議会では、こんなやりとりしています

動画で質問の様子をみることができます。
市議会HPの日程平成21年3月3日をご覧下さい。

2009年3月・予算議会 本会議(3月3日)、議案への討論








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 藤野英明です。

 まず最初に、議案第5号一般会計の補正予算
 議案第7号公園墓地事業の補正予算
 反対する理由を申し上げます。



 2つの議案に反対する理由は共通で、
 今回の巨額な「債務負担行為の設定」に賛成できないからです。

 本市の将来の負担をバランスシート上に
 明確にすることは不可欠ですから
 これまで僕は一般質問や決算認定など様々な機会において
 退職給与引当金の計上を上下水道局に求めてきました。

 今回の2つの議案での「債務負担行為の設定」とは、
 一言でいえば、

 本市が土地開発公社に買わせた土地を
 将来必ず買い取る約束をして、バランスシートに計上すること
です。

 つまり『負債を明確化するもの』です。

 本来の僕の立場からすれば、
 本市の負債をこうして明確化することは大いに賛成で、

 地方自治法第214条(*)の厳格な運用としても
 好ましいことではあります。

 (*地方自治法第214条(債務負担行為)
  歳出予算の金額、継続費の総額
  又は繰越明許費の金額の範囲内におけるものを除くほか、
  普通地方公共団体が債務を負担する行為をするには、
  予算で債務負担行為として定めておかなければならない。)

 しかし、議案第5号についての
 建設常任委員会での吉田雄人議員による
 これらの土地を今後どう処分していくかの内部計画が存在するにも関わらず
 市民と議会には公表されていないとの質疑を聴くにつけても

 また、議案第7号についての
 民生常任委員会での土田ひろのぶ議員による
 第5期公園墓地建設事業の見直しについての質疑を聴くにつけても

 あるいは僕自身が行政側にヒアリングをしてみても
 今回の債務負担行為には全く納得できません。

 何故ならば、土地開発公社に買わせた土地は
 すさまじい金額にのぼる訳ですが
 その多くが「利用する見通しがたたない塩漬け土地」なのです。

 例えば、公園墓地の補正予算で債務負担行為を設定する
 土地の利用目的は、1万区画の墓地を新たに作る
 第5期の公園墓地建設事業用地ではありますが、

 実はこの第5期計画はすでに実質的に破たんしていて
 この先、実現できる見通しが立っていないことが
 土田議員の質疑から分かりました。

 この土地は、土地開発公社と一刻も早く協議して
 売却させておくべきでした。

 そうした実現の見通しが無い土地がいくつもあることは
 ずっと前から分かっていたことなのですから
 横須賀市は迅速に売却するなど早急に処分するべきでした。

 しかも、行政内部には内部計画が存在するものの
 市民と議会に対しては公表されていないことが
 吉田議員の質疑から分かりました。

 今回、本市が「債務負担行為」を設定せざるをえないのは
 財政健全法に基づく国の方針と
 平成20年12月22日に神奈川県から出された通知
 「地方公共団体の財政の健全化に関する法律の施行などを踏まえた
  行財政運営の適正化について」
 に基づくものですが

 内部計画も市民と議会に公表されないままに
 このような巨額の負債を抱え込まざるをえない状況には
 賛成できません。

 ●

 次に、議案第6号国民健康保険の補正予算に反対する理由は
 1款3項3目「病床転換支援金」の存在に反対だからです。

 国は、慢性期に必要な療養病床を削減して
 老人保健施設などに転換させようとしていますが、

 その為に2008年4月から
 『高齢者の医療の確保に関する法律』によって、
 全ての保険者に「病床転換支援金」の
 社会保険支払基金への拠出を義務付けているものです。

 しかし、僕は、自らの家族を通して体験したことや
 たくさんの同じ境遇の方々との出会いを通じて

 療養病床は、決して社会的入院の場ではなく
 医療費を抑制するという財政の為だけに
 削減などしていい場所では無いことを確信しています。


 脳出血や様々な障がいによって植物状態などの
 慢性期になりながらも必死に生きているたくさんの人々が

 残念なことに住み慣れた地域や自宅で暮らすことが難しい場合の、
 大切な受け皿になっています。

 それを国が削ることは長寿を喜べない国づくりであり、
 介護保険制度を設立した時の理念にも反して
 家族介護を永続化するもので、
 僕たち自身の将来を否定することでもあります。

 そうした信念に基づいて、僕は療養病床の削減に反対し、
 かつ本市としてできることを探して
 これまでも繰り返し一般質問などを通じて
 特別養護老人ホームの増設や、
 重度の方々の居場所づくりを提案してきました。



 その立場から、たとえ国の法律で義務的に求められている拠出金であろうとも、

 療養病床カットを進める為の支出には
 絶対に賛成することはできません。

 本来ならば、当初予算の段階から反対すべきでしたが
 僕の不勉強さからこの国民健康保険会計の中に
 「病床転換支援金」が含まれていたことを見過ごしていました。

 この先、現場の声や家族の想いによって
 政府は必ず療養病床の削減を撤回するはずだと信じています。

 したがって、「病床転換支援金」が計上される限りにおいて
 今後は全ての国民健康保険会計の予算案に反対していきます。
              
 ●

 最後に、議案第18号、
 市民病院を指定管理者制度へ移行する為の条例改正案
 反対の理由を申し上げます。

 僕は、人生のほとんどを市民病院に近い武山で暮らしてきて
 市民病院には何百回とかかってきました。

 その市民病院がだんだんと市民に愛されない
 選ばれない病院に変わってきたのを肌で感じながら
 議員となった時、

 もう1度、市民病院が愛されて選ばれる病院に
 生まれ変わってほしい
と願って
 この数年間ずっと市民病院改革を応援してきました。

 特に、僕は公立病院の良さを信じて
 現場のドクターとナースをはじめとする、
 あらゆる職員の方々の想いと行動による
 『自律的な改革が実現すること』を信じてきました。



 ですから、運営形態を変えるならば
 現在の地方公営企業法の一部適用を変えて

 同じ公務員型でもより柔軟な対応が可能である
 「地方公営企業法の全部適用にすべきだ」
 この数年間一貫して訴えてきました。

 したがって、民営化である指定管理者制度の導入には
 全く賛成できません。


 以上、議案に反対する理由を述べました。

 ●

 もしも可能であるならば、先輩・同僚議員のみなさまと共に
 こうした反対部分を切り離した修正案を提案して
 全会一致で可決することができればと願ってやみません。



 本来であれば、議案第5号などは
 重要な緊急経済対策が盛り込まれておりますので
 その必要性を考えれば、僕も議案には賛成したい想いです。

 実際、僕が所属している教育経済常任委員会へ
 付託された第5号には債務負担行為の設定が無かったので
 採決においては賛成をいたしました。

 しかし、将来展望が見えないままに土地を取得し続けた
 つけを負わねばならない「債務負担行為の設定」には、
 市議会議員として賛成できませんでした。

 残念ながら現時点ではそうした修正案の提出は叶いませんので
 自らの想いをみなさまに明確にご説明をさせていただきました。

 いつの日か、行政提案への対案としての
 議会側修正案の提出などに
 つなげることができればと願っています。

 以上をもちまして、僕の反対討論を終わります。
 ありがとうございました。


フジノの討論もむなしく
議会の多数派はフジノと逆の結論を出しました。

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