まちの政治家は、こんなことしてます


2009年3月16日(月)のフジノ
● タヌキが出た誇るべき自然は、市長には「ただの山」だったのか

 今日も1日、朝から晩までひたすら
 予算議会のインターネット録画中継を観まくりました。

 自分の所属していない3つの委員会をチェックして、
 全ての議案について1つずつ判断していきます。

 ちなみに自分が所属している
 教育経済常任委員会の予算審議は明日がラストです。

 ところで、本当に残念な発言に出会いました。

 市長が記者会見で発言したものを
 1か月後くらいに横須賀市のHPで発表されているのですが、
 このような発言がありました。


 (先月2月16日に行われた定例記者会見より)






 今、YRPで産業構造の転換という、
 うまくいったということだと思うんですが、

 オープンして以来の市長さんのご感想というかですね、
 トヨタとか のホンダの企業城下町が
 非常に法人市民税収入の減少で苦しむ中で、

 こういう12%アップっていうのはちょっと考えられないのですけど、
 市長さんのご感想を 伺いたいのですが。








 やっぱりYRPっていうのは、
 もう世界的な拠点に成長しましたですよね。

 約10年前にオープンしたのですけど、
 移動体通信ということで着目をして、

 その移動体通信関係の、製造はやっていないので
 全部、試験研究室なのですが、
 そのセクションについて、
 大学のいろいろな東大、京大、慶応、早稲田、
 もうほとんどの大学の通信の研究部門、

 それから日本の一流の企業、
 NTT関係、NECだの富士通だの、
 移動体通信の研究セクションが、

 それから公的な試験研究機関もあります。

 そういうものがそこに70以上集まっているのです。

 これは、こんな所は日本中どこにもないし、
 レベルは世界的なレベルで、
 世界とのいろいろ協定なんかも結んだりして
 活発に仕事をしております。

 そういうものをこの横須賀に誘致を、
 10年以上前、ずっと長い計画があって、
 ようやく10年前にスタートしたわけですけども、

 昔は単なる山林で、タヌキが出るとか、
 ただの山だったのですね。


 それが一転してああいう大きなビルがどんどん建って、
 優秀な人材がどんどんここに通って来て、
 そういう地域に一変をしました。


 全世界からアクセスして下さっている
 フジノHPですから

 YRPと書かれていても
 全く訳がわからないと思うのですけれど

 『Yokosuka Reseach Park』の略です。

 ここ数年の横須賀市にとっての
 企業誘致戦略の重要拠点がこのYRPです。

 ただし、すさまじい面積の山と緑を削って造られました。

 フジノはこの地域のすぐそばに30年間住んでいて
 こんな開発には大反対でした。

 横須賀の誇りは、まさに自然が豊かであることだったはずです。

 タヌキが出るような自然は僕のこども時代には
 まだそこかしこには残っていましたが
 今ではほとんどありません。

 蒲谷市長は、きっと法人税が上向いて
 うれしさから口が滑ったのでしょうが

 『単なる山林』、
 『タヌキが出るとかただの山だった』、

 というセリフは、非常に怒りを感じました。

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 例えば、東京都稲城市南山という地域があります。

 スタジオジブリの映画
 『平成狸合戦ぽんぽこ』の舞台にもなった多摩丘陵の、
 さらに最後に残された自然豊かな場所です。

 そこでは、区画整理の為に
 丘陵地を削って、谷を埋める巨大開発事を始める予定です。

 そんな自然の里山を守るために
 東京都に対して次々と行政不服審査請求が出されています。

 こうした出来事ひとつを見ても
 タヌキが出るような『単なる山林』が
 人々にとっていかに愛すべき守りたい貴重なものなのか
 フジノはつくづく共感します。

 横須賀市だって、『緑の基本計画』を持っていて
 自然を守ろうと表面的には訴えています。

 さらにこの4月から市役所の組織を変えて
 環境部の中に新しく自然環境政策部門を設置します。

 それなのに...。

 いくらYRPが成功したといっても、
 その代償として、どれほどたくさんの自然が失われたかを
 市長ならば深く理解していてほしいです。

 横須賀市民のアイデンティティは
 豊かな自然にこそあります。

 ただの山、それがすでに日本中からどんどん失われている今、
 それをどれほど貴重な守るべき財産と考えるべきなのか、

 市長の『自然に対する認識』を疑います。

 市民のみなさま、フジノの言葉の感覚は
 市長に対して厳しすぎますか?

 先日のカフェトークである参加者の方から
 そのように言われましたが

 本当にそうでしょうか?

 こどもたちに残すべき豊富な自然はすでにかなり削り取られて、
 横須賀から姿を消しつつあります。

 雇用の確保や企業誘致という目の前の問題解決の為には
 YRPの存在が仮に必要だったとしても

 その開発の代償として失った自然に対して
 「タヌキが出るとか、ただの山だった」なんて軽く言わないでほしい。

 フジノの見方はこうです。

 「狸が生息できるような、素晴らしい自然が残っていた。
  そこを、市税の確保していく必要性から
  企業誘致の拠点にする為にやむをえず切り崩して
  開発をした。

  ビオトープなどで自然の回復を行なっているが
  それでも当時とは全く違っている」

 どちらの見方があなたの考えに近いですか?



2009年3月15日(日)のフジノ
● カフェトークに埼玉県戸田市からお客さまがいらっしゃいました

 今日はカフェトーク(第163回目)でした。

 カフェトークには、これまでも遠方から
 お客さまが来てくださいましたが
 (名古屋、岡山、神戸、新宿、江戸川、埼玉などなど)

 今日は、埼玉県戸田市からわざわざ来てくれた方がいました。
 酒井いくろうさん(33才・埼玉県戸田市議会議員)です。

 この1月25日の選挙で当選したばかりだそうです。
 1度目の立候補の時には落選してしまい、
 2度目の挑戦での当選とのことでした。

 4年間の浪人中は、いろいろなご苦労があったとは思いますが
 2度の選挙、本当におつかれさまでした。

 でも、政治家になってからの方が大切ですし
 本当の意味で大変なのはこれからですから
 これからもっとすさまじくたくさんのご苦労があると思います。
 どうか、お体に気をつけて、乗り切って下さいね。

 横須賀市内に叔母さんが
 暮らしていらっしゃるそうで

 横須賀にとても親しみを
 感じて下さっている酒井さん。

 今日はこの後、

 他都市でも(ネガティブな意味で)
 とても話題になっている

 ・長井海の手公園
  ソレイユの丘


 ・横須賀美術館

 を視察しに行くそうです。 

 どちらの施設も、『市民の大反対』を押し切って
 ムリヤリ作ったハコモノですが

 完成から数年が経過しましたが、

 入場者数の明らかな減少や、
 市から運営委託されている企業のモラルハザードなど
 ほころびがハッキリ見えてきました。

 かつて反対運動をした市民の方々の想いがやはり正しかったと
 時間が経つごとに証明されていっています。

 どうか他都市の政治家の方々には、
 『横須賀の失敗』を反面教師にして

 こんな税金のムダ遣いがなされないように
 厳しく行政をチェックしていただきたいと願っています。


● カフェトークに参加する政治家のみなさまへ

 1つだけお願いがあります。

 カフェトークには、たくさんの他都市の政治家の方々が
 お忍びでいらっしゃるのですが、そうした政治家のみなさまへ。

 カフェトークでは、基本的に僕は全然しゃべりません。

 酒井さんにも

 「フジノさんは『闘う政治家』のイメージが強かったのですが
  実物はだいぶ違う感じですね...」

 と言われてしまったのですが、
 ほとんど全ての政治家の参加者の方に、そう言われます(涙)。

 あの、実は、HPでのフジノと
 カフェトークでのフジノは別物なのです。

 HPを書いている時や、市議会の本会議・委員会や、
 街頭演説をしている時のフジノは、『政治家』モードにスイッチオンです。

 でも、カフェトーク中のフジノは
 ほぼ『プライベート』モードになっています(笑)

 もしも実物の『闘う政治家フジノ』を観てみたいなあという方は
 どうか、あきらめてください...。

 僕はカフェトークの場では
 『政治家』スイッチは、入りません(断言します)。

 参加して下さった方々みんなが安心して
 ゆったりと2時間、自由に何でも語り合えるのが目的です。
 カフェトークはあくまでも交流の場です。

 だから、申し込みもいらないし、誰でも参加自由です。
 途中で出入りするのも完全に自由です。

 学生の方をはじめ、お子さんを連れた若いお母さんや、
 お勤め帰りの会社員の方、フリーターの方、失業中の方、休職中の方、
 NPO・福祉カンケーの方、定年退職をされた方、など

 職業もバラバラ、年齢も小学生から高齢の方まで、
 いろいろな立場の方々がいらっしゃいます。

 会場に来たとしても、話したい人は自由に話せばいいし、
 その場の空気感だけ味わいたい方は
 別のテーブルやカウンターに座っていてもOKなのです。

 そんなカフェトークは、とても大切な場です。

 毎週必ずそこでフジノは誰かが来るのを待っていて
 そして、一緒にお茶を飲みながら、のんびりと過ごします。

 だから、『政治家フジノ』とは
 カフェトークでは会えないと思いますので
 それでもOKならば、ぜひ遊びに来てくださいませ。

 素敵なカフェでゆったりと過ごす
 穏やかな2時間は、とても気持ちがいいものですよ。

 仕事を忘れて、ぜひどうぞ。



2009年3月14日(土)のフジノ
● 父のお見舞い&入院料の支払いへ

 自分が所属していない3つの委員会の予算審議を
 インターネット録画中継で朝まで観続けて

 明け方に4時間ほど寝て
 すぐ起きて仕度を始めたのですが

 慢性的な寝不足から、曜日と日付の感覚が全く無くなり、
 雨戸を開けなければ時計を見ても
 朝なのか夜なのか分からなくなりました。

 それでも「えいや!」と飛び起きて、
 今日はまず鎌倉へ。

 静岡県・熱川温泉病院から2月16日に転院を果たして以来、
 ようやく、おやじのお見舞いに行きます。

 予算議会のまっただなかなので
 プライベートな用事の為に時間を使うことに
 罪の意識を感じつつも

 かばんに大量の予算議会資料を詰め込んで
 とにかく電車に乗りました。

 転院した病院の良いところは、
 『入院料の支払い』が
 『口座からの自動引き落とし』ではダメなところ。

 きちんと病院を毎月訪れて
 『手渡し』で清算しないといけないのですね。

 これならば、僕みたいな仕事中毒人間でも
 支払いの為に足を運ぶと同時に
 お見舞いが成される、というメリットがあります。

 やっぱり、意識があろうとなかろうとカンケーなく、
 家族の声、家族が手や頬に触れること、そばにいることが、
 最大のケアですよね。


 転院した病院は、江ノ島のそば。
 さすがに熱川とは違って
 予算資料を読んでたらあっという間に到着しました。

 やっぱり「病院が県内にある」って
 ラクで助かります。

 今日の海は、とても波が高かったです。

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 父の病室は4人部屋です。

 大部屋に空きが出ないので『差額ベット代』を支払っています。
 (この金額が毎月になっちゃうと、僕の財政的にはかなりキツイ...)

 同じ病室の、隣のベットの方が
 もともと横須賀市民の方でした。

 いつもお見舞いに行くと、
 フジノが政治家として「おかしい」と訴えていることの
 リアルな姿を改めて目の当たりにします。

 自分の訴えの正しさを、改めて実感します。

 うちのおやじもこの方も、横須賀には居られない。
 地元には居場所が存在しないからだ。

 それは、政治・行政に責任がある。

 こんな現実がまかり通っている国はおかしい。
 医療政策はとにかく財政を抑えることしか考えていないから
 誰も幸せにできていない。最低だ。

 国がどれほど無能で無策でダメでも、
 地方自治体の権限でやれることは全てやればいい、とフジノは考えて

 これまでもフジノはいろいろ提案してきましたが
 蒲谷市長はそうした提案をことごとく拒否しまくりました。

 一体、何なんだ?

 総理も厚生労働大臣も市長も
 自分だけは年を取らないとでも信じているのだろうか。

 あるいは、自分たちだけは大金を使って
 最高の医療を受けられるから
 こんなひどい医療体制でも何も心配は無いというのだろうか。

 こんな日本、こんな横須賀のままでは絶対にダメだ。
 ふつうに暮らしている僕たち市民にとっては
 誰も『長寿を喜べない社会』になってしまった。

 本人も家族も追い込まれて、とても苦しんで生きている。

 こんな社会は、絶対に変えなければならない。
 今だって遅すぎるくらいだ。今すぐ変えなければいけない。

 世の中は今、いろんなことが本当にめちゃくちゃだ。
 特に政治は最低だ。

 政治は命を守るのが仕事だ。
 その当たり前が今は完全に機能していない。

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 予算議会の資料の読み込みがまだ全く終わっていなかったので
 ひたすら電車移動の時間を使って資料を読みたくて

 家族が「一緒にお見舞いに行こう」と言うのを断って
 今日は、僕1人だけで来ました。

 でも、逆にそれがとても良かったです。

 おやじと
 1対1で

 じっくり
 語り合えました。

 たまには男同士でいろいろ語り合うのもいいよね。
 1時間近く、2人でじっくりと語り合いました。

 僕には、おやじが生きているというその事実だけで
 とてもすごくうれしい。

 おやじは何も僕に語ることができなくても
 僕の声が物理的には届いていなくても

 僕はおやじの存在に助けられている。

 家族や親戚から僕は頼られることが多くなってきて
 自分が頼れるような身内はいなくなってしまったけれど、

 おやじの存在には、いつも頼っている。

 おやじが、生きているから
 僕も何とか生きていかれる。


 そう言えば、最近このHP・ブログを読み始めた後輩が

 「お父さんの写真まで載せていてスゴイですね」

 と言ってたけど、現実を知ってほしいからだよ。

 だって、人間って想像力があるから
 もっと他人の痛みを理解してくれるかと信じて期待していたけど
 世の中は全然、他人に関心なんて持ってくれない。

 リアルな姿を見せる以外に、
 他人のことをイメージしてもらう手段が無いんだよ。

 だから、自分のことも、おやじのことも、なるべく世間に知らせているんだ。

 何年も前に決心したことだけれど、
 自分の父親の姿をこうして世間にさらすことは
 息子として本当に苦しい。

 警察官時代には白バイ隊員だったカッコいいおやじの姿を
 覚えている僕にとっては、特にそうだ。

 でも、今のこの姿だって、カッコいいと思う。
 おやじ、闘ってるもん。

 おれだって、闘うよ。


● 祖父宅へ

 鎌倉を後にして、江ノ電で藤沢駅へ向かって、
 JRに乗り換えて、平塚の祖父宅へ。

 明日は、祖母の命日なのです。

 いつも仕事にかまけてばかりの僕は
 年末年始さえも、おじいちゃんの家に行けませんでした。

 親戚一同の中で誰よりも僕は
 おじいちゃん子なのに、本当に忙しくて動けなくて
 さみしい気持ちでした。

 そこで、父のお見舞いとあわせて「エイヤ」と決心しました。

 実は、昨年暮れからおじいちゃんには心配なことがあって、
 これまで右耳の聴力に問題は無かったのに
 ついに聞こえが悪くなってしまったのです。

 左耳は医療ミスのせいで
 10年前からほとんど聴こえなかったのですが
 これで両方の耳の聴力が厳しくなってしまいました。

 そこで補聴器をつけはじめたそうで
 それを聴いてすぐに会いに行きたかったのですが、
 数ヶ月が過ぎてしまいました。

 だから、ようやく会うことができました。



 明日が命日のおばあちゃんにお線香をあげて
 予算議会の最中だから、と
 滞在わずか1時間であっという間に帰ったのですが

 祖父と会うたびに 
 本当に会えて良かったと感じます。

 父と祖父と会うことだけが、僕にとって
 生きていくことに安心と信頼を無条件で感じることができます。

 対世間では、政治家としてフジノは
 『希望』を語らなければいけない立場にあります。

 でも、個人としての僕にとって
 唯一の『希望』は、父の存在であり、祖父の存在です。


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 さあ、仕事に戻らなければ。
 また朝まで仕事だ。がんばろう。



2009年3月13日(金)のフジノその4
● 美術館についての質疑(その2)ミッション無しの美術館?

 『教育委員会』の来年度予算審議にて
 フジノが行なった質疑を紹介していきます。

 前回に続いて
 『横須賀美術館の在り方について』の質疑です。

 今回は、質問その2.ミッションさえ無いまま建設されたのか?についてです。

 *テープ起こしの為、正確な議事録ではありません

 (2009年3月13日・教育経済常任委員会でのフジノの質疑)







 収支の差額(赤字4億2000万円)を埋めることが
 金銭的には難しい場合には

 市民の方々・利用者の方々の満足度が
 その4億円分に到達するか
 それを超えるという手段があると思うんです。

 そこでうかがいたいのです。

 美術館の評価委員会、議事録を読ませていただきました。
 
 まだ公開されているもののみなので
 第3回(平成20年3月7日)までしか拝見していません。

 先ほど課長から、

 つい最近開催されたばかりの委員会では
 評価の仕方・指標が定まったとうかがいました。

 しかし、第3回までの議事録を読ませていただくと
 いくつか疑問な点があるんです。

 例えばインターネットからダウンロードできる
 資料の中に

 『評価制度の確立・実施に向けたスケジュール案』ということで
 平成20年度は
 『ミッションの確立』と
 『ミッションの承認』というのがありました。

 (『評価制度の確立・実施に向けたスケジュール』)より

 また、議事録の中では
 評価委員の方自身が

 「私の知る限りこの美術館というのは
  しっかり計画されてできたってイメージじゃなくて
  トップダウンでまあつくろうよ、という感じですから」

 というような発言がございます。

 (議事録より)

 そこでうかがいたいんですが

 この美術館っていうのはミッションが無いままに
 作られたものなのでしょうか?













 これも議事録をお読みいただければ
 お分かりいただけると思うんですが

 私どもは当初、美術館の「ミッション」は
 建設計画にいたるまでの
 『美術館基本構想』『基本計画』であるという旨を
 しっかりご説明したところでございます。

 委員会の中で

 それがあるのは分かっているが
 これについてはここを見て
 これについてはここを見るというのでは分かりにくい、と。

 実際に運用しての経験を踏まえての
 もっと分かりやすい「ミッション」というのを
 改めて立てるべきではないか


 というご指摘を頂いたものの一部分が
 ただ今の議事録の発言になっている
 ということでございます。








 やはり来年度予算案を審議していく中で
 美術館の予算を見るにあたっては

 「ミッション」が一体何なのか

 ということを
 ハッキリとお示しいただく必要があると思うのですが

 ご承認いただいた確立された「ミッション」というのは
 どういうものなんでしょうか?












 まだ資料の最終的な整理が整っていないので
 分かりやすく明確には申し上げられないのですが

 美術を通じた交流の促進ですとか、
 質の高い展覧会、
 安らぎの場の提供、
 知的好奇心の育成と充足
 福祉活動の展開、
 学校との連携、
 市民との協働、
 こどもたちへの美術館教室

 などを分かりやすい形にまとめて
 ミッションとして最初に文章化するつもりでございます。

 今申し上げたようなエッセンスを
 どのような評価指標にする
 という形でのご承認を頂いたという形になります。


 (議事録からの引用はここまで)


● いまだに「ミッションの確立」が必要な本当の理由/お荷物になった美術館

 この質問を行なおうとフジノが考えた理由は
 次の通りです。

 美術館問題については
 いつも追いかけていて資料を読んでいるのですが

 美術館が実際にオープンしてから何年も経っているのに
 いまだに『ミッションの確立』を議題にしている評価委員会の存在とは
 一体、何なのだろうかと激しく疑問に感じました。

 フジノが建設反対を公約に当選した6年前から
 沢田元市長とあれだけ激しく議論を重ねたのにも関わらずです。

 それは、沢田市長が引退した後に

 こんなにも赤字を垂れ流す美術館を
 残されてしまった横須賀市で


 「このままの美術館ではとてもやっていけない」

 「沢田市長が考えた美術館では市民ニーズにそぐわない」

 「ゼロからミッションを作り直さなければならない」

 という

 強い危機感を
 現在の教育委員会が抱いているからだ、


 との結論にフジノは至りました。

 もしもそうならば、現在の教育委員会の目指している方向は
 フジノと同じ方向です。本当の市民ニーズに近づこうとしている訳ですから。

 それをあえてあぶりだしたくて
 今回の質問を行ないました。

 そして、課長の答弁から
 フジノの狙いは成功したと考えています。

 美術館についてかつての構想だとか計画だとかは存在するけれども
 分かりにくいし、
 実際に運用してみたら通用しなかったので
 改めて作り直さねばならなかった、という答弁なのだと
 フジノは受け止めました。

 したがって、沢田元市長が作った美術館と
 現在の横須賀美術館には「もはや連続性は無い」とフジノは考えます。

 かつての沢田市長は美術館を作ることに
 意地になっていて
 ミッションや収益性などを
 ほとんど現実的には考えていなかったのではないか、と感じます。

 それは、はからずも、
 美術館評価委員会のメンバー自身がふと漏らした言葉、

 「私の知る限りこの美術館というのは
  しっかり計画されてできたってイメージじゃなくて
  トップダウンでまあつくろうよ、という感じですから」


 ということに表れているのです。

 それは、市長が市政を私物化している、
 ということだったと言えるかもしれません。

 あれだけ建設反対運動が起こったことが
 その証拠だとフジノは考えています。市民は求めていなかったのです。

 だからこそ、オープンして数年が経った今になっても
 今さら改めて『ミッション』を固めているんでしょう。

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 しかし...答弁で出された横須賀美術館のミッションですが、

 ・美術を通じた交流の促進
 ・質の高い展覧会
 ・安らぎの場の提供
 ・知的好奇心の育成と充足
 ・福祉活動の展開
 ・学校との連携、
 ・市民との協働、
 ・こどもたちへの美術館教室

 あまりにも総花的すぎて
 どこの美術館でもやっていることになっています。

 横須賀にしかできない美術館というのは
 もともと存在しないのではないでしょうか。

 現在の教育委員会のように
 市民ニーズを探って収入を増加させる努力も
 ありなのかもしれませんが、

 結局、根本的な問題を解決する為には
 民間への売却を行なうか、一刻も早く美術館そのものを廃止するか、
 どちらかしか無い、とフジノは考えています。



2009年3月13日(金)のフジノその3
● 美術館についての質疑(その1)

 『教育委員会』の来年度予算審議にて
 フジノが行なった質疑を紹介していきます。

 今回から数回に分けて、
 『横須賀美術館の在り方について』の質疑です。



 今回は、質問その1.赤字はいくらになるのか?についてです。

 *テープ起こしの為、正確な議事録ではありません

 (2009年3月13日・教育経済常任委員会でのフジノの質疑)







 横須賀美術館についてうかがいたいと思います。

 まず、来年度予算における
 入場料・駐車場使用料・図録などの販売などを含めた『収入面』と
 4億7614万円の『支出』との、
 収支の差額はいくらになるのでしょうか?












 特定財源(『収入』)として計上させていただいておりますのが
 観覧料約4000万円、
 駐車場使用料の1000万円強、
 雑入としてご指摘の図録受払い等でございます。

 それらを合計いたしまして
 『支出』を差し引きますと
 4億円を切っているくらいの収支の差額になると思います。








 収支の差額が約4億円切るかどうかぐらいだ
 というお話ですけれど、

 そもそも収益施設ではないとはいえ、
 この金額(赤字)についてはいかがお考えでしょうか?












 『収入』はあくまで推計でございまして

 もちろん下回る可能性もありますが
 上回る可能性もまだございますので

 毎年度目標を立てて、
 それを上回るということを活動目標にしておりますので

 それにつきましては
 上回るように努力してまいりたいと思います。

 「差をなるべく埋めるべきではないか」

 というご指摘だと思いますけれども
 施設の性格上、とんとんにするというのは難しいと思っております。

 少しでも多くの方にご利用いただいて
 収支の数字が良くなるように努力してまいりたいと思います。




 収支が激しいマイナス(赤字)になるのは
 すでに予算書を見てフジノは分かっていたのですが

 教育委員会側がその赤字をどう認識しているか、
 きちんと議事録に残しておきたいので
 あえて質問しました。

 教育委員会側は「4億円を切るくらい」と答弁しましたが
 実際には4億2010万円の赤字予算です。

 それだけの赤字を出すことへの認識を問いましたが
 「謝罪」とかそういう意識を示す言葉は全くありません。

 とにかく収入を増やすことを目指す、という姿勢であることが分かりました。

 横須賀美術館は、おととし去年に引き続いて
 来年度予算でも4億円台の赤字となりました。

 内訳はこの通りです。
 オープン3年目となる2009年度の収支を紹介します。

収入 支出
観覧料         4575万円
駐車場使用料     1029万円

 -----------------------
(合計)       5604万円
給与       1億3083万円
運営事業費   1億1920万円
管理事業費   2億2611万円
 ---------------------
(合計)    4億7614万円

 収入から支出をひくと、
 4億2010万円の赤字です。

 収入の『観覧料』では、6万9368人
 (個人5万7,776人、団体1万1,592人)の見込みとしています。

 1円でも多く赤字を減らしたいと訴えてきたフジノにとって
 やはり全く賛成できない予算案です。


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