2012年12月臨時議会・質疑

藤野英明です。よろしくお願いします。

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葉山町ごみ処理広域化脱退損害賠償請求事件の第二審判決を受けて、市長は上告を求めて議案第150号・訴えの提起を提案しました。

しかし、上告しても判決が覆る可能性は低く、市民のみなさまに何の利益も与えないどころか、三浦半島全域に暮らす方々に不利益を被らせる可能性が高いと僕は判断しました。

そこで、以下の数点について市長の見解を伺います。

1.今年1月の葉山町長交代は本訴訟を早期解決に向かわせる好機だったはずだが、その為に吉田市長は、どのような取り組みをしたのか。

蒲谷前市長が起こしたこの訴訟は、三浦半島という狭い地域で隣り合う行政組織が訴えあう、住民不在の不毛な裁判でした。

本来、市長が交代した時点で訴訟を終えるべきでしたが、吉田市長は判断を誤り、訴訟を継続させました。

しかし今年に入って、もう1度チャンスがやってきました。

葉山町長の交代です。

今年1月の葉山町長選挙において山梨崇仁候補が掲げたマニフェストには、「ごみ処理」についてこのように記してあります。

「葉山町には最終処分場がありません。中間処理である焼却炉を含め、近隣自治体とのパートナーシップ、事業連携で安定的なごみ処理体制を再構築します」

森英二・前町長の押し進めたごみの単独処理からの方針転換を明確に打ち出していました。横須賀・三浦との訴訟も継続したくないという考えです。

つまり、町長交代を受けて、市長と新しい葉山町長が解決に向けてお互いに努力をすれば、住民不在の不毛な裁判をもっと早く終わらせることができたはずなのです。

そこで、これまで吉田市長は解決に向けてどのような取り組みをしてきたのか、次の4点について伺います。

【質問】
(1)今年1月に山梨崇仁氏が葉山町長に就任した後、この訴訟に関わる問題について、市長は葉山町長と直接に会って意見交換を行なったのでしょうか。

【質問】
(2)意見交換を行なったのであれば、いつどのような形で行ない、どういった内容を話し合ったのでしょうか。

【質問】
(3)意見交換をしていないのであれば、その理由は何故でしょうか。

【質問】
(4)葉山町長の交代後、本訴訟を早期解決に向かわせる努力として、市長は具体的にどのような取り組みをしてきたのでしょうか。

お答え下さい。

2.第二審判決が出た12月19日、市長を訪問した葉山町長の面談を拒否した理由は何故か。また、市長の対応に問題はなかったか。

第二審判決が出た12月19日、葉山町長は横須賀市役所と三浦市役所を訪れました。葉山町長はその理由を「町として争う意思は無く、誠意を示そうとして訪れた」と報道陣に述べています。

けれども、三浦市長は市長不在との理由から、横須賀市長は面談を拒否し、どちらの市長とも面談できませんでした。

テレビや新聞で報じられてこれを知った多くの市民の方々が驚きました。

住民不在の不毛な訴訟を終わらせる為には、トップ同士が腹を割って話し合うことが大切であるにも関わらず、市長という責任ある立場の人間が「会いたくない」と面談を拒否することはあってはならない、と僕は強い疑問を感じました。

面談を拒否した意図がどこにあったのか全く理解できませんので市長に、以下の6点について伺います。

【質問】
(1)事前に連絡が無かった為に葉山町長との面談を市長は拒否したと報じられていますが、それは事実でしょうか。

【質問】
(2)12月19日に第二審判決が出るとのスケジュールはこの訴訟の関係者は誰もが前もって知っている公然の事実であるにも関わらず、あらかじめ葉山町長(あるいは葉山町の事務方)から吉田市長に面談してほしいとの打診は事前に一切無かったのでしょうか。

【質問】
(3)12月19日の午後は、わずか数分間の面談が実現できないほどに市長は過密なスケジュールだったのでしょうか。葉山町長の来庁前後の市長の日程は具体的にどのようなものだったのか、総務部長、お答え下さい。

【質問】
(4)日程が理由ではなく、あえて面談を拒否したのでしょうか。もし何か戦略的な意図があって、あえてそうしたのであれば、面談を拒否することで横須賀市長は葉山町長にどのような意思を示す意図があったのでしょうか。

【質問】
(5)面談拒否を報道で知った多くの市民の方々は、むしろ吉田市長の大人気ない対応に深く失望している現状をどのように受け止めているのでしょうか。

【質問】
(6)葉山町長の訪問が突然の事だったとしても、あえて市長は会う時間を割くべきだったのではないでしょうか。

ここで過去の経緯を1つ挙げます。

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訴訟において横須賀市はごみ処理広域化の枠組みからの脱退にあたって葉山町が「取るべき手続きを踏んでいない」と主張してきました。

一方、葉山町は手続きを踏んだと主張しています。

それは、そもそも平成20年に葉山町がごみ処理広域化の枠組みから脱退した時、葉山町長の面会の求めに蒲谷前市長が応じることができず、かわりに副市長が面会をしたことに起因しています。これをもって葉山町長は、広域化の枠組みを脱退するにあたって「取るべき手続きを踏んだのだ」と主張したのです。

こうした過去の経緯を考えれば分かるように、会わなかったことが『脱退』という相手の真意を汲めずに、結局は、訴訟へとつながりました。

吉田市長の今回の面談拒否という対応は、前市長と全く同じ轍を踏んでいます。

しっかりと葉山町長に会って、腹を割って対話を重ねて、お互いの妥協点を探して努力するという対応こそが、必要だったのです。

つまり、市長は相手方に非があろうがなかろうが、葉山町長と面談をすべきだったのではないでしょうか。

お答え下さい。

3.有権者の負託という選挙結果に基づく政治情勢の変化を「司法」が判断することの『限界』について、自らもマニフェストを掲げて当選を果たした吉田市長はどのように考えているか。

そもそもこの訴訟を起こしたことそのものが間違っていると僕が考える理由の1つは、「政治」と「行政」が本来の働きをせずに安易に「司法」に判断を委ねたからです。

本来は、「政治」が決着をつけるべき課題を「司法」に判断させることは「政治」の努力不足です。

また、行政組織である市役所と町役場が対立して自らの努力では問題を解決できずに「司法」に判断を委ねることは「行政」として敗北です。

吉田市長は政治家であると同時に行政のトップでありながら、自ら解決する努力を放棄して「司法」にその判断をあおぐという安易な選択をしたのは、政治家としても行政トップとしても失格です。

市長ご自身はその意味を理解しておられるでしょうか。

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今回、高等裁判所の第二審の判決文を読んで、政治・行政の判断に対して司法が価値判断を下すことの無理を改めて痛感しました。

具体的には、13ページ6行目から9行目にこう記されています。

「地方公共団体の施策決定の基盤を成す政治情勢の変化をもってただちに前記のやむを得ない客観的事情にあたるものと解すべきではない」

分かりづらいので僕の言葉で言い直しますと、

「選挙で町長が交代したからといって政策を変えるということはやむを得ない事情とは言えない」

と高等裁判所は判断した、ということです。

けれども、それは間違っています。

そもそも選挙とは、これまでの政策を続けるか、それともその政策を変えるべきか、という有権者の選択の場です。

その有権者から投票という形で負託を受けた新しい首長が自らの掲げた選挙公約やマニフェストに基づいて、それまで継続されてきた政策を大きく転換する可能性があるということは当然の前提なのです。

継続されてきた政策を転換することで、新たな利害やトラブルが当然ながら発生します。

そうしたリスクにも関わらず、政策を変えることができるのは首長の決断には選挙によって民意という正当性が付与されるからなのです。

こうした選挙によるダイナミックな政策転換こそが民主主義の根本的な原則だと僕は信じています。

それを今回の判決文のように「司法」が「やむを得ない客観的事情にあたるものと解すべきではない」と判断を下したことは、「司法」の越権だと僕は考えています。

また、選挙による有権者の選挙公約・マニフェストへの負託が軽んじられた司法判断だと僕は考えています。

そこで市長に伺います。

【質問】
自らもマニフェストを掲げて当選を果たした吉田市長は、第二審判決文の当該部分について、どのように考えているのでしょうか。

お答え下さい。

4.訴訟を続けることは、三浦半島全体に不利益をもたらすのではないか。

僕がこの訴訟そのものに反対してきた理由の1つは、行政組織同士の対立は住民に不利益をもたらすからです。

地図の上では行政組織ごとに境界線が引かれていても、実際に暮らしている住民にとって、三浦半島の中に境界線は存在していません。

葉山町・横須賀市・三浦市を含めた三浦半島は一体のもので、歴史的・文化的にも相互に深くつながっており、経済的にも密接な関係にあります。

湘南とも横浜とも違う、半島という地域特性によって、1つの存在としての一体感を持っています。

さらに市や町の枠組みを超えた半島全体での取り組みも実際に増えています。

具体的に保健医療福祉分野で例を挙げれば、三浦半島は1つの「2次医療圏」であり、1つの「障がい保健福祉圏域」であり、1つの「高齢者保健福祉圏域」です。

「横須賀三浦障がい保健福祉圏域自立支援協議会」や「三浦半島地区メディカルコントロール協議会」などの組織も協同で設置しています。

1つの自治体では対応することが不可能な保健医療福祉サービスを圏域全体で協力して対応しなければ、住民のいのちと暮らしは守れないからです。

三浦半島はひとつになって、お互いに力を合わせて協力しあっていかなければ、この厳しい経済社会状況の中、共倒れになるだけです。

それにも関わらず、すでに4年間にわたって、半島の中で訴訟を続けていることは明らかに異常事態です。

訴訟の結果、見かけ上は賠償金が得られるとしても、実際には狭い半島の中で「葉山地域」の住民の税金が「横須賀地域」に移動するだけのことで、商業的な付加価値も生まなければ、何の経済効果も無く、納税者にとっては全く無意味です。

上告していたずらに訴訟を続けることは住民の想いとかけ離れているばかりか、

保健医療福祉をはじめとする三浦半島圏域で一体となって行なわねばならない取り組みにも、悪影響を与えるのではないかと強い懸念を抱いています。

【質問】
市長は、こうした懸念の声にどう答えるのでしょうか。

お答え下さい。

5.この訴訟は具体的に市民にどんな利益をもたらすのか。

上告をして訴訟を続けた末に、市民にどんな利益がもたらされるのか、全く見えません。

街角でも、井戸端でも、市民は誰もこの訴訟を話題にしません。

訴訟の内容そのものを説明しても、上告など誰も望んでいないのが現実の市民の声です。

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そして、こんな裁判に対しても市民のみなさまからお預かりした大切な税金が使われていることに強い怒りがあります。

あえて税金を投じてまでこんな訴訟を継続する必要性は無いと僕は断言します。

こうした僕の意見に対して、そして市民のみなさまに対して、市長はどう説明するのでしょうか。

【質問】
(1)上告しなかった場合、本市が受けられる賠償金額はいくらなのでしょうか。また、上告しなかった場合のこれまでの訴訟に関わる総費用はいくらでしょうか。

【質問】
(2)上告して敗訴した場合、本市が受けられる賠償金額はいくらなのでしょうか。また、上告して敗訴した場合の訴訟に関わる総費用はいくらになる見込みでしょうか。

【質問】
(3)吉田市長は、この訴訟を続けることが市民にどのような利益をもたらすと考えているのでしょうか。

【質問】
(4)吉田市長は、上告しても敗訴した場合、市民に不利益を与えることになるとは考えていないのでしょうか。

以上お答え下さい。

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質問は以上ですが、議案について、最後にひとこと申し上げたいことがあります。

こんな訴訟を続けることで、市役所の職員が何名もかかりきりになり、担当者、課長、部長、副市長、市長、そして市議会議員と多くの人間の大切な時間がこれに費やされてきました。

相手方の葉山町でも、三浦市でも同じようにたくさんの人間がこの訴訟に時間を奪われています。

さらに今日はこうして臨時議会まで行われています。

本当であれば、もっと他の仕事に費やすことができた貴重な時間が失われてしまいました。

これだけ多くの人間がこの問題でこれまでに費やした時間を金額に換算したら、税金が一体いくら不毛に浪費されたことになるのでしょうか。

何千万円どころでは無く、何億円にものぼると思います。

この訴訟は人件費がムダになったから賠償しろという内容ですが、この訴訟をしていることそのものがむしろ、人件費の壮大なムダになっていることを理解すべきです。

市民のみなさまは、我々政治家に対して、もっと意義のある仕事をしてほしいと望んでいるはずです。

市長が議案を出してきた以上しっかりと質疑は行ないますが、

「こんな議案を審議する為に僕は政治家になったのではない」

と、とても虚しく感じます。

被災地のがれき受入問題、そして今、漁網受入問題でも、吉田市長の対応のまずさによって、地域に暮らす人々はお互いに疑心暗鬼になりました。地域の絆が損なわれかねない苦しい状況に追い込まれています。

地域を守る、人々の絆を守ることが本来の政治家の仕事のはずです。

かつて2009年の所信表明演説で吉田市長は、三浦半島の「半島文化」について述べて、0468の市外局番を持つ三浦半島で暮らす我々を『三浦半島人』と呼びました。

そんな吉田市長の本来の仕事はその『三浦半島人』の絆を守ることではありませんか。

この小さな半島の中でお互いに争いを続ける為の議案を出す為に吉田市長は市長になったのでしょうか。

吉田市長は何をすべきだと信じて市長になったのか、初心に帰ってほしいと切に望みます。

市長の誠実な答弁を期待して、これで僕の一問目を終わります。

市長の答弁

御質問ありがとうございました。

まず、2012年1月に山梨崇仁氏が葉山町長に就任した後に、この訴訟にかかわる問題について葉山町長と直接に会って意見交換を行ったのか、また行ったのであれば、いつ、どのような形で行って、どんな内容だったのか、意見交換をしていないのであれば、その理由はなぜか、また葉山町長の交代の後、本訴訟を早期解決に向かわせる努力としてどのような取り組みをしてきたかということについては、まとめさせていただき回答いたします。

本訴訟に関して葉山町長と意見交換を行ったことはありません。

意見交換を行わなかった理由は、本訴訟に関しては裁判で係争中であったためです。

また、山梨町長も当選証書の授与式の後の記者会見で、司法の問題は司法で決着させなければならないと発言されていたためでもあります。私も裁判において決着させるべきものと考えていました。

次に、事前に連絡がなかったために葉山町長との面談を拒否したと報じられているが、それは事実か、また12月19日に第二審判決が出るとのスケジュールは公然の事実であるにもかかわらず、あらかじめ葉山町長から面談してほしいとの打診は事前になかったのかということについて、あわせて回答いたします。

まず、あらかじめ葉山町長から面談に関しての連絡はありませんでした。

しかし、連絡がなかったから面談しなかったわけではありません。

本訴訟に関しては、自治体間同士の係争中であり、今このタイミングでお会いすることは適当ではないと判断をし、お会いしませんでした。

次に、12月19日午後の葉山町長来庁前後の日程については、総務部長から答弁をいたします。

次に、日程が理由でなく、あえて面談を拒否したのか、そうであれば、その面談を拒否することでどのような意思を示す意図だったのかという御質問をいただきました。

繰り返しになりますが、この訴訟に関しては係争中であり、あくまでも裁判において判断されるべきものであると考えていました。

次に、面談拒否を報道で知った多くの市民が失望している現状をどう受けとめているのかという御質問をいただきました。
 
私としては、面談をしなかったことで与えた心証よりも、市がこうむった損害をしっかり賠償してもらうことが市民の利益につながることになると考えています。

次に、葉山町長の訪問が突然のことであったとしても、あえて会う時間を割くべきではなかったかという御指摘をいただきました。

繰り返しになりますが、本訴訟は自治体間の係争中であるということもあり、お会いすることは適当ではないと考えていました。

次に、選挙結果に基づく政治情勢の変化を司法が判断することについてどのように考えているかという御質問をいただきました。

みずからの選挙公約やマニフェストを掲げて当選したことは、それらは有権者の負託を受けたものであると理解をしています。

しかしながら、選挙公約やマニフェストが他の自治体の将来に影響を与える場合には、司法が判断することも必要であると考えています。

次に、訴訟を続けることは三浦半島圏域一体となって取り組んでいるものに悪影響を与えるのではないかという御質問をいただきました。

本訴訟はごみ処理の広域化に限っての係争であり、ほかの広域連携の業務まで波及しないよう、慎重に取り組んでまいります。

次に、上告をしなかった場合の賠償金額は幾らか、また上告しなかった場合のこれまでの訴訟にかかわる総費用は幾らかという御質問をいただきました。

上告しなかった場合の損害賠償金額は330万円です。これまでの訴訟にかかわる総費用は513万1,660円です。

次に、上告をして敗訴した場合の賠償金額は幾らか、また上告して敗訴した場合の訴訟にかかわる総費用は幾らになる見込みかという御質問をいただきました。

議員がおっしゃられている敗訴とは棄却と思われますが、最高裁判所に上告した場合、最高裁判所での判決、高等裁判所差し戻し、そして棄却の3つの判断が想定されます。上告して棄却された場合の賠償金額は、二審での判決の330万円が確定されます。上告をした場合の訴訟にかかわる総費用は、今まで訴訟にかかわった費用513万1,660円と上告費用66万9,600円と合わせて580万1,260円を見込んでいます。

次に、この訴訟を続けることが市民にどのような利益をもたらすと考えているか御質問をいただきました。

上告をして最高裁判所の判断により人件費の損害が認められることによって、本市がこうむった損害額が少しでも補てんされると考えています。

次に、市民に不利益を与えることになるとは考えていないのかという御指摘をいただきました。

上告費用66万9,600円がかかることになるとは思いますが、それをもって市民に不利益を与えることにはならないと考えています。

私からは以上です。

総務部長の答弁

12月19日午後の具体的な市長日程について御質問いただきました。

葉山町長の来庁前後は、市長は庁内の会議を行っておりました。

フジノの質問

すみません、総務部長、具体的にどのようなスケジュールかという質問をしたのですが、庁内会議をしておりましたというような答弁でもって具体的に詳しくお答えいただいたとは受けとめられません。

総務部長の答弁

大変失礼いたしました。

庁内の会議、打ち合わせなのですけれども、この日は、この時間帯は政策推進部と基地周辺地区の対応についての協議をしていたということです。

フジノの質問

総務部長、ありがとうございます。

その件については、副市長が外務省を訪れる、あるいは政策推進部長が南関東防衛局を訪れる等、いろいろな決断を迫られる場面であったというのは理解できます。

答弁に関して、市長も含めて、まとめてお答えしますといった簡潔な答弁を必要以上に心がける場面が多いと思いますが、しっかりとした説明責任をぜひ果たしていただきたいというふうに考えております。それは議会の皆さんが思っていることだと思います。

では、最初から順番に再質問をしてまいります。

まず、新たに隣町の町長が選挙の後、マニフェストでは前町長の方針を変えて半島一体で共同していきたいというような姿勢をとっていた。

これは当然のことで、もともと2市1町で広域処理を行うということ自体が横須賀市そのものにとってのメリットはむしろ少なく、半島内の三浦市や葉山町などをある意味救うための横須賀市が犠牲を払う、それが半島として一体でごみ処理をしていこうという枠組みだったというふうに理解をしております。

ですから、将来的にはこの訴訟が終わった後、また葉山町長の方針が出た後、場合によっては復帰を望むような声が葉山から出てくるかもしれません。

そういった事態をも想定した上で、我々はこの訴訟も考えていかなければいけないというふうに未来志向で考えていってほしい、そして私たちは考えていかねばならないというふうに考えています。

そんな中、早期解決の努力を市長は行ったかという質問に対しては、係争中を理由に、一切この件については意見交換をしないということでした。

議会の表の場で答えられることではないのかもしれませんが、完全に没交渉ということは政治が起こしてはいけないことだと思っています。

例えば、仮に国と国との間の外交交渉で国交がない国であっても、民間レベルの何らかの交渉をすることでパイプをつないでいく。

僕は、当然そういった答弁には、難しいレベルも含めてお聞きしておりますので、そういう部分については答えられないところもあるかとは思います。

けれども、市長御自身がそういう態度をとられるとしても、事務レベルでは今後の見通しも含めて、ロードマップ、訴訟の後どうしていくのか、そういったことの話し合いがなければおかしいと思います。それは非公式、公式、どちらであってもそうだと思います。

答えられる範囲で結構ですが、公式の部分で事務レベルでも一切この早期解決に向けて、それからその先の横須賀市、三浦市、葉山町、三浦半島ごみ処理広域化、どうしていくかについて一切話をしていないということですか、お答えください。

市長の答弁

裁判の件に関して、まず申し上げれば、当然上告をすべきかどうかというのは判決文を読む前からいろいろなシミュレーションをしていたのは事実でございます。

その裁判の判決結果を見て、上告という提案を今日させていただいているわけですが、これについては、やはり最高裁判所の判断を待とうというのがまずは基本的なスタンスです。

その上で申し上げれば、やはりごみの広域処理という意味で言うと、今は三浦市と進める広域のごみ処理の計画の推進というのが今は一番大事なことだというふうに思っています。

これについては、平成31年度までの大きな大きなプロジェクトですので、まずはこれについてしっかりと結果を出すということが大事なことであるというふうに思っています。そういう意味で、葉山をどうしていくかというような議論を庁内でしているということはありません。

フジノの質問

かつて葉山町長が森前町長に交代をしたとき、選挙が終わった直後に、これは公式な記録には残っていないので、僕だけが言っていることに受けとめられてしまうのですが、森前町長が候補になった段階でマニフェストを読みまして、単独処理を進めていきたいという主張があった。

それを当時の環境部の幹部に、「こういうふうな方が当選をした、離脱されますよ」という話をしたのですけれども、「いや、そういうマニフェストは見たことがない、出ていなかったと思う」という話がありました。

そのときに僕は、「ああ、何ということだ、もっと情報を内々で隣町の情報にはアンテナを高く掲げてとっていくべきではないか」というふうに強く反省しました。それが生かされていくべきだと今も固く信じています。

ですから、公の場では何らかの形でのコミュニケーションは、市長の主張、係争中だから何もできないというのは、それはそれで理解はしますが、しっかりとした形で、この問題についても、そしてこの訴訟の解決のつけ方についても、隣町と話し合っていっていただきたいというふうに思います。

この点について、ぜひもう一度所見をいただきたいというふうに思います。

市長の答弁

今回、上告という再度の議案を提案している中で、葉山町長がアポイントメントなしで面会に訪れたということについては、答弁を申し上げているとおり、お会いをしませんでした。

とはいいながら、まず議員の質問の中にもありましたが、他の施策連携という意味では、三浦半島一体となって行わなければいけないこともあるというふうに思っていますので、これについてはしっかりと新しい葉山町長とも連携をしながら行っていきたいというふうに思っております。

ごみの訴訟の件については、やはり裁判を進めていく中で、いろいろなプロセスというものが当然上告側にも出てこようかと思いますので、その都度判断をしていきたいというふうに思っています。

フジノの質問

今、市長の御答弁の中にありました山梨町長との面談について数点伺ってまいりたいと思います。

昨今の首長に期待される役割として、政治主導というものがあります。

司法に判断をゆだねるというのは、僕は先ほど質疑で申し上げたとおりで、ある意味、政治と行政による敗北だと。

どうしてもその先どうにも動かないようなことであれば司法に任せるべきではないかと思いますが、今回の原因者である森前町長が交代した後、何らかの形でコミュニケーションをとって、そして解決に政治主導で行うべきだったというふうに僕は考えています。

そんな中で、山梨葉山町長が今回アポイントメントなしで訪れた。なぜアポイントメントなしで訪れたと市長はお考えになりますか。

市長の答弁

それは本人に聞いたことがないので、私にはわかりません。

フジノの質問

我々も推測で考えてみるに、先ほど市長がおっしゃったように、事務方を通して吉田市長はこの件では山梨町長と会う意思はないということが伝わっていたと思うのです。

そして、伝わっていたからこそ、何とかして横須賀市長に会ってほしいという思いが、アポイントメントをしては会えないから、だからアポイントメントなしで会ってもらうしかないというふうに考えたのだと思うのですが、そういう見解について市長はどのようにお考えになりますか。

市長の答弁

そうであったとしても、やはり正式な形での面会の御要望というのは、どなたであってもアポイントメントをとっていただくようにしていますので、私としては、案件がこのケースかどうかは別として、やはりアポイントメントをとっていただきたいというふうに思っています。

フジノの質問

先ほど市長が青木哲正議員の質疑の答弁の中で、こういった特殊な案件を抱えていない首長などであれば、近くに来たからという理由で、アポイントメントなしとは言わなくとも連絡をくれれば、市長の日程が入っていなければ会うことはやぶさかでないというふうな御答弁でした。

ただ、殊に、この問題についての質疑になると、そうだとしても正式なアポイントメントが必要で、そうでなければ面会できないという話でした。その温度差に強い違和感を覚えるのです。

つまり、お友達であれば、もめていない相手であれば、正直なところ、横須賀中央駅まで来たのだから会いたいと電話をしたら会ってくれるけれども、本当に大切な関係を組んでいかなければいけない半島の中の首長が会いたいと思っても、もうこの問題では一切会わないと伝えていて、どうしても会いたいからアポイントメントなしで、あえてやって来ている。それも却下と。つまり、絶対にこの問題では会わないと。

にもかかわらず、知り合いが訪ねてきたら会うのはやぶさかではない、親交を深めるのは構わないと。これは大切にする相手を間違えているのではないかと私は感じるのですが、いかがですか。

市長の答弁

議員おっしゃるとおり、この件について会わないという私の意向は、恐らく山梨町長にも伝わっていたんだろうというふうに思っています。

そういう中で会いに来て会わないのは非礼ではないかという御意見に対して、それであればアポイントメントを入れないのも非礼ではないかというふうに答弁をいたしました。

ですので、会わなかった理由というのは、この件、係争中の案件は会わないというのが一番の理由でございます。

フジノの質問

この件に関してだけという言葉を信じたいというふうに思うのですが、親しくすべき相手というのは、利害関係にない自分の味方をしてくれる政治仲間とか議員仲間ではなくて、震災があっても、災害があっても、お互いに助け合うべき隣町や近隣の首長ではないかというふうに僕は考えています。

それから、そもそも市長が今回係争中である限り会わないというふうな判断をするに至った、多分、今年この結論に至ったのだと思うのですけれども、市の職員か、あるいは顧問弁護士か、どなたかから、会うべきではないというふうなアドバイスを受けたのでしょうか。

そして、それはいつごろのことなのでしょうか。

市長の答弁

会う、会わないということについて顧問弁護士から会うべきではないという意見は特にいただいてはいなかったと思います。

葉山町長と会う、会わないというお話の中では、私が市長に就任して以降、この係争というのはずっと続いているわけですけれども、葉山町長が新しく選挙で当選された後、やはり市として新しい町長とどう向き合うべきかということの中で、裁判が常に自治体間の中での裁判として続いている以上、同じ対応をとるべきではないかということを相談し合って決めました。

フジノの質問

先ほど、山梨葉山新町長の就任の当選証書の授与式において、報道のインタビューでこの問題については司法で解決すべきだと述べたのを見た、あるいは聞いた。それを一つのきっかけとして係争中は会わない、やはり司法の場で判断をすると結論に至ったということだったのですが、実際にこの問題については司法で解決しようと葉山町長と話し合ったことはあるのですか。

市長の答弁

葉山町長とこの件でお会いしたことはありませんので、話し合ったことはありません。

あくまで新聞報道で葉山町長の意向というのを受けとめたところです。

フジノの質問

それはやはりまずいのではないでしょうか。

お互いの姿勢をマスメディアを通じて知って、そして切り取られた言葉でもって相手の意思決定というふうに受けとめるというのは問題があるのではないでしょうか。

そもそも、この件について、今後会わないということも事務レベルを通じて伝わっているかもしれないというようなお話でした。

そうではなくて、この件では会わないのだというのをあらかじめきちんと伝えておく、あるいはこの件については新町長も司法の場で決着をつけたいというふうにお互いに納得し合う、直接会って、そのことを合意することがそもそも必要だったのではないかと思うのですが、いかがですか。

市長の答弁

あくまで自治体間の訴訟という中で、前の町長が脱退をして、そしてそれに対して損害賠償をする、その損害そのものは市としては新しい町長になっても消えてはいないというところですので、この件について既に市として裁判で最終的な判断をいただこうと考えている中では、葉山町長とその件について会うという意向は、私からは示しませんでした。

フジノの質問

隣町の首長について、このようなことを私が申し上げるのも僣越かとは思いますが、正直未熟だと思います。町議を務めた後、すぐに町長になられて、まだまだ足りなかったのだと思います。

そんな中で、先輩の市議として経験を積んだ上で市長になった吉田市長が、首長としても先輩なわけです。

そこで、新町長が誕生したときに、こちらから会おうと言って、そして対応をしっかりと伝えておけば、こうやってアポイントメントなしで来る、あるいは私が今回一番問題に感じているのは、前葉山町長にしても、今の葉山町長にしても、メディア対策が市長よりもうまいと思います。

前町長は「会ったのだ」と言い、そして「十分な手続をとった上で脱退をしたから、横須賀市の訴えているような突然のことではないのだよ」と言い張り、そして今回、山梨町長は三浦市に行って断られ、横須賀市に来て断られ、まるでかわいそうな人、そして横須賀市長のほうが悪い心証を受けているわけです。

市長はわきが甘いというのでしょうか、そういうふうなことを、させてはいけないはずなのです。

だからこそ、事務方を通じて連絡が行っていたはずだ、ではなくて、直接にお会いして新町長が誕生したときに、この件についてはお互いに訴訟に頼ろうというような合意をして、そしてこれからは会いませんが、ほかの話題では必ず協働していきますというようなことをしっかりと話しておくべきだったのではないかと思うのです。その点について再度お答えください。

市長の答弁

私の中では自治体間の争いの中で会うのは適当ではないという考えでいましたし、それは伝わっていただろうというふうに思っています。

御本人も当初から裁判の場で最終的に判断をしていただきたいというふうに言っていたという新聞報道を私は見ました。それで、私は判断をしたということです。

フジノの質問

本当に繰り返しになって、聞いておられる方々には申しわけないのですけれども、やはり新聞報道を見て、それが100%事実だと思って、そして、それをもとに何か市長が政治的な判断を下すというのは、はっきり言って間違っていると思います。

特に、隣町の首長、非常に近い、バイクに乗れば15分ですよ。すぐに行って会える相手、あるいは電話一本で、メール一通で会う約束をとることができる。なぜその当たり前の努力をしないで、新聞報道を見て、そういうふうに書いてあったからといってうのみにしてしまうのか。

市長は、そう判断したから、そう判断したのだ、1イコール1だ、AはAであるという何の論理的な説明にもなっていないので、そのような新聞報道をうのみにして大事な政策判断をすることを問題だとお感じにならないのかを改めてお答えください。

市長の答弁

これもケースによるというふうに正直思っています。

殊に、裁判という案件では、こうした新聞報道を見て判断をするということも1つの考え方ではないかというふうには思っています。

ただ、トータルな話として申し上げれば、確かに新聞報道だけで裏をとらないということだけで政策判断をするのはよくないというふうには思っています。

フジノの質問

そこは本当にぜひ気をつけていただきたいと思います。

続いての質問に移ります。

僕は司法の限界というのを申し上げました。

それは何よりもみずから政治家ですから、政治の力を信じている、そしてこれだけ多くの職員の方々が毎日全力で働いている行政の力というのは大きいというふうに思っています。

その力をフルに使って、なおかつ実現できないことであったのか。

振り返ってみると、前町長のときは仕方がなかったと思うのです。けれども、新町長になってから、もう一度パイプをつくり直そうとすることを考えるべきだったというふうに僕は思っています。

そして、具体的に判決書について、僕は市長の認識を伺いました。

他の自治体の将来に影響を与えるものについては、司法も仕方がないということでした。

これはもう考え方の違いなのですけれども、それでも多くの事案が、多かれ少なかれ他の自治体に影響を与えると思います。例えば、三浦半島のように狭い地域であれば、横須賀市が特別養護老人ホームをつくって300床オープンすれば、近隣のまちから高齢者福祉サービスの利用者が横須賀になだれ込んでくる。

そして、近隣のまちの事業所がダメージを受けることは幾らでもあるのです。自分の行政組織の市だけが影響を受けるということはほとんどないと言っていいと思います。

そんな中、他の自治体の将来に影響を与えるものは司法の判断を仰ぐことも仕方がないという市長の基準というのはかなりあいまいで、この答弁のためにつくった答弁のように感じられます。

僕が今、申し上げたような、1つのまちの施策がほかのまちにもはや密接に影響を与えているということについて、市長はどのようにお考えになるでしょうか。

市長の答弁

一般論としては、これだけ物流が発達して情報が垣根なく行き来するようになった時代においては、1つの自治体の施策が他の自治体に影響するということは、もちろん十分に考えられます。

フジノの質問

残念ながら、一般論でなく具体的な各論においても、それから総論においても影響を及ぼしているわけです。あらゆることが影響を及ぼしている。

その中でどのことについては訴訟で仕方がない、どこまでは政治と行政が全力を尽くして自分たちの力で解決するのか。先ほどの答弁では、はっきりとは見えてこないわけです。

この問題だって、政治と行政の力で解決してもよかった。和解勧告が出たときは前町長だったけれども、新町長にかわった後、状況の変化を考えて裁判所がもう一度和解勧告を出してくれればよかったのにと考えたこともあります。

話を戻しますが、司法に頼るということは、政治がみずからの力を発揮しないままに、他に判断をゆだねることにならないのでしょうか。その点についてもう一度見解をお聞かせください。

市長の答弁

今回、あくまで損害賠償を求めるというケースです。

市としてこうむった損害があるという認識を曲げるつもりはそもそもないわけです。

では、この損害を葉山町に求めたところで、では損害を与えたので、それをお支払いしますということにはなりませんでした。ですので、この損害をしっかり賠償していただくためには司法の判断を仰ぐしかなかったというふうに思っています。

フジノの質問

三浦半島を一つの地域と考えて、三浦半島人と称したことがある市長に伺います。

先ほど、ほかの分野にはネガティブな影響が波及しないようにしていくというふうな御答弁がありました。それは具体的にはどのような努力をしていかれるのでしょうか、お答えください。

市長の答弁

まず、三浦半島地域の自治体で構成をしているさまざまな協議会というものがあります。この協議会には、場合によっては葉山町も入っているようなときもあります。

こうしたことについて、多くが横須賀市がトップであるようなこともあるわけですが、係争中の葉山町が一緒に入っているのはおかしいなどと、そういうことを申し上げるつもりは全くありませんし、先ほど来、話になっている葉山町長との面談という意味でも、この係争中の件以外であればよく話し合いを行いながら、連携できるところは連携をしていきたいというふうに考えています。

フジノの質問

そういうメッセージを相手にきちんと伝えてあるのでしょうか。

この件については訴訟にかかっているけれども、それ以外については密接な関係を持っていきたいと考えているということはきちんと市長自身から伝えたことはあるのでしょうか。

市長の答弁

ごみの問題について云々というのを除いて、例えば観光であるとか、そういったことについては、ぜひ連携をしていこうというような話をしたことはあります。

非公式にではありますけれども、したことはあります。

フジノの質問

そして、それを広く三浦半島に暮らす市民の皆さんにきちんと伝わるように市長は語ってきたという認識はありますか。

市長の答弁

そういう意味では、葉山町に限らず、広域の連携というのを、ごみ、そして消防、それ以外で具体的にお話ししたというのは余りないかもしれません。

フジノの質問

やはり先ほど心証が悪くなったとしてもという市長の答弁があったのですが、心証が悪くなったという話だけではなくて、多くの方が同じ半島の中で親戚もお互いに暮らしていて、なぜこんな兄弟げんかを続けているのか。

しかも税金もこちらからこちらに移るだけの話で、職員の時間を無為に使ってしまうだけで、このようなことは一刻も早くやめてほしいと思っている。

しかも、1つ訴訟を抱えていれば、ほかの政策でも何か問題が起こるのではないかというふうに心配しておられる方々がたくさんいる。

そういった方々に、このごみのことだけでしかトラブルというか、訴訟にはなっていない、あとは密接に取り組んでいくということを発信していくことが大事ではないかと思うのですが、市長、これからそういうことはきちんとお伝えしていく気持ちはありますか。

市長の答弁

葉山町以外も含めてですけれども、三浦半島の中で連携が必要なことについては進めていきたいと思いますし、そういったことについて市民の皆さんの御理解もぜひいただきながら進めていきたいと思います。

フジノの質問

言葉じりをとらえるようですが、理解をしていただくのではなくて、市長が発信をして、その後に理解を得られるのだと思うのですが、いかがですか。

市長の答弁

発信をすることも含めて理解をいただいていきたいと思います。

フジノの質問

それでは、具体的な上告あるいは上告しなかった場合の金銭的な側面について少し伺いたいと思います。

既に、現時点で上告しなかった場合であっても、金額的に見て200万円近いマイナスということです。

それから、上告をして、言葉を市長に教えていただきまして、ありがとうございます。棄却された場合も250万円のマイナスということになります。では、最高裁でこの330万円に幾ら上積みされたら、市長としては「良かった」というふうに考えるのか。満額本当に最高裁で急に1億数百万得られるというふうに本当にお考えですか。

市長の答弁

今回上告する理由として、事務経費については、その損害を裁判所に金額も含めて認めていただいていますが、人件費分については損害があるという判決文にもかかわらず、その額を確定していないことが問題であるということで上告の議案を提出させていただいています。

そういう意味では、損害賠償額満額をと。それが一番理想ではありますけれども、実質的にはやはり人件費分も判決の中で額を確定していただくということが一番大事なポイントだというふうに思っています。

フジノの質問

この金額についてなのですけれども、既に200万円くらいの我々の市の税金の持ち出しになっている状況があります。

そして、1問目の質問で申し上げましたが、あなたや副市長や部長、そして幹部の職員の皆さん、そして市議会議員、多くの人がこの議案で時間をとられている。それぞれの人間の給与を割り算して出せば、具体的な金額が出ると思うのですが、今回の訴訟で仮に横須賀市の全面勝訴みたいな形で1億数百万円受け入れられたとしても、もっと大きな目で見れば、明らかに損失が出ていると思うのです。

そういった点の大きな視点から見て、この訴訟を続けることに横須賀市民は何か利益を得られるのでしょうか。

市役所の損害は市民の損害だという話がありましたが、それは全く違うと思います。市役所のひとりよがりなひとり相撲なのではないかというふうに私は思っています。具体的に、市民はどのような利益をこの訴訟で得られるのでしょうか。

市長の答弁

正確に言葉を選べば、利益を得るというよりも損害を埋めていただくという言葉になろうかと思います。

既に支払ってきた事務経費、そしてごみ広域処理を2市1町で行っていくという目的に沿って支払ってきた人件費、そういったものを損害として認めてもらって、それを埋めていただくことが市民のためになることだというふうに思っています。

フジノの質問

損害を埋めることが市民の不利益を取り戻す一つの手段だという考え自体は理解できますが、本当にこの訴訟という手段が市民の不利益を取り戻すことにつながるのかどうかは、僕は賛成できません。

残り時間、最後になりますので、一言申し上げますが、市長にはぜひ初心を思い出して、そしてこれが本当に市民の利益になるのかということを改めて考えていただきたかった。

前市長が訴訟を行ったからといって、継続をすべきだったのか、上告すべきだったのか、ぜひ精査してから判断していただきたかったと思っています。

以上で質問を終わります。ありがとうございました。