まちの政治家は、こんなことしてます政治家フジノの活動日記


2008年8月13日(水)のフジノその1
● 映画『アメリカばんざい crazy as usual』へ

 今夜は、東京・中野区の映画館
 『ポレポレ東中野』へ行ってきました。

ポレポレ東中野の風景

 ドキュメンタリー映画
 『アメリカばんざい crazy as usual』
 藤本監督によるトークを観る為です。

 映画の内容は、下の新聞記事の通りです。

 (2008年8月6日(水)・朝日新聞より)
2008年8月6日の朝日新聞より

 フジノの政策である『アメリカ軍兵士による犯罪の防止』を進める上で

 ・アメリカ軍の兵士は何故、凶悪な犯罪を犯すのか?

 ・そもそも『どんな人々』が『どういう方法』で新兵として採用されているのか?

 ・新兵に対してどういう教育訓練が行なわれているのか?

 こうした実態を少しでも多く知り、
 情報を深く分析して
 『本当に効果がある対策』をこそ、提案していかなければなりません。

 もはやこれ以上、市民の犠牲者を
 1人も出してはならないからです。

 この映画をすすめてくれたのは、米軍基地で働く方でした。

 「兵士の質が明らかに変わってきていると感じる。
  フジノさんの米兵犯罪防止のヒントになる映画かもしれない」

 そのアドバイスはまさに的確でした。

 この映画には、
 テレビでは報じられないアメリカ軍の側面が描かれていました。

 映画のちらしをぜひご覧下さい。


(つづきます)


2008年8月12日(火)のフジノ
● フジノの夏休み

 今日は、1日お休みをいただくことにしました。

 そもそも政治家には『休暇』という制度が無いので
 『夏休み』というものも存在しません。

 明らかに仕事依存症のフジノは
 夏休みなんて1日もいらないのですけれども

 「市長も夏期休暇をとってるんだから
  市議もちゃんと休むべきだ。
  ワークライフバランスとか主張するならまず自分が休め!」

 と友人に怒られてしまい、2日くらいだけ、
 形式的に『夏休み』にすることにしました。

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 まず、朝6時に起きて、2週に1度の『資源ごみ』を出しました。
 (フジノの場合、大量の新聞紙ですね)

 ところで、2週間に1日しかない『資源ごみ回収の日』に
 ごみを無事に出せるとラッキーな気持ちになりませんか?

 忙しい日々の中で疲れもたまっていて
 起きていても、やっぱりどうしても出せない朝がありますよね。

 だから、資源ごみを出せた日ってなんかラッキーな気持ちになります。
 市民のみなさまは、そんな気持ちになったりしませんか?

 2週間前の資源ごみの日には何も出せなかったせいで、
 まだまだ溜まってしまっているのですが、
 ぎっくり腰の再発が恐ろしいので、ムリせずに途中で終わり。

 次に、6時半から、お休みの日にしかできない『二度寝』をしました。
 『二度寝』といっても我が家にはクーラーとか無いので
 まどろむというような気持ちいい感じじゃなくて

 意識を半分失いつつも、暑さで目が覚めて読書したり、と
 苦行のような『二度寝』ですね。
 なかば意地で寝転がっているという(笑)。

 そういえば、こないだ知りあいと話題になったのですが

 フジノは毎晩、参考文献を読みながら
 蛍光ペンを引いて、付箋をつけながら、気づいたら寝てる、
 というパターンなのですが

 朝起きても、必ず、
 右手に参考文献と、左手に蛍光ペン持ったままなんですよね。

 「これは、寝相がいいのだろうか?」

 「いや、むしろ、寝返りを打ってなくて体に悪いのではないか?」

 みたいなことを先日、知りあいと話しました。


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 10時半には暑さに耐えられなくなって、
 とりあえず、休日にしかできない掃除を始めました。

 僕のふとんの周りにはぐるっと一周、
 切り抜いた新聞紙をはじめ、読みかけの資料、市の予算書、
 参考文献の山、積み重なったCDケース、があって

 とにかく、汚い!

 必要なものかどうか判断しながら整理して片づけて
 その跡にそうじ機をかけました。ああ、すっきり。

 それから汗を拭いて着替えたらもう12時半を過ぎていたので、
 祖父宅に向かう準備を始めました。


● マンガ・リストカット症候群から卒業したい人たちへ

 6年前に政治家に転職してからは
 職場が横須賀市内になってしまったので
 今では通勤電車に乗ることが無くなってしまいました。

 満員電車は大キライなのですが
 会社員時代は有楽町まで往復していたので
 読書の時間にしていました。

 読むのが僕はとても速い方なので
 いつもカバンには3冊(ビジネス書、小説、ペーパーバック)入れて
 日本語の本はだいたい1.5日に1冊は読んでいました。

 だから、今日の、
 祖父宅のある平塚との往復の電車に乗る3時間は
 貴重な読書の時間!

 ということで、下の本を往復で読み終えました。

 『マンガ・リストカット症候群から卒業したい人たちへ
   〜ストップ・ザ・カッティング〜』

 (たなかみる著、星和書店、2008年)

 マンガ・リストカット症候群から卒業したい人たちへ

 たなかみるさんの著作は、実体験から描かれています。
 質の高いマンガですし、基本的にはオススメです。

 リスカをしてしまう方、
 リスカをしてしまう方を恋人や配偶者としてサポートしている方に
 ぜひ読んでいただけたらと思います。良き入門書です。

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 ところで、リストカットなどの『自傷行為』と『自殺』とのカンケーについて
 4月に日本自殺予防学会へ行った時にも感じたのですが

 両者はとても近いものと世間は受け止めているかもしれませんが
 決定的なところで『違うもの』だとフジノは考えています。

 これまでもこの活動日記でも
 自傷行為の『結果』として亡くなってしまうことを危惧して
 フジノはメッセージを送ってきました。

 だから、問題意識はいつもあります。

 今も自傷行為から1人でも多くの方々が
 卒業できることを願ってやみません。

 ただ、決定的なところでフジノが違うと感じるのは

 『自殺』は政治の力で必ず無くせる
 と確信を持っているのですが

 『自傷行為』(特に10代を超えた女性のリストカットについて)は
 担当するのは政治では無い、と感じるのです。

 もちろん、多くの『自傷行為』は依存症ですから
 依存症対策は政治の仕事だと考えています。

 でも、リストカットについては、
 他の依存症とは違うものだと個人的に感じています。

 だから、政治が対応すべき課題というよりは
 精神医学と臨床心理学が成すべき仕事だ、と感じています。

 インターネットによるリスカの伝染を防ぐなど
 政治にも少しはできることはあるかとは思うのですが
 もっと本質的な意味でのできることは政治には何も無い、
 と感じています。

 僕は政治家であると同時に
 精神保健福祉士でもあり日本心理学会認定心理士ですから

 政治では防げないと感じたからといって
 もちろんあきらめたりはしないのですけれど。

 この政治的な無力感をいつかどこかに書いておきたいと
 常々感じていたので、今日、書いてみました。


● 大好きなおじいちゃんと過ごす

 僕にとって祖父は、
 親族の中でこころを許せるたった1人きりの大切な存在です。

 父がすでに植物状態になって3年半が過ぎた今、
 家族の中で、祖父だけが僕の大切な頼れる唯一の存在なのです。

 僕が何かとても重大な『決断』をしなければならなかった時には、
 おじいちゃんのもとを訪れて、その報告を聞いてもらいます。

 もう92才になる僕のおじいちゃんは
 今もすごく明晰で判断能力が高くてしっかりしていて
 おじいちゃんの決して多弁ではない言葉に
 人生の深みと人としての優しさを感じます。

 今日は、父の転院について
 藤野家の長男として僕がしなければならなかった決断を
 祖父に聴いてもらいにいきました。

 厳しい決断をしたのです。

 決断をしてからだいぶ日がたった今でも納得している訳ではなくて、
 これから先もずっと僕は自分の決断に悩み続けるだろうなと

 それを一人きりで抱えているのではなくて
 できることなら祖父に支持してほしくて
 平塚の祖父宅へと向かいました。

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 いつものように、訪れることの連絡を事前に一切せずに
 突然におじいちゃんの家に行ってみました。

 スポーツ大好きな祖父のことだから
 きっと居間でオリンピックを観ているかと思ったら

 ...いません!

 飼っているインコのぴーちゃんだけが楽しそうに
 首をふる扇風機の上にのって、居間にいました。

 他の部屋を探してもいないのですが、
 何の緊急性や事件性も感じられないので

 まずはおばあちゃんの仏壇に
 お線香をあげることにしました。

 と、その時、庭のほうから音がしました。

 窓から外を見ると、おじいちゃんが庭の手入れをしていました。

祖父の写真

 とても92才とは思えないでしょう?
 このしゃきっとした姿がわが祖父です。

 ここ数年、祖父宅を訪れても
 僕が滞在できるのが数時間しかなくて

 庭に出ている祖父の姿を見たのは数年ぶりのことでした。
 (本人的には毎日出ているのですけれど)

 そこで、庭の草花を一緒にみてまわって
 庭石のかげのトカゲを見つけてうれしい気持ちになったり

 誕生日に僕が贈った植木鉢の花が
 庭に根づいている姿に感激したり、

 ホッとした気持ちになりました。

 それから、屋内にもどって一息ついてから
 僕の話を聴いてもらいました。

 途中でさえぎることなく僕の話を最後まで聴いてくれた後、
 祖父は僕の決断について

 「それでいいと思うよ」

 と言ってくれました。じいちゃん、ありがとう。


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 今日はラッキーなことに、タイミングが合って
 おじいちゃんが健康の為にしている散歩に
 一緒に行かせてもらいました。

 散歩、といっても、100mくらいのコースを
 3周くらい早足で歩くのですね。

フジノと祖父の写真

 2週目を歩いたところで
 おじいちゃんが言いました。

 「英明、たった2週目でもう両足がパンパンなんだ。
  (年をとるということは)フシギだろう?」

 僕にとっておじいちゃんといえば、
 若い頃は陸上部で大活躍で、
 戦後になってからも会社の運動会などで大活躍だった、という
 イメージがあります。

 そんなおじいちゃんも、92才になると
 わずか200mほど早足で歩いただけで足がパンパンになるんだ、
 ということに強く感動しました。

 僕のおじいちゃんは、僕にリアルな言葉で
 肉体が『老いる』ということを説明してくれます。

 おじいちゃんの精神はいつも明晰で記憶力も良いのですが

 『肉体』には明らかに年齢相応の衰えが出てきています。

 それを、僕に丁寧に説明してくれます。

 例えば、止むことの無い耳鳴りのことや
 関節が少しずつひろがっていってしまう指のことや
 いろいろなこと。

 僕はおじいちゃんに会うたびにそうしたお話を聴くのが
 畏怖の気持ちが起こるのと同時に

 「生きるってこういうことなんだ」

 と、いつもとてもすごく腑に落ちるので
 大好きだ。

 僕も、おじいちゃんのように生きたい。
 おじいちゃんに会うたびにそう思う。


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 一緒に夕飯を食べた後、祖父宅を後にした。

 おじいちゃんと会うとがすごくホッとする。

 帰りの電車の中ではリスカの本ではなくて
 『週刊福祉新聞』を読みながら過ごした。

 1面トップの記事は

 『障害者差別の事例収集へ〜内閣府が調査研究〜
         「合理的配慮」を明確に 年度内にパンフ作成』


 というものだ。

 障がい者差別禁止条例をつくりたいフジノにとって
 政府が動き出したのは(遅すぎるけど)グッドニュースだ。

 国連の障害者権利条約を日本政府は『署名』そのものはしたけれど
 日本の障がいのある方々に関する現在の法律では

 国連の条約の基準に達していないので
 『批准』することができないのだ。

 (つまり、口では「約束を守るよ」と言っているけれども
  行動では示せていない、というのが現在の日本の状態です)

 そこで、ようやく政府は計6000人規模のアンケート調査を
 8月下旬から2回に分けて行なうことを決めた、という記事だ。

 さあ、横須賀に戻って
 またがんばらなければ。



2008年8月10日(日)のフジノ
● 廃止された事業でも、良いものは良い

 今日は、平坂上にある青少年会館を訪れました。

 劇団河童座による「青少年演劇講習会『創る創る』」の
 最終的な発表会としての

 演劇『銀河鉄道の夜』を観てきたのです。

銀河鉄道の夜パンフレット

 これは、募集に応じた中学生・高校生たちが
 劇団河童座と一緒に演劇について

 演じることだけでなく裏方の仕事も含めて知ってもらい、
 わずか2ヶ月間ほどしかないのですが1つの演劇をつくりあげる

 という活動です。

 何故フジノが政治家としてこれをわざわざ観にいったか。

 その理由は、パンフレットの1ページ目に記された
 横田和弘さん(脚色・演出)のごあいさつを読んでいただければ
 お分かりいただけると思います。

 以下、引用させていただきました。
 (文章中、太文字にしてあるのはフジノがやりました)

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 『銀河鉄道で見つけたものは?』

 今年の〈銀河鉄道の夜〉は
 夏の家庭劇場と演劇教室「創る 創る」の乗合です。

 大人と子どもが一緒になって楽しめるお芝居があるはずだ・‥
 との想いで続けてきたのが家庭劇場です.

 芝居創りの楽しさ難しさ、なぜ芝居を創るのか・・・
 を知ってもらいたくて続けてきたのが
 若い人たち中心のための演劇教室でした。

 今年、名前を改め「創る創る」。

 残念ながら
 昨年までは青少年会館の事業として行われてきた
 この2つの企画は
 財政上の理由のため中止
となりました。

 (去年まで無料公演として行われていた家庭劇場が
  有料になった理由です)

 でも、ここまで続けてきたものを簡単に止めてなるかとの思いと
 存続を望む熟い声に後押しをされて

 「エイ!ヤ!」の想いで
 5月にスタートをさせました。

 精神的にも体力的にも
 そしてなにより経済的に悪戦苦闘の連続でした。

 そして今日を迎えます.

 芝居は上手ければ面白いかといえば
 そうでないこともよくあります。

 今、高検野球人気がプロ野球をしのぎそうなのと
 同じことかもしれません。
 若い人たちの必死で一生懸命な姿は心を打つものです.

 今回参加した講習生は
 きっと球児に負けない感動を与えると信じています。

 観客の皆様のあたたかい拍手が
 彼らのそして私たち河童座のメンバーを勇気づけます。

 来年も続けられるよう
 あたたかい応援をよろしくお願いいたします。


 ジヨバンニとカンパネルラは
 銀河鉄道の中で本当の幸いと強さを見つけました。

 講習生たちはこの《銀河鉄道》の芝居創りの中で
 何を見つけてくれたのでしようか・・・

 そして観客の皆様は銀河鉄道を観て
 何かを見つけてもらえば・・・

 それでは夏の家庭劇場「銀河鉄道の夜」の旅を
 ごゆっくりお楽しみください。

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 以上で引用おわりです。

 太文字にした部分をつないで読んでもらえば
 お分かりいただけたと思うのですが

 横須賀市の青少年会館の事業として行なってきた
 『家庭劇場』と『演劇教室』が財政上の理由で廃止されました。

 これまで活動を引き受けてくれていた劇団河童座は、
 市の事業としては廃止されたけれども

 2つの活動の意義は大きく、やめるのはおかしい

 という想いで、自主的に存続することに決定したのです。

 その心意気を政治家としてフジノは
 とても素晴らしいことだと感じました。

 たとえ市の事業としては廃止されても
 行なってきた活動そのものは全く正しいとフジノは信じています。

 加えて、廃止の決定が本当に正しかったのかどうかを
 しっかりと自分自身の目で見たいと考えました。

 そこで、今日の発表を観てきたのです。


● 約15名の学生たちに、感動しました

 講習会に参加して今日を迎えた学生たちは
 中学生・高校生たち約15名とのことでした。

 くりかえしになりますが、演じることだけでは演劇はできません。
 舞台セットなどの大道具、衣装などの小道具、
 照明、音響など、様々な役割が不可欠です。

 チームで完成させるのが演劇です。

 講習会を通じて、学生たちはそのことを学んだはずです。

 フジノが観ることができたのは、
 今日の発表だけだったのですが、とても感動しました。

青少年会館入り口の看板

 もちろん、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』そのものの
 ストーリーの素晴らしさもありますが

 青少年会館のステージを使って
 自分たちで作った舞台セットで

 『銀河鉄道の夜』の世界を生み出さなければならないのです。

 もともと演劇の世界は、
 映画のようにフルでセットを組むものではありません。

 役者さんたちの演技力や音響などによって
 観客の想像力でその物語の世界に没入させることが可能です。

 けれども、あまりにもチャチな舞台セットでは
 最初から没入するどころかシラケてしまいます。

 でも、そんなことは全くありませんでした。
 よくできていました。

舞台の様子

 そして、演技もとても良かったです。

 フジノは観客席の最後の列の、真ん中で観ていました。

 主役のジョバンニ役・カムパネルラ役をはじめ
 みんなの生声がハッキリと最後列のフジノのところにも響いてきました。

 脚色がコミカルになされているので
 観客の笑いを誘うシーンもたくさんあるのですが

 約1時間半、宮沢賢治の世界観を決して損なうことなく、
 『銀河鉄道の夜』の持つ、死生観や「人生の意味とは何か」という問いが
 しっかりと演技を通して投げかけられていたと思います。

舞台の様子その2

 もともとの演じる下地があるからこそ
 この講習会に応募しているのだとは思いますが
 みなさん、とてもいい演技でした。

 ちなみにフジノはストーリー終盤の
 カムパネルラがすでに亡くなっていることに
 ジョバンニが少しずつ気づいていくあたりでホロリと来ました。

 場内の他のお客さんたちは
 すでに多くの方々がフジノよりもかなり早いタイミングで
 ハンカチを出して涙を拭いていました。

 確かにあの1時間半は、青少年会館のステージが
 『銀河鉄道の夜』の世界になっていたのだと思います。

 参加した学生のみなさん、本当に素晴らしかったです。
 感動しました。ありがとうございました。

 そして、劇団河童座のみなさま、
 講習会を含めて今日まで本当にお疲れ様でした。
 素晴らしい演劇を観せていただきました。ありがとうございました。


● 市が税金を使って行なうべきものか、という問い

 さて、あなたはこの横須賀市の事業廃止を
 どうお考えになりますか?

 フジノはこう考えています。

 ・財政上の理由でこの事業廃止をしたのは残念だが
  そもそもこうした事業は
  青少年会館独自の予算で
  行なうべきものではなかったのではないか。

 ・むしろ、若い人々が芸術に積極的に触れる機会をつくる、
  あるいは文化活動を育てる機会をつくる、
  という目的であれば
  教育委員会の予算で
  行なってくるべきものだったのではないか。

 ・もしも事業の復活を検討するのであれば、
  担当は青少年会館ではなく、教育委員会が行なうべき。

 ・ただし、横須賀市の財政があまりにも厳しいのは事実である。

 ・また、事業廃止をしたとはいえ、
  今日の発表、今日に至るまでの稽古などで使用した
  青少年会館のステージなどの使用料は『無料』扱いとしている。

  (これは実質的に補助が出ているのと同じ扱いです)

 ・これまで入場無料で入れたものを有料にしたが
  この収入は劇団のものになるので
  よりたくさんの観客が入れば、興行収入も増えていくので
  それらは劇団の収入アップというインセンティブになるかもしれない。

 ・したがって、事業そのものの復活は難しいけれども
  今後もこの活動の持つ高い意義をきちんと横須賀市は評価して
  学生の参加者募集の広報をはじめ、
  発表の宣伝などは積極的に協力を行なうべき。

 ・ステージ使用料の減免なども継続していくべき。

 ・また、中学校演劇発表会などをはじめとする
  中学・高校の演劇部などとの連携による
  『新しい在り方』も検討していくべきではないか。


 これがフジノの考えです。
 つまり、市税の投入による事業復活はしない、という考えです。

 けれども、この活動の持つ大きな意義は高く評価していますので
 今後もこの活動を劇団河童座が続けていって下さるのであれば

 このHPなどを通じてどんどん宣伝したり、
 できる限りの応援をしたいと考えています。

 劇団河童座のみなさんは
 ふだんお仕事をしている方が大半かと思うのですけれども

 今年は交通費も何も無い完全なボランティアで
 中学生・高校生たちと約2ヶ月間も向き合ってくださったことは
 本当にありがたいことだと思います。

 経済的にも持ち出しばかりで
 大変だったことと思います。

 そうした状況を考えると
 もしも財政的にもっと横須賀市が健全な状態であれば
 事業の復活をぜひしたい活動だとフジノは感じます。

 一方で、市の税金を投入するのではなく
 市民の方々の自主的な活動として行なわれるとするならば
 それはもっと意義の高い活動になる、ともフジノは感じています。

 市民のみなさまは、どのようにお考えになりますか?

 なんか、もっとムダな事業を廃止して
 こういう夢のある活動にこそ、税金を使いたいですよね...。



2008年8月9日(土)のフジノ
● 日本司法書士会連合会による自殺総合対策シンポジウムへ

 今日は、東京・四ツ谷にある日本司法書士会連合会会館を訪れ、
 第15回日司連市民公開シンポジウムに参加しました。

 タイトルは、

 『自殺を減らす、自死遺族をささえる
   〜なすべきことは社会でまもる人間の「いのち」〜』


 です(チラシはこちら)。

 主催はもちろん日本司法書士会連合会ですが、

 後援したのは、
 法務省・内閣府・金融庁・東京都と行政組織に加えて

 (社)日本精神保健福祉士協会(フジノも会員です)、
 NPO法人自殺対策支援センターライフリンクと、

 まさに自殺予防対策のフルメンバーにより
 開催されたシンポジウムでした。

日司連市民公開シンポジウム看板


● 地域の自殺対策を推進する地方議員有志の会、活発化してます

 ところで、シンポジウムについての前に...。

 フジノたち『地域の自殺対策を推進する地方議員有志の会』
 年4回開催している定例会を
 まさに昨日行なって
 多重債務について勉強しました。

 TVや新聞などでも非常に有名な
 吉田猫次郎さんを講師としてお招きしました。

 (ごめんなさい、フジノは欠席しました。詳しい様子は、
  田中優子・副代表(世田谷区議)のブログをご覧下さい)

 さらに昨夜は、多重債務対策で全国に知られている
 奄美市職員の禧久孝一さんをお迎えして

 『有志の会』メンバー以外の国会議員・地方議員と共に
 自殺対策に関する懇談会を行なったのでした。

 (こちらもとても良い集まりになったようです)

 そして連続して今日このシンポジウムにも参加する、という
 初の2日連続の定例会となりました。

 『地方議員有志の会』の活動は
 とても活発化していますね。

 メンバーもだいぶ増えました。

 にもかかわらず、代表のフジノはすっかり心身の不調で、
 『有志の会』に貢献できないままでいます...(涙)。

 今日はギリギリまで体調を見て、少し遅れて参加しました。

 ともかく行くことができて、
 ちょっとだけホッとしました。


● 自殺を減らす、自死遺族をささえる

 シンポジウムは2つのプログラムでした。

 まず、第1部が基調講演です。

 NPO法人自死遺族支援ネットワークRe代表の
 山口和浩さんが講師です。

 『わからない。でも、わかりたい。
   〜自殺者数10年連続3万人突破の現状を踏まえ〜』


 フジノがかつてNPOライフリンクに所属していた時に
 山口さんとは何度かお話したことがあるのですが

 現在のわが国の自殺予防総合対策が進化していく上で
 彼が存在してくれていることはとても大きい、とフジノは感じています。

 山口さんの講演については
 紹介は省略させていただきますが、

 ぜひ彼の半生を記した著作

 『ぼくの父さんは、自殺した。〜そのひとことを語れる今〜』
  (今西乃子著、そうえん社、2007年)

 を、ぜひみなさまに読んでいただきたいと思います。
 (もちろんフジノも読みました)

 フジノは、いつも想うことがあります。

 わが国の自殺対策を進めていく為には
 誰かが『語り部』の役目を引き受けなければならない。

 やがて、自死に対する偏見やタブー視が
 本当に完全に消えていくその時までは

 苦しみを抱えながらも乗り越えつつある誰かが
 『語り部』で無ければならないのです。

 フジノ自身は、その役回りに苦痛を感じることが
 全国紙にどでかく出てから数年が過ぎた今でも
 本当に多くあります。

 この意味においても、山口さんの活動には
 こころから敬意を表したいです。


● 人は万能じゃないから、だから他人とつながっていく

 第2部は、パネルディスカッションでした。
 タイトルは

 『「いのち」をどうささえるのか』

 でした。

 パネリストは、次の6名の方々です。
 
 ・柳澤みつよしさん(民主党・参議院議員)

 ・加藤久喜さん(内閣府・自殺対策担当参事官)

 ・大塚俊弘さん(長崎県こども・女性・障害者支援センター・所長)

 ・杉本侑子さん(全国自死遺族総合支援センター・代表幹事)

 ・大塚淳子さん(社団法人日本精神保健福祉士協会常務理事)

 ・境俊明さん(日本司法書士会連合会・理事)

パネラーのみなさん

 内容は、フジノの活動日記を読んで下さっている方々には
 それほど目新しいことはありませんでしたので
 省略させていただきます。

 むしろ、他都市の取り組みと比べても
 横須賀市の取り組みは見劣りしていないぞ、と感じたりしました。

 ただ、パネリストが何を語ったかとかよりも
 今日のシンポジウムで最も大切だったことは

 日本司法書士会連合会は自殺対策にかなり本気だ

 という意気込みが
 ひしひしと伝わってきたことでした。

 フジノは成年後見制度をもっと広めることが
 政治家1期目の最初からの課題ですが

 司法書士のみなさんは、成年後見制度でも良きパートナーです。

 その司法書士のみなさんが
 自殺対策にも本腰を入れてくださるのであれば
 これほど心強いことは無いと感じます。とてもありがたいです。

 絶対に、お金のことで自殺に追い込まれてはいけないんです。
 絶対に、借金の苦しみからは立ち直ることができるんです。

 もちろん弁護士も力になってくれますが
 より身近な存在としての司法書士の方々が力になってくれれば
 必ず何とかなるのです。

 多重債務の問題を解決できたならば
 日本の自殺の30%は無くせると言われています。

 だからこそ、司法書士の方々の協力は
 自殺をゼロにしたい僕たちにとって
 本当にありがたい援軍です。

 これからも、いろいろな連携ができるはずです。

 日本司法書士会連合会のみなさま、
 いや、全国の司法書士のみなさま、どうか一緒に闘って下さい。

 この国の自殺をゼロにする闘いに
 一緒に闘っていってくださいね。よろしくお願いします!
                    

● 奄美市役所の禧久孝一さん

 自殺予防対策と多重債務問題にかかわる人間にとって
 奄美市役所の禧久孝一さん(市民福祉部市民課)を
 知らない人はいません。

 フジノも去年の予算議会では
 禧久さんの奄美市役所での取り組みを紹介して
 市長に生活再建を含めた多重債務対策の必要性を訴えました。

(2007年3月5日・予算議会・市長へのフジノの質疑より)






 2、自殺予防総合対策をさらに進めるために。

 (1)多重債務を抱える人々への総合的な支援の必要性について。

 自殺で亡くなる方の約4分の1が
 経済苦、生活苦が原因で、
 特に多重債務を抱える人々が大半です。

 問題の深刻化を受けて、
 政府も多重債務者対策本部を設置しましたが、
 全国で多重債務者は230万人以上に上り、
 200万人以上に適切な支援が行き渡っていないことが
 明らかになりました。

 借金は個人の責任と言われがちですが、
 リストラや病気などの生活苦から借金に手を出した
 社会経済環境の悪化による被害者が多いのです。

 他人に打ち明けられず、相談先も知らず、
 自力で解決することは困難なことから、
 対策本部の提言では
 自治体による積極的な対応を求めています。

 鹿児島県奄美市、滋賀県野洲市など、
 多重債務者の救済に高い効果を上げている
 先進的な自治体があります。

 例えば、税金や国民健康保険の担当職員は、
 滞納をしている人々と接する機会がありますが、

 多重債務に陥っているという状況を聞けば、
 複数の部署で連携して
 多重債務の整理と生活再建に向けた支援を行うのです。

 行政と弁護士らが連携をとれば、
 多くの場合多重債務は解決できます。

 消費者金融などに対して
 法定金利を超えた利息で支払いを続けている場合、
 支払った利息は法的に無効となります。

 つまり、請求すれば過払金として
 全額戻ってくるケースがほとんどなのです。

 この過払金を回収することで滞納されている
 国保・税のほぼ全額を納付できるため、
 行政の新しい滞納整理法としても注目されています。

 したがって、多重債務に早期に対応することは、
 経済苦による自殺を予防する効果とともに
 滞納された税金などの納付や
 将来の生活保護を予防する効果もあるのです。

 そこで市長に伺います。

 本市でも市役所内外で連携体制をつくり、
 多重債務に追い込まれている人々の
 総合的な支援体制をとる必要があると思いますが、
 市長の考えをお聞かせください。



 さらに、07年3月22日には
 教育経済常任委員会でも上下水道局長に対して

 単なる滞納への催促ではダメで
 生活再建を視野に入れた取り組みをすべきだと
 やはり禧久さんの奄美市役所での取り組みを紹介して提案しました。

 彼の取り組みの素晴らしさは、徹底したアウトリーチにあります。

 アウトリーチというのは、こちらから
 困っている方々の方へ打って出ていくことです。

 そしてもう1つすごいのは、
 『徹底した同伴』です。

 多重債務で追い込まれた末に自死に至る直前の方が
 なんとか市役所に相談に訪れた時に
 窓口をたらいまわしするようなことはサイテーです。

 「ああ、それは消費生活センターに相談して下さい」

 消費生活センターに行くと

 「それでは、法テラスをご紹介します」

 法テラスに電話をすると

 「では、弁護士を紹介しましょう」

 ダメだよ!そんなのたらいまわしだよ。

 だって、もはや1人で動ける気力も無くなっている方を
 たらいまわしにするのは、
 自死へ追い込んだ
 共犯といっても言い過ぎじゃないと
 フジノは考えています。

 だから、禧久さん(と禧久さんのチーム)は
 徹底的に同伴して、最後に笑顔が取り戻されるまで付き添います。

 これが奄美市役所方式なのですね。

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 なんと、その禧久さんが
 フジノHPの愛読者でいらっしゃるとのことで

 昨夜の『有志の会』の懇談会をセッティングするにあたって

 「政治家フジノ34才に会いたい」

 と、おっしゃってくださったそうです。

 結局、昨夜はお会いできなかったのですが
 なんと今日、お会いすることができました。

フジノとキクさん

 フジノにとって禧久さんとは初めての対面だったのですが、
 すでに何回もお会いしたことがあるような
 そんな懐かしさがしました。

 禧久さんの強い願い、

 「多重債務から必ず人は立ち直れる」

 という想いは、フジノの信念でもあります。

 アルコール依存症、ギャンブル依存症、
 様々な生活苦からの多重債務、たくさんあります。

 でも、「人は必ず変われる」とフジノは信じています。

 同時に

 「絶対にお金が原因で人は死んではいけない」とも信じています。

 禧久さんに初対面の感じがしないのは、
 そんな想いがとても似ているからかもしれません。

 禧久さん、お会いできて光栄です。
 いつか奄美に必ずうかがいます。今日はありがとうございました。


● お会いしたかった方々とやっとお会いできました

 市民相談や市議会の時ですとかこのHPでは
 強気モードのフジノなのですが

 この2年間くらいは、
 心身ともに良かった日がほとんど無くて
 毎日、自分のふがいなさに悲しくなることがたくさんあります。

 もともと1期4年で引退だと決めていたからこそ
 仕事中に死んでもいいと決めて
 持てるエネルギーの数倍をかけて働いてきたのですね。

 だから、今は4年前と比べると
 本当に体が全く動かなくて、

 お会いしたい方々がたくさんいらっしゃるのに
 アポイントメントをとる気力さえ出せなくて

 政治家としておれはこんなに情けない状態で良いのだろうか

 と、すぐにも辞任すべきではないかと
 考えてしまう瞬間が多くあります。

 でも、今日だけは特別でした。

 かねてからお会いしたかった方々が
 なんと一同に介していたおかげで
 一気にお会いすることができました。うれしかったです。

 例えば...。

 柳沢みつよしさん(民主党・参議院議員)。
 とてもお会いしたかった方です。

 柳沢議員は、国会議員が作っている
 『自殺防止対策を考える議員有志の会』のメンバーで、
 国会審議の中でも自殺対策を何度も何度もとりあげて下さっています。

 2006年に超党派の国会議員で作られた
 『自殺防止対策を考える議員有志の会』
 (会長・尾辻秀久参議院議員)というのがあるのですが、

 2006年にライフリンクとフジノたちが立ち上げた
 『地域の自殺対策を推進する地方議員有志の会』は
 この国会議員の有志の会と
 双子といっても良い存在なのですね。

 でも、いろいろな事情があって、
 国会議員の『有志の会』と
 地方議員の『有志の会』とが交わることはありませんでした。

 それが今日、初めて接点が生まれたのです。
 これから、もっと多くの接点ができていくはずです。

 柳沢議員も約束して下さいました。
 ありがとうございます。

 また、杉本脩子さん
 (全国自死遺族総合支援センター代表幹事)とも
 お話しする機会がありました。

 また、弘中照美さん(多重債務による自死を無くす会・代表幹事)とも
 すごく久しぶりに再会することができて、うれしかったです。

 その他にもまだここでご紹介していないものの
 多くの有意義な出会いがありました。

 僕自身がどこまでがんばれるのか
 正直なところ、現時点では分からないのですけれど

 こうした素晴らしい方々との出会いとつながりは
 横須賀の自殺予防総合対策をもっと充実させていくだけでなく

 この国の自殺を減らし、
 ゼロへと向けての闘いを進める上で

 きっと大きな意味があるとフジノは信じています。

 今日は多くの方々に感謝しています。
 ありがとうございました。


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