まちの政治家は、こんなことしてます政治家フジノの活動日記


2008年7月1日(火)のフジノ
● ついに校長会で性的マイノリティについて語られる!

 6月議会の教育経済常任委員会でフジノが提案した

 『いわゆる性的マイノリティとされるこどもたちの
  苦しみを少しでも減らす為の、中学校での制服選択制の導入』


 について、教育経済常任委員会で
 教育長の答弁は「校長会の場で説明をしてみたい」とのことでしたが

 ついに、この答弁を受けて
 7月7日に開催する中学校の校長会でこの件をとりあげることが
 正式に決まりました。

 教育長が自ら語るのではなく、
 学校教育課長が説明を行なう予定です。

 今日、教育長から正式に連絡を受けました。

 フジノはそれに対して、中学校長会だけでなく
 小学校校長会でも性的マイノリティに対する理解を求めてほしい、と
 再び教育長に提案しました。


● 自分の性にそって生活できないことは、とても苦しい

 そもそも、フジノが議会で行なった提案とは何か、を説明します。

 約40人に1人の割合で
 いわゆる『性的マイノリティ』とされる方々が確実に存在しています。

 LGBTと呼ばれたりもするのですが
 レズ・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダーなど
 『生まれながらの性的指向』のことです。

 ・男性の肉体のまま、男性を愛する

 ・女性の肉体のまま、女性を愛する

 こうした同性を愛する方々もいらっしゃれば、

 ・男性の肉体に生まれたが精神的には女性であり、男性を愛する

 ・女性の肉体に生まれたが精神的には男性であり、女性を愛する

 こうした性同一性障害とされる方々もいらっしゃれば、

 ・肉体の性別はそのままに、両性を愛する

 こうした両性を愛する方々もいらっしゃいます。

 いずれにしても性的な嗜好(個人の好みとか好き嫌い)とは全く違うので、
 本人の意思でそれを選べるものではありません。

 これは、本人の意思とか努力で
 変えられるようなものではありません。

 自らの性的指向に気づくのは、小学校5〜6年生の頃で
 まわりに正確な知識・情報を持つ人もいないまま

 多くのこどもたちが自らの性的指向にとまどい、悩み、苦しんだ末に
 本当にたくさんの方々が自傷・自殺へと
 追い込まれている現実があります。

 逆に言うと、約40人に39人は
 異性愛(ヘテロセクシャル)という性的マジョリティ(多数者)なので

 いわゆる性的マイノリティとされる方々を理解できない為に
 いじめの対象にしてしまったりということもたくさんあります。

 (詳しくは、こちらをご覧下さい)

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 中学校や高校には、標準服と呼ばれる『制服』があります。

 性的マイノリティとされる方々にお話をうかがった時に
 自分の本当の性とは異なる生活を送る苦しみというものを抱えたまま
 思春期を送るのは本当につらいものだとフジノは感じました。

 例えば、肉体は女性として生まれても
 精神的には男性なのに

 セーラー服にスカートをはいて毎日通学するのは、
 生き地獄のようにつらいものがあります。

 朝起きて、学校に定められた女子の制服を着る為に
 鏡の前に立って、自分の本当の性別とは違うかっこをするのです。

 電車やバスに乗れば、社会的には女子中学生として
 あるいは女子高校生として、男性からの視線を受ける訳です。

 このつらさというのは、今これを読んでいるあなたが
 朝から夜まで、自分の性とは逆の服装をさせられてみれば
 (想像するだけでも)どれほどイヤか分かるはずです。

 そこでフジノは、いろいろな案を検討した結果、

 ・ブレザーにスラックスを導入している中学校では
  男子も女子も制服を選択制にしてほしい


 という提案を議会で行ないました。

 こんな提案ではささやかな一歩でしかありませんが
 現状を少しでも変える為にはベターな選択肢だと
 フジノは判断しました。

 実際に、北海道や東北の中学校・高校において
 すでに選択制を導入している学校は私立・公立を問わず
 いくつも存在しています。

 本来ならば性的マイノリティに対する
 本質的な理解を広めることが必要ですが

 今この瞬間に苦しんでいるこどもたちがたくさん存在していて
 自傷や自殺へと追い込まれているとするならば

 人々の理解を深めるという長期の時間を要することを行ないつつ
 今すぐにできる改善を今すぐに行なうべきだと考えたのです。

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 横須賀市には、市立高校が1校だけあるのですが
 すでに制服は選択制が取られています。

 制服選択制を取っている理由は、表向きには違うのですが

 過去に1人、自らの性的指向をオープンにした
 勇気ある学生がいてくれたおかげだとフジノは考えています。

 だからこそ、次は中学校です。

 自らの性的指向に気づくのは、すでに小学校5〜6年生なのです。

 小学校時代は制服は無いので私服で生活できますが
 中学校に入学してしまうと3年間、制服で暮らさねばなりません。

 フジノはとにかくその苦しみから
 こどもたちを救いたいと考えました。

 そこで上記のような提案を6月議会で行ないました。

 教育長の答弁は、次のようなものでした。

 ・そもそも制服をどう扱うかを決める権利は、各学校にある

 ・その学校の意思を、教育委員会がムリに決めることはできない

 ・けれども性的マイノリティとされるこどもたちの苦しみは理解できる

 ・したがって、校長が定期的に集まる校長会の場で、
  こうした提案があったことをとりあげて説明したいと思う

 ・その後の判断は各学校が行なうことであって
  教育委員会が強制することはできない


 フジノは、100%ではありませんが、この答弁に納得しました。

 その答弁を得た6月議会が終わってから今に至るまで、
 いつどの校長会で教育長がこの件を話すのか
 とても気になっていたのですが、

 ついに今日、教育長から7月7日の中学校長会で
 学校教育課長からこの件をお話しするとの連絡を受けました。


● 学校は変われるか?あなたは変われるか?

 すでにお知らせしたとおりで、フジノの提案を受けて
 性的マイノリティに関する正確な知識を学ぶ為の教職員向けの研修
 横須賀市の教育委員会では10月に行ないます。

 現場の教職員の先生方はもともと
 こどもたちの痛みや苦しみにとても敏感です。

 しかし、学校の方針を決定していくのは
 やはり学校の経営トップである校長先生です。

 今回の、校長会でのお話を受けてどうするのかによって

 どれだけ校長先生がたが人権課題として感じ取れるか、
 校長先生がたの人権意識がどれだけあるのか、

 はっきりと分かることでしょう。

 もちろん、PTAをはじめ、教職員の方々の
 誤解にもとづく反対もあるでしょう。

 けれども、我々は変わらなければいけないのです。

 他人の痛みにもっと敏感にならなければいけないのです。

 性的には多数者であるとしても、
 生活の、人生の、様々な場面において、
 どこかで必ずあなたはマイノリティになることがあるはずです。

 マイノリティである痛みや苦しみは、誰にでも理解できるはずです。

 だからこそ、性的なマイノリティであることの苦しみや痛みを
 理解しようと全ての人々が努力するのは当然できるはずです。

 変わろう。
 僕たちは変わることができる。

 誰もが暮らしやすい生きやすい社会を一緒に作っていこう。


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 さあ、まずは7月7日の校長会。
 教育委員会の説明を聞いた校長先生たちがどういう反応なのか、
 どういう対応を実際に取っていくのかを
 これから1年間、いや、フジノが政治家である限りは
 死ぬまでずっと見つめ続けていきます。



2008年6月30日(月)のフジノその1
● 学校裏サイト・ケータイ・プロフ、ネットの負の側面と戦う(その1)

 今日は午後から教育委員会事務局が主催した
 『インターネット等有害情報緊急対策会議』を傍聴しました。

 インターネットの『ネガティブな側面』が引き起こしている
 あまりにもたくさんの問題があります。

 小中学生・高校生たちがケータイやPSPなどで
 学校裏サイト、プロフなどに毎日アクセスしている中で

 いじめや自殺につながっているだけでなく、
 あらゆる犯罪に巻き込まれています。

 被害者になるだけでなく、加害者にもなっています。

 問題の深刻さは横須賀市でも同じです。

 リアルに大人は深刻な危機感を持つべきだと
 フジノは市民のみなさまに強く訴えたいです。

 こうした問題に対応すべく、
 学校、PTA、警察、NPOなどの関係者が集まりました。

 現場の実態についての情報共有・現在行なっている対策の情報共有・
 意見交換・今後の対策など、
 かなり有意義な話し合いがなされました。



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 まず最初に、どうしてもフジノが特筆しておきたいのは、

 この問題の実態や事件など内容は
 どこまでも重たく厳しいのに

 会議が終わった後に
 フジノがこれほどまでにさわやかな気分になるとは思いませんでした。

 理由は、この会議の運営の方法をはじめとして、
 参加しているメンバーのモチベーションの高さです。

 いい会議でした。

 この半年間くらいに参加してきた全ての会議の中で
 最も良かった会議でした。

 だから、内容の深刻さとは裏腹に
 終わった後に、『希望』を感じたのです。

 問題に立ち向かう大人たちの姿は
 こどもたちに『希望』を与えます。

 大人たちが本気で戦う気合や姿勢を見せたら、

 「きっと現実は変えられる」
 「問題は解決できる」

 と、周りの人々は『希望』を持つことができるのです。

 フジノが会議の終わった後に感じたさわやかな気持ちは
 確かに『希望』を感じたからこそ、そんな気分になったのだと考えます。

 何よりも、参加したメンバーのモチベーションがみんな高い!

 1時間半の会議でしたが、
 傍聴していたフジノだけでなくも参加メンバーも終了後に

 「時間が足りない!」
 「もっと議論したい!」
 「第2回をやるべきだ!」

 と、口々におっしゃってました。

 メンバーみんなが高い問題意識を持っていて
 なんとかして問題を解決する為に自分たちができることは何なのかを
 必死に考えている。

 これですよ、意味のある会議というのは。

 先日、市の検討会・審議会に激しい怒りを覚えたと書きました
 その怒りの対極にあるとても良い会議でした。


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 2年前にいじめ・いじめ自殺に関わった時に
 インターネットの負の側面を中学生たちにヒアリングして
 そのひどさを知りましたが

 あれから2年が経って、さらにネット機器は進化していて
 サービスは多様化していて、こどもたちはさらに餌食になっています。

 この危機感や問題意識を共有できる大人たちが
 こんなにもいてくれたことをうれしく感じました。

 市民のみなさま、
 いち地方自治体だけで解決できる問題ではありませんが
 少なくとも横須賀市はこの問題と本気で戦いはじめていますから。

 だから大人のみなさん、リアルな危機感を僕たちと共有してください。

 こどもたちの裸の写真がネットに掲載されたりとか
 それで脅されたりとか、起こってますよ、このまちでも。

 学校にできることは限られています。
 全ての大人が立ち上がらなければ、解決できないですよ!


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 教育長、今日は本当に素晴らしい会議でしたよ。
 運営に関わった担当者のみなさんをどうか高く評価して下さいね。

 そして、第2回を必ず開催して下さいね。



 (会議の具体的な中身は次回書きます)



2008年6月28日(土)のフジノその2
● 精神障がいがあっても、もちろん働けるよ!

 横須賀の精神障がいのある方々の家族会である
 NPO法人『横須賀つばさの会』の定例会にお招きいただいたので
 会場である逸見の保健所に行ってきました。

 直前にお招きいただいたので
 この定例会の為に
 フジノは1日休暇を取る為に前夜から東京に行っていたのを
 とりやめて朝いちで戻ってきました。でも、その価値はやはりありました!



 今日の定例会はいつもとは違って、
 9人の精神障がいのある方々がご自分の体験談を語る場でした。

 ステージに9人がずらりと座って、
 まず1人ずつ体験談を語ってくれて
 その後に司会がインタビューをしていく、という形でした。

 その体験を聴く為に約80人は来ていたでしょうか、
 会場は満員で席が足りずに立ち見も出ていました。

 何を語ったかというと、『就職をしている体験談』です。
 9人全員が病気をオープンにして働いています。


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 フジノがとても仲良しのAさんも
 体験談を語る役として(しかも中心的な役割)で出演していて
 すごくうれしかったです。

 例えば、Aさんのお話はこんな感じ。
 (Aさんは発病してから約15年、入退院を繰り返しました)

 「入院している時に、
  担当の看護師さんに作業所を紹介された時に
  作業所なんて暗いイメージのところだと思っていたんだよね。

  だけど、1日だけ行ってみるか、と思って
  看護師さんと一緒に着いていったら
  BGMがかかっていて、みんながわきあいあいと楽しそうでさ。

  仕事は別に探していたわけじゃないけど
  作業所の当時の所長さんが

  掃除のアルバイトがあるけど行ってみない?

  と言ってくれて、今じゃあ10年も勤めていますね。
  人生って分からないですね。

  入院している時は、
  長いトンネルの中からずっと出られないと思ってた。

  今は1人暮らしをしているんだけど
  そうじも洗濯も大好き」


 あるいは、Bさんのお話はこんなでした。

 「僕は、特別養護老人ホームに勤めています。

  介護職ではなくて、ランドリーの部署ですね。
  高齢者の方々の洗濯物を洗っています。

  今年でもう6年目になります。
  昨年は勤続5年間ということで表彰状をもらいました。

  もともとはあがり症だったのに、
  仕事のおかげであがらなくなりました。

  高齢者の方々をホームで毎日見ていると
  自分自身は介護はしないんですが
  本当に人のいろいろな面が見えてくるんです。

  僕にあいさつをしてくれる人や話してくれる人もいたり
  こういう言い方をしてはいけないんですが
  みなさんすごくかわいいんです。

  認知症ではあっても、みなさん、
  お元気な部分がありますから。

  特別養護老人ホームで働きながらも
  作業所には今も行っています。

  だから、1週間にお休みは1日しか無いんです。
 
  でも、休んでいるとついダラダラしちゃって寝てしまうから、
  逆にこういうペースでやった方が慣れているから疲れないですね」


● 9人は決して特別な方々ではありません

 こうして9人が体験談を語ってくれた後、
 司会の方が質問をして、9人が答える、という質疑応答になりました。

 例えば、

 Q.仕事を探す時に精神障がいをオープンにしたら
  仕事が見つからないかも、と、病気を隠して仕事したことがありますか?

 A.3人が「隠して働いたことがある」と答えました。
  ただ、3人とも「病気を隠して仕事をすると長続きしない」とのことでした。
  理由は、体調が悪くなった時やつらい時に
  病気をオープンにしてないと対応がうまくいかない、などでした。

 今日参加してくれた9人の回答は
 病気はオープンにした方がいいよ、という感じでした。

 さらに

 Q.精神障がいのある、就労したい人々にひとことお願いします。
 A.明るく前向きに考えること!
   自己啓発に努めてください。
   家族も支えになって下さい。
   ぜひ生活のリズムを守る努力をして下さい。

   何回も面接するけれど、たいてい1回ではうまくいきません。
   でも、決してあきらめないこと。必ずうまくいきます。

   これから働く時にこころがまえとして
   「これは自分の仕事なんだからやらなければ」という自覚も必要です。

   上司やまわりに注意されたら
   聞き流すだけで、後はニコニコ笑って下さい!
   (場内、爆笑)

   天職が何かなんて最初から分かる人はいないです。
   やってみないと分からないから
   自分のこころと体と相談して
   ダメもとでどんどん応募して面接して
   とにかくやってみないと天職か分からないから。

   仕事は世の中に何百何千といろいろあるけれど、
   世の中では「勝ち組」「負け組」という言葉がありますが
   仕事の種類によて、上とか下とかはありません。

   仕事を長く続けるには、
   やっぱり根底には薬をしっかりとのむということが大切ですね。
   薬を飲まないで失敗したこともあります。

   体が第1なので、体調管理は大切です。
   調子が悪くなってきたら、すぐに家族や主治医に相談すべき。
   薬はしっかりのんで前向きな姿勢でいくことが大切。

   最初から高望みしないで、
   小さなことろからやっていくことが実は大切だと分かりました。

   まず、規則正しい生活をすることが大事です。
   例えば、すぐに就職しなければと思い込んでしまう前に
   まずは作業所に毎日通えるように挑戦してみるんです。
   それができるようになったら就職はその時に考えればいいと思います。

   親があなたに働いてほしいのではなくて
   あなた自身が働きたいのだという気持ちをぜひ思い出して下さい。


 みなさん、体験に基づいたアドバイスでした。

 9人とも、 いま就職がうまくいっているからといって
 決して軽い精神障がいだということはありません。

 先ほど書いたとおりで、Aさんとフジノはとても親しいのですが
 発病してから約15年くらい入退院をくりかえして
 本当にキツイ日々を送りました。

 Aさんはカフェトークにもしばしば来てくださるので
 カフェトークに初めて参加した他の方々に
 あえてAさんの体験談を語ってもらうことがあります。

 そうすると、みなさん、とても驚くんですね。
 壮絶な日々を過ごしてきている訳です。

 でも、いまのAさんは服薬をしながら
 もう約10年も働き続けているんですね。

 みんな、Aさんが自分の体験談を語らなければ
 まさか精神障がいによる症状とか入退院のくりかえしと
 とても苦しい日々を送った体験があるなんて全く分からないんです。

 仕事の休暇には、旅行に行ったり、
 Aさんの暮らしはフジノより充実していて楽しそうです。

 だから、本当に読者のみなさまに知っていただきたいのですが
 精神病になったからといって、人生が終わる訳じゃないんです。
 全然そんなことありません。

 それは、誤った情報からくる誤解・偏見なんですね。

 たとえ精神障がいがあっても、
 作業所に通ったりしながら、少しずつ自分のペースを取り戻して
 ハッピーに笑顔で生きていくことはもちろんできるんです!

 9人の方々は、みんな特別な人ではありません。

 それぞれに、すごく病気に苦しんだ日々を体験しています。
 でも、ドクターやまわりのサポートに助けられながら
 少しずつ元気を回復していったんです。

 必ず、元気を回復できるし、笑顔も戻ってくるんですよ。


● 必ずあなたも笑顔で元気になれますからね

 プログラムの最後に、横須賀市の障害者就労支援センター
 鈴木さんからこんなお話がありました。


  2ヶ月前に、精神障がいのあるご本人による
  体験談の発表があるから参加してほしいという依頼を受けたのですが

  当日、体験談を話す人がゼロだったらどうしようかと思ったら、
  実際には今日9人もの方々の実践的なお話が
  たくさん聴けて本当に良かったです。
  今までで一番いい研修だったと感じました。

  9人のみなさんがおっしゃったことはみんな正解だと思います。
  みなさんのアドバイスはとても良かったです。

  定期的に通院して、ちゃんと服薬をしていること。
  働く意欲があること、自立生活ができること、

  大事なことなのですが
  困ったことや不明なことがある時に、上司に相談できること。

  大切ですね。

  さて、私がおります就労援助センターについてお話をさせて頂くと
  市の障害福祉課や保健所などといろいろなネットワークがあります。
  作業所だけでなく、ぜひセンターも含めて
  いろいろな社会資源を使って下さい。

  その人をみんなで支えていこう
  ということで、ネットワークを作っていますので
  ぜひ社会的資源を広く活用して下さい。

  就労援助センターについては
  障がいは絶対にオープンにしてもらっています。

  最初にオープンにしておけば何も怖くないんです。
  相手の職業先に文句を言われることもありません。
  ぜひオープンにしてみなさんにセンターで一緒に取り組んでほしいです。

  「週3日間を仕事に行って、残り3日間は作業所に行ってます」
  という人が多いのですが
  これはとてもすごく大切なことなんです。

  作業所で仕事の話を聴いてくれたり、
  忙しく働いた後のストレスを発散していくんです。
  作業所ってすごく大切な存在だと感じています。

  まず作業所で作業をやってみたり、実習をやってみて、
  それから就職する、というように一歩ずつ進むことが大切です。

  仕事をしていくと意識が改革される、
  仕事を通じて成長していく、ということはまさにその通りです。

  ある方の話ですが、
  最初に就労援助センターに来た時は
  目がぼんやりしているなあという人がいました。

  それが、初めてお給料もらったり、
  半年経ってボーナスをもらった時には顔が全く変わっていました。

  安心感や顔色が良くなったり、
  働くことで本人はどんどん変化していくんですね。

  働くことは人の成長の役に立ちます。

  また、働きながら病気を治す、ということもあります。

  働くことがうまくいかない時に他人のせいにしない。
  仕事が続かないことを周りの状況のせいにする、
  ということは自立にはつながりません。

  厳しい言い方になりますが、ある時は同情はしますけれど、
  自分でしっかりしなさいと言う時もあります。

  ぜひ体調管理に気をつけて下さいね。
  そこが最も大切な基礎だと思います。

  就労支援センターでは、
  就労についての3つの「あ」

  あせらず
  あわてず
  あきらめず

  これをすすめていきたいと思います。

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 フジノからは、現在、精神障がいがある方々に
 
 ぜひ希望を見失わないで下さい!

 とお伝えしたいです。

 ここ数年間は、自立=働くこと、という
 政府の誤った政策がすすめられていますが、それは間違いです。

 でも、働くことは、上の鈴木さんの言葉のとおりで
 人を成長させますし、苦しいこともありますが楽しいこともあります。

 何よりも自分で稼いだお金で
 自分の好きなものを買える、ということはすごくハッピーです。

 精神病になったからといって、もう自分は終わりだ、なんて
 絶対に考えないで下さいね。

 精神保健医療福祉はいろいろなサポートをできますから、
 今回体験談を語ってくれた9人のように
 あなたもなることができます。あきらめないで下さいね。

 横須賀の場合で言えば、

 メンタルクリニック・精神科をはじめとして
 保健所健康づくり課精神保健福祉班、
 地域のいろんな作業所、
 地域活動支援センターアメグスト、
 就労支援センター、就労・生活支援センター、
 ハローワークなどなど

 たくさんの社会資源があります。
 どうかどんどんうまく使って下さいね。

 あなたも働くことができます。
 あせらず、少しずつ、体調管理に気をつけて、服薬を守って、
 ネットワークをどんどん利用してみて下さい。

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 ところで、フジノHPは全国の方々が読んで下さっていますから
 中には「自分の地域には精神科医そのものがいない」という方が
 実際にいらっしゃいます。

 また、身近な地域に精神科医が存在はしていても
 閉鎖病棟の劣悪な病院が今も存在していたり
 精神保健福祉士などのサポートが無い地域があるのも知っています。

 でも、そうした状況の方々も、どうかあきらめないで下さいね。

 フジノは横須賀市議会議員でしかありませんが
 あえて断言したいと思います。

 必ずこの国の精神保健医療福祉は改善されていきます。
 改善されなければ、絶対に変えていきます。

 あきらめないでくださいね。
 そして、希望をいつも忘れないで下さいね。



2008年6月28日(土)のフジノその1
● いわゆる不登校への対策事業「ハートフルフォーラム」へ

 今日は、13時から総合福祉会館へ。
 5年目となる『ハートフルフォーラム』へ参加しました。

 いわゆる『不登校対策事業』の1つとして開催されているのですが、
 いわゆる不登校の悩みを持つ親御さんやご本人を
 支援することを目的にしたフォーラムです。

 (1)保護者の対応についての講演会

 (2)支援をしている機関の活動の紹介

 (3)個別の相談会

 が行なわれました。

 特に(3)では、教育委員会の学校教育課をはじめ、
 はぐくみかん・適応指導教室・相談学級の担当者によるブースと共に
 市内のフリースクールのブースも設けられて

 参加してくれた方々の
 いわゆる不登校に関する相談を行ないました。

 プログラムと配られた資料はこちらです。

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 プログラム1として

 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所
 植木田潤さん(教育相談部・研究員)による講演が行なわれました。

 (下の写真が植木田さんです)



 タイトルは『学校不適応の子ども理解と育ちを支える親の関わり』です。

学校不適応の子ども理解と育ちを支える親の関わり

 まず、斉藤万比古さんによる『不登校の多軸診断モデル』にそって
 そもそも、いわゆる不登校についての
 極めて基本的な情報についてお話ししてくれました。

 お話をうかがいながら強く感じたことは
 教育学部卒業のフジノや
 教育委員会や支援の現場にいる人々にとっては
 『極めて基本的な知識・情報』であっても

 生まれて初めて自分のこどもが
 いわゆる不登校という状態になったという親御さんたちには
 そうした知識は全く無い、

 ということと

 学校教育のプロである教職員の方々であっても
 実際に自分が担当する生徒がいわゆる不登校にならなければ
 本気で関心を持つことは無い、

 ということから

 こどもとの接し方が分からない、ということが
 あまりにもたくさんあるのですね。

 正確な情報や知識がしっかりと必要な相手に伝えられることが
 いかに大切なことなのかを、改めて感じました。

 これを書きながら、かつてフジノは
 2003年の活動日記

 (いわゆる不登校・ひきこもりについて)

 「こんな基本的な情報を今さら伝えているのでは遅すぎるのではないか」

 という憤り・あせりを書いたことを思い出しました。

 あまりにも基本的なことが語られていることに
 苦しんでいるこどもたちがたくさんいるのに!という激しいあせりを
 かつてのフジノは感じていました。

 でも、今は違うように
 考えるようになりました。

 専門家は必死に最新の研究をして最新の知識を学んで
 こどもたちに徹底的によりそっていくけれども

 同時に、

 親御さんやほとんどの人々は
 初めて接する出来事に対しては誰もが何も知らないのだから
 専門家にとっては同じことを語るのが何百回目でも何千回目であっても
 1人でも多くの人に知ってもらうために
 語り続けていかなければならないのだ。

 こう考えています。

 だから、こういう講演会は本当に大切だと考えています。
 2003年のフジノは、あせりすぎていましたね。

 今も危機感は全く変わらないのですが
 遠回りが実は近道だということもたくさんあることを
 2008年のフジノは知るようになりました。

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 話を講演会に戻しますね。

 この多軸診断の1つとして、いわゆる不登校があった時に
 発達障がいとの関わりをチェックすることの重要性が語られました。

 もちろん、発達障がいとは何かについても
 時間を割いて丁寧にお話してくれました。



 例えば、植木田さんは
 高機能自閉症があるこどものお話をしました。

 こんな感じです(フジノのメモからなので正確な引用ではありません)。

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 「今日、あんまり良い天気じゃなかったよね」と言った時に
 通常ならばその言葉だけで共感しあうことができるけれど

 自閉症のあるおこさんの場合、
 このあたりが難しくなるんです。

 例えば、

 「今日くもりだね」

 と言ったら、それに対して自閉症のあるおこさんは
 こんな風に返事をしたりします。

 「くもりっていうのは、雲が空の80%を閉める時に
  くもりっていうんだよ」

 そうすると、情報としては正確でも
 会話の返事としてはかなりズレがある訳ですね。

 話しかけた方は

 「そんなことは聞いてないのに、何が80%だよ...」

 と、違和感を抱きますよね。

 返事をした方としては

 「何故わざわざそんなことを言うんだ」

 と、やっぱり変な気持ちになってしまう訳です。

 こうして、お互いの気持ちにズレが出てきてしまう。
 お互いに「変な人だな」と思ってしまう。

 自閉症があるこどもは『他人との違い』ということを
 とても敏感に感じとるので、自分のことを不安に感じてしまいます。

 そんな不安を自分で何とかコントロールしようとして
 「常道行動」(儀式的な行動)を起こしてしまう訳ですね。

 こうした常道行動が周りからは
 さらに奇異に見られてしまい、ますます追い込まれてしまう。

 そして、不登校に陥っていったりするんですね。

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 かつてフジノは
 市長・教育長への一般質問(2006年12月議会)でもとりあげましたが

 こどもたちの『発達障がい』と
 『いじめ』『不登校』『虐待』『自殺』との強い因果関係は

 教育やこども家庭福祉や自殺予防の分野では
 常識というか、当たり前の知識になっています。

 けれども、いくら専門家の世界で当たり前になったとしても
 実際のリアルの世界で、つまりこどもたちが苦しんでいるその現場で、
 家庭の中で、教室の中で、友達とのあいだで、
 理解されていなければ全く意味が無いのですね。

 植木田さんの講演をお聞きして
 改めて世間一般に広く知られることの重要さを確認しました。



 いわゆる不登校だけの話ではなくて
 他のあらゆることにも通じる話なのですが

 『2次障害の大きさ』を強調したい、と植木田さんは語りました。

 ある病気とか障がいそのもので起こる不利益を
 1次障がいと呼ぶとします(例えば激しいヤケドをして苦しい、とか)。

 その1次障がいによって、社会的に不利益を受けることを
 2次障がいと呼ぶことがあります
 (例えば、ヤケドの跡が気になって外出できなくなってしまう、とか)。

  発達障がいのあるこどもたちは、
  自分が他人と違う、ということでとても深く傷つくので、

  そのことでいわゆる不登校になってしまったり、
  自尊心が下がってしまい、自傷他害へと追い込まれてしまいます。

 (自傷他害とは、自分を傷つけたり他人を傷つけるということです)

  だからこそ、障がいに対するケアが第1ですけれど、
  障がいから引き起こされる2次障がいをサポートすることが
  非常に重要です、

 と植木田さんは話しました。



 さらに、

  『私』というものは、複雑なことから成り立っています。

  こどもが出しているいわゆる不登校という行動を変えるということは、
  こどもへのケアだけでは成り立つことはありません。

  家族や学校の先生みんなをまきこんで
  みんなで影響していく。みんなで変わって行くことが大切です。

  いわゆる不登校になってしまったことに対する
  『犯人』探しが必要なのではなくて、
  みんながハッピーになっていくように変わることが大切です。


 と、お話されました。その通りだと思いました。



 2次障がいは、無くすことができるからです。

 社会・世間・地域、どんな呼び方でもいいのですが
 環境の側が変わっていくことで個人の苦しみを取り除けるのです。

 親をはじめとする家族、家族をとりまくご近所さんたち、
 学校、まち、社会全体、まわり全体が変わっていくことが大切なのですね。

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 フジノはこの活動日記の中で
 しつこくしつこく『いわゆる不登校』と書き続けました。

 『不登校』とカンタンに言い切ることには
 激しい抵抗感があります。

 これは、いわゆる不登校の状態になったことがある方々なら
 きっと分かってくれるはずです。

 読みづらくてごめんね。


 さて、フジノは講演会が終わったところで中座して
 次の用事へと向かいました。

 本当は丸一日休むはずだったけれど
 なかなか休みが取れないなぁ。

 この次にあった用事の為に、休めなかったんです(汗)。

 「政治家だから招いた」というイベントなんかよりも
 (もともとそういうイベントには僕は絶対に行かないし)

 「フジノさんに来てもらうと
  励まされる人たちがたくさんいるんですよ」

 という招き方は、殺し文句ですよね?
 そこまで言われたら、僕だけ休んでなんかいられないです(苦笑)。

 休みたくて昨日の夜に東京に向かったのですが
 やっぱり朝に思いなおして帰ってきてしまいました。

 さて、だからこそ次の用事も
 全力でがんばらなければ!



2008年6月26日(木)のフジノ
● 激しい怒り

 市が主催して開催する審議会とか検討会とか
 たくさんありますが、フジノはいろいろ傍聴しています。

 そういう検討会のメンバーに選ばれた人々の中には
 公募された市民も2人くらいはいますが

 大半は『学識経験者』という肩書きで
 例えば大学の教授だとか団体の理事長だとかが選ばれます。

 たった2時間程度の会議ですが、
 1回あたり1万3000円も報酬が出ています。

 そして、毎月1回くらいずつ会議があって
 たった6回くらいの会議で、本当に大切な計画が作られていきます。

 例えば、高齢の方々の介護や福祉の計画だとか
 障がいのある方々の福祉についての計画が作られていくのです。

 障がいのある方々をはじめとする当事者にとっては
 いのちと暮らしがかかっている
 すさまじく重要な市の計画です。

 何故なら、市(行政)は
 計画に基づいて動いていくからです。

 その計画に

 ある数字が載るか載らないか、
 ある文章が載るか載らないかで

 今後5年間くらい、行政はその計画に縛られて動いていくのです。

 施設をつくるとかつくらないとか
 予算をつけるとかつけないとかの根拠になるものなのです。

 計画に載らなければ、
 市がアクションを起こす根拠が無いことになりますから

 だから、例えばフジノは、自殺対策を数値目標化することに
 かなり執念を燃やしました。

 そんな訳で、計画づくりのスタート段階である検討会から
 フジノは傍聴しているのです。

 政治家ですから、
 いずれ数ヵ月後にはその計画を議会で議論することになるのです。
 それでもあえて検討会の段階から傍聴に行くのです。

 マジで、いのちと暮らしが
 かかっているからです。

 それにも関わらず、ぜひ市民のみなさまにも傍聴してほしいのですが
 検討会のメンバーの発言があまりにも軽すぎたり
 勉強不足があまりにも目立ったり
 全然発言が無かったり
 そんな程度の発言しかしないのならば

 市役所の職員の方がとても優秀なのだから
 検討会そのものを廃止して

 市が直接に作った計画案を、
 直接に市民のみなさまへパブリックコメントにかけて
 それを市議会で議論したいとつくづく感じます。

 学識経験者たちによる検討会が本当に必要なのか
 フジノは強い疑問をしばしば感じます。

 発言する気持ちが無い人たちは、
 メンバーになるのを辞退してほしいです。

 市もメンバーの人選にもっと真剣になってほしい。

 例えば、以前フジノがその発言にブチ切れたある方
 今日も別の検討会であまりにも軽い発言をしていて
 うんざりさせられました。

 肩書きがどれほどすごくても
 今までの業績がどれほど立派でも

 大切なのは、今この瞬間だよ!

 どれだけこの計画によって多くの人々に影響を与えるのか、
 本気で理解しているのかよ!

 何故まちで今この瞬間も苦しんでいる人々がいるのに
 へらへらと軽い発言を平気で垂れ流して
 1万3000円をもらって帰っていかれるのか、

 僕にはその神経が理解できない。

 こういうことを書くと、市の幹部から

 「メンバーの成り手がいなくなるから止めて下さい!」

 と言われることでしょう。

 でも、形だけの検討会の廃止なら
 税金のムダづかいがカットできるから
 むしろ改革になるのではないかと感じます。

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 どうか市民のみなさま、お願いです。

 市の審議会や検討会などを
 どんどん傍聴してください。

 そして、実態を知って下さい。

 そこで感じたことをフジノに聞かせてください。
 フジノがここに書いたことがまちがっているかどうか
 あなたの目と耳で直接に確認してください。

 フジノは激しい怒りをしばしば感じています。

 その怒りが正当なものかどうかを
 ぜひ市民のみなさまが判断してください。お願いします。


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