HTLV-1撲滅を目指して、母子感染予防マニュアル改訂版の周知・妊婦さんへのきめ細かな対応・市内医療関係者との連携・母子感染予防対策研修会の開催を提案しました/2017年9月議会

教育福祉常任委員会で所管事項への質疑を行ないました

前の記事に続いて、教育福祉常任委員会常任委員会でフジノが行なった質問を紹介します。

常任委員会では、最後に『所管事項への質疑』という議事があります。

委員1人あたり質問と答弁をあわせて30分間の持ち時間が与えられて、担当部局(健康部・福祉部・こども育成部・教育委員会事務局)へ何を質問しても良いのです。

教育福祉常任委員会の議事次第より

教育福祉常任委員会の議事次第より


政策実現の為に、フジノはこの『所管事項への質疑』を、本会議での一般質問と同じようにとても重視しています。

自らの政策テーマに基づいた自由な質疑ができるからです。



HTLV-1撲滅の為の様々な提案

今日の『所管事項への質疑』では、フジノの重要な政策である『HTLV-1撲滅』についても質問を行ないました。

下に全文をご紹介します。

教育福祉常任委員会での質疑

フジノの質問

 
こども育成部に伺います。

HTLV-1対策における新たな『母子感染予防マニュアル』で改められた、授乳方法としての完全人工栄養のみとされたことについてです。

改定版「HTLV-1母子感染予防対策マニュアル」

改定版「HTLV-1母子感染予防対策マニュアル」

 
HTLV-1に起因する疾患であるATLやHAMを発症された当事者の皆さんの活動によって、2011年から妊婦健診の検査項目にHTLV-1が加えられました。

しかし、そもそもHTLV-1自体が全く知られていない中で、陽性だと結果を知らされた妊婦さんの動揺は大変大きいものがあります。

そこで、妊婦さんにかかわる医師、助産師、保健師などの皆さんに、HTLV-1とはどのようなウイルスであるか、仮に発症すればどのような症状が起こるか、そして母子感染が起こるものであること、授乳方法によっては母子感染を防げることなどを、慎重かつ丁寧に御説明して理解していただかねばなりません。

そこで、過去の教育福祉常任委員会で、僕は『母子感染予防対策の研修会を実施すること』を提案させていただきました。

それに応える形で、こども育成部こども健康課では、2011年、2012年と連続して研修会を開催して下さいました。

また、我が国の研究の第一人者である山野先生を講師に招いてくださり、大変有意義な研修だったことを記憶しております。

さて、このたび厚生労働省研究班が、HTLV-1対策のための新たな『母子感染予防対策マニュアル』を策定しました。

これまでは、お母さんは赤ちゃんへの母子感染を防ぐために、授乳方法としては3つ、粉ミルクなどによる完全人工栄養、生後3カ月未満の短期母乳、それからウイルスを壊すため母乳を一度凍らせてから与える凍結母乳の3つを示していました。

けれども、今回の改定の最大のポイントですが、これを完全に1つだけ、原則として完全人工栄養を勧めるように改めました。

母乳ではなく完全に人工栄養を勧奨する方針変換

母乳ではなく完全に人工栄養を勧奨する方針変換


この点について、数点伺います。
 
まず、こども健康課と各健康福祉センターの対応を伺います。

完全人工栄養を唯一推奨する授乳方法、このことを新たに記した『母子感染予防マニュアル』をこども健康課と各健康福祉センターではきちんと共有しておられるでしょうか。

お答え下さい。

こども健康課長の答弁

今年の4月にマニュアルの改定がございましたので、健康福祉センターのほうに情報提供しまして、保健師、また助産師のほうに周知をいたしました。

フジノの質問

 
そうすると、皆さんはこの内容についてはしっかり理解をしておられて、これから新たに妊婦健診によって『HTLV-1陽性』だと出た方に対しての対応も慎重に行ない、授乳方法としては完全人工栄養を推奨していただけるということでよろしいでしょうか。

こども健康課長の答弁

はい、委員おっしゃるとおり、キャリアの方につきましては、丁寧にサポートしていきたいと思っております。

現在、『こんにちは赤ちゃん訪問』のほうでも確認をとっております。

フジノの質問

 
ありがとうございます。
 
続いての質問なのですが、市内の産婦人科の診療所や病院、また助産院などではどのような状況なのか。

ただ、まだ4月にこのマニュアルが改定されて半年少しという状況の中でどのような状況か全て把握するというのは難しいと思うのですが、今後、どのような状況であるかを把握していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

こども健康課長の答弁

毎年、年に1回なのですが、『周産期看護連絡会』というのを開催しておりまして、横須賀市民がよく御利用される産婦人科、小児科等の関係の方々と会議を開いております。

その折でも、こちら、このHTLV-1については、毎回といっていいほどにテーマとして情報共有しておりますので、また来年の2月ごろに開催されるかと思いますので、そこでは必ず共有をしていきたいと思っております。

フジノの質問

 
ありがとうございます。

『周産期看護連絡会』では、毎年このことについては取り上げていただけるという話を伺い、大変心強く感じました。

そこでの話し合いによるとは思うのですが、改めて、過去に開催して下さったような『母子感染予防対策研修会』の開催も御検討いただきたいのですが、いかがでしょうか。

こども健康課長の答弁

おおむね2年に1回ぐらいは、職員対象の研修等も行なっておりまして、昨年は庁内では行いませんでしたが、県の外部研修のほうにも行ってきました。

来年度等につきましては、今このマニュアルが改定になって、現場がどのような状況であるのか、その辺を県主催の会議がございますので、そこに専門医の先生方もいらっしゃるので、そういう状況もお聞きした上で、開催のほうを検討したいと思います。

フジノの質問

 
最後に確認なのですが、今、課長が御答弁された、県が設置している『HTLV-1母子感染対策協議会』は、現在までこのマニュアル改定後、開かれてはいるのでしょうか。

こども健康課長の答弁

まだこれからでございます。

フジノの質問

 
ありがとうございます。

大変丁寧な取り組みをありがとうございます。

という訳で、

  1. 母子感染予防マニュアル改訂版の周知
  2. 妊婦さんへのきめ細かな対応
  3. 市内医療関係者との連携
  4. 母子感染予防対策研修会の開催

の4点を提案しましたが、いずれについても前向きな答弁を得られました。

HTLV-1というウイルスは必ず撲滅することができます。

このウイルスを撲滅することができれば、ATL・HAM・HUなどの難病の発症を防ぐことができるのです。

本来であれば国レベルで徹底的に取り組む事柄ですが、国の動きはとても遅いです。それを待っていればさらに発症してしまう方やウイルスのキャリアが増えてしまいます。

フジノは「この横須賀に暮らしている限り、絶対にHTLV-1感染はさせない」という想いで、市単独で実施できることを徹底的に提案していきます。



県内初、HTLV-1母子感染予防対策の研修会が開かれました!/フジノの提案、実現しました

HTLV-1の母子感染予防対策の研修会が開かれました!

今日は、こども育成部の主催で『HTLV-1』についての研修会が開かれました。

『HTLV-1』の研修を行なったのは神奈川県内では横須賀市が初めてです。

これは、快挙です!

国内で100万人を超えるキャリアがいるHTLV-1を撲滅する為の第一歩がついにスタートしました。

フジノが6月議会で提案したことが早くも実現したこともうれしかったのですが

HTLV-1によって発症するATL・HAMで苦しい日々を送っておられる方々に、ようやく明るいニュースをお伝えすることができたのが、何よりも本当にうれしかったです。

聖マリアンナ医科大学の山野嘉久先生

聖マリアンナ医科大学の山野嘉久先生


講師を勤めて下さったのは、聖マリアンナ大学の山野嘉久先生です(フジノと『NPOはむるの会』をつないで下さった方です)。

かねてから山野先生は

「フジノさん、横須賀市で取り組みがスタートするならば、私自身が講師として必ず伺いますからね」

と、おっしゃって下さっていました。

わが国のHTLV-1総合対策を推進する主要メンバーである山野先生自らが、横須賀市にならば講師として来て下さるとおっしゃっていることをこども育成部にも伝えたところ、正式に講師としてお願いすることとなりました。

こうして今日が実現したのですね。

タイトルは、『HTLV-1の母子感染予防対策について』です。

HTLV-1の母子感染予防対策についての研修

HTLV-1の母子感染予防対策についての研修


研修には、新生児訪問を担当している嘱託の助産師さんや横須賀市の保健師のみなさんら合計36名が参加してくれました。

HTLV-1の感染ルートとして、最も大きな割合を占めるのが『母乳による感染』です。

まずは母子感染対策をしっかりと行なうことから始めて、新たなキャリアを増やさないことを目指すのが有効です。

その為には、現場で妊婦さんに向き合う方々に理解していただくことが何よりも大切です。

厚生労働省は総合対策の取り組みとして、啓発のポスターやHPを作っていますが、妊婦さんたちと毎日接しておられる現場の方々に正しい知識と適切な対応方法を身につけていただくことが何よりも効果的です。

さらに今後は、助産師会や医師会の協力をえてより多くの助産師・産科医のみなさんにも研修に参加していただくことが必要だとフジノは考えています。

研修の様子

研修の様子


わが国では、昨年12月末にようやくHTLV-1総合対策がスタートしました。

しかし、国による号令はかかったものの、地方政府による動きは全くスタートしていません。

例えば、全国の都道府県は『HTLV-1母子感染対策協議会』を新たに立ち上げなければならないのですが、神奈川県は、今も設立の気配が全くありません(*)

かつて自殺対策基本法が国会で成立してからも長い期間にわたって全国で全く動きが無かったのと同じ構図です。

あの時、フジノたちは

「国が動かなくても県が動かなくても、横須賀市が先頭を切って動けばいいのだ」

と訴え続けて、そして、県よりも先にあらゆる取り組みをスタートしてきました。

その結果が今、良い形で少しずつ表れてきています。

だから、HTLV-1対策についても同じです。

たとえ県が動かなくとも、現場に最も近い存在である市が動くべきなのです。

今日まさに横須賀市は取り組みをスタートしました。フジノはこうした横須賀市の動きをこころから誇りに感じます。

この動きをさらに広げるとともに、継続的な息の長い活動にしていきたいです。

山野先生、そして研修に参加して下さったみなさん、今日は本当にありがとうございました!

(*)9月に設立されたとのことです。