横須賀市が新たな計画づくりをスタートします
2014年9月5日の教育福祉常任委員会で報告されたことの1つに、とても大切な事柄がありました。
です。
といっても、横須賀市だけが全国初で独自にスタートさせるという特別なことではありません。
2年前(2012年1月30日付)に『児童養護施設等の小規模化及び家庭的養護の推進について』という厚生労働省雇用均等・児童家庭局長からの通知が出されていました。
2年も時間が立っている理由は、通知の本文を読むとわかります。
- 2013〜2014年度は各施設との調整期間とすること
- 2015年度スタートの15カ年計画を作ること
- 計画は、5年ごとに前期・中期・後期とすること
この2年間の調整期間が終わり、横須賀市も15カ年の計画を作るべき時期となった訳です。
(※横須賀市は全国で中核市ながら2ヶ所だけ児童相談所をもっているうちの1つです。『都道府県計画』とありますが、児童相談所設置市である横須賀市も『計画』づくりが求められています)
全国で親と暮らせないこどもたちが厳しい現実の中に置かれています。
血のつながりとは関係なく、育ての親との愛情の通った家庭環境がこどもたちには絶対に必要です。
けれども現状では、乳児院・児童養護施設などの施設で暮らしているこどもたちが90%、里親さんのもとで暮らすことができているこどもたちはわずか10%です。
この状況を大きく変えていく為の長期的な計画を国をあげて全国で作っていくのです。
2029年がゴールの目標とあまりにものんびりしているのにフジノは不満です。
けれども、やっと里親・ファミリーホーム・施設の小規模化へ光があたったことには大歓迎です!
横須賀市の計画づくりのメンバー
教育福祉常任委員会で配布された説明資料をPDFファイルにしました(こちらを御覧下さいね)。
計画づくりにあたって審議を担当するのは、すでに設置されている『横須賀市児童福祉審議会』の中にある『措置分科会』です。
会長は社会福祉法人横須賀基督教社会館館長が就任しており、他のメンバーは精神科医・小児科医・神奈川県立保健福祉大学准教授・弁護士など合計7名の委員で構成されています。
横須賀市の計画の位置づけ
15年間もの壮大な計画は社会情勢の変化もあるので現実的ではありません。
そこで横須賀市ではまず前期5年間の計画を作ります。
ただ残念ながら、単独の『横須賀市社会的養護推進計画』とはなりません。
『横須賀市子ども・子育て支援事業計画』という大きな計画の中に、盛り込む形で位置づけます。
横須賀市の計画に明記する予定の内容
目次も事務局案が示されていますが、以下の予定です。
第1章 計画策定に当たって
第2章 社会的養護の取り組み経過、現状及び課題
第3章 計画の基本的方向性及び社会的養護の需要量・供給量
第4章 市内児童養護施設等の家庭的養護推進計画
第5章 本市の取り組み
- 里綴開拓と委託の推進
- 施設の家庭的養護の推進
- 施設の専門的ケアの充実
- 施設の人材確保・人材育成
- 子どもの自立支援の充実
- 家族支援及び地域支援の充実
- 子どもの権利養護の推進
- 児童相談所の体制強化
- 本市の第一義的児童家庭相談窓口の機能強化
第6章 本市の社会的養護推進計画
- 本市の社会的養護推進計画
- 社会的養護に係る本体施設、グループホーム及び里親・ファミリーホームの構成割合
第7章 進行管理等
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9月5日の委員会報告までにすでに4回の会議が行なわれています。
この後、3回の会議とパブリックコメント、さらに2回の会議を行なって決定となります。
完成は2017年3月の予定です。
とても重要な計画づくりなので今後も注目していきます。
施設(乳児院・児童養護施設)が悪なのではありません。
施設も重要です。
その一方で、全てのこどもが家庭的な環境(フジノは特に里親さんを圧倒的に増やしたいです)で暮らせるようにするのは、政治・行政の責任です。
世界を見渡せば、実親と暮らせないこどもたちの100%が里親さんに委託されている国々があります。
日本は圧倒的に遅れています。
横須賀からこの異常な状況を変えていけたらと願っています。
後日追記(2014年11月10日)
計画案が完成しましたので、パブリックコメント手続きをスタートしました。