議会では、こんなやりとりしています


2005年・3月議会での討論「2億円も絵を買うのに反対」







 平成16年度補正予算に関係する議案が提出されました。

 このうち、2つの予算部分について
 反対をしました。

 1つには、地方自治法に照らして 
 予算の使い方が適性では無いと考えられる部分について。

 もう1つは、美術館の絵画購入費用についてです。

 フジノは、立候補した時の公約から
 美術館建設のための費用がのせられている予算には
 今後も全て反対します。

 以下、実際に本会議で発言した
 討論の内容です。




























 議案第2号(平成16年度横須賀市一般会計補正予算第4号)に
 反対する立場からの討論を行ないます。

 反対は2点あります。
 第1に、都市部の土木費・市営住宅管理委託事業費について、
 第2に、教育委員会の教育費・美術館開設準備事業費についてです。


 <都市部から提出されている市営住宅管理委託事業について>

 まず、都市部の土木費のうち
 市営住宅管理委託事業費1億4785万2000円についてです。

 これは、都市部の説明によると

 「防災対策の一環として国が行なう
  公共工事の補正予算に応じて
  国庫補助の対象となる来年度事業の一部を
  前倒しすることとした」

 との理由で補正予算が計上されました。

 しかし、平成16年度は補正予算に計上しながら1円も遣わずに、
 全額を平成17年度に繰り越しする、
 つまり「繰越明許費」の扱いにするという議案です。

 「繰越明許費」とは、地方自治法第213条で定められているもので
 その規定によれば

 「年度内にその支出を終わらない見込みのあるものについては、
  予算の定めるところにより翌年度に繰り越して使用することができる」

 とあります。

 しかし、今回の補正予算が成立した後、
 平成16年度中にこの委託事業費が支出できない、とは
 事業の性質上とても思えません。

 委託事業費をすぐに支払わないのであれば
 通常どおり来年度予算案に計上すべきです。

 国庫補助の対象となるのは市に有利なことは認めますが
 事業の内容からして繰越明許費に計上することは
 問題ではないかと思います。

 この1億4785万2000円は繰り越す必然性が無い為、
 平成16年度中に予算執行をするべきだと思います。

 以上の理由から、
 都市部の土木費・市営住宅管理委託事業費について反対します。























 <教育委員会の教育費・美術館開設準備事業費について>

 第2に、教育委員会の教育費・美術館開設準備事業費、
 つまり絵画を2億円購入するという補正予算に反対です。

 反対する理由は次の3つです。

 1、より緊急性の高い問題が山積みである現状を考えると
   適切ではない。

 2、購入した絵画は横須賀に関係するものがほとんど無く、
   基本計画には沿わない。

 3、市民感情の理解はとても得られない。

 第1に、美術館開設は教育費によって行なわれますが
 教育について言えば、本市には緊急性の高い問題が山積みです。

 例えば、全国では小中学校に侵入者が押し入り、
 生徒や先生を殺し傷つける事件が相次いでいます。

 本市でも防犯対策として
 「さすまた」や「護身用スプレー」を学校に配備していますが
 例えばこの「護身用スプレー」は侵入者の動きを止める為に
 非常に有効な手段なのですが
 現在は市内の各学校に1つずつしか配備されていません。

 これらを市内の公立小中学校の全ての先生に配備をすると
 僕の試算では約1513万円の費用なのですが、
 1513万円で子どもたちの命がより守られるとすれば
 美術品の購入よりも優先されるべきです。

 こういった緊急性の高い施策にこそ
 限られた財源は有効に使われなければならないと考えます。
 その基本に立つと、この2億円の補正には賛成できません。

 第2に、そもそも美術館基本計画の中で
 うたわれている今回の美術館は、
 横須賀と三浦半島にゆかりのある作家の作品をメインに
 収集・展示することが最大の目的であったはずです。

 しかし、今回購入された12点の作品リストを見ると、
 横須賀・三浦半島とは関係のない作品が12点中10点、
 つまり8割も買われています。

 金額ベースで見るならば、2億円のうち
 1億7060万円も、横須賀・三浦半島とは関係のない作品が
 買われているのです。

 横須賀市の美術館の為の作品といいながら
 本市でなければならない必然性に薄い作品を購入しています。

 これでは基本計画に反しており、
 市民のための美術館という目的に合っていません。
 基本計画に沿わない作品の購入には賛成できません。

 最後に、現在のような高い失業率や
 いまだ続く不況の中で暮らしている市民にとっては、
 昨年も4億円、今回も2億円も税金で
 絵画が購入されていることを知れば、
 到底「納得できない」と言うはずです。

 市民感情の理解が得られないことに賛成することはできません。

 この3つの反対理由ですが、
 昨年3月4日の市議会でも全く同じことを僕は述べました。

 市が何度もこのように同じことを繰り返すことに対して
 強い憤りを感じます。

 以上、2つの事業に対してそれぞれの反対理由を述べました。

 これらのことから
 議案第2号平成16年度補正予算に反対いたします。

 ぜひ先輩、同僚議員の皆さんにも
 反対していただけますようお願いして、
 討論を終わります。

 ありがとうございました。

フジノの反対討論もむなしく
結果は、賛成多数で決まってしまいました。

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