教育福祉常任委員会(2012年9月26日)保育課との質疑

「保育の質」について

教育福祉常任委員会(2012年9月26日)の決算審議における、保育課との質疑より抜粋しました。

『保育の質』を高めていくことについての質疑です。


フジノの質問

 
まず、「保育の質」についてということで伺いたいのですが、該当ページとしては、まず歳入の13〜14ページをお願いします。

『安心こども交付金事業費補助』として、『保育士研修事業』が87万8,000円の2分の1支給されています。

これは単に『保育センター』の運営費の2分の1を県が補助しているという意味ですか、それとも何かさらに研修事業に補助をしていただいているというものでしょうか。

保育課長の答弁

 
『保育センター』に対する横須賀市からの補助金の2分1をこの部分で賄っていただいているという部分です。

フジノの質問

 
そうすると、残りの2分の1を市が拠出して、『保育センター』が運営されているということかと思います。

研修について伺いたいのですが、例えば歳出の51ページをお願いします。

今申し上げた『保育センター』というのは、白峰学園横浜女子短期大学保育センターに委託をして、外部研修を行っていると。

その他に、本市が行っている保育の研修というのは、園長会ですとか、副園長会ですとか、またこども育成部による市による研修というのがあると思います。

そうした研修を本市では、保育士の方々がしっかりと受講できているのでしょうか。

保育士の方々も多忙化というか、人数の少ない中で保育をしておられるという話が昨今言われている中で、こういった研修をしっかりと受講できているのか、その点について伺いたいと思います。

保育課長の答弁

 
保育士の場合には、国の定めた配置の基準がございますので、職員一人一人が休む、もしくは研修に出かけるということになりますと、その部分の補充をしなければならないということでございまして、我々事務職が研修を受けに行くのとは若干違う状況はございますけれども、

『保育の質』という点では、年々いろいろな研究も進んでおりますし、保育のあり方、また保護者のあり方、お子さんのあり方も変わっておりますので、極力臨時の職員を補って、保育に欠員が生じることのないように、保育士さんに研修には出ていただくように努力はしております。

フジノの質問

キャリアに応じて、あるいはその時々の社会状況に応じて受けねばならない研修というのは多くあると思うのです。

各保育園ごと、あるいは各保育士ごとの『受講状況』というのは、こども育成部では把握しているのでしょうか。

保育課長の答弁

どのような研修をいつどこで受講したかということにつきましては、課内で把握をしております。

フジノの質問

 
51ページでは『保育センター研修旅費』として交通費が出されているのですが、その把握している研修のうち、『保育センター』へ行く保育士の方々の交通費は全てここから出されているということでよろしいのでしょうか。

保育課長の答弁

 
そのとおりでございます。

フジノの質問

十分に受講できているのかという意味では、先ほど「極力行くようにさせている」というお話でした。

それは人員的な問題もあるとは思うのですが、「極力行かせている」というのは、必要な研修を受けることができているという状況なのか。

それとも本当はもう少し受けさせてあげたいけれども、希望に沿えてないというところもあるのか、その辺の分析というのはいかがですか。

保育課長の答弁

 
希望といたしましては、かなり保育士の方から受講の要望、要請があって、にもかかわらず、年齢でありますとか、キャリアに応じて選考させていただくというところがございます。

私自身としましても、希望される方皆さんが受講できればというふうには考えておりますけれども、その中でやはり質量的に制限をせざるを得ない状況があるということは、認識しております。

フジノの質問

全ての研修を希望者全員が必ず受講できるわけではない。厳しい人数の状況などもありまして、なかなか保育の質を維持することが求められながらも、保育士の方々も動けないという状況があると思います。

そんな中で、もう少し伺いたいのですが、保育士の対応や保育園のあり方などの『保育の質』について、保護者が意見や苦情を出したい場合に、苦情受付はどのように行うことができるかということは、保護者の方にどのように周知しておられるのでしょうか。

保育課長の答弁

 
公立も民間も同じような形になろうかと思いますけれども、御意見箱というような形で設けまして、運営に対する御意見をいただければということで、御案内をさせていただいておりますけれども、

その形につきましては、園のそれぞれの工夫という形になっておりますので、非常に大きな目立つところにある園もあれば、片隅に義理というか、義務のような形で置いてあるようなところもございます。

その辺につきましては、園の運営ということで、保護者の方々のいろいろな御意見というのをいろいろと吸収しながら、保育の質の改善ということを図っていくのが民間の保育園、公立の保育園問わず必要なことだと思いますので、きちんとした御意見を吸い上げる仕組みをとっていきたいと思っておりますので、

公立保育園につきましては、公立の園長限りで終わるということではなくて、最終的には市長というところまで、そうした御意見をいただけるような仕組みで処理をさせていただいて、保育の質の改善ということに常に取り組んでいきたいというふうに考えております。

フジノの質問

 
関連して伺いたいのですが、子ども家庭福祉ではなくて、例えば障がい福祉ですとか高齢者福祉では、そもそも権利擁護のため、苦情解決のために、第三者機関の連絡先などが玄関の入り口に顔写真入りで、電話番号も大きく張り出されていることが多くあるのです。

そうしたわかりやすい掲示というのをしっかりとすべての保育園が行うべきだと思うのです。

しかし、今の課長のお話ですと「園の主体性に任せている」と。意見箱の設置をしているところもあれば、小さくわかりづらいところもある。

これは保育課として統一的にしっかりと保護者の方に見えるように指導を行うべきではないのでしょうか。

保育課長の答弁

 
毎年夏の時期ですけれども、指導監査をすべての園に行うわけでございますけれども、その折をとらえまして、現状を確認した上で、見にくい、わかりにくい部分につきましては、改善をするようにということで指導していきたいというふうに考えております。

フジノの質問

これはぜひ早急に行っていただきたいと思います。

それから、今回平成23年度の決算ということで、平成23年4月から平成24年3月末までの予算執行についての決算です。

そこで、伺いたいのですが、平成23年度に入る前に、厚生労働省から『福祉サービスの第三者評価基準ガイドライン保育所版』の改正通知が出されています。

それは「さらなる保育の質の向上のためには、自己評価をそれぞれの保育園が行って、その上で第三者評価の受診につなげていくことが有効だ」とされています。

この決算期間中に、各保育園で、自己評価を行なった。あるいは第三者評価の受診まで行なった、という保育園はあるのでしょうか。

保育課長の答弁

 
まず、決算という中で申し上げますと、公立保育園では行っておりません。

民間の保育園につきましても、行っているという、実施したという園もあるということは聞いておりますけれども、この平成23年度の予算の期間内だったのか、それ以前であったのかということについては、申しわけございません。明確には把握しておりません。

フジノの質問

神奈川県横須賀市の場合、外部の第三者評価機関で第三者評価を受診しているのは、2園にとどまっていて、それは2園とも民間なのですね。

『保育の質』を担保するには、まず研修をきちんと受けられること。そしてそれに加えて『自己評価』が何よりも大事です。

『保育の質』については、保育園の中で自己評価をしていくこと、そして最後に自己評価と外部の評価が比較するとどうなのかということをそれぞれが把握するということです。

ガイドラインが出ておりますので、日常業務が忙しくて研修も行かれない中で、自己評価に時間をさらにとられないような方法というのも、厚生労働省は出しています。

予算や決算には出てこない部分なのですけれども、お互いに保育の質を高め合っていく、自ら高め合っていく、そして外部の目も入る。

それは行政監査とは別のサービスの質を高めていくためのものです。

今年度は公立1園も行っていませんが、せめて自己評価というのは、今後行っていかれるように、ぜひ検討していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

保育課長の答弁

 
先ほど委員のお話の中にもありましたけれども、保育士研修会ということで、公立の保育園、民間委託している部分を除いて10園でございますけれども、

そちらから保育士が毎月集まりまして、保護者の方々から選ばれる公立保育園になるためには、どうしたらいいのだろうかというような研究会を実施しております。

また、新しい国の制度への円滑な対応についても勉強しているというようなところがございまして、その中でも、第三者評価というような話題というのは出ておりますので、引き続きそちらを充実させながら、質の向上ということに努めていきたいと、このように考えております。

フジノの質問

続いて、28ページをお願いします。

『保育所等運営費補助』の中の保育所地域活動事業費528万円について伺います。

保育所の求められる役割が変化してきている中で、新たな保育園の役割として、地域支援があると思います。

この地域活動事業費補助は、そうした地域支援に生かされているのでしょうか。

保育課長の答弁

 
そちらの528万8,104円でございますけれども、地域支援ということで、障がい児の方々、世代間交流、異年齢交流、小学校低学年のお子さんとの交流などなど、地域と一体となって、福祉の向上を図っていこうということで、活動している施設に対して補助を出しているものでございます。

フジノの質問

 
この活動ですが、現在までのところ、公立ではどれくらい、民間ではどれくらいこの補助が出ているのでしょうか。

保育課長の答弁

公立保育園につきましては、こうした活動をすることということ自体がもともと使命であるという部分がございますので、補助金というような形ではお出しはしてございませんけれども、民間の保育園につきましては、11園に対しましておおむね8事業の実施に対して補助を出しているといったところでございます。

フジノの質問

課長におっしゃっていただいたように、民間は11園行っていて、そして公立についてはそれがもともとビルトインされた使命であるということで、特に補助は出ていないということでした。

ただ、先ほどからの主張の繰り返しになってしまうのですが、公立も決して人数に余裕があるわけではない。

使命としてはそのとおりだと思うのですが、それに対して民間にはこういった補助が出て、もしかしたらこの補助を使って、非常勤の方を雇用されたりと人手に余裕を持たせたりもしているのかなとか、いろいろな想像ができます。

官民ともに求められている役割は同じで、地域支援が必要なのに、補助で官民較差を逆につける必要があるのか、正直疑問で、これは公立にも出してあげるべきではないかというふう思うのですが、いかがでしょうか。

保育課長の答弁

民間と公立の格差という部分でございますけれども、そうした事務の職員の方々をこのお金で雇い上げて、こういう事業を実施しているのではないかというところでございますが、

こちらにつきましては、公立の場合には保育課のほうに、こうした事務をバックアップする職員が存在しておりまして、それなりの人件費ということで支給がされております。

ただ、民間につきましては、園長をトップとして、事務職を置いている園はほとんどないというような状況がございます。

そうした中では官民の格差に不均衡があるというところにつきましては、我々保育課の事務職が数名配置されているということで、均衡がとれているというふうに考えております。

フジノの質問

 
わかりました。

逆なのですね。僕はその補助が公立に出ないことが公立は厳しいのではないかと思ったのですけれども、民間には事務職もいない中で、そちらをサポートするための補助ということなのですね。

いずれにしても、子どもたちの保育だけではなくて、地域に打って出なければならないという新しい保育の求められている役割がふえている中で、そうした取り組みにもできるだけの予算の措置というのは、官民問わずぜひしていただきたいなというふうに思っています。

続いて、53ページ、お願いします。
家庭保育福祉員について、数点伺います。

平成23年度末現在の家庭保育福祉員数は13人ですが、この平均年齢というのはわかりますか。

保育課長の答弁

正確なところは把握しておりませんけれども、50代半ば程度になろうかと思います。

フジノの質問

 
それから、今後の人数的な目標、家庭保育福祉員になっていただく方の人数的な目標というのは、こども育成部は持っているのでしょうか。

保育課長の答弁

今度、新たに国の制度が始まりまして、その中で事業量調査ということで、こうした家庭保育福祉員への需要というのがどれくらいあるのかということを把握した後に、正確に目標値なりを設定するのであれば、設定していければということでございまして、

現状では増員という形の目標の数値というところは、持ってございません。

フジノの質問

 
現行この家庭保育福祉員の募集というのは、どのように行っているのでしょうか。

保育課長の答弁

直接お問い合わせ等あった場合には、御説明をさせていただくという形で、お話をさせていただくような形でございますけれども、募集ということで、積極的にこちらから御案内するということは、しておりません。

それと、先ほど私は答弁の中で、今現在の目標値ということでありましたけれども、次世代育成プランの中で、平成26年度までに家庭保育福祉員数を20人という目的を掲げてはいるところでございます。

すみません。先ほどのところを訂正させていただいて、20人の目標ということで御理解いただきたいと思います。

フジノの質問

次世代育成プランの中での目標が20人ということで、これが今後新しい子ども子育てへと国の仕組みも変わっていく中で、まず需要調査を行っていくということなのですが、

現在の家庭保育福祉員の方々の構成を見ると50代半ばということで、一度保育士になられた方々が何らかの理由で退職をされて、例えば出産、育児かなと思うのですが、その後家庭保育福祉員として復帰してくださっているのだと思うのです。

そういった層をターゲットに、より人数がふえていくように、年齢層を意識しながら、積極的な募集をかけていっていただきたいというふうに思っています。

需要調査もあるということですけれども、今後の募集のあり方などについて、検討はぜひ行っていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

保育課長の答弁

 
これまで、家庭保育福祉員ということで、待機児童の解消のための一つの策ということが大きく言われていたわけでございますけれども、これは保育の一つの形として、保育のあり方のニーズ、選択の枠を広げるということを含めて、新しい仕組みの中で検討してまいりたいと考えております。

フジノの質問

このページの中には、出ていないかなと思うのですが、家庭保育福祉員の方々の研修への参加状況というのは、現行ではどのようなものなのでしょうか、旅費等は支給されているのでしょうか。

保育課長の答弁

旅費等については、支給はされておりません。

自前でお越しいただいてということで、実際に研修を実施しているのが役所の会議室等を利用して、実施をしているということでございます。

フジノの質問

 
これは先ほどの白峰学園横浜女子短期大学保育センターでの外部研修というのも行われていると思うのですね。

家庭保育福祉員の方のプログラムについては、今回は確認できていないのですが、そういった地域支援の研修ですとか、実技研修とかというのは、ぜひまた家庭保育福祉員の方にも受けていただきたいと思うのですが、

そういった機会に参加しやすいように、もし必要があれば、旅費等の支給も検討していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

保育課長の答弁

 
これも先ほどの国の仕組みとあわせてということでございますけれども、一体の中で検討させていただければと考えております。

フジノの質問

『保育の質』についての質問は、以上です。