まちの政治家は、こんなことしてます


2011年12月23日(金)のフジノ
● クリスマス・イブ・イブ

 この週末は天気予報でも『冬将軍の到来』と報じられていましたが
 今日は、朝からずっと本当に寒かったですね。

 フジノは朝から夕方まで外に出ていたのですが
 時折、雪というか、あられ(小さな氷のつぶ)が降ってきました。

 そんな寒空の下の
 『ひとり自殺予防街頭キャンペーン』2日目でしたが
 いろいろな方々から声をかけて頂きました。



 その中で今日、特に印象に残ったのは、
 中学校2年生の女子2人です。

 ワイデッキのフジノが立っている位置の斜め前に
 日本赤十字社の献血活動の
 大きな立て看板が置いてありました。

 その立て看板の影に隠れながら
 フジノの話すことを
 ずっと聴いてくれていました。

 そんな2人の行動にはじめから気が付いていたので
 話題がひと段落したところで、
 フジノから話しかけてみました。

 それから、少しお話をしました。

 最後に2人は、

 「こころの電話、広めて下さいね」

 とフジノに言葉を残して
 改札の方へと歩いて行きました。

 ありがとうございます。

 (実は、上のフジノの写真も
  その女の子にシャッターを押してもらったものです。

  いつもフジノはひとりきりで活動をしているので
  街頭での写真は話しかけてくれた方にお願いして
  シャッターを押してもらっているのですね)



 8年前に当選した時からフジノは
 市議会議員の中では年齢が低かったので

 街頭演説に立つと
 いつも小中学生・高校生に話しかけられてきました。

 だから、こどもたちの声を受け取って
 市議会へと反映させていく、
 という代弁者の役割を
 フジノは勤めているのだとずっと自覚してきました。

 ただ、初めて立候補した時には
 28歳だったフジノも
 今では37歳。
 すっかり中年の仲間入りしました。

 髪の毛が茶色かったり、童顔だったり、若づくりもあって
 まだ実年齢よりは若くみられてはいるものの

 もう『若者』という自覚も
 フジノ自身には無くて

 かつてほどには小中学生・高校生たちにとっても
 『心的な距離感』は近くないだろうなと思ってきました。

 けれども、今日、
 中学生たちと話してみて改めて思ったのですが

 こどもたちが求めているのは
 『年齢の近さ』では無い、ということです。

 彼女たちが求めているのは
 笑いでごまかしたり媚びへつらったりせずに
 しっかりと真正面からその声に耳を傾けるという『姿勢』なのだ
 と感じました。

 つまり、フジノの年齢が自分たちに近いかどうかではなくて
 フジノが自分たちの声にしっかりと耳を傾けてくれるのかどうかを
 こどもたちは見ているのだと感じたのです。

 だから、こどもたちの声に
 しっかり耳を傾けたいと願いながら行動し続けていく限りは
 きっと彼ら/彼女らは
 僕に話しかけてくれるのだと感じました。

 だから、そういう自分で在り続けよう、
 改めてそう思いました。

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 夕方、仕事をひと休憩して
 近所を歩いていたら

 フジノがしばしば遊んでもらう 
 11歳の男の子と女の子がやってきて

 「秘密基地をつくったからおじさんにだけ教えてあげる!」

 と言われました。

 そして、がけの上まで
 引っ張って行かれました。

 つたを登っていったがけの上の茂みに
 ダンボールで壁をつくった見事な基地が完成していました。



 「いつのまに作ったの!
  すごいじゃん」

 と基地の中を見せてもらったフジノが言うと

 「朝からダンボールを運んだんだ」

 と彼らは笑顔で教えてくれました。

 「すごいね、今日はあられが降ったりしてたのに
  寒い中がんばったね!」

 とフジノが言うと

 「えー、そんなの気付かなかった!」

 と2人は答えました。

 寒さも吹き飛ばして気づかないくらいに夢中で作った秘密基地。
 それを内緒で教えてもらえた近所のおじさんであるフジノ。

 昼間のワイデッキでの中学生2人も
 夕方の近所の小学生2人も、まだフジノのことを信じてくれている。

 公私ともに、そんなこどもたちの信頼を
 これからもしっかり受け止められる大人で居続けたい。

 がんばろう。



2011年12月22日(木)のフジノその2
● 汚染がれきの受け入れの続報・市長の記者会見でのコメント

 昨日、黒岩県知事が表明した『がれきの受け入れ問題』について
 吉田市長が記者会見でコメントしました。

 吉田市長が記者会見でどのようなコメントをしたか、
 横須賀市HPで公表されている『市長記者会見』議事録から
 引用します。


 案件外

 【東日本大震災で生じたがれきの焼却灰を
  「かながわ環境整備センター」で受け入れることについて】

 (記者)
 神奈川県知事が、東日本大震災で生じたがれきの焼却灰を
 芦名にある神奈川県の施設「かながわ環境整備センター」に
 埋め立て処分する旨を表明したことについて、
 市長の見解をお聞かせください。

 (市長)
 市では、これまでも多くの被災者支援を行ってきましたので、
 知事の気持ちは理解できます。

 何よりも地元の皆さんの理解が大切ですので、
 「かながわ環境整備センター」がある地域周辺だけではなく、
 搬送車が通る地域も含め、
 丁寧に説明をしていただきたいと考えています。

 市としても、地元の声を
 県に届けさせていただくことになると思っています。




 神奈川新聞が報道しました。

 (2011年12月22日・神奈川新聞より)


 (2011年12月22日・神奈川新聞より)

 (2011年12月22日・毎日新聞より)




2011年12月22日(木)のフジノその1
● 「震災が起こったから自殺が増えても仕方ない」なんて言わせない

 クリスマスのイルミネーションで
 世の中全体が華やかに彩られる12月下旬から

 クリスマス、大晦日、元旦を超えて
 三が日が明けるまで

 毎年、フジノは街頭に繰り出して
 『ひとり自殺予防キャンペーン』を行なっています。

 今年も、今日からスタートしました。

 年末年始も年中無休でオープンしている
 『横須賀こころの電話』の紹介をはじめ、

 いざという時に役に立つ
 いろいろな情報をみなさまにお伝えしました。 



 今年は、3月に東日本大震災が起こってから
 東北以外でも自殺による犠牲者が増えています。

 例えば、下の記事をご覧ください。


 (時事通信社・時事ドットコム・2011年7月26日付けより)


 マスメディアやインターネットなどで
 よく流布している言葉があります。

 「今年は震災が起こったから、自殺も増えてしまった」

 あなたもこんなセリフを聴いたことがあるはずです。

 でも、待って下さい。

 『震災』が起こったことと
 『自殺』が増えたことには何のカンケーもありません。

 自殺が増えたことの『免罪符』として
 東日本大震災が使われています。

 でも、これは全くおかしいです。

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 ずっと日本では失業率と自殺率が比例していて

 『景気が悪くなる』=『自殺が増える』

 これが「当然だ」と思われてきました。
 まるで世界全体の常識のように語られてきました。

 (日本の自殺者数と完全失業率の推移。『自殺予防学』河西千秋著、新潮社、2009年より)


 でも、本当は違います。

 失業率と自殺率が相関しているのは
 『日本に特有な現象』でしかありません。

 世界を見てみれば、
 景気が悪くても自殺が減っている国がいくつもあるのです。

 (スウェーデンの自殺者数と完全失業率の推移。同書より)

 他の国で実現できていることは
 この国でも実現できることです。

 つまり、景気が悪くなろうと良くなろうと
 自殺が増えたり減ったりと影響されない社会に変えていくことが
 政治家の仕事なのです。

 フジノはこのことを
 ずっと繰り返しお伝えしてきました。

 そして今、みなさまにお伝えしたいのは
 震災が起こっても自殺が増えない国に変えねばならない、ということです。

 「今年は震災が起こったから、自殺も増えてしまった」なんて
 政治家たちに言わせない国に変えるのです。
 

 自殺が増えたら、それは政治家の責任です。

 震災が起ころうとも景気が悪くなろうとも
 いのちを守ることができるのです。

 いのちを守れない政治の失敗を
 震災のせいだなんて
 絶対に政治家に言い訳させてはいけない
のです。



 去年、横須賀市の自殺による犠牲者数は
 97人にのぼりました。

 けれども東日本大震災が起こった今年は
 10月31日現在までの10ヶ月間で、犠牲者数は59人です。

 仮にこのペースが続いてしまったとしても
 明らかに昨年よりも
 横須賀では減っています。

 今年は、横須賀中央駅の下りホームの壁一面に
 大きく相談機関を紹介する広告を行なったり
 商店街やバス停にまで
 広報活動の場を広げました。

 街頭キャンペーンの場所も過去最大に増やして
 1年間をかけて市内全ての駅で行ないました。

 この8年間、横須賀市が取り組んできた対策は
 歩みは遅くても
 少しずつ実を結びつつあるのだと
 フジノは信じています。

 だから、今年の『ひとり自殺予防街頭キャンペーン』では

 「震災が起こったから自殺が増えたのは仕方ない、なんて
  絶対に違います」

 とフジノは訴えています。

 震災が起こっても自殺による犠牲者を生まない
 そんな社会へと変えることができると信じています。

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 その数が減ったとはいえ
 すでに59人もの犠牲者が出ている現実を前に

 犠牲になった方とそのご遺族の
 痛みを想うにつけても僕もとても苦しく
 自分の力不足を深く詫びる気持ちを強く感じています。

 だから、年明けまで全力をかけて
 もうこれ以上、犠牲者を出さない為に
 フジノは伝えていきたいと思うのです。

 このまちは、いつだって誰1人も見捨てたくないと願っています。

 時には、政治・行政の力が足りなくて
 その手をつかみきれないことがあるかもしれません。

 でも、いつだっていつだって僕たちは
 声にならない声に耳を傾けたいと願っています。

 その手をしっかり握りたい、つなぎとめていたい、と願っています。

 だから、あきらめないで。



2011年12月21日(水)のフジノ
● 神奈川県知事が突然の表明、横須賀に汚染がれきの受け入れ

 フジノは反対です。

 (2011年12月21日・神奈川新聞より)


 (2011年12月21日・朝日新聞より)



2011年12月18日(日)のフジノ
● べてるの家の当事者研究を横須賀で実現しよう!

 今日は、午後から汐入の総合福祉会館へ。

 『浦河べてるの家』から向谷地宣明さんをお招きしての
 『当事者研究』が行なわれました!



 『当事者研究』という言葉は、精神保健医療福祉の業界では
 今や知らない人がいないほどになりました。

 いろいろな解説があらゆる本などで行なわれていますので
 フジノ流の解釈で、ひとことで説明したいと思います。

  ・今まで、病気の診断はドクターが行なうものだとされてきた。

  ・けれども、自分の病気は誰よりも
   当事者である自分こそが一番知っている
はず。

  ・だから、自分の病気を自分自身で研究して
   自分で名付けてみることで、
   自分がもっと生きやすくなる方法が見つかる!


 これが『当事者研究』です。

 10年ほど前に『浦河べてるの家』でスタートしたこの取り組みは
 基本的なルールさえ押さえれば
 誰でも取り組めることもあって
 今では全国のあらゆる場所で実践されています。

 東京大学との共同での取り組みや、
 さらには英語に翻訳されて他国でも取り入れられています。

 月刊誌『こころの元気プラス』に連載コーナーがあって
 『べてるの家』による連載『レッツ!当事者研究』はとても人気があります。

 その連載を単行本にまとめたものも
 これまで2冊、出版されています。


 今や世界的な広がりを見せているこの『当事者研究』の
 第一人者であるとともに普及の為の先頭に立っているのが
 向谷地宣明さんです。



 すでに3年前から神奈川県内では複数のまちが取り組みを始めています。
 横浜では市社会福祉協議会と協働で、
 相模原でも『相模原・町田べてるの集い』が発足して、
 かなりの回数が行なわれています。素晴らしいです。

 そんな中、横須賀でも『当事者研究』を実践していこうという活動を
 一生懸命行なっているグループの方々が向谷地さんをお招きしたのですね。

 とてもいい取り組みで、
 フジノはすごくうれしく感じます。

 今日は、まず当事者研究をはじめとする
 『べてるの家』の理念を語っていただきました。

 次に、会場の参加者の方々の中から
 当事者研究に挑戦したい方々に手を挙げていただいて

 その中から選ばれたAさん(50代・男性)の
 『当事者研究』を実際にみなさんの前で行ないました。

 べてる流に、大いに笑いありの当事者研究でした。



 この動きが横須賀に深く根付くことを願っています。

 さて、主催者の内藤さんからフジノは依頼を頂いて
 『終わりのあいさつ』としてひとことお話させていただきました。

 フジノがお話ししたことは、下の通りです。

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 NPO地域精神保健福祉機構(通称コンボ)の
 理事をしている藤野英明と申します。

 今日はひとこと『コンボ』の紹介をしてほしい
 と内藤さんに言っていただきました。

 NPO地域精神保健福祉機構は、
 リカバリーをすすめることを目的に活動を続けています。

 全国で8000人の会員がいますが、
 来年2月でスタートから5年になります。

 毎年1回、『リカバリー全国フォーラム』という
 当事者・家族・支援者の枠を超えて
 全国から1000人規模で集まるお祭りを開いています。

 僕もピアサポーターの部屋という分科会を
 精神医療サバイバーの広田和子さんと
 ぜんせいれんの有村律子と3人で担当しています。

 今年は毎月1回、こんぼ亭というイベントも開いています。

 昨日のこんぼ亭では
 向谷地さんのお父さんに講師として来ていただいて
 『恋愛大研究』というテーマで開催しました。

 さらに、NPOコンボで1番有名なウリは
 月刊誌の『こころの元気プラス』の発行です。

 今日みなさんが体験した
 べてるの家の当事者研究も連載されています。

 さらに毎号、当事者のみなさんに
 表紙モデルになってもらっています。

 2号前は横須賀の女性が表紙になりましたが
 来年3月号では、アトリエ夢喰虫に通っておられる方が
 表紙モデルとして登場してくださいます。

 とても素敵な雑誌ですが、
 1年間5000円で12冊送られてきます。

 実は、3人1組で購読してくださると
 グループ割引で1年間4500円になります。

 通っている作業所などを宛先にして
 ぜひ3人1組で購読して下さいね。お得です。

 みんなでつながって、リカバリーを進める為にも
 ぜひNPOコンボに参加してくださいね。

 ●

 さて、向谷地さん、今日は本当にありがとうございました。

 個人的なお話を1つさせていただきますと
 WHOのベストプラクティスにも選ばれたべてるの家と僕が出会ったのは
 もう10数年前になります。

 それから9年前に八王子のぱおが開催しているべてるまつりに行ってから
 「横須賀にべてるの家を招きたい」とずっと願ってきました。

 そこで出会った、下野さんのギターが大好きでした。
 今年亡くなってしまったのがとても残念です。

 松本さんからは
 「僕は当事者のプロだけどフジノさんは何のプロなの?」
 と言われて、今も迷い続けています。

 それが今日、内藤さんをはじめとするみなさんのがんばりで
 ついに向谷地さんを横須賀にお招きすることができました。

 僕の9年越しの夢が叶いました。

 僕の次の夢は「横須賀で当事者研究を根付かせていくこと」です

 お隣の横浜市では「当事者研究」が定期的に続いていますし
 相模原でも続いています。

 ぜひこの横須賀でも当事者研究を進めていきたいです。

 今日だけに終わらせない為にも
 これからも定期的に当事者研究を続けられるように
 どうか会場にいらしたみなさま、ぜひご協力をお願いします。

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 左から、本日の会を主催してくれた内藤さん、
 べてるの家の向谷地宣明さん、そしてフジノ。



 内藤さん、今日の為に尽力して下さって本当にありがとうございました!
 そして、おつかれさまでした。

 この動きがずっとずっと続いていくように
 フジノも力を尽くしたいと思います。

 どうか三浦半島に暮らす精神疾患のあるみなさま、
 一緒に『当事者研究』に挑戦してみませんか!?


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