ついに決算審査が終わりました。フジノは「単コロ」が廃止されていない「病院事業」の決算に反対しました/予算決算常任委員会全体会・2017年9月議会

9月議会での「決算」審査が終わりました

今日は、『予算決算常任委員会・全体会』が開かれました。

予算決算常任委員会全体会を前に

予算決算常任委員会全体会を前に


1ヶ月半にわたる9月議会ですが、前半は補正予算案の審査、後半は決算議案の審査です。

そして今日は『後半戦の実質的な最終日』にあたります。

予算決算常任委員会は、分科会と全体会に分かれています

予算決算常任委員会は、分科会と全体会に分かれています


毎回ご説明していることなのですが、横須賀市議会では『本会議』での採決の前に、まず予算決算常任委員会・全体会を行ないます。

まず、4つの分科会(=4つの常任委員会に対応しています)で審議された結果を、分科会長(=委員長)が報告をします。

続いて、その報告に対する『質疑』、全ての分科会にまたがる内容についての『質疑(総括質疑)』、『討論』、そして『採決』という流れです。

こうして、決算議案に対する賛否(認定するか否か)の採決が行なわれました。



フジノは「一般会計」「病院事業」決算認定に反対しました

この決算(2016年度分)は、上地新市長が作った予算に基づく決算ではありません。

吉田前市長が作った予算に基づいて執行された結果(決算)に対する審査です。

フジノは『一般会計』『病院事業』決算認定に反対しました。

予算決算常任委員会全体会での賛否一覧

予算決算常任委員会全体会での賛否一覧


『一般会計』の決算については、『ハコモノ3兄弟』の予算が執行された決算なので反対をしました。

芸術劇場・美術館・ソレイユの丘に対して、吉田前市長は結局のところ最後まで抜本的な改革を行ないませんでした。

赤字額は変わらないまま。

初当選からずっとハコモノに反対してきたフジノは、2016年度当初予算案にも反対しました。当然ながら、この決算にも賛成することはできません。

『病院事業』に反対した理由は、昨年度の決算で激しく改善を要求した『単コロ』が2016年度は改善されていないからです。

議会がチェックできない方法で横須賀市が行なっていた8.5〜12億円もの短期貸付の問題

こうした激しい追及を経て、2017年度(今年)の当初予算案ではついに不透明な短期貸付金は廃止されました。

けれども、本議会で審査対象になっているのは、まだ『問題の貸付を行なっていた2016年度の決算』です。

予算書にも決算書にも記載されず、議会も全くチェックできない上に、市長決済だけで12億円も無担保で貸し付けるという、この異常なやり方を絶対に認めません。

したがって、2016年度決算には反対しました。

改めて決算書を読んでも1行も記されていないのだから本当にあってはならない手法だと思います。

「2016年度地方公営企業決算監査意見書」より

「2016年度地方公営企業決算監査意見書」より


同じ問題意識を持って下さっている監査委員による『地方公営企業決算監査意見書』に唯一このような記述がなされました。

ありがたいことに、この9月議会の決算審査のスタート時に監査委員へフジノが質疑を行なった際に

「藤野委員のご指摘もあって貸付を解消することができました」

と監査委員から答弁を頂いてしまいました。ありがたいお言葉。。。

けれども、たしかに議会で問題視して質疑をしたのはフジノひとりですが、実際には監査委員のみなさまの存在があって初めて実現することができました。

2017年度からこの短期貸付金を廃止することができたのは、何よりも監査委員のみなさまのご尽力のおかげです。

こうして、『予算決算常任委員会・全体会』は終わりました。

最終的には、フジノの反対もむなしく、全ての決算は『認定』することと多数決で決まりました。

10月16日(月)に開かれる本会議でも、今日と同じ結果で採決されることになります。

最後に、学童クラブにおいて補助金の不正使用があった為、今回の決算には『附帯決議案』が教育福祉常任委員会の有志から提案される予定です。

さあ、全ての審査が終わりました。

あとは本会議を残すのみです。



横須賀市議会は「政務活動費」の収支報告書を今年から年2回提出することになりました/2016年度前期分を本日提出してきました

号泣県議はじめ不正会計によって横領されるなど「政務活動費」にまつわる不祥事が続いています

白紙の領収書を使って『政務活動費』を横領するなどの不正会計による犯罪が続いています。

その為、世間のみなさまにとって『政務活動費』はネガティブなイメージが強く「廃止せよ」「生活費なのか」といった声もテレビや新聞で毎日報じられています。

本来の『政務活動費』は、自営業であろうと会社勤めであろうと政治家であろうと、仕事をしていく上では必ず発生する『必要経費』に過ぎません。

ただし唯一異なるのは、自営業や民間企業であれば一定のルールに基いて会計士や税務署のチェックがあることです。

しかし、『政務活動費』については残念ながらそうした『義務』の定めがありません。その為、はじめに記したような犯罪行為が起こる余地があるのです。

改革派の議会では公認会計士など第三者機関によるチェックを取り入れているところもあります。例えば、下の記事では福岡県議会の先進的な取り組みが報告されています。

2012年11月1日「福岡県議会政務活動費事前確認専門委員の委嘱」

2012年11月1日「福岡県議会政務活動費事前確認専門委員の委嘱」


第三者機関の設置や会計士を雇うだけの予算措置が成されていれば良いのですが、実際には横須賀レベルの一議会ではなかなか予算措置は難しいのが現実です(*)

本来であれば、地方自治法で国が厳密なルールを作って『請求払い方式』『第三者機関によるチェック』などの人員配置・予算措置をしてくれれば良いのですが、現状では残念なことになっています。




(*)例えば、フジノたち『議会IT化運営協議会』メンバーは『議会のペーパーレス化』等の議会改革の為に『タブレット端末の導入』をすすめています。しかしその予算を作る為に『本会議・委員会会議録』をこれまで1800部印刷して市内各所に配布していたのをやめて、2017年度から72部のみの作成に減らします。

会議録の発行部数を最小限にして、議会改革の予算を工面します

会議録の発行部数を最小限にして、議会改革の予算を工面します


ここで浮いた324万円を財源にして、何とか議会改革の為の予算をねん出するような状況なのです。正しいことの為と言えども予算がかかることはなかなか実施できないのが現実です。



これまでもこれからも横須賀市議会では「政務活動費」に関する改革を続けていきます

そんな中にあっても、わが横須賀市議会では独自にできる改革を積極的に進めてきました。

当然ですが、使途基準などを定めた『運用マニュアル』を策定しています。これは適時改訂されています(最新版の2016年4月版はこちらです)。

68ページに及ぶ「政務活動費運用マニュアル」

68ページに及ぶ「政務活動費運用マニュアル」


『運用マニュアル』では費目ごとの使いみちの基準があります。その基準に基いて、まず議員個人個人が自ら収支報告書を作成します。

最終的には市議会議長に提出するのですが、その前に議会事務局による事前チェックが入ります。

単純な計算ミスをはじめ、費目の誤りや、基準に合致しているかについて改めて指摘をしてくれます。

フジノのように無会派でひとりきりで収支報告書を作っている人間は他者の目でダブルチェックができないので、いくら見直して気をつけても計算ミスや費目の誤りはどうしても起こります。

また、『運営マニュアル』で基準は定められてはいますが、あくまでも世の中の全ての種類の支出に対して定めてある訳では無いので、率直に判断に迷う部分があります。基準に合致しているか否かは最終的に議員自身が説明責任を果たすことですが(アカウンタビリティ)、議会事務局のチェックとその後の意見交換のおかげで、支出の在り方をより厳格に行なうことができています。

このチェックは、実は他のまちの議会事務局よりもとても細かく行なわれています。

あるまちでは議員から提出された収支報告書を受け取って、そのまま議長に提出している議会事務局もあると聴いたことがあります。

その為、今年9月4日に『全国市民オンブズマン連絡会議』が発表した都道府県・政令市・中核市の政務活動費に関する調査アンケートへの回答が間に合いませんでした。

2016年9月5日・神戸新聞記事より一部引用

2016年9月5日・神戸新聞記事より一部引用


回答が間に合わなかったことで市民の方からもご批判をいただきました。

けれども、しっかりチェックしていたが故の回答の遅れの為に議会事務局が批判されてしまったことはフジノはとても残念に感じました。



昨年決定し、今年から収支報告書の提出を年2回に変更しました

さて、横須賀市議会では過去から現在にかけてずっと政務活動費(旧・政務調査費)の透明性を高める改革を議論し続けてきました。

これまでもたびたびルールが改定されてきましたが、昨年12月には全会派が一致して『収支報告書』を2016年度から年2回提出に改めることに決定しました。

平成27年 (2015年)12月11日

議会運営委員会
委員長 鈴木真智子様

議会制度検討会
委員長 木下憲司

議会制度検討会検討結果(『政務活動費の透明性確保のための方策』に係る協議事項)について

本検討会は、平成27年12月11日に会議を開催し、政務活動費運用マニュアルの改正について、検討を行ないました。

その結果、下記のとおり結論を得ましたので報告します。

  1. 横須賀市議会政務活動費の交付に関する条例の改正等に伴う政務活動費運用マニュアルの改正について


    横須賀市議会政務活動費の交付に関する条例の改正及び平成27年10月2日付けで報告した『政務活動費の透明性確保のための方策』に基づき、政務活動費運用マニュアルを別紙案のとおり改正する。

上の報告のとおり決定しました。

別紙案は複数ページありますが、肝心な2ページだけご紹介します

別紙案は複数ページありますが、肝心な2ページだけご紹介します


これが2016年度(今回)からついに適用されることとなりました。

以前から横須賀市議会では「領収書の原本」の提出がルール化されています

以前から横須賀市議会では「領収書の原本」の提出がルール化されています


ちなみに横須賀市議会では、領収書も1円の支出から全て原本を提出することになっています。

横須賀市議会ホームページでは「政務活動費収支報告書」を公開しています

横須賀市議会ホームページでは「政務活動費収支報告書」を公開しています


もちろん、横須賀市議会のホームページにも全て掲載されます。



フジノは今日、提出してきました

さて、初めての前期・後期の2回提出がスタートしました。

前期の締め切りは10月31日です。

フジノは今日、前期分を提出してきました。

政務活動費収支報告書を提出し終えてほっとするフジノ

政務活動費収支報告書を提出し終えてほっとするフジノ


とはいえ、これから議会事務局のみなさまにチェックをしていただくことになります。

上の方で書いたとおり、フジノのように無会派でひとりきりで収支報告書を作成していると、単純な計算ミスや費目の取り違えなどの凡ミスがどうしても発生してしまいます。

何度見直していても、やはり他者の目が入ってダブルチェックしてもらうことで正確さがあがります。

ですから今日提出してきたものは、あくまでも『暫定版』という位置づけになります。

横須賀市議会の廊下から市街地側を見た光景

横須賀市議会の廊下から市街地側を見た光景


それでもフジノとしては、一刻も早く市民のみなさまに情報公開をしたいという立場ですので、このブログで少しずつ準備ができたところから収支報告書を掲載していきます。

こちらのコーナーをご覧くださいね。

そして、ぜひ市民のみなさまにご指摘を頂きたいです。

「この視察はどの一般質問・委員会質問につながっているのですか?」

「この本を買って、政策にどんなふうに反映したのですか?」

と。

『政務活動費』での視察や研修や購入した本は、すぐに政策や質疑に反映できることばかりではありません。

けれども、政策の為に政務活動費は使っています。

ぜひ「その効果はどうだったのか?」という本質的な意見交換ができたらいいなと願っています。

どうぞよろしくお願いいたします。



予算書・決算書にも全く載らない市民病院への巨額の貸付金問題をついに市長に質疑します/明日の予算決算常任委員会での「総括質疑」の発言通告書を掲載します

この2週間のフジノの全てをかけて調査してきた問題を、明日市長にぶつけます!

9月23日の代表監査委員への質問から、ずっと追いかけてきた『市による市民病院への巨額貸付金問題』。

この2週間ずっと、本当に毎日寝ずに調査を続けてきました。

複数の公認会計士の方々に協力して頂き、この貸付金の持っている大きな問題を徹底的に調べ上げました。

ついに明日の予算決算常任委員会全体会の場で、吉田市長に対してフジノは質疑を行ないます。

残念ながら『総括質疑』の質問時間は、わずかに20分しかありません。本音を言えば、もっと多くの問題があるので質問したいことは他にもあります。

けれどもまずは明日、この問題を広く市民のみなさまに知って頂く第一歩としたいです。

そして、今すぐできる改善策を提案して、市長に対応を求めます。

こちらが明日の質問の『発言通告書』です。

議会事務局に提出した発言通告書

議会事務局に提出した発言通告書


以下に全文を紹介します。

1 議案94号 平成27年度横須賀市病院事業会計決算を初め、他の全会計の決算について

(1) 本市病院事業会計は、市民病院の指定管理者である公益社団法人地域医療振興協会に対して平成22年度から毎年8億5,000万円~12億円の貸し付けを繰り返してきたが、これだけの巨額な貸し付けの義務が生じるにもかかわらず、議会の議決を要しない「指定管理業務基本協定書」で貸し付けを約束した件等について

9月23日の予算決算常任委員会全体会での代表監査委員との質疑、9月27日の教育福祉分科会での健康部との質疑、その後の関係部局へのヒアリングによって、本市病院事業会計が市民病院の指定管理者である公益社団法人地域医療振興協会に対して巨額な貸し付けを続けてきた事実が分かった(平成22年度8億5,000万円、平成23年度10億5,000万円、平成24年度8億5,000万円、平成25年度10億円、平成26年度12億円、平成27年度12億円)。

この貸し付けは、議会に提出し審査と議決を経る必要のある予算書や決算書にも一切記されない。

監査委員によって作成される『地方公営企業決算審査意見書』の中で、わずかに1つの表中の項目と文章で1行記されるのみだ。

その為、巨額な貸し付けであるにもかかわらずその存在に気づくことはきわめて困難で、これまで議会で問題視されたことはなかった。

本市と地域医療振興協会は、平成22年度から市民病院に指定管理者制度を導入するにあたって『指定管理業務基本協定書』 (以下、基本協定書)を締結した。

この第20条に、市民病院の運転資金に不足が生じる場合に本市は指定管理者に貸し付けを行うと明記した為に、これを根拠にして、本市は毎年8億5,000万円~12 億円もの貸し付けを行なってきたのである。

本来であれば、議会は、本市の歳入歳出予算及び決算の全てを細部にわたって審査し議決する。

しかし、この『基本協定』書の策定に、議会は全く関与していない。

当時の議会には、指定管理者制度を導入するための市民病院条例中改正案は市長から提出されたが、『基本協定書』そのものは提出されず、その内容を審査したり議決する機会は無かった。

つまり議会が一切関与ができない『基本協定書』の中に、将来にわたって巨額の貸し付けを約束する条文が記載されていたのである。

毎年の貸付金額等が決定するプロセスは、健康部と地域医療振興協会によって毎年『横須賀市市民病院指定管理業務年度協定書』を策定する際に、例年12月頃に翌年度の市民病院収支見込みをもとに担当課長らが基本協定書第3条の事業収益の総枠の12分の2を基準に貸付金額を算定する。

『横須賀市立市民病院短期貸付金貸借契約書』が作成されて、財政部長合議の上で、財務事項として専決規定に基づいて『市長決裁』で手続きは完了する。

そして翌年度4月月初には貸し付けが実施される。

このプロセスに、議会は全く関与できない。年度協定書の策定も、毎年の貸し付けも、議会の審査や議決などは全く要しない。『市長決裁』だけで支出されてしまう。

議会はノーチェック、担保は無し、という極めてハイリスクな状態で、6年にわたって(今年度を含めれば7年)8億5,000万円~12億円という巨額の税金が支出されてきたことに、 議会人として私は強い驚きと問題を感じる。


【質問】
ア.議会の関与できない方法を用いて、『市長決裁』だけで巨額な貸し付けを将来にわたって可能にする条文を記載した『基本協定書』を本市が地域医療振興協会と締結したことは、市民と議会への説明責任(アカウンタビリティ)を全く果たしておらず、重大な問題だと私は考える。市長の考えを伺う。


【質問】
イ.現行法令には違反していないが抜け道のような方法を用いて、議会の審査や議決も経ず、貸し倒れが起こるリスクに備えた担保も一切取らずに、本市病院事業会計が地域医療振興協会に巨額の貸し付けを毎年継続してきたことはきわめて無責任だと指摘せざるを得ない。市長の考えを伺う。


【質問】
ウ.他の全ての会計についても確認したい。病院事業会計と同じ仕組みを用いて、議会の審査や議決を必要とせずに決裁のみで指定管理者や外郭団体等に貸し付けを行なっている事例は、 他にも存在しているのか。




(2) 法令上の問題はないという「形式的正確さ」だけでなく、本 市のステークホルダー(市民・議会他全ての利害関係者)に対 して説明責任(アカウンタビリティ)を果たすために、全ての取引の実態等を適切に反映した「実質的正確さ」を持つことが 予算及び決算には求められる件について

地方公営企業法や同法施行令及び施行規則などの法令上は、 予算書及び決算書に今回指摘した貸し付けを記載する義務を 課した条文が存在しない。そのため、これまで議会に提出してきた予算書、予算説明資料、決算書、決算説明資料等にこの貸し付けが記されたことは一度もないが、法令上の問題はなく『形式的正確さ』は備えている。

しかし、この巨額な貸し付けは、先に記したように手続は『市長決裁』のみで、支出の決定も、支出がなされた事実も、返済がなされているのかも、市民も議会も全く知ることができない。

一方、民間企業の会計基準では、破綻懸念が存在する時は必ず財務諸表に注記しなければならず(継続企業の前提に関する開示)、ステークホルダー(財務諸表利用者や利害関係者) にそのことを伝える義務がある。

市民病院の財政規模(平成27年度決算では事業収益と資本的収入の合計は13億6,689万円)で毎年8億5,000万円~12億円もの巨額な『金銭消費貸借契約』が成されているという会計上の金額的重要性をはじめ、この貸付金がなければ市民病院では資金ショートが毎年起こっているという実態は、市民も議会も絶対に知っていなければならない懸念事項だと私は考える。


【質問】
ア.予算及び決算は全ての取引の実態を適切に反映すべきだが、現在のままでは病院事業会計及び市民病院の経営実態を正確に知ることはできない。

法令の定めで作成する予算書及び決算書への記載義務が無くとも、市民と議会に対して実質的な会計情報を提供する必要がある。

したがって、来年度も貸し付けを行なうのであれば、本市が独自に作成している予算説明資料にはその事実と金額と貸付条件等を、決算説明資料には同様に貸付実績と返済実績等を新たに記述するなど、何らかの形で必ず市民と議会に知らせるべきではないか。


【質問】
イ.他の会計においても病院事業会計と同じ仕組みを用いて、議会の審査や議決を必要とせずに決裁のみで指定管理者や外郭団体等に貸し付けを行なっているのであれば、その会計においても当初予算時及び決算時には説明資料等に新たに記述を加えることで、市民と議会に実質的な会計情報を提供すべきではないか。




(3) 実質的には6年にわたる「長期貸付金」であったにもかかわらず、単年度で貸し付けと返済を繰り返して財務諸表に計上してこなかった件について

会計の基本ルールでは、1年以内に返済が終わる貸し付けの費目は『短期貸付金』であり、1年を超える貸し付けは『長期貸付金』である。

いずれの場合も計上されれば、貸借対照表を初めとする財務諸表に影響を与える。

また、実質的には『長期貸付金』であるにもかかわらず、単年度に貸し付けと返済を繰り返して財務諸表への計上を免れる会計操作を『単コロ』と呼び、全国の地方自治体で負債隠しの慣行として行われてきた。

本市による市民病院への貸し付けも、同一年度内で貸し付けと返済を繰り返してきた。

例えば平成27年度の場合、平成27年4月14日に貸し付けを行い、平成28年3月17日に全額返済された。しかし、翌4月には再び貸し付けを行なった。この取引は外形上『短期貸付』だが、実質的には6年にわたる『長期貸付』であると言わざるをえない。

さらに、同一年度内に貸し付けと返済を行うことで、本市病院事業会計及び市民病院の貸借対照表と損益計算書に、この貸し付けは『短期貸付金』としても計上されることはない。

9月23日の予算決算常任委員会全体会において、この貸し付けの実態は『長期貸付』であり市民病院の経営状態を実態よりも良く見せる為の会計操作と受け止められても仕方がないのではないかと私は指摘した。

代表監査委員は『単コロ』に触れ、現行法令では違法ではないが実質的には私の指摘のとおり、『長期貸付金』のような形になると答弁した。


【質問】
ア.直営時代の市民病院の経営状況からすれば、指定管理者制度を導入しても長期間にわたって運転資金がショートすることは明らかであり、そのことは議会も十分に理解していた。また、地域医療振興協会が市民病院の指定管理者を引き受ける上で、本市が貸し付けを行うことが絶対条件だった、とのことだ。

こうした客観的状況を考えれば、『単コロ』と受け止められる貸付方法を取る必要は無かった。『長期貸付金』として予算計上し議会の議決を受け、決算時には実質的な市民病院の財務状態を明らかにしてくればよかっただけである。

それにもかかわらず、何故あえて単年度で貸し借りを繰り返す『単コロ』と批判される方法を今まで取ってきたのか。


【質問】
イ 実質的には『長期貸付』金であるにもかかわらず単年度での貸し付けと返済を今後も続ける限り、市民病院の経営状態を対外的に良好に見せる為の意図的な会計上の操作だとの指摘は免れないと私は考える。したがって、今後も貸し付けを続けるならば、その方法も会計上の扱いも根本的に見直すべきではないか。


【質問】
ウ.他の全ての会計も確認したい。年度内に貸し付けと返済を繰り返す貸し付けを行なっている事例は存在しているのか。




(4) 12億円もの貸し付けを貸し倒れのリスクを考えずに無担保で行なっていることは明らかに本市側の『任務懈怠』であり、「基本協定書」第20条を廃止して貸し付けをやめるか、今後も貸し付けを継続するならば何らかの担保を取るべき件について

地域医療振興協会は全国で約70の診療所や病院等を幅広く運営している以上、何らかの経営リスクが生じて本市の貸し付けに返済ができなくなる可能性(貸し倒れ)を想定して対応することが、市長には当然求められる。

しかし、これまで本市は12億円もの巨額の貸し付けを無担保で行なってきた。

将来、地域医療振興協会に何らかの経営危機が起こった場合、地域医療振興協会が全国で持っている債務の中で、本市の無担保の貸し付けへの対応の優先順位は極めて低くなる。

つまり本市に大きな損失が起こるリスクがあるのに 現在は備えを怠っており、明らかに市長の『任務懈怠』であり、即刻改善すべきだ。


【質問】
ア.『基本協定書』第20条を廃止して貸し付けをやめるか、今後も貸し付けを継続するならば早急に何らかの担保を取るべきだ。いつまでにどのような改善策を取るのか、市長の考えを伺う。



文字ばかりで分かりづらいとは思います。

けれども大切な内容です。市民のみなさまからお預かりしている税金が12億円も損失するリスクがある大問題です。

明日、ひとつでも改善に向けて成果をもぎとってきます。



議会がチェックできない方法で6年間も市民病院に8.5〜12億円も貸付!短期貸付に見せかけた「単コロ」か?決算も不正確ではないか?/予算決算常任委員会・全体会

予算決算常任委員会全体会でフジノは代表監査委員に質疑を行ないました

本会議が終わった後、続けて『予算決算常任委員会・全体会』が開かれました。

決算審査のスタートです。

まず会計管理者からの説明が行なわれて、続いて代表監査委員から『決算審査意見書』等について説明がありました。

フジノはここで『横須賀市による市民病院(指定管理者=地域医療振興協会)に対する貸付』に関して、問題提起を行ないました。

なんと議会のチェックが全くできない方法で、現在まで7年にわたって(決算は前年度のものなので6年間と表現します)『無担保』で8.5億円〜12億円も貸付を行なってきたのです。

議会はノーチェック(チェックしようがない)、市民のみなさまの税金が損なわれかねないハイリスクな状態です。

この横須賀市の手法は極めて問題で、絶対に改善が必要です。

以下に、代表監査委員に行なったフジノの質問です。

予算決算常任委員会・全体会での質疑

フジノの質問

病院事業会計について数点伺います。よろしくお願い致します。

『病院事業決算書』の26ページをお願い致します。26ページは、バランスシートの『注記』にあたります。

『注記』5番の『その他の注記』において、『病院間資金融通の処理方法』について記載がなされています。

市民病院およびうわまち病院間の資金融通は病院事業会計内での融通である為、病院間融通消去として資産・負債から相殺・消去されています。

この病院間資金融通が消去されていると、本来の単一の病院の経営状況が見えないのでは無いか、というふうに受け止めました。

監査にあたっては、元データもチェックすることはできたのでしょうか。



代表監査委員の答弁

『資金融通』につきましては、原局の方から説明を受けておりますし、『例月出納検査』の方でもそのような説明を受けておりますので、内容としては把握しておりましたが、記載としてはこのような形で、従来からやっておりましたものですからこ、のような形を踏襲させていただいておるということでございます。



フジノの質問

実際には両病院間でどの程度の規模の資金融通がなされていたか、教えて頂けたらと思います。



代表監査委員の答弁

2億5000万円と承知しております。



フジノの質問

ありがとうございます。

続いて、『横須賀市地方公営企業決算審査意見書』の105ページをお願い致します。

同じく『病院事業会計』について、特に市民病院について伺います。

具体的な記述としては、市民病院に対して、本市が短期資金の貸付を12億円行なっている。この点について伺います。

所管の常任委員会に所属をしておりまして毎年予算書・決算書を観てきたのですが、お恥ずかしながら短期貸付12億もしていることに今回初めて審査意見で気付きました。

この『短期貸付』については、監査委員のみなさんも問題視をされていて『審査意見』にも記載をされています。

まず質問としては、年度内に返還をしてしまっているのでバランスシート上には一切表れてこない。

ただ、実質的には年度内に返還をしておいて、また翌年度に貸付をしている。これは『短期貸付』に見せかけた『長期貸付』、つまり『固定負債』なんではないか、というふうに受け止めるんですが。

2016年8月22日朝日新聞記事の図にフジノが横須賀市と市民病院の現状を書き入れたもの

2016年8月22日朝日新聞記事の図にフジノが横須賀市と市民病院の現状を書き入れたもの

あるいは『運営交付金』を市は出してないようにみせかけて実際には12億円も出している。つまり虚偽ではないかというふうに受け止めるんですが、監査委員はどのようにお考えでしょうか。



代表監査委員の答弁

この12億円につきましてですね、『運営交付金』として出しているというふうには理解はしておりません。

『運営交付金』は『運営交付金』の協定によって計算して交付したりしなかったりしているでしょうけれども、

確かについ先程、新聞で『短コロ』であるとかそういう表現でもって、言ってみれば『長期貸付金』が『短期貸付金』の形を取っている、とそういう記事がございました。

そういう意味では確かに年度内で貸して年度内で返してもらうという意味で、表面には出てこないけれど毎年、長い期間を見ればずっと12億円貸しているではないか、実質的な意味ではおっしゃるとおりでございますが、

これも地方公共団体の従来からの慣行としてずっと行なわれてきていると。

それについて特段、違法ということにはなっておりませんので、実質面から観るとおっしゃるとおり『長期貸付金』のような形になりますけれども、これをどうするのか、国・県・市町村の関係者が協議して、これからどういう処理が良いのかということが検討されるものだと思っております。



フジノの質問

率直なご意見をありがとうございます。

もし分かれば教えて頂きたいのですが、これは年度内に返還がなされているということなんですけれども、3月末日の1日前とかに返還をされて、BS(貸借対照表)に載らないようにしているのでしょうか。



代表監査委員の答弁

詳しい日時は私も承知しておりませんけれども、年度末ということでだいたい3月31日よりも前、1週間程度位ではないかと思っております。



フジノの質問

今のお答えを伺い、先程のご答弁を伺うと、昨今問題になっている実際のところは『固定負債』である『長期貸付』であるものを短期で借りていると見せかけて年度末近くに返済をしてまた年度当初に借り入れる。

実際には『運営交付金』が出ているのと変わりないんではないかというふうに感じられました。

「これはあってはならない」と部局に今後の審査では聴いていこうと思います。

代表監査委員にもう1点伺います。

『審査意見』において、このことの危険性について触れられていただいており、「安全性の確保について定めが無い」と。「協会との指定管理に係る協定に何らかの規定を付すべきではないか」というふうにおっしゃっていただいております。

これは、本市にとって安全性を確保する為にどのような規定が、例えば不動産や何らかの担保をつけよというような文言が望ましいのか。どのような協定に文言を付すべきというふうにお考えでしょうか。

この点を伺って質問を終わります。



代表監査委員の答弁

12億円という多額の金額でありますからその担保を求めたいという気持ちがありましてですね、このような表現をさせていただきました。

それは建物であるとか土地であるとかそういう物の担保を求めるのか、それとも預金に質権を設定するのかいろいろ方法はあると思いますが、私どもの方からこういう方法でと具体的に申し上げませんけれども、何らかの担保を取るべきだろうとこういう趣旨で表現をさせていただいたところであります。



フジノの質問

ありがとうございました。

質疑応答は以上です。

本当に残念なことなのですが、この問題は会計の知識が無いとなかなか分かりづらいのです。

もしかしたら市民のみなさまにとって、この問題の重要性が伝わらないかもしれません。

けれども、市民のみなさまからお預かりしている大切な税金が、12億円も失われる可能性がある重大な問題なのです。



横須賀市が取っている方法は「単コロ」による「赤字隠し」の可能性があります

フジノは会社員時代に財務部にいました。

決算書も作ってきましたし、監査法人による監査にも立ち会ってきました。

さらに、今回の質問にあたって、複数の公認会計士の方々(ひとりは企業の監査に精通している方、もうひとりは地方公営企業法の監査に精通している方)にアドバイスを求めましたが、やはり「不自然だと言わざるをえない」とのことでした。

フジノは、横須賀市によるこの会計処理は絶対にあってはならない、と考えています。



全国で「単コロ」は問題になっています

代表監査委員が答弁で教えてくれたように、ここ最近の新聞で大きく『単コロ』が問題として報じられていたようです。

さっそく帰って調べてみると、朝日新聞の調査記事が掲載されていました。

一夜貸し・単コロ…85自治体、会計操作2336億円

全国各地の自治体で、経営難に陥った出資法人などへの貸付金が回収できていないのに、翌年度の予算で穴埋めして返済されているように見せる会計操作が横行している。

朝日新聞が今年度予算を調べ、85自治体で総額約2336億円の処理が判明した。

操作を繰り返すことで貸付金を回収できないことによる財源不足が隠され、「つけ」が将来に回される形となる。

総務省は解消を求めている。

会計操作は「オーバーナイト」(一夜貸し)と「単コロ」(単年度転がし)と呼ばれる2通り。

総務省の調査に実施していると答えた自治体を朝日新聞が情報公開請求や取材で調べ、個別に額や事情を精査した。

出資法人は自治体が資金を出して運営されている地方公社や第三セクターで、公有地の取得やレジャー開発、中小企業への制度融資などを行っている。

オーバーナイトは出資法人などが金融機関から年度末に資金を借り、全額を自治体にいったん返済。翌年度に自治体が再び法人に資金を貸し、それをもとに銀行に返済する。3月31日から4月1日につなぎ資金として借りることが多く、利子もかかる。

北海道や神戸市など84自治体が計約1646億円を実施していた。

単コロは決算作業のために年度をまたいで資金の調整ができる「出納整理期間」(4〜5月)を利用。翌年度の財源を充てて、年度末に返済があったように処理する。岡山県が約411億円、北海道は約279億円を行っていた。

@niftyニュース(元記事は東洋経済オンライン)より

@niftyニュース(元記事は東洋経済オンライン)より

岡山県ではすでに2015年に取りやめています。

2015年12月16日・山陽新聞より

2015年12月16日・山陽新聞より


こうした不正会計捜査が全国で行なわれていることも許されません。

フジノとしてはまずこれからスタートする部局別審査で厳しく追及していきます。