まちの政治家は、こんなことしてます


2009年1月22日(木)のフジノその1
● 野比小学校を視察しました(その1:ICTを活用した授業

 今日は、教育経済常任委員会のメンバーみんなで
 野比小学校を視察しました(スケジュールはこちら)。

 視察の目的は2つで、

 1.ICTを活用した授業

 2.自校献立・地産地消を活かした給食

 を、現場で見せていただくことでした。

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 教育界では全国的に『ICT』の活用がブームです。

 『ICT』というのは、
 インフォーメーション&コミュニケーション・テクノロジーの略で

 パソコンやいろんなソフトやインターネットや
 プロジェクターやタッチパネル式の黒板などを使うことで

 よりこどもたちに直感的に理解してもらえる授業ができたり

 先生方の日常業務の削減できるようにする

 のが目的です。


● ICTの活用は『手段』であって『目的』ではない

 こうしたICT教育に横須賀市は力を入れていて
 フジノもそうした導入の予算案に賛成しました。

 けれども実際には、『ICT』はただの『手段』でしかありません。

 フジノは政治家としてインターネットを割と活用していることから
 以前に教育関係のメディアから『ICT教育』について
 インタビューを受けたことがあります。

 そして、フジノのインタビューは掲載されませんでした。
 フジノの意見は、こういうものでした。


 ICTを使おうがそんなものはただの『手段』であって
 どんな時代になろうとも、
 先生方お1人お1人のこどもたちを想う強さや熱意こそが
 良いクラス・良い授業を生むのであって
 ICTの導入そものでは、別に何も変わらない。



 きっとICT教育を褒めちぎりたい特集だったので
 フジノの意見は載せられなかったのでしょうね(苦笑)

 けれども、ICTを活用したからといって
 授業の教え方に革命が起こる訳でも何でもない、と
 フジノは考えています。

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 実際に野比小学校で見せていただいたのは

 1.特別支援学級
 2.3年生2クラス
 3.6年生2クラス

 だったのですが、ICTそのものよりも
 やっぱり先生方のこどもたちへの気持ちの強さを強く感じました。



 先生の質問に対して
 生徒たちが「ハイ!」「ハイ!」と手がどんどん挙がったり
 笑顔で授業にのめりこんでいるクラスというのは

 ICTを使っているからどうこう、という以前に
 そのクラスの先生がやっぱり素晴らしいんだと、感じました。

 その先生のこどもたちへの熱意や人間的な魅力や
 その授業を行なうことを通じてこどもたちへ伝えたいことの確信こそが
 こどもたちを惹きつけているのだと感じました。



 特にフジノの関心が強い
 特別支援学級を見学させていただいた時は

 英語の時間だったのですが
 ALT(ネイティブスピーカーの外国人のアシスタント先生です)と
 先生がこどもたちを自然に授業に巻き込んでいく様子が
 とても素晴らしいと感じました。



 「フジノはICT関係の物品を買う予算に賛成しておいて
  その言い草は無いだろう!?」

 という批判に対しては、このように反論します。

 「今の時代、ICTを使えなければ企業ではなかなか雇用してもらえない。

  けれども、それぞれの家庭環境ごとに
  全く所得も違うのでICTが全く無いご家庭もある。
  また、親御さんの考えでICTに全く触れさせないご家庭もある。

  だから、学校教育の中で、ICTと最低限の接する時間を作りたい。
  ICTを通じて情報がどのように入ってきてどのように発信されるのか、
  情報リテラシーも学んでほしい。

  こどもたちには現代社会の流れから取り残されないでほしいし、
  逆に、ICTだけが全てじゃないということにも気づいてほしい。

  こういう想いでフジノは
  ICT関係の物品の購入の予算には賛成しました」



 でも、このフジノの意見って
 ごくごく当たり前の意見ですよね?

 フジノはインターネットを活用している政治家ですが
 こんなものはただの『手段』でしかありません。

 伝えたい『想い』や『熱意』こそが
 あなたをこのHPにたどりつかせたんだと信じています。

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 そんな訳で、まとめです。


 ICT関係の道具を導入からわずか2ヶ月しか経っていないのですが
 野比小学校の先生方はICTを見事に活用して
 授業を行なっていらっしゃいました。

 予算に賛成した意味はあった、と確かに感じました。

 その一方で、やはり教育の原点は
 人間である先生であり、こどもたちへの想いなのだ、と確信しました。

 授業を見学できて、本当に良かったです。
 また、とても素晴らしい先生方にお会いすることができて
 有意義な視察でした。

 横須賀市教育委員会では、ICTを活用していくことと同時に
 情報リテラシー教育にも力を入れています。

 この2つが同時に進められていくことによって
 こどもたちが『しょせんは道具であるICT』に振り回されずに

 未来の夢や希望の実現という『目的』に向かって
 『手段であるICT』を時には活用しながら

 すこやかにハッピーに育っていってほしいと願っています。

 (視察その2へ続きます)



2009年1月21日(水)のフジノその2
● 岡山市からカフェトークに来客がありました

 夕方から降りだした雨のせいか、夜になって
 とても冷え込みましたね...。

 そんな雨の中、今夜もカフェトークが開催されました。

 参加して下さったみなさま、本当にありがとうございます。

 アメリカから留学中の大学院生Mさん
 (横須賀のみなさんにはもうとてもおなじみですよね?)をはじめ、

 『横須賀のリカバリーの象徴』だとフジノが感じている
 統合失調症からリカバリーをされた方々や

 福祉関係の教職員をしておられる方など

 いろいろな方々が来てくださいました。

 さらに、なんと!

 岡山市の市議会議員である下市このみさん
 郡山市への視察を終えた後、わざわざカフェトークに来てくれました。

 もちろん、完全な初対面です。
 それまで1度もメールのやりとりなども全くありません。

 うれしいですね〜。

 すごく親しみやすい方で、カフェトーク参加者のみなさんから
 「このみちゃん!」と話しかけられていました。

 (実はフジノが1番そう呼んでいました...。
  僕の母とあんまり年が変わらないと知って、衝撃!)



 実は、このみちゃん(下市議員です、ごめんなさい)は
 お母さまのご実家が上町にあるとのことで

 なんとフジノ事務所(上町1−38)との距離が
 わずか数メートルという近さだったのです。

 下市議員ご自身も横須賀の出身で
 今は岡山に暮らしておられるのですが

 生粋の横須賀っ子なのですね。

 横須賀出身の方々が全国で活躍しているのは
 とてもうれしいですね。

 下市議員、今夜は本当にありがとうございました!
 (ご無礼の数々はどうぞお許し下さいませ...)

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 カフェトークって本当にフシギですね。

 フジノを『政治家』だと意識している参加者は
 常連の方ではたぶんゼロです(笑)。

 そして、こうして立ち寄ってくれた『政治家』の方も
 すぐに溶け込んで

 「このみちゃんはさ、どう思うの?」

 みたいな感じで会話に巻き込まれていく感じが
 とても楽しいです。

 日本人もアメリカ人もどこの出身であろうと
 ほとんどカンケーないんですね。ちゃんぷるーです。

 次回は、同じく今週で、土曜日になります。
 気が向いたら誰でも遊びに来てくださいね。


 さあ、明日は『自殺対策連絡協議会』です!
 かねてフジノが提案してきた『事例検討』があります。

 明日もがんばろう!



2009年1月20日(火)のフジノ
● あなたの言葉にとても励まされています

 フジノの『うつ病&パニック障がいのカミングアウト』に対して
 すさまじくものすごい数の、励ましと応援のメールをいただきました。

 みなさま、本当にありがとうございます。

 北海道から大分県まで、本当にたくさんの方々から
 温かいお言葉をいただきました。

 フジノには、ただ感謝の言葉しかありません。
 みなさま、本当にありがとうございます。

 それにも関わらず、みなさまにお詫びを申し上げます。
 ごめんなさい。

 頂いた全てのメールにお返事を書くことは
 物理的にどうしても難しくて、たぶん全員には書ききれません(涙)。

 毎日のふだんの仕事の中でも
 市民の方々からの相談メールへのお返事も
 いただいてから1〜2週間くらいかかってしまっているのが現状でして

 命に関わる緊急的な相談メールから順番にお返事していて
 日常的な会話(例えば、HP・ブログへの感想など)のメールには
 もう全くお返事は出せていません。

 時に、とても厳しいお叱りのメールをいただくのですが
 フジノには秘書なんていませんし、
 ボランティアで手伝ってもらっている人もいません。

 だから、あなたにお返事が届かなくても、
 どうか許してくださいね。本当にごめんなさい。

 でも、必ず全てのメールを僕自身が読んでいます。
 いただいたその日に必ず全て読んでいます。

 そして、あなたの言葉にとても強く励まされています。

 どうか、これからも一緒に
 りらっくす&ふぁいとで、歩いていきましょうね。

 僕は変わらないし、このまま変わらないで生きていくと思います。
 だから、どうか一緒に歩いていきましょうね。

 これだけたくさんの方々が温かい言葉をくださったことを
 こころから感謝しています。本当に、本当に、ありがとうございます。
                   

● 諏訪小学校の建てかえ説明会が行なわれました

 夕方6時半から諏訪小学校の体育館で
 諏訪小学校の建てかえについて
 保護者のみなさんを対象にした説明会が行なわれました。



 教育委員会の案では、諏訪小学校の新しい校舎は
 常葉中学校のグラウンドに建てかえられます。

 常葉中学校へ進学する学区のこどもたちは、
 もっぱら田戸小学校と諏訪小学校からとなります。

 したがって、少なくとも

 (1)常葉中学校
 (2)田戸小学校
 (3)諏訪小学校

 これら3校のこどもたち・ご家族・教職員・地域の方々には
 理解をしていただく為の徹底的な説明を
 教育委員会は行なう必要があります。

 これまで12月25日に、3校のPTA運営協議会で
 建てかえ場所が決定したことの説明が行なわれました。

 また今月14日に、田戸小の6年生の保護者を対象に
 田戸小学校での説明会が行なわれました。

 諏訪小学校での説明会が今日行なわれて、
 常葉中学校での説明会が4日に行なわれる予定です。

 「オープンな形での説明会をどんどん行なうべきだ」と
 フジノは訴えてきましたので

 教育委員会が地域にどんどん出ていって
 こうした説明会をくりかえし行なっていくことは
 とても重要で、大切なことだと評価しています。

 そこで教育委員会が説明した内容について、
 ぜひ保護者の方々・教職員の方々に意見を述べていただいて

 教育委員会も含めた行政と政治は、
 その声に耳を傾けて、謙虚にその声を取り入れていくことが大切です。

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 今夜の説明会には、瀧川きみえ議員のご配慮をいただいて
 諏訪小学校・校長先生の許可のもと、
 フジノも参加させていただきました。

 校長先生、瀧川議員、ありがとうございます。

 フジノは

 「やはり、直接に参加して良かった」

 と、つくづく感じました。

 夜8時に説明会が終わって、
 教育委員会のメンバーが帰った後も30分以上にわたって

 現在、小6のおこさんを持つ保護者の方々が
 たくさん会場に残って、輪になって、

 こどもたちの進学先をこのまま常葉中学校にすべきなのか
 それとも別の中学校にすべきなのかを
 その心配なお気持ちを
 ずうっと話し合っていらっしゃいました。

 瀧川議員とフジノは、その輪のすぐそばで
 保護者の方々の話し合いに耳を傾け続けました。

 ようやくみなさんがお帰りになった後、
 諏訪小学校の校長先生や他の先生方からも
 お話をうかがいました。

 全てを終えて、真っ暗な校門のそばに立ちながら
 瀧川議員としばらく意見交換を続けました。

 今回の建てかえに関わる問題は、
 明らかに長期的な視野が無かった政治と行政の失敗です。

 単に、諏訪小学校の校舎の耐震性が足りないことや
 諏訪小・常葉中ともにプールが無いことや校庭が極めて狭いことなどの
 直接的な問題だけが今回の問題ではありません。

 平成町の埋め立て、無秩序なマンション群の建設ラッシュ、
 人口推計の見通しの誤り、汐入地区の激しく進む高齢化などを含めた

 「この地域をどうしていくべきなのか」

 という、まちづくりへの将来にわたっての視点が
 明らかに政治・行政に欠けていたのだ、とフジノは考えています。

 本来ならば、横山市長・沢田市長時代に
 『決着をつけておくべき問題』だったと言えるでしょう。

 しかし、問題は解決されずに
 現在まで先送りされ続けました。

 そのツケが現在の世代(こどもたち・ご家族・教職員の方々)に
 押しつけられてしまった、という状況です。

 その責任は、すでに6年間も政治家である
 フジノ自身にもあることを痛切に感じ、反省しています。

 だからこそ、今こそ、長期的な視野に立って
 同じ過ちをおかしてはならないのだ、とフジノは考えています。

 そうしたツケを背負わされて現在の計画を立てている
 教育委員会の担当者の方々も、とてもつらい立場にあると思います。

 けれども、最も大切なのは『こどもたち』です。
 こどもたちこそ、最も守られなければいけません。

 3つの学校ごとに、あるいは同じ学校の中でも、
 立場や意見の違いによって
 対立や分断が起こってはいけません。

 こどもたちの為に最も良い選択を
 協力しあって見つけていきましょう。

 保護者のみなさま、どんどんご意見をぶつけて下さい。
 不安点や問題点をどんどんぶつけて下さい。

 どうかお願いします!



2009年1月19日(月)のフジノ
● 4時間半の意見交換

 今日は、ある政治家の方とお会いすることができて
 4時間半にわたって意見交換しました。

 日頃、フジノは他の政治家の方々と話す時間を持つことは、
 まずありません。

 これまでの経験から、多くの場合、複数の政治家が集まると
 どうしてもなかなか『政策』についてのお話にならないからです。

 例えば、今の横須賀であれば
 次の衆議院選挙、次の横須賀市長選挙、そんな話になりがちです。

 でも、フジノは『政局』には全く興味がありません。

 『政策』本位での話なら
 いくらでも話したいのですけれど...。

 そんなフジノが、政治家の方を相手に
 4時間半も意見交換をしたのですから、すごいです(苦笑)

 時が流れるのを忘れて、日本の在るべき姿やオバマ政権の方向や
 いろいろな事柄についてとめどなく意見交換をしました。

 とても有意義な時間を過ごすことができました。

 たまたまタイミングが合って、お互いのスケジュールの合間を縫って
 こういう場を持つことができたのですが

 またいつかこんな機会が持てるといいな、と率直に感じました。

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 その後、すぐにフジノはまた日常に戻って

 プレミアがつく商品券の発行をはじめとする
 横須賀市がうちだした緊急経済対策について

 「本当に効果があると思うか」を
 市内の経営者の方々にお会いしていただき、
 ご意見をうかがいました。

 また、市民の方々にも
 「そうした商品券を使いたいかどうか」について
 お話を聞かせていただきました。

 もちろん、こうした日常の仕事の積み重ねこそ、
 政治家フジノの成すべき当然のことなのですが

 希望や理想について10代のように語り合うことができた4時間半は
 改めて得がたい貴重な時間だったと感じました。

 語り合えた希望や理想に比べて
 目の前の現実はとても厳しいし、
 政治家として成すべきことはいつも山積みだけど、

 さあ、またがんばろう!



2009年1月17日(土)のフジノその1
● こころのボランティア養成講座に参加しました

 お昼から横浜の県民ホールへ。

 かながわコミュニティカレッジの連続講座(3月末まで18コマ)の
 『こころのボランティア養成講座』に参加しました。

 実は、この講座を(県から委託されて)開催しているのは
 昨年6月に20周年を迎えた、
 『神奈川県精神保健ボランティア連絡協議会』(略称・精ボ連)なのですね。

 『精ボ連』の活動は、歴史の長さもさることながら今もとても活発です。

 今回の養成講座もそのプログラム一覧を見て、
 その内容が『精ボ連』らしくていいなと感じました。

 そこで、もう半年くらい前から申し込むことを決めていました。

 (実際、応募を開始したところ人気が高くて、
  会場を変更して受入人数を増やした上で抽選を行なったそうです)

 精神保健福祉士の国家資格を持つフジノですが
 日頃は政治家としてみなさまの暮らしの全分野に対応している為に

 なかなか精神保健福祉だけに取り組むことができませんから
 市民の方からの精神保健福祉の相談への
 自分の対応能力に限界を感じることがあります。

 今回の受講を決心した決め手はそのプログラムの良さからです。

 座学だけでも気になる講師の先生が多いし
 ロールプレイの日やグループワークの日もあるし、
 県内10ヶ所以上の先進的な施設での体験実習が可能だったからです。

 こうして最新の知識や現場に触れて
 定期的にスキルアップしていかないと
 精神保健福祉士である政治家という強さを活かせません。



 会場に訪れると、精ボ連の前会長の前田さんをはじめ、
 現会長の山口さんらとの、うれしい再会を果たせました。

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 今日のテーマは『こころを病むT』として

 『統合失調症』と『気分障がい』について
 主に生物学的な視点から
 芹香病院の中村元昭さんの講義を受けました。

 配られた資料はこちらです(統合失調症気分障がい)。

 中村先生のお話はエキサイティングでした。

 フジノは大学時代に図書館の書庫で毎日を過ごして
 精神医学(特にMRIやPETでの脳の画像診断や遺伝子研究)を
 必死に学んだものでしたが、その日々を思い出しました。

 例えば、ある研究について、いまだエビデンスが証明できない為に
 世界中で研究がなされていることがらがあるのですが

 (中村先生は先日もブラジルのチームが
  そのテーマについて書いた論文を査読したそうです)

 もしもこのテーマ決着がつけば、
 フジノはすぐにそれを政策として提案するのになあ。
 双極性のうつ病の方がもっとラクになれるのに、と感じました。

 フジノが考えていることを、ブラジルのチームが研究していたり、
 世界中の研究者が今も研究していると思うと
 自分が世界とつながっているような気持ちになりました。

 生物学的な精神医学の世界は
 ややもすると難しそうだと敬遠されがちなのですが

 本当はそんなことなくて、刺激に満ちていて
 現実場面に応用できることもたくさんあるのですよ〜。

 今日は3時間の講義でしたが、欲を言えば
 もっと講義を聴いていたかったです。 

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 来週はガラリと変わって
 ご家族と当事者の方から直接お話をうかがいます。

 精神保健福祉の向上をメインの政策に掲げる政治家として
 もっともっと勉強して、政策に反映していきますからね。

 がんばります。



2009年1月16日(木)のフジノその2
● 4才のこどもは何故、死なねばならなかったのか

 ついに昨日、7月に起こった
 4才のこどもが祖母に押し倒されて死亡した事件の判決が出ました。

 これまでフジノは裁判を傍聴してきたのですが
 昨日はどうしても判決を聴きにいくことができませんでした。

 現時点では、判決の全文を手に入れていないので
 あくまでも新聞報道にその様子を頼るしかありませんが

 複数の新聞がベタ記事でしか報じない中で
 毎日新聞が最も詳しく報じていましたので、記事を引用させていただきます。

 執行猶予はつかずに、懲役3年の実刑判決でした。


 (2009年1月16日・毎日新聞・朝刊より)

 (画像では読めない方の為に全文を引用します)

 横須賀の孫暴行死:祖母に懲役3年判決
 地裁支部「しつけと言えず」

 養子縁組した孫のA君(当時4歳)を突き飛ばし死なせたとして、
 傷害致死罪に問われた横須賀市大矢部の介護士、B被告(46)に対し

 横浜地裁横須賀支部は15日、懲役3年(求刑・懲役5年)を言い渡した。

 猪俣和代裁判長は

 「しつけとは言えない犯行で、
  短絡的な動機・経緯に酌むべきところはない」

 と指摘した。

 弁護側は「衝動的犯行」と執行猶予付き判決を求めていた。

 判決は

 「事件の遠因は(育児放棄した)実母にあることは否定できず、
  養育によるストレスを受けていた中での衝動的犯行でもある」

 と一定の理解を示しつつも、

 「幼い命が理不尽にも失われた結果は重大」

 と退けた。

 判決によると、B被告は、
 事件約3カ月前に養子として引き取ったA君について

 「しつけがうまくいかない」

 と悩み、平手で顔を殴ったり、
 熱くしたライターの金属部分を手足に押しつけ謝罪を強いたりしていた。

 昨年7月26日午後9時45分ごろ、
 もういいかげんにしてほしいと怒りを爆発させ、

 A君の両肩を両手で突き飛ばし、
 フローリングの硬い床面に頭を打ち付け脳挫傷などで死なせた。
 【吉田勝】

 (引用終わり)


● 4才で死んだこどもは何故この世に生まれてきたのか?

 実刑判決は奪われた命の重さを考えれば、
 当然かもしれません。

 たとえ衝動的な行動であろうと
 人が人を殺めるということは、罰をもって償うべきでしょう。

 しかし、そんな一般論を語るのが今回の日記の目的ではありません。
 今回、裁判長の意見には、フジノは強く共感する点がありました。

 それは、

 「事件の遠因は(育児放棄した)実母にあることは否定できず、
  養育によるストレスを受けていた中での衝動的犯行でもある」

 という部分です。

 裁判を傍聴してきた中で、証言台に立った若き実母は
 フジノにとって、この事件での最重要な人物でした。

 証言に立つ時にも、
 裁判所には全く似つかわしくない肌の露出が多い服装で現れて

 さんざん泣いてB被告をののしる証言を行なったものの、

 自分の証言が終わると他の人々の証言を聴くこともなく
 あっという間に帰っていきました。

 弁護士、検察官、裁判官との質疑を通して
 語られた20代の実母の証言には、全く共感することができませんでした。

 その場その場しのぎで人生を生きて
 こどものことも本当に大切に考えてきたという彼女の言葉は
 上滑りしているようにしか受け止められませんでした。

 フジノは、この事件の本当の犯人は別に存在している、と書いてきました。
 本当の犯人は、2つ存在しているとフジノは考えています。

 1つは、物理的にAくんを死なせてしまったB被告です。
 このことは疑いようもありません。

 しかし、もう1つは、こんな生き方しかできない実母を
 生み落とした現代社会です。

 どんな理由があろうとも、こどもを棄てたのは、この実母でした。

 「連れ子がいるからつきあえない」と別れられた
 年下の男性との交際を復活する為に、

 「シングルマザーだとなかなか仕事に就けないから」と
 ウソの理由でB被告のもとへAくんを棄てていったのです。

 Aくんは、ある夜、何も状況の説明をされないままに
 突然、祖母であるB被告の家に置いていかれました。

 そのまま、実母は
 2度とAくんを引き取りにくることはありませんでした。

 また、他紙の報道によれば、
 すでに『示談』も済んでいるとのことでした。

 いきなり置いていかれたAくんの育児に必死に励んでいたB被告は
 戸籍の上でもAくんを養子縁組してあげていました。

 戸籍の上でもAくんとB被告は家族であるのに
 こどもを産んだというだけで
 現実的にはこどもを棄てた実母と
 何故あえて示談をせねばならないのか、フジノには理解できませんでした。


● 4才で死んだこどもを悼む為に政治が為すべきこと

 ほとんどのマスメディアが傍聴をしていたものの
 裁判の全てを報じることはスペース的にもできないですから
 この実母の存在が
 とりあげられたことはありませんでした。

 しかし、彼女(実母)のような『母親』の存在こそ
 政治家として『変えなければならない現実』だとフジノは確信しています。

 わずか4才で死なねばならなかったAくん。
 Aくんは、何の為に生まれてきたのだろう。

 実の母親からは、見捨てられてしまった。

 祖母(B被告)と祖父が誕生日には大きなケーキを作ってくれて
 一生懸命に愛情を注いで育てていこうと努力したものの

 Aくんには、祖父母の想いよりも
 実の母の帰りを待ち望む気持ちの方が強かった。

 でも、その実母は決して帰ってこなかったし、
 誕生日に電話1本かけてくるわけでもなかった。

 4才のAくんは、何の為に生まれてきたのだろうか?

 わずか4年の人生の中で、
 うれしかったことはどれだけあっただろうか?

 両親の突然の離婚、実母に引き取られて暮らした日々、
 またも突然に祖父母の家に置いていかれて、

 あまりにも激変する環境の中でAくんは
 祖父母がどれだけ愛情を注いでも
 それを受け止めることができないほどに
 不安と不信の日々にいたのだろうか?

 4才のAくんの死から、政治家として学ぶべきことはたくさん受け取りました。
 きっと、横須賀市の児童相談所のみなさんもそうだと思います。

 いまだ母親や父親になる準備もできていない
 ただ肉体的に性的に成熟していて精神的には未熟な2人が

 こどもは生んだものの、
 こどもを育むという意識が2人ともに無くて

 お腹を痛めて生んだこどもだから
 こどもを愛するというこころは確かにあっても

 こどもの為に自分たちの暮らしを犠牲にするくらいなら
 こどもは棄ててしまえばいいという程度にしか
 こどもを想えない親の存在が、ものすごく多くなっています。

 こうした社会状況を変えることだけが
 4才で亡くなったAくんを本気で悼む為に
 政治家としてできるたった1つのことだとフジノは信じています。

 家族も地域社会も崩壊している現在の社会において、
 こどもたちをどうやって守るのか。

 こどもを生んだだけの物理的な親を
 本当の親に成長させるために為すべきこと。

 もちろん、政治の力だけではできない。
 だけど、政治がやらねばならないことはたくさんある。

 しかもそれは絶対に現実を変えることができる。

 Aくんのような悲しき人生を送るこどもが
 2度と現れないように、
 政治家にはやらねばならないことがたくさんある。


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