議会では、こんなやりとりしています


動画で質問の様子をみることができます。
市議会HPの日程平成21年9月9日をご覧下さい。

2009年9月議会・本会議(9月9日)、市長の所信表明への質疑
























 藤野英明です。よろしくお願いします。

 (はじめに)

 はじめに、この場をお借りしまして
 市民のみなさま、市議会のみなさま、そして市職員のみなさまに対して
 僕自身の現在および今後の「スタンス」を申し上げさせて頂きたいと思います。



 さきの市長選挙において僕は、吉田雄人候補を応援しました。
 そして吉田候補は当選し、市長になりましたが、
 僕は「市長の与党」などにはなりません。

 何故なら、わが国の地方政府は二元代表制をとっております。

 選挙で応援したから無条件に市長を支持するような「与党」や
 その反対の「野党」というものは
 そもそも地方政府には存在すべきではありません。

 市民から選ばれた「市長」と「市議会」という2つの代表が
 より良い政策の実現をめざして切磋琢磨しあうことこそが、在るべき姿です。

 ですから、当然、吉田市長に対しても僕は、誰よりも厳しく
 常に「是々非々」で向き合ってまいります。

 さて、市長就任からもう2カ月が経ちました。

 全国で3番目に若い市長の誕生、という話題で
 お祭り騒ぎをしたマスコミも消えていきました。

 市民のみなさまも市長交代直後のお祝い気分はすでに消えて、
 誰もが終わりなき日常へと戻っていき、
 目の前の厳しい現実に向き合って暮らしています。

 解決すべき課題は山積みです。

 だからこそ、市民から負託されたマニフェストを実現していかねばならない。

 そして、希望を感じることができる「新しい横須賀」を
 市民のみなさまと共に、一刻も早く実現することこそが
 我々の最大の責務なのだと、強く信じています。

 このスタンスに基づいて、これから市長へ質問を行なってまいります。










































  1.就任2ヶ月間の市長に対して
  市民から起こった批判への、市長の「言い訳」に関連して



 (1)市民が「吉田市長に望んでいること」と、
 市長ご自身の「市民から期待されていること」の「認識」との「ズレ」について


 ア.吉田市長に求められているのは
  「スピード感」をもって行動することではないのか


 市長の就任1ヵ月が経過した頃から、
 僕のもとには複数の市民の方々から

 「新市長は何をしているのか?」
 「市長が変わったのに何も変わらないのではないか」

 との批判が寄せられました。新聞報道でも同趣旨の批判が成されました。



 それらに対して市長は所信表明の中で

 「マニフェストに向かって早く行動せよ、
  といった市民のお叱りの言葉も耳にしている訳ですが、
  私にとっては今後大きく羽ばたく為の必要不可欠な助走期間です」

 と述べましたが、僕には「言い訳」にしか聴こえませんでした。

 市政に関する助走期間はすでに吉田市長には
 市議会議員として6年間もあったはずです。

 大きな期待をこめてあなたに投票した市民のみなさまは
 このような「言い訳」は求めていません。

 (質問1)
 むしろ「市民のみなさまの大きな期待に添えず申し訳ありません」
 といった率直な言葉の方が

 「市長の姿勢として、常に自然体でありたいと思って」おられる
 吉田市長らしかったのではないでしょうか?


 同時に、市長は自らがどのように市民に求められているか、という認識が
 実際の市民の想いとの間にズレがあることにお気づきでしょうか。

 「今後大きく羽ばたく」という言葉からは
 まるで「長期政権」を築くことを目指している
 「老成した政治家」の印象を受けました。

 また、市長は失敗を恐れて何もかも慎重に行動して
 全てに百点満点の結果を残そうとしているようにも聴こえました。

 しかし、若き新市長に対して市民のみなさまは
 そんなことは望んでおりません。

 (質問2)
 希望のある未来へのチェンジに向けて、
 「スピード感」をもって行動することこそ
 市長に求められているのではないでしょうか?

 以上2点について、市長の考えをお聞かせ下さい。
                    



























  イ.式典への来賓出席などに市長は時間を割くべきではなく、
  「マニフェストの実現」にこそ全力を傾けるべきではないのか


 この2ヶ月間の市長動向を見ると、
 来賓としての式典出席などに忙殺されている様子がうかがえます。

 しかし、市民のみなさまは「マニフェストの実現」を望んで
 吉田候補に投票したのであって、

 「式典への出席」などで
 貴重な4年間がどんどん浪費されていくことを市民は求めていない事実を
 市長は自覚すべきです。

 これまで歴代の市長が出席していた会合への出席をとりやめれば
 確かに失望されるでしょうが、
 それこそ市長は説明責任を果たすのです。



 セレモニーに顔を出すのは自分の成すべき仕事では無く、
 選挙で市民に付託されたマニフェストを1秒でも早く実現し、
 希望ある未来へチェンジするのが私の仕事なのだ、と。

 既存の団体や組織とはしがらみのないあなたにしか
 この言葉は言えないはずです。

 そこで市長にうかがいます。

 (質問)
 吉田市長の任期においては、
 あらゆる式典や行事への来賓としての出席をはじめ、
 各種の会議での冒頭の挨拶だけの形式的な出席など、

 本当に市長の出席が必要不可欠なのかを
 改めて徹底的に精査して、
 副市長や部局長に
 代理出席を積極的に行なわせ、

 市長ご自身は何よりも今は
 マニフェスト実現にこそ全力を傾けるべきではないでしょうか。

 市長の考えをお聞かせ下さい。
                        

























  ウ.市長は徹底して全ての情報を公開し、
  積極的にあらゆるメディアを使って
  自らの想いや行動の全てを
  市民のみなさまへ届くように発信していくべきではないか


 もしも市長がこの2ヶ月間、各部局へのヒアリングを含めて
 その行動や想いの全てをきちんと市民のみなさまに
 情報公開・発信していたならば、
 ここまで大きな批判は起こらなかったでしょう。

 何故ならば、市議会議員時代には選挙の有無に関わらず
 1200日以上も街頭に立って

 常に市民と共に居たはずの吉田雄人が
 市長になった途端に「全く姿が見えなくなってしまった」のです。

 市民のみなさまがこの2ヶ月間、あなたの「不在」に対して
 率直に大きな不安を感じたことを市長は深く理解すべきです。



 とはいえ、これまでの市議会議員時代のように街頭に立つのは
 公務の都合上、難しいのは承知しています。

 (質問)
 そこで、今、市長は何を考えていてどのような行動をとっているのかを
 あらゆるメディアを駆使して
 常に市民のみなさまに届くように
 市議時代以上に発信し続けていくべきではないでしょうか?

 広報課の機能強化なども含めて
 今後の具体的な方針があれば、ぜひお答え下さい。






































 2.マニフェストの「完全なる実現」に向けて

 (1)マニフェストの進捗管理は「毎年」行なうべきだが、
  「自己評価」だけでなく、外部の「第三者評価」を受けるべきではないか


 選挙で市民のみなさまから信託を受けた
 マニフェストの「実現を担保する方法」は、

 予算案へ反映させて議会の議決を得るという方法や
 組織の在り方を変更することと共に、

 市長が言及したように、実施計画などの
 行政計画にマニフェストを落とし込んでいく方法があります。

 これらは当然のことで、必ず実施していくべきことです。

 加えてマニフェストの「進捗管理」も不可欠ですが
 所信表明の言及では不十分です。

 市長はこのように述べました。

 「マニフェストに記載した具体的な事業についても、
  実施計画に盛り込む形で進捗管理を行なってまいりたい」と。

 けれども「実施計画の進捗管理」だけでは不十分です。

 あくまでも「行政計画」の進捗管理は
 「行政」の責任において行なう進捗管理に過ぎません。

 選挙の際にあなたが候補者として
 市民と契約した「マニフェスト原案自体」は、

 つまり「チェンジ。やればできる!改革マニフェスト2009」は、
 行政計画とは全く別に、
 「市長本人」が4年間ずっと説明責任を負うものなのです。

 例えば松沢県知事は、県の行政組織とは切り離した形で
 政治家・松沢しげふみ個人として
 外部の第三者評価機関である「マニフェスト進捗評価委員会」を委嘱して
 点検・評価を行なっています。

 したがって、あなたの「改革マニフェスト2009」そのものは、
 マニフェストを落とし込んだ行政計画とは別個に、
 必ず点検・評価しなければなりません。

 PDCAによるマニフェスト・サイクルが実現して初めて
 市民のみなさまには政策実現の有無の判断が可能になります。

 そこで市長にうかがいます。

 (質問)
 市長のマニフェストは毎年度、「自己評価」を行なうとともに、
 かつ「外部の第三者による客観的な評価」を
 受けるべきではないでしょうか。
































 (2)マニフェストで「ゼロ予算で実現可能」とした施策は、
  市職員に過大な負担がかかりすぎないよう、対応すべきではないか


 マニフェストには

 「ゼロ予算で実現可能(人件費を除きます)」

 とした施策が多数あります。

 人件費を除きます、と記されたとおりで
 現実的には市の施策が
 本当にゼロ予算で実行できることはありません。

 多くの場合、
 「=職員の業務量が増加すること」を意味しています。

 すでにこれまで行政改革によって
 職員数が大きく削減されている中で、

 多くの職員が精神疾患などで休職をしているなど、
 職員には疲弊感が大きいことも
 ぜひ市長に認識していただきたいと思います。

 (質問)
 市職員に過大な負担がかかりすぎれば
 マニフェストの実現もたちゆかなくなってしまいます。

 そうした意味からも、必要な人員の確保などは
 しっかりと行なうべきだと考えますが、
 市長の考えはいかがでしょうか。

 お聞かせ下さい。





















 (3)マニフェスト実現の為にも、
  意欲ある若手職員を年功序列にとらわれず抜擢するなどの
  人事政策を積極的に行なうべきではないか


 すでに市長は

 「職員の努力を徒労に終わらせず、働き甲斐として
  その努力が実っていくよう、
  適切な人事制度改革に努力を傾注して」いくことを

 言及していますが
 マニフェスト実現に意欲を持つ若手職員はたくさんいます。

 (質問)
 やる気ある若手職員は年功序列にとらわれずに
 役職に抜擢するなど積極的な人事政策を行なうべきだと考えますが
 市長の考えをお聞かせ下さい。


































 (4)マニフェスト推進の為に「本物の現場」を
  毎週、市長みずから足を運んで必ず見るべきではないか


 ア.市長は「現場主義」を言及されているが、
  少なくともぜひ毎週1回は現場を訪れていただきたいが、
  いかがか。


 市長は「市長の姿勢」として「多くの現場を歩き」と
 「現場主義」を強調しておられます。

 (質問1)
 そこで、少なくとも毎週1回はぜひ現場を訪れる機会を
 作っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか?

 (質問2)
 特に、高齢化が急速に進む市営住宅に
 独りきりで暮らす単身高齢者の方の姿、

 重度の障がいのある方々が働いている作業所での姿、

 数十名もの高齢者の介護を、たった1人きりの介護職員が
 不安を感じながらも夜勤を担当している
 特別養護老人ホームの現実、

 ひとり親のご家庭で
 深夜まで独りで過ごさざるをえないこどもの姿など、

 従来の市長であれば絶対に行かなかったような市内各所の
 「現実の姿」をしっかりと見ていただきたいと願っていますが、
 いかがでしょうか?

 お答え下さい。



















 イ. 視察は可能な限り
  「本物の現場」を見ていただきたいが、いかがか。


 市長の視察は、事前に日程も行程も全て決められていて
 訪問先の方々も「市長に失礼の無いように」と
 あらかじめ配慮をしてしまい
 日常の姿が見られないことがほとんどだと思います。

 このようなお膳立てされた短時間の視察では意味がありません。

 (質問)
 随行する職員も最小限に抑えて
 抜き打ちで現場を訪れるなど
 「本物の現場」を見ていただきたいと思いますが、
 市長の考えをお聞かせ下さい。


                 


































 3.財政危機の原因の1つである
  ハコモノの今後の在り方に対する方針を述べるべきではないか


 (1)芸術劇場・美術館・ソレイユの丘の
  今後に対する方針を明確に述べるべきではないか


 本市の財政状況は「財政危機宣言」を出しても
 おかしくないような状況だと市長は述べました。

 こうした財政危機を招いた元凶の1つは、明らかに
 「芸術劇場・美術館・ソレイユの丘」の「ハコモノ3兄弟」だと
 僕は考えています。

 実際、市長も僕も市議会議員として2003年に
 初当選して以来、この3つのハコモノとの闘いが、
 改革のスタートであったはずです。

 マニフェストにこそ記しませんでしたが
 市長選挙でも、当選後のメディアでの受け答えなどにおいても、
 この問題を市長は言及してきたはずです。

 それにも関わらず、所信表明において
 ハコモノの今後の方針について市長が言及しなかったことは、
 市民感覚から全く理解できません。

 市民のみなさまは、財政危機の象徴として
 これらをいかに解決していくかに強く注目しています。

 そこで市長にうかがいます。

 (質問)
 現時点での市長のお考えを
 明確に述べるべきではないでしょうか?

 お答え下さい。


                       




















 4.基地に対するスタンスに対して

 (1)市長は本市の「核兵器廃絶・平和都市宣言」も堅持して、
   政府へ本市の「市是」を強く主張していくべきではないか。


 基地に対するスタンスについて市長は
 「可能な限りの米軍基地の返還」という方針を堅持していく
 と述べました。

 (質問1)
 僕はぜひ市長に、この方針と共に
 本市が1989年に宣言した「核兵器廃絶・平和都市宣言」も
 積極的に堅持する姿勢を示していただきたいと考えていますが
 いかがでしょうか?


 (→市長の答弁はこちら)


 現在、アメリカと日本国政府とが交わした
 『密約』が明らかになりつつあり、

 核兵器を搭載した米軍艦船が過去に日本の領海を
 通過・寄港していた可能性が強くなっています。

 わが国の国是である「非核三原則」の中で
 「持ち込ませず」は
 特に本市の市民の安全に深く関わっています。

 真実が隠されたまま、本市への核兵器持ち込みによって
 市民の安全が脅かされてきた可能性が
 極めて高い
と言えるでしょう。

 蒲谷市長と異なり、国・米軍・大使館に対しても
 あなたはハッキリと主張をしていくと述べました。

 先ほど、「新政府の方針を見守りたい」との答弁がありましたが
 それではマニフェストに反しています。

 (質問2)
 市長はマニフェストにおいて「基地周辺の安全・安心」を
 積極的に国・県に対して要請していくとしています。

 だからこそ、本市が
 「核兵器廃絶・平和都市宣言」を行なっている立場からも
 政府に対し改めて「非核三原則」の堅持を
 強く申し入れるべきではないでしょうか?

 それが地域主権を主張する
 市長の姿勢ではないでしょうか。

 以上2点についてお答え下さい。

 (→市長の答弁はこちら)



























 5.自殺に対する認識について

 (1)自殺の原因に対する吉田市長の認識について

 市長は本市の自殺問題に対して

 「年間100人もの方が、どうしようもなくみずから死を選び」

 と述べました。

 しかしすでに、自殺対策基本法をはじめ、
 自殺総合対策大綱においても
 「自殺は追い込まれた末の死」であると明記されています。

 自殺とは
 「社会的な複合的な要因によって追い込まれた末」の死であって
 「本人の意思による選択」ではありえないのです。

 すでに沢田市長時代にも申し上げましたが
 「哲学的な意味での自殺」は、現代にはまず存在しえません。

 経済的、社会的な要因によって過度のストレスにさらされた末に
 うつ病をはじめとする精神疾患にかかり、
 ただ苦しみから逃れたいという
 病的な視野狭窄の末に追い込まれるのが自殺なのです。

 (質問)
 吉田市長には、この際、自殺の原因に対する認識を
 ぜひ改めていただきたいと願っていますが、
 いかがでしょうか?

 お答え下さい。

 以上で僕の1問目を終わりますが、
 この2日間にわたって繰り返された
 吉田市長の生の言葉とはとても思えない官僚的な答弁ではなく
 吉田市長らしい、素直な言葉での答弁をぜひお願いします。



市長の答弁は後日掲載します。

神奈川新聞がフジノの一般質問をとりあげてくれました

 『美術館運営で市長/形態見直し検討』

 『ハコモノ3兄弟』についてのフジノの市長への質疑が
 神奈川新聞で見出しとして取り上げてもらえました。

 一問一答も載っています。

 (2009年9月11日・神奈川新聞より)





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