議会では、こんなやりとりしています

動画で質問の様子をみることができます。
市議会HPの日程平成18年11月29日をご覧下さい。

2006年12月議会・本会議(11月29日)、市長への質問

 <はじめに>

 藤野 英明です。よろしくお願いします。


 1.市民サービスの向上と歳入の確保の為に

 本市の財政状況は非常に厳しく、平成17年度決算では
 普通会計の経常収支比率が96.8%と悪化、
 過去最悪の結果となりました。

 少子超高齢社会に突入していく中、
 税収の自然増はもはやありえません。

 このままでは財政破綻した夕張市のように
 市民のみなさまに必要な、当たり前の行政サービスさえ
 行なえなくなる危機的状況となるでしょう。

 財政立て直しを一言で述べるのは不可能ですが
 徹底的に行財政改革をすすめると同時に
 地道で身の丈にあった財政運営の努力が必要だと思います。

 そんな中、改めて本市の財務諸表をチェックすると
 全会計3300億円の本市財政の中で
 なんと合計80億円もの滞納や未払いがあるのです。

 市税と国民健康保険料などの
 収入未済額は77億9092万円、
 上下水道料金と市民病院・うわまち病院に対する
 1年を超える滞納金額は2億7443万円にものぼります。

 本当ならば収める義務がある80億円が
 きちんと収められていないのです。

 80億円は、福祉を守るための民生費の4分の1、
 こどもたちの未来への投資である
 教育費の2分の1にものぼります。

 もしも80億円がきちんと納められていたならば
 もっと多くのサービスが可能となり
 借金の返済により多く充てることができました。

 歳入を確保していく為には本来収められるべき「全額」を
 確実に収入できるようにすべきです。

 そこで、2つの提案をします。

 (1)市税や公共料金の支払いに
 「マルチペイメントネットワークによる決済サービス(通称ペイジー)」
 の導入を検討していくべきではないか。

 銀行に足を運ぶ必要もなく、パソコンや携帯電話だけで
 24時間いつでもどこからでも支払いができるペイジー
 全国で普及しつつあり、
 すでに多くの民間企業や
 国の国民年金保険料の支払いに導入されています。

 ペイジーとは銀行・信用金庫・郵政公社など
 国内の大半の金融機関で組織された
 「日本マルチペイメントネットワーク運営機構」のサービスです。

 支払い手段が増えることは収入率を上げると共に
 市民サービスを向上させることになります。

 (質問)
 そこで、ぜひとも本市もペイジーによって
 市税やあらゆる公共料金の支払いを行なえるように
 検討してはいかがでしょうか。

 現在14府県・9市区がペイジーを導入していますので
 こうした先行自治体の動向と
 導入による費用対効果をしっかりと研究し
 手数料の値下がりなどベストなタイミングで
 導入できるように検討していくべきではないでしょうか。
 市長の考えをお聞かせ下さい。



 (2)市税などの滞納を減らし収入率をあげていく為に
  「訪問催告・収納などの民間委託」の導入を
  本市も積極的に検討していくべきではないか。


 昨今、自動車税滞納者のタイヤにロックをかけたり
 差し押さえた財産をインターネットオークションで
 滞納処分する自治体がしばしば報じられています。

 しかし、そうした「強制執行」に至る前に、
 むしろ効果的・効率的な「督促」を行なうことこそが
 継続的にしっかりと市税などを納めて頂くことに
 つながるのではないでしょうか。

 そこで参考になるのが、静岡県浜松市の取り組みです。

 滞納された市税と国民健康保険料を
 滞納者に会って納付を求める「訪問催告」と「収納」の業務を
 来年10月から民間委託し、
 2012年までに市の嘱託職員を減らし
 全業務を民間委託する、と発表しました。

 これにより、役所の閉まっている時間帯、
 平日夜間・土日祝日であっても
 訪問して催告したり収納を行なうことが可能になるのです。
 本市でもこれまで

 ・納税推進ポスター、
 ・特別整理チームの設置、
 ・滞納者への行政サービスの制限強化

 など、積極的な取り組みを行なってきました。

 それでも、残念なことに現状では
 滞納や未払いは80億円にものぼるのです。

 民間委託には解決すべき課題もあります。

 個人情報の保護をはじめ、
 滞納者への滞納猶予や分納などの相談対応は
 民間企業にはできない、などの課題です。

 (質問)
 浜松市の動向を注視し、
 課題点などをしっかりと研究を重ねて、
 着実に滞納額を減らし、収入率の向上につながるように
 訪問催告や収納などを民間委託すべく
 検討していくべきではないでしょうか。

 市長の考えをお聞かせ下さい。



 2.連鎖するこどものいじめ自殺に対する市長の認識について

 この2ヶ月間、こどもの群発自殺が発生しています。
 これは本市でも決して他人事ではありません。

 地方自治体は自殺予防対策を行なう責務があるので
 自治体のトップが自殺に対してどのような認識を持っているかが
 そのまちの自殺の発生に大きな影響を与えます。

 そこで、いじめ自殺をはじめとする
 あらゆる自殺に追い込まれた方々に対する
 市長の認識をうかがいます。

 去る11月14日、市長は県立保健福祉大学で
 まちづくりミーティングを行ないました。

 学生との質疑応答の中で
 いじめ自殺に対する市長の意見を尋ねられて
 いじめ自殺の被害者、
 いじめる側、
 学校側の3者についてそれぞれ述べられました。

 この内、いじめ自殺の被害者に対する
 市長の発言を要約すると次のとおりです。

 ●

 1つはやっぱり本人に言いたい。
 そんな簡単に「死のう」なんて考えてほしくない。

 本人は非常につらくて
 どうしようもなくて命を絶つのだろうが
 客観的に観たらもっとがんばれる。

 がんばれ、がんばれる。

 本人にもうちょっと強い意志を持ってもらいたいと思う。

 ●

 市長のこの発言は明らかに問題です。

 会場に居た僕はとてもつらい気持ちになり、
 非常に残念でなりませんでした。

 市長には、自殺と自殺予防に対する
 正しい理解の普及と啓発を行なう義務がありますが
 この発言を聞く限り
 市長の認識は間違っている
 と言わざるをえません。

 まず第1に、自殺に追い込まれた方々は、
 決して簡単に「死のう」と考えた訳ではありません。

 追い込まれた末に、自殺以外に苦しみを逃れる選択肢が
 全く見つけられない状況に陥っていたのであって
 「簡単に『死のう』と考えた」のではありません。

 市長は連日にわたってニュースで報道された
 遺書を1つでもお読みになりましたか。

 こどもたちが残した遺書を読めば、
 誰もが「本当はもっと生きたかった」ことが明らかです。

 第2に「客観的に見たらもっとがんばれる」というのは
 明らかに間違っています。

 今では極めて一般常識になっていることの1つに、
 うつ状態に追い込まれている方に
 「がんばれ」と言ってはいけない、というものがあります。

 うつ状態の人は他人がどう感じようとも、
 本人は必死にがんばり続けてエネルギーを使い果たし
 もはや立ち上がれない状況にあるのです。

 自殺の直前には
 8割の方がうつ病の状態にあったというのが定説であり
 もう十分にがんばって苦しみに耐えたからこそ
 もはや個人の努力ではどうにもならない状況に追い込まれた。
 それ以上はがんばれない状況に
 陥った末の死が自殺なのです。

 第3に「本人がもっと強い意志を持ってほしい」との言葉です。

 例えば、22日に山形県で亡くなった16才の女子高校生は
 親友によると

 「亡くなった当日の朝もメール交換をしたが
  最後まで私の相談にのってくれていた」

 とのことです。

 自らの死の直前まで親友の相談にのっていた彼女は、
 客観的に見ても、
 十分すぎるほどがんばっていたはずですし、
 強すぎる責任感を持って生きていたのではないかと思います。

 市長が行なった発言に関する限り、
 残念ながら市長は自殺の実態を誤解しており、
 大きな問題です。

 今年6月に成立した自殺対策基本法では
 第2条で基本理念を明らかにしています。

 自殺は単に個人の身勝手な死ではなく、
 社会的な要因によって
 追い込まれた末の死なのです。

 市長の発言はこの基本理念に反しています。
 また、追い込まれた末に自殺をした方に対して

 「簡単に死のうと考えないでほしい」
 「客観的に見てもっとがんばれたはず」
 「もうちょっと強い意志を持ってほしい」

 などと発言することは
 亡くなった方をさらに貶める発言です。

 同時にその発言は遺族をひどく傷つける
 配慮に欠けた言葉でしかありません。

 したがって、同法第7条に記された
 故人・未遂者・遺族の名誉と生活への配慮に
 欠けていると言わざるをえません。

 何を聞かれてもすぐ答えねばならない
 タウンミーティングでのとっさの発言とはいえども、
 行政トップの言葉としてはいかがなものかと思います。

 改めて市長にうかがいます。

 (質問)
 いじめによって自殺に追い込まれたこどもたちは
 もっとがんばるべきだったのにがんばらずに
 簡単に死んでしまったのでしょうか。

 意思が弱かったから亡くなったのでしょうか。

 あらためて、いじめ自殺の被害者であるこどもたちと
 あらゆる自殺によって亡くなった方々に対する
 市長の考えをお聞かせ下さい。



 3.こどもの「いじめ」「不登校」「虐待」「自殺」の
  隠れた原因としての軽度発達障がい
  (自閉症スペクトラム・注意欠陥多動性障がい・学習障がい)について


 (1) こどものいじめ問題が連日報道されているが、
  「いじめを無くそう」というかけ声だけでは解決できない問題があり、
  いじめの加害者・被害者の双方に軽度発達障がいが
  背景にあるケースが多く存在する。
  いじめだけでなく、不登校・児童虐待・自殺などの背景にも
  隠れた原因として軽度発達障がいが深く関わっていることがあるが、
  この問題を市長・教育長は認識しているか

 マスコミでとりあげられない日は無いほど
 いじめについて関心が高まっています。

 そこで今回、いじめと深く関わりがありながら
 なかなか一般的に知られていない
 軽度発達障がいに焦点をあてて問題を提起し、
 市長と教育長に対策をうかがいます。

 いじめの加害者にも被害者にも
 軽度発達障がいがあるケースが実は多い、と言われています。

 こうした指摘を行なう専門家はかねてから存在しましたが
 最近ようやく一般的に知られるようになってきました。

 先日は、テレビの報道番組「ニュース23」でも
 「いじめを乗り越えて…軽度発達障がいの子供達」のタイトルで
 特集が組まれたので、担当部署の部長や課長にも
 認識を共有する為に観ていただきました。

 文部科学省の推計によると、
 この障がいのあるこどもたちは約6%は存在している。

 つまり40人の普通学級に
 2〜3人は必ず存在する
、という高い割合です。

 どのクラスにも必ず存在する。しかし、なかなか理解されにくい。

 その障がいによって生じた問題行動が理解されにくいが故に、
 周囲と摩擦を起こし、結果として
 いじめ・不登校・虐待・自殺などが起こるのです。

 軽度発達障がいとは知的な遅れは無いものの、
 特定のことだけが苦手な、
 大きく3つの障がいをまとめた呼び名です。

 第1に、自閉症スペクトラムです。

 社会性に問題があり、感情や体験を共有することが困難で、
 他者とかかわるスキルを獲得しにくく
 他者の感情を理解したり共感することが難しい障がいです。

 その為、本当は発達障がいであるのに

 「わがままな子」
 「親のしつけがなっていない」

 などと誤解されやすく
 適切な関わり方を教えられずに過ごしてしまうことが多く、
 トラブルメーカーとしていじめの標的になりやすいです。

 第2に、注意欠陥多動性障がい=ADHDです。
 不注意だったり、多動、衝動性がある障がいで、

 「ついつい突っ走ってしまう」
 「うっかりミスをしてしまう」

 といった周囲から叱責を受ける言動が多くなる為に

 「いつも叱られてばかりのダメな自分」

 という
 否定的な自己イメージを持ちやすく、
 情緒的なこじれにつながることが多い為に
 思春期に入って抑うつや行為障害につながることも多いです。

 第3に、聞く、話す、読む、計算するなど
 特定のことに困難がある学習障がい=LDです。

 こうした軽度発達障がいは、
 知的な遅れは無い為に早期発見されにくく
 支援が遅れてしまい、
 社会生活上の困難が増幅されやすく
 問題行動を起こすことも少なくありません。

 やがて孤立し、
 いじめを受けた末に不登校になってしまう、
 さらには自殺に追い込まれるのです。

 また、親にとって育てにくいこどもであるということから
 虐待のハイリスク要因にもなっています。

 したがって、軽度発達障がいの問題に
 しっかり対処することは
 ただ福祉的な観点からだけではなく、
 いじめを減らし、不登校を減らし、
 こどもの自殺を減らすことにもつながります。

 本市で突出して数が多いネグレクトをはじめ、
 こどもへの虐待を減らすことにもつながるでしょう。

 家庭でこどもと接する保護者と
 学校でこどもと接する教職員による
 早期発見・早期治療と個別の生活支援が不可欠です。

 また、まわりの生徒や保護者たちに
 正しい理解を深めてもらうことも重要です。

 そこでまず市長と教育長にうかがいます。 

 (質問)
 いじめはもちろんのこと、不登校・児童虐待・自殺などの背景に
 隠れた原因として軽度発達障がいが深く関わっています
が、

 この問題を市長・教育長は認識していらっしゃいますか。
 この認識を共有していただくことはできますか。

 お答え下さい。



 (2) 本市は文部科学省の基準よりも詳細に
  いじめを統計的に把握しているが、
  いじめと軽度発達障がいとの関わりについても
  データとして把握を行なっているか


 次の質問です。

 文部科学省のいじめ問題調査の為に
 本市でも毎年度データとしていじめの把握を行なっています。

 特に今年度は文部科学省の定義から
 一歩踏み込んだ形で詳細な調査を行ないました。

 こうして埋もれていたいじめをもきちんと掘り起こして
 実態を明らかにすることは
 今後の実効性あるいじめ対策の為に不可欠なことです。

 対策の実効性をさらに高める為にも、
 いじめと軽度発達障がいとの関わりについても
 必ず視野に入れていくべきだと思います。

 そこで質問です。

 (質問)
 本市のいじめ調査の中で
 軽度発達障がいが関わっていると考えられるものは
 どの程度存在するのでしょうか。

 いじめと軽度発達障がいとの関わりについても
 データとして把握を行なっているのでしょうか。




 (3) いじめなどを減らす上でも、
  軽度発達障がいの早期発見と適切な支援が不可欠だが、
  重要な役割を果たす学校現場の教職員に対して、
  軽度発達障がいへの正確な理解を促す
  研修・サポート体制は十分であると言えるか。
  さらなる対応の必要は無いか

 次の質問です。

 なかなか理解されにくい軽度発達障がいについて
 もちろん家庭での対応が一義的に重要ですが
 日常的に接する時間が長い学校現場の教職員の方々の
 積極的な理解を促し、早期発見・早期治療、
 適切な支援を行なっていくことが重要となります。

 学校現場での取り組みはいかがでしょうか。

 全国的には来年度から
 特別支援教育がスタートします。

 本市では、今年度末に
 特別支援教育コーディネーターの養成が終了し、
 来年度からは各校にコーディネーターを配置予定です。

 こうして各学校ごとでの教育相談が充実するように支援します。

 教員研修の充実として、意識を高める為に
 夏季研修の充実・校内研修での指導・支援も行なっていきます。

 しかし、このような取り組みを行なってはいくものの、
 現場の先生方が非常に悩んでいるという声が聞こえてきます。

 僕が受けている市民相談の中には学校の先生から
 発達障がいについてよく分からない、というものも複数あります。

 特別支援担当ではない先生方も
 誰でも研修を受けやすい
 環境づくりが必要ではないでしょうか。

 そもそも本市ではまだ特別支援学級の設置が遅れており、
 今年度は小学校では62.5%、中学校では68%と
 やっと半数を超えたにとどまっています。

 全ての学校に、特別支援学級を一刻も早く設置すべきです。

 そこで市長・教育長にうかがいます。

 (質問)
 いじめなどを減らす上でも
 軽度発達障がいの早期発見と適切な支援が不可欠ですが
 この重要な役割を果たす学校現場の教職員に対して、
 軽度発達障がいへの正確な理解を促す研修・サポート体制は
 現在の在り方で十分だと言えるでしょうか。

 さらなる対応の必要はありませんか。

 お答え下さい。



 (4)軽度発達障がいが世間で知られるにつれて
  あいまいな情報と誤解に基づく「過剰診断」が
  家族・周囲の親たちに成されている現状がある。
  過剰診断を防ぐ為には正確な知識を広く啓発する必要があるが、
  どのような対策を行なっているのか


 次の質問です。

 軽度発達障がいが世間で知らていくにつれて、
 あいまいな情報と誤解に基づいて
 保護者や周囲の親たちが
 問題行動のあるこどものことを
 一方的に「軽度発達障がいに違いない」と決め付ける、
 「過剰診断」が成されている現状があります。

 診断行為はあくまでも医療行為であって
 教職員にも保護者にも許されるものではありません。

 憶測に基づくラベリングは偏見であり、
 差別にもつながります。

 育児不安などから「過剰診断」につながるならば
 こども本人の支援だけでなく、
 保護者である親御さんたちにも
 正確な理解を深めていく活動が必要です。

 (質問)
 「過剰診断」を防ぐ為には
 正確な知識を広く啓発する必要がありますが、
 どのような対策を行なっていますか。



 4.実態に即した自殺予防総合対策の推進の為に

 本市が12月から開催予定の
 (仮称)自殺対策連絡協議会のメンバーについてうかがいます。

 事前に健康福祉部長にうかがった際に
 遺族の方々は「メンバーとして予定していない」
 とのことでした。

 他の自治体では、わかちあいの場を定期的に持つなど
 団体として活動している遺族の方々に
 メンバーとして参加してもらっています。

 確かに本市には僕の知る限りでは
 そういった団体として活動している
 自死遺族の方々はいらっしゃいません。

 これは本市に限らず全国的に非常に少ないのが現状です。

 僕自身も3年前から本市で
 遺族の分かち合いの場を作ろうと活動してきました。

 けれども大きな悲しみの中を生きながら
 何とか毎日を暮らすことに精一杯な中で
 団体として何かの活動を行なっていくということは
 本当に難しいものがあります。

 しかし、団体は存在しなくとも
 行政や関係機関だけでなく、
 当事者である遺族の方々の「生の声」が反映されてこそ
 充実した自殺予防対策につながるのではないでしょうか。

 (質問1)
 そこでまず、メンバーに自死遺族の方々が入るのかどうか
 この点についてお答え下さい。

 (質問2)
 もし「加わらない」のであれば、
 その理由についても具体的にお答え下さい。

 (質問3)
 仮に、第1回の協議会に遺族がメンバーとならなくとも
 自死遺族が置かれている状況への理解を深め、
 実態に即した遺族ケアを行なう為には
 遺族の生の声を聞く機会を必ず設けるべきだと思いますが

 市長の考えをお聞かせ下さい。


                          

 5.DV問題に対応する婦人相談員を「常勤職」とする必要性について

 増加するDV問題に対応する婦人相談員を
 本市では「非常勤」職員としています。

 しかし、複数の理由から、

 非常勤では十分ではなく、「常勤」の職員とすべきだ

 と僕は考えています。

 まず第1に、社会情勢の変化によって
 婦人相談員の担当すべき問題が深刻化かつ複雑化しており
 役割がさらに重要になった
ことです。

 昭和31年に作られた売春防止法で
 婦人相談員は非常勤と位置づけられましたが、
 現在のDV問題などは全く想定しておらず
 命を扱う専門職としてはこの雇用形態では不十分です。

 実際、他の専門職である生活保護・児童虐待・
 高齢者虐待・精神保健福祉などの相談援助職は
 みな常勤職で、
 専門的な資格を必要とします。

 現在のDV被害者は、単身の方、おこさんがいる方に加えて、
 障がいのある方や高齢の方も増えています。

 法的・生活支援、だけではなく
 精神的な支援も必要であることからも
 専門性を持つ常勤職による相談援助が求められています。

 第2に、DVの増加による相談援助ニーズの高さです。

 現在は週3日の相談体制ですが
 DV被害の相談をすぐに受けたくても
 相談日まで待たなければならない訳です。

 やはり相談援助業務は毎日とすべきであり、
 夜間・土日も対応できるのが望ましいです。

 こうした切れ目ない対応には
 常勤職で臨むことがふさわしいと思います。

 第3に、DVと児童虐待との総合的な対応をめざす中で
 他職種との連絡調整業務を確実に遂行していく必要があります。


 児童相談所や生活福祉課などとの連携を取る中で
 週3日の非常勤の為に
 担当の婦人相談員がいない場合があります。

 しかし本来、信頼によって成立している相談業務は
 最後まで同じ担当者によって対応がなされるべきなのです。

 第4に、非常勤という雇用には『残業』は存在しない為に
 深夜まで対応を行なった場合には
 休暇に振り替えて対応している状況があります。


 これは本来『働き方』としておかしいと思います。

 平成20年度のこどもセンターのオープンに向けて
 DVと児童虐待の一体的対応について
 婦人相談員の在り方も検討されているとは思います。

 しかし、命を扱う重要な立場である婦人相談員の在り方は
 平成20年度を待たずに今すぐ検討すべきです。

 (質問)
 以上の点から、DV問題に対応する婦人相談員を
 常勤の職員とすべきだと思いますが
 市長の考えをお聞かせ下さい。

 以上で第1問目を終わります。ありがとうございました。

--------------------------------------------------------

 (06年12月1日・神奈川新聞に掲載された、抜粋一問一答)
06年12月1日神奈川新聞



市長の答弁は後日、掲載します。

→本会議での質問のページへ
→はじめのページにもどる