委員会では、こんな発言しています

2007/02/20更新
2004年11月29日の本会議でのやりとり

● 障がいのある方々と学校の『定期的』な交流について

 本会議(2004年11月29日)にて、
 フジノは教育長とこんなやりとりを行ないました。




 障がいのある方々と学校の「定期的」交流について。

 まだまだこの国には
 障がいについて差別や偏見、スティグマなどありますが、
 これらを解消していくには、

 1.正確な知識を普及させること

 2.日常的・定期的に接する機会があること

 が必要です。

 現在は大学でも知的障がいのある人々の入学を認めたり、
 小・中学校では障がいの無い子どももある子どもも同じ教室で学ぶ
 『統合教育』が当たり前のものになってきました。

 この環境が当たり前のものとして学齢期を過ごした子どもたちは、
 成人しても障がいに対する偏見がありません。

 学齢期から日常的・定期的に接する機会を持つように
 徹底することは、偏見をなくす非常に有効な方法です。

 ところが一方で、地域作業所などを見学すると、
 職員さんからよく聞くセリフがあります。

 それは

 「総合学習の時間で施設を訪問してくれるのはうれしいが、
  年1回だけしか来ないのでは意味がない」

 というものです。

 つまり、すでに成人している障がいのある方々と
 子どもたちとの交流も重要なのに、
 なかなか日常的・定期的にはなっていないのです。

 学校側もカリキュラムの事情があるでしょう。

 しかしながら、それを実現している事例もあります。
 横須賀となじみの深い
 福島県会津若松市の作業所の取り組みを紹介して、
 教育長に質問させていただきます。

 精神障がいのある方の作業所「ほっとハウスやすらぎ」は、
 5年も前から2つの小学校と定期的に交流をしています。

 田植えやラベンダーの収穫や
 クリスマスパーティーなどのイベントは当然のこと、
 総合学習の時間に一緒に料理をしたり、
 さらには、クラブ活動の運営を
 精神障がいのある方々と小学生が一緒に行っています。

 生徒の感想や手紙を読ませていただきましたが、
 子どもたちは違和感なく楽しい体験をしたと書いていました。

 また、精神障がいのある方々も積極性が高まるなど、
 定期的な交流の成果は大きいと、作業所長は話してくれました。

 この2つの小学校は特殊なケースだと言うのは簡単です。

 けれども、こういう定期的なつながりこそが
 本当の統合教育ではないでしょうか。

 そこで教育長に質問です。

 この事例で取り上げたような
 日常的・定期的な交流を、
 横須賀市でも積極的に行っていくべきかと思いますが、
 教育長のお考えをお聞かせください。





 障害のある人との交流を
 「定期的」「日常的」に進めていくべきではないか

 との御質問でございます。

 総合的な学習の時間等を利用した障がい者施設等の訪問は、
 御指摘のとおり年間で数回である場合が多いわけで、

 それに向けた事前学習、
 訪問後の事後学習がなされており、
 一定の成果を上げていると認識しております。

 教育課程編成上、障がい施設等への
 「日常的」「定期的」な訪問は大変難しい
と判断しております。

 しかしながら、小・中学校学習指導要領にも、
 障がいのある幼児・児童・生徒や高齢者などとの
 交流の機会を設けることが取り上げられているので、

 今後とも、各学校の状況に応じた、
 障がいのある方々との交流がより深まるよう、
 教育委員会としても支援してまいりたいと考えております。



 ということでした。

 実は、この教育長の答弁を受けてから
 フジノは

 「教育委員会という大きな枠組みで勝負するのは
  率直なところ、時間のムダではないか」

 と考えるようになりました。

 むしろ、学校の現場の先生たちの中で
 障がいのある方々との交流に力を入れている先生方お1人お1人々と
 個別に連携をしていく方がスピードが速いのではないか

 と、考えるに至りました。

 実際に、

 「総合的な学習の時間に
  障がいのある方々の作業所に行きたいのだけれど
  紹介してほしい」

 という先生から連絡をもらったりすると
 すぐに紹介してあげるようにしてきました。

 学習指導要領に出ているから一律にただやるだけではなく、
 意欲の高い先生たちを増やしていく方が
 政策的にも早いだけじゃなくて
 高い効果があるのではないかと思うのです。

 そして、2007年現在、少しずつ良い方向に向かっていると感じています。



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