【2014年本会議】「認知症」の方々と同じ福祉サービスを「若年性認知症」の方々も同様に受けられるようにすべきではないか

2014年9月9日・本会議
市長への一般質問

フジノの質問

3、福祉サービスの多くには年齢制限が設けられているが、要介護度の高い若年性認知症の方々も同じ要介護度の高齢者の方々と同じ支援を受けられるようにすべきではないか。
 
認知症は高齢者だけの疾患だと受けとめられがちですが、実際には若くして発症するタイプがあり、10代後半から65歳未満で発症した場合には若年性認知症と呼ばれています。調査によれば、平成23年1月現在、全国で3万8,000人、神奈川県内だけでも約2,700人に上ります。働き盛りの方が発症するため、御本人の症状そのもの困難だけでなく、配偶者や子どもたちの心理、経済問題を初め、社会生活にも大きな影響を与えてしまいます。また、世間の認知度も低く、公的な支援もいまだ十分ではない現状があります。

国としては、平成25年度に策定した認知症施策推進5か年計画、通称オレンジプランにおいて、ようやく若年性認知症への取り組みを明記しました。
 
一方、本市では既に数年前から当事者、家族団体と連携しながらさまざまな活動に取り組んできました。
 
そのような実績を持つ本市ですが、1つとても残念なことがあります。多くの福祉サービスには65歳以上が支給対象との年齢制限が設けられています。そのせいで若年性認知症の方々には受けられないサービスがあるのです。要介護度は高いのに、65歳以上か65歳未満かで受けられる福祉サービスに格差があります。65歳以上という区切りは、かつて若年性認知症の存在が知られていなかったころに設定されたもので、オレンジプランを初め若年性認知症支援の重要性が理解されつつある今、本市は若年性認知症の方々もひとしく同様のサービスを受けられるように、即刻改善すべきです。
 
そこで市長に伺います。
 
(1)65歳以上で要介護認定を受けておられる方々が受けられる福祉サービスのうち、若年性認知症の方々が現在は受けられないサービスには、どのようなものがあるのでしょうか。
 
(2)こうした福祉サービスを若年性認知症の方々が受けられない合理的な理由はあるのでしょうか。
 
(3)これまで若年性認知症への支援に積極的に取り組んできた本市だからこそ、年齢制限ではなく、要介護度の重さによって若年性認知症の方々も同じ福祉サービスを受けられるよう、即刻改善すべきではないでしょうか、お答えください。



市長の答弁

次に、要介護度の高い若年性認知症の方々への支援のうち、受けられない福祉サービス及びその合理的な理由については、福祉部長から答弁をいたします。
 
次に、若年性認知症の方々が高齢者と同様のサービスを受けられるよう改善すべきではないかという御質問をいただきました。
 
若年性認知症の方々は、働き盛りの年齢で発症することから、経済的にも厳しい状況に置かれている現状は理解をしています。

施策を行う上では、必要に応じて見直しを行っていますので、若年性認知症の方々の実態を把握するとともに、家族会等の意見を聞きながら福祉サービスの充実について検討していきたいと考えています。



福祉部長の答弁

まず、若年性認知症の方々が受けられない福祉サービスはどのようなものがあるかという御質問をいただきました。
 
本市の高齢者福祉サービスのうち、若年性認知症の方々やその御家族が受けることができないサービスは、紙おむつの給付、寝具丸洗いサービス、出張理容等サービス、家族介護慰労金の支給、シニアリフレッシュ事業などです。
 
次に、こうした福祉サービスを若年性認知症の方々が受けられない合理的な利用はあるのかという御質問をいただきました。
 
福祉サービスについては、高齢者施策や障害者施策の枠組みの中で事業を実施してきました。
 
若年性認知症の方々の実態が十分に把握できていなかったため、サービスの対象として検討されなかったところがあったと考えています。



フジノの質問

若年性認知症への支援のあり方についてです。
 
福祉部長から受けられないサービスの現状についてお聞きいたしました。

そして、合理的な理由はあるかという質問に対しても、これまではやはり若年性認知症という存在自体が十分知られていなかった。そのような中で仕組みのあり方についても、十分な検討が若年性認知症支援のあり方がされていなかったという御答弁だったと受けとめています。

そこで、再度市長に確認をしたいのですが、御本人、御家族の実態を把握し、検討していくとのことでした。具体的にはどのような形でヒアリングをし、そして、検討されていくのでしょうか。

そして、もしその成果が生かされるのであれば、それはいつぐらいからなのか。

僕はできるだけ早くに、これを実施してほしいと考えているのですが、ヒアリングの仕方、そして、その反映の仕方、スケジュールなどをお示しいただければと思います。



市長の答弁

この家族会のようなものが今立ち上がりつつある中で、その方々を中心にぜひヒアリングを重ねていきたいと、そのように思っています。

きょう御質問いただいての答弁でしたので、今の段階で、スケジュールをお示しすることはなかなか難しいですが、ただ、御家族の皆さんのことを考えれば、遅くする必要はないとは思います。



フジノの質問

ぜひヒアリングの場を設けていただきたいと思います。

今回この質問を行うきっかけになったのは、やはりある御家族からの御相談がきっかけでした。
 
現在、横須賀市では、家族向けの相談会も開催しているのです。これは他のまちではやっていないすばらしいことです。

でも、そこでは制度についてはやはり話せないのです。

御家族としての困り感やピア、家族同士の悩みは話せるけれども、こういった制度がどうも高齢者、65歳以上の認知症や要介護度の高い人は受けられるようだけれども、自分は受けられていない。

福祉部に聞いてみたら、やはり65歳未満で受けられなかったというような相談から始まっているのです。

ですから、家族の相談会の場ではなくて、こういった制度も必要だとか、そういうニーズの把握の場を、困りごとをお聞きするのは当然ですけれども、介護の苦労を家族相談の場で話し合う場ではない場で、ヒアリングをぜひしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。



市長の答弁

そのようにしたいと思います。