議会では、こんなやりとりしています


2004年・6月議会での一般質問(3)





















 (2)地域で働いていくために。

 住むことに続いて大切なのが働くことであり、
 「福祉のまち、よこすか」は、
 障がいを持つ方々をこそ
 納税者にできるまちでなければいけません。

 <質問1(2)ア>ヴェルニー公園のカフェについて

 ●現状

 さて、ヴェルニー公園に今年から2ヵ年3552万円の予算で
 カフェレストランが作られます。
 
 僕はこのカフェこそ、
 障がいを持つ方々が働く場にすべきだと提案します。

 ●ヴェルニー公園の持つ「大きな意義」

 ヴェルニー公園とは、市民の憩いの場であると同時に
 市外から観光に訪れた方々にとっても
 駅をおりて最初に出会う風景として、
 名実ともに「横須賀の玄関」です。

 歴史的に横須賀の発展に尽くした
 ヴェルニーの名前をつけたことからも
 「海」「国際性」「開国」とわがまちのアイデンティティーを
 強く打ち出している公園です。

 ●問題点(1)競合も多く税金投入の必然性は見えない

 しかし、このカフェ建設には問題点が3つあります。

 まず第1に、あえて税金をつかってまで
 ここにカフェを作るその必然性です。

 「人を呼びこむ仕組みづくり」として
 フランス式のそば粉をつかったクレープが食べられるカフェ
 というコンセプトは
 確かに珍しさはありますが、
 カフェそのものは少し歩けば
 ダイエーにも全国チェーンのカフェが複数入っていますし、
 ドブ板通りにもたくさんのおしゃれなカフェがすでにあり
 競合する民間はとても多いわけです。

 それならば海軍カレーのように民間を巻き込んで
 フランス式クレープを民間のカフェにやってもらうこともできます。

 「民間でできることは民間で」の時代に
 たくさんの課題の中で、あえて
 税金でカフェを作らなければならない必然性が見えません。

 ●問題点(2)内部委員だけで業者を選ぶのはおかしい

 スケジュールは、6月に出店する業者の募集をかけて
 8月に決定となりますが、
 第2の問題点は、この業者を選ぶのは
 市役所内部の課長クラスだけだ、ということです。

 税金によって作られるものの業者を
 市役所の内部委員だけで選ぶというのは
 大いに問題があります。

 ●問題点(3)出店業者は優遇されすぎている条件

 第3の問題点は、
 建設費は全て市が出してあげる、
 しかも家賃も、管理許可への使用料として
 月額17万円を市に払うだけで良いというのでは
 ただの民間業者を入れるには
 優遇されすぎた条件です。

 こんな問題点を抱えながらあえて作るのであれば
 単に営利目的ではなく、
 より「公益性の高いもの」でなければ
 市民の理解は得られないと思います。

 ●提案

 そこで、「公益性」を高めるために、
 このカフェは障がいを持つ方々が働く場にすべきだ、と強く提案します。
 「海」「開国」そして「福祉のまち」を
 アピールする場にすべきです。

 ●地方自治体があえてやるならば(1)

 今回、特に紹介したい、障がいを持つ方々が働きながら
 全国で成功しているカフェがあります。

 ヤマト運輸の会長だった小倉昌男さんが設立した
 ヤマト福祉財団によって、
 スワンカフェスワンベーカリーという
 カフェとパン屋が全国に13ヶ所も作られています。

 僕自身、銀座のスワンカフェを視察してきましたが
 非常に素晴らしかったです。

 よくある作業所では、月1万円もお給料がもらえないけれど、
 スワンカフェでは
 障がいを持つ方々も月10万円のお給料をもらっています。
 毎日の売り上げは15万円を超えています。

 経営の観点で福祉を行なって
 銀座のカフェ激戦区ながらとても繁盛しているのです。

 障がいを持つ方々が作ったから売れるのではなく、
 おいしくておしゃれで素敵なカフェだから売れているのです。

 すでに地方自治体でも群馬県太田市のように
 市長の強い想いでスワンを誘致した例があります。
 田中康夫・長野県知事も誘致をすすめています。

 障がいを持つ方々が働く場を増やすためには
 こういった所に積極的に「出資」することが有効です。

 ●地方自治体があえてやるならば(2)

 またヴェルニー公園という「横須賀の顔」に
 あえてカフェをつくるのであれば
 最大限の効果をあげなければいけません。

 横須賀駅を降りた方が
 ヴェルニー公園を歩いていき、カフェに入って
 目の前の海を眺めながらフランス式クレープを食べ、
 ふと気づくと障がいを持つ方々が当たり前のように働いている。

 初めて横須賀を訪れた方々は「これが横須賀だ」と
 強いインパクトを覚えるはずです。

 以上のことから、業者の選定には
 経営と福祉を両立させて
 障がいを持つ方々が働く場にできる業者をこそ
 選んで欲しいと強く提案します。

 あるいは、少なくとも業者を選ぶ基準には
 「障がいを持つ方々を雇用しているかどうか」を入れるべきです。

 市長の見解をおうかがいします。 






 ヴェルニー公園カフェレストランを障がいを持つ方の働く場に、
 というご所見でありました。

 ヴェルニー公園来園者を対象に
 アンケート調査を平成15年度に実施しました。

 それによれば、70%以上の人が
 公園内にレストランや喫茶店の設置を望んでいる
 ことが分かりました。

 バラと海と艦船を見ながら
 コーヒーを飲みたいという希望が強いことが分かりました。

 レストラン業者に出店の意向調査をしたところ
 『民設民営』では初期投資額が大きいこと
 提供する飲食物の品目が限定されており
 かつ価格は低いということなどから
 経営が成り立たないため
 『公設民営』であれば出店を考えても良いという
 事業者が存在することが分かりました。

 市の他の都市公園の中では
 すでにしょうぶ園で
 市の作った施設を
 民間がレストランとして経営をしている例があります。

 また市の公共施設の中で
 市の施設を借りて
 レストランをおこなっている例は
 文化会館とか横須賀アリーナとかヴェルクとか
 ウェルシティとか総合福祉会館とか
 様々に在ります。

 今回のヴェルニー公園でのカフェレストランは
 公園施設としてのカフェレストランを
 公設民営で設置運営し
 公園利用者のニーズに応えようとするものであります。

 カフェレストランは
 フランス・ブルターニュ地方の雰囲気を出すため
 メニューにガレット(そば粉のクレープ)と
 シードル(りんごの発泡酒)は
 必ず採用すること
 などいう条件を公募にあたってつけるわけですが
 いくつかの条件を提示したい
 と考えております。

 これらの条件をクリアできれば誰でもできる、
 ということにしておきます。

 選考委員については
 部長以下、課長および35才以下の若手職員も含めて
 若手職員については公募で募集して
 若者たちの考えを
 反映できるようにというように考えております。

















 それからヴェルニー公園については
 「福祉の視点を取り入れるべき」ということについては
 特にお返事をいただけなかったんですけれど。

 市長、雇用については
 新しい福祉の考え方というのは

 「魚を与えるより、魚の釣り方を教えよ」

 なのです。

 補助金を出し続ける福祉ではなく
 みずからお金を稼いでいく喜びを知ってもらう
 そういう福祉への転換が
 必要です。

 また、選定基準に『公益性の高さ』を求めるのは
 当然のことだと思います。

 ヴェルニー公園の意義を損なわないように
 最善を尽くすようにしてください。

 そして、ぜひ『福祉の視点』を取り入れてください。





 ヴェルニー公園においては
 出店希望者は資格要件を満たすならば
 どういう企業団体であっても手を挙げることができる
 ということであります。

 障がい者の雇用については
 極力配慮するように
 というようにしたいと思っています。



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