2017年6月議会・一般質問

藤野英明です。よろしくお願いいたします。

市長への一般質問に立つ藤野英明

1万数千ベクレルの放射性セシウムが検出された養護学校の除染土の問題への対応をはじめとする諸課題について

はじめに、市民のみなさま、議会のみなさまに質問の趣旨をよりご理解いただきたく、これまでの6年間の経緯を簡単にご説明いたします。

2011年3月11日、東京電力福島第一原子力発電所で深刻な事故が起こりました。

あいつぐ水素爆発によって、放射性物質が関東一帯に降り注ぎました。

例外は無く、この横須賀にも、みなさんのお住まいにも、市立学校の校舎や校庭にも放射能がまき散らされました。

放射性物質は花粉よりも小さくチリのようで、目には見えず、臭いもありませんが、人体には大きな悪影響を与えます。

当時、横須賀においても、乳幼児やこどもたちを放射能による健康被害から守りたいと、多くの保護者や市民の方々から「給食」の食材を放射能に汚染されていない食材に切り替えてほしいとの声や、道路や公園、学校などの放射性物質を「除染」してほしいとの声があがりました。

そうした市民の多くの声と、議会で活発な提案がなされた結果、放射能の影響を大人よりも強く受けやすいこどもたちの為に、まず「学校給食」に対しては内部被曝を避ける為に給食を出す前の食材そのものの放射線量を測定し、さらに実際にこどもたちが食べた給食を再度測定するという事前・事後の二段構えの測定を2011年10月からスタートしました。

これは『横須賀方式』として全国に知られ、メディアにも多く取り上げられ、政府から、文部科学副大臣も横須賀に視察に訪れました。

一方『除染』についてですが、本市は2011年6~7月にかけて、全学校とこども関連施設で放射線量の測定を行ないました。

しかし、これは不十分だったことが後に分かります。

市内の学校では、毎年夏休みになると、学校用務員のみなさんが伸びた雑草を刈り、ドブや雨どいのごみを掃除して、校舎の脇や校庭に積み上げます。

原発事故以降、市民の有志の方々が独自に市内各地の放射線量の測定を続けてこられました。

ねぎしかずこ議員も市内を測定して回っていて下さっていたのですが、2011年10月24日、鶴久保小学校の敷地内から高い放射線量を検出しました。夏の側溝清掃土などが原因でした。

そして、ねぎし議員のおかげで、鶴久保小学校だけでなく、市内のほとんど全ての学校において、校舎の脇や校庭に放置したままの側溝の清掃等によって出た土が高濃度の放射能に汚染されていることが分かりました。

つまり、6~7月の測定は全く不十分だったのです。

そこで教育委員会は2011年11月1日から年末までに、市内全学校を再び測定し、除染を行ないました。

除染した土は学校の敷地内に埋めることにしました。

この埋めたてはあくまでも移設を前提にした仮置きであって、こどもたちが安心して学校で生活できるように除染土を学校敷地内から学校の外へ搬出したいという市民の声は強く、僕や複数の議員が移設を求めて、これまで何度も市長、教育長らに質疑を重ねてきました。

さらに、この除染土の放射能濃度はあくまでも8000ベクレル以下であり指定廃棄物ではない、との答弁を受けてきました。

しかし去る5月11日、これまで説明してきた事実とは異なり、養護学校に埋設していた除染土から1万数千ベクレルのセシウムが検出されたという重大かつ新しい事実が教育長名義で発表されました。

これまでと全く異なる新たな事実が判明したことに驚きましたが、調べていくと、この発表時期等もおかしいことが分かりました。

そこで僕は、この問題を集中的に調査する必要性を感じ、5月12日の教育福祉常任委員会協議会の場で急きょ委員会を開いて本件を調査させてほしいと提案したところ、会派を超えて全ての委員のみなさまのご賛同を頂きました。

5月15日、加藤まさみち教育福祉常任委員長が正式に招集通知を出して下さり、先週5月22日に、急きょ教育福祉常任委員会が開催されました。

そして、この問題に関する教育委員会事務局の事務執行の在り方に対して集中的に審議を行なったところ、たくさんの問題が明らかになるとともにさらに多くの疑問が浮かび上がりました。

大変駆け足でしたが、以上がこれまで6年間の経緯です。

市長への一般質問に立つ藤野英明

それでは質問に入ります。



(1)市立学校に埋設している除染土は8000ベクレル以下だと説明してきた事実が誤っていたにもかかわらず、1カ月以上も公表しなかった教育委員会事務局の在り方を、市長、教育委員会委員長及び上下水道局長は適切だったと考えているか

5月22日開催の教育福祉常任委員会(以下、教育福祉常任委員会と呼びます)における質疑で、いくつものことが明らかになりました。

教育長による発表は5月11日だったのですが、教育委員会事務局が除染土の測定を委託していた企業から結果を受け取ったのは、なんと4月4日。1か月も前でした。

しかも、『当事者』である養護学校への説明は3週間以上も経過した4月28日でした。あまりにも遅すぎます。

さらに驚いたことに、養護学校へ説明するよりも先に除染土の移設予定先である下町浄化センター近隣町内会へ4月20日から報告を始めていた事実も明らかになりました。

養護学校こそ、この問題の『当事者』であるにもかかわらず、この対応は、時期も順序も完全に間違っています。

あまりにも『当事者軽視』と言わざるを得ません。

さらに深刻なのは、データの受け取りから1カ月以上も経った5月11日まで、市民、市民代表である市議会、市政記者クラブに事実を公表しなかったことです。

その理由を質問すると、教育委員会事務局は、「以前に決めて報告した手順通りに行なったからだ」と答弁しました。

全く新しい重大な事実が起こったのに対応せずに、「決められた手順通りに実行したのに何が悪いのか」と言わんばかりの答弁が繰り返されました。

この教育委員会事務局の姿勢はハッキリ言って「硬直化した事務執行」だと言わざるを得ません。

まず、市長に伺います。

【質問1】
市長は、今回の教育委員会事務局の対応に対する僕の指摘をどう受け止めていますか、お答え下さい。


(→市長の答弁へ)


さて、市政記者クラブ等の報道関係者にお話を伺うと、1万ベクレルを超えるデータが分かったその日のうちにこのテーマだけで記者発表すべきだったと指摘されました。当然のご指摘です。

6年経った今も市民の不安が消えていない放射能の問題にもかかわらず、即座に発表しなかったことは市民の心情を全く理解しておらず、教育委員会事務局の教育者としての感受性の欠如は極めて深刻だと考えています。

『当事者』への情報提供が3週間以上後とあまりに遅いこと、かつ市民、市議会、市政記者クラブに対して、1カ月以上も報告しなかったことなど、『情報公開の遅さ』はあまりにも不適切です。

【質問2】
この指摘について、市長はどうお考えですか。お答え下さい。


(→市長の答弁へ)


続いて、教育委員会委員長にお聞きします。

【質問3】
教育長を除く教育委員会委員4名は、一連の経過を教育委員会事務局から逐一報告を受け、この情報公開のスケジュールや在り方に同意してきたのでしょうか。

お答え下さい。


(→教育委員会委員長の答弁へ)


教育福祉常任委員会で僕は多くの批判を行ないました。また、インターネット中継をご覧になった市民の方々はそこでの答弁に衝撃を受け、不安と怒りを強く持ちました。

例えば、教育長はこんな答弁をしました。

「測定の結果8000ベクレルを1校だけ超えたということをあえてそれだけを取り出して市民に広報をする必要があるというふうには教育委員会、私は判断をいたしませんでした」

全ての情報は市民のみなさまのものです。

教育委員会事務局のものではありません。

3.11以来ずっと福島をはじめ被災地の取材を続けているジャーナリストの方はこう言いました。

「43分の1校だったら高濃度の放射能が検出されても無視して良いと、教育長が独断で判断するとは、こどもの健康も、市民の知る権利も完全に無視している。もしも福島で行政官がこんな答弁をしたら、市民から罷免要求の署名がすぐに数千筆集まるレベルの許されない答弁だ」と。

当事者を軽視し、虚偽答弁だったことを隠ぺいするかのように1か月以上も情報を公表しない。さらに、6年前の児童・生徒や学校関係者の被曝の可能性も無視した答弁など、教育委員会事務局には市民からも強い批判が起こっています。

【質問4】
教育委員会委員の4名は、こうした多くの批判を聞いた今も、この情報公開のスケジュールや在り方は正しかったと考えているのでしょうか。

教育委員会委員長、お答え下さい。


(→教育委員会委員長の答弁へ)


続いて、上下水道局長にお聞きします。

教育福祉常任委員会での質疑で判明したのですが、4月4日に教育委員会事務局が企業から測定データを受け取った後、まず、上下水道局と対応を協議したとのことでした。

つまり、上下水道局も新たな重大な事実の存在を知っていた訳です。

【質問5】
上下水道局は対応を協議した際に「すぐ養護学校に報告すべきだ」「新たな事実としてすぐ市民のみなさまに情報公開すべきだ」と、教育委員会事務局に対して指摘しなかったのでしょうか。

上下水道局長、お答え下さい。


(→上下水道局長の答弁へ)


【質問6】
もし、そのように指摘していないとすれば、この情報公開のスケジュールや在り方が正しかったと今でも考えているのでしょうか。

上下水道局長、お答え下さい。


(→上下水道局長の答弁へ)

(2)教育長が5月11日に発表した資料「市立学校に埋設した除染土砂の放射能濃度の測定結果について」の記述内容について

教育福祉常任委員会の場でも、発表資料の記述内容の問題点を僕は指摘しましたが、インターネット中継をご覧になった市民の方々や他の議員から他の部分も記述がおかしいとのご指摘を受けました。

まず発表資料では、除染土が現在保管されている状況について「除染土砂を包んでいる防水シートに破損は無かったので、現在の状況では、安全性に問題はありません」と記していました。

この記述はあくまでも養護学校の土のうのみを指しているのですが、市民の方々から強い批判が出ています。

サンプル測定を行なった5校をはじめ43校の掘り起こしの多くの現場に立ち会ってこられた市民の方々がいます。

その方々によれば、土のうそのものを地面に引き上げずにサンプル採取を行なった学校もあり、防水シートの破損チェックなどしていないように見えた、とお聞きしています。

土のうの数は、例えば埋設された数が最も多い公郷小学校では1校だけで合計106袋にのぼります。本当に全てチェックしたのでしょうか。

そこで教育長に伺います。

【質問7】
43校に埋設した土のうの全てを地面に引き上げて、土のうの全面をしっかり確認したのですか。

全ての防水シートに破損は無い、との説明は事実に基づいているのですか。

そして、その事実を証明することはできますか。

お答え下さい。


(→教育長の答弁へ)


市長へ資料を示す藤野英明


発表資料には「今後の予定」として、下町浄化センター周辺の住民の方々の理解を求めていく旨の記述があります。

しかし、教育福祉常任委員会での質疑で判明したように地元町内会に対しては4月20日から28日および4月28日から5月1日にすでに測定結果を報告し終えているのです。

また、その期間に教育委員会事務局から実際に説明を受けた地元町内会の方から僕はじかにお話を伺ったのですが、すでに「移設を了解した」との言葉も頂いています。

つまり発表資料で「今後の予定」と記した内容の3分の2はすでに発表した5月11日には終わっていた内容です。

終わっていることを何故これからやることとして書いたのか。それは市民や議会や市政記者クラブに対して事実を1カ月も公表せずにきたことを隠す為ではないのか。

教育福祉常任委員会での質疑を終えた後、同僚議員からそのように僕は指摘を受けました。僕も同感です。

そこで教育長に伺います。

【質問8】
発表資料には5月11日以前の経緯をデータの受理、町内会への説明、養護学校への説明などを包み隠さず全て正直に記すべきだったのではないでしょうか。

また、『今後の予定』としては「移設に必要な手続きや移設方法等の準備を進めていく予定です」と正確に記すべきだったのではないでしょうか。

お答え下さい。


(→教育長の答弁へ)

(3)過去数年間、養護学校の児童・生徒が内部被曝をしないように学校側は適切な対応を取ってきたのか

養護学校の校庭には、ずっと以前から畑があります。

教育の一環として生徒も土に触れ、野菜を収穫しその野菜を食べてきました。現在でも実施しています。

僕は教育福祉常任委員会での質疑において、養護学校校庭の畑に植え、育て、収穫した作物を原発事故の後も児童・生徒が食べていたのか否か、伺いました。

計算をすると、養護学校の除染土の放射能濃度は6年前には3万ベクレルを超えていたことになります。

教育委員会事務局によると、学校側に確認した結果、2011年度は収穫もしておらず食べていない。2014年度以降は収穫し食べている。

しかし2012年度と2013年度だけは分からない、との答弁でした。信じられません。

これまで横須賀市は『食育』に力を入れてきました。

また、児童・生徒の『食物アレルギー問題』に全国に先んじて取り組んできました。

その横須賀市において、もしも教育委員会事務局の答弁のとおりに児童・生徒の口に入る物を学校が提供したのか否か、現場が把握していないとしたら大きな問題です。

そもそも当時在籍していた担当教職員に確認すれば事実は分かるはずで「あえてこの2年度の事実を隠している」との心証を持たざるをえませんでした。

改めて、教育長に伺います。

【質問9】  
2012年度と2013年度の2年度について、養護学校の校庭の畑で野菜を育てて収穫した作物を児童・生徒は食べたのでしょうか。お答え下さい。


(→教育長の答弁へ)


今の質問への答弁がもしもイエスならば、つまり2012年度、2013年度、校庭の畑で収穫した作物を児童・生徒に食べさせていたならば、お答え下さい。
  
2010年10月から、横須賀市教育委員会では、全国に「横須賀方式」として知られている給食食材の事前・事後の放射線量の測定を市立学校を対象に実施してきました。

それはまず、内部被曝を避ける為、そしてもしも被曝していたら正確にその量を把握する為です。

そこで教育長に伺います。

【質問10】
養護学校の畑で収穫して児童・生徒が食べた畑の作物も市立学校全てで実施してきたのと同じように放射線量の測定を実施してきたのでしょうか。お答え下さい。


(→教育長の答弁へ)


【質問11】
もしも畑の作物の放射線量を測定してこなかったのならば、測定を実施していない事実を保護者にきちんと情報提供をして同意を得た上で、児童・生徒に畑の作物を
提供したのでしょうか。

お答え下さい。


(→教育長の答弁へ)


教育長に再質問する藤野英明

(4)児童・生徒が内部被曝を避ける為の対応を他の市立学校においても行なったのか。

養護学校以外の他の市立学校においても、学校敷地内に設けている畑や田んぼや果樹園などで作物を育てています。

今回、指定廃棄物となる8000ベクレルこそ超えなかったものの、養護学校以外にも、浦郷小・粟田小・田浦中・野比中など放射性セシウムの濃度が高かった学校がいくつもあります。

そこで教育長に伺います。

【質問12】
2011年度から少なくとも2013年度末までの間、収穫し、食材としてきた学校はあるのでしょうか。お答え下さい。


(→教育長の答弁へ)


【質問13】
あるならば、具体的に、どの学校が、何年に、何を、どの学年の児童・生徒に提供してきたのでしょうか。お答え下さい。


(→教育長の答弁へ)


【質問14】
児童・生徒に作物を食べさせてきたのであれば、市立学校全体で実施してきた横須賀方式の給食食材の測定と同じように、収穫した作物の放射線量の測定を実施してきたのでしょうか。お答え下さい。


(→教育長の答弁へ)


【質問15】
放射線量の測定を実施してこなかったのであれば、測定を実施していない事実を保護者にきちんと情報提供して、同意を得た上で、児童・生徒に作物を提供したのでしょうか。

お答え下さい。


(→教育長の答弁へ)

(5)1万2700ベクレルと1万6200ベクレルを検出した養護学校の除染土が詰められた土のうの扱いについて

5月15日夕方に京浜急行横須賀中央駅で駅立ちをしていた吉田雄人市長は、「今後、養護学校の土のうの扱いをどうするのかと」市民の方から問われました。

その際、「本市はこの土のうを『指定廃棄物』として申請はしないと担当課から聞いている」と市長はお答えになりました。
  
本来、放射性物質汚染対処特措法において、放射性セシウムの放射能濃度が1キログラムあたり8000ベクレルを超える廃棄物については国に指定申請できると規定されており、指定を受ければ国が責任をもって処理することとなっています。

それにもかかわらず、8000ベクレルを超える除染土が詰められた養護学校の土のうを『指定廃棄物』として申請しないのはおかしいです。
 
【質問16】 
市民の方に回答した内容がすでに組織決定であるならば、いつ、誰が、どのような会議を行なった上で、どのような根拠に基づいた判断で、指定廃棄物申請をしないことを本市の正式決定としたのでしょうか。

市長、その経緯をお答え下さい。


(→市長の答弁へ)


そもそも本件については、5月22日に教育福祉常任委員会を開催して集中的に審議を行なうということが決まっており、教育委員会の出席も決まっており、あなたが夕方に駅立ちをしていた5月15日にはすでに正式に委員会の招集通知も出されていました。

また、今後の対応について現在まで市議会に一切報告をしていないにもかかわらず、自らの政治活動の最中に市民の方に問われて、まるで決定事項のように軽々しくお伝えしたことは、市としての正しい情報発信の在り方ではありません。

【質問17】 
そのような軽々しい態度を、行政トップが行なうことは絶対に慎むべきで、猛省すべきです。

市長の見解を伺います。


(→市長の答弁へ)


僕は、養護学校の土のうを正規の手続きにのっとって、国、具体的には環境省関東地方環境事務所に対して『指定廃棄物』として申請手続きを進めるべきだと考えています。

【質問18】 
市長、指定廃棄物申請を行なうべきではないでしょうか。

お答え下さい。


(→市長の答弁へ)


(6)本市は放射性物質に対する知見をもたない各部局がそれぞればらばらに対応していることから、今回も含めて今まで様々な問題が起こっているのだと僕は考えています。

【質問19】 
例えば横浜市が「放射線対策本部」を設けているように、本市も放射性物質に対する対応を一元管理すべきではないでしょうか。

お答え下さい。


(→市長の答弁へ)


以上で1問目を終わります。

市長への再質問に立つ藤野英明

吉田市長の答弁

ご質問、ありがとうございました。


【答弁1】
まず、除染土の測定結果を受け取ってから1ヶ月以上情報公開をしなかった教育委員会事務局の在り方についてご質問をいただきました。

今回の測定は放射能濃度の測定を行なったものであり、高い値が検出されたとはいえ、現在の保管方法では人体に影響を及ぼすものでは無い、と判断し、第1回定例会における一般報告の通り事務執行した、と聞いています。

移設には、下町浄化センター周辺の住民の方々のご理解が必要になりますので、まず下町浄化センター周辺の町内会長に教育委員会の考え方をお伝えし、今後の進め方を相談することが必要であったと認識をしています。

従いまして一般報告通りに進めたことについては、硬直化した事務執行であるとは考えていません。


【答弁2】
次に、当事者への情報提供や市民への情報公開が遅く不適切である、とのご指摘をいただきました。

放射能濃度の測定は下町浄化センターへ移設するために行なったものですが、移設には下町浄化センター周辺の住民の方々のご理解が必要になりますので、まず下町浄化センター周辺の町内会長に教育委員会の考え方をお伝えするとともに、今後の進め方を相談することが必要であったと認識をしています。

当事者である養護学校、下町浄化センター周辺住民の方への報告に3週間超を要したのは、養護学校の除染土砂から高い値が検出されたので、その対応方法を検討する必要があったと聞いています。

市議会・市民・報道機関への報告が、測定結果を受けてから1ヶ月以上かかったことについては、下町浄化センターへの移設を第一に考えて要した期間と考えますので、不適切とまでは言えない、と思います。

次に、一連の経過についての教育委員会事務局から教育委員会委員への報告の有無についてから、養護学校以外の他の市立学校において育てられた作物に対する放射線量の測定に関する質問までの計13問のご質問については、それぞれご指名のまま教育委員会委員長、上下水道局長および教育長から答弁を致します。



荒川教育委員会委員長の答弁

私には、教育長を除く教育委員会委員4名は、一連の経過を教育委員会事務局から逐一報告を受け、この情報公開スケジュールや在り方に同意してきたのか、とのご質問を頂きました。


【答弁3】
平成28年第3回市議会定例以降、下町浄化センターへ移設することを前提に事務を進めていることは承知しております。

経過については、逐次報告を受けて、了解しております。


【答弁4】
次に、5月22日開催の教育福祉常任委員会での多くの批判を聞いた今でも、この情報公開のスケジュールや在り方は正しかったと考えているのか、とのご質問を頂きました。

このたび議員からこのようなご指摘を受けて、情報公開のスケジュールや在り方について様々な考え方があることを改めて気づかされましたが、私としては学校から移設されることが最重要課題である、と捉えております。

私からは以上でございます。



田中上下水道局長の答弁

私からは、除染土に対する教育委員会への指摘について、お答えいたします。


【答弁5】
まず、上下水道局は除染土から1万数千Bq/kgもの値が検出された事実をすぐに養護学校に報告し、市民に情報公開するよう指摘しなかったのか、とのご質問を頂きました。

上下水道局は詳しい各学校の事情や除染土砂の保管の状況を承知していませんので、教育委員会事務局に対して情報公開の方法や時期等についての指摘はしていません。

すでに上下水道局は除染土砂を受け入れる方針でいましたので、教育委員会事務局に対し、下町浄化センター近隣の住民の皆さんの同意を得ることが必要である、と伝えました。


【答弁6】
次に、指摘していないとすれば、この情報公開のスケジュールや在り方が正しかったのか、とのご質問を頂きました。

情報公開の時期や方法については、地元の皆さんや学校関係者など様々な関係者がいらっしゃいますので、教育委員会事務局が適切に判断し対応していくものと考えています。

私からは以上です。

青木教育長の答弁



【答弁7】
私に頂きましたご質問につきまして、まず、発表資料での全てのシートに破損は無いとの説明は事実に基づいているのか、その事実を証明することはできるのか、とのご質問をについてお答えをいたします。

実際に埋設袋数が少ない学校は、防災シート自体を取り出し、数の状況を確認した際に破損はありませんでした。

サンプル採取の際において埋設数が多い学校の場合は、土のう袋全部を取り出して防災シートの下部までは確認は行っておりません。

これは破損するリスクを考慮した為です。

移設を行なう際には全てを取り出しますので防災シートの状況を確認したい、と考えています。

その際に防災シートの下部に破損が見られた場合、線量の測定を行ないたい、と考えております。


【答弁8】
次に、発表資料には「今後の予定」として、本来なら5月11日以前の経緯を全て記載した上で「移設に必要な手続きや移設方法等の準備を進めていく予定です。」と記すべきではないかとのご指摘を頂きました。

4月に町内会長へ相談した際に、まずは測定結果について各会長から役員等の皆さまにお話し頂けることになりました。

その後、各町内会の総会等で各会長から状況をお伝え頂いておりますが、総会などの日程の都合上、全ての町内会で会長からのお話が終わっていないと承知をしています。

この為、今後も直接教育委員会にご意見が届く場合も有りえると思いますので、一定の期間はまず時間も必要と考え発表資料の通り、と表現をいたしました。


【答弁9】
次に、2012年度と2013年度の2年度について養護学校の校庭の畑で収穫した作物を児童生徒が食べたのか、というご質問を頂きました。

再度養護学校に確認をいたしましたが、2012年度と2013年度の2か年度については、食べたかどうかの確認はできませんでした。


【答弁10】
次に、児童生徒が食べた畑の作物の放射線量の測定を実施してきたのか、というご質問をいただきました。

当時、市内18器のモニタリングポストによる測定結果や、市立学校校庭等での測定結果からは安全が確認されておりました。

また横須賀で育てられた野菜や果物は、震災後も放射能汚染を理由に出荷制限がなされていなかったこともふまえ、作物の放射線量測定は実施していませんでした。


【答弁11】
次に、測定を実施していない事実を保護者に情報提供をし、同意を得た上で、児童生徒に作物を提供したか、とのご質問を頂きました。

横須賀市内の畑で育てた作物に関しては安全であるという認識でしたので、保護者に測定を実施しないことの説明や、作物の提供に対して同意を得ることはしておりません。


【答弁12】
次に、市立学校において、2011年度から2013年度末までの間に学校敷地内で作物を育て収穫し食材とした学校はあるか、とのご質問を頂きました。

各学校ではカリキュラムに応じた作物を育て、食することはあったものと認識をしております。


【答弁13】
次に、具体的にどの学校が何年に何をどの学年の児童生徒に提供したか、とのご質問をいただきました。
このことに関するデータは有していませんので、回答することができません。

なお、各学校では学習指導要領に基づき、例えば小学校2年生の生活科の学習では、ピーマン等の野菜の栽培、5年生では総合的な学習の時間において米作り、中学校でも総合的な学習の時間の中でサツマイモ作り等が行われ、収穫した作物を食することがあります。


【答弁14】
次に、提供した作物について、給食食材と同じ方式で放射線量の測定を実施したか、とのご質問を頂きました。

先ほどの養護学校での回答と同様に、市内18器のモニタリングポストによる測定結果や、市立学校校庭等での測定結果からは安全が確認されていました。

また横須賀で育てられた野菜や果物は震災後も放射能汚染を理由に出荷制限がなされていなかったことをふまえ、作物の放射線量測定は実施していませんでした。


【答弁15】
次に、測定を実施していない事実を保護者に説明し、同意を得た上で児童生徒に作物を提供したのか、というご質問を頂きました。

先ほどの養護学校への回答と同様に、横須賀市内の畑で育てた作物に関しましては安全であるという認識でしたので、保護者へ測定を実施しないことの説明や作物の提供に対して同意を得ることは特段していなかった、と思われます。

私からの回答は以上でございます。



吉田市長の答弁

【答弁16】
次に、指定廃棄物の申請についてご質問を頂きました。

指定廃棄物の指定を受けた場合、神奈川県内に保管場所が用意されない限り持ち出すことはできないと承知をしていたので、申請する意向は無いとお答えいたしました。


【答弁17】
次に、市としての正しい情報発信の在り方についてご指摘をいただきました。

考え方を問われたので、私の考えとしてお答えしましたが、あくまでもその時の考えを求められ、答えたものであり、市としての決定事項としてお答えしたものではありません。


【答弁18】
次に、土のうは正規の手続きにのっとり、国に対して指定廃棄物として申請手続きを進めるべきではないか、というご質問をいただきました。

現在、教育委員会では、養護学校に埋設されている除染土砂について、指定廃棄物として指定されたとしても国が保管場所の選定もできていないことから現状が変わることはありませんし、今後の搬出先に制限が生じることから、申請しない予定である、と聞いています。


【答弁19】
次に、放射性物質に対する対応の一元管理についてご質問をいただきました。

本市はこれまで、放射性物質汚染対策特措法やその時の状況に応じて出される指針等に基づき対応してきました。

また不安を抱く市民からの全般的なお問合せには市民安全部が基本的に対応してきましたが、食品に関することについては保健所が、学校敷地内のことについては教育委員会が対応をし、災害対応終了後の不安解消の為の取り組みの必要性という観点は欠けていたようにも思います。

今後は放射能に限らず、市民の不安を解消するための取組みについても十分に意識しながら適切に対応をしていきたいと考えています。

私からは以上です。




(一問一答方式での再質問は後日掲載します)