不妊症・不育症治療を始める方々や卒業する方々に「里親制度」を行政がもっと周知すべきだと提案しました/センシティブであっても大切な提案です

こども育成部の予算審査をしました

本日の教育福祉常任委員会では、こども育成部の予算を審査しました。

教育福祉常任委員会の開会前

教育福祉常任委員会の開会前


やはり強い関心をもって取り組んでいる分野なので、たくさんの質問を行ないました。

ちょっと箇条書きにしてみますね。

  • 公立保育園再編の方向性及び先行して着手する事業について
  • (仮称)中央こども園の用地選定の経緯について
  • 特定不妊治療と不育症治療について
  • 妊婦健診について
  • NICUへの新生児訪問について
  • 産婦健診について
  • グリーフケア・ビリーブメントケアについて
  • 病児・病後児保育事業について
  • 社会的養護、家庭養護について
  • 社会的養護推進計画策定検討部会の運営について
  • 乳児院、児童養護施設について
  • 里親とファミリーホームについて
  • 児童相談所について
  • DV被害者等支援について
  • 母子・父子世帯等の福祉について
  • 外国につながりのあるこどもたちについて

これらの質問の中から、今日のブログでは1つだけ取り上げてご紹介したいと思います。

それは、不妊症・不育症治療をしておられる方々に対して、里親・養子縁組について行政が積極的に知っていただく取り組みの必要性とマッチングの取り組みについてです。



みなさまに知っていただきたい現実があります

横須賀だけでなく、我が国には『親が必要なこどもたち』がたくさん存在しています。

児童虐待や予期せぬ妊娠等の様々な理由から、遺伝子的な意味での親のもとを離れて、『乳児院』『児童養護施設』等で暮らしているこどもたちがたくさんいます。

その数、約4万6000人。

社会的養護の現状について(厚生労働省・2014年3月版)より

社会的養護の現状について(厚生労働省・2014年3月版)より


日本では、児童養護施設などの施設で暮らしているこどもが9割にのぼります。

つまり、里親などの家庭養護はわずか1割という現実があります。

一方、諸外国は大きく異なっています。

社会的養護の現状について(厚生労働省・2015年3月)

社会的養護の現状について(厚生労働省・2015年3月)


オーストラリアでは9割のこどもたちが里親のもとで暮らしています。

アメリカ・香港では8割のこどもたちが、イギリスでは7割のこどもたちが、カナダでは6割のこどもたちが、フランス・ドイツ・イタリアでは5割のこどもたちが、里親のもとで暮らしています。

つまり、日本のこどもたちは親元を離れて暮らさざるをえない場合、残念ながら里親とめぐりあえる機会は極めて少なく、ほとんどのこどもたちは施設で暮らさざるをえません。

その一方で、経済社会的な状況の変化が進みました。

女性の初婚年齢の平均は30才を超えました。初めて妊娠・出産する平均年齢も上昇しています。

同じように、不妊症・不育症などに対する治療技術が進歩して、生殖補助医療(ART)の助けに生まれるこどもたちも圧倒的に増えました。

しかし、医学がいくら進歩しても、人間の肉体はすぐには変化しません。

こどもを持ちたくても妊娠・出産は奇跡の連なりによって初めて実現することです。

不妊症・不育症治療を受け続けても妊娠・出産に至らない方々も本当にたくさん存在しています。

さらに、心理的・肉体的・経済的に限界が訪れて、不妊症・不育症を卒業していく方々もさらに多く存在しています。



「横須賀市として取り組みをスタートする必要がある」と初めて提案しました

いろいろな事情で親と離れて暮らさねばならないこどもたち(=社会的養護の必要なこどもたち)。

いろいろな事情で自らの赤ちゃんをもつことができないご夫婦たち(=不妊症・不育症などでこどもをもつことができない方々)。

どちらもフジノにとってはとても大切な存在です。少しでも幸せになってほしいと願いながら、フジノは長年取り組んできました。

本当にごく初期の頃は、それぞれ別々のテーマだと受け止めていました。

しかしその考えは少しずつ変わりました。2つは別々のテーマでありながら、とても重なっているのです。

そして、これまでたくさんの関係者や当事者の方々からお話を伺い意見交換を繰り返してきた結果、ひとつの結論に至りました。

「『親が必要なこどもたち』と『こどもを持ちたいと願ってやまない方々』を何とかしてつなげたい」

という願いです。

今日の委員会では、初めてこの願いを正式な質問として横須賀市に提案しました。

下がその質疑応答になります。

フジノの質問

不妊症・不育症治療を受けておられる方々に、『家庭養護が必要なたくさんの子どもたちの存在』と『里親制度』を知ってもらう必要性について伺います。

大変センシティプな提案だということも承知の上で、とても大切なことなので、こども育成部としてのお考えを伺いたいと思います。

不妊症治療にも不育症治療にも残念ながら限界があり、経済的な限界・精神的な限界・年齢的な限界など、どこかの段階で御夫掃は治療をやめるという決断をせざるを得ません。

一方で、もちろん自らの遺伝子を持った子どもを、また「自らのおなかを痛めて産んだ子どもを持ちたい」という日本的な価値観が強く残っていることも承知しております。

しかし、その一方で、家庭養護を必要としている子どもがとてもたくさん存在しております。

そこで、不妊症・不育症の治療を断念された方々に『里親制度』について知っていただきたい、できれば『里親』として子どもたちと暮らしてほしい、と願わずにはいられません。

そこで、子どもを望んでやまない御夫婦と家庭養護が必要な子どもたちを何とかして結びつける取り組みを児童相談所・こども育成部は伺か取り組みを御検討されたことは ございますか。

児童相談所長の答弁

今、委員が御提案いただいた件について、具体的に検討したことはございません。

フジノの質問

今回、問題提起という形でさせていただきました。

ぜひ平成30年度、ご検討いただきたいと思います。

もちろん大変センシティプなことですので、傷つけられた思いになる方もおられるとは思います。

ただ、子どもたちが本当に多く、家庭的環境が必要だというのも一方で事実です。

そして、子どもとともに暮らしたいという御夫婦が多数おられるのも事実です。

そのマッチングを何とかして実現させられないか具体的な方策をぜひ検討していただきたいと、思いますが、いかがでしょうか。

児童相談所長の答弁

私も今その御提案をお聞きして、センシティブだなという実感がございますので、ぜひ所内、それから部内で議論させて下さい。

やりますということは今正直申し上げられませんので、御提案いただいたことをよくかみ砕いて、可能なのかどうか、またその手法はいかなる手法が考えられるのか等々、協議をさせて下さい。

本当に『はじめの一歩』なので、ものすごくささやかな質問の仕方を選びました。

けれども、フジノは確信しています。

必ずこの取り組みは、大きな意味があることを。

市議会での提案はこれからもしっかりと続けていきます。

そして、必ず正式な取り組みとなるよう働きかけていきたいと思います。

同時に、それぞれのテーマに対する社会の認識がとても低い現状を変えていく努力を続けていきたいです。

どうか、このブログを読んでおられるあなたにも、この国の『こどもたちが置かれている現状』と『不妊・不育で切ない想いをしておられるたくさんのカップルの現状』を知っていただきたいです。

そして、それぞれの想いが良い形でつながっていくことを願っています。