2016年6月議会・一般質問

藤野英明です。よろしくお願いします。

発言を求めるフジノ

1.ヘイトスピーチ対策の実効性ある取り組みを本市が行なう必要性について

6月3日、通称『ヘイトスピーチ対策法』が施行されました。

ヘイトスピーチ対策法

ヘイトスピーチ対策法


これを以下『法』と呼びます。

現在メディアでは、在日コリアンに対する
ヘイトスピーチのデモや集会が繰り返されてきた川崎市での公園使用不許可処分などの取り組みが連日報道されています。

2016年6月1日・毎日新聞より

2016年6月1日・毎日新聞より


その為、市民のみなさまとお話をしていても、川崎だけのお話だと受け止めておられる方が大半です。

けれども僕はそのたびに

「違うんです、これは横須賀でも同じく対応が必要なことなのです」

と申し上げてきました。

このまちには在日コリアンの方がたくさん暮らしておられます。

議場におられる先輩・同僚議員のみなさまも、毎日地域で多くの方々とお会いしたり相談を伺う中で、このまちに暮らす在日コリアンの方々と出会っておられるはずです。

一般質問に立つフジノ


僕にとって初めての接点は、中学2年の時でした。

ある日、同級生の女子から

「放課後まちあわせて告白したいことがある」

と伝えられました。

当時14才だった僕は

「恋愛の告白なのか?」

とひとりで緊張しながら待ち合わせた階段で待っていたのですが、実際に語られた言葉は全く異なり

「藤野くんだから告白するけど、私は在日朝鮮人3世なの」

というものでした。

彼女は、小学校時代に在日コリアンだと周囲に知られてからいじめにあったことや、両親からも決して誰にも話してはならないと言われていると真剣な表情で語ったことを、よく憶えています。

それから25年以上経った今も彼女とは話をするのですが、

「今の方が差別は悪化している」

と言います。

差別的な内容の本がベストセラーになるし、電車に乗ればひどい見出しの週刊誌の中吊り広告が嫌でも目に飛び込んできます。

ネット上はさらにひどくて

「ふだんは観ないようにしているのに
たまたま観てしまったツイッターに書かれていた『日本から出ていけ』『殺せ』などの言葉が怖くて、眠れなくなる時もある」

と話してくれました。

今でも彼女は、近所の誰にも絶対に国籍のことは話さないそうです。

また親しくして頂いている70代後半の在日コリアン2世の方から、僕は毎月お話を伺います。

彼は

「桜本や新大久保のヘイトスピーチの言葉を横須賀にいたって、いつも自分に言われていると感じるし、恐怖と悲しみを感じている」

と話してくれます。

今お2人のお話をしましたが、市内の在日コリアンの知人たちはみな今回の法成立をリアルに自分に関わる問題としてとても喜んでいます。

同じまちに暮らしているそんな方々の為にも、国による法施行を大切なきっかけとして、全国の地方自治体が実効性のある対策を取っていくことが我々に与えられた責務だと僕は強く感じています。

特に、数年前からツイッターなどでは、横須賀でもヘイト集会開催の呼びかけが記されることがあり、そのたびに友人たちから

「なんとかやめさせられないのか」

と僕は相談も受けてきました。

集会やデモが小規模で申請も無かったり、メディアには報じられなくとも、横須賀でも不当な差別的言動を行なう人々は存在していて、つまり、川崎だけの出来事などでは全くありません。

だからこそ政治と行政が、しっかりと対策を取っていかねばならないのだと僕は考えています。

一般質問に立つフジノ


そこで市長に伺います。

【質問1】
法の施行を受けて、本市はその理念を実効性ある対策にすべく、どのような検討を行なっていくのでしょうか。

お答えください。


(→市長の答弁へ)


続いて、次の3点について、可能な限り早く取り組むべきだと僕は考えています。

第1に、本市の公園使用許可の判断の在り方についてです。

横須賀市HP「公園の使用・占用等の許可申請について」

横須賀市HP「公園の使用・占用等の許可申請について」


ヴェルニー公園などの公園の使用許可について、本市の場合は『都市公園条例』第19条に『使用許可の取り消し』が定められており、現在もしものことがあれば第19条(5)の「公益上その他市長が必要と認めたとき」の条文を用いて対応することになると思います。

切迫した事態に対して川崎市では法の趣旨に照らして市長が不許可処分を行なったものの、所管部である川崎市緑政部や人権・男女共同参画室はその判断に大変苦慮したと聴いています。

本市の場合、所管は環境政策部公園管理課ですが、その判断を公園管理課だけに委ねるのは難しいと感じます。

【質問2】
そこで、ヘイトスピーチにあたる恐れのあるデモや集会の申請があった時は、憲法が保障する『表現の自由』を最大限尊重するとともに、市民の安全と尊厳を守る為に『法』に基づいて公園使用許可の可否をすみやかに審査し判断する新たな機関が必要ではないでしょうか。

お答えください。


(→市長の答弁へ)


第2に、公園使用不許可処分に反して、集会などが強行された場合の対応なども検討すべきです。

都市公園条例・第6章罰則・第45条(過料)

都市公園条例・第6章罰則・第45条(過料)


現在の『都市公園条例』では、罰則として第45条でいわゆる罰金である『過料』を定めていますが、あくまでも事後の対応です。

目の前で今起きている事態に対応できる実効性のある規定が、ありません。

【質問3】
そこで、新たに「退去を命じる」などの規定を加えるように条例改正を検討すべきではないでしょうか。

お答え下さい。


(→市長の答弁へ)


第3に、神奈川県警と連携した対応についてです。

ヘイトスピーチにあたる恐れのある集会などの為に本市に公園使用許可の申請などがあった時は、神奈川県警とすみやかに情報交換を行ない、連携して対応を取れる体制づくりを検討すべきです。

2016年6月1日・神奈川新聞より

2016年6月1日・神奈川新聞より


5月31日に開かれた神奈川県議会において黒岩県知事は

「神奈川県もヘイトスピーチを許さない」

と明言しました。

【質問4】
神奈川県警と本市とが相互に情報交換を行ない、連携して対応できる体制づくりを神奈川県と協議すべきではないでしょうか。

お答えください。


(→市長の答弁へ)


再質問を一問一答で行なうフジノ

2.あらゆる人種差別の防止と多文化共生に向けた本市のさらなる取り組みの必要性について

先ほどはヘイトスピーチ対策のみについて伺いましたが、法に明記されている基本的施策では、そもそもヘイトスピーチなどが行われない為の教育の充実、啓発活動、被害を受けた方々の相談体制の整備など、包括的な対応が求められています。

1997年に定めた「横須賀市基本構想・基本計画」より

1997年に定めた「横須賀市基本構想・基本計画」より


本市では、『国際海の手文化都市』を掲げており、『差別の防止』にとどまらず、積極的に『外国籍市民の人権』を守る取り組みを行なってきました。

2007年に『横須賀市人権都市宣言』を行ない、2009年には宣言の理念を施策として確実に進めていく為に『人権施策推進指針』を定めました。

「横須賀市人権施策推進指針」

「横須賀市人権施策推進指針」


ここにも『外国籍市民に関する取り組み』を明記しました。

「平成24年度(2012年度会議報告書(横須賀市人権施策に対する意見)」

「平成24年度(2012年度会議報告書(横須賀市人権施策に対する意見)」


2012年には『人権施策推進会議』が、これまでの市の取り組みを検証しましたが、
高い評価を受けました。

一般質問を行なうフジノ


しかし僕はまだまだ取り組みが必要だと感じています。

例えばさきの『人権施策推進指針』では
「外国籍市民に対する取り組み」は9つ挙げられています。

その⑧「外国籍市民の意見を伺います」は、これまでどのように実施されてきたでしょうか。

平成10年からスタートして現在まで続いている「外国籍県民かながわ会議」

平成10年からスタートして現在まで続いている「外国籍県民かながわ会議」


県が開催している『外国籍県民かながわ会議』のように、広く当事者に参加を呼びかけて定期的にご意見をお聞ききする機会はいまだ設けられていません。

また、⑤「外国籍の子どもたちの就学を支援します」とありますが

今年3月の『予算決算常任委員会教育福祉分科会』で僕は

「学齢期の外国籍児童が全員就学していることを把握しているか」

と質問したところ、教育委員会は

「公立学校に在籍していない外国籍児童については就学の有無を調査していない」

と答弁しました。

このまちに暮らすこどもが外国籍であろうが無かろうが、『教育の機会』を保障するのは義務であり、『国際人権規約』に照らせば、調査がなされていないことそのものが問題です。

このような現状をみれば、「先進的な取り組みを実施してきた」と評価されている本市であっても、『差別や偏見を持たずそれぞれが認め合う多文化共生のまちづくり』の実現の為には、たゆまぬ努力を今後も重ねていくことが必要です。

市長に一般質問を行なうフジノ


そこで伺います。

【質問5】
(1) あらゆる人種差別の防止と多文化共生に向けた本市のさらなる取り組みの必要性について、市長はどのようにお考えでしょうか。
 

(→市長の答弁へ)


【質問6】
(2) 現在の取り組みで不十分な点はどのようなことでしょうか。また今後さらに取り組むべきことは何だとお考えでしょうか。

お答え下さい。


(→市長の答弁へ)

3.本市が目指すべき「基幹相談支援センター」のあり方と、開設に向けたスケジュール見直しの必要性について

平成24年4月から障害者総合支援法によって『基幹相談支援センター』を設置できるようになり、すでに全国では多くのセンターが設置されて活動しています。

『基幹相談支援センター』とはどういうものかをご説明します。

社会福祉士や精神保健福祉士や保健師など
専門性の高い人材が配置されて、身体障がい・知的障がい・精神障がい・発達障がい・
高次脳機能障がい・難病など障がいの種別を問わず、
また赤ちゃんからこども、青少年、大人から高齢の方々まで
年齢も問わず、生涯を一貫した相談支援が受けられる、そこに足を運べば、ワンストップで対応してくれる拠点です。

支援が困難な事例にも対応できる専門性の高さを持ち、地域に多数ある相談支援事業者へのアドバイスも行ない、
人材の育成やスーパービジョンも行なってくれます。

権利擁護の為に、金銭管理や
成年後見制度の利用を支援したり、虐待を防止するための虐待防止センター機能も持っています。

さらに、長年にわたって入所施設で暮らし続けてきた、あるいは、何十年も精神科病院に社会的入院をさせられ続けた
障がいのある方々が施設や病院を出て、地域で暮らし続けていかれるように地域の体制整備をコーディネートし、支援をしてくれます。

当事者、家族、福祉サービス事業者、行政機関、保健・医療機関、子育て支援機関、学校、企業、
不動産事業者、介護事業者、など、あらゆる地域の関係機関のネットワーク化をしてくれます。

つまり、横須賀に暮らす障がいのある方々・ご家族・地域の方々が暮らしやすくなる為の障がい福祉のなんでもワンストップ相談センターなのです。

設置するか否かはあくまでも市町村の任意ですが、僕たち障がい保健医療福祉の関係者にとってみれば『絶対に設置すべき存在』です。

ただ、本市は他のまちのように平成24年にすぐに設置はしませんでした。

まず、平成26年度から1年をかけて『第4期横須賀市障害福祉計画(平成29年度までの3か年計画)』を策定しましたが、そこに「平成29年度までに『基幹相談支援センター』の
設置を目指します」と記して、目標年次を定めました。

そして、障がい当事者や関係者のみなさんで構成されている『横須賀市障害とくらしの支援協議会』においてどのようなセンターが良いのかという理想の姿を平成26年から2年半かけて議論して頂いてきました。

これまで僕は、ここでの議論の傍聴や関係者のご意見を聴きながら、
教育福祉常任委員会の質疑で援護射撃をする、「目標年次が近づいているのに取り組みが遅くないか」など、行政の背中を強く押す立場をとってきました。

これが今までの経緯にあたります。

さて、このたび5月24日に開催された『障害とくらしの支援協議会』で議論の結果を最終的にまとめた成果物として『基幹相談支援センターのあり方について(協議会からの意見)』が出され、市に提出されました。

そこには基本的事項として、場所は総合福祉会館、委託料は8200万円、常勤専従の管理者1名、常勤換算で従業者12名以上、事務職員2名以上などの具体的な事柄が記されていました。

一読して僕は、今の横須賀においてこれだけの福祉人材が確保できるとは思えませんでした。 

さらに、今後の本市のスケジュールも記されていて、今からわずか3か月後の今年9月頃までに『基幹相談支援センターの設置に関する事業計画』を作成し、翌10月までに『基幹相談支援センターの設置に関する経費』を平成29年度予算に計上、平成29年度末にセンターを設置、と記されていました。

残念ながら僕は、こんなスケジュールでは、実現できるとは全く思えませんでした。

これまでせっかく2年半もかけて理想の姿を描いてきたのに目標年次が近づいて事務局に焦りが出てしまったのか、とにかくムリのある報告書が出されてしまった、というのが率直な印象です。

実際、協議会メンバー全員が集まった当日の全体会の場では、メンバーの中でも温度差や意見の違いがありました。

にもかかわらず、『協議会の意見』が決定し、議会にも正式な報告が1度も無いままに、これだけの大規模な計画が進められてしまうことに僕は強い危惧を抱いています。

先ほど申し上げた通り、これまで僕は「しっかり早く進めよ」という立場から委員会で
部課長と議論を行なってきた訳ですが、今は率直にセンターの実現性そのものに疑問を感じています。

作りたい気持ちに変わりは無いけれど焦って変なものを作ってしまうなら、むしろ設置すべきではない、と全く逆の立場になりました。

そこで、総責任者である市長の考えを質したいと思います。

まず何よりも問題なのは、事務局が示したスケジュールでは、実際に『基幹相談支援センター』を利用することになる当事者のみなさまの合意形成の時間も機会もありません。

スケジュールを見直して、可能な限り多くの当事者の方々の理解と合意を得ることと、議会への情報提供と十分な議論のもとに進めていくべきです。

そこで市長に伺います。

【質問7】
(1) 本市が目指すべき「基幹相談支援センター」とはどのようなものなのか、そもそも市長ご自身はどのようにお考えなのでしょうか。


(→市長の答弁へ)


【質問8】
(2) 今回『障害とくらしの支援協議会』から出された意見で描かれた『基幹相談支援センター』像を、市長は、現在の本市の社会資源と福祉人材の状況で
 実現可能だとお考えでしょうか。

特に、今回の計画では市の直営ではなく委託をするとしていますが、現在市内にある社会福祉法人や福祉サービス事業所で『基幹相談支援センター』の委託を受けられる存在はあり得るとお考えでしょうか。


(→市長の答弁へ)

 
【質問9】
(3) 委託費だけで約8000万円超規模の計画であるにもかかわらず、現在まで議会に正式な報告は無く、全く議論もされていません。

そもそも、基幹相談支援センターのあり方に対する『協議会の意見』と今後市が作成する『事業計画』は、担当課が予算要求する前に議会に報告を行ない、議会がその内容を十分に精査し、議論できるようにすべきではないでしょうか。


(→市長の答弁へ)


【質問10】
(4) 『障害とくらしの支援協議会』全体会の場でも 意見書案に対して、予算や人員や受託できる法人の有無等いくつもの異論が出ており、議論が十分に成熟した上で 合意を得られた成案とは思えません。

さらに実際に『基幹相談支援センター』を利用することになる当事者の皆さんに求められる存在となるように、まず『事業計画』の段階で、当事者・家族・福祉関係者に対する『説明会』を開催し、ご意見をお聞きする機会を設けるべきではないでしょうか。

また、説明会に参加できない方々の為にも、パブリックコメントのような機会を設けるべきではないでしょうか。


(→市長の答弁へ)


【質問11】
(5) 十分な時間的余裕をもって、
 さらに多くの当事者の皆さまの声を聞き、議会でも多くの議論を行えるように、今期『障害福祉計画』期間内での実現は延期して、平成30年から33年を計画期間とする次期『第5期横須賀市障害福祉計画』及び『横須賀市実施計画(第3次)』期間内での実現を目指すべきではないでしょうか。


(→市長の答弁へ)


以上5点についてお答えください。



4.いわゆる性的マイノリティとされる方々が就職し働き続けられるように、本市がさらなる取り組みを実施し、市内事業者や関係諸機関と連携する必要性について

5月19日、『横須賀市性的マイノリティ意見交換会』を開いて、関係課長が当事者の方々と意見交換を行ないました。

4回目となった「横須賀市性的マイノリティに関する意見交換会」

4回目となった「横須賀市性的マイノリティに関する意見交換会」


過去3回の意見交換会では、すでに本市と接点のある
NPO等の当事者の方々を参加者としてきたのですが、今回は初めて当事者の方を広く公募して、全く初めての方にもご参加いただきました。

さまざまな意見が出た訳ですが、
過去3回と最も違いが顕著だったのは、『就職』『働き続けること』に対して、もっと本市が積極的に取り組んでほしいとの意見が多かったことでした。

そもそも『雇用・労働』は国・県の仕事との先入観から、僕は「いわゆる性的マイノリティとされる方々に関する雇用労働政策は、国・県にもっと積極的に取り組んでほしい」と考えていました。


加えて、近年NPOや企業によって、
いわゆる性的マイノリティとされる立場の学生の為の就職説明会などが開催されていることから、NPOによる積極的な取り組みに僕は期待していました。

しかし、本市への期待の高さを知り、僕は深く反省しました。

改めて数回にわたり当事者の方々に意見を伺い、本市が取り組めることがまだいくつもあることを率直に気づかされました。

この質疑を通してぜひ市長にも問題意識を共有していただくとともに、さらに本市の施策を前進させる為に質問します。

(1) 本市はいわゆる性的マイノリティとされる方々の相談を受ける5つの窓口をリーフレットやホームページで公表していますが、現在は就職や職場に関する相談窓口がありません。

横須賀市HP「性的マイノリティに関する相談窓口の紹介」より

横須賀市HP「性的マイノリティに関する相談窓口の紹介」より


すでに横浜市の男女共同参画センターの
 『性別による差別等の相談』においては、いわゆる性的マイノリティとされる方々の職場での偏見や差別に関する相談を受けていることを明示しています。

男女共同参画センター横浜「性別による差別等の相談」より

男女共同参画センター横浜「性別による差別等の相談」より

【質問12】
本市においても、『市民相談室(社会保険労務相談)』横須賀市産業振興財団の『働く人の相談窓口』等の労働に関する相談窓口でいわゆる性的マイノリティとされる方々が安心して相談できる体制を作るべきではないでしょうか。


(→市長の答弁へ)


【質問13】
(2) 横須賀商工会議所と連携をして、会員企業に対して、いわゆる性的マイノリティとされる方々に対する正しい知識と
情報を提供する機会を設けるべきではないでしょうか。

同時に、性的マイノリティという立場であるが故の就職に対する不安や、企業に求められる配慮や対応について学んでいただく機会を設けるべきではないでしょうか。


(→市長の答弁へ)


【質問14】
(3) いわゆる性的マイノリティとされる方々に対して、現在ハローワークではきちんと対応できる職員が全くいない、との声が大変多かったです。

今後の本市の意見交換会には、『ハローワーク横須賀』『ハローワーク横浜南』からも参加されるよう依頼すべきではないでしょうか。


(→市長の答弁へ)


お答え下さい。

以上で1問目を終わります。



市長の答弁

ご質問、ありがとうございました。

【答弁1】
まず、「ヘイトスピーチ対策法の成立を受けて、今後どのような検討を行なっていくのか」というご質問をいただきました。

いわゆるヘイトスピーチは、特定の民族や国籍の人々などを排斥する差別的行動であります。

『ヘイトスピーチ対策法』が成立したことは、人権尊重の施策を進めるうえで、大変意義深いと考えています。

『法』は、地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めることを『地方公共団体の責務』として定めていますが、本市ではまだ具体的な施策はありません。

まずは『法』の趣旨を、人権擁護委員等と共に、市民に周知啓発していきたいと考えています。


【答弁2】
次に「ヘイトスピーチに当たるおそれのあるデモや集会の申請があった時に、公園使用の許可・不許可を判断する新たな機関が必要ではないか」というご質問をいただきました。

『ヘイトスピーチ対策法』の基本理念の通り、デモ・集会における不当な差別的言動は「許されない行為である」と、私も考えています。

本市の管理する都市公園ではこのような事例は今のところありませんが、今後、ヘイトスピーチに当たるおそれのあるデモや集会が申請された時には、川崎市などの事例を参考に対応していきたいと思います。


【答弁3】
次に「公園使用の不許可処分に反して、デモや集会が強行された場合の対応について」ご質問をいただきました。

デモを含む集会は、『都市公園条例』に基づいて『許可の必要な行為』とされていて、現在でも無許可で集会が強行された場合は、都市公園条例違反として集会を止めさせることができます。

また、許可条件を付すことで、『ヘイトスピーチ対策法』に抵触する行為に対し、集会を止めさせることができます。

したがいまして、現在の『都市公園条例』でも対応可能である為、新たな規定を設ける必要は無いと考えています。


【答弁4】
次に「市内でヘイトスピーチにあたる恐れのあるデモや集会が申請された時は、県警と連携して同一の判断を取れるような体制づくりを検討すべきではないか」というご質問をいただきました。

現在、ヘイトスピーチに当たるおそれがあるデモ・集会が実施されたことはありませんが、今後そのような恐れがある場合は、県警とよく連携をして対応し、協議する場を設けることも考えていきたいと思います。


【答弁5】
次に「あらゆる人種差別の防止と多文化共生に向けた本市のさらなる取り組みの必要性について」ご質問をいただきました。

人種差別の防止と多文化共生に向けた取り組みとして、人権擁護の啓発や講演会、外国人を対象とした生活相談、日本語講座、防災啓発事業の他、様々な交流事業を行なっています。

平成24年度の『横須賀市人権施策推進会議報告書』でも、「他都市と比較しても、先進的かつ積極的な取り組みがされている」との評価をいただきました。

今後も引き続き、このような取り組みを進めていきたい、と考えています。


【答弁6】
次に「現在の取り組みで不十分な点や、今後さらに取り組むべきことは何か」というご質問をいただきました。

本市には言語が異なる約70ヵ国の外国籍の方々が住んでいますが、個々のニーズに充分に対応するのは難しいのが現状です。

しかし、『ヘイトスピーチ対策法』が成立した時代背景を踏まえますと、人権擁護の観点から、人種差別の防止等さらなる人権意識の啓発に取り組む必要があると考えています。


【答弁7】
次に「本市が目指す、基幹相談支援センターについて」ご質問をいただきました。

この『基幹相談支援センター』についての一般的なご説明は、議員のご質問の中にありましたので、私として「特に目指したい」と思う点についてですが、身体・知的・精神など、あらゆる障がい特性に対応できるとともに、事業者等へのスーパーバイズがしっかりとできるような組織にしたいと考えています。


【答弁8】
次に「本市で『基幹相談支援センター』の委託を受けられる存在はあり得るのか」というご質問をいただきました。

『協議会』の意見の案の中で書かれているような、地域の相談支援の中核となる3障がいに対応した高い公共性を持った『基幹相談支援センター』を運営していく為には、地域の関係法人が連携・協力していくことが大切である、と考えています。


【答弁9】
次に「予算要求をする前に市議会に報告し、議会で議論をすべきではないか」とのご質問をいただきました。

『障害とくらしの支援協議会』からの意見はまだまとまっていませんので、これを検討し、意見としてしっかりまとまった後に、市議会に報告し、議論をしていただきたいと考えています。


【答弁10】
次に「市の『事業計画』の段階で、説明会など意見を聞く機会を設けるべきではないか。また、パブリックコメントのような機会を設けるべきではないか」というご質問をいただきました。

『協議会』における検討では、当事者・家族やサービス事業者など、様々な立場の方に参加をしていただき、『基幹相談支援センター』の在り方について闊達なご意見をいただきました。

平成27年8月と11月には、『協議会』以外の一般の方が参加できる意見交換の場を設け、保護者の方から、

「第三者が中立的に話を聴いてくれる場所が必要である」

とか

「たらい回しにされるのではなく、一度、相談としてしっかり受け止めて欲しい」

などのご意見をいただきました。

このように、『協議会』における検討は、様々な立場の方からの意見を取り入れて行われてきた為、改めて説明会を開催したり、パブリックコメントのような機会を設けることは、現時点では考えていません。


【答弁11】
次に「『基幹相談支援センター』の開設時期について」ご質問をいただきました。

『第4期横須賀市障害福祉計画(障害者総合支援法に基づく平成29年度までの3か年計画)』では「平成29年度中の設置を目指す」としていますが、『協議会』からの意見も踏まえつつ、より良い『基幹相談支援センター』にする為に、設置時期につきましては、拙速を避け、慎重に検討していきたいと考えています。


【答弁12】
次に「市の『労働相談窓口』で、いわゆる性的マイノリティとされる方々が、安心して相談できる体制をつくるべきではないか」というご質問をいただきました。

いわゆる性的マイノリティとされる方々が安心して労務相談を受けることができるよう、最初に受け付ける職員の意識啓発はもちろんのこと、相談の対応を依頼している社会保険労務士会等に、理解と配慮をお願いしてまいります。

また、個別の相談における課題は、多岐の分野にわたるケースが多いため、既存の相談窓口との連携を図りながら、対応してまいります。


【答弁13】
次に「『横須賀商工会議所』と連携した性的マイノリティとされる方々に対する正しい知識と情報を提供する機会について、また、企業に求められる配慮などを学ぶ機会について」ご提案をいただきました。

昨年度は、『商工会議所』の不動産部会正副部会長会議で、性的マイノリティの現状等を説明し、『性的マイノリティ講演会』の開催チラシをご案内して、情報提供を行ないました。

今年度は、『商工会議所』との協議の上、全会員企業の方々に『性的マイノリティに関する研修会』のご案内を送付し、引き続き、正しい知識を学習する機会の提供など、周知啓発に努めてまいりたいと考えています。


【答弁14】
次に「今後の『意見交換会』に、『ハローワーク』の職員にも参加するよう依頼するべきではないか」というご提案をいただきました。

『ハローワーク』は国の機関になるので、基本的には独自の取り組みを期待したいと考えています。

しかしながら、多くの市民が利用している『ハローワーク横須賀』には、本市の取り組みを情報提供していきたいと思います。

なお、『ハローワーク』の職員の意見交換会への参加は、当事者のお考えをお聞きしながら検討していきたいと思っています。

以上です。

ここから一問一答方式での再質問となります


フジノの再質問

市長、ご答弁ありがとうございました。再質問を行います。

まず、「『ヘイトスピーチ対策法』の理念を実効性ある対策にすべく本市はどのような検討を行なっていくのか」という質問をいたしました。

改めて市長、「ヘイトスピーチは絶対に許さない」と明言していただけないでしょうか。



市長の答弁

ヘイトスピーチは絶対に認めてはならないものだと思っています。

フジノの再質問

ありがとうございます。

さて、現在までのところ、市長がおっしゃったように、公園・道路を使用しての集会や道路を使用しての大規模なデモは、一切行なわれておりません。

ただ残念なことに、『横須賀軍港クルーズ』などに観光に来るのに併せて、残念ながら誤った行動をとる方々がいらっしゃるのが事実です。

そうした小規模で、そして公園使用許可申請なども取らないような人々がいるのは事実です。

そういった時に、現在、新たな対応を取っていく必要があるんじゃないかという事から、『迅速に対応すべき観点』を提案いたしました。

ただ、公園使用許可の可否について、「審査する機関は特に必要ない」と。「現在の所管部で対応していく。条例の中で対応していく」というお話でした。

ただ実際、本当に公園管理課に、この法の理念に照らして、そして憲法の表現の自由と照らして、審査する。そういう学識経験者とか、そういった第三者の判断というのも必要かと思うんですけれど、今備わっているのか、若干疑問を感じています。

市長、その辺はもう少しご配慮が必要じゃないでしょうか。



市長の答弁

「川崎市の事例を参考にしながら」と申し上げましたのは、まさにその『表現の自由』との兼ね合いの中で、市としてのそういった不許可等の行為というのが、どこまで許されるのか、というところの考え方を持つのが難しかったという点だったと思います。

川崎市の場合は、そこで市議会の皆さんにもご意見を求めて、それを受けた上で、いわゆる市民の代表機関である市議会の総意と合わせてですね、公園使用不許可行為を行なった、とそのように認識をしています。

ですので、第三者機関ということよりも、川崎市の事例では、市議会の皆さんの想いというものを受けて、不許可という判断を下している訳で、こういった取り組みというのがひとつ、参考になる事例になるのではないかと思っています。



フジノの再質問

全国どこの自治体も、手探りの中で地域の実情に合わせて対策を取っていくことになると思います。

そんな中で、僕は横須賀で、事実上行われている小規模なそういった不当な行為に対して、即効性のある対策も必要ではないかという観点から、今質問を行なっております。

公園の管理に関する『都市公園条例』においては、退去を命じるなどの規定が必要ではないかというご提案を申し上げましたが、市長は「現行条例でも対応できる」とのご答弁でした。

ただ、これも同じ質問になります。

「今も止めさせることができる」っていうことなんですが、現実に目の前で集会やデモなどが開催されている場合に、どうやって解散させ得るのか。

公園管理課の職員が行って解散を命じるのか、それとも警察に力を貸していただくのか?

そのあたりは、どのように行なうのでしょうか。



市長の答弁

やはり、警察にもよく相談をしながら行わなければいけない、というふうに考えています。



フジノの再質問

県警と本市が相互に情報交換を行なってぜひ連携して対応をしていって欲しい、というふうに申し上げました。

今のお話からも、いざという時には県警とやはり連携を取るということでした。

ですからぜひ今のうちから、県全体を巻き込んで、もちろん本市だけでなくという意味になるんですが、市長、ぜひイニシアティブを取っていただいて、県と基礎自治体である市町村と、ヘイトスピーチに対してどうやって向き合っていくのか。県と県全体の市町村で、どう対応ができるのか。

そういった事も黒岩知事と話し合っていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。



市長の答弁

実は平成27年度に、ヘイトスピーチの事案ではないんですが、「無許可でのデモが強行される」と、そういった情報が入った際に、警察と連携して止めさせた事例というのがすでにございます。

ですので、ヘイトスピーチについても、今の段階でもですね、そういった連携ができるのではないか、というふうに思っています。



フジノの再質問

ありがとうございます。

では、ヘイトスピーチ以外のあらゆる人種差別の防止と多文化共生に向けた本市のさらなる取り組みの必要性について、改めて伺います。

本市の取り組み自体は「先進的」という評価を受けているのは承知しております。

ただ、「現在の取り組みではまだ足りない点があるんではないか」というふうに僕は市長に伺いました。

今回、事例として2点あげた訳です。

まず、『人権施策推進指針』。

9つの取り組み、これからやっていくべき取り組みというのを書いていただいています。

このうち5番目である『就学支援』。

これが僕は、予算決算常任委員会教育福祉分科会でも質疑をさせていただいたんですが、全ての学齢期にある児童が、外国籍であるか否かを問わず、就学の有無ときちんと把握すべきだというふうに申し上げました。

市長はこの点、今、確認されていないということに対して、どのようにお感じでしょうか。



市長の答弁

なかなか難しい。確認の方法とか、難しいところが実はある、というふうには感じています。

その手法があるのかどうか、私は承知していないんですが、やはり外国籍であることを他人に知らせずに生活をしている皆さんも中にはいらっしゃいますので、ちょっとどのような手法があるのか、私はちょっと承知をしていません。

ただ、とは言いながらですね、やはり日本語ができないとか、そういった理由で就学の機会、就学というか教育の機会を失ってしまうようなことは避けなければいけない、というふうに思っていますので、そういった支援については積極的に行なうべきである、と考えています。



フジノの再質問

ぜひ『総合教育会議』などでも、教育委員会に提言をしていただきたいと思うんですが、どのような質疑だったかというと、「住民票が本市にある学齢期の児童のうち、外国籍の児童の就学の有無を把握しているか」。

つまり外国籍だということ、住民票があるということを横須賀市教育委員会は把握している。ただし、公立学校に通っている児童しか把握していない。

私立に行った方もいるかもしれない。インターナショナルスクールに行った方がいるかもしれない。

けれども僕が危惧しているのは、学校そのものに行っていない子どもがいるんじゃないか、と。

国の調査では約1万5千人、学校に行っていない児童がいるというふうに、すでに分かっております。

その中に横須賀市が含まれているのかどうかを、教育委員会は把握していない、ということでした。

こういうのは絶対に横須賀市の方針としては、あってはいけないと思うんです。

ですから、改めて市長から教育委員会に、この点はきちんと調査をしてほしい。他の町では調査をやっているところもあるんです。ですから、やり方は検討して、研究していただきたい。そしてそれを調査するように指示を出していただきたい、と思いますが、いかがですか。



市長の答弁

調査の方法があるということであれば、ぜひそれは勉強したいなと思います。

ちょっと感覚的には、私立に行っているか、インターナショナルスクールに行っているか、直接のヒアリングというのは少し、やはり人権問題にもなってしまいかねないのかなというふうにも感じますので、ぜひその調査の方法を勉強させていただいて、住民票等を登録しているのは市民部ですので、教育委員会とよく連携して、『総合教育会議』等を待たずに、そういった手法があるのであれば、ぜひ調査に協力をしていきたい、というふうに思います。



フジノの再質問

もう1点、事例としてあげたんですが、外国籍市民の方々の声を定期的に自由に聴かせていただくという機会を、ぜひ設けていただきたいということ。

これはすでに神奈川県では毎年開催をしています。

平成10年からスタートして現在まで続いている「外国籍県民かながわ会議」

平成10年からスタートして現在まで続いている「外国籍県民かながわ会議」


当然、「横須賀市でもその仕組みを検討していく」というふうに『人権施策推進指針』には書かれている訳ですが、すでに作成から何年も経過してしまいました。

そろそろ実際に取り組みを進めるべきかと思いますが、加速化させていくご意思は、おありでしょうか。



市長の答弁

外国籍の方を排除したような『車座会議』とか存在はしていませんし、『出前トーク』等も決してそういったもので排除するということはありません。

ただ、特化してお聴きする、ということに関しては、日頃様々なご相談も受けてくださっている『国際交流協会』の皆さんとの意見交換を通じてですね、外国籍の方々の声をいうのを我々、把握をしている、というようなところです。

ですので、どのような形・現在のやり方がいいのか。ちょっとその辺も含めてですね、この『人権施策推進指針』に検討していくというふうに書かれていますので、これはその手法も含めて検討していきたいと思います。



フジノの再質問

『外国籍県民かながわ会議』というのは、本当に広い、神奈川県全体から外国籍県民の方を集めて声をお聴きする。

残念ながら、地域の実情に合った声をお聴きするというよりは、広く薄まった声をお聴きするというような状況だと、僕は議事録などを読んでも感じております。

ですから僕が求めているのは、「横須賀市にお住まいの外国籍市民の方に広く意見をお聴きしていただきたい」と、そういうことを望んでおります。

先ほど市長は「外国籍の方を排除した車座会議はしていない」とおっしゃいましたが、それは当たり前です。

そうではなくて、こちらにすでに記してある通りに、『外国籍市民の方の声を、広く取り入れる』。その為に、お聴きする機会をつくる。

そういった取り組みを加速してほしいというふうに申し上げました。改めてご答弁をお願いします。



市長の答弁

その仕組みや手法というのを、ぜひ検討してみたいと思います



フジノの再質問

検討すると同時に加速化させていただきたいというふうに思います。



フジノの再質問

続いて、障がいのある方々にとって、必要不可欠な『基幹相談支援センター』について質問を行ないました。

再度質問します。

市長、僕が説明したからといって、省かないでください。

市長ご自身がお考えになる、理想の『基幹相談支援センター』像をもう1度、市長のお言葉で語っていただけないでしょうか。



市長の答弁

やはり、身体・知的・精神、そういったものに包含されるような障がいだけではなくて、あらゆるですね、障がい特性に応じた相談体制というものが、ワンストップで取られる。

そしてその上で、各事業所に対してのスーパーバイズができるような、そういったセンターにしていかなければ、やはり意味がないのではないか、というふうに思っています。



フジノの再質問

制度の隙間に絶対に落ちない。それから生涯を一貫して、どんなことがあっても、そこでは専門性の高い方々が対応してくれる。そしてワンストップで対応できる。

そういう理想的なセンターを、横須賀市では一緒にぜひ作っていきたいというふうに僕は考えています。

そこで、その為の、横須賀市は『委託』を考えております。『直営』ではなくて、『委託』を考えております。そこで、その『委託』を受けられる可能性のある事業者が、現在の本市の社会資源と福祉人材で実現可能か?、と。

現状でお答えいただきたいんですが、市長はどうお考えになりますか。



市長の答弁

事業者へのフォーマルなヒアリングというのがあった訳ではないですが、当然、センターを委託する際にはプロポーザル等による公募が望ましいと私、考えていますが、その時に、いわゆる工事等で行うようなジョイントベンチャー的な応募を認めたほうがいいのか、或いは、いち社会福祉法人で応募していただいて、その社会福祉法人の先で、ですね。様々な連携などをしていただくのが良いのか、そういったまず考え方を少しまとめていく必要があるな、というふうに思っています。

ですので、単体で委託を受けられる社会福祉法人があるかと言ったら、やはり連携をしながらであれば、あると答えられると思いますが、本当に単一の社会福祉法人だけで、市内でやろうとしたら、私の知る限りでは、ちょっと難しいかな、という感覚を持っています。



フジノの再質問

全く同感です。

そんな現状があるので、市内の関係者の皆さんは大変危機感を抱いています。

中には、市長がおっしゃったように、ジョイントベンチャーのようにオール横須賀で、市内のすべての相談支援事業所を巻き込んで、新たな一般社団法人を作ろう、といった動きも実際に起こっているようです。

とにかく、一番みなさんが危惧しているのは、このセンターを作るために、今働いている各事業所から、人材を引き抜いて、そしてこのセンターを実現させるしかない、と。

もしもこの計画のまま、このスピード感で動いてしまったならば、作るためには人材を引き抜くしかない。

ただでさえ福祉人材が足りない横須賀なのに、各事業所から引き抜きをする。

そうすると、今受けている相談支援が受けられなくなったり、結局、当事者の方々にとってはマイナスな作用が起こってしまうセンターになってしまうんです。

ですから僕は、スケジュールの延期を考えているんですが、まず市長は、「単体では難しいから」と。そこは僕も全く同じ考えです。

ジョイントベンチャーなどを認めていくべきではないかというふうにお考えだと。これも、僕も全く同じ考えです。

ただ、やはり繰り返しになるんですが、スケジュール感をぜひ、一緒に波長合わせをしていただきたい、というふうに思っております。

例えば、『計画』を市が9月に作成することになっています。わずか3か月後です。

『事業計画』を3か月後に作ることなんて、本当に出来るんでしょうか。中途半端な『計画』が出来てしまうんじゃないでしょうか。



市長の答弁

まず今、この『障害とくらしの支援協議会』の中で意見、なかなか最終的にまとまっていない状況でして、こちらをまとめていただく必要があると思っています。

ただ、すでにご覧になられていると思いますが、この意見の中ではずいぶん突っ込んだ内容も書かれている中で、これをベースに仕様書等を書いていくことは出来るだろう、というふうには思っています。

ただ一方で、課題というのは、人材面の課題だけではなくて、存在しているというふうに私は思っていまして、今、行なっている『委託相談支援』ですね。

この『委託相談事業所』、4事業所ある訳ですが、こことの関係をどうするかということが、実はこの意見の中でも、私は結論付けられていないというふうに思っています。

やはりこの4事業所にこれまでやってきていただいた中で、その事業所の意向なども把握しながら、実際の公募のスケジュールというものを考えていく必要がある、というふうに私は考えています。



フジノの再質問

市長、その点も全く同感です。

4委託相談支援センターとの関係をどうしていくかなど問題は多々あります。

ですからまだ、協議会の意見も成案となっていない、と市長、おっしゃった通りで、議論が熟しきっていない。

だから、見切り発車したら絶対にまずいんです。

その意味で事業計画が9月に作れるはずがない、というふうに申し上げました。

ですから、しっかりと議論を整理して、僕は4委託相談支援センターとの温度差も正直、感じています。

協議会の皆さんの考え方、それから相談支援センターの考え方も、かなり違いがあるというふうに感じています。

ましてや『協議会』の存在を知らないような当事者のみなさんは、こんなことが進んでいることも知らないと思うんです。

ですから、もうちょっと時間をかけて議論を成熟させて、せめて『協議会』の中だけでも意見がまとまるようにしてから、そこから『事業計画』を作っていくべきだというふうに思いますが、このスケジュールのままでおすすめになるんでしょうか。



市長の答弁

決して、1問目の答弁でも申し上げましたが、現在の、平成29年というスケジュールにはですね、拘らず、拙速にならないように進めていく必要性があるというふうに認識をしています。



フジノの再質問

ありがとうございます。

そして、1回目の答弁でもいただいたんですが、もう1度、ぜひお約束していただきたいことがあります。

この『協議会』の意見が成案になった場合、それから・・・

その前にひとつお礼を申し上げなければならないんですが、この『報告書』。それから『協議会の意見』も含まれているんですが、これを「ぜひ全議員に配布をして欲しい」というふうに申し上げたところ、福祉部長に協議していただきまして、全議員向けの議会内欄に情報を掲載していただきまして、ありがとうございました。

『協議会』の会長も、市長、そして市議会に情報提供をして欲しいというふうにその場でおっしゃっておりました。傍聴していたひとりとして「絶対にこれは市長にも市議会にも情報を提供すべきだ」との考えでしたので、会長の想いというのが汲んでいただけた、というふうに思っています。

さて、質問に戻りますが、ぜひお約束していただきたいこととして、この『協議会の意見』が成案になった時、そして、市が作成する『事業計画』が完成した時は、必ず議会に報告をしていただきたい。

そして、議会が議論をできるように、情報提供をしていただい、と思いますが、お約束していただけますか。



市長の答弁

策定を目途に、議会に報告をしていきたいと思っています。



フジノの再質問

続いてもう1点、大変気になることがありましたので、質問いたします。

すでにこの協議会の意見を作るにあたって、当事者やご家族の方々から、ご意見を伺っているというふうに市長、おっしゃいました。その通りです。

ただ、僕が申し上げているのは、『事業計画』が完成した段階で、議会にも情報提供をしていただきたいし、利用することになる当事者の皆さん、ご家族、福祉関係サービス事業者の皆さんにも、説明会を開いたり、ご意見を伺って、つまりパブリックコメントをいただくような機会なども設けて、そして『事業計画』について、ご意見を伺うべきだというふうに申し上げました。

この『協議会の意見』に盛り込まれているというのではなくて、『事業計画』に対する意見聴取をぜひ行ってほしい、という提案です。

再度、ご答弁をお願いいたします。



市長の答弁

事業計画に応募していただけるような事業者からは、関心をもってその事業計画案などは見て頂けるというふうに思っていますが、それ以外の方々に、その『事業計画』そのものをお見せしていくというのは、なかなか、これまでもすでにそのプロセスを作ってまいりましたので、その必要性は、そんなに高くはないのではないかなと思います。



フジノの再質問

市長、それはやはり違うと思います。

この『協議会の意見』というのは、理想像です。

実際に、『障害とくらしの支援協議会』に出席している市の職員もその場で申していたんですが、

「これはあくまでも理想像であって、事業計画はさらに現実的な姿に変わっていく」

というふうに述べていました。

例えば僕、これは本当に理想的だと思うんですけれども、常勤換算で従業者12名以上と書いてあるんですけれど、その従業者のうち、常勤かつ専従の相談支援専門員が10名以上。12名のうち10名以上も常勤かつ専従。しかも6名以上は社会福祉士・または精神保健福祉士でなければいけない。

4名以上は相談専門員としての実務経験が5年以上かつ900日以上であること。

従業者のうち、保健師が1名以上必要。

さらに、特別支援学校教諭免許状を有していて、教職員としての実務経験を有する職員が1名以上必要。

これ、素晴らしいですよ。

ただ、これを『事業計画』に落とし込んでいくときに、この夢の『計画』が、本当に『事業計画』に反映されるかといえば、かなり違う姿になってくると思うんです。その『事業計画』、現実的なプランが出てきたときに、ご意見を伺うというのは、決して、不必要なプロセスではなく、むしろ必要なプロセスだと思うんですが、いかがですか。



市長の答弁

その、意見をお伺いする方の対象というのは、精査する必要があるかなというふうに思っています。

確かに、この10名以上というのは、一応、常勤換算という形になっていますが、正直、本当に夢のような人員配置が書かれている訳で、実際に公募する際の仕様書にここまでの数字を落とし込めるか。

当然、応募いただかなければいけない訳ですから、そのハードルを、いろいろなヒアリングを繰り返しながら下げるということも、当然、必要になってくると思います。

ですので、なかなか、繰り返しになりますけれども、こういった契約行為でございますので、仕様書や事業計画書そのもののですね、中身について、なかなか意見を聞くプロセスというのを挟み辛いところがあるというのはぜひご理解いただいたうえで、ただ、なんらかの手法でご意見をお聴きしていく。

あるいは、この協議会の皆さんに、少なくとも意見をいただいたうえで、「こういった仕様で発注をしていきたい」というような内容を、一度ご覧いただくことなどは、検討してもいいのではないかな、というふうに思います。

(市長の答弁を受けての再質問は後日掲載いたします)