黒岩知事が横須賀への漁網受け入れ断念を発表しました/吉田市長のコメントも

黒岩知事、本会議にて漁網の横須賀受け入れ断念を発表

つい先ほど(17時頃)、神奈川県知事の本会議での発言について、横須賀市資源循環部長が全市議会議員に報告しました。

その内容を全文こちらに掲載します。

平成25年第2回県議会定例会・知事提案説明(平成25年6月10日)

次に、東日本大震災に伴う災害廃棄物、いわゆる震災がれきの受入れについてです。

平成23年12月、私は、神奈川県として震災がれきを受け入れ、被災地の復興に全面的に協力したい、そして、震災がれきの焼却灰を、地元の皆様のご理解を前提として、県が所有する「かながわ環境整備センター」に受け入れたいと表明いたしました。

その後、地元の方々をはじめ、県民の皆様にご理解をいただけるよう、地元説明会や対話の広場を開催し、安全性や受入方法などを説明しました。しかし、放射能に対する不安などからご理解を得ることはできませんでした。

一方、被災地の状況も刻々と変化し、大量に打ち上げられた漁網の処理に大変困っているという状況が判明しました。

そこで、平成24年7月に、放射能汚染の心配がない漁網を焼却せず、直接「かながわ環境整備センター」に埋め立てるという新たな提案をいたしました。

県議会における漁網処理の促進を求める決議や横須賀市議会の意見書がとりまとめられるなど、私にとって大変心強い動きもありました。

しかし、残念ながら理解を得られず、本年1月に「かながわ環境整備センター」の地元の大楠連合町内会から、受入れに反対する意向が示されたわけであります。

それでも、1日も早く震災がれきの処理を終え、復興に踏み出してほしい、そのために被災地からのニーズがある限り、震災がれきの受入れを実現し、お手伝いをしたいという私の思いは変わりませんでした。

そうした中、被災地でのがれき処理の進展により、本県への処理要請量が、5月に洋野町の漁網300トンに変更されました。

そして、4月8日に箱根町が最大100トン、5月10日に南足柄市が最大200トンの漁網の受入れを検討すると表明し、このたび、そのための補正予算の6月議会への提案について連絡をいただきました。

南足柄市長、箱根町長をはじめ、関係の皆様に感謝申し上げます。

これにより神奈川県として要請された300トンを受け入れる見通しが立ったと判断しましたので、「かながわ環境整備センター」への受入れは行いませんが、これまで、県からの要請に向き合っていただいた横須賀市及び地元の皆様そして、常にご支援をいただいた県議会の皆様にも改めてお礼申し上げます。

今後、県としても漁網の安全性の確認をしっかりと行い、南足柄市、箱根町と連携して、円滑な受入れを行ってまいります。

また、この黒岩県知事の発表を受けて、吉田雄人横須賀市長がコメントを出しました。

箱根町と南足柄市において、洋野町の漁網300tを処理する見通しが立ったことは、大きな前進だと思います。

洋野町の漁網の処理先が全て決まり、漁網の仮置場の土地利用が進めば、復興に弾みが着くと思います。

今後も、横須賀市において、被災地の復興に向けていろいろな面で協力していきたいと思います。

フジノが現時点でお伝えできる情報は、以上です。

公約では「自治基本条例」制定を訴えていても本音では「住民自治」を否定している吉田市長

一般質問を文字起こししました

6月6日の本会議でフジノが市長に対して行なった一般質問を、文字起こししてみました。

まず、「大楠は悪者扱いされている」という吉田市長の発言の有無、それはどのような意図で成された発言なのかの認識をただした質疑についてご紹介します。

〜ここから文字起こししたものです〜

4.吉田市長が地域住民を「悪者扱い」したという発言の有無とその真意について

市のホームページやマスメディアの報道には一切取り上げられていませんが

漁網受け入れに反対する市民の方のブログやチラシによれば、4月28日(日)に開催された芦名町内会総会に出席した吉田市長は、漁網受け入れを再度要請したとされています。

ブログ「横須賀の学校教職員・こどもを守りたい」2013年5月10日より引用

ブログ「横須賀の学校教職員・こどもを守りたい」2013年5月10日より引用


その際、住民の方々に対して

「このままでは大楠は悪者になっている」

という趣旨の発言をしたとされています。

芦名のみなさんが『住民自治』として受け入れの賛否を問うた結果、「受け入れをしない」という結論に至ったにも関わらず、市長はその結果を尊重せずに「悪者扱いする」ということは、あってはなりません。

吉田雄人マニフェスト2009より

吉田雄人マニフェスト2009より


市民による『住民自治』を進める為に『自治基本条例』を新たに制定したい、『住民投票制度』と『地域運営協議会』を設置したい、と提案してきた吉田市長であるにも関わらず、

芦名のみなさんによる『住民自治』の結果を侵害するような発言は、言っていることとやっていることが完全に矛盾しています。

そこで、まず事実関係を市長に伺います。

【質問】
(1)吉田市長はこの指摘どおりに芦名町内会に出席したのでしょうか。出席したのが事実であれば、どのような発言をしたのか、具体的にご説明下さい。

【質問】
(2)吉田市長は「大楠は悪者になっている」という発言をしたのでしょうか。

続いて、ご自身の発言に対する認識を伺います。

【質問】
(3)発言が事実ならば、地元住民のみなさまは「誰」から「悪者扱い」されているのでしょうか。

吉田市長からでしょうか。被災地の方々からでしょうか。メディアからでしょうか。お答え下さい。

【質問】
(4)もしも横須賀市民が他者から「悪者扱い」されているのであれば、吉田市長が成すべきことは『市民の盾』となって市民を守ることではないでしょうか。

お答え下さい。

市長の答弁

芦名町内会総会に出席したのか、その発言はどのようなものかというご質問を頂きました。

4月8日に箱根町が岩手県広野町の漁網100トンを上限に受け入れる検討を開始することが発表されました。

「状況は変わってきている」と思い、「県の説明を再度聴いてほしい」とお願いをする為に芦名町内会総会に出席いたしました。

具体的な発言は、

  • 大楠連合町内会が実施した意向調査の結果は重く受け止めている。
  • 洋野町の高く積まれた漁網を観て早く処理しなければ復興は無いと思う。
  • 受け入れを前提とするのではなくてもいいから、県の説明を再度聴いてほしい。

という内容でした。

次に「大楠は悪者になっている」という発言をしたのか、また「発言したのであれば、誰から悪者扱いされているのか」というご質問をいただきましたので、合わせて回答をいたします。

私は、いろいろな人から「大楠の方々が今回の件で誤解等により悪者扱いされている」という声を聞き、発言をいたしました。

次に、「もしも横須賀市民が悪者扱いされているならば、『市民の盾』となって市民を守るべき」というご指摘を頂きました。

平成24年11月の『意向調査』の時は、「なんで芦名だけが被災地のごみを受け入れなければいけないのか」という声がありましたが、箱根町が岩手県広野町の漁網を上限100トンまで引き受ける、そういう検討が開始されたことで状況が変わってきました。

『市民の盾』となるという意味では、もう1度県の説明を聴くという姿勢を示してもらうことで、誤解を解くことができるのではないかと思い、行動をいたしました。

〜ここから一問一答形式での質疑となります〜

フジノの質問

『住民自治』という観点から、僕は今回の芦名町内会についての市長の発言を問いただして一回目の質問を行ないました。

市長は実際に出席をされていた。

そして、発言の内容も実際に市民の方のブログやチラシに書かれている通りだった。

「いろいろな人から悪者扱いされている」と大楠のことを指摘して、発言をされた、と。

この「いろいろな人」というのは一体誰なんですか?

市長の答弁

市役所に対しても、町内会の役員のみなさんに対しても、匿名や、当然メールアドレスなんかが書いてあるパターンもありますが、電話などでそういった悪者扱いされているようなですね、意見というのが寄せられているところです。

フジノの質問

それは具体的に何件、どういうふうな内容で、そして逆に応援するような言葉というのは何件、どういった内容で来ているのでしょうか。

そしてそれは、そういうメールが来ているから、ということで地元住民の人を「悪者扱いされている」と言って良い根拠になるものなのでしょうか。

お答え下さい。

市長の答弁

町内会の役員の方々のところにも相当多数来ているということですが、これについては数字を持っていません。

市の方に寄せられた『災害廃棄物の受け入れに関する意見』については、現在2月までの数字ですけれども、369件入っています。

この中では、正直この場で口にするのもはばかられるような内容の悪口というようなもの、あるいは、当然、受け入れに反対するような立場からのご意見なども頂いているところです。

フジノの質問

答弁漏れがあります。

このうち、何件が「悪者扱い」をしていて、それは市長が地元住民の方々を「『悪者扱い』されている」と言うに至る根拠になりうるのか、この2点をお答え下さい。

市長の答弁

反対、賛成等の件数については市として取っているところですが、その中で横須賀の市民、あるいは大楠の町民のみなさんが悪者扱いされているというのを一件一件ピックアップした数字というのは持っていません。

フジノの質問

僕が申し上げたいのは、『住民自治』を大切にしていきたい、というのが市長のマニフェストの根幹であったはず。

にも関わらず、芦名の方々が、まさに市長が望んでこられた『住民投票』ですよ、それをやって、そして総意が出た。

大楠連合町内会の決定を市長に通知した文書

大楠連合町内会の決定を市長に通知した文書


にも関わらず『住民自治』を損なうような発言を市長が行なっていいのか、その点を聴いているんです。

どうお考えですか。

市長の答弁

まず、『住民投票』ではなくてあくまで『意向調査』の結果だというふうに思っています。

ただ、『意向調査』の結果についても尊重するという立場は私もとっています。

ただこの『意向調査』を取った時点では、大楠の地域のみなさんから「なんで大楠だけなんだ」という意見が強かったというふうに私は承知をしています。

ですから、箱根町が新たに受け入れをしようと手を挙げた中で状況は変わってきている。

その状況が変わってきた中で大楠のみなさんにもう1度被災地の状況であるとか、県が受け入れようとしている漁網の状況であるとか、そういった説明を聞く機会を作って欲しいという、そういうお願いをしてきたところです。

フジノの質問

僕は『住民投票制度』にも『自治基本条例』にも『地域運営協議会』にも賛成しても良いという立場でした。

けれども、実際に進んだ地域である大楠・芦名のみなさんが『意向調査』という名前であっても実質的に『住民自治』のもとで『住民投票』を行ない、そしてその総意をまとめたものを市長は「状況が変わった」というアリバイによって、その『住民自治』を壊す発言を繰り返している。

そんな方が作るような『住民投票条例』『自治基本条例』『地域運営協議会』、作ったってムダですよ。

これはハッキリと申し上げたいと思いたいと思います。

『地域自治』『住民自治』を尊重するということをもう1度お考えになっていただきたいと思います。

(文字起こしはここまでです)

予算議会がスタート!市長の施政方針演説には停滞感.../2012年予算議会

予算議会がスタート!市長の施政方針演説には停滞感...

先ほど本会議が終わりました。
 
今日は、1件の意見書を可決しました。

そして、吉田市長による2012年度の横須賀市の方針を示す『施政方針演説』が行われました。

市長施政方針

市長施政方針


全文はこちらをご覧ください。

市議会議員に対しては事前に『施政方針演説』の原稿は渡されているので、フジノは何回も何回も読み返したのですが

今回の演説、特に印象に残る言葉は全く何もありませんでした。

むなしさだけが残りました。

『語られたこと』に印象に残ることが無かったことに加えて、『語られなかったこと』が多くて、本当に残念でした。

昨年も指摘したことですが、今年も『ハコモノ行政への対応』は一切触れていません。

また、市民の多くの方々が苦しめられている芦名の最終処分場への『がれき広域処理問題』にも一言も触れませんでした。

『脱原発』に向けて横須賀から新たな取り組みを進めていこうとか、新たに『PPS』を導入していくことを語ることもありませんでした。

市民のみなさまの関心があることにはほとんど触れていないのが残念です。

まもなく震災から一周忌を迎えるこの国で、市民のみなさまに一緒に新たな希望を紡いでいこうという想いは、残念ながら全く感じることはできませんでした。

全体に漂っているのは『停滞感』です。うーん。





予算議会のスタートを受けて今日から1ヶ月間、議論漬けの毎日に突入します。

さっそく明日は教育福祉常任委員会です。
 
まずは今年度(2011年度)の最終補正予算を審議します。

がんばります!



「新しいごみ処理施設」の建設予定地の問題を神奈川新聞が報じてくれました/予算議会でのフジノの一般質問

新しいごみ処理施設の建設予定地問題を、神奈川新聞が報じてくれました

けさの神奈川新聞がフジノが市長に対して行なった本会議での質疑を大きく報じてくれました。

まず、見出しで『美術館』問題をとりあげてくれました。

2010年3月6日・神奈川新聞より

2010年3月6日・神奈川新聞より


さらに『一問一答』では『ごみ処理建設予定地』の問題をとりあげてくれました。

こうした問題を1人でも多くの市民のみなさまに知っていただきたいので、神奈川新聞にとりあげていただいて、感謝しています。

全文を引用させて頂きます。

指定管理者制度も視野/美術館運営で吉田市長

横須賀市議会第1回定例会は4日、本会議を開き、藤野英明、田辺昭人(以上無会派)の2氏が個人質問に立った。

吉田雄人市長は美術館について、指定管理者制度も視野に入れて運営形態を見直し、施設の維持管理費や運営費の抑制を目指す考えを明らかにした。

そしてもう1つです。

【藤野 英明氏】
ごみ処理施設の建設候補地に長坂が選定されたが、発表が一方的で唐突すぎた。
 
どこが市民主体なのか。

【吉田 雄人市長】
施設の性格上、市民参加は現実的でないと考えた。
 
建設計画他の選定をしていることについてはもっと広報すべきだったと思う。

(佐藤 浩幸)




つごうの良い時だけの「市民参加」はニセモノ民主主義だ

『新しい横須賀』を実現する為に、吉田市長は『住民投票制度』の導入も視野に入れています。

「このまちのことは市民のみなさまが決める」

という市民主体を実現する為です。

それなのに今回の新ごみ処理施設建設予定地の決定は、完全に『市民不在』でした。

あまりにも突然に決めて、そこに市民の議論は入る余地は無く、ただひたすらに決定だけを市長は押し付けたのです。

つごうの良い時だけ「市民参加」を訴えて、つごうの悪い時には「市民不在」ではニセモノの民主主義です。

そんな身勝手な判断を、絶対にフジノは認めません。



「新しいごみ処理施設」の建設予定地は長坂5丁目になりました/言行不一致の吉田市長を支えることは、もうできません

新しいごみ処理施設の建設予定地は長坂5丁目になりました

あまりにも突然の発表に、怒りを通り越して、むなしくなりました。

新しいごみ処理施設の建設予定地が発表されました。

長坂5丁目です。

新ごみ処理施設の建設予定地が発表されました

新ごみ処理施設の建設予定地が発表されました


今回の吉田市長の『決定』に、フジノは全く賛成できません。

『決定のプロセス』も、『発表の仕方』も、完全に反対です。



言行不一致の吉田市長、今後フジノは一切の支援をやめます

美術館建設に反対運動が起こったのも、長井海の手公園ソレイユの丘に反対運動が起こったのも

あまりにも市民不在で行政が決めてしまう、そうした在り方への怒りがあったはずです。

それを何故、ともに反対運動を闘った吉田雄人が市長になったら、途端に歴代市長と同じことをするのだろうか。

僕はあまりにも情けなくて、本当に悔しいです。

こんなことを吉田市長が行なった以上は、信頼関係を保つことは完全に不可能です。

今日を最後に、吉田市長の駅立ちには参加しませんし、そのことは吉田市長にもそうお伝えしました。

こんな民主主義の冒涜は絶対に許せないからです。

フジノにとって、吉田市長への信頼はゼロになりました。
 
もうこれ以上、彼を支えることはフジノには不可能です。

吐き気がするくらいに(言葉のあやではなくて、本当の意味で、です)精神的にも不愉快でうんざりさせられました。

「こんな言行不一致な人をついさっきまで必死に支えていたのか」と思うと、自らのバカバカしさが身に染みて、情けなくてたまりません。

薄々気づいても、「おかしい」と感じても、ずっと自分をごまかしてきましたが、今日はっきりと分かりました。

僕は、まちがっていました。



みなと舎の「ゆう」を見学しました!/重症心身障がいのある方々のショートステイ

やっと『ゆう』を見学することができました!

3月の予算議会で可決された、ある素晴らしい障がい福祉政策があります。

それは

『重症心身障がい児者・単独型短期入所事業』1081万5000円 (定員3人)

です。

つまり、『ショートステイ』のことですね。

今回10月から新たにスタートする横須賀市を含めて、神奈川県内でこれを行っているのは、わずか2ヶ所。

本当に大切な福祉サービスです。

これを引き受けて下さったのが『社会福祉法人みなと舎』さんです。

『みなと舎』さんが運営している『ゆう』は、福祉業界では全国的にすごく有名です。

横須賀が全国に誇れる重度の心身障がいのある方々の為の非常に素晴らしい活動をしているのが『みなと舎』なのですね。

『日本グループホーム学会』が学会誌を発行した、その第1号の最初に載っているのが『ゆう』なのですから。

横須賀って、こういう誇れる活動が実はたくさんあるのですね。

本当は『電子入札』なんかよりも誇れるものがいろいろとあるのですよ。

さて、前置きが長くなりましたが、この『ゆう』を見学したいとずっと思っていました。

「市長選挙が終わったら、自分へのご褒美として絶対に見学に行くぞ!」

と固く決心をしていたのですが、ついに21日に実現しました!

『ゆう』はこんな所です

林から佐島方面へ向かって進んでいって京急ストアのある『大楠山入り口』で右折すると、あとは300mくらいで到着します。

道沿いに『ゆう』を案内する看板が出ています。

芦名2丁目、このまちの美しさが残されているとても自然の多い場所に『ゆう』はあります。

ゆう全景
(ゆう全景)

やわらかなピンク色の2階建て、ここが『ゆう』です。

利用者の定員は40名。

対象は、原則として18才以上の、重度・重複障がいのある方です。

法的には『知的障がい者通所更正施設』となっていますが、フジノにとっての位置づけは違います。

とても障がいの重い方々で身体と知的と障がいが共にある方々を『重症心身障がい』と呼ぶことがありますが、『ゆう』はフジノにとっては重症心身障がいのある方の為の場です。

重症心身障がいのある方も地域で暮らしていくことが当然できるのです。

それは『理想』を語っているのではなくて、人として生きていく誰もが持つ当たり前の『権利』のことです。

しかし、この国ではその当たり前のことをやろうとすると、重症心身障がいのある方ご本人をはじめ、ご家族の方々の苦労には、すさまじいものがあります。

それはこの国の福祉が貧しく、当たり前のことが当たり前になされていないからです。

つまり、地域での暮らしを支える体制が無いに等しいのです。

そんな状況の中だからこそ、『ゆう』が存在していることはとても大きな意味があります。

ここに通って、たくさんの活動をして、みんなでお昼ご飯を食べて、いろいろな人々と交流をして、そして夕方には帰っていく。

文章で書くとこれだけのことですが、これだけのことを実現するのはこの国ではとても大変です。

それを『ゆう』は実現しています。

『ゆう』の1日はこんな感じです(リーフレットより抜粋・一部改変)

9:00 職員さんが出勤
9:30 利用者の方々が出勤
10:00 朝の集会、リハビリ、散歩など
12:00 昼食、休憩
13:30 作業、個別活動、音楽活動など
15:00 帰りの集会、水分補給、整理
15:15 利用者の方々が退勤
16:00 職員さんの打ち合わせ、退勤

ゆうの職員室
(職員室)

オープンからまもなく丸7年間を迎える『ゆう』ですが、全景の写真と同じく、中に入ってもその印象は変わりません。

とても清潔感あふれる素敵な雰囲気です。

上の写真は職員さんたちのスペースですね。

玄関を入るとすぐあるのですが、太陽の光がたくさん入ってきて開放感あふれるつくりですね。

今日は1人の市民の方と一緒に見学をさせていただきました。

瀧川理事長と飯野施設長が迎えてくださいました。

施設長室兼会議室で1時間ほど施設の成り立ちをうかがったり、『障がい者自立支援法案』についての意見交換をしました。

そして、ついに内部の見学です。

*ちなみに、当事者の方々の写真は撮っていません。近年は、当事者の方々の写真を掲載しないのはおかしい、という動きもあります。障がいのある方々のことを知っていただくには当然ながらもっと多くの情報に接してほしいのですけれど、今回の見学では止めました。理由はものすごく単純で、フジノのスケジュール的な忙しさの問題で撮影させて頂いた方々全員に『掲載の確認』を取る時間が取れなかったからです。

それぞれの部屋には『そら』『だいち』『くも』『ひかり』『かぜ』と名前が付けられています。

ゆうの日常活動の場
(ゆうの日中活動の場)

上の写真、左右に1台ずつベットがあります。

音声に合わせて振動が体験できるようになっています。

心身に障がいのある方にとって、肌で体験する、という行動はとっても大切です。『感覚知覚活動』と呼びます。

また、どの部屋にも全て大きさや形が異なるイスがあります。これは、1人1人の体の状態が異なるからです。

あなたは、床ずれのひどくなった『じょくそう』というものをご存知ですか?

よく、介護慣れしていない方や、分かってるくせにダメなへっぽこ病院が寝たきりの方々の体位変換をこまめにしないと、体のある部分(特に出っ張っている部分、尾てい骨のあるお尻など)がえぐれて肉や骨まで見えてしまう、傷痕のようなものをつくってしまいます。

車いすをいつも使用している方もいつも同じ部位がイスに当たっていることになるので、よっぽど体型にきちんと合った車いすで無いと『じょくそう』ができてしまいます。

だから、イスも1つずつ大きさも形も違うのですね。

フジノたちが館内を見学しているうちにお昼ごはんの時間になりました。

ごはんを食べることができる方々は食堂に集まって、ヘルパーの方々の介助をうけながら、おいしそうにごはんタイム。

僕の父のように胃に管を通している経管栄養の方々は別の部屋に集まって、流動食みたいな感じのベージュ色の栄養を点滴を行なうみたいにして食事を摂っています。

よく何も知らない方々から言われるのですが、「胃に管で栄養を入れるなんてかわいそう」です。

でも、そんなこと無いんですよ。

鼻から管を入れて胃まで入れる方法もありますが、それは実は感染症の危険が高くなったりデメリットがあります。

加えて、胃への経管栄養も、実は味覚があるんですよ。

僕自身が体験した訳では無いのに断言するのは良くないですが、胃に直接に栄養を届けるという場合でも、味覚が機能して味が分かる、と言われています。

もちろん満腹感もあります。

『ゆう』の職員体制

さて、お昼ご飯の後は、みなさん少し休憩タイムでした。

お昼ごはんと休憩タイムをつかって、フジノたちはみなさんにいろいろお話を聞かせていただきました。

こうやってみなさんと一緒に過ごしている時間が、視察の最も意味がある時間だと思います。

そして同時にフジノ自身にとって、最も大好きな時間です。

いつか市議を辞めたらたぶん僕は現場に戻ってくるのだ、とつくづく感じる時間です。

よく他の方々と視察に行くとこうしてフジノは置いていかれてしまうのですね(笑)。

(今回もそうでした...)

そんなフジノを見て、飯野施設長がひとこと。

「今、うちは職員を募集してますから応募しますか?」

ありがとうございます(笑)。市議を辞めたら、ぜひヘルパーからスタートしたいです。

実は『ゆう』の職員育成システムは、これまでフジノが見てきた福祉施設の中ではかなり厳しいです(厳しいと言っても怒鳴るとかそういう話ではありません)。

スタッフは85名(2005年7月1日現在)。

障がいのある方々とスタッフはどんな場面でも必ず1対1での対応を取ること、としています。

ヘルパーとしてまず働いて、そこで優秀だと認められたら

過ごしやすい、暮らしやすい、当たり前の場所をめざして

2階にあがると、お風呂がありました。

名前は『ゆうの湯』。

ゆうのお風呂(お風呂入り口)

フジノにとって意外でありうれしい驚きだったのが、高齢者の施設には本当によくある『つりさげ』式の移動機器が無かったこと。

介護が大変だからとか腰痛を避ける為にということで、機械を使って身体をつりあげて湯船へ持っていく、というものがあるんです。

それがありませんでした。

ゆうの浴室(お風呂)

そして、お風呂もいい感じでした。

サポートの大変さでは認知症の高齢の方々よりも困難な方々もいらっしゃるけれど、それでも『QOL』(人として生きていく人生の質の高さ)を追求していくという『ゆう』の姿勢が強く感じられました。

大型の特別養護老人ホームに見学に行くと、ベルトコンベア式というか、職員側の効率重視のために高齢の方々をイモ洗いするかのごとくに入浴させている所が現実にあります(もちろん横須賀にもあります)。

けれどもフジノは人生の最後半にそんな扱いをされるのは、本当にイヤです。もちろん今、現在だってイヤです。

だから当然のこととして、障がいがあるというだけの理由で人としてイヤな想いをするのは絶対にイヤです。

施設の見学をどんどん重ねていくと、例えば、今そこで実際にお風呂に入っている人がいなくてもふだんはどんなかが分かるようになってくるのですね。

『ゆう』のお風呂はとても良さそうでした。

『ゆう』の日常活動

『ゆう』ではふだんいろいろな活動をしています。

例えば、こんなですね。

  • 感覚知覚活動(さっき上で紹介した部屋もそうですね)
  • 機織り
  • 印刷
  • 音楽活動
  • 入浴
  • リズム体操
  • 社会見学
  • 季節の行事
  • 地域の行事への参加

その他にも、屋上を使って、プランターで花や野菜を育てたりもしています。

見学の間に親しくなったKさんに育てているお花を見せていただきました。

屋上のプランター(とてもきれい)

屋上からの見晴らしは、最高でした。

芦名というのはフジノが育った武山のそばなのですが、本当に山の緑が美しい場所です。その緑が見渡せる素敵な屋上は風が気持ちよく吹いていました。

Kさん、お花を見せて下さってありがとうございました。

グループホーム『はなえみ』

そして、今回最大の見学ポイント!

どうしてもフジノが見たかったグループホーム『はなえみ』です。

障がいの重い人こそ地域で当たり前に暮らせるまち、これが現在の福祉の流れです。

それを実現しているのが『はなえみ』です。

はなえみ全景(全景)

グループホームの多くはアパートなどを改築して作ったものなので、見学に訪れて朝に最初に『はなえみ』を見た時にはふつうの『隣の家』かと思いました。

とてもきれいで、かつ生活感のあふれるふつうの家(これが大切)でした。

ふだんグループホームというのは内部をあまり見学できません。

何故ならば、ふつうの家ですから。

あなたの家を例に考えれば分かりやすいですよね。あなたが暮らしている家を「政治家だから」という理由があっても見学なんて許可しないですよね。それでなかなか見学はできません。

けれども今回は、入居している方のご好意で、特別に見学を許可していただきました。ありがとうございます。

はなえみのロビー(ロビー)

玄関を入るとロビー。

この共有スペースに面する形で4つの個室があります。

さらにお部屋も見させていただきました。ありがとうございました。

木製の車椅子(木製の車いす)

とてもいい感じでした。

こういうグループホームがどんどん増えていくといい、増やしていかなければ、と思いました。

障害者自立支援法案の中ではグループホームの扱いに納得がいかないことが多いので、ますますこの法案が廃案になればよいのに、と改めて思いました。

飯野施設長と瀧川理事長とフジノ(左から、飯野施設長、瀧川理事長、そしてフジノです)

お2人にはお忙しい中、見学させていただきまして本当にありがとうございました。

これだけ素晴らしい施設を作り、運営することは、本当に大変なことだと思います。

日常的に全国からたくさんの視察が訪れていて『みなと舎』さんの活動は、高い評価を受けています。

こういう素晴らしい活動があることを、どうかこのまちのみなさんにはぜひ知ってほしいと思います。

そして、応援して下さい。

フジノはここで学んだことを今後の障がいのある方の福祉の向上に活かしたいと思います。

『ゆう』のみなさん、本当にありがとうございました!