意見交換や情報共有を行ない、顔の見える関係を作り、地域の課題を抽出し、解決への方策をともに考えていくべきではないでしょうか。


さらに、医療的ケア児の支援に関しては、高齢者福祉・介護保険でいうところのケアマネージャーにあたる存在がおらず、全国的に医療的ケア児に対する関係分野の支援を調整するコーディネーターの養成と配置が喫緊の課題となっています。

そこで伺います。

【質問23】
新年度、本市はコーディネーターの養成と配置の取り組みについてどのようにお考えでしょうか。お答え下さい。

市長の答弁

【答弁22】
次に、小児在宅ケアに関わりのある各分野の方々と行政の担当各部局をメンバーとした新たな連絡調整の場を作り、解決への方策を共に考えて行くべきではないかについです。

医療的ケア児が適切な支援を受けられるよう、おっしゃる通り、保健・医療・障害福祉・保育・教育等の関係機関による協議の場を平成30年度に設置します。

人工呼吸器等の使用や痰の吸引など医療的ケアを必要とする障害児が地域において必要な支援を円滑に受ける為には支援にあたる関係機関の連携が当然として欠かせないというふうに考えています。

お互いに顔の見える関係の中で実効性のある協議が行われるよう協議の場の具体的な運営形態や構成員等について関係機関とできるだけ早くに調整を図っていきたいと思います。


【答弁23】
次に、医療的ケア児に対する関係分野の支援を調整するコーディネーターの養成と配置が喫緊の課題だが本市は来年度はどのように取り組んでいくかについてです。

医療的ケア児の様々な課題に対応する為に相談支援専門員として関連分野の支援を調整するコーディネーターの配置を進めていくべきと考えます。

コーディネーターの養成事業が平成30年度から都道府県及び指定都市を実施主体として位置づけられましたので、県との連携を図りながら市内事業者へのコーディネーターの配置をぜひすすめていきたいと考えます。


(ここから一問一答形式での再質問を掲載します)

フジノの再質問

まず『小児在宅ケア』に関連して、「そもそも医療的ケア児の存在をどうお考えか?」ということを伺いたいと思っております。

何故こんな質問をするかと申しますと、2016年7月に相模原の津久井やまゆり園で19人もの重症心身障がいのある方を含め、多くの方々が殺された事件がありました。

「障がいのある方々は社会にとって要らない存在だ」というような、極めて許しがたい優生思想に基づいた殺人事件でした。

このことについて、「何で横須賀市議会は何も意見を言わないんだ!」というふうに言われて、僕自身も「何故、何も抗う意見表明をしないんだ」というふうに怒られましたが、

今まで自分たちがしてきたこと、市議会、行政、教育委員会、特に市立養護学校が行なってきたことなどをご覧いただければ、横須賀市は重症心身障がいのあるこどもたち、医療的ケアの必要なこどもたちを全力でこれまでも守ってきたし、これからも守っていく姿勢に何ら揺らぎはないと、そういうふうに思っている。

それを「わざわざ表明する必要は無い」と思い、僕はその時は言葉にはしませんでした。

ただ、そのように「言葉にしろ」というふうに求められたので、今回の質問はその意味も含めて行なわせていただきました。

市長のお考えを伺いたいんですが、まず僕自身の考えも言うべきだと思っています。

赤ちゃんができた。

しかし十月十日を待たずに生まれて、低出生体重児で、あるいは極低出生体重児として生まれたり、何らかの疾患や臓器への障がいがあって、出産後、お母さんに抱っこしていただく間も無く、看護師さんに取り上げられて、『NICU』に移す。

そして『医療的ケア』を受けなければならないというおこさんがいて、今後、確実に増えていきます。

何故かというと、初婚年齢が上がりました。

当然、初産の年齢も上がりました。

妊娠における様々なリスクは、残念ながら年齢が上がれば上昇してまいります。

医療依存度が高い赤ちゃんが生まれることもまた必然のことです。

もしかしたらすぐに亡くなってしまうかもしれない。

もしかしたら1年は生きられるかもしれない。

いつまで生きられるか分からない。

それでも親御さんは、1日でも長く生きてくれることを祈って止まないものだというふうに受け止めています。

そして政治・行政は、生きていかれる命を守るのは当たり前のことで、誰もが寿命なんて分からない中で、例え病気や障がいがあって生まれようと、『医療的ケア』が必要だとしても、その命が尽きる時まで生きていかれるように、全力で支援をすること。

そして、自己実現や教育の機会も提供することは、行政・政治の当然の責務だというふうに考えています。

これが僕の信念であり、やまゆり園事件の優生思想に対するアンチテーゼ、僕の想いです。

『医療的ケア』のあるこどもたちが大人になれば、やまゆり園にいたかもしれない。

横須賀の方はたまたまおられなかったということですが、もちろん自分のまちの問題としても受け止めております。

そんな中で、改めて質問をさせていただきます。

まず上地市長、『医療的ケア児』の存在についてどうお考えか、お聞かせ下さい。

上地市長の答弁

これは思想哲学も含めて、宗教も含めてという問題と、政治という問題というのは非常に密接に、難しい問題だと思っているんです。

私は個人的に、どんな方でも、命をいただた方っていうのは救わなければいけないのは、これは人間として、あるいは政治家として当然だというふうに思っています。

それは、DNA論ではありませんが、ここまで生存してきたというのは何らかの意味があって、ホモサピエンスとして存在してきたというのは理由があると思っています。

ですから、それを周りが、周囲が助けるというのは、どんな状態でもこれは当たり前の、これは人間として当然のことだと、まず思っています。

それが、天から与えられた命に対する我々の使命だというふうには感じて、まずそういう考えを持っています。

これは、宗教とか思想を超えて。それを言うとここではいけないので言いませんが。

その上で、政治が何ができるかということは、当然基本として考えなければいけないのは当たり前の話しです。

『医療的ケア児』だけではなくて、様々な障がいを持ったり、様々な貧困、差別、区別を受けてこられた方たちというのは、日本の歴史の中でも、これは長い歴史の中でも居ます。

それがどうやって権利を回復して、社会全体で捉えて何かをしていくということが、もし神様がいるならば、神が与えられた人間に対する試練、それを知らさせしめているのではないかといつも感じています。

ですから、政治の中ではこれは全力を尽くさなきゃいけない。

それは政治家の使命であるというふうに、少なくとも私は感じて生きてきましたし、今も感じるし、これからも生きていきたいというふうに思います。

フジノの再質問

ありがとうございます。

まさに「やまゆり園事件について本市のメッセージをお聞きしたい」と言っておられた方にも、政治・行政のメッセージは確かに届いたと思います。

天命というお言葉をいただきましたが、僕もまさに全く同じ想いでおります。

今は『信念』の部分について伺いましたが、『具体的な施策』の部分についてもう少し伺いたいと思います。

『子ども版在宅療養連携会議』という仮称で僕は呼びましたが、市長は「平成30年度中には設置をしていきたい」というふうにご答弁をいただきました。

重ねてのご提案になるんですが、「ぜひご家族を入れていただきたい」というふうにご提案します。

何故ならば、『在宅療養連携会議』というのは『サービスの提供者側』しか入っていないんです。

でも『医療的ケア児』のケアをしておられるのはプロの方々だけでは無くて、ほとんどご家族が24時間つきっきりになっていて、親であると同時に、保護者であると同時に、ケアの担い手でもある。

その方々のご意見を受けられる場、そういう場ができるのであればご家族は必ず入るべきだというふうに考えているんですが、ご検討いただけるでしょうか。

上地市長の答弁

ぜひ、おっしゃる通り検討していきたいというふうに思います。

フジノの再質問

続いて、『グリーフケア』『ビリーブメントケア』、ちょっと耳慣れない言葉で恐縮なんですが、の行政による取組みの強化について伺います。

生まれてすぐに亡くなってしまう『医療的ケア児』もいらっしゃいます。

残念ながら、全力を尽くしても1週間で亡くなる命もあれば、小児がんに7歳でなって半年で亡くなってしまうような方もおられる。

今は、この地域での体制の中で『協議会』をつくっていただく。

その中に「看取りについても入れてほしい」というふうに申し上げました。

生まれてすぐにこどもさんを亡くしてしまったお母さん・お父さん・保護者の方々のために、『天使ママの会』という民間の組織があるんですけれども、横須賀市も協力をして広報をしてくれていますが、年4回しか、やっぱり集まれない。

お母さん方・お父さん方、悲嘆の中に、悲しみに中におられて、自らも当事者として、ピア仲間・当事者仲間を支えようとしている。

これはやっぱりとってもご負担だと思うんです。

『グリーフケア』『ビリーブメントケア』と専門用語で言うんですが、この全く足りていない現状を支えていくのは、行政の一定の取組みが必要ではないかというふうに考えています。

かつて自殺対策に取り組んだ時、自死遺族の方々も語り合う場がありませんでした。

こどもが亡くなった。しかもなかなか他の多くのこどもたちとは違う状況の中で亡くなった。

そういった想いを語り合える場が必要だと思っているんです。

もちろん『天使ママの会』の活動も素晴らしいのですが、行政としても何らかの取り組みを行なうべきではないかと思うのですが、ご検討いただけないでしょうか。

上地市長の答弁

藤野議員はいつも人間の尊厳というところで、様々な場面でそういうところで活躍されていることはよく理解していますし、すごく大切なことだというふうに思っています。

ぜひ検討させていただきたい。

いろんな人生があって、いろんな方がいろんなもので苦しんでいるところを、どこまで行政がフォローするか。これはやっぱり永遠の課題だと思うんですね。

時代によって、いろんな不幸が生まれるし、差別が生まれるし、それをどうやって工夫していくかというのも、ひとつの人間の叡智というのかな、人類の叡智。

大仰な言い方かも分かりませんが、それに取り組んでいかなきゃいけないのは当然、民主主義の体幹だと思うんですね。

ですから、その辺は私も同じような視点で考えておりますので、ぜひ検討をさせて下さい。今はそういうふうにしか言えませんが。

フジノの再質問

行政がどこまで関わるべきか。

当然、社会資源、人的資源、財政的資源を考えねばならないんですが、先ほども申し上げた通りで、『医療的ケア児』の数はこれから上昇していきます。

そして、残念ながら亡くなるこどもの数も当然増えていく。

しかも絶対数で見ると少ない。

その中で、これから行政が対応するニーズは確実にあると思いますので、ご検討いただけるということですので、ぜひお願いしたいと思います。

『小児自宅ケア』に関連して、1点だけ知っていただきたいことがあります。

教育福祉常任委員会、昨年12月4日に行なった健康部との質疑で『PICU』をうわまち病院に新設するという議論を行ないました。

この件について報告など受けておられるでしょうか。

上地市長の答弁

『PICU』については聞いていないです。

フジノの再質問

実はぜひ知っていただきたいこと、『小児在宅ケア』に関連してぜひ知っていただきたいことなんです。

先日報道されましたが、我が国の『新生児の死亡率の低さ』は世界トップです。

しかし、『生まれた後の1歳〜4歳の小児の死亡率』は先進国の中ではアメリカに続いてワースト2位なんです。

『1歳〜4歳の死亡率』はワースト2位が日本です。

その原因として『PICU』、『ICU』の子ども版、『小児集中治療室』の整備不足があります。

全国的に『NICU』は増えてきました。

横須賀にも共済病院・うわまち病院にもあります。

しかし『PICU』は全国に40か所しか無く、24時間体制で救急受入れを行なっているのは10か所しかない。

これがもう「1歳から4歳の死亡率の高さの背景にある」とはっきり言われているんですね。

そのような現状がある中で、うわまち病院の指定管理者の選考の為の審査会で、うわまち病院を担いたいと応募をしてくれた地域医療振興協会は「『PICU』を作りたい」とプレゼンテーション資料に載せてきたんですね。

当然、僕としては『小児在宅ケア』に資するものですので、そして「ぜひ設置をして欲しい」という想いもあって、上地市長にも質疑をさせていただいた「うわまち病院がもしあの場所で建てかえをするなら、道路を拡幅して欲しい」と。救急車が一刻も早く入って欲しい。

そういうような想いもあってあの質疑をしたんですが、実際に『PICU』の整備のスケジュールなどを部局にお聞きしたところ、「あくまでプレゼンテーションで出された資料であって、話はあったが具体的なスケジュールは何も詰めてない」というお話だったんです。

でも、プレゼンテーションというのは指定管理者を選ぶ為のものであって、審査委員会の方は『PICU』を作るんだという想いもあって得点を投じているはずなんです。

ですから、別の答弁では「建てかえによる物理的な環境をクリアせねばならない。これから具体的に検討させていただきたい」と答弁があって、一定の理解はしたんですが、こうした議論があったこと。

そしてこれは『小児在宅ケア』のために大きく資するものであるので、健康部、そして地域医療振興協会とともに、こどもたちの命をより守れる病院になっていただくように議論をぜひ進めたいというというふうに指示をしていただけないでしょうか。

上地市長の答弁

その話を初めて聞いたんで、ちょっと内容を調査して、いろんな視点からちょっと検討をしてみたいというふうに思います。

フジノの再質問

ありがとうございます。

以上が本会議での質疑応答の引用でした。

つまり、記事には載せられなかった再質問では、こんなに新たな問題提起質疑を行なっていた訳です。

  • そもそも『医療的ケア』の必要があるこどもたちや医療依存度の高いこどもたちの存在をどう捉えているか

  • 重い障がいのある人は生きていてはならないといった『やまゆり園事件の加害者のような優生思想』に対して、横須賀はどのように対抗していくか

  • 『子ども版在宅療養連携会議』のメンバーには必ず家族をいれるべき必要性

  • 流産・死産・幼いこどもを亡くした天使ママ・天使パパ・遺族に対する『グリーフケア』『ビリーブメントケア』が全く足りていない現状を変える為に行政が取り組みを行なう必要性

  • 横須賀のこどもたちの命を守る為に、うわまち病院への『PICU』設置を推進する必要性

フジノは様々な観点から命に関わる大切な質問を行ないました。

そのほぼ全てに対して、上地市長はフジノと同じ考えを示してくれました(『PICU』に関しては議論の報告を受けていなかったので答弁できず)。

市長への質問というのは、1問目の原稿は議会側は渡しています。

それはしっかりとした答弁を作ってもらう為です。

しかし、再質問は全くのシナリオなしです。

上地市長とフジノの、本音のぶつかりあいです。

そこで上地市長は、重い障がいのあるこどもたちを守り育んでいくことは政治家の天命だとお答えになった。

優生思想は許されるべきではないとお答えになった。

『子ども版在宅療養連携会議』のメンバーには必ず家族を入れると答えて下さった。

流産・死産・幼いこどもたちを亡くした天使ママ・天使パパ・遺族の為に、現在は全く足りていない『グリーフケア』『ビリーブメントケア』に行政が取り組んでいく、と答えて下さった。

まさにフジノの目指す方向と上地市長の方向は同じです。

260文字の記事には載せられなかった、こうした上地市長とフジノの魂のぶつかりあいもぜひ知って下さいね。



医療的ケア児や医療依存度が高いこどもたちの「小児在宅ケア」の仕組みづくりの必要性/市長に行なう質問の発言通告書を紹介します(その3)2018年予算議会

前の記事から続いています)

3 「小児在宅ケア」の仕組みづくりの必要性について

施政方針では「子育て・教育環境の再興」として妊娠・出産・子育てに関する多様な取り組みが語られたが、子どもたちの中でも最も支援が必要な存在である医療的ケアや医療依存度が高いサポートが必要な子どもたち(医療的ケア児)について取り上げられなかった。

日常生活を送るために24時間365日の医療が必要な医療的ケア児、その御家族を支える体制づくりが必要だが、本市においても地域の医療、看護、福祉など多職種において少しずつ増えてきた。

今こそ「在宅療養連携会議」の子ども版を立ち上げて、多職種を顔の見える関係とし、「小児在宅ケア」に参画する人々をふやすための仕組みづくりが必要だ。

(1) 御家族を初め、「小児在宅ケア」に関わりのある保健、医療、福祉、教育その他各分野の方々と行政の担当各部局をメンバーとした新たな連絡調整の場を作り、定期的かつ継続的に開催すべきではないか。

そして、退院支援、生活の場におけるケア、レスパイト、急変時の対応、看取りまで顔の見える関係を作り、地域の課題を抽出し、意見交換や情報共有を行い、解決への方策をともに考えていくべきではないか。

(2) 医療的ケア児に対する関係分野の支援を調整するコーディネーターの養成と配置が喫緊の課題だが、本市は来年度どのように取り組んでいくのか。

フジノにとって、『医療的ケア』は父が12年間受けていたこともあり、本当に大切なテーマです。

医療的ケアの必要なご高齢の方々が市内の特別養護老人ホームで暮らしていかれる体制づくりをはじめ、様々な提案を行なってきました(最近ではこんな質疑もしました)。

父は60代で脳梗塞から医療的ケアが必要になりましたが、現在の日本ではいろいろな理由から生まれてすぐに医療的ケアが必要だったり、医療依存度が高いこどもたちが増えています。

医療的ケアの必要なこどもたち、医療依存度が高いこどもたちを守ることは、フジノの使命だと考えています。

これまでも本会議・委員会を問わず質疑を重ねてきましたが、昨年から今まで以上に強く取り組みを進めてきました(こんな質疑も行ないました)。

今年はさらに取り組みを進めていきます!

発言通告書は以上です。

フジノの質問は、3月1日に行ないます。



フジノは4つの条例案を提案しました。自殺対策・医療福祉人材の確保・性的な多様性の保障と支援です/政策検討会議

条例案の提案、今日がしめきりでした

6月15日のブログに記した通り、『政策検討会議』では横須賀市議会のマニフェストとも言うべきロードマップの作成を行なっていきます。

そして、全議員に対して、『横須賀市議会が新たに作るべき条例の提案』を募集しました。

その締め切りが今日7月31日でした。

フジノも、もちろん条例案を提案しました。

これからの『政策検討会議』で議論を重ねて、どの条例案が最も市民ニーズに応えているか、緊急性の高さや複数の議員から提案が出ているか否か、また現実的に残り2年間で実現可能かなどの視点から絞り込まれていきます。

せっかくの機会ですので、フジノが提出した4本の条例案のタイトルとそのあらましをご紹介します。

第1に、『自殺対策基本条例』です。

(仮称)自殺対策基本条例の制定
  自殺による犠牲者が3万人以上が15年続いた異常な社会状況が、自殺対策基本法施行から10年を経て、ようやく2万人台に減少しつつある。2017年7月に改定された「自殺総合対策大綱」に記されたように「非常事態はいまだ続いている」ことに変わりはない。ここで取り組みを緩めれば自殺は再び上昇しかねない。
 

  本市は、基本法成立前から全国に先駆けて様々な自殺総合対策を実施してきたが、法成立後は国の自殺対策基金などの財源の動きに本市の取り組みが左右させられてきた経緯がある。国の動きに左右されずに、今後も本市の取り組みを決して後退させずに、さらに自殺による犠牲者をより一層減らしていく為の取り組みを継続するために、今後は地域の特性に応じたより細やかな対策を実施していく必要がある。

  そこで取り組みの根拠となる、本市独自の条例制定が必要である。

  その内容は、

  • 本市が自殺による犠牲者を可能な限り減らすことを強く宣言するとともに地域特性に基づいた対策の必要性をうたうこと、
  • 自殺の当事者及び遺族の声を常に耳を傾けるとともに地域診断を含めた調査を実施すること、
  • 前市長時代に単なる連絡会に格下げされた『自殺対策連絡会議』を対策の企画立案及び関係機関の連携の場として明確に位置づけること、
  • 総合的な確保対策を講じること及びその施策実現の為の財政的な措置を取ること、
  • 法定の市町村行動計画の結果を毎年必ず市議会に報告させること、
  • その効果を検証しPDCAサイクルで行動計画を改定し新たな取り組みにつなげていくこと

  などを想定している。

第2に、『医療・福祉人材確保対策推進条例』です。

医療・福祉人材確保対策推進条例の制定
  人口減少は本市最大の課題だが、その人口構成は「少子化・超高齢化」と「労働力人口の減少」である。初婚年齢と初産年齢がともに上昇し、子育てと介護のダブルケアに苦しむ人々も増加している。

  そのような本市が人口減少を抑える為には、こどもを安心して産み育てられる環境と家族介護に追い込まれない環境を確実に整備する必要があるが、現状では「こども家庭福祉」「高齢者福祉」ともに必要な人材が極めて不足している為に、市民に必要な医療・福祉サービスを質的にも量的にも十分に提供できていない。

  そこで、医療・福祉人材の労働環境を実態調査し、総合的な確保対策を講じ、その施策実現の為の財政的な措置を取ると共に、毎年PDCAサイクルでその効果を検証し、優れた医療・福祉人材の確保を実現する為の条例制定が必要である。

第3に、『性的な多様性を保障する基本条例』とも言うべき条例案です。

(仮称)性的指向及び性自認の多様性の理解を増進する基本条例の制定
  ゲイ、レズビアン、バイセクシュアル、性別違和(旧・性同一性障害)、アセクシュアルなど性的指向及び性自認(SOGI)は多様であるが、現に存在する社会の無理解と偏見によって学校や職場など毎日の生活の中で当事者は差別に苦しみ、自殺未遂・自殺に追い込まれる者も多い。

  様々な調査結果や当事者らの報告からもSOGI理解の増進と差別禁止をすべき立法事実が明確に存在するにもかかわらず、2017年7月現在、いまだ国は法制定が実現できていない。全国の地方自治体が独自に条例を作ることでむしろ国の機運を高める役割を果たしているのが現状である。
 
  本市は約10年前からSOGIに関する課題とその解決に向けて、当事者との意見交換会を毎年開催し、市民や学校現場や市職員などあらゆる人々への理解増進と具体的な課題の解決に取り組んできた。まさに本課題において本市は先進自治体として全国を牽引する役割を果たしてきた。

  しかし、その施策展開の根拠となる明確な条例は無く、当事者、議員及び市担当職員の熱意によって様々な取り組みは支えられてきた。ここで本市は明確に条例を制定して施策展開の根拠とするとともに、基本理念を明確化した条例によって当事者及び市民に対して課題解決に向けた決意を強く打ち出すべきである。

第4に、『SOGIを理由とした差別禁止と様々な課題を解決する為の条例』です。

(仮称)性的指向または性自認の多様性を理由とする差別の禁止と課題解決を実施する条例の制定
  上記の条例は『基本条例』であり、SOGIに関する本市の基本的な理念を定めるものである。

  一方、本条例では「具体的な課題とその解決を実施する為」の審議会の設置、当事者の声を中心とした課題の調査、行動計画の策定、行動計画に基づいた施策の実施、その実施にあたる財源措置の必要性、市議会への毎年の取り組み状況の報告、及びPDCAサイクルに基づいて行動計画を見直していくことを明記することを想定している。

以上の4本です。

フジノはこのどれに対しても、条例が無くてもできる様々な提案を市議会で繰り返してきました。

そして、一定の成果をあげているものもあります。

しかし、いずれフジノも引退するでしょう。

フジノと同じ想いをもって、課題解決の為に頑張ってくれている部課長や市職員の方々も多くが定年退職を迎えて代替わりしていきました。

政策がフジノに結びついてしまっている、あるいは政策がその時々の熱意ある職員によって実施されている、それはとても不安定なことです。

やはり、行政は自らが動く根拠となる条例があってこそ、その仕事を永続的に実施していくことができるものなのです。

そこで今回、フジノが想いを込めて取り組んできた分野の中から特にこの4つを提案しました。

今後、提案が通るか否かは全く分かりません。

それでもこのような提案の機会を設けている今の横須賀市議会の在り方をフジノは誇りに感じています。

14年前、初当選した時の横須賀市議会は無所属のいち議員に提案そのものをさせてくれませんでしたから。大きく変わったのです。

次回の『政策検討会議』は9月7日(木)13時からです。



廣江研さん(社会福祉法人こうほうえん理事長)のサービスの質の向上にかける凄まじい想い/地域包括ケアの事業マネジメントを考える(最終回)

「地域包括ケアの事業マネジメントを考える」最終回

今日は、東京・青山の『国際医療福祉大学大学院』へ向かいました。

大学院にて

大学院にて


15回にわたる『地域包括ケアの事業マネジメントを考える』中村秀一教授堀田聰子教授)も、早いもので最終回となりました。

フジノはこの数年間、地域包括ケアについてかなり学んできました。

それでも今回の講義シリーズを聴講して

「横須賀での地域包括ケアの実現の為に、学ぶべきことはまだまだ終わりがない」

と改めて感じさせられました。横須賀の取り組みに全国の好事例をどんどん持ち帰るのがフジノの仕事です。

今夜も素晴らしい実践を学びました。

「こうほうえんにおける地域包括ケアの取り組み」

「こうほうえんにおける地域包括ケアの取り組み」


今夜の講師は、『社会福祉法人こうほうえん』の理事長である廣江研さんです。



「社会福祉法人の経営の質」を徹底的に高めてきた廣江研さん

廣江研さんは、鳥取と東京で福祉事業を営む社会福祉法人の理事長です。

鳥取と東京で様々な事業展開をする「こうほうえん」

鳥取と東京で様々な事業展開をする「こうほうえん」


2000人規模の大きな社会福祉法人です。

こうほうえんの事業概要

こうほうえんの事業概要


こどもから高齢の方まで全ての人々を対象に、生まれてから保育〜看取りまで行なうその取り組みは、『地域』からも『社会福祉業界』からも高い評価を受けています。

サービス対象は、こどもから高齢者まで全ての人々

サービス対象は、こどもから高齢者まで全ての人々


しかし、廣江さんの取り組みへの評価はそれだけにとどまりません。

むしろ、経済産業省や『公益財団法人日本生産性本部』などの経済界からも高く評価されていることに特色があります。

何故ならば、徹底して『介護サービスの質』を高める為に絶え間なき組織改革を続けてきたからです。

徹底した経営品質向上への取り組み

徹底した経営品質向上への取り組み


ここまで徹底した例をフジノは他に知りません。

経営品質向上活動

経営品質向上活動


2001年9月、福祉業界初となる法人全体での『ISO9001』を取得しておられるように、経営の観点を全面的に導入した法人経営を行なっている姿勢が高く評価されているのです。

2010年には、『サービス産業生産性協議会』から『ハイ・サービス日本300選』に選ばれました。

第9回の受賞対象として『介護・福祉の領域』で選ばれたのですが、この『300選』で社会福祉法人が受賞したのは『こうほうえん』が初めてでした。

2013年には経済産業省から全国の社会福祉法人で唯一『おもてなし企業経営選』に選ばれました。

2014年度の「日本経営品質賞」受賞組織決定のプレスリリース

2014年度の「日本経営品質賞」受賞組織決定のプレスリリース


2014年度には『日本経営品質賞』を受賞しました。

ここで絶対に誤解していただきたくないのは、経営改革・組織改革というと単なる効率性重視や利益重視に受け止められてしまいがちですが、『こうほうえん』は全く違います。

常に『介護の質』を高める為に、組織全体としてとにかくひたすら改革を続けてきた、そのことが『こうほうえん』の最大の特徴だと評価されています。

  • おむつゼロ
  • 身体拘束ゼロ

などは、15年近い実践の積み重ねがあります。

フジノの父は植物状態だったこともあり、12年間の闘病生活中は常におむつを着用していました。そうした現実と比べると、『こうほうえん』のすごさは身にしみて分かります。

身体拘束廃止を宣言し、ゼロを実現し続けている

身体拘束廃止を宣言し、ゼロを実現し続けている


また、フジノがこれまでたくさん見学してきた特別養護老人ホームや介護老人保健施設などと『こうほうえん』が違うところは、『職員の方々が小走りにならない』という点が象徴的かもしれません。

これは、なかなかできないことです。

廣江研理事長による講義

廣江研理事長による講義


2000人規模の法人ですが、『こうほうえん』は『人財』こそ命と捉えて、離職も極めて低く、イノベーションも常に起こっている様子が感じられました。

売上の1%を常に人材への投資に充てている、これはすごい!

売上の1%を常に人材への投資に充てている、これはすごい!


ただ、講義では1時間半しかありませんのでエッセンスしか分かりませんでした。

フジノは介護人材・福祉人材・医療人材の不足(離職)に常に答えを求め続けてきました。

「人材不足なんて『こうほうえん』では起こさないし起こらない」とおっしゃる、廣江理事長の経験に裏付けられた自信たっぷりの語り口をもっと学びたいと思いました。

『こうほうえん』に2年以上かけて取材した井上邦彦さん(ライター)のルポが出版されているので、後日必ず読むことに決めました。

(*後日追記:購入してすぐに読み終えました。『こうほうえん』の取り組みがさらによく理解できました。本当におすすめです)





こうして、半年間の講義が終わりました。

今回は単に『地域包括ケア』の成功事例にとどまらず、事業マネジメントに革新的な取り組みを行なっている法人・地域の事例をたくさん学ばせて頂きました。

ここでの学びはは、必ず横須賀の地域包括ケアの実現に向けて活かしていきます。

中村先生、堀田先生、半年間ありがとうございました。



「介護療養病床」にかわる「慢性期医療を提供する新たな施設」の「たたき台案」が示されました/「第6回療養病床の在り方等に関する検討会」へ

「第6回療養病床の在り方等に関する検討会」へ

7月15日に第1回がスタートした『療養病床の在り方等に関する検討会』ですが、早くも今日で6回目の開催となりました。

「第6回療養病床の在り方等に関する検討会」会場にて

「第6回療養病床の在り方等に関する検討会」会場にて


前回(第5回)で『新たな選択肢の骨格』について議論が行なわれました。

これを受けて今回は『たたき台(案)』が事務局(厚生労働省)から提案されました。

議事次第

議事次第


ただ、フジノからすると『新たな選択肢』と言いながらも

厚生労働省の『介護療養病床』を廃止したいという今までの主張を、単に『新たな選択肢』に置き換えただけではないか

という疑念がどうしても拭えずに今に至っています。

確かに『介護療養病床』には欠点と言うべきものがあります。

例えば、本当に多くの方々が長期間にわたって暮らし続けている『社会的入院』状態にあることや、実際には『看取り』までなされていること(死亡退院と呼びます。自宅への退院よりも死亡退院の方が多い)や、個人のプライバシーが守られにくい(尊厳ある暮らしとは言えない)現状があることなどです。

事務局案ではこうした点を改善できないかという提案もなされています。

検討会は傍聴者もたくさんでした

検討会は傍聴者もたくさんでした


けれども、フジノは思うのです。

そもそも多くの方々が『介護療養病床』で生涯を終えねばならないのは、何故か。

それは、終の棲家である『特別養護老人ホーム』で受け入れられるだけの介護人材を確保できていないからではないか。

本来ならば住み慣れた我が家に帰って最期を迎えたいと誰もが願っているけれども、訪問看護・訪問介護を十分に受けて自宅で暮らせるようなサービスを提供出来るだけの医療人材・介護人材が圧倒的に不足しているからではないか。

この根本的な問題を解決しないままに、『新たな選択肢』という名前の『別の施設』を作っても何も解決しないのではないかとフジノは考えているのです。

つまり、抜本的に『医療人材・介護人材を確保できる為の改革』を進めなければ『介護療養病床』を廃止しても何も解決できない、とフジノは考えざるをえません。

療養病床・慢性期医療の在り方の検討に向けて〜サービスを提供する施設の新たな選択肢について(たたき台案)

療養病床・慢性期医療の在り方の検討に向けて〜サービスを提供する施設の新たな選択肢について(たたき台案)


今日の『検討会』では、委員のみなさまからは『たたき台案』に対して「反対」の論調の声は特にありませんでした。

そのことがフジノには理解できませんでした。

いち市議として、フジノは自分のまちでいろいろな取り組みを進めてきました。

例えば、『特別養護老人ホーム』において気管切開・経管栄養(胃ろう)をしている方々をもっと多く受け入れていかれるように、介護職員の方々に質の高い研修を受けていただいています。

また、『定期巡回・随時対応型訪問看護介護』サービスを提供できる事業所を増やしていく為の取り組みも進めてきました。

同時に、市と医師会との積極的な協力のおかげで、『在宅療養』を受けられる人数を増やす為の取り組みも進んできました。さらに現実に『在宅での看取り』の数もかなり増えてきました。

つまり、厚生労働省が指摘するような、病院を退院しても『特養』にも入れず『自宅』にも帰れない為に『介護療養病床』で死ぬまで暮らす人々が多い、という現実を改善する努力に務めてきました。

そして、『介護療養病床』には本来の目的を実施してもらえることを目指しているのです。

フジノは『介護療養病床』は必要な存在だと考えています。廃止すべきではないと考えています。

厚生労働省が示している『たたき台(案)』によって、本当に人々の『住まい』として『介護療養病床』が生まれ変われるのか、確信が持てないままだからです。

慢性期の医療・介護ニーズへ対応するためのサービスモデル

慢性期の医療・介護ニーズへ対応するためのサービスモデル


この議論はまもなく終わり、やがて2017年の法改正につなげるのだと言われています。

本当にそれで良いのか、今日の検討会の傍聴を終えてもフジノの疑問は消えないままでした。



後日談:4時間後には日経新聞に記事がアップされました。早い!

長期入院病院の転換先、2つの新モデル提示 厚労省

厚生労働省は25日の検討会で、長期入院の高齢者向けベッド(療養病床)を持つ病院の転換先として、2つの新たな施設のモデルを示した。

医師が常駐して必要な治療を施せる医療型の施設や、医療機関と併設する住宅型施設を創設する。既存の介護施設も含めて、転換先を病院自ら決めてもらう。医療サービスを必要な人に絞り込む。

年明けにも議論をまとめる。同省の社会保障審議会医療部会や介護保険部会で施設基準や介護保険と医療保険のどちらを適用するかを詰める。2017年の通常国会に関連法の改正案を出す。

長期入院ベッドは、治療の必要性が乏しいのに、介護施設が見つからなかったり、家族が介護できなかったりして利用する高齢者も多い。医療費が膨らむ一因となっていることから、一部は17年度末で廃止して、他の施設に移行することになっている。

施設案は医療を提供できる介護施設や、医療機関に隣接するサービス付き高齢者住宅のような施設を想定しているもようだ。この日の検討会では施設案に対して目立った反対は無かったが、「所得が低い利用者の負担に配慮してほしい」といった声が出た。

日本経済新聞・電子版・速報 2015年12月25日19:25←早い!)

新たに作る「地域医療構想」には地域に暮らすあなたの意見が絶対に必要です!/三浦半島地区地域医療構想調整専門部会スタート

「地域医療構想」づくりで最も大切なのは「地域の実態を知っている人々の実感を伴った声」だ

7月30日のブログに記したとおり、ついに『地域医療構想』づくりを神奈川県がスタートしました。

フジノが最も重視しているのは、県による『医療審査会』『保健医療計画推進会議』の場ではありません。

実際に『地域医療構想』が完成したらじかに影響を受けるのは、地域の住民のみなさまです。

その地域ごとの医療に詳しい人々を集めて、地域ごとの『地域医療構想調整専門部会』が必ず開催されることになっています。

神奈川県の「地域医療構想の策定体制」

神奈川県の「地域医療構想の策定体制」


県による『医療審査会』『保健医療計画推進会議』や県議会への報告と並行して、必ず地域ごとの『地域医療構想調整専門部会』も開催されます。

県資料「地域医療構想策定スケジュール」より

県資料「地域医療構想策定スケジュール」より


フジノはこの地域ごとの『地域医療構想調整専門部会』を最も重視しています。

そして今日は、横須賀・三浦をはじめとする『三浦半島地区』の『地域医療構想調整専門部会』が開催されました。

三浦半島地区地域医療構想調整専門部会の会場にて

三浦半島地区地域医療構想調整専門部会の会場にて


もちろん傍聴に駆けつけました。



傍聴整理券が配られましたが、定員5名に対してわずか3名の傍聴者でした

今日は傍聴整理券が配られ、定員5名(少ない!)を超えたら抽選になることが決まっていました。

傍聴整理券

傍聴整理券


しかし…。

本当に悔しくてならないのは、傍聴はフジノを入れて合計3名。もちろん抽選はありませんでした。

しかも、もう1人はフジノがとても信頼しているわが横須賀市の地域医療推進課の職員さん(なんと傍聴の為に有給休暇を取って来て下さいました)。

先日も記しましたが、ここで議論されて決まることは三浦半島の全ての人々の医療・介護・福祉にすさまじい影響を与えてしまいます。

それにもかかわらず、パブリックコメントが神奈川県全体に対して1度きり行なわれるだけです。

今日の『部会』もあくまでも『傍聴』しかできず、医療・介護・福祉を実際に受ける側の人々(我々です)の声は聴いてもらえません。

このまま2025年に向けた三浦半島地区の地域医療構想が作られてしまうことにフジノは危機感を抱いています。

あなたのいのちにかかわる問題なのに。。。

どうかひとりでも多くの方に関心を持ってもらえることを心から願っています。



ここから先は後日改めて更新します

ごめんなさい、時間のつごうでいったんここまででアップします。

具体的な『部会』の内容、フジノが考えたことなどは改めて後日掲載します。

下は書きかけのメモです。

「第1回三浦半島地区地域医療構想調整専門部会・次第」より

「第1回三浦半島地区地域医療構想調整専門部会・次第」より

病床機能報告制度の数値について

<現状と課題>

  • 病床機能報告制度の数値は、不確定な要素が多い(例:他の調査よりも総病床数が少ない、4機能区分の確たる基準がない中での報告になっている)ため、必ずしも実態に即した数値ではない

  • 一方で、地域医療構想策定ガイドラインでは、地域の現状を示す数値として 病床機能報告制度の数値を用いることとしている (同ガイドラインにおいても、病床機能報告制度の初年度の報告内容の正確性には十分注意すべきとの指摘はされている)

<対応>

  • 病床機能報告制度の個別の医療機関の報告内容を見ながら、地域ごとに実態を把握するため、まずは、各地域の第1回地域医療構想調整会議の中で、関係者と病床機能報告制度の報告内容を共有する

  • 地域の意見を踏まえて、必要があれば、『2025年の必要病床数の推計に係る基礎資料(資料4-2)』の現状の数値などを見直す(平成26年度病床機能報告制度の各医療機関の報告内容そのものを修正するものではない)

(現在、神奈川県が発表している病床機能報告制度の結果はこちらからご覧いただけます)



ついに神奈川県でも「地域医療構想」づくりがスタート/「神奈川県保健医療計画推進会議」へ(その3)

前の記事から続いています)

神奈川県での地域医療構想づくりスタート

さて、前置きをとても長く書いたのですが、肝心なのはここからです。

今日は、『神奈川県保健医療計画推進会議』が開催されました。

神奈川県保健医療計画推進会議の会場にて

神奈川県保健医療計画推進会議の会場にて


神奈川県は『地域医療構想』づくりの為に新たな組織を作ることはあえてせずに、既存のこの会議の場で策定作業を進めていくこととしています。

「2015年度第2回神奈川県保健医療計画推進会議・議事次第」より

「2015年度第2回神奈川県保健医療計画推進会議・議事次第」より


いつもながら思うのですが、ここでの議論は神奈川県全体に関わることなのに傍聴者がほぼ毎回フジノのみ(あとは医師会の方と神奈川新聞の方がしばしばおられます)なのは本当に残念です。

医療・介護・福祉にまつわる議論の場に、現場で働く人々や、医療・介護・福祉を受ける側の神奈川県民のみなさまがもっともっと来てほしいとフジノは強く願っています。



どのように作っていくのか

これから1年強をかけて、『地域医療構想』を下の3つの組織で、作っていくことになります。

神奈川県の「地域医療構想の策定体制」

神奈川県の「地域医療構想の策定体制」


フジノの数年間の体験から、実質的に最も決定権があるのは2の『保健医療計画推進会議』です。

  1. 医療審議会=名目上の最終決定機関
  2. 保健医療計画推進会議=実質的な決定機関
  3. 各地区保健医療福祉推進会議=地域ごとの意見を述べる場

けれどもフジノとしては「それはおかしい」と考えています。

繰り返し訴えてきましたが、医療政策の権限を持っているのは都道府県です。しかし、あなたがふだんかかっている診療所や病院のことを最も理解しているのは、『市区町村』です。

しかも地域包括ケアを実現するには介護・福祉との連携・統合が必要ですが、介護政策と福祉政策の権限を持っているのは市区町村です。

つまり、あくまでも現場に最も近い、地域の医療・介護・福祉を熟知している3の『各地区保健医療福祉推進会議』こそが強い発言権を持つべきなのです。

例えば、フジノたちが暮らす横須賀市をはじめ三浦半島の場合は『三浦半島地区保健医療福祉推進会議』が立ち上げられます。

『地区ごとの保健福祉推進会議』の場で、どんどん生の声を伝えて現場の意見を訴えていかなければなりません。

そして、この場には医療・福祉・介護の提供者側だけでなく、実際にサービスを受ける側も参加できるようにすべきです。

傍聴だけでなく、実質的な意思決定のプロセスに参加できるようにすべきです。

また、あくまでも『県』には『現場の声に対する調整役』として活躍してほしいです。

人々のニーズや想いを理解することないままに、県がデータだけをもとに医療機能や病床の増減を決めるようなことは許されません。



これからのスケジュール

これからのスケジュールは下の表のとおりです。

県資料「地域医療構想策定スケジュール」より

県資料「地域医療構想策定スケジュール」より


来年10月には完成させねばならないので、かなりタイトです。

しかも、市民のみなさまの声を県に伝えるタウンミーティングなどは一切なく、唯一の機会は2016年7月頃のパブリックコメントしかありません。

  • 『骨子案』の作成と『素案の』作成=2016年1~2月
  • 『構想案』の作成=3~6月(その後にパブリックコメント
  • 10月には決定

繰り返しになりますが

「これはおかしい。もっと市民(=医療が必要な方をはじめとする全ての人々)の声を伝える機会を持つべきだ」

とフジノは考えています。

(この指摘は、会議の終了後に県担当者の方にもお伝えいたしました)

今日の会議では、委員メンバーがデータの共有をして終わりました。

先に記した『医療機能報告制度』の初めての報告結果にもとづいたデータ集計をメンバーで共有したのです。

神奈川県にはベットが不足しています。

ベットだけでなく、医療人材・介護人材も不足しています。

これからいかにしてベットを増やすとともに、人材を育成していくか、離職されない労働環境へ改善していくか、こうした点をしっかり議論して『地域医療構想』に盛り込むべきです。

フジノはこれからもどんどん情報発信を続けていきます。

だから、どうかあなたも知って下さい。

「今、全国ではすさまじい数のベットを減らそうという国の動きがある」

「神奈川県は逆にベット数が不足している。いかにしてベットを増やし、医療・介護人材を増やせるか」

という大切な議論がスタートしました。

あなたもどうかこの議論に参加していって下さいね。2025年、2050年、みんなが生き延びられる為に。



ついに神奈川県でも「地域医療構想」づくりがスタート/「神奈川県保健医療計画推進会議」へ(その2)

前の記事から続いています)

病院・有床診療所は「病床機能」を報告しなければならなくなりました

まず、この『地域医療構想』の為に、昨年、全国の病院・有床診療所は、自分たちの病棟ごとの医療機能を都道府県に『報告』しました。

病床機能報告制度がスタートしました

病床機能報告制度がスタートしました


機能とは何かというと、下の4つです。

高度急性期
急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、診療密度が特に高い医療を提供する機能
急性期
急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、医療を提供する機能
回復期
急性期を経過した患者への在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供する機能

特に、急性期を経過した脳血管疾患や大腿骨頚部骨折等の患者に対し、ADLの向上や在宅復帰を目的としたリハビリテーションを集中的に提供する機能(回復期リハビリテーション機能)

慢性期
長期にわたり療養が必要な患者を入院させる機能
長期にわたり療養が必要な重度の障害者(重度の意識障害者を含む)、筋ジストロフィー患者又は難病患者等を入院させる機能

もう少しかみくだいてご説明しますね。

  • かなり重い病気やケガによって一番生命の危機にある時期を扱う『高度急性期』
  • 一般的な病気やケガを治療して安定させるまでの時期を扱う『急性期』
  • 危機を脱したけれどまだ医療が必要な方々の為の『回復期』
  • フジノの父のように植物状態の方々やそれほど多くの治療などは不要な方の『慢性期』

この4つの機能に分けて、現在と将来について都道府県に報告したのです。

  • 2014年現在の機能はなにか?
  • 6年後の機能はなにか?



(神奈川県の病院・有床診療所による病床機能報告制度の結果はこちらです)



何故わざわざこんな「報告」をさせたのか?

このままでは日本の医療・介護・福祉が崩壊するという大きく2つの理由があることは、前回のブログにも書いたとおりです。

今、政府は医療費の伸びをとにかく減らしたいので、財務省は厚生労働省をはじめ積極的に病床(病院数・ベット数)を減らすように強い圧力をかけています。

また、日本の医療・介護・福祉のあらゆる資源は足りていません。

そこで、重い病気やケガの治療だけに徹底的に重点を置いた高度急性期・急性期と、それ以外を徹底的に分けることで対応することに決めたのです。

日本では今までは『フリーアクセス』といって誰でもかかりたい病院・診療所に行けば医療を受けることができましたが、これからは本当に重い重篤な危機的な方々しか『急性期機能』の病棟での治療は受けられなくなります。

『フリーアクセス』はやがて無くなり、まずは誰もが『かかりつけ医』(行きつけの診療所)を持たねばならなくなります。

そして、ふだんは『かかりつけ医』のみ。

ひどく重くなった時だけ『急性期機能』のある病院へ、急性期が過ぎたらすぐに大半の方々は自宅に戻ることになります。さらに医療が必要な方々だけが『回復期機能』のある病院へと転院になります。

『回復期』で一定の治療が終わった方の大半は、自宅へ戻るか高齢者福祉施設・障がい福祉施設へ入所することになります。

その後も何らかの医療が必要な方だけが『慢性期機能』のある病棟へ転院することになります。

厚生労働省「医療機関の医療機能の分化・連携の推進」より

厚生労働省「医療機関の医療機能の分化・連携の推進」より


そこで、今回の『病床機能報告制度』をもとにして、在るべき姿を都道府県ごとに決めていくことにしました。

高度急性期の病棟はどれくらいあれば良いか。急性期の病棟が少なすぎないか。あるいは逆に多すぎないか。

といった具合いに。

それが『地域医療構想』なのです。



このシステムチェンジは良いことか?

フジノなりにメリットとデメリットを書いてみました。

  • メリット
    病院中心の生活ではなくなり、誰もが住み慣れた自宅で医療・福祉・介護を受けながら自分らしい暮らしができる。

    2025~2050年に向けて圧倒的に増える恒例の方々を前にして今後は医療人材も医療資源も確実に足りなくなり、今改革を実現しなければ医療崩壊が起こりうる。それを防ぐことができる。

  • デメリット
    今までのように完全に症状が落ち着くまで病院は滞在することはできなくなる。

    入院した日のうちに退院に向けた目まぐるしい動きの中に放り出され、ただでさえ病気やケガで苦しむ患者さんは自分の意志もよく分からないままに置いてきぼりにされてしまいかねない。

    実際には病院の数だけ減らされてしまい、地域の介護・福祉サービス(例えば24時間対応型の訪問看護やヘルパー、小規模多機能型居宅介護など)が足りないままに自宅へと追い返されてしまいかねない。

つまるところ、「絶対に2050年に向けて改革をやらなければならない」という危機感はフジノも全く賛成です。

しかし、一方でこのまちに介護・福祉サービスは足りていません。

十分な質と量の介護・福祉サービスと、同時に在宅療養・在宅看取りなど地域へどんどん出て下さるドクターがもっともっと増えていかねば絶対に地域包括ケアは実現しません。

安心できる未来が待っているか否かは、まさにあなたやフジノたちにかかっています。

地域包括ケア実現の為に、このまちの政治を大きく動かしていかねば明るい未来はありません。




次の記事に続きます)



ついに神奈川県でも「地域医療構想」づくりがスタート/「神奈川県保健医療計画推進会議」へ(その1)

全国の都道府県が新たに「地域医療構想」を作ります

地域包括ケアの実現。

その為に、フジノが今年度最も注目しているのが『地域医療構想』です。

今までの「医療計画」の中に新たに「地域医療構想」を作らねばなりません

今までの「医療計画」の中に新たに「地域医療構想」を作らねばなりません


全国の都道府県は、新たに『地域医療構想』を2016年なかばまでに作らねばなりません。

「ああ、また聞きなれない『専門用語』が出てきたな」

あなたはそうお感じになりましたよね?

実はフジノもです(苦笑)



何故、新たな改革が必要なのか?

今のままでは、2025年~2050年に向けて、確実にわが国の医療・介護は崩壊します。

現在進行形の課題

  • 『高齢者数』の『圧倒的な増加』
    →特に75才以上の方々の数が増えます

  • 『疾病構造』の『圧倒的な変化』
    →今のままでは対応しきれなくなります

  • 医療人材・福祉人材の圧倒的な不足
    →今でさえ足りていません

脅しでも何でもありません。

このままでは確実に『医療難民』『介護難民』『看取り難民』が大量に発生する、悲しい未来が待っています。

そんな未来は絶対にダメです!

そこで政府は、改革として『これからの地域の医療・介護を確保していく仕組み』を下のように考えました。

厚生労働省資料「地域医療・介護の総合的な確保の仕組み」より

厚生労働省資料「地域医療・介護の総合的な確保の仕組み」より


改革の仕組みを実現する為に新たな法律(医療介護総合確保推進法)を作りました。

政府が考えている「改革後の姿」

政府が考えている「改革後の姿」


これらを全て実現させられたらこんな未来になります、と政府は上の図のように考えています。



「地域医療構想」とはどんな中身なのか?

2025年はわずか10年後です。

時間は待ってくれないので、同時進行でやらねばならない改革の取り組みがたくさんあります。

その重要な1つが『地域医療構想』なのです。

もう1度、改革の図を観てみましょう。

厚生労働省資料「地域医療・介護の総合的な確保の仕組み」より

厚生労働省資料「地域医療・介護の総合的な確保の仕組み」より


図の真ん中に『医療計画』とあります。

これはフジノがずっと追いかけ続けてきた『医療計画』(神奈川県では『保健医療計画』と呼んでいます)のことです。

この『医療計画』の一部として新たに『地域医療構想』を定めなければならなくなったのです。

ではその具体的な中身はどんなかというと…。

地域医療構想(ビジョン)の内容

  1. 2025年の『医療需要』
    →入院・外来別・疾患別患者数 等

  2. 2025年に『目指すべき医療提供体制』
    →二次医療圏等(在宅医療・地域包括ケアについては市町村)ごとの医療機能別の必要量

  3. 目指すべき医療提供体制を『実現するための施策』
    →(例)医療機能の分化・連携を進めるための施設設備、医療従事者の確保・養成等

今までも『医療計画』は第6期まで作ってきました。

しかし、もっと厳密に将来の姿をデータで細かく推計していくのです。

50年前の日本と今では、人口に占める年齢構成は完全に変わりました。

また、50年前の日本と今とではまるで別の国になったかのように、病気と障がいの種類や在り方も全く変化しました。

そこで、2025年〜2050年において必要な医療資源(どんな機能を持った、どんな疾病をみられる、どんな職種の人達が必要か)を完全に見直していくのです。

さらには、必要な医療資源(人・物・金など全て)をどうやって確保・養成していくのかも考えねばなりません。

こうした事柄を細かく細かく考えて、計画におとしこんでいくのが『地域医療構想』なのです。

すぐ目の前の未来(2025年はわずか10年後です)を今よりも悲惨なものにしない為に、地域の医療・福祉の在り方を大きく変えねばならないのです。

ここまで読んでもなかなか分かりづらいですよね?

それでもフジノなりに全力でかみくだいてご説明いたしますので、ぜひみなさまも次の記事にもついてきて下さいね。

どうかよろしくお願いします!

次の記事に続きます)



看護職のための合同就職説明会へ/3年間実施する「看護師確保対策協働モデル事業」の2年目の取り組み

人材不足の看護師を確保する為の取り組み

今日は、総合福祉会館にて『看護職のための合同就職説明会』が開かれました。

2014年度の説明会チラシより

2014年度の説明会チラシより


看護師の資格を持っているけれど1度退職された、いわゆる潜在看護師の方をはじめ、看護職を目指そうという高校生の方々や一般の方まで、どなたでも参加できるイベントです。

  1. ブースコーナー
    市内の全11病院、訪問看護や高齢者施設など19施設が参加
  2. ブースコーナー

    ブースコーナー

  3. レクチャーコーナー
    現役の病院看護部長の講演と病院に復職した看護師の体験談
  4. 講演・復職者体験談

    講演・復職者体験談

  5. 相談コーナー
    復職支援相談・進学相談・就職相談

この説明会は『看護師確保対策協働モデル事業』の1つとして実施しています。

看護職のための合同就職説明会会場にて

看護職のための合同就職説明会会場にて


『NPO法人看護職キャリアサポート』と市内の病院看護管理職で組織する『看護師確保対策協働モデル事業実行委員会』、そして横須賀市が主催して実施しています。

2013〜2015年度の3年間、実施していく予定です。

2013年度の説明会

2013年度の説明会


昨年度も、『合同就職説明会』(2013年度は17ブースでした)、看護職対象の『キャリア支援研修』や『キャリアカウンセリング』などが実施されました。



どの病院・福祉施設も福利厚生や研修が充実しています

各病院・福祉施設ともに、福利厚生や研修にとても力を入れています。

例えば、保育について。

聖ヨゼフ病院では、保育が必要なおこさんがいらっしゃる方は、保育料の補助があります。

医療法人社団相光会(湘南グリーンをはじめとする4つの老健、グループホーム等を多数運営しています)では、企業内保育所を設置しています。

ブースの様子

ブースの様子


看護の仕事をしばらく離れていた方々が復職するにあたって、技術に追いつく為の教育研修が欠かせません。

そのプログラムを見せていただきましたが、充実したプログラムでした。

途中入職であっても、年間計画、先輩看護師によるサポートなど充実していました。

病院・福祉施設・訪問看護ステーションなどのパンフレットが多数置かれています

病院・福祉施設・訪問看護ステーションなどのパンフレットが多数置かれています


フジノとしては、病院だけでなく、ぜひ『訪問看護ステーション』『福祉施設』なども復職先としてみなさまに検討していただきたいと願っています。

例えば、『ライフゆう』!

大きなやりがいが感じられるはずです。

結婚や出産や介護などによって、いったんは退職された看護師のみなさまには、ぜひ復職にチャレンジしていただきたいと願っています。

横須賀市は、全力でサポートしていきます。

今回のような就職説明会の機会以外にも、いつでもご相談いただけます。

市の他にも、『神奈川県ナースセンター(公益社団法人神奈川県看護協会・看護師等無料職業紹介所)』では、毎日ご相談を受け付けています。

お待ちしております!



2日間にわたるケアマネ・スキルアップ研修

今年度から新たにスタート

昨日と今日の2日間にわたって『ケアマネージャースキルアップ研修』が市役所で開かれました。新たに今年度からスタートした取り組みです。

ケアマネ研修

フジノは2日目のプログラムを見学させていただいただけなのですが、熱心なグループワークが大変に素晴らしかったです。

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横須賀市内には約300名のケアマネージャーがいらっしゃいます。このみなさんの職能団体として、『横須賀市居宅介護支援事業所連絡協議会』があります。

ケアマネージャーは介護保険制度に不可欠の存在です。横須賀市の『介護保険運営協議会』の委員メンバーにもこちらの団体に参加していただいています。

協議会では『研修部会』を設けて、資質向上の為の様々な研修に取り組んできて下さいました。

そうした試みの1つとして、新たに横須賀市との共催で今年度から『スキルアップ研修』を開催することになったのです。

ケアマネ能力向上を推進する国の方針

未踏高齢社会に突入する今、地域包括ケアの実現を目指して国を挙げてのあらゆる取り組みが進められています。

ケアマネージャーに対してもより高度な活動が求められていて、昨年3月から厚生労働省老健局は『介護支援専門員(ケアマネジャー)の資質向上と今後のあり方に関する検討会』を設置して議論を進めてきました。

つい先日(1月7日)に、『介護支援専門員(ケアマネジャー)の資質向上と今後のあり方に関する検討会における議論の中間的な整理』が発表されたばかりです。

介護支援専門員(ケアマネジャー)の資質向上と今後のあり方に関する検討会における議論の中間的な整理

その中では、このように提言されています。

3.各論
(1)ケアマネジメントの質の向上について

ケアマネジメントは、アセスメントからサービス担当者会議を経てケアプランが確定した後のモニタリングまでの一連の流れである。

しかしながら、アセスメントが必ずしも十分でないといった課題やサービス担当者会議における多職種協働が十分に機能していないといった課題が指摘されている。

そこで、ケアマネジメントの質の向上に向けて以下のような取組を進めるべきである。

① ケアマネジメントの質の向上に向けた取組~アセスメントの重要性と課題抽出プロセスの明確化~

○ アセスメントは、利用者が自立した日常生活を営むことができるよう支援する上で解決すべき課題を把握するものであり、特に重要なプロセスである。
また、自立支援に資する適切なケアマネジメントを行う上でも、介護支援専門員がどのような考えで課題や目標を導き出したのか、そのプロセスを明らかにすることは、アセスメント能力を向上していく上でも重要なことである。

さらに、市町村など行政に対してもこのように提言が成されました。

4.今後について
(中略)
○ 「3.各論」で述べた各種対応策については、介護支援専門員の資質向上及びケアマネジメントの質の向上を目指すものであるが、そのためには、介護支援専門員自身の取組とともに、国、都道府県、市町村、事業者それぞれが取組を強化する必要がある。

今回の研修は、こうした検討会の中間報告書の方向性にも合致しています。

そこで、介護支援事業所連絡協議会と横須賀市との共催のはこびとなりました。

5人グループで事例の演習、熱い議論!

中堅クラスの方々を対象に、50名の方々が参加して下さいました。

(市内のケアマネの6人に1人が参加して下さったのですから、素晴らしい参加率です!)

今回の研修は、あらかじめ事前に課題が出されていて、1つの事例が与えられています。

下の画像のように、架空の事例(Aさん・男性・82才)が4ページにわたってビッシリと記されています。

事前に与えられた課題事例。

事前に与えられた課題事例のほんの一部。


この事例を読み込んで、6ページの事例検討シート(課題分析など項目がギッシリです)を埋めて来なければなりません。

その上で、2日間の研修では、5人1組で10グループに分かれて演習を行ないました。

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「アセスメント思考過程を再確認しながら、ニーズを抽出して、目標設定を行い、それに対する援助内容を考えていくという、ケアプラン作成の中でもアセスメントを重視した演習」とのことです。

2グループに1人ずつ、ファシリテーターがついて助言をしたり議論の過程を見守っていました。

日頃は、複数のケアマネージャー同士で1人の方のケアプランをここまでじっくり議論しあって作り上げていく機会は無いと思います。

ふだん各自でケアプランを作り上げている方々です。自らの立てるプランには自信を持っておられると思います。フジノはグループワークの中で、時にそうした自信とプライドがぶつかりあうのを目撃しました(まさに火花散るです)。

その一方で、『福祉職』として至上の目的である「その人の暮らしをもっと良い方向に支援していく為」にはどうしたらより良いプランになるかを求めて、終始、真摯な議論が進められました。

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演習の最後に、それぞれのグループが作ったプランを発表していきました。

これからも継続していきたい

2025年に向けて、医療も福祉も『連携』を進めるどころか、『統合』されていかねばなりません。

しかし、この理想を実現するのはたやすくありません。

そこで、分野別・職種別に段階的にあらゆる取り組みを進めていくことが必要です。

そんな中で、ケアマネージャーのみなさまに対してフジノが大きな期待を寄せているのは、この2つです。

(1)ケアマネージャーとしての専門性を深く掘り下げていってほしい

(2)これまでのケアマネージャーとしての専門性を超えた他の領域に踏み込んでほしい

今日のスキルアップ研修は(1)の観点からの取り組みでした。

(2)の観点からの取り組みとしては、1年間にわたって5回の研修を開きました。

ケアマネージャーになっている方々は大きく2つの背景を持っています。『福祉系』の分野からケアマネになった方々と、『看護系』の分野からケアマネになった方々です。

フジノは、このうち特に『福祉系』の分野からケアマネになった方々に、医療の知識をぜひもっと深く学んで頂きたいと願っています。

そうしたフジノの願いと、介護保険課長をはじめとする問題意識を共有する方々のご尽力のおかげで、2012年度予算から新しい事業が予算化されてスタートしたのです。それが『ケアマネージャーの為の在宅療養セミナー』です。

2012年度、横須賀市は、ケアマネージャーのみなさんに医療と福祉の双方を理解して『地域包括ケア』実現の為に大きな役割を果たして頂く為に、専門である福祉だけでなくて医療の知識も持って頂く為の研修を開催しました。

こうした取り組みは、1年間行なっただけでは何の成果も生み出しません。何年も何年もじっくりと続けていくことが不可欠です。ですから、今後もしっかりと継続していきたいとフジノは考えています。

ケアマネージャーのみなさま、これからもどうかご協力をお願いいたします!

そして市民のみなさま。

やがてくる2025年に向けて、福祉関係者も医療関係者も全力でがんばっています。どうか応援して下さいね。よろしくお願いします!