2012年予算議会・個人質問

藤野英明です。

よろしくお願いします。

1.これまでの取り組みの成果と課題の分析を踏まえた『新たな自殺対策』の必要性について

自殺対策基本法の施行から6年間が経過して、ようやく全国的に取り組みが普及してきました。

東日本大震災が無ければ昨年は自殺の犠牲者は3万人を下回ったはずというのが、関係者の共通認識になっています。

わが国の自殺対策は新たな段階に進もうとしています。

本市でもここ3年間は100人台を下回る成果を得ています。

ここからさらに犠牲者を減らしていく為に、本市も『新たな自殺対策』に取り組む必要があります。

そこで3つの提案をします。

(1)自殺対策の目標値に「自殺未遂者の減少」を新たに加えるべきではないか。

2月に発表された『自殺総合対策大綱の見直しに向けての提言・第2次案』において

自殺未遂者数などを指標として導入することが新たに提案されました。

もともといち市町村の犠牲者数の規模は小さい為、「既遂」のみを指標にすると対策の効果が判断しづらくなっていきます。

そこで「既遂」の10倍の「規模」の存在がある「未遂」を指標とすることで対策の効果を評価可能にする仕組みを取ろうという提案です。

本市でも新健康増進計画『よこすか元気アップ21』において「自殺による死亡者数を減らすこと」を目標値としています。

そこで市長にうかがいます。

【質問】
『よこすか元気アップ21』の改定に合わせて、新たに「自殺未遂者数の減少」を指標として加えるべきではないでしょうか。

お答えください。

(2)自殺対策連絡協議会の在り方を見直すべきではないか

関係機関の連携強化と対策の協議を目的とする自殺対策連絡協議会は、設立から丸5年が経過しましたが、より効果の高い対策を推進する為に在り方を見直すべきです。

ア.現在の運営方法を見直すべきではないか

第1に「開催回数を少なくとも四半期に1回へと増やすべき」です。

5年前には1年経たなければ得られなかったデータが今では毎月入手できるようになりました。

季節ごとの変動を分析して次の四半期に向けてきめ細かな対策に反映するのです。

第2に「既遂・未遂事例検討」を導入すべきです。

以前、事例検討を試行して頂きましたがメンバーそれぞれが自分の社会資源を活かせば自殺へと至らずに済んだのではないか、と熱心に取り組まれていました。

第3に「メンバーそれぞれの持ち場の取り組みをお互いに訪れて視察すべき」です。

実際には精神科に足を踏み入れたことの無いメンバーが街頭キャンペーンの時に「苦しい時は相談を」と訴えても、現実味が沸きません。

メンバー相互の取り組みをお互いに視察するのです。

多重債務特別相談会を担当する弁護士、生活保護のケースワーカー、自殺未遂の方を搬送する救急隊員、独り暮らし高齢者と向き合う民生委員にお話をうかがうなど、ぜひ行うべきです。

そこで市長にうかがいます。

【質問】
協議会のさらなる活性化の為に運営方法を見直すべきではないでしょうか。

お答え下さい。

イ.自殺対策連絡協議会に以下の新たなメンバーを加えるべきではないか。

①自死遺族。

「GKB47宣言」というキャッチコピー問題などは自死遺族の声を聴こうとしない為に起こったものです。

善意であるはずの自殺対策が持つ副作用について自死遺族の声に耳を傾けるべきです。

②マスメディアなど報道関係者。

県の『かながわ自殺対策会議』には報道関係者がメンバーに入っています。

報道の仕方しだいで自殺が増えてしまうこともある中、実態を知ってもらうべきです。

③現場の教職員・養護教諭。

日常的に思春期のこどもたちの自傷行為に直面している教職員・養護教諭の方々の存在は、新たな指標として自殺未遂を設定する上で不可欠です。

④地域包括支援センターなど地域の高齢福祉関係者。

本市の自殺に占める高齢者の割合が増えている中で、地域で活動する高齢福祉関係者の協力が不可欠です。

⑤僧侶など宗教関係者。

宗派を超えた『自殺対策に取り組む僧侶の会』の活動が知られていますが、本市の僧侶の方もこの会で活動しておられます。

日常的に生死と向き合っておられる僧侶など宗教関係者は対策に貢献していただける存在です。

⑥司法書士会・弁護士会。

どちらの組織も全国的に自殺対策に熱心に取り組んでおり、身近な事例にもたくさん出会っている為、不可欠です。

他にも自殺未遂から立ち直ったサバイバーの方など現場の方々の存在が新しい協議会には必要です。

そこで市長にうかがいます。

【質問】
自殺対策連絡協議会に新たなメンバーを加えるべきではないでしょうか。

お答え下さい。

(3)従来の対策の継続と共に、高齢者層をターゲットとした取り組みをより強めていくべきではないか

ここ数年間の傾向として、60代以上の犠牲者の割合が増えつつあります。

その理由は、これまでの本市が行なってきた対策が若年層と中年層の犠牲者を減らすことに効果があった為、結果的に高齢者の割合が増えてきているのだと僕は考えています。

本市の高齢化率は今後さらに高くなっていく一方で独り暮らし、老老介護、慢性的な疾患や精神障がい、生活困窮などの多重困難を抱えるハイリスクな高齢者が増えていきます。

本市では、毎年3,000人の高齢者に「うつスクリーニング」を行ない、支援の必要がある方々を訪問するなどの取り組みを行っていますがさらに取り組みを強めていくべきです。

そこで、市長にうかがいます。

【質問】
これまでの対策はしっかりと継続しながらも高齢者層をターゲットとした自殺対策の取り組みをより強化して進めていくべきではないでしょうか。

お答えください。

2.本市が進める「医療と福祉の連携強化」と新たな「福祉計画」を神奈川県の新たな「医療計画」と積極的に連動させていく必要性について

すでに高齢化率25%を超える本市は、地域包括ケアシステムを実現することが最重要課題ですが、その実現には『医療と福祉の連携強化』が不可欠です。

本市では『地域療養連携会議』を立ち上げて、在宅療養支援関係者の「顔の見える関係」作りや介護関係者を対象にした「医療に関する研修」などを進めています。

また、4月から法改正により介護職員らがたん吸引などの医療的ケアを実施できるようになりますが、本市は積極的な支援を打ち出しています。

こうした取り組みを僕は高く評価していますが、さらにもう1つ、取り組むべきことがあります。

それは県が今年策定する『医療計画』に本市の取り組みを積極的に連動させていくことです。

新たな『医療計画』ではこれまでの「4疾病5事業」に「精神疾患」が加えられて「5疾病5事業」になり、特にうつ病と認知症に重点が置かれる方針となりました。

また「在宅医療」の充実強化も打ち出されるなど「医療と福祉の連携強化」がさらに必要になります。

これを実効性のあるものにするには医療・福祉の現場を持つ市町村との緊密な連携が不可欠です。

そこで、2つの提案をします。

(1)神奈川県が策定している「医療のグランドデザイン」に本市をはじめとする県内各市町の意見を反映させるべきではないか

黒岩県知事によって、神奈川県は全国初の『医療のグランドデザイン』を策定する為にプロジェクトチームを立ち上げて、2月24日に最終報告書案をまとめました。

これは単なる理念ではなく、できることからすぐに予算化をすることと新たな『医療計画』に反映することを前提に作られ、事実上の『医療計画・原案』の策定作業と言えるものでした。

しかし、メンバーに市町村関係者はおらず、県内市町が意見を述べる場は全くありませんでした。

市町村は毎日、厳しい福祉の現場と向き合っています。

最終報告書案にはこうした現場の声が足りないと僕は感じました。

『グランドデザイン』は『医療計画』のさらに上位の位置付けですから、ここには絶対に市町の意見が反映されなければならないはずです。

そこで市長にうかがいます。

【質問】
県の『医療のグランドデザイン』を実効性あるものとする為に、本市をはじめとする県内各市町の意見を反映させるように県知事に提案すべきではないでしょうか。

お答えください。

(2)県の新たな『医療計画』を本市の進める「医療と福祉の連携強化」と新たな「福祉計画」に連動させる為に本市から積極的なアクションをとるべきではないか。

続いて、『医療計画』そのものについても積極的に関わるべきだと提案します。

過去の『医療計画』を策定したプロセスを見ても、また策定後の進行管理を見ても、市町村は積極的に加わることはできていません。

『地区計画』を策定する際には『三浦半島地区保健医療福祉推進会議』が開かれて、本市からも健康部長・保健所長が
数回の会議に出席することにはなりますが、もっと実務者レベルの職員が継続的に参加する場こそ必要です。

本市の施策や複数の福祉計画の数値目標に連動して県の『医療計画』本体の施策や達成すべき数値目標に記されるように
より積極的に関わるべきです。

また策定後の進行管理にも継続して関わることで、『医療計画』の実効性が高まるように促すことも必要です。

そこで、市長に伺います。

【質問】
県の新たな『医療計画』を本市の進める「医療と福祉の連携強化」の取り組みと、高齢者保健福祉計画(第5期介護保険事業計画)あるいは第3期障害福祉計画などの「福祉計画」の数値目標などにしっかりと連動させるように、本市は積極的にアクションを起こしていくべきではないでしょうか。

お答えください。

3.全国に「横須賀方式」として知られるようになった学校給食の放射線量測定の今後について

学校給食の安心安全を高める上で、東京大学の早野龍吾教授が提唱した「実際に提供された食材への測定方式」を本市は全国で初めて導入しました。

これは「横須賀方式」として全国に知られるようになり、他都市の取り組みにも大きな影響を与えています。

こどもたちの健康を守りたいと願う全国の方々から本市が今後どのように取り組んでいくのか注目されています。

そこで2点、うかがいます。

(1)来年度も測定を継続実施していくことを明言すべきではないか

今年度の学校給食の放射線量測定は『予備費』から50万円を流用することで対応しました。

来年度については予算書を見てもどこにも事業は載っておらず、新たな費目を設けて計上するなどの対応は
特になされていませんでした。

しかし全国をリードする立場の本市がやめるとは考えにくく、再び『予備費』からの流用で対応を継続するのだろう、と推測しています。

ただ、プレスリリースなどもされていないので「来年度はどうするんですか?」と他都市から問い合わせを僕は受けています。

そこで教育長にうかがいます。

【質問】
本市の取り組みが実質的に他都市の動きを牽引している立場である以上、来年度も本市は「横須賀方式」の測定を継続実施していくことを明言すべきではないでしょうか。

お答え下さい。

(2)学校給食の放射線量測定などに国が積極的に取り組むように他都市と連携して働きかけていくべきではないか。

本来であれば、全国一律に「横須賀方式」を実施できるように国が取り組まなければなりません。

昨年12月、森ゆうこ文部科学副大臣が本市へ視察に訪れました。

測定の現場を実際に見て市長・教育長と意見交換をしたのですが、本市の取り組みを高く評価して、

「国としてもできるだけ早く学校給食の丸ごと検査を実施したい。3学期をスタートに支援できる部分を詰める。横須賀市の取り組みはスタートに向けて参考になった」

と述べました。

この言葉がさっそく実現するものとして2011年度3次補正予算に文部科学省が盛り込んだ測定機器設置への補助制度に期待していたのですが、残念ながらうまく進んでいません。

17の都県が補助対象になっていますが、市町村で実際に活用を始めたという報告は3月1日現在まだ1ヵ所も無く、とてももどかしい想いです。

さらに僕がもどかしい想いを募らせているのは、副大臣の視察後に、文部科学省の事務方から本市へのヒアリングが1度も行われていないことです。

本来、副大臣に横須賀へ来ていただいたのは、本市が取り組んできた経験から得られた課題や要望を文部科学省がヒアリングして実施に向けた国の要綱の策定に反映してほしかったからです。

現場に1度来ただけのパフォーマンスになりつつある現状を副大臣はどうもご存知無いようで残念です。

これから測定の取り組みが全国に広がっていくにつれて必ず起こるであろう高い線量が検出された場合に「どの食材が汚染されているのか」を市町村が特定することは技術的にも立場的にも不可能です。

汚染された食材を特定して出荷停止などの対応を取ることは政府にしか実施できないことですからこうした「防御」の取り組みを政府がしっかり行なわねばなりません。

それにも関わらず、本市へのヒアリングも無いことからも明らかですが、政府が主体的に「防御」の取り組みに乗り出す姿勢が見受けられません。

もう1度、政府に働きかける必要を感じています。

そこで、市長と教育長ともにうかがいます。

【質問】
本市を始めとする現場の声を政府の取り組みに反映させる為に同様の取り組みを行なっている他都市と連携するなどあらゆるチャンネルを駆使して、積極的に政府へ働きかけていくべきではないでしょうか。

お答え下さい。

4.美術館の抜本的な改革の必要性について

財政が厳しい横須賀市は、あらゆる事業をカットしてきました。

例えば、来年度予算案においても、ご高齢の方々の交通手段として運行されてきた福祉バス「ルシア号」を3月末で廃止すると発表しました。

(2012年2月25日・神奈川新聞より)

予算はわずか3,000万円、外出するご高齢の方々の貴重な交通手段として愛され、1年間の利用者は3万5,000人にのぼりました。

その一方で、横須賀美術館は来年度予算案においても3億6,476万円の赤字を垂れ流します。

毎年3,000万円あれば運行できる福祉バスと毎年3億5,000万円の赤字を垂れ流す美術館。

市民のみなさまにとって、どちらが本当に大切なものでしょうか。

財政危機の横須賀だからこそ僕はムダなハコモノをカットして、医療と福祉の財源を生み出さねばならないのです。

だから美術館には、抜本的な改革が必要です。

横須賀市は昨年4月に『美術館運営方法検討委員会』を立ち上げ、8月には若手職員による『美術館事業発案ミーティング』を開き、10月からは『美術館運営改革プロジェクトチーム』を立ち上げました。

いずれも市役所の内部組織で会議は一般に公開されず、ただ結論だけが昨年12月議会で報告されました。

その結果うちだされたのが、

美術館の一部業務を来年4月から指定管理者制度に移行する

というものです。

その目的は「効率的な施設維持管理及びサービスの向上と経費削減」と報告されましたが

建物修繕、清掃、警備、保守管理、受付・展示監視、電気水道光熱水費その他事務などの『管理業務』だけを切り替えても

見込める経費削減は、美術館管理事業費2億円のうちわずか5%で1,000万円しか削減が見込めません。

毎年3億5,000万円の赤字が3億4,000万円の赤字になるだけです。

こんな赤字体質は、小手先の改革では改善できません。

僕が目指す美術館改革は、まずは公設民営化して、最終的には売却して完全に民間に移行することです。

そうした想いから2点、市長にうかがいます。

(1)「博物館類似施設」として市長部局へ移管することをとりやめると結論づけた議論の内容を説明すべきではないか

2010年6月議会での一般質問で僕は市長に対して、『博物館法に基づく施設』として教育委員会が所管している美術館を『博物館類似施設』として市長部局へ移管することを提案しました。

市長部局へ移すことでもっと大胆に柔軟な経営ができるからです。

市長はそれも含めて検討すると答弁しました。

しかし、それから1年半が経った昨年12月議会の教育福祉常任委員会でその後の経過を質問すると、先ほど述べた市役所内部の組織を立ち上げる前に「このことについても議論はしたが移管はしないとの結論に至った」と教育総務部長から答弁がなされました。

移管も含めて検討すると市長は明言したにも関わらず、方針転換された理由や議論の中身は、全く示されていません。

これでは市民の理解は得られません。

そこで市長にうかがいます。

【質問】
「博物館類似施設」として市長部局へ移管することをとりやめた具体的な理由は何故でしょうか。

ご説明ください。

(2)直営を残した管理業務のみの指定管理者導入ではなく、企画など全ての業務を民間による運営に移行すべきではないか

美術館の支出は大きく3つにわかれており、第1に職員給与で1億円、第2に運営事業費で1億円、第3に管理事業費で2億円です。

この3つ全てに切りこまなければ赤字体質は変えられないとの観点から僕は、昨年12月議会の教育福祉常任委員会の質疑において、

美術館運営課の学芸員・事務員15人を中心に横須賀市から独立していただいて非公務員型の新たな民間組織を設立して、展覧会の企画から管理運営まで全ての美術館業務を指定管理者制度へ完全に移行すべきではないか

と提案しました。

教育総務部長は、それによって運営の自由度が増すことを認めつつも、公務員を退職することへの抵抗が強く
新組織への移行には長い期間を要することがネックで実現できない、と答弁しました。

しかし、僕はそうは考えません。

本市ではすでに市民病院への指定管理者制度導入によって公務員であった医師・看護師・検査技師らに退職していただき
非公務員である地域医療振興協会に転職していただいています。

その市民病院の公設民営化は議論から実施までわずか3年間で実現させています。

さらに財政赤字を理由として振りかざして、市職員組合との合意も無いままに指定管理者導入の議案を提出した経緯さえあります。

市民のいのちを守る最たる場である病院の民営化にはどんなに反対があっても踏み切ったのが横須賀市です。

市民病院は民営化できて美術館を民営化できないはずがありません。

財政危機の本市が毎年3億5,000万円の赤字を出し続ける組織をあえて公務員型の組織として直営で延命させ続ける理由がありません。

そこで市長にうかがいます。

【質問】
美術館は、企画から運営までの全てを指定管理者制度へ移行すべきではないでしょうか。

お答え下さい。

以上で壇上からの質問を終わります。


市長の答弁

御質問ありがとうございました。

まず、自殺対策の目標値に自殺未遂者の減少を新たな指標として加えるべきではないかという御提案をいただきました。

自殺未遂者の減少を新たな指標に加えるという視点は、自殺対策を推進する上で大事な視点であると考えています。

一方、自殺未遂者数の正確な把握が難しいという問題がありますが、国でもその方法について検討されるようですので、動向には注視したいと考えています。

次に、自殺対策連絡協議会のあり方について御質問をいただきました。

自殺対策連絡協議会については、現在、年に2回、21機関をメンバーとして開催しています。

開催回数の増加、既遂・未遂事例の検討の導入、メンバー相互の取り組みの視察などについては、いただいた御提案を参考に検討し、実りある協議会にしてまいります。

次に、協議会に新たなメンバーを加えるべきではないかという御提案をいただきました。

現在の自殺対策連絡協議会は、相談機関等を中心としたメンバーで構成しています。

御提案いただきました方々をメンバーに加えることについては、どのような方々にかかわっていただくことが効果的な自殺対策につながるか検討していきたいと考えています。

次に、従来の自殺対策の継続とともに、ターゲットを高齢者層にシフトした取り組みをより強めていくべきではないかという御提案をいただきました。

御指摘のとおり、高齢者の自殺者の割合が増加していまして、高齢者に対する取り組みの必要性は感じています。

自殺対策連絡協議会においても、問題事項ととらえて意見交換がなされています。

原因の究明や分析に努め、関係機関と連携し、高齢者への対策強化に向け検討していきたいと考えています。

次に、県が策定している医療のグランドデザインに市町村の意見を反映させるよう提案すべきという御質問をいただきました。

医療のグランドデザインについては、昨年末に市町村を集めて中間取りまとめの説明会が開催されました。あわせて、市町村あてに意見照会がありましたので、本市としても必要な意見を申し述べたところです。

次に、医療と福祉の連携強化と新たな福祉計画を県の新たな医療計画に連動させるために本市から積極的なアクションをとるべきではないかという御指摘をいただきました。

県の保健医療計画は、県域、また医療圏といった広域での枠組みを示したものであり、市町村単位の施策をすべて盛り込み、緻密に連動させることを目的としたものではありません。

医療・福祉いずれの場合も、地域の実情に合った施策は、各市町村が県の計画を参考としながら検討していきます。県が新たな医療計画を策定する過程では、市町村の意見を求める機会がありますので、しっかりと意見を申し述べたいと思います。

次に、学校給食の放射線量測定の今後についてのうち、来年度の測定を継続実施していくべきではないかという質問については、教育長から答弁いたします。

次に、学校給食の放射線量測定に対する国の積極的な取り組みの推進を、他都市と連携して働きかけていくべきではないかという御提案をいただきました。

本市の将来を担う子どもたちの給食の安全・安心は大変重要なことであり、以前から申し上げているとおり、安全は国がしっかりと保障し、給食を提供している本市としては、より安心をお届けすることが責務であると認識しています。

国においては、今年の4月からの適用を目指し、食品中の放射性物質に関する新たな基準値を検討しているところです。

また、給食に関しましても、放射性物質検査の取り組みを進めようとしています。このような国の動向を注視することとあわせ、他都市とも情報を共有してまいります。

次に、美術館を博物館類似施設として市長部局へ移管することを取りやめることに結論づけた議論の内容について御質問をいただきました。

美術館のさらなる集客を促進するために、生涯学習部門を市長部局に移管して、全庁的な支援を行うことについて検討しました。

現段階では、教育委員会にあっても、全庁的な支援は可能であると判断したため、今回は市長部局への移管を見送りました。

次に、直営を残した管理業務のみの指定管理者制度導入ではなく、すべての業務を民間による運営に移行すべきではないかという御質問をいただきました。

指定管理者制度に移行するに当たって、昨年1月、美術館連絡協議会に加盟する全国の公立美術館126館の調査を行った結果、すべての業務を民間事業者が受託する例はありませんでした。

管理業務のみを民間事業者が受託しているところは6館ありまして、これらの事業者にヒアリングしたところ、全部委託をするために学芸員を雇用するリスクは負えないといった課題があることがわかりました。

したがいまして、現段階では、管理業務のみを指定管理者へ移行する中で、新たな企画提案を取り入れながら、美術館が変わったと実感していただけるよう、さらなる集客と収支の改善に努めてまいります。

教育長の答弁

私からは、学校給食の放射線量測定についての御質問にお答え申し上げます。

来年度も学校給食の放射線量測定を継続実施していくことを明言すべきではないかとの御質問をいただきました。

現在実施している学校給食の放射線量の測定は、平成23年度後期分について、3月まで継続して実施することとしておりますが、保護者の方々の御心配の声、継続を望む声があることを踏まえ、平成24年度の前期分の給食についても、国の動きなどを注視しながら、確実な実施に向け取り組んでまいります。

次に、学校給食の放射線量測定に対する国の積極的な取り組みの推進を、他都市と連携して働きかけていくべきではないかとの御提案をいただきました。

文部科学省では、本市が現在行っているような学校給食の提供食の放射線量測定である学校給食モニタリング事業の実施を検討しています。

本市では昨年、森ゆうこ文部科学副大臣に本市の取り組みを視察いただいたこともありますので、モニタリング事業の対象として、本市の取り組みをぜひ取り上げていただけるよう、国や県に働きかけてまいりたいと考えています。

私からは以上でございます。

フジノの質問

市長、教育長、御答弁ありがとうございます。

それでは、質問の順に再質問をしてまいりたいと思います。

まず、自殺対策の新たな目標の指標値として、自殺未遂者数の減少を導入してはどうかという点について、メリット・デメリットを勘案して検討していくという御答弁をいただきました。

後段のデメリットの部分としては、やはり完全な自殺未遂者数の把握がなかなか難しいというところについて懸念があるようでした。

ただ、僕なりにいろいろこの9年間考えてきて、消防局救急課が持っている救急搬送のデータのうち、自損行為による救急搬送が8割から9割方を占めている。

その中から、残念ながら死亡、既遂という数字を除けば、便宜的に本市の目標値として設定可能な自殺未遂者数の減少として適用できるのではないか、そういった点についてぜひ研究していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

市長の答弁

自殺未遂者数の正確な把握という意味では、国による研究も進んでいるということですが、その中でも自損行為による救急搬送もその一つとして挙げられていると聞いています。

そういう意味では、もう一つは、救急病院における搬送実績というものも選択肢としてあろうかと思いますが、国の動向を踏まえながら、市としても、自殺未遂者数の減少を数値目標としてとらえることができるよう研究を進めていきたいと思います。

フジノの質問

それから、自殺未遂者数の減少、あるいはその数の把握をぜひ取り入れていただきたいのは、確定した値ですと、直近の2011年ではなく、2010年の数字が確定値になりますが、20代の増加が非常に著しい。

これはぜひ健康部長に確認していただきたいのですが、既遂は高齢者の方が非常に多いのですが、未遂というのは若い人に起こる傾向があるのです。

今までは未遂で済んでいたのが、20代が非常にふえた。

この原因を探るためにも、未遂者数の把握というのは、ぜひしていただきたいと思うのです。そのような観点もぜひ持っていただきたいと思います。これについては御答弁は結構です。

そのまま質疑を続けさせていただきますが、自殺対策連絡協議会の新たなメンバーの配置について、どのような方を選任するのが効果が高いか検討するという御答弁をいただきました。

5年くらい前でしょうか、自殺対策連絡協議会を設立する時に、当時の蒲谷市長にも御遺族を入れていただきたいですとか、いろいろ提案したのですけれども、当時は提案したものの、具体的に浮かぶ最適な方というのが浮かびませんでした。

自死遺族の社会的立場が非常に厳しかったこともあり、とても顔を出して、委員として出席するなど、だれもできないという状況でした。

ただ、それからかなり大きく社会状況が変わりまして、新たな段階に自殺対策は来たと申し上げたとおりで、横須賀の御遺族の方が全国の団体でファシリテーターをやるまでに回復されたり、また報道関係でも、例えば地元紙である神奈川新聞は常に自殺対策について追い続けてくれる。

自殺対策元年と呼ばれた2006年には全紙が報道するような中で、どんどんブームとともに消え去っていた中でも、一生懸命報道してくれている方がいる。

また、教員の方々というのは、日常的に自傷行為と接していて、すごく問題意識を持ってくれている。

それぞれについて、この人は適任だなというのが、これは僕の推薦という意味ではなくて、自殺対策あるいは精神保健福祉にかかわっている人であったら、きっと浮かんでくるものだと思うのです。

ですから、ぜひそういった方々を保健所や自殺対策連絡協議会のメンバーにヒアリングなどをして、対象になれるような方がいるのかどうかも研究の過程で一度ぜひ御検討いただきたいと思うのです。その点についてはいかがでしょうか。

市長の答弁

今回御提案いただきました新たなメンバーについては、今までの自殺対策連絡協議会は、基本は相談を受ける機関の方々という形で、市の職員も含めて入っているわけですが、どういった方に入っていただくのが一番いいのか。特に内容についても御提案いただきました。

ケースの内容によっては、こういう方に来ていただくとか、そういった考え方もあるかもしれませんので、ぜひいろいろな方に御意見を聞いて、新たなメンバーを加えた実りある自殺対策連絡協議会にしていきたいと思っています。

フジノの質問

続きまして、犠牲者の中に占める高齢者層がふえてきた。

だからこそ、今までの対策は継続しつつも、ターゲットとしての高齢者をより強く推進していただきたいということを申し上げて、基本的には御同意いただけたと思います。

そこで、1点要望があるのですが、高齢者といっても、医療・福祉の要望でいうと、前期高齢者もいれば、後期高齢者もいらっしゃる。

また、非常にお元気な90代の方もいれば、非常に体調を崩しておられる60代の方もいる。お一人お一人違うわけです。そういったきめ細かな視点をぜひ持っていただきたい。

それから、統計をじっくり見ていると、残念ながら、横須賀では、大体1年置きに90代の自殺の犠牲が複数名起きているのです。

なぜ1年置きなのかというのは、僕は把握できていないのですが、ここ数日、懐かしいのですが、市長選挙のときのマニフェスト、あるいは選挙公報でしょうか、市長がおばあちゃん子でという話について、ほかの議員が触れる機会がありました。

僕はおじいちゃん子で、先日、祖父は94歳の誕生日を迎え、できれば2週間に1回、1カ月に1回会いに行きたいと思っているのですけれども、90代のおじいちゃんと同じ世代の人が、みずからをあやめなければならないという状況が本当に心苦しく、つらく、なぜなのだろうかとか、そういうことを一つずつ、自殺個票が保健所にはありますから、背景も知ることができますし、それから警察のデータも大分開示していただけるようになりましたから、高齢者対策にこれから取り組んでいくというときには、きめ細かく対策を研究していっていただきたいと思います。

この点についても再度御所見をお願いします。

市長の答弁

先ほど議員のおっしゃった3,000人という数字なのですが、実は3万人に、先日の代表質問の中でも答弁した基本チェックリストというものを前期高齢者の方々に3年置きに悉皆調査をしています。

その中で心のチェックということで、例えば毎日の生活に充実感がない、わけもなく疲れたような感じがするといったような、はい・いいえで簡単に答えられるようなチェックをしています。

そして、少し不安がある方々に対して、市として、介護予防の教室に出てきてくださいねという御連絡をしたり、それでも出てこられない方には、訪問して、どのような状態にあるのか、市としてできるだけ把握するように努めています。

そのような介護予防の取り組みの一環としても、自殺対策を考えることができるのではないかと思っています。

ただ、一方、90代については、正確な情報を承知していませんが、平成21年度は、80代の方の自殺者が男性で全体の2%、女性で全体の8%あったという情報を私もよく承知しています。どのようなことが原因でこうした悲劇が引き起こされてしまうのか、市としても原因分析に努めて、有効な対策があれば、積極的にとっていきたいと思っています。

フジノの質問

お許しいただければ、福祉部長に答弁を求めたいのですが、

今、市長から御指摘いただいた悉皆調査、確かに数字は僕が間違えておりまして、高齢者の方が10万人おられて、3万人ずつ3年間で今までは回していたと思うのですが、それがたしか来年度からは毎年になるとお聞きしたような気がするのですが、いかがですか。

福祉部長の答弁

二次介護予防対象者把握事業として、3万人の方に3歳刻みでチェックリストを送っておりますので、3年たてば、またもう一度回ってきますけれども、そういう形で行っております。

フジノの質問

失礼しました。

同じ調査の話かと思うのですが、その悉皆調査の中で、うつ尺度などがあって、必要があれば、電話をして、さらに不安が感じられれば、地域包括支援センターの方が訪問してくださるという事業かと思うのですが、同じ事業ですよね、失礼いたしました。

続いて、医療のグランドデザイン及び医療計画との連動について質問を移ります。

市長から御答弁いただいて驚きました。

医療のグランドデザインについて、いろいろ調べていたのですが、県側から中間取りまとめの説明会、意見照会があったということで、僕としては非常にうれしい驚きです。

そこで、伺いたいのですが、横須賀市としては、非常に量も多いのかもしれないのですが、どのような意見を県に対して述べたのか、お聞かせいただければと思います。

市長の答弁

グランドデザインの中で特に全般の論として意見を申し上げたのが、精神科医療についての記載がなかったことです。

新たな医療計画の中では、こうしたことが本来触れられるべきことであるにもかかわらず、その点について言及がなかったことは、全般的な意見として、まず申し上げました。

また、その他、横須賀・三浦の二次保健医療圏の中での医療体制の実態とそぐわないような表記、あるいは表現があったことについては、市としてそれぞれ的確に申し上げています。

また、そのほかにも、例えば地域連携クリティカルパスの導入であるとか、高齢者の認知症の医療連携パス、あるいは最終末期の治療のリビングウイル・カードの導入などについて、市としても検討を始めているところで、県の動きと市の動きが余りそごを来さないように、しっかりと情報提供していただきたいというお願いもあわせてしています。

フジノの質問

ありがとうございます。

県に対してお返しした意見というのは、おおむね賛成です。

まず、精神科医療、精神疾患が医療計画に目玉として今後入っていくのにもかかわらず、記述が欠如しているというのは僕も痛感していました。

また特に、最後に市長がおっしゃった県と重複している事業、県はまだスタートしていないものが多いのですが、横須賀市が既に始めているものは幾つもあります。

リビングウイル・カードにしても、マイカルテにしても黒岩神奈川県知事が発明したかのような感じで新聞とかには取り上げられるのですが、我々横須賀市が開催している在宅療養連携会議では、もっと進んだこともやっていますから、横須賀が進んでやっていることなどは、医療のグランドデザインの中に取り込んでくれよということを改めて言う機会もあると思います。

ぜひその場で言っていただきたいと思います。

今後のスケジュールを把握しておられると思うのですが、3月5日に知事に提出された後、県がグランドデザイン案をまとめ、医療審議会、パブリック・コメント、医療審議会、4月中に策定が終了するということなのですけれども、市の意見をお伝えする機会はまだあると思いますので、必要な意見があれば、ぜひ加えていただきたいと思います。

市長の答弁

パブリック・コメントの前後にも、必ず市町村への意見照会はあると聞いていますので、そういった機会を通じて、県に対しては意見を伝えていきたいと思います。

フジノの質問

ありがとうございます。

続いて、医療計画との連動について、市長の御答弁をいただいたのですが、医療計画の見直し作業というのは、国が医療計画をどういうふうに改定するかという基本方針をつくって、それから実際の各都道府県が医療審議会などで改定作業をやっていくのですが、去年から国の審議会にも毎回出席して、それから県のグランドデザインの14回のプロジェクトチームも可能な限り出席して、わかったことがあるのです。

それは確かに市長のおっしゃるように、県の医療計画に、県の介護保険事業支援計画、つまり横須賀市の介護保険事業計画の県バージョンですとか、市の持っている障害福祉計画の県バージョンと連携しなさいというのが方針には載っているのですけれども、これはほとんど意味がないということに気づいたのです。

例えば市の介護保険に対して、県が何をしてくれるかといったら、お金の配分しかないのです。

介護保険事業計画に対して、介護保険支援事業計画は補助金の配分のような、もっと広域な、何か大事なことをやっているのかと思ったら、決してそういうものでもない。

そのときに僕が感じたのは、むしろ二次医療圏の横須賀市、三浦市、鎌倉市、逗子市、葉山町のそれぞれが持っている福祉計画を積み上げて、県の数値にしてみたらいかがかということをとても感じたのです。

県の施策に横須賀市がやっている施策をむしろ逆に取り入れさせるというような、現場を持っているのは市町村ですから、今まで県が参集をかけた会議に出席して、何か意見を言うのではなくて、こちらのデータこそ使うべき、こちらの施策こそ取り込んではどうかという主体的なかかわりを市町村がやったほうが、よりよい医療計画になるのではないかと気がついたのです。

その点については、市長はどのようにお考えでしょうか。

市長の答弁

県が策定する医療計画のそもそもの目的は、医療の提供体制をどのくらいの規模にするかというのを見きわめるものだと思っています。

これは私見も少し入りますが、グランドデザインを別途まとめているのは、大もとにするためというのも一つあると思いますが、一方で、医療の分野に限らず、もう少し広がったところ、例えば西洋医療と東洋医療という文言が出てくるのは、グランドデザイン的なものでなければ、出しようがないものだと思っていまして、そういう意味で少し切り分けられているのだろうと思っています。

医療の提供体制を県がどう考えるかというときに、市町村としては、横須賀市は公立の病院を持っていますが、その公立病院の動きの範囲の中でしか、県との接点というのを、医療の提供体制という観点からなかなか考えにくいということもあって、医療計画の性格上、福祉という観点の連動を申し上げにくいというのが正直なところです。

フジノの質問

僕も当初はそういう考えでした。

ここから先はどのような学説も一切関係ない、僕自身が国や県に通う中で、自分で医療計画について読んでいく中で思ったのですが、医療計画は、かつては病床規制ですとか、あるいは4疾病5事業の集中的な取り組みを数値目標プラスPDCAサイクルで実現しましょうみたいなものだったのですが、

今回の改定においては、例えば認知症を取り上げたいのですが、認知症を医療だけで支えるということは絶対に不可能なのです。

今度、医療計画に出てくるのは、認知症の方が精神科病院に入院させられている、これを地域にお返ししましょう。認知症は精神疾患の病院に入院するべきものではないので、当たり前です。

そのときに、医療計画は、これくらい退院させましょうとか、とてもいい数値を出してくるのです。

でも、地域の受け皿は福祉です。

市町村がやっている特養であったり、期間は短いですけど、老健であったり、認知症対応型グループホームであったり、あるいは横須賀市がやっているような在宅療養連携型の地域での医療。そういったときに福祉的な施設数ですとか、こちらがデータを出していかなければ、向こうがこれだけ入院データがある、これを全部出したいと言っても、整合性が全然とれないときがあるのです。

というのも、話がさかのぼって恐縮なのですが、以前、精神科病院で長期入院している方の退院をする為に、保健所、障害福祉課が数値目標の中で一生懸命やらなければいけなかった。この数値目標はどうやって出したのですかと聞いたところ、県が出してきた。

県は事情をわかっておらず、単純に何年以上の人というので数値目標をつくって、市町村に押しつけてきた。

今回も同じようなことが考えられると思うのです。

認知症の人は退院しなさいという数値目標を医療計画の中でつくるけれども、受け皿である我々市町村にそれだけの施設があるかといったら、今回だって特養は、ショートステイを転換して、やっと100床用意できる。

福祉人材の確保もできるかどうかわからない。

こういう現状を医療計画に訴えていくことで、無理な数字の設定ですとか、実現不能な数値目標の設定を避けることができて、市町村が意見を出すことで、より実効性の高い計画ができるのではないかと僕は考えているのです。

それは今までの感覚の医療計画でいったら越権と言われるかもしれない。

でも、今回の新たな医療計画の改定では、医療と福祉の連携がとても重要視されていますから、市町村が意見を言っていったほうがいいのではないかと思うのです。その点についてぜひ再考していただければと思いますが、いかがでしょうか。

市長の答弁

医療の提供体制を考えるという観点から、計画を策定する主体は県ですから、県が聞く耳を持つかどうかという観点は一方であるかと思います。

ただ、市としては、今、議員がおっしゃられたような例えば認知症になられている方々の受け皿が市にはどれくらいあるかというデータについては、市として、高齢者福祉計画を積み上げていく中で、数字は当然持っていますので、そういったものをしっかり参考にしていただくように県にはお伝えしていきたいと思います。

フジノの質問

この話はまだまだしたいのですが、あとは部局に直接お邪魔して、あるいは委員会の場で発言させていただきたいと思います。

続いて、給食の測定について質疑を交わしたいと思います。

前期だけではありますが、必ず継続するということを教育長は明言していただいて、ありがとうございます。

ここから先なのですが、やはり文部科学副大臣がわざわざ横須賀に来ておきながら、しかもあのときには横須賀のことを大層ほめて、国がこれからやっていくことの参考になるという言葉を言いながら、その後、全然連絡をくれなかったり、横須賀市が大層大事な知見というのでしょうか、経験やいろいろな課題もわかっているのにもかかわらず、それが国に反映されない。国に反映されないということは、同じように困っている地域に本当は役に立てられるデータが共有できていないという非常にもったいない状況だと思うのです。

ですから、先ほどいろいろな形でというお話があったのですが、横須賀市が突出して何かをするというのは、横須賀市が先頭を切って既にやってしまっている以上、ある程度はリーダー的立場をとらざるを得ないと思うのです。横須賀方式をやり始めたほかのまちと情報交換を続けるのは、ぜひ続けていただく。それに加えて、国にこういうことも伝えてみないかというのを提言していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

教育長の答弁

今、議員がおっしゃいましたように、国は4月から学校給食のモニタリング事業を全国に広げようとしておりまして、各都道府県から2カ所を選考して、そこでやってみるということを、今、詳細はまだつかめていないのですけれども、情報としてわかっているところはそういう状況でございます。

我々も、今、議員がおっしゃっていただきましたように、国としての方向性をきちんと出していただくこと。

今、横須賀市でやっている学校給食の提供食のまるごと検査でございますけれども、どの程度の数値が出たら、これについてどう対処するのかとか、積み上げてきた数値の結果をどうとらえるのかとか、そのあたりは法に基づいた事業といいますか、法的根拠がないというところが大変苦しいところでございますので、

そういったところを担当課長を通して国には逐次話を上げておりますし、子どもたちの給食の安全を確保するという意味では、いろいろなことをやっていかなければいけないと考えておりますので、今、御提案いただきましたようなことも含めて、できる限りのことは対応してまいりたいと思っております。

フジノの質問

ありがとうございます。教育長がおっしゃるとおりだと思います。

市長、ぜひバックアップをお願いしたいと思います。

実際に検出された後、ここから先は我々の仕事ではないです。

どの食材がどうなのか、特定するとか、流通停止するのかとか、子どもたちが食べてしまって本当に大丈夫だったのだろうかという心配をクリアするのは、今度は国の仕事であるはずです。

市長からも対応していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

市長の答弁

実際にこれまでの検査の中で、ほとんど未検出だったのですが、検出された週もありました。

その際はすぐに教育委員会とミーティングを持って、こうしたことがあったということを県の教育委員会等にしっかり上げるように私からも指示をしました。

さらに、経費についても、国はこのようなモニタリング事業を用意していますから、それを使わせていただきたいという思いは、予算をつける側としては当然ありますので、そういった観点からも国に働きかけを行っていきたいと思います。

フジノの質問

最後に、美術館について伺います。

市長、市長部局への移管の理由が、残念ながら、僕はよく理解できませんでした。

現段階では教育委員会に残すということだったのですが、現段階でない時はどうなのかとか、移管することのどういうメリットとデメリットがあって、教育委員会に残すのはどういうメリットがあって、デメリットがあったかということを具体的にお聞きしたいと思うのですが、ぜひお願いします。

そして、こういう結論に至ったのだということを教えてください。

市長の答弁

まずは、移管するべきかどうかという観点からの議論ではなくて、美術館をどうするかという議論がそもそも議論のスタートであると思っています。

その中で、先ほど答弁申し上げたとおり、一部を指定管理者に出すという結論を出して、議員が御質問の中でおっしゃっていた大胆な経営改革、そのような趣旨だったと思いますが、そういったことを行うには、移管がどうしても必要かといったら、現段階ではそうではないだろうと考えました。

それが理由です。

フジノの質問

時間が短くなってしまったので、次に移りたいのですが、

先ほど市長は、完全に指定管理者へ移行すべきということに対して、これは多分、部局からもらったデータだと思うのですけど、美術館連絡協会(公立美術館126館加盟)への調査で、平成23年1月現在6館とおっしゃったのでしたか。

すみません、ここをもう一度おっしゃってください。

市長の答弁

管理業務のみを民間事業者が受託している美術館は6館のみということです。

フジノの質問

それについて僕が同じ教育委員会からいただいた資料で、指定管理者制度業務全体28館というデータもいただいているのです。

これは承知しておられますか。

市長の答弁

それは承知していますけれども、それは民間の事業者ではなくて、例えば市が出資するような財団法人であるとか、そういった団体であると承知しています。

フジノの質問

それではまずいのですか。

市長の答弁

今、市にその受け皿があるかと聞かれたら、その受け皿はありません。

フジノの質問

僕は、この数年間、ずっと美術館に対して批判はしてきましたが、美術館運営課をはじめとする学芸員の方々の優秀さについては、一度も批判をしたことはありません。

東日本大震災が起こった年も入館者が非常に多かった、非常に優秀だと思うのです。

こういった方々の能力をもってすれば、決して不可能ではないと僕は考えているのです。

受け皿というのは、組織的なことや資本金的なことかと思うのですが、そういった方々を受け入れる受け皿はある程度、市が用意しつつも、民間として新たに再スタートを切れる取り組みがまさに必要なのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

市長の答弁

恐らく受け皿となるような新たな組織をつくってという御質問かと思うのですが、

美術館の運営には、企画展示という観点からは、学芸員の能力というのは高いものを当然期待されています。

けれども、一方で、資金繰りをどうするかとか、あるいは業務委託等の手続をだれがやるかとか、そういった手続等も学芸員が持っているかといったら、決してそうではありません。

そういう意味では、時間的なものも含めて、新しい受け皿をつくることにコストをかけるよりも、一部業務委託に出して、美術館が本当に変わったなと思っていただけるような企画展示であるとか、あるいは集客の数についても、収支についても、市全体を挙げて改善していきたいと思っています。

フジノの質問

横須賀美術館は、入館料は800円ですから、仮に1万人お客様が増えたとしても800万円しか増収することができない。

3億円の赤字というのを大幅に埋めることはできない中で、抜本的な改革策をぜひこれからとっていただきたいと思います。

以上です。

ありがとうございました。