2015年2月19日・生活環境常任委員会での討論

『横須賀ごみ処理施設工事請負契約の締結』に反対する討論

議案第18号『横須賀ごみ処理施設工事請負契約の締結』に反対する討論を行ないます。

議案第18号

議案第18号


ふりかえれば、そもそも2010年に現在の候補地が決定された際その決定のプロセス、判断根拠、周知方法など、全てにおいて市長のやり方が納得できずに来ました。

1期目の市長選挙で吉田市長を応援した私自身は、この問題を事前に市長と語りあうことはなく、当選した後に突然発表した、というような経緯があります。

新ごみ処理施設建設地とその周辺地域

新ごみ処理施設建設地とその周辺地域


そのことに強く反発を憶えた僕は、市議会議員選挙、次の市長選挙ではこの問題に関して反対を強く訴えてまいりましたが、「この問題は多数の争点のもとに埋没し、市民のみなさまの問題意識には届かなかったのだ。市民はこの土地決定プロセスや工法も含めて、あるいは受け容れたのかもしれない」と考えていました。

しかしやっと工事直前になって西地区と平作のみなさんが、問題の深刻さに気づき、声をあげて様々な活動を行なってこられました。

ミゾゴイの生息地に新ごみ処理施設は建設されます

ミゾゴイの生息地に新ごみ処理施設は建設されます


そして2度にわたって我々市議会に助けを求めて、市民の方々は請願・陳情を出してこられました。

2014年5月28日・朝日新聞記事より

2014年5月28日・朝日新聞記事より


それに対して我々市議会は、「現在調停中だから」との理由で意見陳述を2度にわたって認めずに来ました(2014年6月11日生活環境常任委員会、2015年2月17日生活環境常任委員会)。

それならば、調停中である以上、工事契約をすべきではない。そうでなければ論理矛盾がある、と感じています。

かつては市民のみなさまが反対している大きな開発や工事については、市議会は請願や陳情に対して「継続審査」という対応を行なうことによって、行政側は工事を開始しないという措置を取る妥協策をとってきた、と先輩議員から伺ったことがあります。

1度工事を始めてしまえば、調停がどのような結果になろうと、工事は進んで、現実をもとに戻すことはできなくなります。

市民のみなさまに禍根を残すことになるであろう、工事をこのまま進めることはできません。

「調停の推移を見守る」と言った市議会であれば、調停の推移をしばし見守ってから、司法の判断を待ってから、その判断を待ってからこの議案に対して判断をすべきとの考えから、現時点での議案には賛成いたしかねます。

これをもって反対の討論とさせていただきます。

(反対討論は以上です)



委員会の結論

生活環境常任委員会は、最終的に多数可決(反対はフジノとねぎしかずこ議員のみ)しました。

工事契約の締結を認め、工事を進めるとの結論を出しました。

「調停中だから」「調停中だから」と繰り返して市民の方々の意見陳述の機会を拒否してきた市議会は、自ら「請願・陳情を『政策提言』と受け止めねばならない」という『議会基本条例』の理念を放棄してしまいました。

一方では「調停中だから」と『司法の判断』を尊重するような姿勢を発言しておきながら、それとは全く逆に『議案は可決して工事を進める』という市議会の対応は、極めて矛盾に満ちており、恥ずかしい対応です。

大変、残念です。

そして、元・西地区の住民であったフジノは「また西地区が横須賀の捨て石にされた」という怒りと恨みの気持ちが強くなりました。