政治家としても個人としてもフジノの最大のテーマです
フジノが市議会で行なった自殺予防の質問


世界自殺予防デーの活用について

(平成17年第2回定例会・本会議:05年5月31日)



 世界自殺予防デーの活用についてです。

 これまでの議論をふりかえると、
 本市の自殺予防対策はうつ対策として行う方針である
 と感じられる答弁が多く見受けられました。

 その理由を推測すると、
 自殺をされた方の約80%がうつ病にかかっている
 という学説的根拠があると思います。

 確かにうつ対策推進は
 自殺予防対策として非常に有効な対応です。

 しかし、一方で「自殺予防」という言葉を出しづらい
 という我が国の風土的な傾向に対して、
 本市としては慎重な対応をとっているのだと僕は受けとめています。

 けれども、はっきりと「自殺予防」と銘打って行うことは、
 行政が対策に取り組んでいるという
 アナウンス効果があります。

 遺族の方々へのケアの必要性を
 何度も僕は主張してきましたが、
 本市では、相談にさえ来てくれれば対応すると、
 待ちの姿勢で臨まざるを得ない
 とのことでした。

 しかし、現実的には遺族は何かきっかけが無ければ、
 みずから相談に来るようなことはありません。

 こちらから相談に来やすい状況づくりをすること、
 つまり、本市は自殺予防に取り組んでいるということを
 積極的にアナウンスする必要があります。

 そこで、世界自殺予防デーの活用を提案します。

 WHOと国際自殺予防学会が連携して、
 2003年から9月10日を「世界自殺予防デー」と決めました。

 そして、
 自殺は予防可能な公衆衛生上の課題であるとの立場から、
 自殺予防につながる行動を
 全世界で起こそうとあらゆる機関に呼びかけています。

 世界50カ国以上がこの日をきっかけとして
 何らかの対策を行っており、
 普通の日に、いきなり自殺予防対策を言い出すよりも
 違和感が少ないと思います。

 そこで、本市でも、世界自殺予防デーを有効に利用し、
 自殺予防を銘打って、
 自死遺族の方々による講演や
 うつ対策の講演などをこの日に集中させる形で、
 より積極的な啓発活動を行ってはいかがでしょうか、
 市長の考えをお聞かせください。








 WHOの世界自殺予防デーを機会に、
 啓発活動を積極的に行うべきではないかのお尋ねについて。

 9月10日の世界自殺予防デーは、
 世界各国で自殺が増加している現状に対して、
 世界保健機構などが設けたものと
 承知しています。

 市民向け啓発の講演会を、
 この9月10日に開催することは、今後研究してみたいと思います。

 本年度は、
 予防デーを広報などで周知していきたいと考えているとともに、
 現在行っている年間を通じた
 心の健康づくり事業をより一層進めることで
 自殺予防を図ってまいります。





 世界自殺予防デーの利用についても、
 「周知していく」ということで、ぜひお願いしたいと思います。

 ただ、その際に1点だけお願いしたいのですが、
 先ほど申し上げたとおり、
 自殺予防対策というふうに
 あえて銘打っていただけたらと思います。

 きのう、あるNPOが
 参議院会館で厚生労働大臣をお呼びして
 国への対応を促しましたが、
 その提言がこちらなのですけれども、(提言書掲示)
 提言の1番最初に
 自殺対策に取り組む意思を示すことが挙げられています。

 これは隠さないこと、
 自殺予防対策を
 国がしっかりと取り組んでいくのだという決意を
 あえて示してほしいということで挙げています。

 それは国よりも横須賀市の取り組みの方が
 進んでいると思うのですけれども、
 ぜひ銘打っていただけたらというふうに思います。




 このフジノの提案に対して健康福祉部長は答弁のとおりに
 さっそく8月号の広報よこすかで『世界自殺予防デー』のことを
 掲載して、啓発につとめてくれました。



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