長尾和宏さんの講演とパネルディスカッション/みんなで支える在宅療養シンポジウム2015、今年も大成功でした

今年も満員、みんなで支える在宅療養シンポジウムを開催しました

今日は、午後から夕方まで汐入・ベイサイドポケットへ向かいました。

会場にて

会場にて


今年も横須賀市は『みんなで支える在宅療養シンポジウム〜最期までおうちで暮らそう〜』を開催しました。

みんなで支える在宅療養シンポジウム・パンフレットより

みんなで支える在宅療養シンポジウム・パンフレットより


昨年は樋口恵子さんを講師にお招きして開催したのですが、満員で大成功でした。今年も会場は満員!

会場で配布されたパンフレットはこちらです。ご覧下さいね。



第1部・基調講演は長尾和宏先生です

第1部は長尾和宏先生長尾クリニック院長)の講演です。

講師の長尾和宏先生

講師の長尾和宏先生


長尾先生は、尼崎で開業しておられます。

長尾クリニックのウェブサイト

長尾クリニックのウェブサイト


けれども『開業医』であるということよりも、長尾先生はこの本がベストセラーになって『論客』としてこそ知られています。

長尾先生のパワーポイントその1

長尾先生のパワーポイントその1

朝日新聞の医療サイト『アピタル』での連載(町医者だから言いたい!)は、すでに1700回を超えておられます(すごい!)。

長尾先生はブログも毎日更新しておられますので、ぜひご覧下さいね。

長尾先生の産経新聞での連載が資料として配られました(その1その2)。こちらもぜひご覧下さい。



自分の最期は、自分で決める~穏やかな最期を迎える為に~

長尾先生の基調講演のタイトルは『自分の最期は、自分で決める~穏やかな最期を迎える為に~』でした。

無医村での活動を二十歳の頃に経験された長尾先生

無医村での活動を二十歳の頃に経験された長尾先生

現在は「がん」と「認知症」の時代

現在は「がん」と「認知症」の時代

1976年まで日本全体では自宅で亡くなる人の方が多かったのです

1976年まで日本全体では自宅で亡くなる人の方が多かったのです

死に至るまでの過程は、病態によって大きく異なります

死に至るまでの過程は、病態によって大きく異なります

在宅医療とはなにか

在宅医療とはなにか

平穏死と延命死の違い

平穏死と延命死の違い

講演に熱がこもる長尾先生

講演に熱がこもる長尾先生

休憩時間の控え室。

長尾先生を中心に、野村良彦先生・千場純一先生・大友宣先生らが交流を温めました。

左から、千場先生、長尾先生、野村先生、大友先生

左から、千場先生、長尾先生、野村先生、大友先生

第2部・パネルディスカッション「在宅医療と病院医療」

第2部は、長尾先生を交えて、横須賀の在宅療養・地域包括ケアのキーパーソンによるパネルディスカッションでした。

テーマは『在宅医療と病院医療』です。

横須賀市の死亡場所別死亡者数

横須賀市の死亡場所別死亡者数

(パンフレットの紹介文章より)

自宅で受ける医療(在宅療養)と、病院で受ける医療は、どのようにちがうのでしょう。

実際に医療に携わる先生方のお話を伺いながら、『在宅医療』と『病院医療』の違いについて、ご一緒に学んでまいりたいと思います。

そして、ご自分の人生の最期の医療をどうすべきか、考える機会にしていただければ幸いです。

野村良彦先生(野村内科クリニック院長)
大友宣先生(衣笠病院内科医長・湘南国際村クリニック所長)
豊田茂雄先生(横須賀共済病院診療部長・地域連携センター長)

3人のパネリスト

3人のパネリスト

(その1)



(その2)



(その3)


病院の種類と、それぞれの種類ごとにどのような機能を持っているかをご紹介する大友先生

病院の種類と、それぞれの種類ごとにどのような機能を持っているかをご紹介する大友先生

横須賀ではご自宅で亡くなる方がこの10年で2倍近く増えました

横須賀ではご自宅で亡くなる方がこの10年で2倍近く増えました

長尾和宏先生とフジノ

長尾和宏先生とフジノ

外に出るとすでに夕暮れでした

外に出るとすでに夕暮れでした

*詳しい内容は後でまた記します。



後日追記:長尾先生がブログでご紹介くださいました

長尾先生ご自身のブログで、今日の横須賀のことを記事として書いて下さいました。

長尾和宏先生のブログ記事より

長尾和宏先生のブログ記事より


ぜひこちらをご覧下さいね。



在宅療養連携会議・全体会議(第3回)

「在宅療養連携会議・全体会議」会場にて

「在宅療養連携会議・全体会議」会場にて

「横須賀の赤ひげ」野村良彦先生が「日本の赤ひげ」に選ばれました/日本医師会赤ひげ大賞を受賞!

野村良彦先生が「日本赤ひげ大賞」を受賞

本日、日本医師会の『日本医師会赤ひげ大賞』がプレスリリースされました。

今回5名の受賞者が発表されたのですが、その1人に野村良彦先生(野村内科クリニック)が選ばれました。

我らが「横須賀の赤ひげ」として知られる野村良彦先生が、「日本の赤ひげ」に選ばれたのです。

■ 神奈川県 野村良彦先生(67才)

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三浦半島で最寄りの駅まで3kmという交通が不便な地域で開業し、外来診療から在宅診療まで「かかりつけ医」として幅広く患者のニーズに応え続けている医師。

在宅医療では、多岐にわたる疾病や障害の方1,000名余りを担当され、500 名以上を看取っている。

また、市民活動として、がん患者を対象とした「がんなんでも相談」等を実施するなど、地域医療に多大な貢献をしている。

(プレスリリースの受賞者紹介より)

素晴らしい快挙です!

本市の『在宅療養連携会議』の中心メンバーでもある野村先生のご活躍が、さらに全国的に評価されたことは誇らしい限りです。

野村先生、おめでとうございます。

医師会赤ひげ大賞とは

過疎のまちでの医療や、障がいのある方や高齢の方々への医療、地域医療などに『特に貢献した医師』に送られる本賞。

詳しい内容は、以下の通りです。

「日本医師会 赤ひげ大賞」について

「日本医師会 赤ひげ大賞」は、公益社団法人日本医師会と産経新聞社が主催となり「地域の医療現場で長年にわたり、健康を中心に地域住民の生活を支えている医師にスポットを当てて顕彰すること」を目的として、ジャパンワクチン株式会社の特別協賛、厚生労働省、フジテレビジョン、BSフジの後援の下、平成24 年に創設したものである。

  1. 対象者
    日本医師会の会員及び都道府県医師会の会員で現役の医師。ただし、現職の都道府県医師会役員は除く。原則として、70歳未満の方を優先。
  2. 推薦方法
    各都道府県医師会長が1名を推薦
  3. 推薦基準
    • 過疎の医療現場、特にへき地や辺地、離島などで、住民を支えている医師
    • 障がいをもった方や高齢者が安心して暮らせるような活動を行っている医師
    • 地域における学校保健活動、公衆衛生活動を通じ、特段に地域住民の健康管理を推進している医師
    • 医療環境整備や社会活動を通じてまちづくりへ貢献している医師
  4. 選考委員
    羽毛田信吾(昭和館館長、宮内庁参与)
    向井 千秋(宇宙航空研究開発機構特任参与)
    山田 邦子(タレント)
    小林 光恵(作家)
    原 德壽(厚生労働省医政局長)
    外山 衆司(産経新聞社専務取締役)
    河合 雅司(産経新聞社論説委員)
    他日医役員等
  5. 表彰式・レセプション
    3月28日(金)帝国ホテル
    表彰式:午後5時 30 分~ 光の間
    レセプション:午後7時~ 孔雀の間・西

三方よし研究会の小鳥輝男先生も受賞!

実は、フジノにとってはうれしいことがもう1つありました。

5名の受賞者の中にもう1人、お世話になった方がいらっしゃいます。

小鳥輝男先生です。

わが国の在宅療養・地域包括ケアのリーダーのおひとりで、小鳥輝男先生らが主催する『三方よし研究会』の取り組みを学びたくて、昨年フジノは大学院を聴講したほどなのです。

■滋賀県 小鳥 輝男(オドリ テルオ)先生(68歳)

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滋賀県東近江市において地域医療における「医療機関」「患者」「地域」の良好な関係を実現させるため、医師、看護師、薬剤師、理学療法士、歯科衛生士、健保職員等、立場の違う医療従事者が毎月集う、「三方よし
研究会」を設立。

患者さんにとって最善の方法を模索するためのコミュニケーションを実現している。

小鳥先生、本当におめでとうございます!

在宅療養出前セミナー@うわまち病院、大成功でした

亡くなる場所を「選べる」ということの大切さ

かつては『病院』で看取りを迎えることが全てであった日本が、ようやく変わりつつあります。

本人の意思で、どのように生きて、どこで最期の瞬間を過ごすのかを選べることがとても大切です。

それが『地域包括ケア・在宅療養』を進めていく、1つのゴールです。

下の2つのグラフをご覧下さい。

「横須賀市の在宅での死亡数」大友宣先生作成資料より

「横須賀市の在宅での死亡数」大友宣先生作成資料より


自宅で亡くなった方々の数が増えていっています。

「横須賀での病院死亡率と自宅死亡率」大友宣先生作成資料より

「横須賀での病院死亡率と自宅死亡率」大友宣先生作成資料より


上のグラフの通り、わが横須賀市では、亡くなる方々の場所が『病院』から『自宅』へと少しずつシフトしています。

全国的に見ると、いまだ選択肢が『病院』しか無い現状の中で、横須賀では『自宅』での看取りを選んだ方も増えています。

これは、とても素晴らしいことです。

本人の希望や意思があっても、それを実現する為には医療・福祉の連携が不可欠です。

今、横須賀では、在宅での看取りを希望する方々の想いを実現する取り組みが少しずつ実を結んでいます。

うわまち病院へ「出前」セミナー

『地域包括ケア・在宅療養』を実現して、この方向をさらに進めていく必要があります。

その為には、今以上に『病院』で働く方々(医師・看護師をはじめとするみなさん)の理解も不可欠です。

けれども、多忙極まる病院勤務の方々に市が開催するセミナーに参加してもらうのは、なかなか難しい現状があります。

そこで、こちら側が『病院』に打って出て、『病院』を会場にして、セミナーを開催すれば『病院』で働く方々も参加できるのではないか、というのがこの企画の趣旨です。

そして今夜、第1回目を横須賀市立うわまち病院で開催しました。

会場の入口にて

会場の入口にて


主催は、横須賀市・横須賀市医師会・市立うわまち病院の3者です。

在宅療養出前セミナーのプログラム

在宅療養出前セミナーのプログラム


テーマは『病院から在宅へ〜それはキュアからケアへのパラダイムシフト〜』です。

市の政策を知っていただきました

まず最初に、横須賀市の地域医療推進課による講義です。

データで見る横須賀市の現状と今後、これまで行なってきた政策、今回のセミナーの位置づけなどをお伝えしました。

地域医療推進課長より「横須賀市の現状と将来的な課題」について

地域医療推進課長より「横須賀市の現状と将来的な課題」について


例えば、今夜の出前セミナーは『人材育成』の課題を解決する、13の取り組みの中の9番目に位置づけられています。

地域医療推進課・配布資料より

地域医療推進課・配布資料より


『地域包括ケア・在宅療養』を実現する為の横須賀市の政策を、病院関係者のみなさまにも知っていただくことは、とても貴重な機会です。

横須賀の「赤ひげ」野村先生による講義

続いて、野村内科クリニックの野村良彦先生による講義が行なわれました。

野村先生は、横須賀市民病院に13年勤務した後、地域医療を推進する為に診療所を開業しました。野村先生の取り組みは高く評価されています。

野村先生の講義

野村先生の講義


生活を支える視点への転換が進みつつあります。

野村先生の講義

野村先生の講義


在宅で行なわれる医療は患者の『生活の場』で行われる為、キュアよりケアが優先される。

  • 病院で行なわれている医療=キュア志向の医療
  • 在宅でおこなわれている医療=ケア志向の医療
  • 在宅医療は、最期まで寄り添うケアを目指している
  • キュアとして何もすることが無くなった状態でも、ケアとしてはすることがある

在宅医である野村先生から病院勤務のみなさんにお伝えしたいこと

在宅医である野村先生から病院勤務のみなさんにお伝えしたいこと


野村先生のパワーポイントより。

  1. 私の在宅医療(ケア)の基本的考え方
    • 「日常生活」を最優先する
    • 患者、家族の納得を得る
    • 慢性疾患のみを対象とする
    • 「自然」経過にゆだねる
    • 「安全」に終了する
  2. 私が実践している在宅医療
    • 患者の生活面まで診る全人的な医療
    • 入院医療・看護の出前ではなく、生活に即した医療
    • 介護も含めたチームケアに参加出来る医療
    • 「24時間つながっている」安心を提供出来る医療
    • 看取りまで出来る在宅医療
    • 看取った後もつながる医療(在宅から外来ヘ)

実際にうわまち病院から野村先生のクリニックへ紹介されて自宅で看取りを迎えた方の事例が紹介されました。

がんの診断から手術・化学療法・再発を経て4年が過ぎ、野村内科クリニックでの在宅ホスピスケアとなった方です。

うわまち病院からの紹介事例

うわまち病院からの紹介事例


在宅での医療、在宅での看取り。

現実的にご本人にもご家族にも大変な部分はいくつもあります。

しかし、大変な部分を上回る「自宅で良かった」という想いを実感することも多いとのことです。

フジノとしては、繰り返しになりますが、本人の選択として「自宅に戻りたい」という本人の意思があった時に、それを実現できる体制を横須賀につくりたいです。

病院はダメ、自宅じゃなきゃダメ、という決め付けをするつもりは全くありません。

熱のこもった質疑応答ののち、閉会

野村先生の熱のこもった講義が終わり、全体を通しての質疑応答に入りました。

はじめは少しずつ手が挙がり、やがて次々と手が挙がりました。

最終的には熱心な質疑応答が続いて、閉会が30分間延長されました。

そうした医療関係者のみなさんの姿に、改めてフジノは感謝の気持ちが強くなりました。

うわまち病院南館

うわまち病院南館


うわまち病院で勤務するドクターをはじめとする70名もの方々が参加して下さった今夜のセミナー。

大成功だったと思います。

病院への『出前』セミナーは、あと2回開催されます。共済病院、市民病院へと向かいます。

こうして、病院と診療所と市とお互いの理解が深まっていくことで、共通の認識をもって、さらに前へ進んでいくことができるはずです。

参加して下さったうわまち病院のみなさま、病院管理者の沼田さん、野村先生、ありがとうございました!