2017年召集議会・緊急質問

藤野英明です。よろしくお願いします。

緊急質問に立つ藤野英明


議員のみなさま、招集議会にもかかわらず、緊急質問の機会を頂いたことに深く感謝を申し上げます。

これまでも市長の危機管理の在り方、特に災害時の情報発信の在り方に疑問を抱いてきましたが(例えばこちらこちら)、今回、一連の北朝鮮によるミサイル問題に対して市民の『不安』を積極的に取り除こうとしない市長の対応に今まで以上に強く疑問を抱きました。

そこで、市長の姿勢を質すべく緊急質問を行ないます。

1.北朝鮮による弾道ミサイル発射の可能性が高まっている、その標的に本市がなっている、いつ発射されるかわからない、と市民を連日大きな『不安』に陥れている膨大なメディア報道に対して、本市が市民の『不安』を少しでも取り除く努力をすべき必要性について

みなさますでにご承知のこととは思いますが、これまでの経緯を、まず簡単にご説明いたします。

緊急質問に立つ藤野英明


2013年3月、横須賀は北朝鮮からミサイルの標的として名指しをされました。このまちの市議として、当時、市民を襲った『不安』の大きさは今も忘れられません。

その『不安』が消えないままに、今日に至るまで北朝鮮は核実験やミサイル発射を繰り返してきました。

今年3月6日には、弾道ミサイル4発を日本海に向けて発射しました。その際このミサイルは「在日米軍基地を攻撃する訓練だ」と北朝鮮の報道機関は述べました。

再び横須賀は、ミサイルの標的として実質的に名指しをされたのです。

横須賀市民だけでなく、多くの国民が『不安』を感じています。

内閣官房「国民保護ポータルサイト」

内閣官房「国民保護ポータルサイト」


弾道ミサイル攻撃を受けた際の避難方法などを紹介する国の内閣官房のホームページ『国民保護ポータルサイト』のアクセス数は、今年3月の1か月間で45万858件でした。

それが4月15日のアクセス数は45万8373件にのぼりました。わずか1日だけで3月1か月間のアクセス数を上回ってしまったのです。

北朝鮮が核実験を行なう日だ、あるいは日本へミサイルを発射する日だ、と各種メディアが「エックスデー」と呼んだ日がこの4月15日でした。国民の不安はまさにピークに達しました。

政府のこれまでの動きも簡単にご説明します。

外務省「海外安全ホームページ」

外務省「海外安全ホームページ」


4月11日、外務省は『海外安全ホームページ』において、韓国に滞在・生活する日本人向けに注意を促す『海外安全情報』を更新して、朝鮮半島情勢に関する情報に引き続き注意するよう呼びかけました。

「海外安全ホームページ」韓国・危険情報コーナー

「海外安全ホームページ」韓国・危険情報コーナー


5月10日現在においても「北朝鮮との関係において、朝鮮半島情勢は引き続き予断を許さない状況にある」ことから、最新スポット情報、安全対策基礎データ、在韓国日本国大使館のホームページや報道等から常に最新の情報を入手し、安全対策に心がけるよう呼びかけています。

また、北朝鮮情勢が極めて緊迫しているとの判断から、政府は4月21日、内閣官房と総務省消防庁の共催で、都道府県の担当者約70名を集めて説明会を開催しました。

北朝鮮のミサイルの着弾を想定した実際に近い場面を想定した避難訓練の実施も求めました。

発射の兆候を事前に把握するのは困難であるなどとして、早期に訓練を行なうよう、全ての都道府県に対して初めて要請しました。

消防庁国民保護・防災部防災課の国民保護室長と国民保護運用室長の連名による通知『弾道ミサイル落下時の行動について』

消防庁国民保護・防災部防災課の国民保護室長と国民保護運用室長の連名による通知『弾道ミサイル落下時の行動について』


また、消防庁国民保護・防災部防災課の国民保護室長と国民保護運用室長の連名で『弾道ミサイル落下時の行動について』という通知を都道府県の防災・国民保護担当部局長に対して出しました。

各自治体のホームページへの掲載や、広報紙等での幅広い周知を呼びかけ、県下の各市町村と消防本部にも、同様の対応を取るように求めました。

さらに国民に向けても『国民保護ポータルサイト』を通じて、弾道ミサイルが落下した場合に取るべき対処法を公表しました。

弾道ミサイル落下時の行動について(その1)

弾道ミサイル落下時の行動について(その1)


弾道ミサイル落下時の行動について(その2)

弾道ミサイル落下時の行動について(その2)


テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどのあらゆるメディアは、1か月以上ほぼ毎日、緊迫した国際情勢を報道し続けました。

北朝鮮からミサイルが日本海等に何度か発射されるたびに、「次こそ弾道ミサイルで日本の国土を攻撃する」「ミサイルには化学兵器が積まれるのではないか」など強く『不安』をもたらす内容ばかりでした。

こうした各種メディアの膨大な量の報道に対して、多くの市民が強い『不安』を感じながら日々を過ごしてきた訳です。

そして僕のもとにもたくさんの『不安』の声が届けられました。メール・電話が連日届き、また街頭に立っている時にも必ずこの問題について聞かれました。

横須賀市国民保護計画(平成28年3月改定)

横須賀市国民保護計画(平成28年3月改定)


そのたびに僕は『横須賀市国民保護計画』の存在をお伝えして、ふだんから関係機関と連携していざという時に対する備えを取っていること、また有事には『横須賀市国民保護対策本部』が立ち上がること、負傷者の救護や市民の避難の方法などが定められていることなどをお話ししました。

市民に全く知られていない「国民保護計画」

市民に全く知られていない「国民保護計画」


しかし市民の方々から返ってきた反応は厳しいもので

「そんな計画は知らなかった」

「ミサイルが落ちたら避難できる時間なんて無い」

「本部は市役所に設置するのだから、米軍基地のそばにある市役所にミサイルが落ちたらそんな本部はどうせ機能しない」

「ミサイルに燃料が入ったら米軍は事前に分かるんだろう。放射能汚染を避けて空母が出て行った震災の時みたいに米軍は市民を置き去りにして避難するんだろ」

といったものばかりでした。

保育園におこさんを預けている保護者の方は僕に

「保育園に避難訓練をさせてほしい」

「いざという時、安否確認はどうすればよいのか」

と切実な声でおっしゃいました。

学校の先生からは

「生徒や保護者から問い合わせを受けても答えようがなく困っている」

「校長からも教育委員会からも何も指示が出ていない。独断で答えることもできないし、そもそも自分もどうすべきか分からない」

と言われました。

僕は教育委員会に確認を取りましたが、市民安全部と連絡は取っているけれど、結論としては教育委員会として各学校に対してこの件に関する指示や通知などは一切行なっていない、避難訓練や保護者への対応は各学校の管理者や現場の教職員の判断に任せている、とのことでした。

こうして連日僕は、幼いおこさんがいる保護者の方々だけでなく日頃は政治に全く関心の無い何名もの友人たちをはじめ、幅広い年齢層の市民の方から、また保育園の保育士、幼稚園・小中学校の教職員、福祉施設で働く方々などから『不安』の声を頂きました。

しかし最も驚いたのは、横須賀市役所の複数の職員から受けた相談でした。

「市役所では市民からの問い合わせに対してどう答えるべきか何の通知もありませんし、指示もおりてきていません」

「私自身家族から、ミサイルが怖い、どこに避難すべきかと尋ねられるけれど、どうしたら良いか分かりません」

「藤野さん、どうして市長は私達に何も指示を出さないんでしょうか」

正規・非正規雇用を問わず、まさか市職員からこうした相談を受けるとはショックでした

そこで、市民安全部などにヒアリングをしましたが、市職員が毎日目にして情報や指示を受け取る市役所内のLANシステムにも、この件に関して「特に情報を載せていない」とのことでした。

また、「問い合わせがあれば市民安全部に電話を回してほしい」という回答でした。

それではその「電話を市民安全部に回せ」という指示を全職員に周知しているか、と尋ねると、何ら周知をしていませんでした。これでは市職員は動けません。

市民を守るのが行政ですが、その行政で働くみなさんでさえ市長が指示を出していないから、どうしたら良いか分からない。

市議である僕の目から見ても、一連のミサイル問題に対して本市が取った唯一のアクションは、4月24日に市民安全部危機管理課ホームページの一部を更新したことだけしか見えません。

弾道ミサイルが発射された場合の情報伝達について

弾道ミサイルが発射された場合の情報伝達について


国の通知で求められた広報紙による幅広い周知も行なっていません。

市長、これでは市民の『不安』を取り除くことは全くできません。
そこで伺います。

【質問1】
市民の強い『不安』を少しでも取り除く為に、今回、本市はこれまでホームページ更新以外に、どのような取り組みを行なってきたでしょうのか。

お答え下さい。


(→市長の答弁へ)


さて、ついおととい8日の衆議院予算委員会において安倍総理大臣は北朝鮮のミサイル問題に関して問われて

「さらなる挑発の可能性も十分考えられ、引き続き日米韓で緊密に連携しながら高度な厳戒態勢を維持していく」

と答弁しました。

「今後も高度な厳戒態勢を取っていく」と我が国のトップがはっきり述べている訳です。この不安定な国際情勢がいつまで続くかは分かりません。

その為、2013年3月と今回の4月エックスデー報道のように、情勢が悪化すれば報道が過熱し、そのたびに市民の『不安』は大きくなると予想できます。

東日本大震災以来、市民は正確な情報の提供を求めています。

これまでも僕は本市の災害時の情報発信の在り方を消極的であると批判してきましたが、同じく武力攻撃事態に関連する情報発信についても極めて消極的であり、このままではいけないと考えています。もっと積極的な情報発信を行なうべきです。

そこで伺います。

【質問2】
今後、市民の『不安』を少しでも取り除く為に、何らかの取り組みが必要だと僕は考えていますが、市長はどのような取り組みを行なっていくお考えでしょうか。

お答え下さい。


(→市長の答弁へ)

2.危機的な事態においても市民の「安全」を守る国・地方自治体の取り組みを記した「横須賀市国民保護計画」の存在と内容を市民にお知らせし、理解していただく必要性について

先ほども申し上げましたが、4月21日に国の内閣官房のホームページ『国民保護ポータルサイト』において『弾道ミサイル落下時の行動について』が掲載され、大きく報道されました。

このおかげで初めて、ミサイル攻撃を受けた時に市民がまずとるべき行動が多くの人々に知られることとなりました。

しかし、その内容は

「屋外にいる場合、近くのできるだけ頑丈な建物や地下街などに避難する」

「建物がない場合は、物陰に身を隠すか地面にふせ頭部を守る」

「屋内にいる場合、できるだけ窓から離れ、できれば窓のない部屋へ移動する」

という、たった3つの当たり前のことだけが記されたものでした。

緊急質問に立つ藤野英明
ほぼ同じ内容が記された2枚のペーパーを読んでも『不安』は拭えず、むしろ

「屋内退避の後にどうすべきかわからない」

「Jアラートが鳴ってもミサイルが落ちる方が早く避難は間に合わない」

「自衛隊や横須賀市は本当に私たちを助けてくれるのか」

などの疑問や『不安』や怒りの声を多くの市民の方から頂きました。

しかし、まさに、そうした事態に対応する為に策定した計画があります。『横須賀市国民保護計画』です。

「横須賀市国民保護計画」を示す藤野英明

「横須賀市国民保護計画」を示す藤野英明


武力攻撃を受けた場合や大規模テロが発生した場合に、国民の生命、身体及び財産を保護し、国民の生活や経済に与える影響を最小にする為の国・地方公共団体等の責務、住民の避難や救援などの具体的な措置について定めています。

けれども、この1か月間をとおして、改めて『横須賀市国民保護計画』の存在が全く市民に知られていないことが明らかになりました。

東日本大震災以降、災害に備える気持ちを多くの市民が抱いており、今回もただ「屋内に逃げ込め」という言葉では市民は全く安心することはできません。

そんな市民のみなさまの『安全』を守る為の取り組みが平素からなされていることを、適切かつわかりやすく市民に周知すべきことは、そもそも『横須賀市国民保護計画』の中でも本市の責務として定められていることです。

そこで伺います。

【質問3】
市民の関心が強く高まっている今こそ周知・啓発を適切に行なって、まず『横須賀市国民保護計画』の存在を知っていただき、その内容をわかりやすく説明することで対応策へのご理解をいただき、また市民の抱いている疑問の数々にお答えできるように、積極的な取り組みを行なうべきではないでしょうか。

お答え下さい。


(→市長の答弁へ)

3.いまだ終息したとは言えない一連の弾道ミサイル標的問題に対して、何故、市長が自らの言葉で市民に対して何らかのメッセージを発しないのか

先ほど申し上げた通り、安倍総理大臣は「今後も高度な厳戒態勢を取っていく」と述べており、一連の問題はいまだ終息したとは全く言えません。

安全保障、国防そのものは国の専権事項だとしても、その被害に遭う可能性が高まった本市に暮らす市民の安全・安心を守るのは横須賀市長の本来の責務です。

そこで伺います。

【質問4】
一連の弾道ミサイル標的問題に動揺し、『不安』を感じている市民に対して、市長自らが市民に語りかける必要があるとは思わないのでしょうか。

市民への何らかのメッセージを発するべきではないでしょうか。

お答え下さい。


(→市長の答弁へ)


緊急質問に立つ藤野英明


以上で1問目を終わります。



市長の答弁

ご質問ありがとうございました。


【答弁1】
まず北朝鮮のミサイル報道に関しまして、市民の不安を取り除く為のこれまでの取り組みについてご質問をいただきました。

本市は平成25年3月から4月にかけまして、北朝鮮労働党機関紙で「標的のひとつである」との名指しを受けた時から、万が一ミサイルが発射された際の周知方法、その際に取るべき行動などをホームページに記載しています。

今回、議員からもご指摘がありましたホームページの更新は、情報の見つけやすさの観点から、これまでの掲載記事の位置の変更を行なったものです。

これ以外には、電話やメールでいただくお問合せに対して担当職員がご説明をしご理解をいただいているところです。


【答弁2】
次に、不安を取り除く為の今後の取組みについて、ご質問をいただきました。

市民の皆さんの不安は、北朝鮮がミサイルを発射し本市にその影響が生じるのではないか、ということが根本にあると考えています。

私たちには残念ながら、この根本原因そのものを取り除くことはできません。

現在、政府や関係諸国により、かかる事態が発生しないよう外交努力が続けられているところです。

その為、市民の皆さんからの問い合わせには、このような外交努力が重要であることについても併せてご説明していきたいと考えています。


【答弁3】
次に、『横須賀市国民保護計画』の市民周知の必要性について、ご質問をいただきました。

実際にミサイルが発射された場合などでは、建物内に入り爆風や破片から身を守ることが基本で、それ以上のことは『国民保護計画』には記載をしていません。

また、国民保護制度そのものが法定受託事務となっていて、避難の指示なども国が発出することとなっています。

その為、本市の計画の周知を進めることで、議員ご指摘の市民の疑問の全てを解決することは難しいとは思いますが、私自身、『国民保護計画』の周知が足りているとは思っていません。

本市は平成19年度以降、毎年『国民保護訓練』を実施していますので、国民保護の仕組みと併せ、どのような訓練を行なってきたのか等についても、地域での防災訓練の場などを活用し、説明していきたいと思います。


【答弁4】
次に、私自らが市民にメッセージを発するべきとのご提案をいただきました。

これまでお答えしている通り、実際にミサイルが発射された場合、自治体や住民にできることは大変限られています。

そのような事態とならないように外交努力を重ねることが重要で、その後ろ盾のひとつが日米同盟であると考えていますので、必要に応じてこれらについて発信をしていきたいと思っています。

以上です。

(この後のフジノが力を入れた再質問と市長の答弁は後日掲載します)