大好き、横須賀
(いつもみてる風景)


2002/08/07
 横須賀的な、あまりに横須賀的な 〜走水海岸〜

 「横須賀の海で、1番に好きなのはどこ?」

 横須賀に住んでない友達にこう尋ねられたら、
 あなたはどこの海を答えますか?

 とてもじゃないけど僕には、
 1ヶ所にしぼりこんで決めるなんてできません。

 長浜も観音崎も野比も小田和も猿島も三浦も
 そして名も無いたくさんの砂浜たちも
 どこにだって
 それぞれの良さがあるから、
 「ここが1番好き!」というのは決められないんです。

 だから、そういう時には視点を変えて紹介したりします。

 例えば、

 「海で1日泳いだり日に焼いたりとかだけじゃなくて、
  ナンパがしたいんだったら、やっぱり『三浦海岸』だろうね。
  地元の人よりも遠くから遊びに来てる人が多いし、
  みんなけっこうナンパしてるよ〜」

 とか

 「地元の人が多いからあえて目の保養にはならないけど、
  わりあい静かに海でぼおっと過ごしたいなら長浜かなあ」

 とか、ですね(笑)。

 そして、女の子との出会いでもなく、メジャーっぽさでもなく
 『いかにも横須賀っぽい』要素を求めてる人には
 僕は、走水海岸を紹介します。

 走水海岸、ここにはあまりに横須賀的な要素が
 つまっているのです。


走水海岸から観た風景。

 目の前には東京湾をいきかうたくさんの船たち。
 そしてその視線の先に見えるのは、
 横須賀の宝物・猿島。

 ドラム缶4つの上に板を重ねてつくられた
 ハックルベリー・フィンのいかだみたいな『浮き島』が
 浮かべられていて、子どもたちはみんなして
 その上にのって遊んでる。

 浮き島に寝ころんでの日なたぼっこは最高だ。

 ちびっこたちは、バック転しながら海に飛び込んだりしてる。
 あんまりたくさんの人がのりすぎて、沈みかけてる浮き島もある。

 水際を見てみると、たくさんの人たちがあさりを掘っている。
 水着の上にTシャツを着こんだおばあちゃんが
 子どもや孫たちと一緒になって座って
 取りかたを伝授している。

 あっ、魚がはねた!
 泳いでいると、目の前をボラがはねていくことがけっこうある。
 この海には人だけでなく、もちろん魚がいる。

走水海岸の海の家、そして山。

 ふりかえれば、濃い緑の美しい山。

 背中に山を背負いながら、海で泳げるなんて素晴らしい。
 せみの声は夕立のように降りそそいでくる。
 短い命を全うするせみたちの声が
 うるさいぐらいに聞えてこそやっぱり夏だよな、と実感する。

 長浜海岸と同じく、
 ここに来る人たちのほとんどが地元の人たち。
 海の家も、商売っ気は
 実はあんまりない。

 一目では誰がお客さんで誰がお店の人なのかは分かりにくい。
 みんなしてゆんたくに興じている。

 海の家の犬なのか、お客さんの犬なのか、
 軒下には必ず犬が座っていて、逃げるわけでもなく
 来る人を見たり、海を見たりしている。これがとてもかわいいのだ。

 砂浜では必ずバーベキューをしている。
 子供会が主催する海でのつどいで、いつも大にぎわいなのだ。
 スイカ割りをみんなで楽しんだ後は、それを食べてる。
 なんて楽しそうなんだろう。仲間に入れてほしいよ!

 小さな太鼓を叩いてるヤツと
 それにあわせてラップを歌ってるヤツがいる。
 カッコいいタトゥーをいれた若い兄ちゃんたちが楽しそうに歌ってる。
 歌の原点はこれだろ、と僕はうれしくなる。


走水海岸につどう人々

 こういうのが大好きな人は、走水海岸が好きだと思う。

 ここに来ると、自分の海に来たような気がするよ。
 庭先にある海という感じがすごくするんだよ。

 そして、小さい頃によく出かけた海にとても似ているような
 そんな懐かしさも何故かこみあげてくる。
 海の『原風景』がここにあるのかもしれない。

 僕は思うのだ。
 そんな原風景こそ、横須賀らしさだ、と。

走水海岸

 走水海岸は、ちょっと足をのばせば観音崎もすぐそば。
 そして、美しい海岸線の道路
 『まぼちょく(馬掘の直線道路)』もある。

 もしも海に行きたくて、そして横須賀らしさを楽しみたいなら
 あなたが足を運ぶべきところは、きっとここだと思う。

 ぜひ来てください。

 誰かが観光めあてで作りだしたゲテモノじゃない、
 横須賀的な、あまりに横須賀的な風景がそこにあるから。





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海の家のカレーもまた夏の風物ですね。 おなかが減ったらカレーを食べよう!
 海の家のカレーは600円。
 もちろん『海軍カレー』とかいう
 ここ数年になって突然したてあげられた
 『名物』カレーなんかではありません。
 丸大のレトルトを温めただけ!
 でもこのカレーこそ、
 ほんとの横須賀名物だと僕は信じています。


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