まちの政治家は、こんなことしてます


2009年2月3日(火)のフジノその2
● 「ソレイユの丘」問題に対する、市の最終報告書

 けさ、全市議会議員宛に提出された
 「ソレイユの丘」の諸問題に対する
 横須賀市からの『最終報告書』の全文を紹介します。


 (PDFファイルはこちらをご覧下さい。)

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 『パック野菜の製造年月日ラベルはがしに始まった
  長井海の手公園ソレイユの丘での諸問題に関する最終報告書』


 T これまでの経過等
 U 結果報告後の本市による調査実施状況
 V 事実に関する調査結果( 項目別 )
 W 事業者に対する処分の概要

 平成21年2月3日
 土木みどり部



 <T これまでの経過等>

 真空パック入りカット野菜の製造年月日ラベルを
 従業員がはがしていたことについて、

 平成20年11月12日(水)、PFI事業者として
 長井海の手公園ソレイユの丘の
 管理運営を担当している株式会社横須賀ファームが、

 新聞社の取材を受けたことから始まった本件に関しては、
 過日、本市等が行ってきた調査の結果を公表し、
 その中で、複数回にわたって「ラベルはがし」が行われていた事実や、
 裏づける証言等が得られなかったものの、

 消費期限が適切に意識されず、
 守られていなかった可能性があることを明らかにした。

 同年12月25日(木)に結果を公表した当該調査では、
 聴取等を行った人員も、従業員(現・元)、納入業者、
 デイキャンプ場利用者など、計37人を数えている。

 当該公表した調査結果

 「長井海の手公園ソレイユの丘において
 パック野菜の製造年月日ラベルがはがされた問題に係る報告書」では、

 同社に対し、
 証言等が得られなかった消費期限の遵守に係る事項について
 再調査を実施するよう求めたことを記したが、

 同社も確認が取れず、結果的には、
 本市が実施した元アルバイト従業員に対する聞き取り調査が、
 これを補完することとなった。



 <U 結果報告後の本市による調査実施状況>

 ・報告書公表後に実施した
  長井海の手公園ソレイユの丘の元従業員に対する調査

  平成21年1月13日(火)、
  緑地管理課主査、緑地管理課担当職員1名が実施

 「ラベルはがし」などが行われた当時、
 デイキャンプ場に勤務しており、
 事実を把握していると思われる元アルバイト従業員1名に対し、
 市役所本庁舎において聞き取り調査を実施。

 平成19・20年のデイキャンプ場営業期間中に勤務していたこと、
 「ラベルはがし」は平成19年から行われていたこと、
 魚介類の取り扱いでも、売れ残ったら再冷凍して保存するなど、
 不適切なものが多かったこと
 などに関する証言があった。

 聴取した内容は、次のとおり。

 ・ 当初、パック野菜の消費期限はなかった(と認識している)。

 ・ 一昨年(平成19年)も、「ラベルはがし」をしているのは気づいていた。

 ・ (はがすという行為について)自分は、はがしたくないと断っている。

 ・ 週末に残ったものをその次の週に売るには、はがすことになる。

 ・ 毎週に近いくらい、頻繁に行っていた。

 ・ 発泡スチロールの箱に入っていたものを、
   そのまま冷蔵庫に入れていたから、
   パックが“ぐずぐず”になっているものもあったが、
   廃棄したのは、10パックに満たないと思う。

 ・ (デイキャンプ場で)魚介類は流水で解凍するが、
   ショーケースに並べ、残ったら、
   もう1度、ラップにくるんで冷凍していた。

 ・ 再冷凍はどこでもしているものの、(質が落ち)商品としてはどうかと思う。

 ・ 昨年11月までのデイキャンプ場責任者は、
   (食品の状態に関する)見極めは確かで、傷んだものは廃棄していた。

 ・ 同社は、社員に対し、細かいことでも何かあると
   “始末書”を書かせていた。



 <V 事実に関する調査結果(項目別)>

 1. 「ラベルはがし」に係る問題について

 (1)行われた回数
 元デイキャンプ場責任者を含め、
 5人から「ラベルはがし」の事実があったことに関する証言を得ており、

 うち3人は、一昨年からたびたび行っていたことを認めているほか、

 他に1人が、今年度中に
 複数回の「ラベルはがし」があったことを証言している。

 これらの証言から、かなりの頻度で
 「ラベルはがし」が行われていた事実を確認している。



 (2)行われていた期間

 前述のとおり、
 複数の証言が一昨年から行われていたことを明らかにしており、

 特に元デイキャンプ場責任者は、
 自身が一昨年の大型連休明けから行っていたことを証言している。

 この時期については、他に1人が、
 これを裏づけるような証言を行っている。

 したがって、これらの証言から、
 「ラベルはがし」が平成19年5月から平成20年7月までの間、
 断続的に行われていた可能性の極めて高いことが確認されている。



 2.消費期限切れパック野菜の利用者への提供について

 これまでの聞き取り調査等の結果、
 パック野菜の消費期限が適切に意識されておらず、

 アルバイト従業員は消費期限を認識していなかったほか、
 元デイキャンプ場責任者も1週間を目安に提供していたと述べている。

 この“1週間”という“期限”については、
 他に1人が、これを限度と認識しているような発言を行っており、
 一部、裏づけられるような内容の証言を得ている。

 このことから、加工業者が定めた消費期限が守られず、
 当該消費期限を超過したパック野菜が利用者に提供されていたことは、
 事実と推定される。



 3.食材の取り扱い等について

 新聞報道では、
 肉類の解凍・再冷凍の繰り返しや、
 魚介類の取り扱いについて述べられている箇所があったが、

 聞き取り調査等においても、
 肉類の解凍・再冷凍の繰り返しなどに関する真偽については、
 証言として確認ができず、

 他方、事業者の説明からは、問題となるような点は見受けられなかった。

 また、

 「多少、危なそうでも利用客に出していた」

 と報道された点については、傷んだものは廃棄していたとの証言が、
 複数得られていることから、事実とは確認していない。

 したがって、デイキャンプ場における食材の取り扱い等については、
 一部証言があったものの、新たに確認された事実はなく、
 明らかな問題があるとまでは言えないと判断する。



 4.事業者(組織)としての指示の有無について

 元デイキャンプ場責任者は

 「会社からの指示はないが、会社の雰囲気や
  在庫管理等に関するやり方から、やらざるを得なかった」

 と述べており、聞き取り調査等において、
 一部確認を要する部分があるものの、
 事業者が直接指示しているような確証は得られなかった。

 しかしながら、今回の「ラベルはがし」に関する件は、
 同社外食部門の一部であって、
 独立して食材の発注、管理等を行っている「デイキャンプ場」が
 引き起こした問題であることから、

 この意味では、ひとつの部門(組織体)が関与していたとも言える。

 事実判明以降、本市が継続的に行ってきた聞き取り調査では、
 複数の従業員等が“会社”に対する不満等を述べており、
 これが問題発生の遠因であると思われるも、

 市としては、
 事業者の直接的な関与があったとまでは言えないと考えている。

 これらのことを総合的に勘案すると、
 事業者(組織)による当該行為等に関する命令はなかったと思われ、
 直接の指示はなかったと判断する。




 <W 事業者に対する処分の概要>

 既に市は、昨年12月25日(木)、一部事実の判明後、
 本市等が行ってきた調査結果

 「長井海の手公園ソレイユの丘において
  パック野菜の製造年月日ラベルがはがされた問題に係る報告書」

 を公表している。

 この報告書の中で、
 株式会社横須賀ファームが行った内部調査等の対応が
 じゅうぶんではなく、誤った内容の調査報告がなされたため、

 本市が行った報道機関や市議会などに対する説明も
 著しく正確さを欠くものとなったことを述べている。

 このことが事実の判明を遅らせ、
 更には、本市を通じ、市民や長井海の手公園ソレイユの丘の利用者、
 そして市議会に対しても、誤った情報を提供してしまったことから、

 内部調査などの対応に不備を生じさせた同社の姿勢等に関して、
 勧告を行わざるを得ないと判断したことを明らかにした。

 今回は、この最終報告において、
 その後に行った本市による調査の結果と、
 同社から提出されている報告書の内容を統合的に把握し、

 勧告の対象となる事実の特定を行うとともに、
 その理由を明らかにしなければならないと考えている。

 まず、前回公表の報告書において、
 「内部調査などの対応に不備を生じさせた同社の姿勢等」が
 対象であることを明記したが、

 市は、このことが最も重要な部分であると考えている。

 本件事案については、事業者が
 「デイキャンプ場」というひとつの部門の状況を把握しておらず、

 新聞社からの取材を受け、一部の事実が判明した後も、
 適切な調査が行われなかったことが直接的な原因であり、

 報道記事掲載後も、その重要性を認識せず、
 市民や利用者などに対する説明責任を怠ったことなど、

 その姿勢自体が問題であると捕らえている。

 本市からの委託を受け、自らの事業として行っている
 「デイキャンプ場」の管理運営事業において、
 適正な管理、運営等がなされていなかったことは重大な問題であり、

 事業者が、本市と締結した特定事業契約に基づいて
 負っている維持管理責任を果たしていないと判断するものである。

 結果として、当初の説明とは異なり、
 複数回の「ラベルはがし」が行われ、

 その期間も、平成19年5月以降、
 2年度にわたっていた事実が確認されたほか、

 加工業者が定めた消費期限を超過したパック野菜を、
 デイキャンプ場利用者に提供していたことが推定されており、

 損失の回避や欠品発生による混乱防止を重視するあまり、
 事実を正確にとらえ、市民や利用者などに対する
 誠実で、真摯な態度が見られなかったことは、無念の極みである。

 しかしながら、現場の責任者も
 食品の状態を見極めて提供していたとのことであり、

 事業者としても、事実判明後はラベルの表示内容の適正化を図るとともに、
 従業員に対する指導を強化するなど、是正措置を行っている。

 これらのことも斟酌し、
 以上のような事実と理由から総合的に判断して、
 同社に対し、勧告を行うことを決定した。

 PFI事業として実施されている「横須賀市長井海の手公園整備等事業」は、
 事業者と締結した特定事業契約に基づき、
 平成26年度まで、同社による維持管理運営業務が
 なされることになっている。

 ゆえに、本市としても、本件事案の発生を教訓とし、
 監視体制の強化を進めるとともに、

 同社に対しては、
 早期に同公園の維持管理運営業務の正常化が図られることを期待しており、

 前回公表の報告書と同様に、
 引き続き、継続的改善を行い、質的向上を図る体制を構築するなど、
 抜本的な再発防止策の実施を求めるほか、

 本件事案によって明らかになった問題の解決に真摯に取り組み、
 市民や利用者の信頼回復を得られるよう行動することを、
 強く求めるものである。


 (引用、終わり)



2009年2月3日(火)のフジノその1
● ソレイユの丘を運営する「横須賀ファーム」に業務改善勧告

 けさの神奈川新聞に、長井海の手公園(ソレイユの丘)での
 野菜パックなどの消費期限をごまかしていた問題について
 次のような記事が報じられました。

 (2009年2月3日・神奈川新聞より)

 画像では記事が読みづらい方の為に 
 全文を引用します。

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 「横須賀ファーム」にきょう業務改善勧告

 横須賀市の「長井海の手公園(ソレイユの丘)」野外バーベキュー施設で、
 市が指定管理者に選定している「横須賀ファーム」の従業員が

 真空パック野菜の製造日ラベルをはがしたり、
 消費期限切れ野菜を提供したりしていた問題で、

 市は3日、同社に業務改善勧告を行う方針を固めた。

 再発防止に向け、書類による提出を求めるもので、
 同社幹部らへの処分などは行わない方向。

 同市が指定管理者に業務改善勧告を行うのは
 極めて異例。

 勧告が出され、ペナルティーポイントが加算されると
 罰金などが課せられるが、
 今回はそうしたケースには至らないとみられる。

 契約に基づき、同社は市に対し、
 業務改善書を提出することが義務づけられる。

 市土木みどり部では、
 同社が利用者を裏切った行為を重く受け止め、

 「妥当な処分だ」

 と説明するとともに、

 「抜き打ち調査をするなど、今後も同社の姿勢を注視したい」

 と話している。

 (横須賀支社)
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 引用、終わります。

 けさ、9時06分、神奈川新聞社の報道どおりに
 全市議会議員宛に、横須賀市から報告書が出されました。

 その報告書については、次回、全文を載せますね。


2009年2月2日(月)のフジノ
● 自死遺族の支えあいの会に参加しました

 今日は、『自死遺族の支えあいの会』へ参加しました。

 フジノは政治家としてではなく
 個人として参加しました。

 今日は、泣けて泣けてしかたがありませんでした。

 10年単位での取り組みでなければ
 自殺を減らすことができないという先進諸国の実態を
 『アタマ』では理解しつつも

 フジノが政治家として活動してきたこの6年間で
 いまだ自殺を減らすことができていない現実を前にして
 『こころ』の中ではいつも
 激しい自責の念と
 強い自己嫌悪を抱いていることが

 はからずも爆発してしまいました。

 昨日報告したとおりでフジノは
 自殺対策の地方議員有志の会の代表を辞任したのですが
 その重責から解放されたこともあって
 思わず安堵感から
 涙があふれたのかもしれません。

 いずれにしてもこの『自死遺族の支えあいの会』は
 僕にとっても安心して涙を流すことができる
 数少ない場であるのは事実です。

 かつて会の様子や雰囲気を記しましたので
 参加を悩んでおられる方に
 参考にしていただければと思います。

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 この会は、2か月に1度のペースで開催されていますので、
 2008年度は今回で最終回となります。

 もちろん4月以降の2009年度も
 横須賀市は自死遺族のわかちあいの場を持ち続けます。

 なかなか平日の午前中という時間帯に
 参加できない方々もいらっしゃると思いますが

 今後も工夫しながら開催をしていきますので
 どうか、1人でも多くの方に
 ご利用していただきたいと願っています。
                           

● ありがたいメールに感謝しています

 東北地方のある県に暮らしている方から
 メールをいただきました。

 たまたま仕事で横須賀市に出張していた数年前、
 横須賀中央Yデッキで
 フジノの議会活動報告チラシを受け取ったそうです。

 それ以来、ずっと憶えていて下さったそうです。

 今ではその方は、自殺を防ぐ為の
 相談活動に従事していらっしゃるとのことでした。

 フジノのチラシが直接のきっかけで
 その方が相談員になることを決めた訳ではありませんが

 本当にありがたいメールをいただきました。
 こころの底からとても感謝しています。
 ありがとうございます。

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 この2〜3年は、フジノの影響を受けて
 精神保健福祉士になった、とか、
 福祉の道を進む決心をした、というメールを頂くことが増えて

 そのたびに、大きな感謝の気持ちを感じます。

 福祉業界の仕事はとても尊い仕事であるにも関わらず
 決して待遇は良くありませんし、体を壊すことも多々あります。

 先日も、ある方から
 残念だけれども腰を痛めてどうにもならないので
 福祉業界を去る決心をした、とのお話をうかがいました。

 そんな人手が常に足りない福祉の世界に
 新たに一緒に参加してくれる方々がいらっしゃることに
 フジノはこころから感謝せずにはいられません。

 特に、自殺予防対策に取り組む人材は
 全く不足しています。

 一緒に闘ってくれる仲間が1人でも増えることは
 フジノにとって、とてもこころづよくて、
 大きな感謝の気持ちを感じています。

 本当にありがとうございます。


● 朝ズバの取材、父の転院先さがし

 午後は、TBSの『みのもんたの朝ズバッ!』から
 取材を受けました。

 取材内容は書くことができないのですが、
 フジノHP・ブログをじっくりと読んで下さった上での取材でした。

 こんな細かい政策についても
 掘りさげて取材してくれる記者が存在することに
 うれしい驚きでした。

 また、夕方に吉報が入りました。
 本当に長く厳しかった父の転院先探し
 どうやら、ようやくゴールが見えてきたような感じがします。

 金銭的な負担が減ることは全く無いのですが
 ようやく僕はおやじを
 神奈川県内に連れて帰ってくることができそうです。
 あと1か月ほどが勝負だ。がんばろう。



2009年2月1日(日)のフジノ
● 自殺対策の地方議員有志の会の代表を辞任しました

 『地域の自殺対策を推進する地方議員有志の会』の定例会を
 本日、開催しました。

 その最後に、フジノは
 『代表の辞任』を申し出ました。

 あらかじめ、メーリングリストでもその旨をお伝えしていましたので、
 今日、参加者のみなさまに正式に了解していただきました。

 新しい代表には、かねてから熱心に自殺対策にとりくんでおられる
 高槻市議会議員の川口洋一さんに就任していただきました。

 今後、フジノは一切の役職には就かずに
 いち地方議員として自殺対策を推進する活動を続けていきます。



 2006年6月1日
 『有志の会』をスタートしてからの2年8ヶ月間、

 この国の自殺対策を推進していく為に
 代表としてフジノは
 自分が「正しい」と信じる道を
 どこまでも徹底的に貫かせてもらいました。

 そして今、最後に「正しい」と考えた選択肢が
 在任が長くなりすぎた代表職を自ら辞めることでした。

 自殺予防対策はわが国ではスタートしたばかりなので
 ある程度は軌道に乗るまで
 『カリスマ的な存在』が
 どうしても必要なのかもしれませんが

 どんな組織であっても、同じ1人が代表を長く続けることは
 活動の停滞や陳腐化をもたらしてしまいます。
 時には、確執やしがらみをも生み出します。

 組織は常に自ら生まれ変わっていくことで
 より良い姿へと発展していくのだとフジノは信じています。

 そして、常に自殺対策を前へ前へと進めていくことが
 フジノ自身の人生をかけた最大の目的である以上、

 代表として自分が存在し続けることよりも
 新しい力に新しい風を吹き込んでほしいとフジノは願いました。

 もしも日本の自殺対策の歴史があるとするならば
 自殺対策基本法が成立するまでが
 きっと第1世代と位置づけられると思うのです。

 フジノはこの第1世代に属しています。

 けれども、わが国の自殺対策はすでに
 第2世代、第3世代とも呼ぶべき活動を担う人々が現れてきています。

 基本法の成立前にはありえなかった
 新しい素晴らしい取り組みを
 第2世代、第3世代が始めてくれています。

 第1世代は新しい世代をしっかりと見守りつつも
 少しずつ新しい世代へと役割を交代していくべきだと
 僕は感じています。


 わがままばかりを言い続けたフジノを
 約3年間にわたって支え続けて下さった副代表をはじめとする
 有志の会のみなさまには感謝の想いでいっぱいです。

 ご協力いただいた他の団体のみなさまにも
 改めて在任中のご厚意に感謝しています。
 ありがとうございました。

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 『有志の会』は、新しい代表のもとにさらにパワーアップして
 もっともっと積極的な活動を繰り広げていくことになるはずです。

 特に、自殺が初めて3万人を超えてしまった1998年よりも
 もっと厳しい経済・社会状況にある2009年の今、

 絶対に自殺を増やさない、むしろ減らすのだ、という固い決意を持って
 有志の会メンバーはみんな活動をしています。

 地域の自殺対策を推進する地方議員有志の会の
 今後の活動にどうかご期待ください。



● この約3年間を個人的にふりかえって

 辞任した今だからこそ率直に書けるのですが
 代表としての日々をふりかえると、
 個人としては本当にとてもつらくて長い3年間でした。

 何よりもつらかったのは、
 マスメディアの取材とその報道の影響でした。

 『有志の会』設立の記者会見をはじめ、
 現在に至るまで、本当にたくさんの取材を受けてきました。

 もちろん、有志の会のミッションや活動を知っていただく為に
 マスメディアとの良好な関係を築こうと努力をしてきました。

 多くのメディアが好意的に取りあげてくれて
 実際に事態がいくつも良い方向へ進んだこともありました。

 ただ...。

 元恋人を自死によって亡くしたことが理由で
 政治家に転職する決心をした、という
 極めて個人的な想いを

 設立(代表就任)と共に
 全国に向けて公に発表せざるをえなかったことは

 私人としてのプライバシーを全てあきらめるという
 僕個人だけのダメージで
 とどまることはありませんでした。

 いつもいつも、彼女のご家族のことが心配でたまりませんでした。

 取材を受けて、根掘り葉掘り質問をされて、
 一生懸命に答えた僕は、
 それから何日間も立ち直れないようなユウウツな気持ちになって

 ようやく気持ちが落ち着いてきた頃に今度は、
 発行されて活字になって、放送されて、ネットにのって
 再び自分の傷口を広げて見せつけられるのです。

 これらは全て覚悟の上のこととは言えども
 やはり僕も生身の人間なのでとてもつらくて

 安定剤を飲んでみたり、仕事をキャンセルして長く眠ってみたり、
 カウンセリングを受けたりしながら、そうした取材を受け続けました。

 でも、僕はまだ公人だからと割り切ろうとすることができるけれど
 彼女のご家族はみなさん大丈夫だろうかと
 いつもいつも葛藤して、苦しみました。

 このまちのような小さなまちでは
 僕の元恋人なんてすぐに特定されてしまいます。
 何通ものひどい中傷のメールを僕は受け取りました。

 そんな状況の中、
 ご家族は政治家でも公人でも何でもないのに

 僕が語る言葉のせいで、
 僕以上に苦しみを感じているのではないか、と悩みました。

 連絡をとるたびにいつも「大丈夫だよ」とご家族に言っていただいても
 それは僕の活動に気を遣っての
 優しさからの言葉なのではないかと
 いつもいつも迷い続けました。

 僕は、彼女のお墓を訪れるたびに

 自殺対策基本法は
 彼女をはじめとする犠牲者の人柱のおかげで成立したのだと
 こころに刻み込んできました。

 この法律を全国の市町村が武器にして
 自殺対策を推進していくのだ。

 そして、僕は身を粉にして働き続けて
 このまちから自殺を限りなくゼロにすることだけが
 唯一、僕がすることのできる供養なのだ。そう受け止めてきました。

 残念ながら、約3年間の在任中には
 日本全体の自殺を減らすこともこのまちの自殺を減らすことも
 実現することができませんでした。

 10年単位の活動が必要だとアタマでは理解していても
 毎年、減らない自殺の統計が発表されるたびに、
 本当に悔しくて悲しくて、自分の活動が足りないのだと感じました。

 この気持ちは決して代表を辞めたら終わるというものではなく、
 政治家である限りは永遠に続く感情なのだと思います。

 それでも激しい自責感は、代表という重責からの別れとともに
 もしかしたら少しだけ変わるのかもしれません...。



2009年1月31日(土)のフジノ
● リカバリー推進フォーラム(仮称)の企画委員会へ

 精神障がいのある方々のリカバリーを実現する為に
 全国で活動している精神保健福祉に関わる全ての方々に向けて

 『第1回・リカバリー推進フォーラム(仮称)』

 が、今年の夏、開催される予定です。

 当事者、ご家族、専門家、市民、などなど
 全ての立場の方々を対象に
 あらゆる団体や組織の垣根をこえて

 一緒にリカバリーの理念を考えて、
 リカバリーの理念を全国に広めていく為の方法を議論すると共に、
 全国的なネットワークをつくっていくことが目的です。

 今夜は、その初めての企画委員会が行なわれました。

 『リカバリー』の実現という大きな想いのもとに
 あらゆる人々が立場を超えて集う、素晴らしいフォーラムになりそうです。



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 企画委員会は、すごいメンバーがそろいました。
 (これからもメンバーは増える予定です)

 委員長に高橋清久先生(国立精神・神経センター名誉総長)を筆頭に

 団体として参加している委員は、

  ・NPO法人全国精神障害者団体連合会

  ・社団法人日本精神科看護技術協会

  ・NPO法人全国精神障害者地域生活支援協議会

  ・NPO法人全国精神障害者就労支援事業所連合会

  ・全国精神保健福祉相談員会から2名

  ・社団法人日本精神保健福祉士協会

  ・NPO法人地域精神保健福祉機構


 個人として参加しているのは、

  ・横浜市立大学大学院医学研究科精神医学部門の
    加藤大慈さん、佐伯さん

  ・こおりやまほっとクリニックの白潟光男先生、

  ・精神医療サバイバーの広田和子さん、

  ・WRAPファシリテーターの増川浩信さん、

  ・福智クリニックの福智寿彦先生、

  ・日本社会事業大学教授の大島巌先生、

  ・国立精神・神経センター精神保健研究所の伊藤順一郎先生、

 です。

 なんと、この企画委員会に、市議会議員としての立場で
 フジノもメンバーとして入っています!


頂いたお弁当を食べるフジノ

 感動、というか、感涙...。

 こんなすごいメンバーと精神保健福祉の為に
 一緒に働くことができるなんて
 フジノのこの先の人生で、もう2度と無い気がします。

 企画委員会のメンバーに選んでもらえたことを
 こころから誇りに感じます。とても光栄です。

 8月の開催に向けて時間は無いのですが、
 参加したみなさまに元気になってもらえる素敵なフォーラムになるように
 フジノも全力を尽くします。

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 ここから先は、企画委員メンバーとしてではなくて
 フジノ個人の想いです。あくまでも私見です。

 かつて、まだ全家連(全国精神障害者家族会団体連合会)があった頃、
 リハ会議という、あらゆる団体の垣根を超えて集える場がありました。

 かつて20年間で18回も開催されたリハ会議ですが
 フジノは参加者としても何回も参加しましたが
 大学時代にはボランティアとしてお手伝いをさせてもらいました。

 参加者の方々を会場の誘導をしたり、
 車椅子でいらした方々を分科会場へと一緒に移動したり。

 裏方で見ているとよけいにハッキリ分かったのですが
 みんなですごく激しい議論をしたりするのですが

 リハ会議から帰っていく方々は、とても笑顔だったのです。

 僕自身も参加者として参加した時には
 あんなふうに笑顔で帰っていったのだと思います。

 そのリハ会議も、全家連の解散と共に消滅してしまいました。
 団体や組織の垣根を超えて
 みんなが集えるような場が消えてしまいました。

 あの頃のリハ会議がキラキラとした思い出として
 僕のこころに強く印象に残っています。

 かつて、精神障がいとの出会いの中で
 情報も何も無くてどうしたら良いか分からずに迷い苦しんでいた
 高校時代〜大学時代のフジノは

 全家連やリハ会議の存在によってとても励まされて、
 また明日もがんばって生きていこうと思えたのです。

 かつての僕と同じように
 今もそんな風に迷い苦しんでいる人々がたくさんいるならば

 あの頃のリハ会議が持っていた熱気や元気や笑顔やハッピー感を
 この『リカバリー推進フォーラム(仮称)』のスタートによって
 提供できる場が
 復活できたらいいなと願っています。

 いや、必ずそうなるはず!そうする!
 これだけすごいメンバーが集まっているのだから。

 これから7ヶ月、全力でがんばろう!



2009年1月30日(金)のフジノ
● やはり総理は自殺対策の重要性を理解していなかったか

 今日の参議院・本会議での
 尾辻秀久さん(自由民主党)の代表質問は、感動的でした。

 ぜひインターネット中継でご覧いただきたいと思います。

 かたや、それに対して答弁を行なった麻生総理の
 あまりにもそっけない答弁は

 残念ながらフジノの昨日の指摘
 当たっていたことを示していると言わざるをえません。

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 (画像は、09年1月31日・毎日新聞・朝刊より抜粋)

 以下、代表質問と答弁を引用します。


 <尾辻秀久議員の代表質問>

 1年前に私は2日続けてこの壇上に立たせていただきました。
 最初の日は今日と同じ代表質問でありました。
 次の日は山本孝史先生の哀悼演説でありました。

 先生が尾辻に頼んでほしいと言っておられたとお聞きをいたしましたので
 お引受けしたのでありますが
 お見苦しいところをお見せしてしまい
 申し訳なく存じております。

 先生の1年忌の質問でもありますので
 型破りではありますけれども

 山本先生が大変心配しておられたにも関わらず
 今日の状況がさらに悪くなっている問題について
 まず質問をさせていただきます。

 山本先生を中心にして
 私たちは自殺対策基本法を制定いたしました。

 今、日本では年間3万人の方が自殺で亡くなっておられます。
 総理が施政方針演説で述べられたとおりであります。

 3万人と言いますと東京マラソンの全出場者の数であります。
 この10年間で30万人、毎日90人もの方が
 自ら命を絶たざるを得ない状況に追い込まれています。

 自殺する人の数が急に増えたのが
 平成10年の3月だったということを
 総理にぜひ知っておいていただきたいのであります。

 つまり、北海道拓殖銀行や山一証券が破たんした年の年度末、
 決算期に月の自殺者の数が1.5倍に急増し
 年間では8000人以上も増えたのです。

 今日の状況は平成10年よりもっと深刻であります。
 このことを大変心配いたしております。

 『自殺実態白書』によりますと
 自殺は4つの原因が重なって起きており
 そのきっかけとして1番多いのは経済的な理由です。

 まずわたくしたちは人の命を救わなければなりません。
 自殺者統計の緊急公表など万全の対策をお願いいたします。

 総理、ぜひ1度自殺の多い東尋坊や秋田で活動している
 ボランティアの方々の生の声をお聞きください。
 お聞きいただけますか、というのが
 最初の質問であります。

 お聞きになれば総理も
 じっとしてはおれなくなると存じます。

 <麻生総理の答弁>
 尾辻議員の質問にお答えをいたします。
 まず最初に自殺防止に取り組む民間ボランティアについての
 お話がありました。

 10年を通じて連続3万人以上というのは
 異常であります。

 政府におきまして自殺状況を深刻に受け止め、
 施政方針演説でも初めて
 自殺対策の重要性を
 申し上げたところであります。

 今後も有識者会議など
 自殺防止に携わる民間の声をうかがいながら

 アンテナを高くし
 自殺対策を全力で推進してまいりたいと考えております。

 (引用、終わり)

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 それにしても、施政方針に対する代表質問の冒頭で
 このような形での質問をして下さった
 尾辻秀久さんには、とてもこころを打たれました。

 もともと尾辻秀久さんは、超党派の国会議員でつくる
 『自殺対策を考える議員有志の会』の会長を勤めておられます。

 自殺対策基本法が提案・成立する過程においても
 故・山本孝史さん(民主党)と共に活躍して下さいました。

 かつて、障害者自立支援法が提案された時の
 厚生労働大臣であった尾辻さんに対して

 フジノは反対の想いを
 直接に伝えさせていただいたことがあります。

 その時もじっくりとお話を聞いて下さった
 尾辻大臣の実直な人柄に、
 法案には絶対に反対であったフジノも
 個人的にとても好感を抱いたのをよく覚えています。

 フジノは政府・与党の政策には全く賛成できませんが
 自民党の国会議員の方々の中にも
 立派な活動をしておられる方が
 何人も存在することを理解しています。

 くだらない政局の争いではなくて、
 こういう方々のしっかりとした政策や活動が
 政治家としてしっかりと評価される/報道されるような
 そんな社会になってほしいと願っています。

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 さてさて、麻生総理の答弁では
 自殺防止に取り組む民間団体の方々に
 「会う」のか
 「会わない」のか
 全く意味不明の答弁でした。

 ぜひとも東尋坊でがんばっている茂さんや
 秋田県の佐藤久男さんに直接お会いしてほしいです。

 麻生総理、ぜひお願いします。


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