難病・発達障がいなど「三障がい」を超えて誰もが暮らしやすい社会の実現の為に/障害者施策検討連絡会の意見交換会へ

障がい福祉の意見交換会へ

今日は、総合福祉会館へ向かいました。

『障がい者福祉の意見交換会』に参加しました。

意見交換会のプログラム

プログラム


横須賀市内の障がい福祉に関わりのある団体によって、『障がい者施策検討連絡会』というネットワーク組織が作られています。

この組織が主催して、『意見交換会』は毎年開催しています。

午前と夜の2回、それぞれ2時間にわたって行なわれるのですが、フジノは午前の部に来ました。

昨年の意見交換会で出た意見

昨年の意見交換会で出た意見


市内の障がい者福祉に関わりのある方々(当事者・ご家族・事業所・ボランティアなど)がどなたでも参加して、意見を述べることができます。

市役所からも障がい福祉に関わりのある部署(健康部・福祉部・こども育成部・教育委員会)から課長クラスが出席して、頂いたご質問にその場でお答えしたり、生の声を聴かせて頂いています。

ここでの意見をもとに市の取り組みが改善した事柄もありますし、市にとっても大切な場です。

意見交換会の会場の様子

意見交換会の会場の様子





かつて参加者は知的障がいのある方々ばかりでした

フジノが初めて参加した頃は、参加者のほとんどが知的障がいのある方々でした。

それがここ数年間は変化しつつあります。

つまり、『障がい』の種別(精神障がい・知的障がい・身体障がい・発達障がい・難病など)を超えて多くの方々が参加して下さっています。

さらに、生まれながらの『障がい』や人生の早い時期の『障がい』だけではなく、高齢化が進むにつれて、人は誰もが『障がい』を持つようになります。

今までは『介護』の文脈だけで語られてきた高齢化に伴う『障がい』が、ようやく『障がい福祉』の文脈でも語られるようになってきました。

そうした当事者の方々も『意見交換会』に参加して下さるようになってきています。

とても良い傾向だと感じます。

会場の様子

会場の様子


障がい福祉の歴史において、『障がい』の種別によっていろいろな制度の差がありました(現在もあります)。

本来は制度の不備が問題なのですが、『障がい』は、その種別によって利害がぶつかってしまうこともたくさんありました。

他の『障がい』よりもある『障がい』の方が予算が少ない、グループホームの数も少ない、なんてことがたくさんあります。

だから、現実の場面では、他の『障がい』に対する恨みごとだって口を突いて出てきます。

例えば、フジノのように精神障がいにメインで関わってきたみなさんの中には

「知的障がい・身体障がいに比べて、精神障がいへの支援はあまりにも遅れている!」

という言葉をしばしばつぶやいたことがある人も多いはずです。

障がいの扱いが少しずつ法律上で整いつつあります

障がいの扱いが少しずつ法律上で整いつつあります



「3障がいは1つ」を超えて、さらに「全ての障がいは1つ」へ向かいましょう!

けれども、2005年の障害者自立支援法の成立を受けて、ようやく「3障がいは1つである」ということになりました。

2012年の障害者総合支援法の成立を受けて、さらに『障がい』の範囲に難病も含まれるようになりました。

お互いに他の障がいを理解しあうことを通して、生活機能構造をより良い方向に変えていく為に政治・行政が何を改善していくべきなのかが必ず見えてくるはずです。

また、年齢が上がるにつれて、誰もが必ず『障がい』を持つようになります。

きれいごとではなく、「障がいの無い人は存在しない」とフジノは考えています。

超高齢社会をこえた未踏高齢社会では、「誰もが障がいのある存在である」ということを誰もが実感するようになるはずです。

共生社会を実現する為には、お互いに理解しあえるように語りあうことこそが最も大切だとフジノは考えています。

この『意見交換会』が、さらに来年以降もっともっと多くの方々に参加していただけるようになることを、フジノはこころから願っています。



【続報】精神障害1級の通院費への補助、実現へ/重度障害者医療費助成制度

パブリックコメントが終わりました

重い障がいのある方々が医療にかかる時、通院にかかった自己負担(=医療費)がタダになる制度があります。

『重度障害者医療費助成制度』といいます。

名前だけ聴くとすごく良い制度に思えるのですが、実は大きな問題がありました。

あくまでも『身体障がい』と『知的障がい』のある方々だけに限られてきました。

つまり『精神障がい』のある方々は、制度の枠組みから外されてきたのです。

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約40年間にわたって、精神障がいのある方々だけが差別的な扱いを受けてきました。

家族・当事者・関係者のみなさんは、この状況を改善する為に、長年にわたって活動を続けてきました。

そして、ついに動き始めたことを昨年12月7日の活動日記で市民のみなさまに報告をしました。

その活動日記の最後に、

市民のみなさま、ぜひパブリックコメントに「賛成」の声をあげて下さい。しめきりは1月15日までです。

たくさんの「賛成」の声を横須賀市に届けて下さい!

と、フジノはお願いしました。

パブリックコメントの結果

パブリックコメントの提出しめきりから1週間が経った今日、市の福祉部長から『パブリックコメントの結果』について報告がありました。

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集計の結果はこちらです。

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合計145件、全てが賛成意見でした!

内訳は下の通りです。

 意見市の考え方
改正案に賛成です。(合計114件)改正案のとおり進めてまいります。
改正案に賛成です。

今後は1級の入院や、2級への拡大を望みます。(合計16件)

改正案のとおり進めてまいります。

重度障害者医療費助成制度は県から補助を受けて実施しており、補助対象は精神障害者福祉手帳1級所持者の入院を除く医療費です。

現時点では県の助成対象に合わせて実施したいと考えています。

改正案に賛成します。

今後は通院のみならず、入院や全等級に拡大することも検討して下さい。(合計7件)

改正案に賛成です。

今後、精神障害者2級(通院)にも助成を拡大してほしい。(合計6件)

改正案に賛成です。今後は全等級(通院)に拡大することを願います。
制度改正に賛成です。

「3障害の一元化」を進める観点からいえば遅すぎます。今後も一元化していない個所も、見直し、訂正してほしい。(合計1件)

改正案のとおり進めてまいります。

頂いたご意見は今後の障害者施策を検討する際に参考とさせていただきます。

市民のみなさま、パブリックコメントへのご協力、本当にありがとうございました!

あとは予算議会です

パブリックコメントはとても良い方向に終わりました。第1関門は無事に突破ですね。

第2関門は、予算議会です!

来年度予算案が無事に成立すれば、重い精神障がいのある方々の通院医療費は他の障がいと同じく、無料になります。

どうか予算審議の行方を見守っていて下さいね!

ついに精神障害者1級の通院費への補助が実現へ/ぜひパブリックコメントに賛成の声を!

家族会からの陳情は実らず…

さきの9月議会において、精神障がいのある方々の家族会(NPO法人横須賀つばさの会)から、陳情が出されていました。

「重度の障がいのある方々への医療費助成制度に精神障がいのある方々も含めてほしい」

というものです。

これは極めて正論で、もっともな陳情です。

陳情第7号

神奈川県と県内各市が共同で実施している、重度の障がいがある方々に『医療費』への補助が出る制度があります。1973年にスタートした制度で、正式には『重度障害者医療費助成制度』と言います。

通院の自己負担分を補てんする助成制度なのですが、対象は『身体障がい』『知的障がい』の2つのみでした。



つまり、精神障がいだけ対象外とされてきたのです。

この差別的な扱いは、なんと約40年にわたって放置され続けてきました。

当然ながら、家族会・当事者会などの団体からたびたび陳情・請願が出されており、精神保健福祉の向上をメインの政策とするフジノにとっても長年の課題でした。

しかし、この陳情への教育福祉常任委員会としての結論は『審査終了』でした。各委員から賛成・反対の両方の意見が出て一致しない場合に『審査終了』となります。実質的には『否決』と同じような意味です。

フジノは質疑を行ないました

そこでフジノは、改めて「横須賀市も精神障がいを対象に含めるべき」と提案する質疑を行ないました。

年月日・教育福祉常任委員会
question(フジノ)
陳情第7号「精神障害者への重度障害者医療費助成制度の対象拡大についての陳情」に関連して伺います。

「3障がいは一体である」というのが基本的な理念かと思うのですが、これまで精神障がいのある方々が対象となってこなかったのは何故なのでしょうか。

answer(障害福祉課長)
もともと昭和48年から発足した制度ですけれども、正確な理由はわかりません。

恐らく当時、県の部局で精神障がいにつきましては衛生部局、知的障がい・身体障がいにつきましては福祉部局で対応していた為に、精神障がいが対象外になっているのではないかと予想されます。

question(フジノ)
そうした経緯があるとはいえ、障害者自立支援法・障害者総合支援法の中では「3障がいの扱いは同じように等しくあるべきである」「3障がい一体化という中で低いほうに合わせるようなことがあってはならない」、そして「精神障がいだけが立ちおくれてはならない」という考えに基づけば、

やはり本市としても、来年度は福祉部として財政当局に、精神障がいのある方の1級については通院を新たに対象とするように要望すべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

answer(福祉部長)
障がいのある方、3障がいで差別があってはいけないと思います。

ただ、所見でも申し上げましたが、重度障害の医療費助成制度そのもの全体が安定的に継続・維持されなければならないと思いますので、

新規に加わった場合の影響、また県が既に3つの要件を課している中で、本市は何も見直しをしないでいいか、そういった複合的な要素も検討しなければなりませんので、財政とはよく話し合ってまいりたいと思います。

12月議会で動きがありました!

それから3ヶ月が経った12月議会において、新たな動きがありました。

先日12月4日の教育福祉常任委員会で、配布された報告を掲載します。



この助成制度の対象を拡大して精神障がいも新たに含めることをパブリックコメントにかける、というものです。

そう、ついに実現に向けて動き出したのです。

ぜひパブリックコメントに賛成の声を!

パブリックコメントを終えて、来年3月の予算議会に条例の改正案が出されて、議会で可決されれば決定となります。正式には、改正された条例が施行されるまで気を抜いてはいけないのですが、でも、ついに動き出しました。

福祉部、財政部、そして市長の英断を高く評価したいです。長年にわたる関係者のみなさまの想いがついに実を結びます。

市民のみなさま、ぜひパブリックコメントに「賛成」の声をあげて下さい。しめきりは1月15日までです。たくさんの「賛成」の声を横須賀市に届けて下さい!

全国調査の報告書が完成、フジノも執筆させてもらいました/変革期における市区町村精神保健福祉施策の現状と発展可能性に関する全国調査

全国調査の報告書が完成しました/フジノも執筆させてもらいました

精神障がいのある方々を支援する為の保健・医療・福祉サービスはどのような現状にあるのか。

かつてはその為の調査が毎年行われてきました。

『厚生大臣指定法人・精神障害者社会復帰促進センター』と『財団法人・全国精神障害者家族会連合会』による調査です。

2000年までは継続的に実施されてきたものの、行なわれなくなってしまいました。

そこで、10年ぶりに本格的な全国調査を行なうことになりました。

昨年1月19日からスタートした調査企画委員会にフジノもメンバーとして参加していました。

その2ヶ月後に東日本大震災が起こってしまい、調査報告書の刊行も約1年ほど遅れてしまいました。

ついに調査結果をまとめた報告書が刊行されました!

『変革期における市区町村精神保健福祉施策の現状と発展可能性に関する全国調査』

です。

変革期における市区町村精神保健福祉施策の現状と発展可能性に関する全国調査

変革期における市区町村精神保健福祉施策の現状と発展可能性に関する全国調査


すでに、全国の都道府県・市区町村、精神保健福祉センター、地域活動支援センタ一等には報告書を送付いたしましたので、お手元に届いた方はぜひご覧下さい。

また、 全文はNPO地域精神保健福祉機構のホームページでまもなく公開される予定ですので

ぜひ全国の障がい福祉政策に取り組む政治・行政関係者のみなさまに読んでいただきたいです。

フジノも報告書のまとめを執筆しました

報告書のまとめの部分でフジノも1ページ、執筆しました。

障害一元化の中で他障害の福祉サービスの状況と比較した視点から、これまでは障害種別によって利用できる福祉サービスが異なり、市区町村の予算規模も障害種別によって数倍の聞きがあった。

その理由は、それぞれの障害に対する社会的な認知の違いや、家族会・当事者会などによる福祉施策の獲得・拡大を目指した運動の歴史的な背景の違いなどに起因している。

こうした状況を改善して、障害種別を問わずに利用者のニーズに応じて適切なサービスが受けられるようにする。

それが障害者自立支援法による障害一元化の目的であった。

現時点までの障害一元化の取り組みを評価すると、残念ながらその理念は実現しているとは言えない。

本調査結果から2つの傾向が読み取れる。

第1に、市区町村行政においてこれまで障害種別によって担当部局が複数に分かれていたものが、障害一元化の名のもとに組織としては統合されたが、同時に人員の不足と専門性の低下が起こっている。

第2に、福祉サービスを提供する事業所がどの障害に対して主に取り組んできたかという特性が障害一元化によって見えづらくなってしまっている。

その結果、他障害と比較して精神障害への福祉サービスはさらに脆弱なものになりつつあると言える。

全国的に、精神障害に特化した行政の専門部署は無く、他障害においては一般化している当事者相談員の配置も非常に少ない。

相談支援やホームヘルプの事業所の現場においても、精神障害の特性をより理解する為の研修も不十分な状況にある。

こうした現状は、かつて精神保健福祉関係者の多くが

「三障害一元化の理念そのものは良いが、実態は精神障害が埋没してしまうのではないか」

と懸念した方向に向かいつつあると言えよう。

したがって、ここからいかに本来の障害一元化の理念を実現していくかが極めて重要となる。

今後の精神障害福祉サービスの充実の為に、筆者から3点を指摘したい。

第1に、本調査の結果をもとに精神障害福祉サービスの脆弱な実態を全国の市区町村行政に理解してもらうべく、より一層の働きかけを行なうべきであろう。

第2に、2013年度から始まる医療計画と連動した障害福祉サービスの充実強化の必要性を訴えていくべきであろう。

従来の『4疾病5事業』に新たに精神疾患が加えられ、『5疾病5事業』として様々な数値目標が明示される新たな医療計画では、入院期間のさらなる短期化が既定路線となっている。

医療計画の達成の為には、医療と福祉の連携と地域における福祉サービスの充実が不可欠である。

しかし、医療計画の所管は都道府県、障害福祉サービスの所管は市区町村であることから、双方に理解が不足しており、連携の取り組みが弱い実情がある。

市区町村の障害福祉関係者に医療計画における精神疾患の位置づけを認識させ、精神保健福祉関係者は、地域の精神保健福祉サービスの底上げが不可欠であることを強く訴えていくべきである。

第3に、障害福祉サービスの推移を追跡していくべきである。

変革期にある障害福祉サービスが財政的な事情で縮小されてしまうのか、

あるいは本来の障害一元化の理念が実現されていくのか、今後とも継続的な調査によって分析していく必要がある。

この中でも、フジノが最も強く訴えたいことはこの一文です。

第2に、2013年度から始まる医療計画と連動した障害福祉サービスの充実強化の必要性を訴えていくべきであろう。

従来の『4疾病5事業』に新たに精神疾患が加えられ、『5疾病5事業』として様々な数値目標が明示される新たな医療計画では、入院期間のさらなる短期化が既定路線となっている。

医療計画の達成の為には、医療と福祉の連携と地域における福祉サービスの充実が不可欠である。

しかし、医療計画の所管は都道府県、障害福祉サービスの所管は市区町村であることから、双方に理解が不足しており、連携の取り組みが弱い実情がある。

市区町村の障害福祉関係者に医療計画における精神疾患の位置づけを認識させ、精神保健福祉関係者は地域の精神保健福祉サービスの底上げが不可欠であることを強く訴えていくべきである。

都道府県がつくる『医療計画』と市区町村がつくる『障害福祉計画』をしっかりリンクさせること。

まだまだ都道府県も市区町村もこの重要性をお互いに理解していないのではないか、と感じます。

また、医療と福祉は連携するというよりも、『一体のもの』として統合することが必要です。

この『医療・福祉の統合』をフジノはあらゆる機会に訴えてきましたが、今回こうして重要な報告書で執筆する機会を頂けたことは大変ありがたかったです。

『医療と福祉の統合』『地域包括ケア』の実現に向けて、さらに取り組みを進めていきたいです。