横須賀市の自殺の犠牲者数、4ヶ月連続で前年よりも増加/国全体では前年比11.3%減少しているのに…

今月もまた犠牲者数が前年より増加しました

先月に続いて、今日も悲しいお知らせをしなければなりません。

警察庁による最新の統計が報告されて、横須賀市の2014年4月の自殺による犠牲者数(速報値)が判明しました。

過去5年間の比較からも明らかですが、2013年は例年に比べて犠牲者が少なかったのでした

過去5年間の比較からも明らかですが、2013年は例年に比べて犠牲者が少なかったのでした


上の表は、警察庁が内閣府自殺対策推進室に提供したデータ(市区町村別・自殺日別・住居地別)をフジノがまとめたものです。

今月も、自殺による犠牲者数が前年より増加してしまいました。

これで4ヶ月連続です。

一方、日本全体では4月の自殺による犠牲者数は2,203人(前年同月比180人減少)でした。1〜4月の累計は8,410人で、これは前年比1,068人の減少(▼11.3%)です。

国全体では犠牲者を減らすことができているのですが、横須賀市は逆に増加してしまっています。

自殺を減らし無くす為に政治家として活動しているフジノは、自殺へと追い込まれてしまった方々とそのご遺族のみなさまに、こころから申し訳ない気持ちでいっぱいです。

謹んで、哀悼の意を表します。



まず第1に、データ分析の「視点」を考え直すべきかもしれません

先月も記したとおりですが、昨年2013年は犠牲者数が減少した年でした。

2013年に犠牲者が減少した原因を見つけねばならない

2013年に犠牲者が減少した原因を見つけねばならない


上のグラフは過去5年間の4ヶ月間合計を比較したものですが、2013年だけ棒グラフが低いのがお分かり頂けると思います。

特に2013年1〜8月までの合計は、過去5年間で最も少なかったのです。

フジノは、考え方を変えねばならないのかもしれません。

これまでは、「何故2014年は昨年よりも犠牲者が増加し続けているのか?」に焦点をおいて分析に努めてきました。

けれども、むしろ逆に「何故2013年1〜8月は犠牲者が減少したのか?」に焦点をおいて分析を徹底すべきかもしれません。

そして、その要因を1つでも見つけて、政策に反映していかねばなりません。



第2に、やはり「心理学的剖検」を実施しなければならない!

4月25日の市長記者会見で、吉田市長は「県内初!消防団が『命の門番』として地域を見守ります」という発表をしました。

2014年4月26日・神奈川新聞より

2014年4月26日・神奈川新聞より


今年から5年間をかけて、市内全消防団員882名に自殺対策のゲートキーパー養成講習を受けて頂く、という取り組みです。

国が進めてきた『ゲートキーパー養成』を、今までは対象にしていなかった職種にも拡大していくというもので、一定の効果はあるかもしれません。

こうした万人向けに広く行なう取り組み=『ポピュレーションアプローチ』は、大切ではあります。

ただ、フジノはこれまでも訴えてきたとおり、『ポピュレーションアプローチ』だけでなく、並行して『ハイリスクアプローチ』も積極的に実施していかねばダメと考えています。

さらに特に今すぐやるべきことは、追い込まれた末に自殺の犠牲になった方のその原因を徹底的に追いかける『心理学的剖検』です!

現在の警察庁と厚生労働省が発表している統計データでは、横須賀市で亡くなられた方々が自殺へと追い込まれた原因は全く分かりません。

本当の原因は何も分からないままに、自殺対策に効果があると『一般論』として言われている『ゲートキーパー養成』などに取り組んできたのがわが国の自殺対策なのです。

今こそ『一般論』ではなく、亡くなられたおひとりおひとりのこころの井戸を深く深く掘っていく作業が必要だ、とフジノは強く主張します。つまり徹底的に『個別論』を突き詰めていくのです。

そして、個別・具体的な原因を調査していく中で、同じ状況に追い込まれている方々(ハイリスク者の方々)にアプローチをしていくのです。

ゲートキーパーを増やすような『ポピュレーション・アプローチ』は大切、でも同時に『ハイリスク・アプローチ』も徹底的に実施しなければ不十分です。



横須賀市は自殺対策をゼロベースで再構築すべき

日本全体の自殺による犠牲者が減っている中で、横須賀市では前年同月を上回る犠牲者数が4ヶ月連続という悲しい現実があります。

政治・行政が全力を尽くせば、自殺による犠牲は減らせるはずなのです。

横須賀の政治・行政は、もう1度、全力を尽くさねばなりません。

今後1人でも多くの犠牲者を減らすことだけが、自殺へと追い込まれた方々とご遺族への責任を果たすことだとフジノは信じています。

今年、横須賀市の自殺対策を深く担ってきた保健所健康づくり課の課長・係長2名が同時に異動となりました。

自殺の現状がこのように危機的状況にあるにもかかわらず、重責を担ってきた中心人物2人の同時異動という人事を行なった市長に対して、フジノは強い不快感を抱きました(市長はこの危機的状況を全く理解していないのではないか?)。

けれども、組織には異動はつきものです。それをいつまでも嘆いていても無意味です。

今はとにかく新メンバーで、もう1度わがまちの自殺対策をゼロベースで見直して、良い点は継続し、改善すべき点は徹底して改善する、そんな機会にしたいと今は考えています。

新しい体制のもとで、今年は徹底して自殺予防対策に取り組んでいきたいです。

そして、来月こそは良い報告ができるように現実を変えていきたいです。



2013年に犠牲者が減少した原因を見つけねばならない

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