議会では、こんなやりとりしています


2004年・3月議会での討論「16年度予算に反対」







 今回は予算議会であり、
 平成16年度予算に関係する議案が提出されました。

 このうち、美術館の建設費用を計上している
 平成16年度一般会計予算(議案15号)という案がありました。

 フジノとしては、立候補した時の公約から
 美術館建設のための費用がのせられている来年度予算には
 反対することに決めました。

 以下、実際に本会議で発言した
 討論の内容です。























 無所属の、藤野英明です。

 今回提出された議案のうち、
 議案第15号2004年度一般会計予算案について、
 第34号文化会館条例中改正について、
 第36号勤労福祉会館条例中改正について
 以上3件に対して
 反対の立場から、討論をおこないます。

 まず議案第15号、
 2004年度一般会計予算案について
 反対する理由を述べたいと思います。

 反対の最大の理由は、
 このまちに暮らしている人々の想いを
 完全に無視して、
 『美術館建設事業費』を計上しているからです。

 次の2つの理由から、市長は
 来年度予算に『美術館建設事業費』を
 計上すべきではありませんでした。

 1.美術館問題とは、市の政策に対して、
  初めて市民の意思が積極的に示された
  重大な問題であるから。


 2.市民の想いをふみにじって美術館建設を進めれば、
  市民の政治と行政への失望と不信感は
  今後ぬぐえないほど強くなってしまうから。


 
市長をはじめとする美術館推進派の方々は
 今回の美術館問題を
 あまりにも過小評価・矮小化しています。

 市長は、先日の本会議での答弁で

 「50年後や100年後のことを想像して
  50億円規模の小さな美術館では
  批判されてしまうのではないかと心配している」

 と述べました。

 しかし、僕が心配していることは
 50年後や100年後に
 本日の予算議会をさして

 「あの予算のせいで、やっと芽生えた
  横須賀市の住民自治の芽がつぶされた」

 と未来の横須賀市民に批判されることです。

 去年の5月に
 市長とここで議論をして始まった美術館問題は、
 明らかにこのまちに変化をもたらしました。

 横須賀市の政治や行政が
 これまでおこなってきた政策のうち、
 かつて何か1つでもここまで関心がもたれた
 政策はあるでしょうか。

 一部の政治好きをのぞく、
 毎日の暮らしに追われているふつうの人々のことを
 サイレントマイノリティーと呼びますが、
 サイレントマイノリティーは
 よほど自分の身に痛みが迫らなければ
 動くことはありません。

 例えば、あのごみ4分別でさえ、
 すさまじい数の事前広報をおこなっても
 実際に始まって数ヶ月が過ぎるまでは
 浸透しなかったわけです。

 実際に始まって、分別の手間だとか、
 間違えれば回収してもらえないだとか
 現実にいろいろな痛みを感じて、初めて人々は
 本当に政策を理解して動き出したのです。

 しかし美術館問題は、まだ建設が始まっていない、
 借金がさらにふくれあがっていく
 痛みを感じるその前の段階から
 「これはおかしい」と人々は考えたのです。
 そして動き出したのです。

 過去29年間にわたって
 個人として横須賀に住み続けてきた僕にとっても
 人々がここまで関心を持ち、
 怒りを明らかにした問題は、
 消費税の導入以来、なかったと断言できます。

 消費税は国全体の問題でしたが、
 今回の美術館問題は横須賀市単独の問題です。
 にもかかわらず、まさにたくさんの市民の方々が
 街角で議論をしていたり
 商店街や、家庭の食卓で話し合い、
 自発的に署名を集める団体ができたりしました。
 その結果として
 市民の約6分の1にもなる6万6895人もの
 署名が行なわれたのです。

 芦名の産業廃棄物最終処分場の問題と比べても
 あるいは米軍基地が存在するという問題と比べても
 今回の問題への
 市民の想いの強さと行動力は
 全く劣ることはないと言っても過言ではありません。

 賛成の人、反対の人、それぞれの立場の人々が
 市の借金の問題、美術を愛する気持ちとの葛藤、
 不況の中でのあるべき政策、などを
 真剣に考え、
 インターネット上でも議論がなされました。

 これは、横須賀市にとって真に初めてのことであり
 本当に喜ぶべきことなのです。住民自治が
 ついにこのまちに生まれつつあったのです。

 僕が駅前で署名活動をしていれば、
 人々はすすんで一緒に街頭に立って
 署名活動をしてくれました。
 その中には政治にも行政にも
 関心が無いと言われている
 若者世代もたくさんいました。

 果たして、同じ時期に問題として存在した
 イラク戦争に反対する署名に対して
 すすんで署名活動を手伝おうとする人々が
 どれくらいいたでしょうか。

 改めて申し上げますが

 1.美術館問題とは、市の政策に対して、
  初めて市民の意思が積極的に表された
  重大な問題であり、

 2.その市民の想いをふみにじって
  美術館建設をすすめれば、
  市民の政治と行政への失望と不信感は
  今後ぬぐえないほど強くなってしまうのです。

 人々が真剣にまちを愛し、
 まちのために行動をしても
 「結局は変わらない」「結局は変わらないんだ」
 というニヒリズムが広がってしまうのです。

 市とは市民のものです。
 市は市長のものでもなく
 市議会議員のものでもなく
 市民のものなのです。

 したがって、
 市民のわがまちへの想いをふみにじり
 政治と行政への失望と不信感を
 ぬぐえないものとしてしまう
 今回の美術館建設事業費の
 計上されている来年度予算案には賛成できません。

 横須賀市を真に市民の手に取り戻すために
 僕は議案第15号に反対します。

 そして、先ほど原島議員から提案された
 予算に対するくみかえ動議に賛成します。

 この態度こそが市民の代表である政治家として、
 市民に対して責任を果たすことだと
 信じてやみません。


フジノの反対討論もむなしく
結果は、賛成多数で決まってしまいました。


最悪。

今回はもう2つの議案に反対討論しました。


→はじめのページにもどる