2010年9月議会・一般質問

おはようございます。
藤野英明です。よろしくお願いします。

1.記録的猛暑での熱中症被害を防止する即効性ある対策について

この夏は本当にすさまじい暑さでした。

今年6月から8月の平均気温は、統計を取り始めた1898年以降で最も高かった、と気象庁が発表しました。

20100915sun

そして、全国で熱中症による被害が多発しました。

9月7日現在、救急搬送者は5万2017人に上りました。搬送直後に死亡が確認された方は168人です。

9月以降も毎日約700人が搬送されていることもあり、消防庁は今も熱中症対策を取るよう呼びかけています。

死者こそ出なかったものの、本市でも救急搬送は多数にのぼりました

今年の猛暑が深刻だったのは死亡や搬送された方々の急増は、単に猛暑だけが原因ではなく

深刻化する無縁社会や孤独死の問題や、ワーキングプアの増加などの貧困の問題も深くかかわっていることが、強く浮き彫りになりました。

搬送された人のうち65歳以上が46.6%でしたが、もともと高齢の方々は暑さに弱いという原因に加えて

クーラーが無かったり電気代を節約せざるをえないといった、ひとり暮らしの高齢者や低所得の方々の姿が見えてきました。

生活様式や経済社会状況の急激な変化が起こっている中で、個人ができる工夫を行なって涼をとるという従来の手段だけでは、市民が健康で安全な暮らしを守ることはできない状況になりつつあります。

『社会問題』として、政治と行政の対応が必要ではないでしょうか。

長期的には無縁社会や貧困の問題への対応が必要ですが、家族や地域のつながりを取り戻すといったことでは間に合いません。

今すぐ全ての家庭にクーラーを設置してスイッチを入れるのと同じくらいの即効性のある対策が必要です。

そこで4つの提案を行ないます。

(1)猛暑被害へのハード面での即効性ある対策強化について

本市ではこれまで『ヒートアイランド対策』として屋上や壁面緑化(緑のカーテン)などを推進してきました。

こうした長期的視点で地球温暖化を止めることも重要なのかもしれませんが、暑くても暑くても家の中でクーラーも無く電気代を節約する為に冷房も入れずにいる方々を前に、政治と行政はゴーヤの緑のカーテンが育っていくのを待つ余裕はありません。

一方、技術の進歩によって、緑化などに比べて割安で施工も容易な手段が少しずつ生まれてきています。

例えば、建物の外壁やアスファルトの路面に、太陽光を高反射したり、熱を遮断する塗料(遮熱・断熱塗料)を使う事で10度近く温度を低減できるようになってきました。

官民問わず、建物の新築やリフォームは日常的に行なわれていますし、老朽化によって道路の舗装を直すことは定期的に行なわれています。そこに遮熱・断熱塗料を使うようにするのです。

東京都では新築や建て替えの際の建物の屋根や外壁にこうした塗料を使用する事業者に補助を出す「クールルーフ事業」を行なっています。

【質問1】
猛暑が来年も続けば犠牲者は増えるでしょう。今後に備えて、こうした即効性ある新たなハード面の対策が必要ではないでしょうか。

市長の考えをお聞かせ下さい。

(2)猛暑被害へのソフト面での即効性ある対策について

「暑くておカネが無い時には図書館や博物館に行けば涼しく過ごせる」

という会話を冗談ですることがありますが、冷房が設置されている公の施設は身近にたくさんありますし、実際に活用して頂ければ、新たな財源もいりません。

けれども、暑いから1日図書館で過ごす、1日行政センターへ行く、ということを本当に実行する方は、ほとんどいません。

長い時間いればいるほどいづらくなりますし、そもそも用事が無いのに公の施設を訪れることはまずありません。それが市民の方々の本音であって、利用には強い『心理的なバリア』があります。



それでもこの夏のような猛暑の際には、本来の施設の利用目的だけでなく、猛暑の中で健康を守る為の「避難先」として実際にぜひ利活用していただくべきではないでしょうか。

コミュニティセンターなどの施設に用事が無くとも誰でも安心して予約無しで無料で長時間避暑できるように、スペースやイスをあらかじめ用意しておく。

さらに、

「市民のみなさま、猛暑を避ける為には市の施設をどうぞご利用ください」

「市の施設でお気軽にどうぞ涼んでいってください」

といったことを市が自ら積極的にアナウンスする。

高熱水費もかからずに水分も補給できて日中を過ごすことができる場所として提供するのです。

あるまちが実践している「猛暑避難所サロン」

あるまちが実践している「猛暑避難所サロン」

【質問2】
即効性のある対策としてこうした試みをぜひ実行して頂きたいと思いますが、市長の考えをお聞かせください。

(3)熱中症注意情報の積極的な発信について

この夏、本市では保健所がポスター制作をおこなってウェルシティなどに掲示を行ないましたが、公の施設を訪れることが無い方々に効果はありません。

横須賀市保健所が7月に作成掲出したチラシ

横須賀市保健所が7月に作成掲出したチラシ


その時々で変化していく天気や気温などの状況に応じて熱中症を予防する為に具体的にどのような行動をとることが必要なのか、わかりやすくより積極的な情報発信が必要ではないでしょうか。



気温やWBGT(暑熱指数)などの指標に基づいて注意を呼びかける熱中症注意情報はすでに全国で行なわれています。

「日中生活に関する指針」日本生気象学会(2013) 日常生活における熱中症予防指針Ver.3より

「日中生活に関する指針」日本生気象学会(2013) 日常生活における熱中症予防指針Ver.3より


例えば、日本で一番暑い町として知られる岐阜県多治見市では、自動計測の「定置型熱中症指標計」にて気温が31度を超えてWBGTが28度を超えた場合は、市内の公共施設や携帯電話のメールによって「熱中症注意情報」を発信しています。

本市もこうしたリアルタイムでの情報発信を行なうべきです。

さらにその手段は、節約の為に自宅にとじこもっている方々にも、あるいは、ふだん誰ともつきあいの無い方々にも、新聞もとらないしテレビも観ないというような方々にもダイレクトに届くやり方が必要です。

例えば、市内405か所に設置されている防災行政無線を活用することは最もダイレクトに個人へ届く発信方法でしょう。

公共施設はもちろんのこと、民間の協力もえて情報を記した看板を設置する。

毎日の暮らしの中で訪れる可能性が高い場所、スーパーやコンビニなどの商業施設、年金をおろす為に訪れる郵便局や信用金庫、あるいは駅等にも看板を設置していくべきです。

また、新聞はとらなくともケータイは必ず持っている方が多い時代ですから、携帯電話で利用可能なメールマガジンを発行したり、新たにツイッターで本市の公式アカウントをつくってツイートしたり、市民の方からのリプライにリアルタイムで対応するなど、ICT利用をどんどん行なっていくべきです。

【質問3】
こうした情報の積極的な発信の必要性について市長はどのようにお考えでしょうか。お聞かせ下さい。

(4)ワーキングプア世帯への新たな支援制度の必要性について

実は、今回の問題で最も重要だと僕が考えていることはワーキングプア世帯の方々への新たな支援制度の必要性です。

すでに退職をしている高齢の方々であれば昼間に公の施設へ滞在することも可能ですし、孤立を防ぐ為の様々な取り組みが始まりつつあります。

また、生活保護世帯の方々については、冬期加算に準じて新たに『夏期加算』を創るという方針が国会の審議の中ですでに出ています。

けれども、生活保護は受けておらず、働いているけれども実質的に貧困の状態にあるワーキングプアの方々には何も支援がありません。

昼夜を問わずに働きづめですから、公の施設にも行かれませんし、生活保護のようなサポートの仕組みも全くありません。

僕がこの夏にこの問題に本気で強い関心を持った理由は、市民の方々からお話を聞いてきた中で吉田市長や僕とまさに同世代の方々が本当に真夏の暑い室内で冷房も無く、電気代がもったいないからと扇風機もつけずに、仕事に行く時間以外はただ寝転んでテレビの音を聴く以外何もせず、もうろうとしながら耐えている姿を目の当たりにしたからです。

確かにそんな姿を見て最初は僕も

「働いているんだから冷房をつけるくらいのお金はないのか」とか

「健康よりもおカネをとるなんてあべこべじゃないのか」

と思いました。

しかし、詳しく事情を聴くと、働いても働いてもとにかく収入が低い。だから、生活費を確保する為に数千円の電気代をカットして、猛暑の中で健康を害しているのです。

これは自己責任ではありません。



【質問4】
こうしたワーキングプア世帯が確実にあり、その暮らしを改善するには、新たな支援制度を創りだす以外にないと僕は考えています。

例えば、一定の基準(気温やWBGTなどの客観的な指標)を超えた日数に応じて生活保護の冬期加算程度の金額を支給するなどの導入を本気で検討すべきではないでしょうか。

もちろん、これは永久に続ける制度ではなく緊急の一時的な対策です。また、その対象となる方々も決して多くはありません。

市長の考えをお聞かせください。

2.市内学校で発生したいじめ問題について

6月から7月にかけて市内の小学校で4名の児童が障がいのある児童をトイレにつれこんで衣服をぬがせて水をかけるなどのいじめをおこなっていた問題が7月31日、神奈川新聞によって報道されました。

6月に川崎市で14歳の児童が複数の同級生によって衣服をぬがされるなどのいじめを受けた末に遺書を残して自殺をしました。

本市のいじめ事件はその直後に起こっただけに全国で大きな衝撃をもって受け止められました。

僕はこの件について、市内外から何通ものメールをいただきました。

障がいのある児童へのいじめ、しかも悪質な内容であることから、いじめた側を厳しく責める内容がほとんどでした。

けれども、いじめの問題はこの件に限らず、いじめた側のこどもたちを加害=悪と決めつけて断罪するだけで解決するものではありません。

「現代のいじめ」の背景には、加害側の児童にもまた家庭環境を含めて、様々な要因が複雑に絡み合っているからです。

例えば、いじめる側のこどもも家庭に帰れば虐待を受けていたり、そのこどもの親もまた自分がこども時代に親から虐待を受けてきた背景があったりします。

あるいは、十代で出産してすぐ離婚をしてしまい祖父母のサポートも全くなく地域でも孤立している家庭であったり、発達や知的な障がいがあったり、精神科の治療が必要な方々もいたり、教職員だけでは関わりきれないような問題が、こどもにも家庭にも深く存在していることがあります。

したがって、そもそもいじめの発生そのものを防ぐことはあらゆる意味で困難なことであり、むしろ発生した後の「早期の介入」と「長期的な対応」こそが重要です。

特に、家庭や地域へとあえて入り込んでいって、何年も継続的に関わりを保ち続けるような長期的な環境調整こそが必要だと僕は考えています。

そこで今回のいじめ問題に関連してまず提案したいのは、『スクールソーシャルワーカー』の配置の拡大です。


(1) スクールソーシャルワーカーの配置拡大の必要性について

まさに先ほどの活動を行なう存在が『スクールソーシャルワーカー』ですが、本市では現在、研究委託として中学3校に導入されています。

すでに効果があがりつつあることは、昨年の教育経済常任委員会でも答弁がありました。

不登校、暴力行為、いじめなど、あらわれる現象は異なっても、その根っこにある解決すべき病理は共通しています。

いじめ問題に対してもソーシャルワークの技法が重要な役割を果たしていくはずです。

そこで教育長にうかがいます。

【質問5】
「現代のいじめ」の背景にある家庭環境を含めた学校内外の様々な要因を調整し、小中学校などの区分に限定されない長期的な関わりが可能となるよう、『スクールソーシャルワーカー』を、今後、拡大して配置していくべきではないでしょうか。

(2)報道発表の在り方の基準(ガイドライン)を検討する必要性について

いじめ発生後の早期の対応が必要だと申し上げましたが、その1つがマスメディアへの対応です。

今は、どれだけ情報を隠しておきたくとも不可能な時代になりました。

すでにインターネットなどで噂になって知られていることを、配慮によって中途半端に隠そうとすれば、むしろ問題は大きくなってしまいます。

したがって、いじめのようなセンシティブな問題であっても積極的に自ら説明責任を果たすことが危機管理へとつながります。

外部へどのように発表するかによって、例えば、個人名が特定されるようなことがあれば、加害者・被害者の両者の未来に悪影響を及ぼすことがあります。

それでも公的な発表よりもマスメディアの報道が先行する形で情報が流れていけば、教員や学校や教育委員会に対して世間が不信感を持つようになるのもまた事実です。

例えば、今回のいじめでは7月21日には関係者が謝罪を終えていたものの、神奈川新聞が7月30日に教育委員会に取材をするまでは対外的な発表や報告はありませんでした。

決して隠したりするような意図はなくとも、結果的にメディア対応は後手に回ってしまいました。

8月2日になって市議会議員あてにも報告を行なわれましたが、すでに報道で知った内容の後追いに過ぎませんでした。

前市長時代から提案してきたことですが、ネガティブな情報こそ、積極的に説明責任を果たすことこそが危機管理になります。

【質問6】
いじめの問題については今後も起こらざるをえない以上は、あらかじめ、報道各社との信頼関係のもとで、市民への説明責任と、当事者に与える影響との両者を考慮した『報道発表の在り方の基準(ガイドライン)』を検討する必要があるのではないでしょうか。

そうして、いじめが発生した時にはその『ガイドライン』に基づいて迅速に報告や発表を行なうことで、関係者の方々への配慮もなされながらも世間からも不必要な不信感を持たれずに済むのではないか、と僕は考えます。

この点について、市長または教育長の考えをお聞かせください。



以上で僕の1問目を終わります。

市長の答弁

御質問ありがとうございました。
 
まず、記録的猛暑での熱中症被害を防止するハード面での即効性ある対策について、御質問をいただきました。
 
【答弁1】
本年の記録的な猛暑により、全国的に多数の熱中症患者が救急病院に搬送されるなど、市民生活に大きな影響を与えていることは承知しています。この猛暑への対策は、ソフト面だけでは不十分であり、今後はハード面での対策が必要であると認識しています。
 
昨年度策定しました『みどりの基本計画』では、民有地緑化推進支援事業として、民有地における敷地内緑化、屋上緑化、壁面緑化などにおける支援策の検討を掲げています。今後は、敷地内緑化等とあわせて、比較的安価で製品開発が進んでいる熱遮断塗装などについて、先進技術や費用対効果を研究してまいります。

次に、コミュニティセンターなどの公共施設に長時間避暑できるスペースを用意し、積極的に避暑を呼びかけてはどうかという御提案をいただきました。

【答弁2】
コミュニティセンターの利用については、基本的に事前予約制となっています。したがいまして、災害時を除いて他の利用者の使用を考慮すると、新たに長時間にわたって避暑できるスペースを設置することは難しいと考えます。

御提案については、市民の皆様がそれぞれの趣味や興味のあることでお時間を過ごすことのできる、例えばコミュニティセンターの図書室を初め、図書館、美術館、博物館などを御利用いただければと思います。

次に、熱中症注意情報の積極的な発信について御提案をいただきました。
 
【答弁3】
注意喚起の情報発信を適切に実施していくべきとの御意見には私も同じ考えでいます。全国的にはテレビや新聞などのマスメディアからの注意喚起も連日のように行われました。

本市では、熱中症の注意情報についてポスターを保育園、学童クラブ、地域包括支援センターなどの約200の施設に配布するとともに、ホームページ上での情報提供や老人福祉センターでのチラシの配布などを行いました。

今後は、どのような基準で、どんな手段で、どのぐらいの頻度で情報発信をすることが市民の皆さんへの注意喚起につながるのか、御提案の内容も踏まえて、しっかりと検討してまいります。

次に、ワーキングプア世帯への新たな支援制度の必要性について御提案をいただきました。

【答弁4】
契約社員、派遣社員など、低賃金で就労している方が増加し、社会的に問題になっているとの認識は私も持っています。特に、ことしは熱中症などで体調を崩す方が多く、生活保護の冬季加算のように夏季加算を新設すべきという提案があったことも承知をしています。

ただ、年金受給中の高齢者や無収入の方との公平性やどう行ってワーキングプア世帯を認定するかといった実務的な問題もありますので、今後の研究課題としたいと思います。

次に、市内学校で発生したいじめ問題のうち、『スクールソーシャルワーカー』の配置拡大の必要性については、教育長から答弁いたします。
 
私からは、報道発表のあり方の基準を検討すべきではないかという御意見に対して御回答を申し上げます。
 
【答弁6】
このような問題に対する報道発表のあり方の基準はありませんが、関係者への配慮を十分に考慮しなければならない場合もあり、どのような配慮が必要なのかは個々のケースにより異なります。

発表する内容、発表の時期など、広報課と関係部局で連携をとって、個々のケースに応じて検討の上、対応してまいりたいと考えています。
 
私からは以上です。

教育長の答弁

私からは、いじめ問題に関連して、『スクールソーシャルワーカー』の配置拡大の必要性について御提案をいただきましたので、お答え申し上げます。

【答弁5】 
『スクールソーシャルワーカー』は、スクールカウンセラーが個人の内面に着目し、問題の解決を図ろうとするのに対し、個人と環境の両者に働きかけて問題の解決を図ります。具体的には、直接家庭訪問を行ったり、関係諸機関とのネットワークを構築したりすることで、非行、いじめ、不登校、ネグレクトなど、家庭環境に課題を抱える児童生徒のさまざまな問題に対応しています。

教育、福祉、医療をつなげることで、子どもたちの環境改善が図られており、今後も『スクールソーシャルワーカー』の配置拡大は必要であると認識しており、努力してまいります。

しかしながら、『スクールソーシャルワーカー』の増員については、人材確保に難しさがあります。

そこで、1日も早く対応するために、本市独自で学校に配置している訪問相談員、ふれあい相談員への研修の充実を図り、必要な技能を身につけていただき、『スクールソーシャルワーカー』に準じた役割ができるよう育成してまいりたいと考えています。

フジノの質問

市長、教育長、御答弁ありがとうございました。

順序は逆になりますが、まず『いじめ問題』について先に伺いたいと思います。
 
まず、『スクールソーシャルワーカー』の配置拡大について教育長に伺います。

「配置の拡大は必要」という認識は共有できていることがわかりました。また、人材確保の困難さからそれに準じた形で研修を行うことによって人材を育成していきたいと御答弁いただいたと受けとめています。

そこで関連してまず伺いたいのが、現在行われているスクールソーシャルワーカーの研究委託校の3校を今後も継続できるのかという点を伺います。
 
既に予算議会でも質疑を行いましたが、国や県の無理解や財政難があって、「本当に必要である」という認識を我々は持っているにもかかわらず、継続が危ぶまれていました。

今年度は何とか実現できたものの、配置拡大を望んでいるという同じ認識を持ちながら、財源の困難さという点も実は危惧しております。その点について、教育長、今後の見通しをお聞かせください。

教育長の答弁

藤野議員がおっしゃられましたように、確かにこの事業につきましては国の補助、あるいは県からの支援を受けた中で行われている事業でございます。

来年度につきまして現時点で確かなことはまだ申し上げることはできませんけれども、私自身にとりましても『スクールソーシャルワーカー』の必要性は十分認識しておりますので、今申し上げたような形で『訪問相談員』なり、『ふれあい相談員』なりを拡充していけるように、ぜひそのあたりでの予算の問題もございますけれども、できる中での対応を1日も早くしてまいりたいと、このように思っております。

フジノの質問

先ほど瀧川議員からも同趣旨の質疑がありました。配備する場所が地域なのか、あるいは学校なのかという提案の違いはあれども、かつて大阪府が全国に先駆けて始めた『スクールソーシャルワーク事業』というものの有効さを2人とも認識しているからこその質問でしたし、教育長も同じ認識だということで非常に安心をいたしました。

ただ、何よりも財源が非常に厳しい問題ですので、ぜひ国や県には強く働きかけていっていただきたいと考えております。

続きまして、市長に『いじめ問題』について、ガイドラインの対外的な発表のあり方について伺います。場合によっては、教育長にも伺うかもしれません。
 
こういった非常にセンシティブな問題をいかにして対外的に発表していくか、そこが危機管理の一番重要なポイントかと思います。

例えば、今頂いている情報によると、PTAや父兄に対しては学校説明会を9月10日に行なったと。1カ月以上遅れている訳ですね。こういうあり方があると不信感を招くのではないかと思うのです。

今回はガイドラインについて申し上げましたが、迅速な対応、しかも個別のケースというのは調整をしていればしているほど時間がかかってしまう。

そこである程度の基準を報道各社との信頼関係のもとで、「こういう時には発表はここまではできる」「こういうことは発表できない」というのを戦略的に話し合って、あらかじめある程度の基準をつくっておくべきではないかというのが先ほどの質疑の趣旨になります。

市長、こういった点について危機管理という観点からいかがお考えでしょうか。

市長の答弁

藤野議員がおっしゃられるセンシティブな情報、あるいはネガティブな情報を積極的に情報発信すること、その説明責任を果たすことが危機管理につながるという御意見については私も同意見でございます。

その為に広報課で用意しているマニュアルの中で突然の事件、事故の場合は通常のパブリシティーとは違うということで、まず広報課に一報を入れるということとともに、事件や事故の全容がわかってから報道発表しようということではなくて、できるだけ早く、わかっていることだけでも第一報は外に出していこうという呼びかけをしています。

また、電話取材の場合にも、個人情報の取り扱いに注意すること、あるいは電話取材があることは想定されていますから、必ず取材担当者というか、取材対応者を電話につけておくこと、そういったことがそのマニュアルの中で呼びかけられています。
 
ただ、そういった意味でネガティブな情報を積極的に説明責任を果たしていくことが危機管理につながるということは、また今後も認識していきたいと思いますが、一方で殊『いじめの問題』については、大変慎重に取り扱わなければいけないケースもあるのではないかと思っています。

危機管理という意味では、報道発表だけではなくて、学校関係者、PTAの方々への情報提供という意味では速やかに行うべきだったところもあろうかと思いますが、個々のケースの中での対応というのがいじめ等の問題については求められると考えています。

フジノの質問

危機管理への対応という認識については、市長と市議会議員時代からもう共有できていると思うのですが、実際にトップに立たれた今、若干慎重にならざるを得ないという思いが去来しているのも理解はできます。ただ、その慎重さというのが、このインターネット時代の非常にスピードの速い時代においては残念ながら弱点になり得ると。

先ほどまさに市長が情報は入ってきていない段階だがここまで発表したいというような形での共通意識を持っているというようなお話がありましたが、まさにそれをこの『いじめの問題』についてもぜひ行っていただきたい。

というのも、僕の持論ではありますが、いじめの発生そのものを完全に防ぐことはできないと、こういった事態は起こり得るというのがあらかじめ想定できるからです。

そういった場合にシミュレーションを行って、どこまでであれば発表できるのか、あるいは突然の記者発表の練習をしてみるですとか、そういったことが必要かと思います。

仮に、いじめに限らなくとも虐待によって子どもが殺されてしまったというような事件も全国で起こっていて、退職された初代の児童相談所長などはいつでも対応できるような覚悟と心構えは持っていますという話をかつてしたことがありました。そこに、覚悟や心構えだけではなくて、きちんとした実践練習を行ったり、ガイドラインを持つことで迅速な対応で市民にも不信感を持たれないというような対応ができるのではないかと考える訳です。

基準はつくれないというお考えについて、ぜひ再考していただきたい。そして研究をぜひ継続的に行っていっていただきたい。それは広報課の機能強化にもつながることではありますが、改めてお考えを伺いたいと思います。

市長の答弁

藤野議員の質問の一つの切り口でもありますいじめの問題については、発生自体は否定できないという趣旨の御発言がありましたとおり、発生件数そのものを見ても大変な件数に上っているところです。

そうした中で一件一件パブリシティーを行っていくということは、軽重も問われるわけですからなかなか難しいかと思いますが、逆に例で引かれた虐待の問題、いじめもそうですけれども、例えば重篤な事件につながるようなケースについては所管する部局だけではなくて、広報課としてどのような対応をするべきかというのは、しっかりと持っていく必要があると考えていますので、そうした事件、事故等の対応についてはしっかりとしたもの--現状でも先ほど答弁を申し上げたようなものもありますけれども、さらにしっかりとしたものを作成して、庁内で共有していきたいと思います。

フジノの質問

ありがとうございます。

既にある程度のマニュアルはあるとは思うのですけれども、そのリバイズというか、改訂は常に行っていっていただきたいと思います。

それでは、猛暑における熱中症被害への対策について質問を移したいと思います。
 
本当に暑い夏でした。

我々がこうやって市役所や市議会に居るこういう空調が効いている空間では想像もつかないような暑さが市内にもたくさん発生しておりました。

今年は、個人的なことを申し上げれば家族のことがありまして、家の中にいなければならないことがすごく多くありました。

そして、クーラーが藤野家にはずっとありませんから、ものすごい暑さなのですね。そして、家族も外出ができない。クーラーや扇風機を入れることが実際できないわけです。僕が新たに買うようなことはできたとしても、家族と暮らしている母の所得で買うことができるかと。

あるいは僕が出会った同世代のワーキングプアの方々が買えるだけの収入があるかというと、本当に無い。そして暑い中でも、例えば母のような年齢が高い方であれば「クーラーは体に悪いし、要らない」というようなお考えをずっと持っておられたり。本当はそんなことは言っていられるような状況ではないにもかかわらず耐えてしまう。

そして、ワーキングプアの方々というのは耐えたくなくてもそれをする以外に道がないのです。

その問題意識に立って、今回この質問を作成したわけです。
 
まず、ハード面については市長と思いは共有できたと思います。

この遮熱、断熱塗装だけでなく新たな技術はどんどん出てきておりますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。

そして、ソフト面について質問をいくつか行ないたいと思います。

まず市長、ソフト面での対策として、財政的なこともあるので今使うことができる施設を使えるようにしてほしいとコミュニティセンターなどの公共施設を例に挙げて御提案いたしました。

その中で、市長は「災害などでない限り、そういった公共の施設を目的外で利用することはできない」という御認識を示されたと思います。

そこで1点確認をしたいのですが、今回のような猛暑というのは、ある意味災害と言えるのではないでしょうか。その点をお答えください。

市長の答弁

確かに大変な猛暑であったということは私も重々承知していまして、市役所も当然業務時間が過ぎると冷房が止まってうだるような暑さで残業している職員などもいる中で、健康管理ということには大変意識しなければいけない立場であったと思いますが、殊この酷暑について、『災害』とまで言い切るのは市行政としてはなかなか難しいと思っています。

フジノの質問

ヒートアイランド現象が起こっていますから、仮に昼間市役所で冷房が効いていたとしても、冷房が切れた後の時間になれば、本当に放射熱でうだるような暑さの中で皆さんお仕事しておられた訳です。

その意味では日中ここ市役所に居たとしても、つらさは体験されておられると思うのですね。

加えて、家に帰っても熱帯夜ですから眠ることができなくて体力が落ちていくと。

そして、それに加えて、こうやって外に出られる我々とは違うような方々は、日中もそれでさらに体力をどんどん奪われていく。

それについて、もちろん行政的な意味では『災害』とはいえないという前提があったと思うのですが、一般的な市民感覚としては、あるいは実際にそうやってワーキングプアで耐えておられる方からしたら、これは『災害』という認識を示されてもいいと思うのです。

法律用語という意味ではなくて、この猛暑というのは『災害』だと受けとめているのです。

その点について、行政の法律論の枠ではなくて、率直に市民感覚でこの猛暑、酷暑というのは『災害』とお考えになるというのは決しておかしなことではないと思いますが、市長いかがですか。

市長の答弁

行政の立場での『災害』という言葉をあえて避けて申し上げれば、熱中症等で亡くなられた方はいらっしゃったということはある意味天災であったと考えることはできると思います。

フジノの質問

ありがとうございます。

市長にお示しいただきたいのは、そういう市民感覚です。

先ほど僕が「救急搬送で亡くなった方は本市はいなかった」と申し上げたのですが、消防局長はよく把握しておられると思うのですが、交通事故の時もそうですけれども、「緊急の搬送の中での死亡が確認されなかった」というだけのことで、実際にはその先の病院での治療などの中で助からなかった方というのも実際にいるというお話を委員会の中でも伺いました。

ですから、本当にこのまちでも人が亡くなるような状況だった訳です。

しかも、例年の夏の暑さであれば、個人の対策で涼をとることができたかもしれない。けれども、ことしというのは本当に樹木のあるような公園に出ても暑さから逃れることができない。家に帰って窓をあけても扇風機をつけても熱風がかき回されるだけで健康状態を維持するのは本当に難しいというような状況でした。

そこで『ソフト面』での対策ということで、「公共施設をどんどん利用して下さい」と申し上げました。

そうはいっても、『心理的なバリア』が強くある訳です。

市長、美術館、図書館、博物館などにどんどん御利用いただくのがいいという御答弁をいただきましたけれども、そのためにアナウンスをしていただきたいのです。

目的外利用と言われるのは承知の上でこういう質問をしたわけですが、では博物館、丸1日行くかと。博物館に関心がない方が1日行けるかと、あるいは美術館に関心のない方が美術館に1日行かれるかと。

僕が申し上げたいのは、ある意味『災害』といってもおかしくないような状況の中で逃げ場所がない御高齢の方々や暑さから逃れる場所が無いというような方々に「市の施設でしたら安心して長時間過ごしていただいても大丈夫です」というアナウンスを積極的にしていただきたいということを申し上げました。

ですから、美術館に美術を楽しむために来てくださいではなくて、「避暑のために来ていただいて結構です」と、「むしろ御利用ください」と、「体調を崩すようなことが起こり得ますからぜひ来てください」と、「市民の皆様の税金で運営されている施設ですから、御利用いただけないでしょうか」と、むしろこちらからお願いするような形で健康を守るために避難場所として利用していただくように働きかけてはいかがでしょうかということを質問させていただきました。

市長、もう一度御認識をお聞かせください。

市長の答弁

例えば、市役所のロビーはどなたでも出入りは自由ですけれども、仮に「避暑の為に来てください」と言っても、多分そこには時間を費やすためのものも何もありません。

逆にそういう意味では、図書館であれば「涼しい中で本を読んでください」、あるいは「涼しい中で雑誌を読んでください。涼しい中で視覚の資料を見てください」、そういうような呼びかけ等はできるかとは思いますし、時間を1日ゆっくり図書館で過ごされるという方もたくさんいらっしゃいますから、そういう観点で施設の利用目的に沿った呼びかけにはなりますけれども、そうした呼びかけというのは今後もしていきたいと思っています。

フジノの質問

先ほどから同僚議員の皆さんから「美術館に来てはどうか」という話がありますけれども、美術館もぜひ利用していただいたほうがいいかなとは思うのですが、残念ながら美術館は本当に遠いのですね。

そして、それと同じで市長が御指摘いただいた図書館というのも先ほど原田議員からの質問にもありましたが、なかなか身近な所に無かったりするのです。

その意味でコミュニティセンターなどというのは皆さんの暮らしの場所の近くにあると。そのコミュニティセンターは大したスペースもなくて、そこに時間をつぶせるようなものもなくて、そこで暑さを避けることができるかとおっしゃいましたけれども、僕は前段の質問の中でいすを用意してみたり、スペースを用意してみたり、あるいは安心して過ごせるような何らかの工夫をして、そして呼びかけてみてはいかがでしょうかと質問をいたしました。

もう一度、その点は確認していただいて、どうお考えかお聞かせください。

市長の答弁

まず、コミュニティセンターについては、ふだんの利用状況から見ても、予約をして、とれない方もいる中で、そういうスペースをつくることはまず難しいと思っています。

ただ、コミュニティセンターに図書室が併設されているような場合もありますし、市内3カ所大きな図書館があります。そういう意味では、そういった場所で涼をとりながら読書をしていただくとか、あるいは当然雑誌なども置いてありますから、ゆっくりと時間を過ごしていただくことは、設置目的にもかなっていると思っていますので、ぜひ涼しい中でそういう時間を過ごしていただきたいと思います。

フジノの質問

市長、決して揚げ足取りをするのではなくて、積極的な建設的な議論をぜひしたいと思っているのですが、先ほど市民感覚でいうと災害であるといっても差し支えないというふうに僕は受けとめましたけれども、人が死んだり、救急搬送されているような災害的な状況で、お元気な方がコミュニティセンターを予約して活動している、そういうお元気な活動している方が予約がとれないぐらい込んでいるから、体が弱っている人など、しかもお金を払わない、予約もとっていない人など使えませんよというのは最初の市民感覚で災害と思ってもいいような状況で市民の命を守るという意味ではいかがかと思います。

これは命がかかっている話ですから、今年のような猛暑が起こった時に、もう1年、この一夏体験した訳です。

その時に、市が果たしてお金をかけずにどんな工夫をしたら、どんな知恵を絞れば、暑さの中で苦しんでいる人に少しでも市が力になれるか。それは頭の使いどころ、工夫だと思うのです。

そこに杓子定規で「予約が必要、お金が必要、スペースがとれない」ではなくて、「スペースは用意します」とか、そういったことを工夫してお考えいただきたいと申し上げているのです。もう一度御答弁ください。

市長の答弁

スペースだけがあっても、例えば、1日時間をそこで座って過ごすということは、私は逆に余り現実的ではないと思っています。

そういう意味では、設置目的に従ってということになりますが、コミュニティセンターで図書室が併設されているところもありますし、大きな図書館も3つあります。実際、図書館の中は涼しいです。

涼しい中で涼をとりながら絵のかいてある本を読んだり、子どもと一緒に過ごしたりとか、視覚の資料もありますし、そういう形で時間を過ごしていただくほうが市民の皆さんにとってもよろしいのではないかなと私は考えています。

フジノの質問

心理的バリアのお話をしました。

例えば、ヨコサンスーパーですとか西友ですとか、民間の冷房がきいている施設もいろいろある訳です。でも、そこに本来の目的以外で、例えば買い物を終えた後もずっといられるかといえばいられない訳です。やはりそこには本来の買い物の目的以外の人がずっといるというのはおかしいというような印象があります。

図書館も美術館も博物館もそれは同じです。ただ、民間の施設と公共の施設が違うのは、民間の施設は民間の施設を運営している企業などの持ち物ですが、公共の施設というのは市民の皆様の税金で運営されていて、そして実際に1日中ぎゅうぎゅうに混んでいるかといえば、スペースもある程度はある訳です。

そこで僕が申し上げたのは、そこで1日過ごすのは退屈で現実的ではないというお話がありましたけれども、もう暑さで意識がもうろうとされている方がまず避難していただくための場所を用意していただきたいというお話をしているわけですから、そこで娯楽が必要だとか、そういう話では決してないのですね。

実際、低所得でワーキングプアの方というのはテレビの音がただ流れている中を意識がもうろうとしながら寝ているしかないのです、やることはもともとないですから。次の仕事へ行くまでの時間、何もないですから。

そこでスペースをただ用意していただけるような工夫をしてほしいと。別にスペースを今すぐ用意しろという話ではなくて、来年どんなことができるのかをぜひ工夫していただきたいと。こんな猛暑が来年も来てしまえば犠牲者はもっとふえますよという話をしているのです。

そういった工夫をする余地さえ無いというふうに市長は御答弁されるのでしょうか。

市長の答弁

コミュニティセンター等に待ち合いのためのいすが置いてある場所などもありますし、行政センターにも当然いすが置いてあったり、市役所のロビーにも置いてあったりします。

そこにどういう目的でいらっしゃっているかわからない方が座っていることも時にはある中で、市としてそこに座らないでくださいというふうに申し上げることはありません。

そういう意味では、避暑のためにひょっとしたらそういう利用されている方もいらっしゃるかもしれないですが、基本的にはそうしたスペースをどうしようもなく使われる方がいらっしゃった場合は市として当然とめる、出ていってくれというような話をすることはないですけれども、積極的に呼びかけるかどうかというところについてはやはり図書館など、そういったところにいらしていただいて、涼しい中で読書をするというほうが人間的な生活としていい側面が高いのではないかなと私は思います。

フジノの質問

どうしてわかり合えないのかなというふうに思うのですが、例えば、この本会議場だってふだん毎日ずっと使っているわけでは無い訳です。

そこに、例えば本当に災害の状況の時には市役所だって開放されるわけですから、それと同じようにこれだけの激しい猛暑の中であれば使用してくださいということを例えば議会だって話し合って使えるようにする可能性だって無いとは決して言えない訳です。

僕が申し上げたかったのは、「決して血も涙も無い訳ではないのですから、工夫する余地すら無いのですか?」ということをお聞きしているわけです。

それが繰り返しの意味のわからない答弁を聞いて、苦しんでおられた方々というのは本当にがっくり来てしまうと思うのです。

「工夫する余地は無いのですか?」ということを伺っております。

イエスかノーかで結構ですから答えてください。工夫する余地はないのですか。

市長の答弁

工夫する余地という意味では、議員は「図書館利用に対して心のバリアがある」とおっしゃいました。

例えば、商業施設でも今ゆっくり時間を過ごすようなことができるようなスペースというのが設けられている場所も実際あります。

そういう意味で図書館というのはゆっくり時間を過ごしていただけるような場所ですから、呼びかけの方法として避暑という観点も含めて、ぜひ積極的に図書館を利用していただきたいというような呼びかけというのは工夫の余地という意味ではあるのではないかなと考えています。

フジノの質問

ぜひそういった工夫はしていただきたい。

別にお金をかけろと言っている話ではないのですから。

例えば、民間の方々の努力の助け合いの心というのはすばらしい訳で、市内を回っていると、町内会感にイスを自前で用意してくれて、どうぞ、腰かけていってください。ああいうのありますよね。

ああいうことと同じことを行政もできないのですかという話をしてきた訳です。

目的外利用だとか、そういう杓子定規にとらわれずにある程度の工夫というのは当然できるわけですから、ぜひお願いしたいと思います。

そして、質問は移りまして、『情報発信の必要性』についてです。

市長に一番伺いたいのは、これは僕は『災害』という認識で言いましたから、災害の時の情報発信としてのツイッター。市長、個人的な利用と思うのですが、津波か何かの災害のときに吉田雄人名で情報を率先して流してくださいました。

あれは非常に大事なことなのですが、唯一問題であったのは、市の『公式アカウント』ではない、クオリファイされていないと。

だから、『市長』としての情報なのか、『吉田雄人個人』としての情報なのか分からない。

僕も何らかの情報があればどんどん流しているのですが、それは市議会議員藤野英明なのか、個人としての藤野英明を流しているのかわからないと。

こういうときに、公式アカウントをとって、『横須賀市』がツイッターで情報を流す、ツイッターはすぐに返事が来ますから、それに対してまた返事を出すということはすぐできると思うのです。

災害に限らずと思いますが、この利用についてはいかがですか。

市長の答弁

チリ沖の地震に当たって津波がやってくるという時に、関係部長には招集をかけまして集まっていただきました。

津波はゆっくり来ましたので、そのときそのときの市の対応というのは時間もありましたし、私もツイッターでツイートをして危険の呼びかけで、避難勧告等を発せられた時には発してまいりました。

そういう意味で、ツイッターの一定の役割というのは私自身認識をしているところでございます。

今、広報課のほうでホームページの全面リニューアルということを行っている中で、ツイッターのアカウントの取得や利用についても検討していく必要があると思いますので、すぐにツイッターのアカウントをとって試しに行ってみるというような形のスピード感ではないかもしれませんが、ツイッターの利用については、災害情報の発信、あるいは市政情報の発信という観点で考えていきたいと思います。

フジノの質問

時間がありませんので最後の質問になりますが、ワーキングプア層の方々と実際にお会いになったことはございますか。

僕は今年の夏に初めてそういう暮らしをしている方々に出会って、本当に衝撃を受けたのですが、市長、まずその点だけお答えください。

市長の答弁

世代は違うかもしれませんけれども、ワーキングプアといっていいような方々にはたくさん会ってきました。

フジノの質問

何らかの支援というのは必要と思いますか。

市長の答弁

行政としてできる支援というのは見きわめなければいけないと思いますが、何らかの支援が必要な方々であると私は考えています。

フジノの質問

それでは、最後の質問になりますが、ぜひ何らかの支援が必要ではないかという御認識に立って御検討いただきたいと思いますが、何かを直接給付するとか、そういうようなことに限らずにワーキングプアで苦しんでおられる方々へのサポートもぜひ考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

市長の答弁

市として働いていらっしゃる方々ですから、できるサポートというのは見きわめていかなければいけないと思っていますが、相談事業もそうですし、あるいは商工会議所と一緒になってさらに技能力の強化というようなことなども含めて、できることというのは考えていく必要があると思っています。