2017年予算議会・個人質問

藤野英明です。よろしくお願いします。

2017年予算議会で市長への質疑に立つフジノ

1.IR誘致を推進する横浜市に対して、観光立市の実現を目指す本市の姿勢と今後の対応について

ギャンブル依存症に苦しんでいる人の割合は、海外では成人の約1%~2%と推計されています。

一方、厚生労働省研究班の調査によると我が国は他国と比べて圧倒的に多く、成人の5%にものぼると推計されています。

日本のギャンブル依存症の有病率は5.6%

日本のギャンブル依存症の有病率は5.6%


このように現在のパチンコ・競輪・競馬などへの対策も不十分なのに、さらにカジノ解禁となれば苦しむ人々を増やすだけであることから、カジノを含む統合型リゾート(以下、IR)に対して、僕は強く反対してきました。

政府はIR整備推進法を昨年12月26日に施行すると、今年1月6日には『IR区域整備推進本部』を立ち上げました。

さらに2017年度中に運営基準などを定めたIR実施法案を提出予定で、その成立後すぐに公募をはじめ、設置場所を選定する方針の為、全国の自治体でIR誘致の検討が進められています。

隣りまちの横浜市では、IR導入の検討を『横浜市中期4カ年計画2014-2017』や「横浜市 都心臨海部 再生マスタープラン」など行政計画に明記し、山下ふ頭の47ヘクタールを最有力候補地として誘致に向けた取り組みを進めてきました。

横浜市中期4か年計画2014-2017

横浜市中期4か年計画2014-2017


横浜商工会議所会頭は2月23日の会見でもIRの横浜誘致を積極的に推進していくと述べ、IR担当の副会頭も「横浜にIRは必要」と述べたと報じられました。

林横浜市長は市長選挙を前にIR誘致をトーンダウンしていますが、実際は本年度に続いて新年度予算案にもIR関連予算を計上しています。つまり再選されれば改めて推進を強く打ち出すと思われます。

本市は観光立市の実現を目指していますが、市内の魅力的な近代遺産を活かし、スポーツ大会や各種学会の誘致など観光客のみなさまに健全な喜びや豊かな経験を提供する方針であり、それはカジノとは正反対です。

横浜市によるIR誘致は本市にとって百害あって一利なしだと僕は考えています。

そこで伺います。

【質問1】
(1)市長はIRについて、特にカジノ解禁についてどのようにお考えでしょうか。


(→市長の答弁へ)


【質問2】
(2)横浜へのIR誘致が実現してしまえば、本市にもギャンブル依存症に苦しむ市民が増加するなどの被害が発生すると僕は考えています。

大きな影響を受ける隣まちの市長として、横浜市に方針転換して頂くよう積極的に意見を述べていくべきではないでしょうか。お答え下さい。


(→市長の答弁へ)



2.医療的ケアや延命治療を施されて、市外の病院や入所施設で暮らすことを余儀なくされている方々が、再び本市に帰って暮らせる体制づくりの必要性について

自宅での死亡率が人口20万人以上の都市の中では、本市が全国トップであると自慢げに市長が語る機会に僕は何度か立ち合いました。

その際、きまって市長は気管切開や経管栄養などの医療的ケアや延命治療の様子を演技がかった暗い声で悲惨そうに語り、全身がチューブだらけにされ自分が誰なのかも分からなくなり、その死は自宅での孤独死よりも孤独で、さみしいもので後悔が残るものだと決めつけていました。

医療的ケア・延命治療を受けている方々を否定的に語る吉田市長(在宅療養シンポジウムにて)

医療的ケア・延命治療を受けている方々を否定的に語る吉田市長(在宅療養シンポジウムにて)


在宅看取りを強く進めたい立場から対称的に述べたのでしょうが、そうした態度や言葉は明らかに医療的ケアや延命治療を受けている方々への冒涜であり、ご家族の想いを踏みにじる、最低な発言です。

在宅看取りの長所を説明すれば良いだけのことであり、それ以外の死の在り方をあえて貶める発言は必要ありません。

そもそも人の死にざまは人の数だけ異なるもので、どれが良いとか悪いとか、市長が市民に押し付けるものではありません。

政治家として僕たちがなすべきことは、ご家族ごとにみな所得や健康状態や価値観等事情が異なることを理解した上で、医療政策の誤りによって市外や県外の病院や施設しか行き場が無い方々が、もしも望むならば、誰もがふるさと横須賀の病院や施設で暮らせるように医療・福祉を充実させることだけです。

2017年予算議会で市長への質疑に立つフジノ


同様の指摘を僕がすでに2013年9月24日の本会議で行なったにもかかわらず、いまだに4年前と同じ過ちを繰り返している市長を大変残念に感じています。

現在も多くの方々が医療的ケアや延命治療を受けながら、市外の病院・入所施設で暮らすことを余儀なくされていますが、そもそも決して本人が望んだ訳ではありません。

医師の判断によって結果的に医療的ケアや延命治療の状態に置かれたのです。

医師もまたそれが取りうる最善の手段だと判断したのです。

2年前に亡くなった僕の父も、市民病院で気管切開と経管栄養をすすめられ、何も分からない家族に選択の余地はありませんでした。

それから12年間、植物状態となって、市長の言う「さみしい」状態で父は生き続け、最期は市外の病院で亡くなりました。

12年間、最期まで父の回復を信じて、関節が固まらないように手足を曲げたり伸ばしたり、返事はなくとも父の手をさすりながら毎日の出来事を語り続け、全力を尽くした僕たち家族には全く「後悔」はありません。父がさみしかったとも僕は思いません。

この経験が今も僕を突き動かしています。

医療的ケアや延命治療を受けておられる方々の存在を片時も忘れたことはありません。

市外や遠く県外まで受け入れてくれる病院を探し続けるご家族の苦しみを無くす為に、市内で受け入れられる病院や医療的ケアができる特別養護老人ホームを1つでも増やし、一刻も早くご本人が横須賀の病院・施設や自宅へ帰れるように医療・介護・福祉を充実させねばならないとずっと僕は決意してきました。

市長は、施政方針において

「命の尊厳に向き合った施策の必要性」

を感じており

「市民が住みなれたまちで安心して暮らせる為に、適切な医療・介護体制の整備、終末期の課題や不安の解消(略)を進めます」

と医療・福祉対策の強化を述べました。

しかし、冒頭で述べたような市長の発言を聞くにつけても、むしろ市長は命の尊厳を深くは理解しておられず、施政方針で語った『市民』の中には当該治療を受けている方々が含まれているのか、とても疑問に感じています。

2017年予算議会で市長への質疑に立つフジノ


改めて市長に伺います。

【質問3】
(1)気管切開や経管栄養などの医療的ケアをしていたり、延命状態に置かれている方々のことを市長はどう考えているのでしょうか。さみしくて不幸な存在なのでしょうか。


(→市長の答弁へ)


【質問4】
(2)医療的ケアや延命治療、病院や施設での看取りを市長が批判的に述べるたびに、実際に当該治療を受けている何の罪もない方々の尊厳を踏みにじっていること、在宅看取りが叶わなかったご家族やご遺族にとてもつらい思いをさせていることにまだ思いが至らないのでしょうか。


(→市長の答弁へ)


【質問5】
(3)市長には、そうした方々がふるさと横須賀に帰り、市内の病院・施設、自宅で療養生活を送れるように、強く支援していく意思はおありでしょうか。お答え下さい。


(→市長の答弁へ)



3.神奈川県立こども医療センターを卒業した子どもたち、特に成人した元子どもたちが安心して本市でかかりつけ医などを持てる体制づくりの必要性について

周産期医療や高度医療の発達のおかげでかつては生まれることができなかった赤ちゃんの命が救われ、日常生活を送る為に人工呼吸器や気管切開管理などの医療的ケアは必要なものの、元気に育つようになりました。

その子どもたちの多くは神奈川県立こども医療センター(以下、センター)を受診しています。

助かる命がふえ、センターも定員があることから、原則15歳になるとセンターを卒業して、地域のかかりつけ医に移るよう促されます。ただ実際には20歳を超えて卒業される方も多いのが実情です。

しかし、センターから紹介されて市内の医療機関を訪ねても外来・入院を受けてもらえず、引き継ぎ可能な医療機関を見つけることは難しく、訪問看護も同様の状況にあります。

特に、すでに成人した元こどもたちと保護者の方々が置かれた状況は大変に厳しいものがあります。

市長は施政方針の中で

「市民が住みなれたまちで安心して暮らせる為に、適切な医療・介護体制の整備(略)を進めます」

と医療・福祉対策の強化を述べました。

しかし、その『市民』とは高齢者だけであってはなりません。

かねてから僕は児童・障がい・高齢など全ての人々が地域で暮らせる『地域まるごとケア』を訴えてきましたが、まさにセンターを卒業したこどもたちも、元こどもたちもふるさと横須賀で地域生活を送れるように本市は早急に対策を検討すべきです。

2017年予算議会で市長への質疑に立つフジノ
そこで伺います。

【質問6】
(1)センターから紹介を受けて本市の市立2病院を訪ねても、引き継ぎに否定的な反応が多いと複数の方から伺いました。

住みなれたまちで安心して暮らせる為に、公的病院の責任において、市立2病院はかかりつけ医として引き継ぎを受けられる体制を構築すべきではないでしょうか。


(→市長の答弁へ)


【質問7】
(2)センターが作成している小児在宅療養ナビで名前が挙がっている病院でも、実際は引き継ぎに難色を示す医療機関が多いと伺いました。

「おひさま小児在宅療養ナビ」にて横須賀市で検索した結果

「おひさま小児在宅療養ナビ」にて横須賀市で検索した結果


このナビで名前が挙がっている病院・診療所・訪問看護ステーションに対して、本市は積極的に引き継ぎを要請すべきではないでしょうか。


(→市長の答弁へ)


【質問8】
(3)引き継ぎ可能な病院などの絶対数がそもそもとても少ない現状を変えていく為に、本市は医師会や訪問看護ステーション連絡協議会を通じて、新たな引き継ぎ先を開拓していくべきではないでしょうか。お答え下さい。


(→市長の答弁へ)



4.横須賀市版リビング・ウィルの在り方について

最近では死生観や看取りをテーマとしたドラマや映画が増えて『終活』という言葉が流行したり、本屋でエンディングノートが販売されるようになりました。

自己決定権の表現方法の1つとしてのリビング・ウィルもかつてより広く知られるようになりました。

僕は『リビング・ウィル』を必要だと考えています。

さて、本市が1月に開催した『在宅療養シンポジウム』では、『横須賀市版リビング・ウィル案』(以下、本市版)が参加者に配布されました。

横須賀市版リビング・ウィル

横須賀市版リビング・ウィル


来年度はこの案をもとに完成版を作り、市民に広く配布していくことになります。

僕は作成にあたった本市の『在宅療養連携会議』を発足当初から常に傍聴してきましたし、常に当事者の一人であるとの意識をもって立ち合ってきました。

したがって本市版の作成に至った経緯も議論も承知しています。

その上で、公的な責任を伴う本市があえてリビング・ウィルを作成・配布することへの懸念事項について質疑をすることで、より良いものへと高めていきたいと考えています。

日本でリビング・ウィルを積極的に進める活動をしてきたのは『日本安楽死協会』と名乗っていた、現在の『一般財団法人日本尊厳死協会』です。

1983年から進めてきたリビング・ウィル活動に対して、これまで様々な分野や視点から提起されてきた問題点や懸念があります。

これらはそのまま本市版にも当てはまります。

そこで5点について伺います。

2017年予算議会で市長への質疑に立つフジノ


(1)リビング・ウィルの最重要事項は十分なインフォームドコンセントに基づいて、本人が選択肢を理解し納得した上で判断して自らの意思を表示することです。

けれども、本市版は全体で6ページしかなく、そもそも延命治療とは何かの説明さえ8行しか記されていません。これでは正確な理解が得られた上での意思表示とは全く言えません。

担当部署の健康部では

「あくまでも市民のみなさまに考えて頂くきっかけづくりの為にあえて簡易なものにした」

と説明しています。


【質問9】

しかしこれでは、リビング・ウィルの大前提であるインフォームドコンセントに基づく自己決定という最重要事項が守られていないのではないでしょうか。お答え下さい。


(→市長の答弁へ)


(2)一人暮らしの高齢者やご家族が介護に疲れ切って介護負担に耐えられなくなっているケースをはじめ、現在の日本の厳しい経済社会状況では子どもに経済的な負担をかけたくないという想いから、本心とは違っても「延命治療を望まない」と書かざるを得ない方もおられます。

いざという時に本当は病院に搬送してほしくても本音を書かない可能性も十分にあります。

【質問10】
このように、記されたことが本人の本心ではない可能性はいくらでもあります。それはリビング・ウィルとは言えません。この可能性を本市版ではいかにして排除していくのでしょうか。お答え下さい。


(→市長の答弁へ)


(3)リビング・ウィルは、その意思が『任意になされた確固たる物』で、いざという時にも『継続した意思』であることが認められればリビング・ウィルに従って医療関係者が延命治療を施さなくても法的責任は発生しない、と法学的に考えられています。

しかし、病状悪化や体調の急変で本人や家族の気持ちは揺れるのが当たり前です。

元気な時に記した決心や考え方と、実際の急変時に感じ方や考え方が異なることは人として当然のことです。

【質問11】
したがって、本市版にあらかじめ記した意思とは違う意思が示された時にはそれは無効で、常にその時々の本人の意思こそが最優先されるべきですが、いかがでしょうか。


(→市長の答弁へ)


(4)アンケート「人生の最期を迎える時に過ごしたい場所の希望」の回答を市長らが紹介する際にはいつも「6割の方が自宅での療養を希望しています」と解説しています。

あらゆる機会に配布されるアンケート結果、しかし結果と異なる解説が記されている

あらゆる機会に配布されるアンケート結果、しかし結果と異なる解説が記されている


しかし、それは恣意的な解説で、事実とは異なっています。

実際のアンケート結果は

  • 「自宅で療養して必要になれば医療機関に入院したい」45.3%
  • 「医療機関に入院したい」15.4%
  • 「老人ホームなどの施設に入所したい」6.1%

です。

つまり、データを正確に述べれば、合計66.8%もの方々が自宅以外で最期を迎えたいと希望しているのです。

人により最期を迎えたい場所が異なる現実に反して、自宅での看取りに誘導する解説は間違っています。

市長が在宅看取りを増やしたいのは分かりますが、データを意図的に捻じ曲げた解釈をするのは許せません。

日本尊厳死協会もリビング・ウィルを解説した著書において

「もちろん患者が延命措置を望み、生命を長らえることも1つの選択であって、それを非難するものではありません」

と明記しており、結論を誘導しないように注意を払っています。

【質問12】
かたや本市版は、延命治療の拒否と最期を自宅で迎える回答へと誘導する内容になっているとは言えないでしょうか。

個人の意思決定権を尊重することこそがリビング・ウィルの本質であって、延命治療を受けたいという気持ちや病院への搬送を望むという想いも大切な意思表示であることをきちんと明記すべきではないでしょうか。お答え下さい。


(→市長の答弁へ)


(5)民間団体独自のリビング・ウィルとは異なって、公的な存在である本市がいったん配布を始めれば、「看取りについて考えるきっかけになってほしい」という『在宅療養連携会議』の意図を超えていきます。

例えば、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの施設での心肺停止の際や、デイサービス利用時の急変時などに、公的な書類として救急隊や医師に示される可能性が十分想定されます。

単に啓発ツールという扱いにはとどまらないリスクを考えておくべきです。

特に、救急搬送時において本市消防局はこの本市版をもって『DNAR事案』として扱うことができるのかを検討すべきです。

DNARとはDo not attempt resuscitationの略で、がんの末期、老衰、救命の可能性が無い患者などで、本人または家族の希望で心肺蘇生を行わないこと、またはその特別な指示のことを意味しています。

つまり『リビング・ウィル』のことです。

しかし119番通報は「助けてほしい」という合図ですから救急隊はまず全力で救命を目指します。

何歳であろうと命を救うことに徹底し、できれば元の生活に戻れるように、完全には無理でも近い状態に戻れるように、いつもこれを目指して救急隊はがんばっています。

そもそも消防法において、救急要請があった場合に救急隊員は迅速かつ的確な搬送活動、応急処置を行うことが定められているからです。

しかし、リビング・ウィルなどが示されて「延命治療を望まない」という意思表示がなされると救急隊は応急処置をしないで医療機関に搬送だけを行います。

その後、容態が悪化し重篤な状態に陥った場合に応急処置をしなかったことがその原因だと通常考えられます。

その場合、救急隊員には救急救命処置を実施しなかったことに対して法的責任が問われる可能性があります。僕たちは救急隊員を守らねばなりません。

そこで伺います。

【質問13】
本市版の存在を理由にして救急隊が心肺蘇生等の救命処置を行わなかった場合に、消防法第1条、第2条9項の規定違反で国家賠償法に基づく訴訟を起こされた際に法的責任を回避することができるのでしょうか。お答え下さい。


(→市長の答弁へ)


以上で1問目を終わります。



市長の答弁

ご質問ありがとうございました。



【答弁1】
まず、横浜市がIR誘致を推進していることに関連して、IR、特にカジノ解禁についてご質問をいただきました。

現在、報道では

「横浜市として依存症対策を優先させる必要があり、積極的に踏み込むことは考えられない」

と報じられています。

ギャンブル依存症などの課題があることも事実ですので、国や誘致する自治体は、何らかの対策を取ることが必要と考えています。


【答弁2】
次に、横浜市に方針転換を求めるよう意見を言うべきではないか、というご質問をいただきました。

国の依存症対策の方向性や横浜市の考えも明確でない現時点において、何か意見を述べる考えはありません。


(→フジノの再質問へ)


【答弁3】
次に、気管切開や経管栄養などの医療的ケアをしていたり、延命状態におかれている方々について、ご質問をいただきました。

「さみしくて不幸な存在」などと思ったことはありません。おひとりおひとりの命は、大切な命であると考えています。


【答弁4】
次に、医療的ケアや延命治療などを受けている方々の尊厳を踏みにじり、在宅看取りが叶わなかったご家族やご遺族につらい想いをさせていることについて、ご質問をいただきました。

在宅看取りが叶わなかったご遺族に、後悔を感じている方がいるとしたら、同じような後悔をさせたくない、という思いをもって、在宅療養の体制づくりを進めています。


(→フジノの再質問へ)


【答弁5】
次に、市外の病院や施設に入所している方々が横須賀に帰り、市内で療養生活を送れるように強く支援していくことについて、ご質問をいただきました。

私としては、市外の病院や施設に入所している方々の支援をしたいという気持ちは持っていますが、行政の手が届きにくい方々ですので、現状ではどのようなことができるのか考えていきたい、と思います。


(→フジノの再質問へ)


【答弁6】
次に、『県立こども医療センター』から紹介された患者を、市立2病院はかかりつけ医として引継ぎを受けられる体制を構築すべきではないか、というご質問をいただきました。

『県立こども医療センター』から紹介を受けた患者を引き継ぐ体制は、うわまち病院小児医療センターにおいてすでに構築しています。うわまち病院が中核として機能し、院内の他の診療科や市民病院と連携したり、診療所につないだり、適切に対応しています。


(→フジノの再質問へ)


【答弁7】
次に、『小児在宅療養ナビ』で名前が挙がっている病院・診療所・訪問看護ステーションに対して積極的に引継ぎを要請すべき、というご質問をいただきました。

先ほど述べたように、『うわまち病院』ではすでに引継ぎの体制を構築し、紹介された患者を『小児在宅療養ナビ』に掲載された医療機関等に結びつける役割を担っています。

『うわまち病院』が後方支援を担うことで、積極的に引継ぎの要請もしています。




(→フジノの再質問へ)


【答弁8】
次に、引継ぎ可能な病院などの絶対数が少ない現状を変える為、医師会や訪問看護ステーション連絡協議会を通じて、新たな引継ぎ先を開拓していくことについて、ご質問をいただきました。

うわまち病院小児医療センターを中核とする取組みは、先進的な取組みであると認識をしています。

大切なのは、この小児医療センターと地域の診療所の連携である、と考えています。




【答弁9】
次に、『横須賀市版リビング・ウィル』の在り方について、インフォームド・コンセントに基づいて本人が意思表示をするという最重要事項が守られていないのではないか、というご質問をいただきました。

まず、この『本市版リビング・ウィル』は、市民が自分自身の人生の最終段階について、どうありたいかを考えていただく『きっかけづくりのツール』として作成したものです。

人生の最終段階においては、医師など医療者からの十分な情報と説明を受け、患者が理解し判断するというインフォームド・コンセントに基づいて、本人が意思決定をするプロセスが重要であることは認識しています。

しかし、この『本市版』は元気なうちから考えていただくことを目的としていますから、医師と最期の医療について話し合う状況では無い場合を想定している為、あえてわかりやすいものにしています。


【答弁10】
次に、『リビング・ウィル』に記されたことが、本人の本心ではない可能性を本市版はいかにして排除していくのか、というご質問をいただきました。

『リビング・ウィル』は、本人が自分の希望、自分の選択について、その意思を書くものです。

本人の本心で無いかどうかを判断するのは難しく、それを排除するのは『本市版リビング・ウィル』に限らず、どのようなものでも困難だと考えています。


【答弁11】
次に、あらかじめ記した意思とは違う意思が示された時は、その時々の本人の意思が最優先されるべきだ、というご質問をいただきました。

『リビング・ウィル』は当然、書き直して良いものであり、『本市版リビング・ウィル』でも作成の留意点として、状況や気持ちの変化によって書き直すことや、年に1回程度、定期的に見直すことをお勧めしています。

私も、『リビング・ウィル』に記載された内容にかかわらず、新たに示された意思が最優先されるべきだ、と考えています。


【答弁12】
次に、延命治療を受けることや、病院への搬送を望むことも貴重な意思表示であることを明記すべきではないか、というご質問をいただきました。

まず、このアンケートの設問は、「あなたが病気などで、人生の最期を迎える時が来た場合、最期はどこで過ごしたいと思いますか」という設問ですので、自宅での看取りに誘導はしていません。

『本市版リビング・ウィル』も、『延命治療の拒否』と『最期を自宅で迎える回答』に誘導する内容であるとも考えていません。

しかし、延命治療を受けることや病院への搬送を望むことも貴重な意思表示であることを明記すべきというご指摘は、その通りであると考えていますので、『在宅療養連携会議』にこの話を伝えたいと思います。


【答弁13】
次に、本市消防局が『本市版』をもってDNAR事業として扱うことができるのかを検討すべき、というご指摘をいただきました。

『本市版リビング・ウィル』には法的拘束力がある訳では無い、ということを記載しています。

また、本市消防局の救急活動は『蘇生拒否にかかる救急対応ガイドライン』に基づき、119番通報があった時点で、救命の意思をもって通報しているものと判断し、傷病者の本人の救命に最善を尽くすことを基本原則としています。

当該『ガイドライン』では、『DNAR』、いわゆる蘇生処置不要の指示書等の確実な情報が確認された場合でも、原則、医師に引継ぐまでの間の心肺蘇生は実施することとされています。

したがいまして、『リビング・ウィル』があったとしても、消防局の救急活動においては、DNAR事案として取り扱うことはありません。 


(→フジノの再質問へ)


以上です。



フジノの再質問

市長、御答弁ありがとうございました。

さっそく再質問に入ります。
 
まず、横浜のIR誘致に反対してほしいという想いを述べましたが、市長からは消極的な御答弁をいただき、大変失望いたしました。

質問を作成する前に、観光担当部長、課長にヒアリングをして意見交換をしたのですが、お2人ともIRには明確に否定的な立場でおられました。

厳しい規制を作らなければ、市民にも依存症被害が発生する。我がまちの観光政策はもっと健全な取り組みを進めていく。隣町にカジノができても、そのおこぼれをもらうような気持ちは全く無い、といった共通認識に至りました。
 
今回、あえて本会議で質問したのは、部課長ではなくて市長御自身の考えを、公の場でお答えいただきたかったからです。

特に、カジノは自殺を増やすことになるからです。
 
御本人の許可をいただいて、横須賀市民でギャンブル依存症に苦しんでいる方のお話を紹介します。

Aさん、女性、27歳。仕事は運送トラックの運転。

大学卒業後に、男性ばかりの職場に入り、勤務明けに先輩や同僚に誘われて、パチンコ屋に付き添いで行くようになった。

早く職場や先輩同様になりたくて、毎回パチンコに付き合い、それから5年、完全にパチンコから逃れられなくなってしまった。

お金が無くなってもパチンコに通わずにいられない。

勝っても負けても全くうれしくも悔しくもなく、なぜやめないのだろうと焦りや自分への怒りは強くあるものの、どうしてもやめられない。

お給料が底をついて、消費者金融から借金をしてパチンコを打ち、借金がふくらみ、夜は風俗で働くようになってお金を稼いだ。

ある日、インターネットで情報を探しているうちに、昨年、僕の所にたどり着き、初めて他人に相談したとのことです。

丁寧にお話を伺った末に、私はギャンブル依存症と受けとめ、久里浜医療センターの病的ギャンブリング治療部門への通院を勧めました。
 
先日再会した彼女は、僕にこう話してくれました。

「たかがパチンコと思っていたのがやめられず、借金もかさみ、風俗でも働いたり、恥ずかしくて誰にも言えなくてつらかった。藤野さんに言われるまで、そもそもギャンブル依存症という言葉も知らなかったし、自分が依存症になるなんて思わなかった。治療はなかなかうまく進まなくてとても苦しい。横浜がカジノなんて言っているけれども、自分よりひどい依存症の人をもっと増やすだけだから、絶対にやめてほしい」

まさに彼女の言葉を受けて、私は今回の質問を行なうことを決めました。

彼女のように、このまちで普通に暮らしている方々が、ふとしたきっかけでギャンブル依存症になっています。

隣町にカジノができれば、もっと悲惨な現実が起こり得るのです。
 
自殺対策を進めるのが、政治家としての僕の使命です。

ギャンブル依存症の先に待っているものは、金銭的には破産ですが、その先には自殺が待っています。

カジノは依存症を増やすだけでなく、自殺へと追い込まれる犠牲者を増やすものであり、絶対に認めることができません。
 
そこで再質問として、まず市長に伺いたいことは、実際にギャンブル依存症の方の苦しみの生の声に、市長御自身が耳を傾けたことはおありでしょうか?



市長の答弁

依存症として診断された方の直接の声というのは、私は聞いたことはありません。



フジノの再質問

無いとのことでした。

厚生労働省研究班の調査結果である日本での有病率、男性8.7%、女性1.8%を本市の2015年の成人人口に当てはめると、本市には男性1万4,500人、女性3,085人、合計1万7,585人もの方々がギャンブル依存症で苦しんでおられることになります。

しかし、本市ホームページを検索しても、また予算書を読んでも、積極的な支援の取り組みが全く見つけられませんでした。
 
そこで、市長に伺います。

本市にはギャンブル依存症の相談窓口や支援の取り組みはあるのでしょうか?



市長の答弁

直接的な相談窓口というのは存在していません。



フジノの再質問

続いて伺います。
 
本市内にギャンブル依存症を治療できる医療機関がどれだけあるか、市長は御存じでしょうか?



市長の答弁

久里浜の国立の病院以外には、私は存じ上げていません。



フジノの再質問

おっしゃるとおりです。市内には久里浜医療センター1カ所しかありません。

近隣といえる市外でも、県立精神医療センターや阪東橋の大石クリニックぐらいしか、ギャンブル依存症治療の専門医療機関はありません。

また、民間では、認定NPOワンデーポートや、自助グループのギャンブラーズ・アノニマスなどしか、支援組織が存在していません。

このように、医療機関も支援機関もほとんどない現状を御存じでしょうか?



市長の答弁

私としては、やはり久里浜の医療センター以外は余りぱっと思いつくところはありませんでした。



フジノの再質問

本市には、公的な相談窓口も無ければ、取り組みも無い。

頼れる医療機関も市内に1つしかなく、自助グループも横浜に行かねば無い。

これだけ何も無い状況で、カジノによって市民にギャンブル依存症の被害が増えれば、今よりもっと深刻なダメージが広がって、破産や自殺がふえることが容易に考えられます。

改めて市長に伺います。

本市は、市民の命を守るために、はっきりと横浜市に対して、IR誘致の取り組みをやめていただくよう要請すべきですがいかがでしょうか?



市長の答弁

私としては、IRと呼ばれるいわゆる統合型リゾートの中に、カジノができる、あるいはできなくてもIRは誘致すべきだなどという議論もありますが、それが横浜であるか、あるいは川崎であるか、東京であるか、そういう立地の問題等もあると思います。

横須賀市として、IRの誘致というものに手を挙げるつもりはありませんが、やはり誘致するという自治体には、依存症対策等とる必要があると思いますし、当然、国においてもそういった依存症対策というのは図られるべきだというふうに考えています。



フジノの再質問

どうしても市長は横浜の動きを放置するということだと受けとめました。

それならば、少なくとも本市の取り組みだけでもしっかりして下さい。
 
そこで伺います。

まず市役所の中で、ギャンブル依存症の相談窓口はどこなのかと、はっきり担当部署を決めてください。

いかがでしょうか?



市長の答弁

今後、カジノ法案が成立して、実施に向けて動き出す中で、そういった窓口を制定する必要性、今感じましたので、どこに置くべきか、どういった形で誰が相談を受けるべきか、いろいろと考えていきたいと思います。



フジノの再質問

制定をする際には、当然ながらギャンブル依存症と明記した上で、ホームページや広報よこすかでもそれを周知していただけますか?

お答え下さい。



市長の答弁

相談のあり方というのが、今の段階で横須賀市の職員に専門的な知見を持った人間がいるというわけではありませんので、横須賀市の地域資源でもある国立久里浜医療センターを紹介するということが、現実的には一番望ましいのだろう、というふうに思います。
 
ただ、最初から医療機関に行きづらいというような方もいらっしゃるでしょうから、そういった方の相談を、まずはいったん行政として受けて、それを医療機関につなぐ。

その際に当然ギャンブル依存症という形で表示されていなければ、行政にも相談できないということになってしまいますから、そういった際には、相談窓口といいながら、実際は医療機関との連携窓口にきっとなるとは思いますけれども、そういった際にはやはりギャンブル依存症の方は、どうぞ市役所に御連絡くださいという形で、ホームページ等で明記していきたいと思います。



フジノの再質問

まず、久里浜医療センターを紹介するということは、今すぐにでもできることだと思いますので、さっそく取り組みを始めていただきたいと思いますがいかがでしょうか。



市長の答弁

考えてみたいと思います。



フジノの再質問

では、続いて市外病院施設で延命治療を受けている人を横須賀に取り返す体制作りについて伺います。
 
選挙を前に控えた市長がとにかく成果を語りたい気持ちは、嫌になるほど伝わってきます。

しかし、あさはかな言葉を聞くたびにとても嫌な気持ちになり、虚しくなります。
 
例えば、先日の『在宅療養連携シンポジウム』で市長は

萬田緑平さんが書いた『穏やかな死に医療はいらない』という本を読んだおかげで、市長御自身が大切な人を自宅で看取ることができた

という経験を話しました。

よく話されます。

そして、

「自分がこの本を読んでいなければ、本市の地域医療推進課の在宅看取りの取り組みはなかったかもしれない」

などと語りました。
 
しかし、地域医療推進課が在宅看取りの取り組みを始めたのは2011年です。

萬田さんの本が出たのはその2年後の2013年です。

平気で嘘をつくのはやめてほしいと思います。

萬田さんの本が出版されたことと、本市が在宅看取りを推進してきたことは、全く関係がありません。

現場の医療関係者や地域医療推進課の職員も私もすぐに嘘だと分かり、虚しくて仕方がありませんでした。
 
また、本当に大切な人を看取った御家族の気持ちは市長には理解できない、と感じています。

市長が何度も語るエピソードに出てくる自宅で看取ったという大切な人についてです。

プライベートな話ですが、市長が公の場で話しておられるのであえて質疑をしたいと思います。
 
その方が、まだ市長と僕が親しかった頃に話してくださった『あの方』のことならば、そもそもあなたの御家族では無いではないですか。

しかも市長が市議選に立候補を決めてからの出会いとお聞きしていますから、20年ほどのおつき合いでしかありません。

もちろんその方が亡くなったのは、市長の自宅でもありません。

そのことを、まるで市長が在宅看取りをしたかのように語っておられる。

長年連れ添った家族を失った市民の方々の体験した死と、市長が語るエピソードとは、はっきり言って全く別次元の話なのです。「同じ次元で語らないでほしい」とさえ、僕は怒りを感じています。
 
かたや圧倒的多数の市民の皆様は、50年から60年以上連れ添った夫や妻を、お父さんやお母さんを失なうのです。

そして、どれほど大切に思っていても、金銭的な事情や家族の健康上の理由などで、さらに市内の医療機関・福祉施設の体制が不十分なために、たとえ望んだとしても、自宅で看取ることはできないのです。

御家族は、市外・県外の病院施設にいる家族のことを、毎日何度も「会いたい」「さみしい」と思い続けています。

亡くなった後にもずっと思い出しています。

そこに市長から

「自宅での死以外はダメだ」「病院や施設での死はさみしい」

といった内容の言葉が投げつけられる。それは傷に塩を塗りつけられるようなつらい経験です。

死という厳粛な事実に違いはありませんが、市長が失なった大切な方との関係性は、本当の御家族を失った多数の市民の方々とは全く別物です。

そこから受けた心理的なダメージや肉体的な疲弊感の大きさは、圧倒的な差があります。

市長には、この大きな違いがわかりますか。市民の方々のお気持ちを推しはかることはできますか。

お聞かせください。



市長の答弁

確かに私が紹介している方の在宅療養というのは、私の家族ではありません。

時間がある時には、そういう家族では実際無いのですが、という断りを入れながら、御説明をするようにしています。
 
ただ、そういった方の最期、人生の最終段階を自宅で過ごすことの意義ということは、私も感じていますし、御家族の皆さんもそれをお話しされていました。

ですので、御家族の皆さんのお気持ちというのを推しはかることは、私にはできると思っています。



フジノの再質問

それならば、今後「在宅看取りの20万人以上都市での死亡率が全国でトップだ」とお話をなさるときに、例えば延命治療、医療的ケアを受けておられる方々のことをネガティブな言い方でおっしゃるのを一切やめていただけませんか?



市長の答弁

実際、私が話した時には、恐らく正確にきちんと記憶はしていませんけれども、「私はそうはなりたくない」と思っています。家族にもそういった意思を示しています。

ですので、そういう趣旨でお話を聞いていただければというふうに思っていますが、そういった延命治療等を受けている方に対して、失礼になるような物言いがないように、ぜひ気をつけていきたいと思います。



フジノの再質問

その市長の物言いについて、以前から複数の市民、市職員の方から深く傷つけられたというお話を伺ってきました。

今回、発言通告書を僕がブログで公開してからは、市民の方、議会、市職員の方から「よくぞ書いてくれた」と賛同のメールや電話、お声がけをいただきました。

家族はみんな医療の技術の進歩を信じていて、

「明日になれば目が覚めるかもしれない」「来年になれば新たな治療で意識が戻るかもしれない」

と、切実な思いで家族の回復を信じています。

僕も父の入院中、他の方のお見舞いに来られた御家族とともに励まし合ったものです。

市長に伺います。

あなたはこうした回復を信じて、祈って病院に一生懸命足を運んでいる、そうした御家族の生の声を自ら受けとめたことはありますか?



市長の答弁

様々な機会で受けとめています。



フジノの再質問

ならばこそ、しつこくくぎを刺しておきたいのですが、そうした生の声を受けとめているならばこそ、多くの方が市長の言葉に傷つけられたと感じている現実を受けとめて、ぜひお言葉には御注意していただきたいと申し上げます。

4年前にも申し上げました。

もう2度と同じことを言わせないでください。



フジノの再質問

 
次の質問です。

新年度は、県が『保健医療計画』を改定し、本市は『介護保険事業計画』を改定します。

在宅看取りだけでなく、市外・県外の病院・施設でしか受け入れてもらえない方々を、ふるさとで暮らせるような医療・福祉の充実をしっかり計画に記すべきです。
 
市長は先ほど「行政の手が届きにくい」とおっしゃいました。

そんなことはありません。

まず、必要なことは現状の把握です。

市長は、市外・県外の病院・施設で暮らさざるを得ない方々が、どれくらいおられるか把握しておられますか。



市長の答弁

私は把握していません。



フジノの再質問

これは地域医療連携室などをはじめ、市民病院、うわまち病院、そして他の病院にも協力をしていただければできることです。

ぜひやっていただきたいと思いますがいかがでしょうか。



市長の答弁

その方法が私にはわかりません。



フジノの再質問

在宅療養連携室の役割を承知しておられないということで、大変に残念だと思います。

転院先を紹介する、そしてその方々が無事に転院先を見つけられたかということを、メディカルソーシャルワーカーの皆さんは毎日本当に苦労しながら探して下さっています。

それをお聞きしていけばいいだけのことなのです。

把握さえ方法が浮かばないというのは大変残念に思います。

そうすると、施政方針でおっしゃった「ふるさとで安心して暮らせる」「誰もが暮らせる」というようなことというのは、空手形なのだということがよくわかりました。

そうした本市の医療と福祉の政策の貧困が、たくさんの人々を市外に追いやっています。

しっかりと医療・福祉の体制整備を進めて、全員をふるさと横須賀に責任を持って取り戻す。そうした『医療計画』となるように、県には強く訴え、本市の『介護保険事業計画』改定には全力で臨むべきですが、どうお考えでしょうか。

次の計画によって、全員がふるさとに帰ってこられるものにできますか?

お答えください。



市長の答弁

まず決めつけるのはやめていただきたいのですが、当然消防の救急搬送等で市外の病院を選択せざるを得ないケースなどもありますし、その際、その後どこにその方が医療を受けられているかとか、把握することはなかなか難しいです。

メディカルソーシャルワーカーの皆さんが、各病院で様々、いわゆる診療所につなげる取り組みなどをしていることは承知していますが、その件数をカウントすること、それが市全体の市外で療養を受けている方の数のカウントには、イコールにはならないと思います。

その上で、『介護保険事業計画』、これからつくっていく中で、国も『介護医療院』というものを立ち上げるやに聞いています。

こういった医療的なケアが必要な方であっても、病院からすぐ自宅ではなくて、施設という選択肢もあるのだということが、新しく示されようとしている。

まだ法律案の段階ですけれども、こういった情報は逐一入手しながら、県に対しても横須賀市の実情は届けていきたいと思います。



フジノの再質問

県に実情を届けるだけでは足りません。

それは当然のことですが、今後、これまで僕が主張してきたように、県の『保健医療計画』と市の『介護保険事業計画』をすり合わせをする機会も新たに設けられることになっています。

僕は、先ほど申し上げたのには

「県には全力で訴えてほしい、そして本市の介護保険事業計画の改定にも全力で臨んで、そして市外に出てしまっている方々を横須賀に戻せるように、そういう計画にしてほしい」

と申し上げました。本市の計画改定には、どのように臨むのかお答えください。



市長の答弁

考え方として、市外で療養している方が、できるだけ御家族や住みなれた地域のそばで療養するということは、私も理想だと思います。

けれども、『介護保険事業計画』の中で「全員を戻す」ということをうたうことは、現実的には難しいと思います。



フジノの再質問

言葉尻で答えられてしまいました。「全員を戻すと書くのは難しい」と言われました。

では、「1人でも多く帰す」と書いていただきたい。

少なくともその思いで『介護保険事業計画』を充実させてほしいと思いますがいかがでしょうか。



市長の答弁

『介護保険事業計画』の中に、市外で療養を受けていたり、あるいは施設に入居しているような方を1人でも戻すと書いた場合、具体的にどのような施策がそこにひもづいてくるのか、私には今イメージができませんので、今軽々にそういった1行を入れますと答えることはできません。



フジノの再質問

施策を考えていくのは、現場の担当や係長、課長、部長を初めとする職員のみなさんです。

事務局の皆さんです。

また介護保険運営協議会の皆さんや社会福祉審議会福祉専門部会の皆さんであります。

ですから、市長はビジョンや理念を語っていただければ良い訳です。

施設に暮らしておられる、あるいは市外の病院施設で暮らしておられる方を1人でも横須賀にお帰ししたいというビジョンを書くことは、決して市長がやってはならないことだとは、僕にはとても思えません。

ビジョンを語っていただきたい。

市外にいらっしゃる方をまるで「見捨てる」というふうに今聞こえたのですが、そういう姿勢はあってはならないと思います。

ぜひ次の『計画』の中では、市外におられる方を1人でも多く横須賀にお帰しするということを強くうたってほしいと思っています。



フジノの再質問

続いて、「『県立こども医療センター』を卒業した元子どもたちが、横須賀でかかりつけ医を得て暮らせる体制づくりを」ということを提案しました。
 
先ほど、『うわまち病院小児医療センター』が中核的な拠点としてすでに機能しているとお答えになりましたが、僕は全くそのようには受けとめておりません。

転院先探しで苦しんでいる保護者の方に対して、こんな発言を投げつけるドクターが、うわまち病院にいるという事例をお聞きしました。まさに『リビング・ウィル』の押しつけです。

『センター』から引き継ぎの紹介状を持って、『うわまち病院』を訪れたある保護者の方は、初診の日に、初診の日です、ドクターからこう言われたそうです。

「万が一のときは人工呼吸器をつけるか否かを決めておいてください」。

言外に「人工呼吸器はつけるな」、つまり「そのまま死なせろ」と高圧的に言われたように感じて、深く落ち込んでしまったそうです。

転院先探しで不安を抱えている保護者の方に対して、初診の日にドクターが言うべきこととは思えません。

このような発言を投げつけるドクターが『うわまち病院』にいるという実態を、市長は御存じでしょうか。



市長の答弁

今のお話は私初めて聞きましたが、やはりトータルに状況を私承知していないので、価値判断をすることは避けたいと思います。



フジノの再質問

中核的に機能するということは、そういうことではないと思います。

2月14日の神奈川新聞報道によれば、『横浜市大附属病院』が『県立こども医療センター』と連携して、先天性心疾患のある成人になった子どもたちの受け入れを進めているということでした。

『センター』にとっては、「心疾患だけでも『センター』だけでは対応できなくなるので、恒常的なシステムをつくらねばならない」という強い危機感を持って、連携可能な医療機関を探してきた訳です。

その結果、『横浜市大附属病院』が全国でも先駆けとして、成人となったセンターの元子どもたちの受け入れを進めることになりました。

横浜市大の教授の方はインタビューに答えて、

「経営状況にさほど左右されない公立病院として、要請に応える必要があると感じていた」

と述べました。

今回の質疑で僕は対象を心疾患だけにとどめてはいませんが、まさに同じ問題意識を持って、僕は今回の質問をつくりました。
 
本市は、公立2病院が責任を持ってセンターと連携し、協力して、ふるさとであるこのまちで暮らしていけるようにしていただきたいと強く願っています。

そんな中で、『うわまち病院小児医療センター』が機能していて、適切に対応しているという御答弁をいただきました。

それに対して、現実は違う、という答えを僕は申し上げましたが、現状をよく知らないので価値判断できないとまたお逃げになられた。

大変に残念なことで、これをお聞きになっておられる当事者の方や保護者の方は、大変に悲しい想いをされていると思います。

せめて現状を調べて、そしてそのような現実があれば正したい、そして「実際に引き継ぎ可能になるように、もっと強く進めたい」というぐらいお答えはできないのでしょうか。



市長の答弁

藤野議員に申し上げたいと思いますが、『成人先天性心疾患センター』は、横須賀市の『うわまち病院』に2013年からオープンしています。

そういう意味では、子どもの小児医療から大人になる機関への引き継ぎということも、『うわまち病院』ではできていますし、『うわまち病院』のホームページにもそれは載っています。

私に対して「もっと現場を知るように」というお話がありましたが、私としては『うわまち病院』の現状については、よく承知しているつもりです。

私が答えたのは、あくまで「初診で人工呼吸器をつけるか否か」と聞かれたことについてどう思うかと聞かれたので、私は病状もわからないし、診療の様子もわからないし、その方がどういう状態であったのかも知らないので、価値判断できないと答えたまでです。



フジノの再質問

仮定の話には答えられないというような逃げをされてしまいましたが、実際にそういう出来事があって、だからこそお話をしている訳です。

「『うわまち病院』が十分に機能している」

と市長はおっしゃいますが、本当に保護者の方の声を聞いておられるのかと疑問に感じました。
 

フジノの再質問

続いての質問に移ります。
 
先ほど、『センター』の『ナビ』に掲載されている市内の医療機関について、市長は

「『うわまち病院小児医療センター』などが拠点となって、連携をしっかりとしている」

という頼もしいお答えをいただきましたが、それも事実とは異なると私は受けとめています。

例えば掲載されている医療機関には共済病院がありますが、そこにもやはりかなりひどい対応をするドクターがいて、実質的には名前は載っていても、受け入れを拒否しているのと変わらないというエピソードがたくさんあります。

だからこそ、僕は質問の中であえて

「『ナビ』に出てくる医療機関にも、本市が積極的に引き継ぎを丁寧に受け入れられるように要請してほしい」

と申し上げました。

システムができていることと、実際にそれが機能して、保護者や御本人が安心して地域で暮らせているかというのは、全く別の話です。

ぜひ、丁寧な引き継ぎを要請していただけないでしょうか。



市長の答弁

まず『うわまち病院』の『小児医療センター』でできていることを私はしっかりと広報する必要性を、今の議論の中で感じました。

今、『うわまち病院小児医療センター』では、病診連携も含め、大変先進的な取り組みが進んでいると、私は認識しています。

ですので、市民の皆さんにそういったことを広く広報していくことが大事だと思っています。



フジノの再質問

『うわまち病院』の取り組みを広報していただくという質問ではなくて、『ナビ』に出てくる医療機関にもきちんと引き継ぎをしてほしいという要請を、市からお願いしてほしいと申し上げました。

お答え下さい。



市長の答弁

まず『ナビ』『ナビ』とおっしゃっている『おひさま小児在宅療養ナビ』ですか、これについては、基本的にはいわゆる訪問診療をされているクリニックが載っていると聞いています。

ただ、私の知る限りでは、横須賀共済病院が訪問診療をしているということは承知していません。

ですので、『ナビ』に載っている医療機関なり、『ナビ』の信頼性というのが、私にはよく分からないので、私としてはそういったことをするよりも、もっと効果的な、市民にとってプラスになるような意味あいで、

「『横須賀うわまち病院』の『小児医療センター』がしっかりとした病診連携ができています、引き継ぎができる医療機関ですから、ぜひ相談して下さい」

といったことを広報する必要性を感じました。



フジノの再質問

かみ合わないので大変残念に感じますが、最後の質問に移ります。

横須賀市版リビング・ウィルについてです。
 
市長、いろいろきっかけづくりだという現局担当部署の言葉で逃げられましたが、実際に配れば、それはもう公的な書類として受けとめられるのです。当初の想いは越えて、どんどん使われていくことになってしまうわけです。

そこで伺います。

本市版リビング・ウィルの完成版を配布する際には、必ず広く高齢者保健医療福祉の関係者、介護保険事業所の関係者を集めて、リビング・ウィルについての研修を行ってください。そしてその効力が及ぶ限界を丁寧に伝えてほしいのですがいかがでしょうか。



市長の答弁

ぜひそういった横須賀市版リビング・ウィルのあり方ということを周知する機会というのは、さまざまな機会を捉えて行なっていきたいと思います。



フジノの再質問

それから救急隊についてです。

これから本市版リビング・ウィルを提示される機会というのは、どうしても増えてくることになると思います。

今の原則のガイドラインがあっても、その『ガイドライン』とリビング・ウィルとの間で、救急隊員一人一人が板挟みになるのは大変に耐え難い思いだと思いますし、実際に既にそういったことは起こっていると思います。
 
そこで提案です。

『三浦半島地区メディカルコントロール協議会』に対して、本市版リビング・ウィルの存在とその使い方をテーマとして取り上げていただくべきではないでしょうか。

そして患者本人と家族の思いがリビング・ウィルとして可能な限り反映されると同時に、救急隊が法的に責任を問われない万全の状態をぜひ作っていただきたいのですが、いかがでしょうか。



市長の答弁

消防局長の意見も聞きたいところですが、その必要性は無いと思っています。

何故なら救急隊員は119番通報をもって必ず心肺蘇生に向かうからです。

消防局長、いいですね、それで。では、消防局長からも答弁いたします。



消防局長の答弁

救急隊員は、救急指令を受けた段階で、救命処置が必要だと判断しております。

『DNAR』を提示されても、医師に引き継ぐまでは心肺蘇生法等をやると、『三浦半島メディカルコントロール協議会』の『ガイドライン』にも定められております。



フジノの再質問

現時点では、トラブルは起こらないというお話だったのですが、配布した後は、僕は「状況が変わる」とはっきりと申し上げておきたいと思います。

その際に、改めて今回の質問をぜひ思い出していただきたいと思います。

「本人と家族の思いを『リビング・ウィル』として残せ」と市は訴えておきながら、救急隊が救命処置をする。その矛盾を必ずどこかで解決しなければならない事態が起こることになると思います。

現状の『ガイドライン』が通用しなくなるときが必ず来ると思っています。

その時には、ぜひ諮問機関ではありますが、『三浦半島地区メディカルコントロール協議会』が現状では最適な場だと思いますので、きちんとした新しいルールづくりが求められるときになった時は、必ずその対応を行なってほしいと指摘したいと思います。

以上で質問を終わります。

ありがとうございました。



神奈川県立こども医療センターを卒業した子どもたち、特に成人した元子どもたちが安心して本市でかかりつけ医などを持てる体制づくりの必要性について/提出した発言通告書(その3)

市長への質問の為の発言通告書を提出しました(その3)

予算議会でも市長に対して本会議で質問を行ないます。

その為にあらかじめ提出しなければならない『発言通告書』が、本日締め切りでした。

フジノが質疑に立つのは、2月28日の本会議です。

それでは前回に続いて『発言通告書』の内容を掲載します。



3.神奈川県立こども医療センターを卒業した子どもたち、特に成人した元子どもたちが安心して本市でかかりつけ医などを持てる体制づくりの必要性について

 NICUの発展によってかつては生まれることができなかった赤ちゃんの命が救われ、人工呼吸や気管切開管理などの医療的ケアは必要なものの、元気に育つようになった。

その子どもたちの多くは神奈川県立こども医療センター(以下センター)を受診している。

助かる命が増え、センターも定員があることから、原則15歳になるとセンターを卒業して、地域のかかりつけ医に移るよう促される。
 
しかし、実際は20歳を超えて卒業される方も多く、センターから紹介されて市内医療機関を訪ねても外来・入院を受けてもらえず、引き継ぎ可能な医療機関を見つけることは難しく、訪問看護も同様の状況にある。

市長は施政方針で

「市民が住みなれたまちで安心して暮らせるために、適切な医療・介護体制の整備(略)を進めます」

と医療・福祉対策の強化を述べたが、その『市民』とは高齢者だけであってはならず、早急に対策を検討すべきだ。

【質問7】
(1) センターから紹介を受けて本市の市立2病院を訪ねても、引き継ぎに否定的な反応が多いと複数の方から伺った。住みなれたまちで安心して暮らせるために、公的病院の責任において、市立2病院はかかりつけ医として引き継ぎを受けられる体制を構築すべきではないか。

【質問8】
(2) センターが作成している『小児在宅療養ナビ』で名前が挙がっている病院でも、実際は引き継ぎに難色を示す医療機関が多いと伺った。同ナビで名前が挙がっている病院・診療所・訪問看護ステーションに対して、本市は積極的に引き継ぎを要請すべきではないか。

【質問9】
(3) 引き継ぎ可能な病院などの絶対数が少ない現状を変えていくために、本市は医師会訪問看護ステーション連絡協議会を通じて新たな引き継ぎ先を開拓していくべきではないか。

発言通告書の内容は合計4つになります。その4へ続きます。



医療的ケアや延命治療を施されて市外の病院や入所施設で暮らすことを余儀なくされている方々が、再び本市に帰り、在宅療養を送れる体制づくりの必要性について/提出した発言通告書(その2)

市長への質問の為の発言通告書を提出しました(その2)

予算議会でも市長に対して本会議で質問を行ないます。

その為にあらかじめ提出しなければならない『発言通告書』が、本日締め切りでした。

フジノが質疑に立つのは、2月28日の本会議です。

それでは前回に続いて『発言通告書』の内容を掲載します。



2.医療的ケアや延命治療を施されて市外の病院や入所施設で暮らすことを余儀なくされている方々が、再び本市に帰り、在宅療養を送れる体制づくりの必要性について

人口20万人以上の都市の中で本市の在宅死亡率が全国トップであると市長が語る複数の機会に立ち合った。

その際に、市長は気管切開や経管栄養などの医療的ケアや延命治療の様子を語り、さみしいもので後悔が残るものと述べていた。

在宅看取りを推進する立場から対称的に述べたのだろうが、2013年9月24日の本会議での私の質問の後も、当時と同じことを繰り返している市長を大変残念に感じた。
 
現在も多数の方々が医療的ケアや延命治療を受けながら、市外の病院や入所施設で暮らすことを余儀なくされているが、決して本人が望んだ訳では無く、医師の判断で結果的に医療的ケアや延命治療の状態に置かれている。

私は長年在宅療養・地域包括ケアを推進してきたが、これらの方々の存在を片時も忘れたことは無い。一刻も早くご本人が横須賀の病院や施設やご自宅へ帰れるように、医療・介護・福祉を充実させねばならないと常に決意している。

施政方針において

「命の尊厳に向き合った施策の必要性」を感じており「市民が住みなれたまちで安心して暮らせる為に、適切な医療・介護体制の整備、終末期の課題や不安の解消(略)を進めます」

と医療・福祉対策の強化を述べたが、市長の述べた『市民』の中にこれらの方々が含まれているのか疑問に感じている。

【質問4】
 (1) 気管切開や経管栄養などの医療的ケアをしていたり、延命状態に置かれている方々のことを市長はどう考えているのか。さみしくて不幸な存在なのか。


【質問5】
 (2) 医療的ケアや延命治療、病院や施設でのみとりを市長が批判的に述べるたびに、実際に当該治療を受けている何の罪もない方々の尊厳を踏みにじり、在宅みとりが叶わなかったご家族やご遺族にとてもつらい思いをさせていることをまだ理解できないのか。


【質問6】
 (3) 市長には、そうした方々がふるさと横須賀に帰り、市内の病院や施設、自宅で療養生活を送れるように、強く支援していく意思はあるか。

発言通告書の内容は合計4つになります。その3へ続きます。



「やはりフジノの居場所は教育福祉常任委員会だ」と改めて充実感を覚えました/2015年6月議会・教育福祉常任委員会(2日目)

教育福祉常任委員会(2日目)が開かれました

今日は『教育福祉常任委員会(2日目)』が開かれました。

本日の委員会の閉会をお知らせする看板の前にて

本日の委員会の閉会をお知らせする看板の前にて


他の委員会の場合、議案や報告などの審査は1日で終わることが多いです。

けれども教育福祉常任委員会はほぼ毎回『予備日』を利用して、長時間にわたる議論になります。

しかも、本会議での一般質問の翌日に教育福祉常任委員会はいつも開催されるので、質問づくりの為に、徹夜が続きます。

本当に毎回毎回、体がとてもつらいです。

けれどもガンガン質疑をして、気持ちはものすごく充実感を覚えました。

委員長に

「フジノ議員、持ち時間を過ぎておりますので質問をそろそろ止めて下さい」

と制止されるその瞬間まで、1秒もムダにせずにフジノは全力を尽くしました。



政治家フジノを市民のみなさまが「こきつかう」のに最適なのがこの委員会なのです

やはり1年ぶりに帰ってきて、今日もハッキリと感じました。

社会保障・社会福祉政策、教育、児童家庭福祉にずっと取り組んできた政治家フジノの居場所は、ここ『教育福祉常任委員会』なのだ

と。

政治家として市民のみなさまの税金を頂いているフジノが、最も高い専門性をもって行政と向き合うことができるのは、ここなのです。

もちろん、1年間在籍した生活環境常任委員会でもいくつもの提案を実現してきました。

けれども、41年間の人生のうちの大半を精神保健医療福祉をはじめとする社会保障・社会福祉政策に関わってきたフジノです。

市民のみなさまが、政治家フジノを最も「こきつかう」ことができるのは、この委員会に所属させることです。

政治家フジノに支払われているお給料の原資である税金のムダ使いにもならないと思います。



全ての部局に対して合計14問の質問をしました

フジノが今日行なった質疑は、下の通りです。

教育福祉常任委員会でのフジノの質問

  1. 健康部と福祉部への質疑


    【健康部地域医療推進課と福祉部介護保険課への質問】
    (1)『病床機能報告制度』に関して、市立2病院を持つ本市と、指定管理者である地域医療振興協会との関係について

    (2)今回の『診療報酬改定』の目玉として新設された『地域包括ケア病棟』を、市立2病院が選ばなかった理由について

    フジノは市立病院に『地域包括ケア病棟』を新たに開設すべきだと考えています。特に、休床している市民病院の病棟を『地域包括ケア病棟』に転換すべきです。

    (3)『うわまち病院の建てかえ』の議論が進められているが、これは単なる建て替えではなく地域包括ケアシステム実現に向けて大きな意味を持つものであり、現在のように健康部だけで議論を進めるのではなく福祉部も今すぐ議論に積極的に関与する必要性について

    (4)『うわまち病院の建てかえ』とともに議論される『市民病院との機能分担』については、横須賀三浦2次保健医療圏のリーダーである横須賀市が積極的に市内外の病院とその『機能分担』を議論し調整を行っていく必要性について


    【保健所健康づくり課への質問】
    (1)参議院厚生労働委員会が6月2日に『自殺総合対策の更なる推進を求める決議』を全会一致で行ない、今後、自殺対策基本法は改正される。

    かねてフジノが市長に提案してきた横須賀市の『自殺対策行動計画』の策定についても、法改正では市区町村に義務付けされる見込みにある。したがって、今からさらに研究を進めて、PDCAサイクルによって自殺対策の取り組みと成果が明確にできる体制を作っていく必要性について

    (2)『横須賀こころの電話』が今年4月から毎月1日だけ新たに深夜から早朝まで相談を受ける時間帯を延長したが、現在までの状況はどうか。さらにこれまで提案してきた通り、相談員のメンタルヘルスを守り、NPOからの報告を丁寧に聴き必要な支援を積極的に行なっていく必要性について

    (3)かねてから指摘してきた自殺未遂者支援に取り組む本市の『生きる支援相談員』は非常勤で1名のみの雇用で立場が不安定であったが、残念ながらその指摘が的中してしまい、3月で『生きる支援相談員』が退職してしまった。その後、新たな人材を雇用できたか。また、こうした不安定な立場を継続することは今後も自殺未遂者支援の大切な経験と未遂者との信頼関係が退職とともに失われてしまうことにつながるので、常勤化すべき必要性について


    【動物愛護センター(生活衛生課)への質問】
    (1)『動物愛護センター』と地域のNPOやボランティアのみなさんのおかげで殺処分は減っているが、地域猫の存在を好ましく感じない住民の方々とNPO・ボランティアとの餌やりにまつわるトラブルも多発している現状がある。現在は、個々のNPO・ボランティアの方々が地域住民と話し合いをしたり、動物愛護センターが本来業務を超えて仲介に乗り出している。しかし、地域のことに最も精通している市民部コミュニティ支援課など他部署の協力も求めて、住民とのトラブルを積極的な解決を目指す必要性について




  2. こども育成部に対しての質疑

    (1)療育相談センター、特に『医療型児童発達支援センター』の定員は40名だが過去の実績では定員いっぱいまでこどもたちを受け入れていない。直近の在籍数・定員充足率の実績はどのようなものか

    療育相談センターのホームページより

    療育相談センターのホームページより

    (2)昨年来、複数の保護者の方々から、「療育相談センター、特に『医療型児童発達支援センター』に我が子をお願いしたいと頼んでも、断れられた」という苦情が来ている。こども育成部は、指定管理者である社会福祉法人からそうした苦情の報告を受けているか。また、じかに保護者からそうした苦情を受けているか

    (3)療育相談センターの支援体制が手厚く評判が良いのは承知しているが、質の高さだけでなく、保護者が望んでいるのに断るようなことなく定員まできちんと受けるように市は指定管理者を指導すべきではないか




  3. 教育委員会に対しての質疑

    (1)文部科学省から4月30日付けで出された『性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施などについて』との新たな通知では、これまで性同一性障害に偏っていた対応を、同性愛・両性愛・アセクシャルなども含んだ全般的ないわゆる『性的マイノリティ』とされる児童生徒への対応に広げるように求められている。本市教育委員会は、市内学校に対してこの通知を受けてどのような対応をとったか。

    (2)今年も6月に、市内全学校に対して『NPO法人SHIP』からポスター(人はみなそもそも多様な性があること、性的マイノリティに関するあらゆる相談を受け付けている相談窓口の紹介、の2種類)が送られたが、今年も市内学校がそれらをきちんと児童生徒が見る場所に掲示するよう依頼する必要性について。

    (3)そのポスターが掲示された学校とその学校内での掲示場所を教育委員会として把握する必要性について

以上、14問です。

これをわずか30分しかない持ち時間で質疑したので、だいぶ早口になりました。

けれども、用意していた質問は他にも多数ありました。

『持ち時間30分』には行政側の答弁の時間も含まれるので、とても短くあっという間に終わってしまいます。

それでもこの委員会での質疑こそ、実は市長への一般質問以上に大きく政策を動かす大切な機会なのです。フジノは最も重視しています。

今回もたくさんの市民の方々からの声をもとに、また、国・県の審議会や法改正の動きなどをもとに、質問を全力で作りました。

どのような答弁だったのかは明日以降、市議会インターネット録画中継からご覧いただけます。

明日は委員会での市内視察です。

さらに、25日には予備日を使用してなんと教育福祉常任委員会(3日目)が開かれることになりました。

『市立諏訪幼稚園の廃止』に関する集中審議です。

これでこそ、教育福祉福祉委員会です。

委員メンバーとしてはハードですが、深く市民生活に直結することがらがたくさんあるのでとてもやりがいがあります。

自分が在籍していなかった1年間の空白は、今ではさらに燃えあがるモチベーションになっています。

全力でその責務を果たしていきます!



社会福祉法人みなと舎・公開セミナー「暮らしをつなぐ〜重症心身障害児者への人生支援〜」

社会福祉法人みなと舎

横須賀には、障がい福祉の分野で全国に誇るべき存在があります。

『社会福祉法人みなと舎』です。

その活動をもとに厚生労働省が全国に導入した取り組みなどもたくさんあります。

この4月には、長年にわたって待ち望まれていた『医療型障がい児者入所施設「ライフゆう」』をオープンしました。

公開セミナーが開かれました

その『みなと舎』は、神奈川県から『障害福祉サービス地域拠点事業』の委託を受けています。

その1つとして、今日は公開セミナーが開催されました。

公開セミナーチラシより

公開セミナーチラシより


会場は、湘南国際村センターです。

第1部の基調講演は、日浦美智江さんです。

障がい福祉の世界に身を置くフジノにとっては、リビングレジェンドとして尊敬するおひとりです。

第2部はパネルディスカッションが行われました。

(明日も決算審査がありますので、改めて後日、加筆します)

会場にて

会場にて

森下常務理事がコーディネーター、日浦先生がコメンテーターを務められました

森下常務理事がコーディネーター、日浦先生がコメンテーターを務められました

閉会のあいさつに立つ飯野理事長

閉会のあいさつに立つ飯野理事長

医療型障がい児者入所施設「ライフゆう」、ついに開所します(その2)

「ライフゆう」の様子を紹介します

前回の記事に続いて、『ライフゆう』の様子を写真で紹介します。

定員
長期入所 64名
短期入所 4名
生活介護 16名
放課後デイ 5名
お部屋

お部屋

お部屋

お部屋

部屋からの景色

部屋からの景色

ベットから移動する為の器具

ベットから移動する為の器具

ナースステーション

ナースステーション

別の角度からナースステーション

別の角度からナースステーション

家族が過ごすことができる部屋

家族が過ごすことができる部屋



(その3に続きます)

医療型障がい児者入所施設「ライフゆう」、ついに開所します(その1)

「ライフゆう」を内覧しました

父の病院から、大急ぎで横須賀に戻ってきました。

向かったのは、湘南国際村です。

「ライフゆう」玄関にて

「ライフゆう」玄関にて


社会福祉法人みなと舎が新たにオープンする医療型障がい児者入所施設他『ライフゆう』の、開所式典に参加する為です。

長年待ち望まれてきた施設がついにオープン

僕の父のように『医療的ケア』が必要な方々の為に、そしてこのまちで暮らす重症心身障がいのある方々の為に、本当に長年にわたって待ち望まれてきました。

2011年に公募の方針が決定し、3年が経った2014年5月、ついにスタートします。

2011年2月5日・神奈川新聞記事より

2011年2月5日・神奈川新聞記事より


市議としてオープンに先駆けてお招きいただき、内覧をすることができました。

施設規模
建築面積 約1,450㎡
床面積 約4,750㎡
構造 鉄筋コンクリート造3階地下1階建て

とても立派な施設が完成しました。

「ライフゆう」の様子をご紹介します

その様子を画像でご紹介いたします。

レントゲン室

レントゲン室

合計4フロア

合計4フロア

クッキングルーム

クッキングルーム

ライフ湯(お風呂)

ライフ湯(お風呂)

入浴

入浴

ランドリーマシン

ランドリーマシン

指導訓練室

指導訓練室

お部屋

お部屋

たんぽぽ入口

たんぽぽ入口

室内の様子

室内の様子

広々とした廊下

広々とした廊下



その2へ続く)

父、危篤/ベッドサイドで過ごして

父、危篤

おとといの夜から、父が危篤状態です。

この1〜2日が山ということもあり、フジノは昨日の朝から、病院に詰めています。

父の病状

昨年、父は2度、心不全を起こしました。

そのどちらで亡くなってもおかしく無い状態でした。そのたびに何とか持ち直して、父はがんばって生き続けてきました。

そして今、3度目の心不全を起こしています。肺炎も併発しています。

ただ、過去2回とは異なって、極めて厳しい状態です。

体温も33度台に届くかどうか、血圧も60すれすれ、呼吸もとても浅いです。

余談ですが、1度目の心不全を起こした時は、ちょうど市長選挙の直前でした。家族みんなで病院に呼ばれて集まりました。

当時フジノは、広川さとみ候補の応援で朝の駅立ちや街頭演説に入りながら、その合間を縫って、父のお見舞い、お墓の手配、葬儀社との事前打ち合わせをしていたので、本当に目が回りそうでした。

この時にいろいろな作業を実際に行なった為に、これまで闘病が長かったけれども低空飛行で安定していた父が、本当に亡くなるのだということを強く自覚しました。

それまでも全力を尽くして父と向きあってきましたが、それまで以上に自分のできることを全てやらなければと決意しました。

父の闘病

これまで父は、植物状態で約9年間を過ごしてきました。

のどに穴をあけています(気管切開)。そこから、たんの吸引をしています。

栄養は、お腹に穴をあけて胃まで管をとおしています(胃ろう)。そこから、栄養を流し込んでいました。

昨年に心不全を起こしてからは、胃ろうを使うことができなくなり、現在は、首の鎖骨からチューブを心臓まで入れて、点滴で栄養を入れています(IVH=中心静脈栄養法)。

人は常に唾液をつくっていて、その他にも鼻水や涙などの分泌があります。それらがたんになって口の中に流れていくのですが、父はそれを飲み込む喉の動きができません。

そこで、吸引器を使って定期的にたんを吸引することで、いのちをつないできました。

ただ、どれだけ丁寧にたんの吸引をしても、全てを取ることはできません。少しずつ、のどの奥に流れていきます。

元気な人は、食べ物や飲み物は、のどから食道を通って胃へと流れていきます。もしも誤って気道に入ってしまうと、元気な人は「むせる」ことで気道から水分などの異物を押し出すことができます。

けれども父には「むせる」ことができないので、たんなどの水分が少しずつ肺へと流れこんでいきます。

たんに限らず、水分やごはんのかけらなどには菌がついていますので、肺にそうした異物が入っていくにつれて、肺は炎症を起こしていきます。それがイコール「肺炎」です。

ここ数年、父は肺炎を繰り返し発症するようになりました。

抗生物質で炎症そのものは治すことができますが、根っこの原因であるたんなどの異物の肺への流入を止めることはできません。

ですから、だんだんに肺炎の頻度も多くなっていき、症状も重くなっていきました。

こうして、現在に至っています。

息子として父に思うこと

今までをふりかえると、父には感謝しかありません。

ベッドサイドに座って今この文章を書いているのですが、昨日からずっと父に僕の幼い頃からの思い出を語りかけているのですが、どの思い出話の最後は感謝の言葉になります。

「父さん、ありがとう」

「おれにもしこどもがいたとしても、おれは父さんみたいには振る舞えないよ」

「ありがとね」

やっぱり父は、偉大だなあとつくづく感じます。

幼い頃には親の1つ1つの言葉やふるまいに対して未熟で理解できなかった訳ですが、今は身にしみて父の苦労が共感できるようになりつつあります。

父には感謝の気持ちばかりです。

政治家としてずっと医療・高齢者福祉・看取りについて学んできたおかげで、父の状態の悪さについてもドクターの説明をとてもよく理解できました。

そもそも政治家として医療・高齢者福祉・看取りについて学ぶ決意をして、これまでずっと取り組んできたのも、そもそも父の発病のおかげです。

どのような結果になろうとも、今の僕には悔いはありません。

父の生きざまを長男としてしっかりと見つめていようと思います。

そして、祖父、父、と大切な存在を続けざまに喪うことになる母を、とにかく守っていかれるようになりたいと思います。

「ライフゆう」を知って下さい!看護師の皆さま、一緒に働いて下さいませんか?/重症心身障がい児者入所施設がスタートします

長年待ち望まれてきた「ライフゆう」、来春オープン

フジノが本当にこころから大切に感じてやまない存在に、医療的ケアが必要な重症心身障がいのある方々がいらっしゃいます。

そして、みんなが地域で共に暮らしていかれるようにと活動を続けてきた『社会福祉法人みなと舎』という法人があります。

『みなと舎』が、新たに『ライフゆう』という施設を来年スタートさせます。

20131219yu

この施設は、たくさんの市民の方々の根気強い活動によって、横須賀市議会の歴代の議員みんなが会派を超えて共通認識を持って、ずっと開設を望んできたものです。

フジノも9年前にご相談を受けたことがきっかけで、他の議員のみんなと同じく強い想いをもって取り組んできました。

蒲谷前市長が『よこすか障害者福祉計画』に明確に位置づけて、吉田市長が推進しました。

ようやく来春スタートします。

ぜひ小冊子をご覧下さい

市民のみなさま、ぜひ『ライフゆう』について知って下さい。

そして、看護師の(あるいは元看護師で復職を迷っておられる)みなさま、ぜひ『ライフゆう』で働いて下さいませんか?

こちらに2冊の小冊子をアップします。

ぜひご覧くださいませんか?

このまちには医療的ケアの必要な乳幼児の通える保育園が無い/社会福祉法人みなと舎セミナー「医療的ケアをつなぐ」へ(その1)

心待ちにしてきたセミナー「医療的ケアをつなぐ」へ

今日は、湘南国際村センターへ。

湘南国際村センターにて

湘南国際村センターにて


『社会福祉法人みなと舎』が主催する公開セミナー『医療的ケアをつなぐ〜やさしい手から手へと受け継いで〜』に参加しました。

お知らせのチラシより

お知らせのチラシより


お知らせのチラシを頂いてからずっと参加するのを楽しみにしてきました。

何故なら、医療的ケアのあるこどもたちも共に過ごせる『カンガルー統合保育園』の存在を、このチラシで初めて知ったからです。

恥ずかしながら、今までフジノは

横須賀には、医療的ケアのあるこどもたちも一緒に通える保育園が無い

という事実を知りませんでした。

これは、とても大きなショックでした。

ほとんど知られてないけれど大切な「医療的ケア」

これまでもフジノは『医療的ケア』の大切さをみなさまにお伝えしてきました。

とは言え、父との関わりからフジノのブログでは、もっぱらご高齢の方々や成人の障がいのある方々への『医療的ケア』について記すことがほとんどでした。

けれども、『医療的ケア』が必要なのは、生まれたばかりの「赤ちゃん」から「大人」も「高齢者」まで「みんな」です。

誰にとっても『医療的ケア』は必要のものです。

だから、『医療的ケア』の必要な乳幼児の通うことができる保育園も当然ながら存在しているのだと思い込んでいました。

しかし、それはフジノの思い込みでした。

医療的ケアは、赤ちゃんにもこどもにも必要です

医療技術の圧倒的な進歩のおかげで、こどもの死亡数は激減しています。

下のグラフは、今から40年前(フジノが生まれた頃)から現在(最新のデータ)までを示したものです。

乳幼児の死亡数の推移・厚生労働省「人口動態統計」を元にフジノが作成

乳幼児の死亡数の推移・厚生労働省「人口動態統計」を元にフジノが作成


特に進歩が著しいのは、新生児の医療です。

医学の進歩のおかげで、生まれてきたばかりの赤ちゃんが亡くなることはかなり減りました。

厚生労働省「第2回周産期医療と救急医療の確保と連携に関する懇談会」配布資料より

厚生労働省「第2回周産期医療と救急医療の確保と連携に関する懇談会」配布資料より


フジノが読んだ、新生児の死亡率についてのWHOの統計(2011年)には、こう記されていました。

  • 世界平均1000人中24人
  • アメリカ1000人中4人
  • イギリス1000人中3人
  • ドイツ1000人中2人
  • 日本1000人中1人

つまり日本では、生まれてくる赤ちゃんの1000人に1人まで死亡を減らすことが実現しているのです。

世界的に見ても、日本の新生児医療は圧倒的に優れています。

こうして、昔は助からなかった赤ちゃんの命が、救われるようになりました。

そして、命を救う『救命』には優れている一方で、医療的ケアが必要な超重症の赤ちゃんも増えているのが事実です。

  • レスピレーター
  • 気管内挿管
  • 鼻咽頭エアウェイ
  • 酸素吸入
  • 吸引
  • ネブライザー
  • IVH
  • 血液透析
  • 導尿
  • 人工肛門

などの医療的ケアが必要な赤ちゃんとこどもたちがたくさんいます。

これは高齢者に医療的ケアが必要な理由と全く同じです。

そんな中で、

医療的ケアを必要とする赤ちゃんや幼いこどもたちの通うことができる保育園が存在しない

という事実はフジノにとって本当にショックでした。

調べてみると、横須賀に存在しないだけではなく、全国的に見てもその数はとても少ないことが分かりました。

これでは、家族はどうやって暮らしているのだろうか…。

いろいろなことを考えながら、今日のセミナーに向かいました。

(つづく)

父のお見舞いへ/父はいつもたくさんのことを学ばせてくれる

父のお見舞いへ

今日は夕方から父のお見舞いへ。

昨年も今年も、お見舞いが1年間の最後の仕事だ。「政治家」としても「個人」としても、僕が1年の最後にやるべきことは、やはり父に会うことこそがふさわしいと感じる。

大晦日の夕方の病院は、すでに玄関やロビーの照明も落とされていて薄暗く、病棟に入っても、僕の他にはお見舞い客もいない。

夜勤との引継ぎが行なわれているナースステーションだけが活気づいていて、あとは病院全体がひたすら静寂に包まれている。

31hospital


ナースステーションの隣の病室に、父はいる。

中に入って父のベットへ進む。顔を父のそばに近づけて

「父さん、英明です」

と声をかけると、こころなしか父は目を大きく開いたように僕は感じる。

「感じる」と書いたけれど、実際には家族として「確信」している。僕が来ると父はそれをハッキリと分かっているし、態度にも表している。

父は、8年間にわたって寝たきりの植物状態だ。

医学的には、視力も聴力も無い状態と言われている。

けれども確実に父は生きているし、そこには意思を感じとることができる。

父とフジノ


僕が『病室の中』で父と向き合う時間は、とても短い。

ふだんは2週間に1回くらい。特に僕がひどく体調を崩してしまった今年の後半は、3ヶ月ぶりの再会になってしまった。

けれども、『病室の外』で父と向き合う時間は、とても多い。

父のおかげで出会うことができたあらゆる社会的な課題を通して、確実に毎日何時間も、いつも父のことを考えている。

2年前の選挙で、選挙公報に僕はこう記した。

2011年の選挙公報

2011年4月の統一地方選挙での選挙公報

僕の父は、6年半前に脳梗塞で植物状態になりました。のどに穴をあけてたんを吸引し、胃に管を通して栄養をとっています。

特別養護老人ホームは足りず、いくら待っても入所できません。療養病棟の入院費用はあまりにも高く、家族はみな疲れ果ててダウン寸前です。

こんな悩みを誰もが抱えています。生きることに希望が持てない、つらく厳しい事態です。

柔道・剣道ともに有段者で体格も良く、お酒が飲むのが大好きな亭主関白の九州男児で、定年退職したばかりの父。

そのあまりに突然の変化に、僕は心身ともに疲弊したし、経済的にも本当に苦しい日々を過ごした。毎月の給料では入院費用を支払いきれず、貯金を取り崩し、貯金が無くなった後は借金をして何とか入院費用を工面した。

長男として父を支える僕の苦しみの一方で、配偶者を突然かつ実質的に失った母の悲しみ、そして、植物状態の為に自らの意思を伝えることができない父自身のこころと体の苦しみに思いを馳せない日は無かった。

いつもいつも父のことを考え続けた。

僕は思春期のかなり早い時期から実存主義の哲学を学んで『生きる』ことの意味と向き合ってきたし、大学時代から社会人になっても『死生学』を学んできた。だから、一般の人々よりは多く『生と死』について向き合ってきたはずだった。

しかし、やはり目の前の肉親の身に起こる出来事の数々は、そうした学問的な知識や哲学的な思索を全く超えていた。とても苦しい日々だった。

だから、選挙公報に記した苦しみの気持ちは、嘘偽りの無い本音の吐露だ。

けれども、その文章の続きに、僕はこう記した。

でも、僕はあきらめません。現実は必ず変えることができるからです。

僕が政治家になる前年、横須賀の自殺数は過去最悪でした。

僕はゼロから自殺対策を作りあげてきましたが、ついに昨年、過去9年間で最も犠牲者数を減らすことができました。

政治の力で、必ず現実は変えることができるのです。

これからも僕は変えていきます。

先ほどのネガティブな言葉とは全く逆で、ポジティブな言葉だ。

でも、これはカラ元気ではない。

僕が深く確信している本音の想いだ。苦しい現実を体験する中で迷いながら少しずつ獲得してきた強さだ。

続く苦しみの中でも、僕は父からいつも大切なことをたくさん教えてもらった。< 父と同じ苦しみを味わっている人々が全国に凄まじい数で存在している現実。同じく、家族としての悲しみや苦しみも、たくさんの人々が僕と同じように感じている現実。 さらに、その苦しみの多くは、政治・行政が法律や制度を変えることで、本来であれば感じなくて済むはずの苦しみであるという現実。 そして、僕はその現実を変えることできる立場にあるという現実。 だから、僕は必死に取り組んできた。 国の審議会を何年も追い続けた。国の法律が変わるように国会議員にも働きかけた。法律が変わった後は、それが自分の暮らすまちで制度として機能するように、議会で取り上げ続けた。

こうして、いくつもの現実を変えることができた。

例えば、横須賀の高齢者保健医療福祉で2つの挙げてみると・・・

これまでは、父のように『胃ろう』をしていたり『たんの吸引』が必要な方々(医療的ケアが必要な高齢者)は、特別養護老人ホームに入所させてもらうことができなかった。

けれども、今では『介護職』による『医療的ケア』が実施できるようになり、『胃ろう』『たんの吸引』が必要な高齢者であっても、特別養護老人ホームに受け入れてもらえるように変わってきたのだ。

介護職による医療的ケアの実現


また、横須賀市内には夜間に対応してくれる(24時間対応できる)事業所が存在していなかった。

だから、父のように『胃ろう』をしていたり『たんの吸引』が必要な方々は、夜中から早朝にかけては家族がひたすら医療的ケアをしたり介護をしなければならなかった。十分な睡眠もとれない日々が永続的に続くことは家族の心身を疲弊させたし、虐待にもつながりうる状況で、本当に大変だった。

でも、ついに24時間対応できる『定期巡回・随時対応型訪問介護看護』がスタートする。

これによって、医療的ケアが必要な方々が自宅で暮らすことが、今よりも少し暮らしやすくなるのだ。


定期巡回随時対応型訪問介護看護


傲慢に思われてもいいから、僕は本音を書こうと思う。

横須賀市の高齢者福祉は、僕が政治家でなかったら、ここまで早く変わらなかった。

それはつまり、父が倒れたおかげなのだ。

父の犠牲があったおかげで僕はこうした問題にこころの底から目覚めて、そして全身全霊をかけて仕事をした。もちろん、たくさんの方々のご尽力のおかげなのは当然のことで、深く感謝している。

それでもなお、究極的には、父の犠牲がきっかけで横須賀の厳しい現実が変えることができつつある、と言っても間違いではないと僕は確信している。

31father1


そして、2025年に向けて、問題は山積みだ。さらにそれは2050年まで続いていく。

僕は、改善することができた課題を父に報告して、また取り組み中の政策やこれからやらねばならないことを父に聴いてもらって、山積みの問題と闘っていく力にさせてもらい続けるのだと思う。

拘縮しつつある父の姿は決してカッコいいものでは無いし、喉の奥にたんがからんでゼーゼーという音があちこちから聞こえる病室で過ごすのは気持ちが滅入る。

でも、こうして父に会うたびにたくさんのことを学ばせてもらってきた。そんな父の存在を僕は誇りに感じている。

大晦日の病室で、父に誓う。

「来年も僕は父さんの為にがんばるよ」

それは、父さんと同じ状況にある全国の本人と家族の為にがんばることだ。

だから僕は、これからもずっとがんばり続ける。