まちの政治家は、こんなことしてます


2007年12月20日(木)のフジノ(その1)
● 喜びは一瞬で消えて、やるべきことの多さに気持ちがまた引き締まる

 今日は、平塚市議会の最終日でした。
 全国初の自殺対策条例案ついに採決される日です。

 フジノは14日の委員会の傍聴に続いて
 本日も平塚市議会の傍聴に訪れました。

 『地域の自殺対策を推進する地方議員有志の会』からは
 フジノの他に
 東京都・江戸川区議の滝沢やすこさんと
 神奈川県・前大磯町議の大坂聖子さんも傍聴にかけつけました。

 先日、委員会を一緒に傍聴した
 大阪府・高槻市議会議員の川口洋一さん
 今日は傍聴に来たがっていたのですが来れませんでした。

 何故なら、高槻市議会の本会議で
 今日、一般質問を行なうからです。

 平塚市議会の運命の日に、高槻市議会でも
 自殺予防対策について一般質問を行なうとのことでした。

 みんな、離れていてもこころは同じ。
 平塚であれ、江戸川区であれ、大坂の高槻であれ、大磯であれ、
 もちろん横須賀であれ。場所はカンケーない。

 自殺対策に取り組む全国の仲間たちが
 平塚市議会の勇気ある取り組みに注目していました。


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 9時45分頃、フジノは平塚市議会に到着しました。

 傍聴席のみなさんにおじぎをしながら
 フジノは大蔵・平塚市長のどまんまえの傍聴席に座りました。

 本会議が始まる前、議会運営委員会が行なわれたとのことで
 ある傍聴者の方が

 「この議会運営委員会は定例のものなの?」

 と、心配そうにフジノに話しかけました。

 フジノは平塚市議会の議会運営委員会が
 どんなルールで開催されるのかは分からないので

 「きっと定例のものですよ。議案は大丈夫ですよ」

 と答えました。

 やがて開会時間が近づくと、本会議場に
 平塚市議のみなさんが続々と入ってこられました。

 フジノはお1人ずつにおじぎをしました。

 前回の委員会傍聴の時に引き合わせていただいた
 落合克弘・市議会議長が議長席に着くと
 ちょっとこちらを向いて、
 微笑みながら会釈をして下さったように感じました。

 この瞬間、フジノは

 「これは全会一致で条例案は可決だ!」

 と確信しました。

 あとは、平塚市議会議員のみなさんの決断を信じるのみです。


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 朝10時、本会議が始まりました。

 今回の平塚市議会では
 26本の議案(市長の提案25本と、議員提案1本)が審議されました。

 このうち23本目が、
 『平塚市民のこころと命を守る条例』案でした。

 もちろん他の議案も全てとても重要なものばかりなのですし、
 他都市の議会は参考になるのでメモをとりまくっていたのですが
 やっぱり気が気ではありませんでした。

 そして、1時間が過ぎました。

 やがて、ついにやってきました。

 全国初の自殺対策条例案である
 『平塚市民のこころと命を守る条例』案についてです。

 環境厚生常任委員長からの
 委員会での議論についての報告がなされました。

 続いて、報告に対する質疑はありませんでした。

 討論では、江口友子さん(平塚市議会議員)
 賛成の立場から発言を行ないました。

 遺族の想いにそった賛成討論でした。
 とても素晴らしかったと思います。

 そして、ついに、採決です。

 落合議長が言いました。

 「可決とすることにご異議はありませんか?」

 「なし!」

 全員一致で可決です。

 可決された瞬間、傍聴席に嗚咽が漏れました。
 フジノも存じ上げている、ご遺族の方でした。

 この方が流した涙は、この方だけの涙では無い、と感じました。

 これまで自殺に追い込まれて失われてきた平塚市民の
 当事者の方々とご遺族の方々の涙だと思いました。

 そして、この国で数えられないほど流されてきた
 あるいは、悲しみを押し殺すしかない為に流されずにきた涙を
 象徴しているのだと思いました。

 条例が可決されたことは
 大きな喜びでした。

 でも、それはフジノにとって、一瞬のことでした。

 かつて自殺対策基本法が可決された衆議院本会議の日と同じで
 喜びはわずか一瞬だけのことでした。

 その次の瞬間、これから成さねばならないことを想って
 気持ちが強くひきしまるのを感じました。

 平塚市議会のこの素晴らしい条例を
 フジノたち『地方議員有志の会』は
 必ず全国各地に広めていかなければならない。

 条例や制度をつくるのは当然のことながら、
 目に見える成果(自殺が減っていく)を出していきたい。

 いろいろなやるべきことが
 ものすごく多くのことがこころに押し寄せました。

 可決されたら拍手をしたいと思っていましたが
 喜びの気持ちはご遺族の涙と共に消えて
 強く強く気持ちが引き締まるのを感じました。

 僕たちが背負っている責任を大きさを改めて覚悟しました。


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 全ての議案と請願の採決が終わり、
 閉会を宣言する前に
 落合議長からひとことご挨拶がありました。

 1年間の議会活動へのねぎらいと共に
 この意義ある議員提案についての決意に満ちた
 お話がありました。

 さらに、大蔵市長からも一言あいさつがありました。
 同じく全国初の素晴らしい条例の議決に触れて

 「行政も施策の実現に取り組みたい」

 と明言しました。

 政治と行政、つまり市議会と市長とが共に
 自殺予防対策に打って出ると宣言されたのでした。



2007年12月20日(木)のフジノ(その2)
● 江口友子議員の賛成討論をご紹介します

 全国初の自殺対策条例案の採決の前に行なわれた
 江口友子議員による賛成討論
 (本会議場の議員のみなさんに賛成を説得する為の演説)を
 江口さんの許可をいただいてここに全文載せますね。


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 (12月20日・平塚市議会本会議での賛成討論)

 江口友子議員

 全国で初めての自殺対策の条例が
 まさに形になろうとしているところでありますので、
 ここで、改めて賛成の意見を申し述べるまでもないのですが
 いくつかの要望を付して意見を申し述べるために
 討論をさせていただきます。

 今月14日に行われました環境厚生常任委員会において
 同条例について審議がなされました。
 今の平塚市の自殺者の現状を踏まえて、
 条例についてのやりとりがなされました。

 環境厚生常任委員会審議のなかで

 「条文中に財政的措置そのほかの措置を講ずるとあるので、
  行政サイドに尋ねるが、
  財政的措置とは、どのくらいの金額のものになるのか」

 というご質問が出されました。
 これに対して、

 「自殺予防という観点から始めるとすれば、
  対策会議の設置をしていくことがあげられる。
  まずは、庁内関係各課で、自殺の実態を明らかにしないといけない」

 という趣旨の健康福祉部長からのご発言がありました。

 実態の把握は
 自殺対策をすすめてく上で非常に重要なことだと思いますが
 現状は、調査をしてから関係各課で対応を検討し対策をねる、
 という段階ではありません。
 待ったなしの厳しい状況にあると考えています。

 調査研究や実態の把握は非常に重要だと考えますが
 そのためだけに時間を費やさないでほしいのです。
 関係各課との調整も時間をかけようと思えば
 いくらでも時間がかかってしまうのではないでしょうか。
 若干の危惧を持っています。

 先月11月20日に議会運営委員会で自殺対策の条例提案が決定された
 その後の1週間あまりの間に、2人の市民の方から
 市内でおきた3件の自殺未遂の事例についての相談がありました。

 市内の自殺者数は、過去3年の平均で50人にのぼりますが、
 自殺未遂者の数も、実に多く 
 自殺者の10倍の自殺未遂者がいるといわれていますが、
 未遂の実態を含めて考えると
 改めて深刻な状況なのだと認識をしたところでありました。

 この3件の自殺未遂者の事例のうちのひとつは、
 プライバシーを配慮しお伝えするものですが
 私と同世代の子育て中の女性が
 市内の建物から飛びおりて救急車で運ばれたものの、
 けがの応急措置だけをして、帰宅しました。

 しかし、その後、精神的にひどく不安定になり
 経済的な厳しさも相まって、
 お子さんを抱えながら生活が立ち行かなくなってしまっています。

 1度自殺未遂をした方が再度自殺をしてしまう危険性は高いわけですが
 そうした認識のもとで、
 どうしたら一家の危機を和らげることができるか
 個別の事例に向き合うことがどうしても必要だと考えています。

 たとえば、この事例についていえば、
 飛び降りて救急車で運ばれた後、けがの処置をするので十分だったのか
 考える必要があるのではないでしょうか。

 自殺未遂者が市民病院に運ばれたとき、
 どういう対応をしているのか、何をするべきか、
 検討していく必要もありそうです。

 そうしたことが話し合われる場として
 この条例で設置をもとめている自殺対策会議が機能すれば、
 実質的に自殺対策がすすんでいくものと考えます。

 また、同条例第15条には、
 自殺者の親族に対する支援策を講ずることがあがっています。

 タブー視されがちな自殺について、自ら名乗り出る方は多くはないので、
 どういった対策が成立しうるのか疑問に思う方もあるかと思いますが、

 (本会議場では、ここに一文があったのですが
  事実と異なる点がありましたので、フジノの判断で削除させていただきます)


 また、横須賀市では、行政の取り組みとして
 精神保健福祉相談員が気持ちを聴く
 『自死遺族のこころの相談』を実施しています。

 私は、この秋、宮城県仙台市で
 『分かち合いのつどい』を主宰する自死遺族の会『藍の会』代表の
 田中さんにお会いして、お話を聞きました。

 『藍の会』では、遺族同士が集う分かち合いの会を開催しつつ、
 遺族の方の生活相談にも応じてくれています。
 ほかの民間団体や行政との連携を図りながら
 すぐれた自殺予防の活動になっています。

 この仙台『藍の会』代表の田中さんは、
 ご自分の息子さんを自殺によって亡くされた方ですが、

 「こまめに行政が、自殺についての学習会や講演会を開くことが大切だ。
  そこに集まった遺族の中には、
  同じように自殺によって苦しむ方を1人でも減らすために
  自分で何かしようとする方が出てくる」

 と自身の活動を振り返っておっしゃられました。

 行政がイニシアチブをとることで、
 そのことに共鳴して、動き出す市民がいるはずだ、というのです。
 非常に示唆に富んだメッセージだと私は思いました。

 同条例の基本理念にありますように、

 「市民がともに支えあう地域福祉の増進という観点を踏まえて」、
 医療などの専門家だけでなく、市民と行政と議会とで、
 粘り強くこのまちの状況に応じた
 自殺対策をすすめていければと強く思います。

 全国で初めての自殺対策の条例
 『平塚市民のこころと命を守る条例』制定を足掛かりにして、
 このまちの自殺者が年間に1人でも2人でも減らすことができるように、
 具体的な対策をすすめていければ、と願ってやみません。

 縷々申し上げてまいりましたが、
 平塚市民のこころと命を守る条例の賛成の討論とさせていただきます。



2007年12月20日(木)のフジノ(その3)
● ただの「言葉」が「法律」に切り替わった瞬間

 全国初の自殺対策条例が成立した瞬間を
 一緒に傍聴していた江戸川区議会議員の滝沢やすこさん
 こう表現されました。

 「フジノさん、立法ってすごく大事だと思いましたよ。

  6月から江口議員が一生懸命私案を作って、
  条例案を紙に書いていたけれど、あれはただの文字だったでしょう?

  でも、本会議場で採決を行なって
  可決された瞬間から

  ただの文字が法律になったんですよ!

  もう江口さんが書いたただの『言葉』じゃなくて
  平塚市民みんなに影響を与える『法律』になったんです。
  すごいことですよね!」

 まさに、おっしゃるとおりです。

 今回の条例が効力をスタートするのは
 来年の7月からです。

 でも、ただの『言葉』はすでに
 成立した『法律』へと生まれ変わりました。

 そしてこの『法律』は、追い込まれた末の死=自死の原因である
 社会的なあらゆる原因を叩いていく武器になったのです。

 立法、という言葉の意味を
 あらためて噛みしめた滝沢議員の言葉でした。

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 今回もおいしいカレーをいただきました。
 場所はもちろん平塚といえば『Mare』です。

 江口議員に
 お願いして

 滝沢議員にも
 ぜひカレーを
 食べてもらいたくて

 つれてきて
 もらいました。

 今日もおいしくてあまりにも安い(500円!)
 チキンカレー&スープをいただきました。



 おいしいごはんなのですから、
 作業所でつくっていても値上げしてください!

 障がいのある人たちがふらりと寄って食べやすい値段を、と
 お考えでしたら、どうか障がいのある方だけ割引をしてくださいませ。

 そのへんのレストランのカレーよりおいしいのですから
 適正価格で売らないと利益が出ないです。
 絶対に値上げしてくださいね!

 (読者のみなさまは意味不明だと思いますけれども
  障がいのある方々がやっていらっしゃる喫茶店って全国どこでも
  だいたい安すぎるんです。味はとてもうまいのに!

  みなさんとっても控えめな値段設定をなさっているのですが
  味は他のレストランに負けていないのですから
  ふつうの料金をとって、利益が出たら
  それを障がいのある方々のお給料にまわしてほしいのです。
  それで「値上げして!」って書いているのです。

  障害者自立支援法というダメ法律のせいで
  障がいのある方々の暮らしはよけいに厳しいのですから...)


● さあ、次は横須賀で勝負だ

 その後、江口さん(平塚市議会議員)の事務所で会議があって
 ゲストとして滝沢さん(江戸川区議)とフジノも
 参加しました。

 フジノはかねてからの持論である
 『企業会計の退職給与引当金計上の必要性』をテーマに
 熱く語ってきました。

 いやあ、しかし素晴らしかったのは
 江口さんの後援会のみなさんはすごく勉強熱心でした。

 退職給与の引き当てについてというのは
 財務や会計の知識が無いと
 なかなか分からないお話なのですが
 その重要性を一発で理解してくださって本当に感激しました。

 こういう日頃からよく勉強しているスタッフに囲まれているからこそ
 江口議員の政策能力は高いのだなあと納得しました。

 こんな政策中心で議論できる後援会ならば
 フジノも毛嫌いしないで後援会(=勉強会?)つくってもいいなあ。

 江口議員、江口事務所のみなさん、滝沢議員、
 ありがとうございました。そして条例成立おめでとうございました!


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 その後すぐに、滝沢議員は教育カンケーの対応の為に
 フジノは自閉症のあるこどものことへの対応の為に
 それぞれのまちへと帰っていきました。

 お互いにどのように対応すれば
 最善に近い効果があがるのかを議論しながら駅まで歩きました。

 こういう仲間がいてくれることって、
 本当に素晴らしいです。滝沢さん、本当にありがとうございます。

 やがて、JRの横須賀駅に着くと
 夕方の海が見えました。



 確かに横須賀は昔から軍港なので
 他のまちから来た方々は、

 「この船って何なの!?」

 と驚かれてしまうのですけれども、
 僕たちにはなじみの風景です。



 この景色を見ると、「横須賀に帰ってきたんだ」と改めて感じます。

 この景色を見ながらフジノは
 全国の自殺対策の為の政治家から
 横須賀の政治家へと気持ちをきりかえていくのです。

 さあ、がんばろう。


● 懐かしい友達との再会/アメリカ時代の友人たちと6年ぶりに会う

 ひとしごとを終えて、夜20時すぎに高田馬場へ。

 といっても、いつもどおり約束の時間には遅刻してしまって
 (政治家になるといつも急用が入ってプライベートは後回しなのですよ)
 6年以上ぶりの親友に再会する為に
 大急ぎで東京へ向かいました。

 高田馬場でのまちあわせ、
 といえばココです。

 『BIG BOX』

 今日の集まりは、
 アメリカのUCLAという大学に
 短期留学していた時に
 同じ寮(Hedrick Hall)で
 過ごした仲間のうち、
 日本人の友達の集まりです。

 6年ぶりに会う友達なのに
 実は今日、壮行会(お別れ会)なのです。

 彼は、来年1月からニューヨークへ転勤で
 短くても5年間は向こうで暮らします。

 金融機関の、ニューヨーク支店長代理、マンハッタン勤務。
 カッコいい肩書きだけど、激務だし、テロもすごく心配。

 写真を撮ってくれてる
 Aさんを含めて
 6名。

 欠席が多かったのが
 とても残念でした。

 フジノはアメリカにいた時は「絶対に日本人と話さない」と決めていて
 かなり長く英語だけしか話さずに
 日本人以外の人とだけ過ごしていたのですけれども
 気づいたらJapaeseの彼ら/彼女らとは仲良しになっていました。
 フシギ。

 でも、本当にgood guyたちなんです。

 日本に帰ってきてからも海外にいつもふらりと行っちゃうし、
 就職したらみんなすごい仕事してるし、
 肩書きもすごいし、
 でも全く偉ぶらないし、全員、すっごく性格がいい!

 超ひけめ感じまくりだよ、おれ。
 こういうスーパーマンみたいな人々って本当にいるんだよなあ...。
 おれは彼ら/彼女らの足元にもおよびませぬ。

 今日の主人公、ニューヨークに行ってしまうBくんは
 向こうで支店長代理になってからは
 部下がみんな外国人だそうです。
 でも、ジョークもうまいし、英語も完璧だし、きっとこなしてくれるはず。

 そんな話をしていると、写真を撮ってくれてたAさんは

 「部下が外国人だと、私も苦労したよ〜」

 って、Aさん、あなたは何の仕事をしてたんですか...。

 Aさんもまたすっごく気さくなのに
 スーパーウーマンです。

 来年からイギリスに長期いってしまうのですが
 剣道と書道が師範クラスなので
 イギリスで普及させてほしいとイギリスから依頼があって行くのです。
 親善大使かい...。

 他のメンバーもすごい性格はいい上に
 仕事もすごおくがんばっていました。

 1人は、つい先日まで中国でマーケティングやってたCくん。
 常に世界中を飛び回っています。

 Dくんは、昔からの夢をずうっと実現していて
 ロケット(本物です)をつくっています。

 Eさんは最年少なのですが、
 知らないうちに大学の先生になってました。

 おれなんてただの市議会議員だし...ひけめ感じまくり。
 東宝にいた方がカッコよかったよなあ〜。

 それにしても、6年ぶりに会ったのに
 Bくんは当時おれが話した下ネタを覚えているし
 女性陣がドン引きの話をUCLA時代と同じで話しまくってしまいました。

 平塚市の自殺対策条例が成立するまでは
 本当にフジノは緊張していたので
 この集まりでは逆に超リラックスしまくりでした。

 それにしても、さみしい。

 だって、やっと6年ぶりに再会できたのに
 またすぐ5年間もニューヨークに行っちゃうんだもん。さみしいよ。

 だからずうっとバカ話してました。
 しんみりした話は、したくない。

 きっと世界中のどこにいても
 今はメールもネットで顔を見ながらリアルタイムで話せるスカイプもあるし
 今までどおりに過ごせるとは思うんだけどさ、
 やっぱりもっとリアルで一緒に遊んだり過ごしたりしたい。

 でも、やっぱりさみしいよ。

 みんな偉くなっちゃったし、仕事の責任も重くなっちゃったから
 なかなかこのメンバーで再会はすぐにはできないんだろうなあ。

 おれはこれからも長生きしまくって
 みんなと何回も何回も会えるようにがんばろう。

 またみんなと一緒に楽しく過ごしたい。



2007年12月21日(金)のフジノ
● ハセガワミヤコさんライブ@江ノ島へ

 年末が近づいていますが、
 クリスマスとかお正月っぽいことを何もできていないですね...。

 季節ごとのイベントが大好きだったのに
 今年は何もできずに1年が過ぎてしまいました。

 そこで、今日は気分転換にライブに行きました。
 場所は、江ノ島のレストラン『イル・キャンティ・ビーチェ』です。

 なんと、このレストランで、
 フジノの好きな長谷川都さんがライブをやるのですね。

 (現在はお名前をハセガワミヤコさんとして活動しているのですが
  漢字の方がフジノ的になじみがあるので、
  このHPでは漢字で書きますね、ごめんなさい)


 CDはいつも聴いているし、HPもいつも読んでるのに、
 長谷川都さんのライブに行くのは
 なんとも3年ぶりになってしまいました。

 この2年くらい、本当に仕事以外で外出しなかったからなあ。
 やれやれ。

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 そんな訳で、今夜は17時すぎに横浜の病院を出て
 そこからまずJRに乗って、藤沢へ。

 藤沢から、何年ぶりか分からないくらい久しぶりに江ノ電に乗って、
 そして、江ノ島駅へ向かいました。

 夜だったから景色は見えなかったけど、
 やっぱり江ノ電はいいですね。



 駅から海へ向かって(風が強かった!)
 歩いて5分くらいのところに『イル・キャンティ・ビーチェ』はありました。

 江ノ島ってだけでもおしゃれな響きですが
 海辺のレストランはかなり素敵でした。

 もしも長谷川都さんのライブが無ければ、
 一生こんな感じのレストランと僕は縁が無かったなぁ。

 ライブよりも1時間も早く着いてしまいました。

 お店の入り口に近づくと
 中からは長谷川都さんの音楽が聴こえていました。

 「BGMを流しているのかな?」

 と思って、入り口のドアをあけると
 なんと入ってすぐ左側、わずか2mくらいの目の前で
 長谷川都さんがピアノを弾いていました。

 「おおっ、本人だ!」

 と見つめてしまったら、思い切り目が合ってしまったので

 「つーさん、こんばんは!」

 と、ひょっこりあいさつをしたら、
 ピアノを弾きながら笑顔を返してくれました。



 ライブ本番が始まる前の、まだお客さんがいない会場。
 プライベートな貸しきり状態でした。

 リハーサルのあいだ、長谷川都さんの歌の中で
 僕の1番好きな歌『愛ゆらら』も聴くことができました。うれしかった。



 ライブチャージなし(無料)で
 食事代だけでライブで聴けるなんて、とてもリーズナブル。

 しかも、長谷川さんの歌を神奈川で聴けるなんて
 いつも東京まで行かないといけなかったから、ラッキー。

 19時から始まったライブは、40分ほどで終わってしまったけれど
 リハーサルで聴いた曲はほとんどありませんでした。
 たぶんリハは21時からの2回目のライブの為だったのでしょうね。

 21時からのライブまでは居られなかったのですが
 実質的には両方とも聴けたような感じでした。

 それから、寒風の江ノ島から再び江ノ電に乗って
 鎌倉からJRに乗り換えて、横須賀へと戻りました。

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 長谷川都さんの歌、こちらのサイト(VAP)で、
 ちょびっと聴けますね。

 このサイトから流れてくる歌は、
 当然ながらレコーディングされたものなのですが
 ちょっとだけ、ライブでの歌との『違和感』をフジノは感じてしまいます。

 『違和感』って書くと、大げさになってしまうなあ。

 ふだん聴いているのもCDですし、
 しっかりと音源が積み重ねられて作られたアルバムで
 もちろん好きなのですが、

 初めて聴いて好きになったのがライブだったので
 やっぱり長谷川都さんの歌は、
 ライブで聴くのが1番好きだなあと思います。

 ライブかCDか、なんてことは語りつくされた話題なのですが
 ライブにしかない空気感は、CDからは伝わらないものですよね。

 長谷川都さんのライブの歌から僕が感じるものは、
 あえて言葉にするならば

  歩き続けたら、時には座って、空を眺めたりしたら
  また歩き出すことができるんだよ

 みたいなものですね。

 とても素敵な歌たちと空気感に包まれることができるライブは
 やっぱり本当にいいなあと再確認した今日のひとときでした。



2007年12月22日(土)のフジノその1
● 女性を暴行して逮捕されたアメリカ兵に罰金命令が出された

 12月2日に女性2人を暴行して逮捕されたアメリカ兵に対して
 横須賀簡易裁判所が
 罰金30万円の略式命令を出しました。

 (2007年12月22日・朝日新聞・朝刊より)
2007年12月22日朝日新聞

 深夜に仕事帰りの女性を駐車場につれこんで殴りまくって
 被害者の方のこころに殺されるという恐怖を永久に刻み込んでおいて、
 アメリカ兵はわずか30万円を支払えば
 許されてしまうとは...。

 「また殺人事件のくりかえしか!?」

 と、市民に大きな不安を抱かせた事件の発生だったのに
 この事件が書類だけのやりとりで終わってしまう簡易裁判所で扱われたことが
 そもそもフジノには大きな疑問です。

 この事件は軽微な事件ではないのに!


● 問題はこれからだ/アメリカ軍がどのような対応を行なうかが重要だ

 さて、この事件に対する日本側の司法は
 これで終わりました。

 法的なしくみがこんなもんだから、
 全く納得いかないけれども、法的にはこれで終わりです。

 けれども、本当に重要なのはこれからです。

 この暴行をおかしたアメリカ兵を
 アメリカ軍がどのように対応していくのか、これが重要です。

 (1)また、ふつうの業務に復帰する?

 (2)何らかの更正プログラムを受けさせる?

 もしも、アメリカ軍の扱いが

 「罰金を支払っておまえの罪は償われた。さあ、元の仕事に戻れ」

 というものならば、
 アメリカ軍は本音では何も考えていない、ということの証明です。

 実は、あの殺人事件をおかしたアメリカ兵も
 過去にアルコールで問題を起こしていたことが裁判中に明らかになりました。

 この時にもしもアメリカ軍がしっかりと対応をしていたならば
 殺人事件は起こらなかったのに、とフジノは思いました。

 今回の事件も全く同じです。

 アルコールに酔って通りがかりの女性2人を
 駐車場に引きづりこんで殴るような
 問題を抱えているアメリカ兵を罰金を支払ったからといって
 元通りにアメリカ軍側が受けいれてしまうのであれば、問題は繰り返されます。

 それではダメです。

 ふつうの人々は、アルコールに泥酔しても
 通りがかりの人を殴りかかったりはしません。

 フジノが12月議会の一般質問で訴えたように
 日頃から救いようのないくらい大きな孤独感や絶望感を抱えているような、
 ふとしたきっかけで鬱積した感情を爆発させてしまいかねない
 何らかの問題を抱えている人々がアルコールによって暴発するのです。

 だから、このアメリカ兵が抱えている問題を
 しっかりと更正させるプログラムを受けさせねばアメリカ軍はダメです。

 罰金を支払ったら終わりではない。

 むしろ、これからのアメリカ軍の対応こそが重要です。

 フジノは、この件については
 市の基地対策課を通じてアメリカ軍の対応を尋ねます。

 そして、その回答をまたこのHPで公開します。

 同じ過ちを2度と繰り返さない為の努力を
 本気でアメリカ軍がやる気があるのか。

 それが分かるのは、まさにこれからです。

 横須賀市民の命が守られるように
 これからもこのまちの政治家として厳しくチェックをしていきます。



2007年12月22日(土)のフジノその2
● 目の見えない方々も触わって美術を感じる彫刻展

 今日の雨は本当に寒かったですね〜。

 横須賀で雨がいったん止んだので傘を置いて出かけたら
 ざあざあと強い雨になってずぶぬれになってしまった1日でした。

 さて、今日のフジノは、藤沢市民会館を訪れて
 『手で触れて見る彫刻展』藤沢市点字図書館主催)行ってきました。

手で触れて見る彫刻展

 まずは、こちらの記事をご覧下さい。

 (2007年12月21日・朝日新聞・朝刊より)
2007年12月21日・朝日新聞・朝刊

 記事の写真のように、作品に手で触れて鑑賞することを
 このHPでは『触察(しょくさつ)』と呼びますね。
 (いろいろな呼び方があります)

 視覚障がいのある方々もそうでない方々も
 芸術作品をただ見ているだけではなく触れるという行動によって
 新しい理解の広がりや深まりが得られると言われています。


● 触れられる美術品がふだんからいくつもある美術館にしたい!

 そこでフジノは、

 横須賀美術館に『触察』ができる作品をいつも置くべきだ

 と、提案してきました。

 障がいのある方々も障がいの無い方々と同じように
 ふだんから美術にアクセスできなければいけません。

 すでに、横須賀美術館の学芸員の方々は
 オープン前からこうした重要性を意識してくれています。

 美術館開設準備室の時代から
 障がいのある方々と美術とのアクセスの機会を増やす為に
 イベントやワークショップなどを開催してきました。 

 ただし残念ながら、現在の横須賀美術館には
 『触察』できる作品が1つもありません。

 これからは、年1回の単発イベントではなく
 常設の作品展示をめざしていくべきだと考えています。

 それが横須賀美術館の個性として
 在るべき姿の1つだとフジノは考えています。

 これは、障がいのある方々の為だけに意味のあることではありません。

 例えばイタリアでは
 『触察』ができる美術館をめざす活動によって
 障がいのある方々の入場者数が増えただけでなく
 障がいの無い方々の入場者数も増加した美術館もあります。

 また、同時に、障がいのある方々の美術へのアクセスを高める、
 という美術館活動が
 社会全体のアクセシビリティを高める力があります。

 時間のかかる地道な活動ではありますが
 こうした側面の重要性からも、フジノは提案をしています。

 オープニング初年度の忙しさに埋没せずに
 横須賀美術館の学芸員のみなさんには
 ぜひこうした活動を積極的に進め続けてほしいです。


● 触察の、驚きと喜び

 さて、『手で触れて見る彫刻展』についてです。

約40の作品

 上の写真のように、約40点の作品が触れることができました。

 約1時間にわたって、目をつむってじっくりと
 フジノも作品に触れて感じてみました。

人の形をした作品

 『何か』に触れて、その触った感じから何かをイメージする、
 というのは、とても難しい作業です。

 これは、視覚障がいがある人もない人も同じです。

人の形をした作品を触る  例えば、人の形を
 すでに目からの情報として持っていれば
 作品のタイトルによって
 あらかじめ人の形をイメージして
 そこに手からの感触を
 情報として
 加えていくということができます。

 けれども、人の形が
 目からの情報として全く無い場合には
 全く別の形でイメージを
 ゼロから組み立てていく訳ですね。

 ですから、『触察』にはある程度の訓練が必要になります。

 また、作品そのものだけではなくて
 作品についての情報を加えるということも必要になります。



 上の写真の作品で言うならば、
 『馬に乗っている人』という情報がすでにイメージできるかどうか
 ということが大きなポイントになる訳です。

 『馬』とは、どういうものか?

 この情報が映像としてイメージが無いとしても
 触れていくことから得られる情報で
 『馬』というもののイメージが新しく得られるということでもあります。

 作品が人の顔のように
 ふだんの暮らしの中で
 接点が多い存在であれば
 分かりやすさは
 高くなると言えます。
 

 逆に、こちらの作品のように抽象性が高いと
 理解は難しくなると言えます。



 と言うのは一般論でして、実際にはとても難しい作業でした。

 まず目をつむらずに人の頭の彫刻を最初に見ておいてから
 改めて触れてみました。

 けれどもフジノは、触れるだけで
 この作品の全体像をこころの中で組み立てていくことは
 とても難しかったです。

 けれども、こうした行動を視覚障がいのある方々は
 ふだんから当然のこととして行なっている訳です。

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 今日のこの展覧会に来て、
 改めてこうした1つ1つの人間の認知活動への驚きと喜びを感じました。

 (認知、というのは心理学をはじめとする
  科学の大きなテーマでもありますしね)

 『触察』のできる美術の重要性については
 また別の機会にも、もっともっと説明していきたいと思います。

 触れる、というのは
 決して障がいのある方々の為だけでは無いからです。

 ぜひみなさまにも体験していただきたいと願っています。



2007年12月23日(日)のフジノ
● 山本孝史さんの死

 いい人から亡くなっていく。

 自殺対策基本法の生みの親である
 参議院議員の山本孝史さんが亡くなった。

 僕は、DVで大怪我を負わされたという方の相談をお聴きした後で
 パソコンに相談カルテを打ち込んでいた時、
 訃報が流れた。

 かなり厳しい闘病中だということも分かっていたけれど
 やりきれなくて、どうしようもなく涙がこぼれた。

 こんな素晴らしい政治家はいない。
 本当につらく、とても悲しい。


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