議会では、こんなやりとりしています


動画で質問の様子をみることができます。
市議会HPの日程平成24年6月8日をご覧下さい。

2012年6月議会・本会議(6月8日)、市長への質疑


 1.2025年に向けたエイジング・イン・プレイスの実現を目指して


 急増する後期高齢者の人口、都市型高齢化、
 単身世帯と高齢者世帯の急増。

 この3つが一気に迫っている我が国は
 世界のどの国も体験したことが無い
 『未踏高齢化社会』に突入したと言われています。



 2015年には団塊の世代が65歳以上になり、
 2025年には75歳以上になります。

 さらに2050年には団塊ジュニア世代が
 後期高齢者になり、日本は今とは完全に違う姿になります。

 例えば、昨年2月に国土交通省が発表した
 『国土の長期展望』によれば

 これまで家族の世帯類型で最も多かった
 「夫婦と子から成る世帯」はマイノリティになります。


 代わって「単独世帯」が約4割と最も多くなります。

 その中の5割はなんと「高齢者単独世帯」
 2050年まで増加し続けていきます。


 さらに、2007年6月に
 厚生労働省老健局が公表した推計によると

 介護施設を現在の2倍に増やして
 自宅での看取りが1.5倍増えたとしても

 亡くなる時に、病院にも介護施設にも入れず、
 自宅にもいられない「看取り難民」が
 2030年には約47万人にのぼる
としています。




 現状のままでは「死に場所」さえ無い社会になります。

 まず1度目の巨大な波がやってくるのは2025年です。
 今すぐ、準備が必要です。

 その1つの解決策が『地域包括ケア』の実現です。

 今回の質疑では、その実現に向けて
 住宅政策の側面から提案を行ないます。

 高齢になったら不便を抱えてしまう現在の自宅でもない、
 かといって、病院でも介護施設でも無い、
 『新たな高齢者向けの住まい』を
 爆発的に増やさなければいけません。

 同時に、「住み慣れた地域にとどまりたい」という
 高齢者の根源的な願いに応え、

 心身の虚弱化にもかかわらず、尊厳をもって
 自立して暮らしていかれるものでなければなりません。

 住み慣れた地域でその人らしく最期まで暮らして亡くなっていくことを
 『エイジング・イン・プレイス』と言います。

 『エイジング・イン・プレイス』の実現こそが
 高齢者の幸福感に最も強い影響を与える、とする
 調査結果も出ています。

 2025年の到来を前に、本市も
 『エイジング・イン・プレイス』の実現を目指した取り組みが必要です。





 (1)本市の高齢者向けの住まいの現状について

 今後の在るべき姿を考えていくためには
 まず現状把握が不可欠です。


 ア.本市の、現在の高齢者住宅の供給量と
  高齢者人口に対する割合はどのようなものか


 我が国の高齢者人口に対する高齢者向けの住まいの割合が
 2005年で0.9%と極めて低いことを受けて、

 2010年5月の『国土交通省成長戦略』では
 10年間で3〜5%へ増やすことを目標としました。

 そこで伺います。

 (質問)
 @本市が把握している直近の「高齢者向けの住まいの供給量」と、

 Aその「高齢者人口に対する割合」は、どのようなものでしょうか。

 Bまた、供給量については「類型ごとの内訳」もお示し下さい。


 (→都市部長による答弁はこちらへ)



 続いて「現在の対策による見込み」を確認します。


 イ.本市の2014年の高齢者住宅の供給見込みはどのようなものか

 都市政策研究所の推計によれば
 2020年の本市の高齢者人口は12万1,115人です。

 これを『国土交通省成長戦略』の目標に当てはめると
 本市は高齢者向けの住まいを2020年までに
 3,633戸〜6,055戸へと
 引き上げていくことが目標
と言えます。

 本市の高齢者向けの住まいに関する最も新しい計画は
 『第5期介護保険事業計画』ですので、

 この最終年度の結果が
 本市が現在講じている対策による供給見込みにあたります。

 そこで伺います。

 (質問)
 @本計画の最終年度である2014年の
  高齢者向けの住まいの「供給量の見込み」


 A高齢者人口に対する「割合の見込み」は、どのようなものでしょうか。

 Bまた、供給量の見込みについては「類型ごとの内訳」をお示し下さい。


 (→都市部長による答弁はこちらへ)




 ウ.地域包括ケア実現のカギである
  「サービス付き高齢者向け住宅」の整備が本市で進まない理由は何か


 昨年4月、『高齢者の居住の安定確保に関する法律(通称・高齢者住まい法)』が
 改正されました。

 従来の「高齢者円滑入居賃貸住宅」「高齢者専用賃貸住宅」
 「高齢者向け優良賃貸住宅」の既存3施設では

 高齢者向けの住まいとして不十分だとして
 全て廃止されました。

 そして、これらを1本化した新たな制度である
 『サービス付き高齢者向け住宅』制度がスタートしました。



 これは「サ付き」あるいは「サ高住」の略称で呼ばれますが、
 地域包括ケア実現の切り札とされています。

 政府は「サ付き」を強く推し進めるために
 予算面・税制面・融資面で優遇し、
 高齢者等居住安定化事業として325億円もの予算をつけました。

 しかし、本市では「サ付き」への転換が全く進んでいません。

 本市には「旧・高円賃」が125戸、「旧・高専賃」が60戸、
 「旧・高優賃」が30戸ありましたが

 2012年6月現在、「サ付き」へ移行したのは
 わずか1カ所15戸のみ
です。

 残りは「登録外の賃貸住宅」になりました。

 こうした状況を放置すれば良質な住まいの供給が成されず、
 地域包括ケアの実現に大きなブレーキとなります。

 そこで市長にうかがいます。

 (質問)
 @この現状をどのようにとらえているのでしょうか。

 A本市で「サービス付き高齢者向け住宅」の整備が進まない理由は
  どこにあると分析しているのでしょうか。

 お答え下さい。



 次に、今後の対策を提案します。


 (2)地域包括ケアの「住まい」の要素を強化推進する為に
   本市がとるべき対応策について



 ア.本市は「高齢者居住安定確保計画」 を定めるべきではないか。

 2025年に向けて、
 高齢者向けの住まいをいつまでに、どれくらい整備する、
 という計画的な取り組みが不可欠です。

 『高齢者の居住の安定の確保に関する基本的な方針
 (2009年8月19日厚生労働省・国土交通省告示第1号)』において

 「高齢者の居住の安定確保を図るため、
  市町村においても(略)計画を定めることが望ましい」

 とされています。

 すでに神奈川県では『高齢者居住安定化計画』を策定していますが
 本市では策定していません。

 地域包括ケアの実現には『日常生活圏域』などの
 地域の実情に応じた取り組みが必要です。

 本市では『各行政センターが所管する地域』を
 『日常生活圏域』としていますが、

 県の「計画」では決して地域の実情を
 細やかに汲み上げたものにはなっていません。



 在るべき姿は、日常生活圏域ごとの
 高齢者向けの住まいや保健・医療・福祉サービスの
 需要と供給の現況や将来の見通しなどを細やかに捉えた計画です。

 本市の都市計画マスタープランや
 介護保険事業計画などともしっかりと整合性を持つ

 具体的な整備目標などを考慮した
 本市独自の計画づくりが必要です。

 そこで市長に伺います。

 (質問)
 本市は「高齢者居住安定確保計画」を策定すべきではないでしょうか。

 お答え下さい。


                          

 イ.「早めの住みかえ」を促す取り組みが必要ではないか。

 「住み替え」には2種類があります。

 1つ目は、「後期高齢者になってからの住みかえ」、
 あるいは特別養護老人ホームへの入所などの
 「介護が必要になってからの住み替え」です。

 これには心身への負担が大きく、
 リロケーションダメージが起こることも多くあります。

 2つ目は、「早めの住み替え」です。

 良質な高齢者向けの住宅への引っ越しのタイミングが早いほど
 幸福感が高い
との研究結果もあり、

 高齢期に向けての新しい生活を
 自分の決断で、
 自力で引っ越しできるうちにスタートすることで、
 『エイジング・イン・プレイス』の実現に大きく寄与すると言われています。

 市民の方々にお話を伺うと
 将来に漠然と不安を感じておられて

 「庭付き一戸建ては高齢になると草むしりをするのが大変だ。
  買い物も不便になり、掃除も面倒で
  2階が物置みたいになってくる。
  こどもの厄介にもなれないし、
  施設に入るべきなのではないか」

 と話して下さいます。

 ただ、実際には住宅改修にも費用がかかり、
 不便を感じながらも何もできずに
 自宅で暮らし続ける方々が大半ではないでしょうか。

 こうした生活の末に、やがて、自分で車を運転できなくなり、
 病院、商店、郵便局へ行くのも大変になってきて

 生活が不便になるだけでなく、
 自宅へのひきこもりを誘発して、
 自分がしたいこともできなくなってしまい

 結果的に「施設への入所」という
 「介護が必要になってからの住み替え」へと
 至ってしまう方々が多いのが現実かもしれません。

 何故なら、これまでは

 高齢期にふさわしい住宅への「早めの住み替え」によって
 こうしたことが回避できる、という情報の提供や
 正確なアナウンスがなされてこなかったからです。

 金銭的に余裕のある、一部の自覚的な方を除けば
 『エイジング・イン・プレイス』などの概念も知られていません。

 つまり、適切な高齢者向けの住まいの供給とともに
 正確な情報のアナウンスが必要です。



 そこで市長にうかがいます。

 (質問)
 「元気なうちの住みかえ」「早めの住みかえ」を促す
 取り組みが必要ではないでしょうか。

 お答え下さい。



 続いて、市役所の体制にも改善が必要です。


 ウ.「住まい」の観点を強化するために
  介護保険運営協議会に「住まい」の関係者を加えるべきではないか


 『サ付き』は国土交通省と厚生労働省が
 共管していることに象徴されるように

 「住まい」の観点をより強化していく為には
 部門を超えた福祉政策と住宅政策の一体化した取り組みが必要です。

 福祉政策に住宅政策の観点を取り入れ、
 住宅政策に福祉政策の観点を取り入れねばなりません。

 この意味において、本来であれば、
 本市が『介護保険事業計画』を改定する時にも
 「住まい」の観点を持った委員が必要でしたが、それは叶いませんでした。

 そこで、今後の日常的な運営において
 「住まい」の観点を強化していく必要があります。

 本市において
 介護保険の運営と地域包括ケアについて協議しているのは
 『介護保険運営協議会』です。

 本市ではこの会が
 『地域包括支援センター運営協議会』も兼ねています。

 「住まい」の専門家、例えば、
 市役所の都市部の都市計画課や市営住宅課、
 住宅・不動産に関わる民間企業や団体、UR都市機構、
 都市政策の学識経験者などは、メンバーに加わっていません。

 『エイジング・イン・プレイス』を実現することは
 まちづくりそのものでもあります。

 本市の都市計画マスタープランでは

 「高齢者などが車に頼ることなく歩いて暮らせる生活圏の形成を図る」

 とした「集約型のまちづくり」を目指していますが

 その観点からも、日常的な福祉政策へと
 落とし込んで行かなければ実現できません。

 そこで市長に伺います。

 (質問)
 介護保険運営協議会に
 市役所内外の「住まい」の関係者を加えるべきではないでしょうか。

 お答え下さい。



 続いて、「サ付き」を一刻も早く整備していく為に
 市として可能な取り組みを提案します。


 エ.「サービス付き高齢者向け住宅」は
  公営住宅の目的外使用の対象となる為、
  市営住宅を活用すべきではないか。


 「高齢者住まい法」第21条では

 「公営住宅の事業主体は(略)
  当該公営住宅を登録事業者に使用させることができる」

 との規定を設けています。

 昨年4月に策定された
 『横須賀市市営住宅総合ストック活用計画』に基づいて
 維持・修繕を今後行なっていくわけですが、

 本市の市営住宅に暮らす方々の高齢化率が上がっている中で

 「住環境の向上」と「高齢化対策」を実現していく上で、
 「高齢者住まい法」第21条を適用していくことが

 本市の財政的にも
 都市政策の観点からも非常に有効です。



 そこで市長に伺います。

 (質問)
 本市は市営住宅を『サーピス付き高齢者向け住宅』の整備に
 活用すべきではないでしょうか。

 お答え下さい。



 続いて、『サ付き』以外の良質な高齢者向けの住まいの供給の為に
 市が主体となって取り組めることを提案します。


 オ.市営住宅に『シルバーハウジング』を併設する取り組みを
  拡大すべきではないか


 『サ付き』は民間にしかできませんが
 『シルバーハウジング』は地方自治体等にしかできない取り組みです。

 (画像:内閣府『障害者白書』より)


 これは、公営住宅において
 高齢者の方が自立して安全に過ごすことができるように
 ライフサポートアドバイザーを配置する仕組みですが

 本市では現在、市営鴨居ハイム1ヶ所の15戸しかありません。

 (全国のリストはこちらをご覧下さい)


 この取り組みを拡大していくことは
 「市営住宅ストック総合活用計画」で謳っている

 「ソフト面からの改善により既存ストック住宅の有効活用を目指していく」

 という点にも合致しています。

 そこで市長に伺います。

 (質問)
 良質な高齢者向けの住宅の整備のために
 シルバーハウジングを拡大していくべきではないでしょうか。

 お答え下さい。



 ついで、まちづくりそのものに
 エイジング・イン・プレイスをビルトインさせる提案です。


 カ.今後の再開発事業には岐阜シティタワー方式等を参考に
  高齢者向け住宅の整備の誘導を市が行うべきではないか


 2007年に作られたJR岐阜駅直結の43階建て高層ビル
 『岐阜シティ・タワー43』があります。



 これは、

 1〜2階がショッピングゾーン、3階が医療福祉ゾーン
 4〜14階は108戸の高優賃
 15〜42階は分譲マンションとなっていて

 商業、福祉と医療の複合施設、
 高齢者向けの住まい、都市型住宅をあわせた

 機能の集積によって相乗効果が得られた
 再開発の成功例として全国的に有名です。

 こうした成功例を倣って
 再開発には高齢者向け住宅の整備を
 市の都市政策として位置づけることはできないでしょうか。

 本市では、大滝町2丁目再開発事業、
 さいか屋跡地の開発事業、追浜駅前再開発事業など
 複数の事業が進められています。

 (質問)
 こうした事業に対して高齢者向け住宅の併設を
 市として誘導すべきではないでしょうか。

 市長の考えをお聞かせ下さい。



 ついで、この問題では最後になりますが、
 すでに起こりつつある重要な問題について対策を伺います。


 キ.アフォーダピリティ(家賃を払えない層への配慮等)を
  どのように取り組んでいくのか


 他都市の動向によれば、
 『サ付き』や『高齢者向け賃貸マンション』などの費用は
 毎月平均15〜20数万円となっています。

 これだけの金額を負担できるのはいわゆる厚生年金層に限られ、
 国民年金では満額受給者でも払えません。

 高齢者向けの住まいの整備を民間だけに委ねてしまえば
 こうしたアフォーダピリティの欠落が生まれてしまいます。

 そこで市長に伺います。

 (質問)
 こうした高齢者向けの住まいに入居できない方々に、
 本市としてはどのような取り組みを行っていくのでしょうか。

 お答え下さい。




 2.『横須賀こころの電話』への市長の視察に関して

 本市の自殺対策に大きな貢献をしている
 『横須賀こころの電話』ですが

 さらにその効果を高めるべく僕はいくつもの提案をしてきましたが
 これまで一切反映されてきませんでした。



 相談機能の強化は市長マニフェストであるにもかかわらず
 『事業仕分け』の対象にまでされ、

 これまでの市長の対応に
 僕はひどく失望しています。

 (画像:吉田市長のマニフェストより)


 そんな中、市長は4月に
 『横須賀こころの電話』の現場を視察しました。


 (質問)
 (1)今回、突然の視察を行なった理由は何故でしょうか。


 (質問)
 (2)市長が実際に現場を視察した上で
  『横須賀こころの電話』の運用を改善すべき点があるとしたら
  どのようなことだとお考えでしょうか。

 お答え下さい。




 3.脱原発に向けて市長が姿勢を示す必要性について

 震災がれきの広域処理問題や、
 放射性物質が検出された食材の学校給食での使用問題など、

 福島第一原発事故に由来するあらゆる問題で
 今も多くの市民が苦しんでいます。

 そんな市民のみなさまの想いに寄り添うのであれば、
 市長は脱原発に向けた姿勢をはっきりと示すことが必要です。



 (質問)
 その1つとして、4月27日に設立された
 全国の市区村長による『脱原発を目指す首長会議』

 横須賀市長にも
 ぜひ参加していただきたいと思います。


 (画像:脱原発をめざす首長会議HPより)

 市長の考えをお聞かせ下さい。

 これで壇上からの質問を終わります。



市長の答弁と、再質問(一問一答方式)は
後日掲載します。


→本会議での質問のページへ
→はじめのページにもどる