まちの政治家は、こんなことしてます


2009年10月10日(土)のフジノその2
● 来年度予算案の編成方針が発表されました/市長の記者会見

 けさの神奈川新聞で報道されたとおり、
 昨日9日は、吉田雄人市長による定例記者会見でした。

 その中で、吉田市長に政権交代してから
 初めての『来年度予算編成の方針』が発表されました。

 記者会見の様子を報道した
 神奈川新聞の記事を引用させていただきます。

 (2009年10月10日(土)付・神奈川新聞より)

 10年度予算にマイナス5%のシーリング枠設定

 横須賀市の吉田雄人市長は9日の会見で、
 2010年度の予算編成方針を明らかにした。

 市税収入の大幅な落ち込みが見込まれるとして、
 公債費や扶助費などを除いた事業費については
 一般財源ベースで前年度比マイナス5%(約13億円)の
 シーリング枠(要求上限額)を設定する。

 市税収入は景気低迷に伴い、
 個人・法人市民税ともに落ち込む見込み。

 このため、市は07年度の0%以来、
 3年ぶりにシーリング枠を設定して
 既存事業の見直しを徹底することにした。

 見直しで約13億円を工面し、
 扶助費や操り出し金の伸びを賄うほか、

 吉田市長のマニフェスト(政権公約)実現のための
 約1億円を確保する。

 吉田市長は

 「財源確保のためには国の動向も注視する必要がある。
  新政権には地方自治の継続性を念頭に置いてほしい」

 と話している。

 (引用終わり)
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 シーリングというのは、『枠(わく)』をはめること、ですね。

 各部局は来年度に必要な事業は何かを
 徹底的に細かく検討した上で

 財政部に対して、

 「来年度はこうします!だから予算金額はこれだけ必要です」

 という予算の要求を行ないます。

 けれども、財政危機のこのまちでは今、
 全ての事業を行なうのは不可能なのです。

 そこで、『シーリング』という枠をはめることになりました。

 例えば、健康福祉部長寿社会課の
 今年(2009年度)の予算が100万円だったとしますね。

 それに対して

 「来年はマイナス5%のシーリング(上限の枠)だ」

 という指示が出た場合、

 100万円の5%である5万円をマイナスした95万円が
 2010年度予算の枠となります。

 そうすると長寿社会課では、来年度の予算案をつくるにあたって
 95万円までしか財政部に要求ができないのです。

 今年の予算よりも低い95万円で抑える為に
 さらに仕事の見直しを行なって、
 優先順位をつけて
 事業をカットしていかなければいけないのです。

 これがシーリングということですね。


● 「マニフェスト実現重視」の予算編成方針です!

 ところで、この記事だけでは無くて
 予算編成方針の『原文』もぜひ読んでみて下さい!

 (こちらです)

 難しい財政用語もたくさん使われていますが
 ゆっくりと分かるところだけで良いので
 読んでみて下さい。

 まず、2ページに書かれている
 基本方針の1番最初のところです。


 > (1)予算編成の柱
 >
 > @基本計画骨子案(平成21年2月決定分※1)
 >  その他既存の各分野別計画をベースとします。
 >
 > A平成21年第3回定例会(9月3日)に行われた市長所信表明
 >
 > B市長マニフェスト



 フジノとしてはあえてBA@の順序を逆にしてほしかったですが
 この予算編成の3つの柱は、「とても良い」ですね。

 まず第1に、基本計画の骨子案を大切にするとのことですが
 さらに注記として

 「追って市長マニフェスト等との調整を行なった
  新たな案を示します」

 と記されています。

 つまり、2月に決定されていた骨子案は
 前市長の時代に作られたものですから
 そのままでは足りません。

 市長選挙を通じて市民のみなさまと契約したマニフェストを
 この骨子案にさらに調整した上で新たな案が示されるのです。

 加えて、10月15日から行われる
 市民のみなさまと市長との『車座会議』の場で

 基本計画について
 市民のみなさまと語りあうことになっています。

 市民のみなさまと契約したマニフェストに加えて
 生の声を頂いて、それが来年度予算案に反映されることになります。

 マニフェストが予算案の編成方針に反映される、
 これは新しい時代の予算編成であり、とても良いことです。

 第2に重視されるのは、9月議会の初日の本会議で
 吉田市政が目指す4年間の方向性を指し示す為に行われた
 あの所信表明演説です。

 フジノはこの所信表明を高く評価しています。

 もちろんその根っこにある信念・信条は
 すでにマニフェストでも市長選挙においても語られてきましたが

 あの9月3日の本会議で吉田市長が語った言葉は
 35才のフジノにとって、

 同世代の人間が行政のトップに立って
 リアルな言葉で初めて今の時代を語ったものとして
 強い『希望』を感じさせられました。

 あの所信表明が来年度予算編成の 
 基本の第2の柱なのです。フジノは『変化』への期待を強く抱きました。

 そして、第3の柱として掲げられたのが
 市長選挙で市民のみなさまと契約したマニフェストです。

 さらに、追記として

 「いずれも市長ヒアリングで検討した事項を反映すること」

 とされています。

 この市長ヒアリングとはマニフェストを
 市の事業に落とし込んでいく為に成されたヒアリングのことです。

 つまり、この3つの柱とは、実は、
 1つのことを形を変えて述べているに過ぎないのです。

 それは

 市長選挙の時に市民のみなさまにお示しした
 『マニフェスト』を実現する為の予算編成方針だ!


 ということなのです。


 さらに4ページから引用します。

 >@予算要求枠の対象外とする経費
 >(中略)
 >カ.所信表明やマニフェストを実現するための経費

 予算要求枠(マイナス5%のシーリング)を外す、
 つまりマイナス5%にしなくて良い項目の1つとして
 『所信表明やマニフェストの実現にかかる経費』が挙げられています。


 このように、来年度予算案をつくるにあたっての
 基本的な方針というものは『マニフェストの重視』なのです。

 これから来年にかけて予算編成が本格化しますが
 吉田市長のマニフェスト実現重視の姿勢が
 ついにハッキリしました。

 マニフェスト実現を誓いあったフジノは
 全身全霊をかけてこの方針を応援します。

 行政の各部局のみなさま、
 ただでさえ厳しい財政状況の中でマイナス5%のシーリング、
 とてもつらい指示だとは理解しています。

 けれども、どうかこの方針を貫いて下さい。

 これこそが新しいマニフェスト時代の予算編成なのだ、という姿を
 どうか市長を支えると共に、
 市民のみなさまに『希望』の形を示して下さい。

 市民のみなさまもどうか市長を支えて下さい!
 よろしくお願いします!



2009年10月10日(土)のフジノその1
● 雑誌『世界』11月号が発売されました/総選挙のルポルタージュ

 事務所のポストに、岩波書店から郵便が届いていました。

 8月に取材をしていただいたジャーナリストの星徹さん
 そのルポルタージュが載った月刊誌『世界』の最新号を
 わざわざ送ってくださったのですね。

 すでにフジノは、発売日(8日)に買っていましたよ〜!






 予告編というか宣伝の文章では、
 こんな風に紹介されていました。

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 神奈川11区・「小泉王国」の牙城に穴はあいたか

 (ルポ・星徹)

 3代にわたる小泉家の支配や海軍基地・米軍基地の存在などから
 「権力に従順な土地」と評されてきた神奈川・横須賀で、
 静かな異変が起きつつある。

 小泉元首相が推薦した市長候補が落選し、
 圧勝してきた選挙区でも逆風が吹き始めた。

 長期間の支配を打ち破ろうという市民の動きを中心に、
 今回の選挙戦をルポする。 


 (引用終わり)
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 4年前、フジノは『スーパーJチャンネル』の取材
 1週間ずっと取材を受けた、という体験があります。

 その時、ジャーナリストというのはいかに大変なのか、を感じました。

 だって、1週間びっしりそばに居て下さったのに
 使われるフィルムはわずか10分だけですから!

 かつては大熊一夫さんのような
 ルポライター/ジャーナリストになることを目指していたフジノですから

 その仕事の大変さはあたまでは理解していたのですが
 実際に目の当たりにしてこんなに大変な仕事なのか、と
 改めて感じたものでした。

 しかし、今回の『世界』の取材は、
 それを上回る長期の取材活動でした。

 8月は毎日必ず星さんの姿をお見かけしていました。

 もちろんフジノが取材対象では無かったですから
 フルタイムでの様子は分からないのですが

 朝の駅立ちにも、夜の駅立ちにもいらっしゃいましたから
 きっと星さんは、総選挙の前から終わりまで
 ずっと横粂・小泉両陣営に
 密着取材をしていたのだと思います。

 本当に長期間にわたっての取材、おつかれさまでした。
 ジャーナリストの姿というものを改めて見させていただきました。


● 密着取材だからこそのルポに、感動しました

 完成したルポをさっそく読んだのですが

 今回の総選挙に関して書かれた
 あらゆる記事の中では
 フジノが現場で感じた想いに最も近いものでした。

 総選挙のまっただなかでも星さんや一部の記者の方々には
 『素直な想い』をお話してきたのですが、
 HPでは初めて書きます。

 誰よりもこころから横粂さんを応援してきたフジノですが、
 選挙の途中(3日目くらいでしょうか)から
 小泉進次郎さんの闘い方に
 本当にこころを打たれたものでした。

 『選挙戦略』として理解はしているものの、
 たった1人きりで先頭に立って
 演説に声を枯らす進次郎さんの姿には強くこころを打たれました。

 もしかしたらこの感情というものは、
 選挙を闘った経験がある人間にしか分からない感情かもしれません。

 半年以上ずっと彼を倒すことだけをひたすら考え続けて
 夢に毎晩出てくるほどに思い続けた相手だからこそ
 相手の実力を見誤ることが無いように
 しっかりと冷静にずっとその姿を見つめ続けてきました。

 だからこそ、『敵』とか『味方』とか
 そういう分類を超えた想いがあるのです。

 若い仲間たちに囲まれた『チーム進次郎』の姿は
 市長選挙での『チーム雄人』をイメージさせるものがありました。

 素直に、

 「ああ、本当は自分たちがやりたかった闘い方を
  まさに進次郎さんが実現してみせた。
  敵ながら本当に素晴らしい、本当に敵ながらあっぱれだ」

 と、進次郎さんのリーダーシップを
 日が経つごとにますます強く感心させられたのでした。

 そんなリスペクトの気持ちを
 選挙中盤からは隠すのはやめました。

 それがフジノの偽らざる本音でした。

 (たぶん横粂陣営でも『本気で横粂さんを応援している人』ほど
  フジノと同じ気持ちになっていたのではないかと思います)

 だから、選挙最終日の夕方、
 たまたま横須賀中央で2つの陣営が道路をはさんで出会った時、
 (フジノは横粂さんのすぐ真後ろについていました)

 あるテレビ局の人が大声で

 「2人(進次郎さんと横粂さん)をもう1度、握手させろ!」

 と言った時、

 「絶対にダメです!絵作りなんかさせない!」

 と大声で言い返して、
 フジノはとにかく横粂さんを前へ前へと遠ざけました。

 2人の『本気の闘い』を、テレビの放送用の絵作りの為に
 『茶番劇』のレベルに落としたくなかったのです。

 テレビ局はカメラの前で、YouTubeで話題になった『握手拒否劇』を
 再演でもさせたかったのでしょう。

 政策論争から最もかけ離れたあの映像こそ
 総選挙をつうじてフジノが一番イヤだった出来事でした。

 (あれを観た人から「『敵失』だね」とうれしそうに言われるのが
  フジノは本当にイヤでイヤでたまりませんでした)

 一瞬、あの握手拒否劇の『逆バージョン』が
 フジノのせいで起こってしまうかもしれない、

 というリスクが頭をよぎりましたが、
 それでも絵作りなんかさせたくありませんでした。

 しかしそんな心配は杞憂に終わりました。

 両陣営とも素晴らしかったのは
 横浜銀行のわきの歩道をはさんで、お互いに

 「進次郎さん、がんばってください!」
 「横粂さん、がんばってください!」

 というエールのかけ声がわきおこったことです。

 両陣営は、正々堂々の真っ向勝負を行なったのです。

 テレビの絵作りは当然ながら失敗に終わって
 それぞれの陣営はそれぞれの活動へと戻っていきました。

 これがフジノが現場で体感した選挙最終日でした。

 神奈川11区にあったのは、自民VS民主なんかではなく、
 進次郎さんと横粂さんという2人の同世代の真っ向勝負だったのです。

 そうした、全力で闘いぬいた現場を知っている方々でなければ
 分からない空気感が『世界』の記事では描かれているように感じます。

 他の週刊誌や雑誌やテレビ報道には決して描けなかった、
 長期間にわたってまさに密着し続けた星さんだからこそ
 描くことができたルポだなあと、そんな風に感じました。

 ぜひみなさまも『世界』を読んでみて下さいね。



2009年10月9日(金)のフジノその2
● うつ病のリワークプログラム/GP連携をさらに進めていく為に

 今日は、19時から21時すぎまで
 横須賀中央のセントラルホテル4階にて学術講演会に参加しました。

 横須賀市医師会、横須賀三浦精神科医会、明治製菓(株)の共催です。

 メインとなって活動して下さっているのは
 自殺対策連絡協議会・委員長であり
 横須賀三浦精神科医会・会長である
 われらが大滝紀宏先生(湘南病院・副院長)です。

座長を勤める大滝先生

 いつもフジノはくりかえしこの活動日記の中で

 「自殺予防対策をすすめる為には
  かかりつけ医(G)と精神科医(P)のGP連携が不可欠だ」


 と書いてきました。

 毎年定期的に開催していただけるようになったこの学術講演会は、
 まさに、この『連携』を実現する為の活動です。

 横須賀・三浦のかかりつけ医のみなさんを対象にして
 うつ病と自殺に対する知識の提供と
 かかりつけ医と精神科医の連携の必要性を伝える為の講演会なのです。

 こうした日常的な取り組みが継続して行なわれることで

 いまや国民の誰もがかかっている『うつ病』に対して
 あなたに最も身近な『かかりつけ医』が
 より正確な対応ができるようになる、

 つまり、うつ対策が推進されていくことになります。

 ですから、一見すると何気ない講習会に見えるかもしれませんが、
 自殺予防対策をすすめる政治家フジノにとっては
 本当に重要な意味を持っています。

 開催されるたびに「本当にありがたいなあ」と
 感謝の気持ちでいっぱいになります。

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 さて、今日の講演会のタイトルは
 『気分障害の復職支援の治療的意義』です。

 このままだと分かりづらいので、くだいて書くと...。

 現在の日本では、働いているサラリーマン・OLの多くが
 うつ病にかかって心身の体調を崩して休職をしています。

 うつ病はとても再発しやすいので、いったん仕事に戻っても(=復職)
 再び休職に追い込まれるという事態がすさまじい数で起こっています。

 具体的には全国で10〜30万人の方々が
 復職のための支援が必要な状態にある
、と推定されています。

 けれども、この復職がなかなかうまくいっていません。

 ほとんどの方々が復職しても再発をしてしまっては再休職となって
 どんどん自信を無くしていってしまっているのが現状です。

学術講演の様子

 こんな現状を打ち破る為に、1997年に
 秋山剛さん(精神科医)が医療機関としては初めての試みを始めました。
 職場への復帰を支援する為の『リワーク』活動をスタートさせたのです。

 『リワーク』(rework)とは、
 『リターン・トゥ・ワーク』(return to work)を略したものです。

 現在、仕事への復帰の為に援助が必要な方々は
 全国で10〜30万人はいると推定されていると書きましたが

 一方、2009年5月現在、リワークプログラムは
 全国で48の施設で実践され、2000人が援助を受けています。

 まだ、ほとんどの方々(10人中9人でしょうか)が
 こうしたプログラムには全く関われていない現実があります。

 そこで、今回の学術講演会では
 リワークについてお話していただくことになりました。

 リワークプログラムを実施している全国の病院・クリニックは
 より良いプログラムへの研究・実践をすすめてるべく
 『うつ病リワークプログラム研究会』という組織をたちあげています。

 今夜の講師は、この『うつ病リワークプログラム研究会』の代表世話人である
 五十嵐良雄先生メディアカルケア虎ノ門院長)に
 講演をしていただくことになりました。



 上の写真が五十嵐先生です。

 それにしても偶然なのは、フジノはつい先週から
 このリワークプログラムの本を読み始めたばかりでした。

 『うつ病リワークプログラムのはじめ方』
    (うつ病リワーク研究会著、2009年、弘文堂)


 そこに、おととい、大滝先生から学術講演会へのお誘いをいただいて
 今まさに読んでいる本を出版された研究会のたちあげをなさった方から
 じかにお話を聴けるなんて、本当にラッキーでした。


● リワークプログラムから外れた人たちがとても気になります...

 残念ながら現在のところ、横須賀・三浦には
 うつ病リワーク研究会の正会員となっている医療機関はありません。

 最寄で言うと、

 上大岡駅前の『ヒルサイドクリニック・就労支援デイケア』

 金沢八景駅から乗り換えてシーサイドラインの市大医学部駅にある
 『横浜市立大学付属病院精神科デイケア』

 横浜駅西口の『横浜ストレスケアクリニック・復職支援ショートケア』

 あたりでしょうか。

 実は、うつ病からの復職支援プログラムには
 フジノはあまり関心がありませんでした。

 もちろん参考文献を読み漁ったことはあるのですが、
 どうもフジノの感性とは合わない、という想いが当時にありました。

 けれども今年の夏、うつ病によって
 休職→復職→再発→休職中という方から相談をいただいて

 改めて勉強しなおそうかと考えました。



 そこでリワークプログラムとも出会いました。

 ただ、今日の講演を聴いても感じたのですが
 やっぱり数年前に初めて参考文献を読んだ時の印象がぬぐえません。

 リワークプログラムは、この時代には必要なのは事実です。
 20万人近くの方々が復職できずに苦しんでいるのです。
 何らかのプログラムは不可欠です。

 けれども、リワークプログラムは
 嫌な書き方をすれば、『選別』があると感じます。

 フジノはプログラムが実践されている現場を
 1度も見学したことさえありませんので、
 本来はこんな言い方をする資格は無いのだとは思います。

 けれども参考文献や今日の講演でたびたび出てくる言葉が
 フジノには気になって仕方がありませんでした。

 例えば、プログラムに通える対象者は
 在職者で休職中の人に限ること。

 これは、失業中の方よりも戻る場所がある(休職中である)人の方が
 プログラムに取り組むモチベーションも高く、実現しやすい、
 ということだそうです。

 では、失業者の方々はどこへ行けば良いのでしょうか...。

 例えば、会社から「復職支援プログラムを利用しないと復職させない」と
 指示をされてしぶしぶ来院している場合にも、
 プログラム利用の目的を説明した上で
 本人のモチベーションが低ければ、
 参加を断る場合もあります、とのこと。

 この例に限らず、プログラムに関して
 全般的についていかれない人々に対しては『選別』というか
 やめていただくことが多いような印象を受けました。

 これは、トリアージュと呼べばいいのでしょうか、
 20万人も苦しんでいる人々がいるのだから
 救える人から救っていく、治りたい気持ちが強い人から治していく...

 きっと役割分担なのでしょう。
 まず、リワークプログラムは復職できる人を復職させる。

 それは確かに正しいです。

 でも、フジノはどうしても、
 プログラムになじめなかった人々に気持ちがいってしまいます。

 プログラムにのれなかった人、外された人は、どこへ行くのでしょうか。

 自宅で沈殿しているのでしょうか。
 精神科病院に入院しているのでしょうか。

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 フジノは、うつ病からの復職支援には関心が弱いのですが
 統合失調症などの精神障がいのある方々への
 『IPS』にはとても強い関心があります。

 (IPSとは:福智先生のHPから)

 『IPS』は、あえて翻訳すれば 
 『個別職業紹介とサポートによる援助付き雇用』みたくなりますが

 リカバリーという観点からの
 精神障がいのある方々の雇用サポートプログラムです。

 IPSでは、その対象から誰かを外す、というような
 除外の基準はありません。

 基本的に『就労を希望する精神障がいのある方全てが対象』です。

 IPSを進めたい立場のフジノからすると、
 リワークプログラムの除外基準の多さは違和感が強かったです。

 新自由主義社会の自己責任論の中で
 うつ病へと追い込まれた方々が
 さらに治療の状況でも選別されてしまうなんて...

 という印象を受けてしまいました。

 とは言うものの、繰り返しになりますが
 20万人もの方々が復職できずに苦しんでおられる現状を考えれば
 実績のあるリワークプログラムをどんどん実践することにも
 大きな意味があるのかと思います。

 うつ病で苦しんでおられる方々から
 ご相談を受けることは多々ありますが

 こうしたリワークプログラムに挑戦なさるのも
 1つの良い手段かもしれません。



2009年10月8日(木)のフジノ
● 台風のダメージは大丈夫でしょうか/みなさまが無事でありますように

 昨夜から続いた、台風18号にともなう豪雨と強風によって
 たくさんの市民のみなさまが大変な時間を過ごしたことと思います。

 明け方には、小矢部と佐島の一部地域の方々には
 避難勧告を出させていただきました。

 13時40分には解除をいたしましたが、
 不安なお気持ちで長い時間を過ごされたであろうことに
 胸が痛みます。

 また、仕事や学校へ向かうために
 電車を利用された多くの方々が運行遅延・中止によって
 長時間にわたって
 大変なご苦労をされたことと思います。

 そうした状況によって
 体調を崩された方々もいらっしゃることでしょう。

 全国では亡くなった方々もいらっしゃいました。
 本当に残念でたまりません。

 どうか全ての市民のみなさまが
 元気を回復されますように、こころから願っています。


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 横須賀市では、災害の時には市民のみなさまに
 少しでも早く正確な情報をお伝えする為に

 防災無線(公園などに立っている巨大なスピーカーです)での
 音声での広報をはじめ、

 メールを使った『防災情報メールサービス』や、
 ホームページ『よこすか防災ナビ』によるお知らせを行なっています。

 もちろん工夫をこらして改善に努めてはいるのですが、
 横須賀の山と谷が多い地形的な特徴から
 防災無線の音声が
 聞き取りづらい地域も多数あります。

 ぜひ市民のみなさまに
 『防災情報メールサービス』への登録をおすすめいたします。


 (下の画像が『よこすか防災ナビ』です)


 また、大きな被災の情報は今のところありませんが
 それぞれのご家庭ごとに、

 下水道から逆流があった、
 道路からあふれた水が自宅に流れ込んだ、

 などの被害もあったという連絡をたくさん受けています。

 そうした情報は今後の対策に活かすことができますので
 情報をいただけると幸いです。


 繰り返しになりますが、どうかみなさまがお元気でありますように
 政治家として、こころから願っています。



2009年10月7日(水)のフジノその2
● 最近のカフェトークは「教育」がアツいです

 台風18号が接近している為に
 激しい雨や強い風が吹いていたので

 「今夜のカフェトークは参加者ゼロかな」

 と思っていたのですが

 市内外からたくさんの方々に参加していただきました。
 本当にありがとうございます。

 カフェトークのウリの1つは
 全く申し込みなしで誰でも参加できる、ということなので

 参加する方々はお互いにお互いのことを知りませんし、
 フジノ自身もその時間がスタートするまでは誰が来るのか分かりません。

 それなのに、最近のカフェトークでは
 教育にカンケーする方々の参加が続いています。

 みなさんの立場はそれぞれ完全にバラバラなのですから、
 きっと何らかのシンクロニシティが起こっているのかもしれません。

 もともとフジノは政治家になってすぐの頃から
 若手の先生方の勉強会に参加させていただいたり
 今も、多くの先生方とふだんから交流させていただいています。

 こどもたちの教育に力を入れていくのは当然のことですし、
 人生をつうじて学んでいく生涯教育にも強い関心がありますので

 フジノにとって最近のカフェトークの
 『教育』がアツい傾向はうれしい限りです。

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 今夜は、横浜市立大学の学生さん2人が
 初参加してくれました。

 サークル活動、と呼ぶのはちょっと似あわないのですが
 他に呼び方が分からないのであえてサークルと呼びますが

 『Eduken』という団体をたちあげて、様々な活動に取り組んでいます。

 下の記事を読んでいただくとイメージがわくかもしれません。

 (2009年6月15日・神奈川新聞より引用)


 ゆとり世代が教育議論「考える楽しさ」を検証

 横浜市内に住む大学生が中心となり、
 教育をテーマにしたフリーペーパー「はだしの教室」を創刊した。

 「失敗した教育政策」と言われがちな
 ゆとり教育を受けて育った世代が、

 自ら経験した「学び」について発信し
 「教育について議論を巻き起こす」のが目的。

 17日には中区で創刊記念パーティーを開く。

 「はだしの教室」を発行するのは、
 横浜市立大1年の岩本雄さん(20)が主宰する
 教育研究サークル「Eduken」(エデュケン)。

 同大学のほか、横浜国大、筑波大、早稲田大など
 複数の大学から計14人の学生が参加している。

 呼び掛け人の岩本さんは、
 横浜市大入学直後の4月にEdukenを設立した。

 小・中学生時代の同級生で副代表の
 藪(やぶ)知衣里(ちえり)さん(東京工業大)や
 高校時代の友人らに声を掛け、メンバーを集めた。

 創刊目的は「教育について関心を高め、議論を巻き起こすこと」。

 メンバー全員が1989年以降に生まれた、
 いわゆる「ゆとり教育世代」だ。

 岩本さん、藪さんは

 「『ゆとり教育は失敗だ』と一括(ひとくく)りにされることが腹立たしかった」

 と話す。

 特に、2人の小学生時代の担任は
 総合学習の時間を活用し「考える楽しさ」を教えてくれたという。

 「ゆとり教育を受けた当事者だからこそ、良かった点も体験した。
  自分たちのメディアを通してそうした意見を発信したい」

 と岩本さん。

 異なる意見の人たちとの議論を通し、教育を
 「学生だけでなく、社会全体で考える
  重要なテーマとして認識してもらいたい」という。

 インターネットではなく
 紙媒体を選択したのは

 「教育に関心のない人にも気軽に手渡せるから」。

 創刊号は、3千部を印刷した。

 「個性を評価対象にするのは疑問」という
 AO(アドミッションズ・オフィス)入試の記事がある一方、
 AO入試を評価するコラムも掲載。

 実体験に基づく、伸び伸びとした文体の記事が特徴だ。

 記事ごとに携帯電話で読み取り可能な2次元バーコードが掲載され、
 読者が意見を投稿できる。

 メンバーが在籍する大学で友人・知人のネットワークを生かして配っている。
 また、横須賀、神奈川総合、横浜国際など県立高校でも配布している。

 Edukenは、17日午後6時から、
 創造界隈(かいわい)ZAIM(横浜市中区日本大通)のカフェで
 創刊記念パーティーを開く。

 岩本さんらは
 「(今回のフリーペーパー発行の)事業が継続する仕組み」も模索しており、
 編集はもちろん、協賛や流通面での支援に関心のある人たちの
 参加を歓迎している。


 (引用おわり)
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 とても活発な活動をしているようですね。

 彼ら/彼女らの活動はインターネットでも知ることができます。
 『はだしの教室 on the web』です。ぜひ見てあげてください。


 ●

 カフェトークという場で台風のすさまじい夜に、
 お互いを全く知らない同士が熱く語り合う...。

 とても素敵な夜でした。



2009年10月6日(火)のフジノその1
● 決算議会が終わりました/フジノの賛否とその理由を紹介します

 約1か月にわたって続いた決算議会が
 今日の本会議をもって終わりました。

 下の画像は、議案に対して
 全ての市議会議員がどのような態度を取ったのかを
 一覧にしたものです(議会事務局作成の議会運営委員会資料です)。


 フジノは、11本の決算のうち、7つに対して
 反対(=認定できない)としました。

 (1)一般会計(=市の全体的な活動)

 (2)国民健康保険

 (3)公園墓地

 (4)介護保険

 (5)後期高齢者医療制度

 (6)水道

 (7)下水道

 それぞれの理由は、これまでずっと指摘してきた問題点が
 全く改善されていないからです。

 (1)税金のムダづかいがあまりにも多く、
  いのちを守る為に必要な政策に対して使われていない。

 (2)保険料をアップしたにも関わらず、かつては本市単独で行なっていた
  精神科通院医療費の無料化などもカットしている。

 (3)身の丈を明らかに超えた、さらなる建設計画を
  担当部局も問題を認識していながら、廃止を明言していない。

 (4)保険料にみあった介護サービスが実現されているとはとても言えない。
  必要な施設の建設もすすんでいない。
  現状では、特別養護老人ホームの待機者2000人は
  全く解消の見込みが無い。

 (5)世界の社会保障制度を見ても、年齢で区切ったこの制度は
  明らかに制度設計からまちがっている。
  民主党への政権交代によって廃止が決まっているが
  今回の本市の決算を見ても、いくつもの問題点が出ている。

 (6)と(7) 適切な会計処理がなされていない。
  具体的には、正確に『負債』と『損益』が反映されていない為に
  この決算には、水道・下水道事業の実態が反映されているとは言えない。
  監査委員の指摘を何年間も受け続けているのに改善されていない。
  これでは財務諸表として扱うことができない。


 かたや、病院事業は大幅な赤字ですが
 フジノがあえて賛成をしている理由も記します。

 市民病院は『経営健全化計画』を着実に実行しており、
 医療職をはじめとするスタッフのみなさんの努力は高く評価できる。

 また、美術館の赤字と、病院の赤字では全く意味が違う。

 病院の赤字はいのちを守る為に不可欠な赤字であり、
 その赤字に税金を投入するのは、市の当然の義務だ。

 また、市民病院の赤字の金額が大きいとは言えども、
 それは水道・下水道とは違って、
 きちんと実態を会計的に反映しているからである。
 実態をきちんと示している決算は、赤字でも認定こそふさわしい。

 以上です。

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 決算を認定する、認定しない、ということの意味は大きいです。

 仮に、市議会が『認定しない』という判断を示しても
 もはや決算は終わっている会計処理ですから、正すことはできません。

 しかし、市長の道義的な責任が発生します。

 今回の決算は、蒲谷前市長のもとで執行されたものですから
 仮に『認定しない』という結果になったとしても、
 責任をとるリーダーはいません。

 それでも、新しい市長がその路線を修正して
 新しい来年度予算を組み立てる時に、
 決算の結果を反映させねばならないことは言うまでもありません。


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