2回目の「中間報告」を終えて、この仕組みはとても重要だと実感しました/横須賀美術館運営評価委員会(2014年度・第2回)

美術館運営評価委員会(2014年度・第2回)へ

大急ぎで電車に乗り、馬堀海岸駅へ。観音崎にある横須賀美術館に向かいました。

毎年度3回開かれている『美術館運営評価委員会(2014年度第2回)』を傍聴しました。

会場にて

会場にて


まもなく『社会教育委員会会議』から美術館改革についての答申が『教育委員会』へ出されます。

けれども今回の『美術館運営評価委員会』はそうした『制度』の議論ではなくて、あくまでもいつもどおりの『運営評価』(今日のテーマは『活動状況中間報告』)がテーマです。

横須賀美術館運営評価委員会・議事次第より

横須賀美術館運営評価委員会・議事次第より


現場のみなさんの日常的な改善の取り組みが積み重ねられていくことがとても大切です。

2回目となった活動状況の「中間報告」の仕組みはとても良く機能しています

フジノがずっと訴えてきた横須賀美術館の巨額の赤字については今も問題視しています。その改革については『制度改革』の議論の場で続けています。

その一方で、赤字の問題や制度的な位置づけの問題とは別に、美術館運営課長をはじめ、学芸員のみなさんや美術館スタッフのがんばりは素晴らしいものがあります。

『中間報告』は昨年2013年度から新たに始めた取り組みなのですが、2回目を経て「やはり『中間報告』という仕組みを導入したことは成功だ!」と感じました。

平成26年度横須賀美術館活動状況中間報告書

平成26年度横須賀美術館活動状況中間報告書


2014年度上半期が終わりましたので、『事業計画』の進捗状況と目標の達成状況が『活動状況中間報告書』としてまとめられました。

今日はその報告もとに議論が行なわれました。

この半年間、横須賀美術館がどのように活動してきたのかがとても良く伝わりました。

客観的なデータ的にも、主観的な形での学芸員の方々の印象も、よく分かりました。

こうした積極的な活動状況の報告こそが、市民のみなさまへの理解と共感につながっていくはずです。ぜひ今後も『中間報告』はしっかりと続けてほしいと感じました。

また、昨年度は会議終了後に『配布資料』が回収されてしまったのですが、今日はちゃんと持ち帰ることができました。これも良い改善です。

2013年12月議会でのフジノの一般質問によって実現した成果なのですが、やっぱり配布資料の持ち帰りは「当たり前」ですよね)

報告の具体的な中身について

中間報告の全文はpdfファイルでこちらに掲載しますので、お時間の許す方はぜひご一読ください。

・有料入場者(=観覧者数)の目標10万2000人に対して、上半期の実績は堅調なものでした

10万2000人の入場目標に対して、半期の実績は好調です

10万2000人の入場目標に対して、半期の実績は好調です


そもそもフジノとしては、目標設定が低い(10万2000人では赤字削減には大きく貢献できない)と批判的です。

しかし、上半期はその目標値を134%と上回っていることは「堅調」な実績であった、と評価したいです。

・広報・パブリシティも堅調な実績でした

広報・パブリシティ活動の実績

広報・パブリシティ活動の実績


前年度比25%アップは頑張ったと思います。みなさまも横須賀美術館の話題をテレビ・新聞・雑誌で見かける機会が増えたとお感じになりませんか?

かつては、ある新聞に全く取り上げてもらえないことが議会質疑でも出るなど厳しい時期がありました。そこから盛り返したのはスタッフの頑張りのおかげだと評価したいです。

ツイッターのフォロワー数を増やす為の提案はフジノもいろいろしてきましたし、日常的にリツイートをこころがけてきたので、2000フォロワー突破は嬉しいです。

・人件費を除いた固定費の削減

人件費を除いた固定費の削減はとてもベーシックですが大切です

人件費を除いた固定費の削減はとてもベーシックですが大切です

強い雨でした

強い雨でした

今回から新たに「中間報告」が実施されました/横須賀美術館運営評価委員会(2013年度・第2回)

美術館運営評価委員会へ

午後から、観音崎にある横須賀美術館に向かいました。

『横須賀美術館運営評価委員会』(2013年度・第2回)を傍聴する為です。

会場にて

会場にて


この会議では『運営・事業計画・実績の評価』『評価結果に基づく改善策』を議論しています。

横須賀美術館運営評価システムの全体像

横須賀美術館運営評価システムの全体像


その結果をまとめた『評価報告書』がこちらです。

50ページほどでよくまとめられていますので、ぜひご一読下さいね。

年度
 2010年度・横須賀美術館 評価報告書
 2011年度・横須賀美術館 評価報告書
 2012年度・横須賀美術館 運営評価報告書

最新版である2012年度版は、この7月に提出されました。

今回から「中間報告」が実施されました

この運営評価委員会は、2007年から試行錯誤を重ねながら前進してきましたが、今回さらに改善点がありました。

初めて『中間報告』がなされたのです。

上半期が終わりましたので、事業計画の進捗状況と目標の達成状況が報告されました。

今日はそれをもとに議論が行なわれました。

(実際の資料は終了後に回収されてしまったので、ここでご紹介することはできないのがとても残念です)

横須賀美術館

横須賀美術館


かつては1年度が終わってしばらくしてから評価作業を行ない、報告書を作成してきました。

この方法では、ある年度の取り組みへの評価が反映されるのは翌々年度になってしまいます(この問題についてはこちらで取り上げていますのでご覧下さい)。

かつての方法ではPDCAサイクルを1周させるのに2年かかっていた

かつての方法ではPDCAサイクルを1周させるのに2年かかっていた


あらゆる取り組みの改善には『PDCAサイクル』を回していくことが大切ですが、『PDCAサイクル』があまりにも間延びしてしまえば、効果がありません。

そこでこの『時期の大きなズレ』を解消するようにフジノは提案してきたのですが、昨年の運営評価委員会では評価時期がやや前倒しされました。

さらに今回から『中間報告』が実施されたことで、評価が反映される時期がより早くなります。

つまり、ここで指摘された改善すべき事項は、今年の下半期の取り組みにさっそく反映されることになるのです。

『中間報告』の実施をフジノは高く評価したいです。

「事業実績」を向上させるように「評価」を充実させていきます

かつては『評価方法そのもの』の議論が中心だったこの運営評価委員会が、少しずつ本来の目的に近づいてきました。

  1. 評価方法に関すること
  2. 運営・事業計画の評価
  3. 美術館の運営・事業実績の評価
  4. 評価結果の報告・公表に関すること
  5. その他、美術館の評価に必要な、専門的な事柄

こうした5つの目的のうち、2011年くらいまではどうしても1番目の議論にとどまってしまっていたのです。

やはりこの運営評価委員会の在るべき姿は、2と3を中心に議論していくことにこそあるのだとフジノは考えています。

つまり、『評価』を行なうことが「収益を上げる」「お客様満足度を高める」という結果につながるようにしていくことこそが重要です。

フジノが毎回欠かさず傍聴を続けているのは、これを実現できるような運営評価委員会に改善する為です。

残念ながら、今の評価委員会にはまだそれが実現できていません。

今後は『運営評価報告書』の内容がさらに充実したものになるように、この運営評価委員会を引き続きチェックしていき、そしてより良いものとすべく提案を行なっていきます。

美術館改革はフジノの原点です

美術館改革は、大きな制度の変更(直営から民営化する、など)も必要ですが、同時に、現場の細やかな改善の積み重ねやこうした運営評価の在り方を改善することも不可欠です。

フジノは、こうした観点と、時間的な観点(短期・中期・長期)なども含めた複合的な形で、さらに提案を続けていきます。

美術館改革は、フジノの原点です。

必ず最後までやり遂げます。

美術館問題は常にフジノの頭を離れません/昨日は委員会質疑で取り上げ、今日は「横須賀美術館運営評価委員会(2012年度)」の傍聴へ

美術館運営評価委員会へ

今日は、観音崎にある横須賀美術館へ向かいました。

毎年度3回開かれている『美術館運営評価委員会』を傍聴しました。

20130313-163458.jpg

初めて立候補した時からずっと、フジノは美術館について考えない日はありません。

昨日(2013年3月12日)の委員会質疑でも、美術館改革に向けての多くの提案を行なったばかりです。

現場スタッフのがんばりで改善は続いています

毎年出される赤字についてはずっと問題視してきたフジノですが、その一方で、赤字の問題とは別に、学芸員のみなさんをはじめとする美術館スタッフのがんばりは、とても高く評価しています。

今回の『美術館運営評価委員会』でも、課題の改善がさっそく見られました。

新年度の『事業計画(案)』が評価委員会で示されたのです。

これまでは、新年度がスタートしてから半年も経ってから事業計画がこの委員会に出されていました。

このスケジュールの問題が改善されたのはとても大切です。

委員会で行なった美術館に関する質疑

昨日の教育福祉常任委員会でフジノが行なった、美術館に関する質疑を掲載しますね。

2012年3月12日・教育福祉常任委員会
question美術館費について伺います。

まず、美術館運営評価委員会について伺います。

明日(2013年3月13日)も開かれると思いますが、この運営評価委員会は、毎回その評価の方法を改善してきて、だんだん精度が高くなってきていると思います。

例えば、当面の課題というのは、年度初めの事業計画が半年ほど過ぎないとこの運営評価委員会にかけられない、そういったところが上げられると思います。

こうしたいくつかのまだまだ改善しなければいけない点などを2013年度はどのように改善していくのか、方針をお聞かせください。

answer(答弁=美術館運営課長)
評価委員会ですが、平成25年度の予定は、6月に評価、前年度の評価を行います。

本来は年度の頭に事業計画を出すべきところでありますが、現段階での案としまして、あすの評価委員会でまずお示しをさせていただいて、御意見をいただこうと思います。

その上で、6月の会議のときには、評価のほうが主になりますが、あす御意見いただいた分を踏まえた中で、その時点での正式な事業計画を6月の会議に提出したいと考えております。

以降は、平成25年度でいいますと、秋口、10月以降に委員の改選がございます。新しい委員は事業計画を審議することはできませんが、新しい委員のもとで、決まっている事業計画をもとにしまして、評価を理解いただくという形になろうかと思います。

question続いて、歳入とあわせて美術館全体の収支についての示し方について伺います。

今回、美術館の収入は、教育委員会として853万7,000円前年度予算比で下がる。それから、支出としては、4億270万1,000円ということで、1,749万1,000円前年度予算比で下がる。

ただ、これだけでは横須賀美術館の全体の姿をあらわしていることには決してならない。

今回は、経済部が運営委員会方式で『特別企画展』も行なう。これは横須賀市全体で見れば、一つのお財布で連結というのはおかしいですが、経済部の取り組みも含めて教育委員会、横須賀美術館というのが新年度については行なわれる。

これを予算には確かに教育委員会ではないけれども、一緒に提示すべきだったのではないか。予算書を見るだけだと、使用料がこれだけ下がる。それはネガティブなイメージを与える。そうではなくて、経済部との取り組みで、集客面ではこういう効果があるという取り組みもあわせて予算審議に出すべきだったのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

answer答弁者=教育総務部長
確かに一体として捉えられると、そういう捉え方はとても大切なことだと思います。

ただ、今回のこの予算書につきましては、一定のルールのもとで出させていただいておりますので、一応経済部の取り組みは、先ほども議論になりましたが、『美術館条例』の適用外の事業ということで、今回の予算書では別々の形で計上させていただいております。

question示し方の今後のあり方についてですけれども、平成26年度なのか、それとも途中で報告で出すのか、いずれにしても美術館全体の取り組みとしてどうなのかということは、議会にもきちんと示したほうが理解が得られやすいと思うのですが、いかがでしょうか。
answer今回の取り組みは、さまざまな美術館改革の中の取り組みの1つになっております。

平成24年度、平成25年度にかけて経済部では集客について取り組み、それから美術館のほうでは、社会教育施設としてさらに集客を図るためのいろいろな企画などを考えておりますので、それらを一体とした形で最終的に御報告をさせていただいて、今後の美術館の方向性というものを示していきたいと考えております。

その中に、当然そういう収支面も入ってくるものと考えております。

question続いて、収入について伺います。

美術館の諸収入の一つとして、毎年約800万円から900万円近く、美術館の書籍等の売り上げがあります。

この商品、図録などの売り上げというのは増えているのか。また商品開発というのはどんな形で行われているのか。2013年度の方針等も含めてお聞かせください。

answer答弁者=美術館運営課長

ここにあります雑入の中には、美術館がつくってミュージアムショップに卸して売り上げたものの収入が入っております。

これは企画展ごとに制作しますカタログ、図録ですとか、それからその展覧会の折々でポストカードを時にはつくることもございます。そういうものになっております。

それ以外の商品につきましては、現在のところ考えておりません。

questionその売り上げというのは、今後さらに工夫次第では増加することが見込まれると思うのですが、新年度、さらに売り上げを上げていくというような取り組みは行う予定はありませんか。
answer現時点では、平成25年度に具体的なものはありませんが、確かにミュージアムショップを介して販売することで収入を上げるということも大事な一つだと思いますので、今後そういう部分でも検討していきたいと思います。
question続いて、美術館展覧会事業について、谷内六郎館に関連して伺います。

間もなく谷内家の御遺族との横須賀市の訴訟も終わりが見えてくると思います。

どのような判決が出るのかというのは、今の時点ではわかりませんが、結果次第では作品の返還もあり得るわけです。

そうした際に、谷内六郎館展示替4回と予算書には記されていますが、最悪のときの対応というのも想定しておくべきだと僕は考えています。

そうしたシミュレーションというのは行っておられるのでしょうか。

answer裁判の結果は、開いてみないとわからないところですが、訴えられた側ではありますが、勝訴するという前提で思っておりますので、特にシミュレーションは考えておりません。
question姿勢としてはそのとおりかとは思いますが、まだ本当に裁判というのは終わってみなければわからないわけですから、最悪の結果になった場合に谷内六郎館だけ休館させるというのもおかしな話ですし、何らかの対応も想定はしておいていただきたいと思います。これについては意見にとどめます。

続いて、美術館運営事業に関連して、広報、宣伝としての美術館のツイッターでの発信について伺います。

かねて質問をさせていただいて、その駐車場の混雑ぐあいなどを細かく発信してほしいということを申し上げました。

対応もしていただいて、それから最近では地域とのかかわりをふやしてほしいという提案を酌んでいただけたのかどうかわからないのですが、美術館のツイッターアカウントとして、地域を歩いて、そしてその地域のよさというのをツイッターアカウントで発信していただいています。

これは極めてよろしいことだと思いますが、残念ながらフォロワー数がまだ非常に少ない。これをもっと獲得できるように、ぜひさらに取り組みを進めていただきたいと思います。

例えば、フォローしてくれている人が、美術館に来たら何らかの割引が受けられるとか、何かインセンティブをつけて、そして常にツイッターやSNS上で話題になる美術館であってほしい、そういった意味で中の人に頑張ってほしいというような思いなのですが、いかがでしょうか。

answer確かにフォロー数を増やしていくことが課題だと思っております。

どういうふうにやっていくのかというのは、なかなか見出せない中でありまして、今、委員御提案の内容も踏まえて検討していきたいと思っております。

question続いて、美術館管理事業費の中の修繕料について確認をします。

美術館の位置している場所が海に面しているということもあって、潮風による老朽化というのは市内市街地にある建物よりは早いと思います。

以前、学芸員の方と話した時に、やはり1年間のスケジュールもあるので、なかなか修繕を行っていくタイミングというのは難しいというのも伺いました。ただ、やはり定期的に壁の塗りかえなどは行っていかなければならないと考えています。

今回の修繕費の中には、そうした計画的な修繕というのは盛り込まれているのか、その点を伺いたいと思います。

answer今回、平成25年度の修繕料は、空調熱源ポンプの整備ということで、それ以外は通常の小破修繕という予算になっております。

確かに計画的に修繕していくべきものだと考えておりまして、現在、中長期修繕計画、これは美術館の内部のものになりますが、これを作成しまして、早い時期に手を打つ、それから大型の修繕があるときには、それに合わせた展覧会のスケジュールが組めるような形でつくっていきたいと考えております。

questionこの美術館の修繕についても、先ほど上地委員がおっしゃったように、本来は全市的な取り組みの中で位置づけていくものですが、まだ公共施設管理白書が完成していない時点では、やはり美術館単体で計画的にやっていくしかないと思うのですね。

コストを下げろ下げろというのは、僕がずっと言ってきたために、そういった修繕に予算要求するのもはばかれるというような雰囲気が美術館内にあるような気がして、けれども、これ長寿命化していくのは僕も願いですので、それはぜひ今後も計画的に進めていっていただきたいと思います。

さて、フジノはこれから北久里浜駅前に向かいます!

自殺対策街頭キャンペーンに参加してきます!

横須賀美術館は変われるか/横須賀美術館運営評価委員会(2012年度・第2回)へ

「横須賀美術館運営評価委員会」へ

今日は、観音崎にある横須賀美術館へ向かいました。

美術館の屋上入り口


美術館評価委員会を傍聴する為です。

美術館評価委員会の議事次第


横須賀市では美術館のあり方を評価する為に、2007年から『評価委員会』を年2〜4回開催しています。審議する内容は、下の5つについてです。

委員会の設置要綱


フジノは、可能な限りこの場での議論に立ち会うことにしています。

というのも、開館から5年が経つものの、いまだ確立されていない点が多いからです。「美術館がどうであったか」という『評価』の方法をはじめ、全てが手探りで進められています。

ですから、そもそも『評価委員会』の在り方自体がどうであったかも同時に検証していかなければなりません。

自らの在り方を『評価委員会』が評価することはできませんから、外部の存在(=フジノ)がしっかりチェックして、改善を提案し続けねばならない、とフジノは考えています。

例えば、この『評価委員会』のどういうところが『未成熟』なのか。

具体例を挙げれば、今回のテーマは『2012年度(今年度)の事業計画』についてでした。

「もう10月半ばになるというのに、今頃になって今年の『事業計画』について話しあうだなんておかしい」

って、感じますよね?

1年間の計画というのは、本来その年がスタートする前に立てるのが基本です。『事業計画』を議論するには、あまりにも遅すぎます。

2012年度の事業計画書

配布資料1


『事業計画』を評価するのは『評価委員会』の大切な役目の1つですが、実はこれまで『事業計画』が議題としてとりあげられたことはありませんでした。ですから、今回が初めてのことなのです。

ですから、『事業計画』を評価するという本来の役割ができるようになったこと自体は良いことなのです。

けれども、その時期が遅すぎます。

このスケジューリングの問題については『評価委員会』委員からも指摘が出されて、美術館(=教育委員会)側も次年度以降は改善したいと約束しました。

スケジューリングが問題なのは『事業計画』だけではなくて、1年間の実績を評価する『評価報告書』についても同じでした。

1年間の取り組みが終わったらすみやかに評価をして翌年度の予算案や『事業計画』に反映させることが必要ですが、今まではそれが実現してきませんでした。

この点については、フジノが9月議会の教育福祉常任委員会で質疑を行なって、今後は改善するように提案しました。

美術館側も来年度からは改善していく旨の答弁がありました。



ラルク・アン・シエル展への賛否両論が噴出

さて、今日の評価委員会では、夏に開催した『ラルク・アン・シエル展』について賛否両論の意見がそれぞれ出されました。

特別企画展の開催結果について

特別企画展の開催結果について


否定的な立場の委員からは

「まさかこのような企画が行なわれるとは思わなかった。納得できない」

「横須賀美術館の5年間の積み重ねを壊すものだ」

という批判が出されました。

委員の発言をメモした記述

委員の発言をメモした記述


評価委員によるこの意見に、フジノは全く共感できません。

自分が「好きだ」と価値判断したものを美術だと捉えて、自分が好きでないものは美術じゃないと価値判断するのは「違う」と考えているからです。

5年前、横須賀美術館がオープンした時、開設記念展『生きる展』が行なわれました。

石内都さんの作品が展示されたのですが、裸体を扱っていることから「ふさわしくない」と市議会で批判した議員がいました。

同じ理由から、この批判も間違っているとフジノは考えています。

何かが正しくて何かが間違っているという価値判断は、あってはならないと考えているからです。特定の作家や特定の作品が好きだとか嫌いだと良いとかダメだとか、『個人の立場』としての感想はあると思います。けれども、『公的な立場』にある限り、そうした発言はかたく慎むべきだと自戒をこめてフジノは考えています。

価値判断は、作品と向きあった1人1人の方々が個人としてなすべきことです。



赤字削減の為に特別企画展の実施は必要、ただし改善すべき点は多い

そして、この危機的な財政状況の中でフジノが判断の基準にしているのは、赤字を少しでも減らすことです。むしろ、「判断基準はこれしか無い」と言っても良いと考えています。

ですから、市の経済部集客担当が中心となって進めた試行事業としての『ラルク・アン・シエル展』の開催は、正しかったと考えています。

ただ、現在の試行事業の在り方には、いくつかの問題があります。

例えば、経済部集客担当と美術館を担当する教育委員会との連携が全く取れていないことです。

特に情報が共有されていないことに対しては、美術館の現場サイドからも批判が上がっています。

集客を増やす為の試行事業を推進する立場であるフジノも、この批判についてはもっともだと考えています。

その他の問題点については、9月議会での教育福祉常任委員会の質疑でとりあげてきましたので、また後日報告します。

いずれにせよ、美術館は変わらなければいけません。

財政の厳しいこのまちにおいては、生活に事欠く人々もたくさんいます。あることに税金を使えば、他のことに使えません。美術館が赤字を出し続ければ、福祉の財源を奪ってしまうのです。

毎年3億5000万円の赤字が出ているという現実があります。

本来ならば、医療・福祉や教育などに使えるお金だったのに、ハコモノが赤字はその機会を奪ってしまったのです。

だから、少しでも赤字体質から変わることが求められるのは、当然です。