2024年予算議会・個人質問

藤野英明です。よろしくお願いいたします。

1.横須賀市独自の不妊症治療に対する医療費助成(生殖補助医療費助成制度)を今後も継続していく必要性について

 このたび、新たに神奈川県も不妊治療への助成制度を設けるとの報道がありました。来年度の本市の取り組みにも影響することから、本市の方針について伺います。

 ふりかえると、2022年4月に不妊治療への保険適用が拡大されて、基本的な検査・治療については保険診療となりました。しかし、保険適用はあくまでも基本的な検査・治療に限定されました。保険適用外の治療を受けて初めて妊娠に至ることも多い不妊治療においては、かえって自己負担が激増したり、経済的な理由から本人が望む治療を断念せざるを得ない方が多くなるのではないかと、医療関係者や当事者の皆さんは懸念しました。

 そこで本市は、全国に先駆けて、極めて先進的な独自の助成制度を新設しました。『生殖補助医療費助成制度』といいます。

 対象は、第1に、先進医療を受けた方への助成です。保険は適用されない。しかし、国から先進医療の指定を受けている検査・治療を受けた場合、10割負担、つまり全額自己負担となります。そこに上限5万円の助成をしてきました。 

 第2に、自由診療を受けた方への助成です。不妊治療の世界では、先進医療の指定を受けていない技術も治療成績が高く、妊娠が実現することがしばしばあります。むしろ、この自由診療の部分こそ、お一人お一人に合ったオーダーメイドの治療が実現するとおっしゃるドクターもいらっしゃいます。にもかかわらず、こうした保険外の治療を受けると10割負担、つまり全額自己負担となります。 

 さらに厳しいことに、同じ日に保険適用されている検査・治療や先進医療を受けた場合、我が国独自の混合診療禁止のルールによって、保険適用部分も3割負担でなくなり、先進医療部分も含めて、全ての治療が10割負担となってしまうのです。

 そこで、本市は、治療費が30万円を超えた部分に対して上限10万円を助成してきました。 心と体へ大きな負担を強いる検査・治療に加えて、経済的にも大きな負担がかかってしまう不妊治療に対して、本市が独自の支援を続けてきたことは、治療を受けておられる全国の方々に希望を与えてきました。

 これがこの2年間の状況です。本市の取り組みが県全体や全国に広がってほしいと僕は願ってきました。

 そして、ついに先日、県が新たに不妊治療費の助成制度を新設するとメディアで報じられました。現在、県議会で来年度予算案として審議されている為、決定事項ではありませんが、実現する可能性は極めて高いものです。

 その内容は、先進医療に対する助成制度であり、支払いを健康保険と同じく原則3割に抑えるために、費用の7割の部分を県と市町村で折半して助成する仕組みとのことでした。県内に独自の助成制度を持っているのは、本市と海老名市しかない中、県の新たな助成制度が実現すれば、一気に全県に助成制度が広がる可能性があり、この点は高く評価したいです。

 ただしとても残念なことに、本市では行なっている自由診療への助成を県の制度では行わないのです。先進医療への助成だけでは不十分で、本来受けたい治療を諦めざるを得ない、そもそも不妊治療そのものを諦めてしまうということになりかねません。評価はするものの、本市の取り組みとは別のものと言わざるを得ません。

 こうした状況の中、過去の経緯から、僕には1つとても心配なことがあります。本市が独自の助成制度を新設したきっかけは、2022年3月定例議会での僕の個人質問でした。国が不妊治療の保険適用拡大に踏み切ったことを評価しつつも、多くの方がかえって自己負担の増加になる可能性を国が見落としていることを厳しく批判するとともに、鳥取県をはじめとするいくつかの県が独自の取り組みを導入すると発表したことを紹介し、本市独自の取組の新設を提案しました。

 その提案に対して、上地市長は「本来県が支援すべきところ、その動きが無いことから、本市が独自の支援に乗り出す」とおっしゃいました。ということは、今回、県が新設する助成制度を受けて、本市は独自の助成制度を廃止してしまう可能性があるのではないかと不安を抱きました。

 しかし、繰り返しますが、新設される県の助成制度と本市の助成制度は大きく異なります。赤ちゃんを望む市民のみなさまの暮らしを守る為にも、どうか本市独自のよりよい助成制度を守って下さい。そして、本市の取り組みが県全体に波及することを目指していくべきです。

 そこで伺います。

【質問1】
 神奈川県によって不妊治療の先進治療を受けた方への助成制度が導入される可能性が極めて高い状況ですが、本市独自の生殖補助医療費助成制度は今後も継続していく方針でよろしいでしょうか。

→市長の答弁へ

 一方で、今回の県の取り組みは、実は本市にとってもメリットがあります。本市独自の制度を維持していきながらも、先進医療への助成部分については、県の財源を活用することが可能になります。これまで本市は、先進医療費への補助上限5万円の全額を市の財源で助成してきました。しかし、新設される県の助成制度は、県と市が2分の1ずつ協調補助をします。つまり、県のスキームを利用することで、本市が市単独で上限5万円の助成をしてきたうちの2分の1を新たに県から財源として受け取ることが可能になるのです。

 あくまでも、県の来年度予算案が可決されてからではありますが、新たな財源を有効に活用するという意味で、ぜひ活用を御検討いただきたいです。そこで伺います。 

【質問2】
 本市独自の助成制度を維持しながらも、神奈川県による新たな助成制度が導入された時には、そのスキームを有効に活用して財源を確保していただきたいのですが、いかがでしょうか。

→市長の答弁へ

2.AYA世代のがんなどの患者の方々が妊孕性温存治療・温存後生殖補助医療をさらに利用しやすくする為に、本市独自の制度を新設する必要性について

 先ほどの質問で申し上げたとおり、本市は、赤ちゃんを望む方々へのきめ細やかな支援に先進的に取り組んできました。

 しかし、まだ十分では無いと感じる分野があります。それは、いわゆるAYA世代とされる15歳から39歳のがんなどになった方々の妊娠をサポートするための取り組みです。

 AYA世代のように若年でがんなどになった方は、その治療によって、妊娠する為の卵巣の機能や精子をつくる機能が落ちてしまうことがあります。そこで、将来子どもを産み育てることを望む方は、がんなどの治療を受ける前に卵子・精子、卵巣組織を採取して凍結保存します。さらに、その凍結した卵子などを用いて生殖補助医療を行なうことで、妊娠を目指すことができるのです。これを妊孕性温存治療・温存後生殖補助医療と呼びます。 

 神奈川県は、この治療への助成を行なっています。将来に希望を持ってがんなどの治療に取り組んでもらえるように、こうした助成を県が行なっていることは、とても重要です。

 その一方で、県の制度には十分ではない側面もあります。具体的には2点が挙げられます。

 第1に、卵子などの凍結更新費用の助成です。凍結をした卵子などは、赤ちゃんを希望する時期まで何年間か凍結を継続しなければなりません。その継続する為の医療機関の更新費用が毎年必要となる場合があります。しかし、現在の県の制度には、この凍結の更新費用の助成がありません。こうした費用負担への心配を抱えていくことは、とてもつらいことです。本来ならば、凍結更新費用も助成すべきです。

 第2に、温存治療実施の有無を問わないカウンセリング費用の助成です。温存治療を受けるか否かについて、そもそも迷い悩んでおられる方々は、専門のカウンセリングを受ける必要があります。温存治療を受けると決心した方は、県がカウンセリング費用を助成します。しかし、逆に、温存治療を受けないと結論を出した場合、カウンセリング費用は自費扱いになってしまいます。

 本来であれば、がんなどの治療に臨むAYA世代の方々が赤ちゃんについて考えることは、とても難しいことです。目の前のがんなどの治療が最優先で、将来の赤ちゃんのことまで考えられない方がほとんどだと思います。そんな中、専門家のカウンセリングをお一人でも多くの方に受けていただくことを最優先すべきなのに、結論が温存治療を受けないとなった途端に自費になるというのは、おかしいです。

 まずは、お一人でも多くの方にカウンセリングを受けていただき、がんなどの治療の先にある将来にも目を向けていただく機会をつくるべきです。つまり、温存治療の実施の有無を問わずに、カウンセリング費用を助成すべきです。

 こうした県の妊孕性温存治療・温存後生殖補助医療への助成制度ではまだ足りていない部分を、本市が独自の助成制度をつくって、より治療に取り組みやすくするべきだと考えます。

 本市のがん対策推進計画にも、小児がん、AYA世代のがん対策として、「生殖機能、アピアランスなど多様なニーズの把握に努め、支援について検討する必要があります」との記述があることから、本市がより利用しやすい制度をつくってサポートをすべきです。

 本市は、がん対策に積極的に取り組んできました。来年度予算案では、がんの治療によってアピアランスケアが必要となった方々へのウィッグの購入費用の補助が新たに設けられました。素晴らしい取り組みだと思います。

 一方で、赤ちゃんを持ちたいと希望する方々にも、常に寄り添う取り組みを続けてきました。その2つの取組が1つになったものが、AYA世代のがんなどの患者の方々が将来に希望を持って治療に取り組める助成制度です。

 がんの治療に臨む若い世代を応援し、赤ちゃんを持ちたいとの希望をサポートする取り組みが本市には必要だと思います。来年度、ぜひ導入に向けて検討をしていただきたいです。そこで、伺います。

【質問3】
 AYA世代のがんなどの患者の方々が妊孕性温存治療・温存後生殖補助医療をさらに利用しやすくするために、本市独自の制度を新設すべきではないでしょうか。 

→市長の答弁へ

3.ひきこもりに関する本市の根本的な受け止め方と来年度より切実に必要とされる取り組みについて

 まず、ひきこもりという行為を僕がどのように受け止めているのかを申し上げます。それは『生きていく為にひきこもっている』というものです。社会の中で深く傷つき、自殺に追い込まれない為に、自宅や限られた生活空間の中でひきこもることによって何とか生き長らえている、というのが僕の基本的な認識です。これは、ひきこもりの方々の居場所支援をしておられるNPOや団体にとっては、当たり前の基本的な認識となっています。

 したがって、行政が当事者の方々に何らかの支援を試みるとするならば、まず最も大切なことは「自分は生きていても良いのだな」と感じてもらえる安心感を提供すること以外にはあり得ません。そして、その先にもしも心に余裕があるならば、自宅や限られた生活空間以外の場所も居場所として感じてもらえるように、居場所の提供を行なっていきます。その先に生きがい探しなどがあって、さらにその先に働くことなどが出てくるのだと考えています。

 今回、1年間の本市の取り組みを市民のみなさまに語りかける施政方針において、ひきこもりに関して市長が語った言葉は、次のようなものでした。

「ひきこもりの悩みへの支援では、これまでの相談受付やアウトリーチ支援に加え、御自身に合った活躍の場の発見につながるよう、eスポーツやメタバースの体験会を開催します。あわせて、ウェブサイトで支援情報を一元的に発信するなど、さらに力を入れてまいります。」

 率直に、驚きました。

 施政方針とは、そもそも市民の皆様に1年間の本市の基本姿勢を語りかける重要な演説だと受け止めてきました。それがeスポーツとメタバースの体験会への言及に終わってしまい、切実さが全く感じられなかったのです。この言葉を、いわゆるひきこもりの当事者の方々がお聞きしたら、深く落胆されてしまうでしょう。ひきこもりとは、もっと命がけの行為だと、どうして受け止めていただけないのかと感じました。

 僕は、まず、ひきこもっておられる方々が、その置かれた居場所で今生きていることが祝福されるべきだと考えています。もしもそのままひきこもっていることが継続不可能な場合や、今、ひきこもっていることで自尊心や自己肯定感が損なわれて生きづらさを感じておられるならば、そのときは行政として何らかの支援を行なうべきだと考えています。今までの、とにかく外に出すとか、就労支援をすることがメインの取り組みでは全く効果が無いということも指摘してきました。

 その観点から僕は、例えば中高年ひきこもりの方々に対しては、今の環境を安心して守り続けられるだけの資産があるのか否かをファイナンシャルプランナーの協力によって算出する。ひきこもり続けられるだけの資力があると分かれば、まず、そのことを御本人にお伝えして、安心をしていただく。もしもひきこもり続けられる資力が無い場合には、具体的にどのような経済的な支援が可能か、例えば障害年金や生活保護を受けられるのかなどを一緒に考えていく。そうした取り組みによって、御本人に「生きていても良いのだ」と安心してもらえたならば、その後に新たな居場所の紹介などを行い、その次に、もしも働きたい方には就労支援をしていくべきだと訴えてきました。

 まずは、生命の安全、生きていてもよいのだと思える環境の提供が第一です。現在行われているような取り組みはその後に行なうべきだと考えています。

 来年度のひきこもり支援の取り組みについて伺う前に、市長にぜひ伺いたいです。

【質問4】
 市長は、ひきこもりという行為をどのように受け止めておられるのかをお聞かせ下さい。

→市長の答弁へ

 次に、施政方針の中で述べられた、「ご自身に合った活躍の場の発見につながるよう、eスポーツやメタバースの体験会を開催します」についてです。

 これには特に強い違和感を抱きました。市役所内外の医療・福祉・教育などのひきこもり支援に関連する様々な関係機関や支援者たちの集まりである『ひきこもり支援連携協議会』の場で、これまでeスポーツやメタバースの必要性が議論されたことは全く無かったからです。ひきこもり支援の司令塔的な存在であるひきこもり支援連携協議会の場で、有効性について一度も議論されていない取り組みが、何故、施政方針で取り上げられねばならないのでしょうか。

 おととしと昨年の2回、生活支援課の主催で「ひきこもり者を対象としたe-Sports大会」という名称でイベントを開催しており、1年目は6名、2年目は3名の当事者の方が市内高校生とチーム戦を行なったとのことです。

 確かに、当事者の方の中には、オンラインゲームを愛する方もいらっしゃいます。けれども、本市には、ひきこもりとされる方が、現在、推計で15歳から39歳で1,414人、40歳から64歳で1,906人もいらっしゃいます。その3,300人もの方々に対して、「みなさま、2024年の横須賀市の新たなひきこもり支援策はeスポーツです」とは、情けなくて、僕は当事者の皆様にお伝えすることはできません。

 また、メタバースを活用したひきこもり当事者の方々への他者との交流や就労のきっかけを創出することを目的とした取り組みはすでに県が昨年から実施していますが、全県向けの取り組みながら、とても参加者が少なく、成功しているとは言えません。

 すでにこうした先行事例がある中で、さらに本市がメタバースの体験会に重ねて取り組む必然性は全く感じられません。そこで、伺います。

【質問5】
 過去の参加実績が少ないeスポーツや、県の取組も成功しているとは言えないメタバースの体験会が、本当に本市のひきこもり当事者の方々にとって、今、最優先の取り組みと市長はお考えなのでしょうか。

→市長の答弁へ

 僕は、そのようには全く考えていません。

 僕が優先すべきだと考えていることは、本市のひきこもり支援の司令塔である『ひきこもり支援連携協議会』の徹底した活性化です。来年度は、特に開催回数を重点的に増やし、そもそも、ひきこもりに関する本市のあるべき基本的な姿勢とは何かを議論していただくべきです。

 すでに支援機関のメンバーは皆、連携ができています。このメンバーから腹を割った議論を引き出せていないから、eスポーツやメタバースといった取り組みに流れてしまうのではないでしょうか。

 繰り返し僕が例として挙げるファイナンシャルプランナーの派遣ですとか、保健所主催で毎月1回保健所を会場に開催している居場所事業・ひだまりんを新たに市内全域に開催場所を増やして毎週開催すべきではないかとか、地に足がついた御意見が出てくるはずです。

 また、現在は20人ものメンバーが時間内に1〜2回発言できたら終わりのような大所帯ですが、当事者の方の年齢や属性に基づく部会を設けて、徹底的に議論すべきです。例えば、学齢期を対象とした部会、39歳までを対象とした部会、40歳から64歳までを対象とした部会、精神障がいや発達障がいなどを対象とした部会、近年増えているひきこもり主婦を対象とした部会などに分かれて、必要な取り組みを議論していくべきです。そこで、伺います。

【質問6】
 来年度は『ひきこもり支援連携協議会』の開催回数を増やし、当事者の方の年齢や属性で分けた部会を設けて集中的な議論を行ない、本市のひきこもり支援の基本的な考え方を明確に共有し、当事者の方々に今本当に必要な取り組みをゼロベースで議論すべきではないでしょうか。

→市長の答弁へ

4.市立総合医療センターへのアクセス向上の為に、バス事業者に新たなバス路線開設の要望を継続し、実現に必要な支援を行う必要性について

 ついに、総合医療センターが2025年3月に開院します。充実した医療の提供、地域医療全体のさらなる向上により、市民の皆様がさらに安心して暮らすことができるようになります。

 一方で、あまねく市民が優れた医療を受けられるためには、アクセスしやすい公共交通機関の存在が不可欠です。 現在、総合医療センターの立地する久里浜へ市内全域からアクセスしやすい訳ではありません。JR久里浜駅と京急久里浜駅から徒歩数分なので、鉄道駅のそばにお住まいの方にとっては比較的アクセスがしやすい。

 けれども西地区のように、バスや鉄道を乗り換えねば総合医療センターへとアクセスできない地域の方々がいらっしゃいます。自家用車の所有率が下がっている中、公共交通機関の役割は高くなるばかりです。

 さらに、本市は、2024年度から2027年度までを計画期間とする市立病院経営強化プランに基づいて、市民病院と総合医療センターの機能分化・連携強化を行なっていきます。現在、市立病院運営委員会で議論が進んでいますが、市民病院の産科及び小児科は入院診療を取りやめて、総合医療センターに一本化するとの結論を得ています。

 市民病院の利用者は、約半数が西地区の方々、約2割が他地区の方々、約2割が三浦市の方々、そして約1割弱が葉山町と逗子市の方々です。つまり、これらの方々は、今後、産科と小児科の入院を市民病院で利用できなくなるわけです。医療環境の充実の為には経営強化プランの取り組みは必要不可欠ですが、同時に、今まで受診できていた方々に対するサポートも、本市の責任で必ず行なうべきです。

 その具体策は、京浜急行バス株式会社に西地区をはじめとするアクセス困難地域から総合医療センターに乗り換えなしで向かうことが可能となるバス路線の新設を改めて要望することです。すでに都市計画課が協議してくださっているものの、運転手不足が深刻化する中で、現時点では難しいと回答をいただいているとのことです。しかし、粘り強く交渉を続けて、交通アクセス強化を実現するために、事業者に対して必要な支援を行なうべきです。そこで、伺います。

【質問7】
 総合医療センターの開院を前に、京浜急行バス株式会社に、西地区をはじめとするアクセス困難地域から総合医療センターに乗り換え無しで向かうことが可能なバス路線新設の要望を継続し、実現に必要な支援を行なうべきではないでしょうか。

→市長の答弁へ

 以上で1問目を終わります。再質問は一問一答席から行わせていただきます。

市長の答弁

 まず、不妊治療の医療費の助成について、2問併せて回答いたします。

 国は、令和4年度より不妊治療を保険適用とし、経済的な負担の軽減を図りましたが、先進医療や保険適用外の治療を組み合わせなければ治療効果が期待できず、これまで以上に自己負担が増えるなどの課題が生じることから、横須賀市は、他市に先駆け、御承知のとおり独自の助成制度を創設し、支援を行なっています。

 横須賀市のこうした取り組みが、神奈川県の助成制度の新設に影響を与えたものと考えています。

 神奈川県が新設する助成制度は、先進医療への助成を行なう県内自治体への財政的な支援となり、先行する横須賀市にとっては、助成制度の財源として、県の支援を受けられることとなります。横須賀市も県の制度をしっかりと活用し、財源を確保していきたいと思います。

 しかし、神奈川県の先進医療の助成には、3割負担を求めることや、保険外の診療を受ける方々への助成は含まれておりませんので、引き続き、横須賀市独自の助成制度を維持し、横須賀市において妊娠・出産を願う方々の思いに応えていきたいと考えています。

 次に、AYA世代への独自制度についてです。

 神奈川県が実施する妊孕性温存治療及び温存後生殖補助医療の助成は、現行の横須賀市がん対策推進計画や横須賀市の公式ホームページにおいても紹介しているところです。

 横須賀市のがん対策では、がんの予防及び早期発見を目的とし、令和5年度から、20歳、30歳の胃がんリスク検診を市独自で開始するなど、若い世代も含めたがん検診の実施に力を注いでまいりました。

 令和6年度からは、次なる施策として、がんになっても社会参加を後押しできるよう、アピアランスケアの一つであるウィッグ購入費助成事業を新たに開始し、がんと闘う市民に寄り添い、応援したいと考えています。

 議員おっしゃるとおり、がん患者の方が子どもを産み育てることを望み、将来に希望を持ってがん治療に取り組んでいただけるよう支援することは、とても重要であると私も共感するところです。

 令和6年度には、第2期横須賀市がん対策推進計画の策定も予定しておりますので、専門家の皆様の御意見を伺いながら、妊孕性温存治療及び温存後生殖補助医療について研究してまいりたいと考えます。

 次に、ひきこもりについてです。

 ひきこもりは、多様な原因で社会的参加が困難になり、長期的に自宅以外の生活場所を失っている状態だと理解しています。

 個々のひきこもりの方の気持ちも様々でありますので、ひきこもることを希望されている方の生き方を肯定することも、当然のことながら大切であると考えます。

 次に、最優先の取り組みについてです。

 ひきこもりの悩みへの支援については、訪問などによる定期的な相談や居場所づくりなどの支援が大切であり、それに加えて、御自身に合った活躍の場の発見につながるよう、eスポーツやメタバースの体験会等を活用できないかと考えたもので、当然、従来のひきこもり支援を最優先に取り組んでまいります。

 また、同様に、ひきこもりの方に対する社会の理解がより醸成され、ひきこもりの方それぞれの気持ちや思いに寄り添えるような社会や環境を築いていくことも重要ですので、引き続き啓発等にも取り組んでまいります。 

 今回、ひきこもりのお子さんを持つ親御さんやその支援者の方々から、交流の場の設置や生活に目標となる何かが欲しいという意見をいただき、eスポーツやメタバースの体験会といった場も活用できるのではないかと考えました。

 今後も、ひきこもりの方々をサポートする一つの手段として、様々な支援プログラムを提供していきたいと思っています。

 次に、ひきこもり支援連携協議会についてです。

 ひきこもり支援連携協議会は、医療、福祉、教育、その他のひきこもり支援に関連する分野の関係機関の情報共有と連携強化を目的に、令和4年度から開催しています。

 メンバーは、精神科医師、大学教授、就労支援関係者、ひきこもり支援をしているNPO法人、庁内でひきこもりを担当している課長等の12名で構成しています。

 協議会は、これまで年1回、年度後半に開催していましたが、情報共有の促進と連携のさらなる強化を行なう為に、令和6年度からは、担当者の交代がある年度の前半に1回、後半に1回の計2回に開催回数を増やすことを予定しています。

 議員から御提案いただいた会議の開催回数や部会の設置などについては、次回の協議会の中で御議論をいただいてまいりたいと思います。

 次に、総合医療センターへのバス路線についてです。

 西地区から総合医療センターへ乗り継ぎなしで結ぶバス路線の新設については、令和2年2月の本会議においても御質問を受け、京浜急行バスに対し、要望してまいりました。

 学校や病院など公共施設へのアクセスについては、京浜急行バスも重要と考えており、横須賀市からの要望に対し、様々な方策について重ねて検討していただきました。

 京浜急行バスからは、今の段階で、総合医療センターへの通院等において、どのくらいの人が乗り継ぎなしのバスを利用するのか把握することは困難であり、現在は深刻な運転手不足の状況である為に、路線の新設は難しい。ただし、総合医療センター開院後に利用者の移動状況について調査が行われ、多くの方がバスを乗り継いでいる状況が分かれば、路線の新設が難しい場合でも、乗り継ぎダイヤの調整なども含めて、対応はしっかりと検討していくとの回答をいただいています。

 したがって、現時点で特に支援を行うことは考えていませんが、引き続き、要望を継続してまいります。

フジノの再質問

 市長、御答弁ありがとうございました。再質問は、順番を変えて伺ってまいりたいと思います。

 まず、市立総合医療センターへのアクセス向上の為の新たなバス路線開設についての提案をさせていただきました。

 確認したいのですが、京浜急行バス株式会社は、当面は開院後の需要を計測して、そして検討したいということと御答弁を伺いました。ただ、実際にその路線をバスが走っていないのに、需要をどのように計測されるのか、その点についてお答えください。

都市部長の答弁

 実際に路線を走っていないということではなくて、野比から久里浜に行く路線があります。その途中に総合医療センターに一番近いバス停がありますので、その路線の利用状況を見てみるということはできると思います。

フジノの再質問

 野比・久里浜線の市立総合医療センターに最寄りのバス停を御利用された方、特に降りた方の数をもって需要と見込んでいくと受け止めました。これでよろしいですか。

都市部長の答弁

 基本的には、そのとおりでございます。

フジノの再質問

 そこでお伺いしたいのですが、もしそれで降りる人が少ないとなった場合は、京浜急行バス株式会社としては採算も取れなければ、今、厚生労働省の自動車運転者の労働時間などの改善の為の基準、改善基準告示の為に、運転士の皆さんの労働時間を制限しなければいけませんから、行なわないという判断になった場合、本市はどのような対応をお考えでしょうか。

都市部長の答弁

 今、電車の利用もありますし、バスの直通の路線が無いということであって、バスを乗り継いでいただければ、医療センターの前で止まるバスがある訳なのです。

 ですから、そういった利用状況を踏まえて、それから実際に通院されている方たちの状況なども踏まえて調査させていただいた上で検討していくことになるのかと思います。

フジノの再質問

 これはぜひ指摘しておきたいのですが、現在、市内にある病院、横須賀共済病院、うわまち病院、市民病院にしても、直接のバスが出ているのです。うわまち病院行きという名前ではないですけれども、主要路線の中の一バス停としてある。

 それが今回は、例えば武山・久里浜とか林・久里浜、一騎塚・久里浜とか、そういうものは存在しないのです。 体調が悪い中で、バスの乗り継ぎあるいはバス、電車の乗り継ぎをしていくというのは、非常に困難を伴うことがあると思うのです。

 我ら、上地市長、僕、ともにうわまち病院の建て替えに本当に苦労して、より良いものができる。本当にすばらしいことです。

 が、最後の詰めとしては、やはり交通アクセスを保障していくというのは大事だと思うのです。

 ですから、1年間は仕方がない。我慢していくしかない。ただ、その先もしできないということになった場合、それこそ市が何らかのバスを走らせるというようなことも検討する必要もあるのではないかと考えているのです。

 本市の公的責任としてのアクセス保障をどのようにお考えか、市長のお言葉でお聞かせください。

市長の答弁

 当然、それは考えられることで、西地区からのアクセスというのは多分非常に難しい。今のところはこれは基本的には京浜急行にお願いするしかないと思うのですが、ぜひその辺も検討しながら、今おっしゃったように、アクセスが悪い方たちが大勢いて大変な思いをするということが想定できるならば、考えていかなければいけない問題だと思います。

フジノの再質問

 ありがとうございました。引き続き、検討をお願いします。

 続いての質問は、本市独自の生殖補助医療費助成制度の継続の必要性についてに移ります。

 本当にすばらしい御答弁をありがとうございました。さすがは上地克明ここにありという答弁だったと思います。

 本市の制度が県に確かに影響を与えたと、僕は担当者の方から直にお聞きしております。また、この取り組みが県の先進医療、それから自由診療に対する在り方に一石を投じていただけないかと考えています。本市は赤ちゃんを希望する方々に寄り添い続けていくという姿勢が、今回もはっきりと示されたと思います。現在の制度をぜひ堅持していっていただきたいと思います。

 次の質問とも関わることなので、あえて数字についてお伺いしたいと思っています。

 本市の生殖補助医療費助成制度、新年度予算案では900万円が計上されています。そして、今回話題になっている先進医療については150件で750万円、この2分の1が県から補助が出る可能性があるということは、375万円が浮く。つまり、市単独の財源が削減できると受け止めているのですけれども、分かっていることを聞くなと思われるかもしれませんが、市長、それでよろしいのですよね。

健康部長の答弁

 議員がおっしゃるとおりでございます。

フジノの再質問

 続いて、2問目のAYA世代のがんなどの患者の方々の妊孕性温存治療・温存後生殖補助医療をさらに利用しやすくする為に、本市独自の制度を新設する必要性について、今の質問と重ねて伺いたいと思います。

 御答弁は至極真っ当なものでした。これまで順を追って横須賀市が取り組んできたがん対策について御説明いただき、そして、妊孕性温存については、第2期の計画を策定していく中で研究していくというものでした。 

 ただ、これは結構大切な取り組みだと思っているのです。がんの治療をAYA世代、15歳から39歳ですから、まだ本当に結婚、妊娠なんて考えられない世代の子に、あえて考えてもらって、「こどもが持てるかもしれない、治療を頑張ろう」と思ってもらう意味合いも大きい。

 ましてや、20代から30代の本当にこどもを今持ちたいと思っている方々にとっては、妊孕性温存治療というのは福音に近いものがあります。

 が、県の制度はもう少し頑張ってほしいという思いがあります。 既に確認されたと思うので、お伺いしたいと思うのですが、2022年度、直近の神奈川県のがん患者妊孕性温存治療費助成事業、全部で141件申請があったのですが、このうち横須賀市民はどのくらいあったか御存じでしょうか。

健康部長の答弁

 神奈川県全体で141件あったうちの、横須賀市は5件となっております。

フジノの再質問

 ありがとうございます。お聞きした担当者が違ったのか、僕は10件とお聞きしているのですが、5件ということで承知いたしました。

 先ほど、わざと375万円浮きますよねと申し上げました。市単独で今まで歳出していた財源が浮く訳です。妊孕性温存治療費はどれぐらいかかるかというのを考えてみると、凍結更新費用というのは年1万円で、15歳のお子さんが妊孕性温存治療を受けて、がん治療も終わったし、こどもが欲しいと思う、例えば25歳だとして10年間、375万円浮くわけですから、お一人10年間10万円支出できれば、これは実現できるものなのです。

 また、カウンセリング費用を助成してほしいと申し上げているのですが、平均的に1回5,000円と言われているのです。375万円の中、十分5人の方を見込むことができると思うのです。

 これは、がん対策基本計画第2期の中で、あえて議論を待たないとスタートできないような取り組みなのでしょうか。市長の御決断でいけるのではないでしょうか、お聞かせ下さい。

健康部長の答弁

 今、議員から御紹介いただいたとおり、私どもの調査では、カウンセリング費用が1万円程度、それから凍結の費用は3万7,000円程度かかるかなという見込みを立てています。

 これに対して、補助率いくつで助成するかということになるのかなと思っているのですけれども、ここにつきましては、先ほど市長の答弁にありましたとおり、来年度、第2期がん対策推進計画を立ててまいりますので、その中で、いろいろと専門家の皆さんの意見を聞きながら、その必要性についても進めてまいりたいと思っております。

 ただ、私どもは、議員がおっしゃっております、その大切さは十分承知しておりますので、それも踏まえて議論していきたいと思います。

フジノの再質問

 ありがとうございます。 新年度、ウィッグを3万円も補助していただける。お隣の横浜市は1万円なのですけれども、去年、ステージ4のがんの闘病をしている友人から、横須賀市は何も無いのだねと言われた時に、横浜市もあるけれども1万円なのだよという話をしたら、やはり「メッセージだ」と言うのです。「市ががん治療を支えてくれる。アピアランスケアを支えてくれるメッセージだ。金額の多寡では無いのだよ」とおっしゃっていたのです。

 今回、妊孕性温存、そして温存後の生殖補助医療をさらに利用しやすくする為というのは、やはりメッセージだと思うのです。県の制度はあるけれども、横須賀市にいれば、シームレスで一気通貫で妊孕性温存から温存後生殖補助医療を、カウンセリングの段階から、実際に子どもを生殖補助医療で設けるときまでサポートしてくれるというのは、すごく横須賀市はがんの治療も応援してくれるし、こどもを持つことも応援してくれるというメッセージになると思うのです。

 その強いメッセージ性を持つ事業になるということをぜひ意識していただいて、第2期のがん対策推進計画の策定の際には、実現に向けて検討していただきたいと重ねて要望したいと思いますが、いかがでしょうか。

健康部長の答弁

 繰り返しになりますけれども、第2期計画の中で、議員におっしゃっていただいたことも踏まえて検討してまいりたいと思います。

フジノの再質問

 よろしくお願いいたします。

 それでは、最後に、ひきこもりに関する本市の根本的な受け止め方と、来年度、より切実に必要とされる取り組みについて市長に伺ってまいりたいと思います。

 今回、少し僕の質問の仕方が良く無かったと思ったのですが、ひきこもりというのは年代が、まず10代から80代と多様になっておりまして、少し対象を絞って質問したいと思います。具体的には、25歳から45歳ぐらいをイメージしたいと思っております。御答弁に際しても、そのようなイメージで御答弁いただけたらありがたいと思います。

 市長は御答弁で、多様な原因で社会参加が困難になり、長期的に自宅以外の生活場所を失っている状態とお答えになられたと思います。多様な原因は様々あるのですが、この中で一番大きな、多く考えられる原因はどんなことだとお考えになりますか。

民生局長の答弁

 何が一番多いかというのは、正直、きちんとしたお答えはできないです。やはりその個々の方、個人個人の方も1つの原因でひきこもっている訳では無くて、いろいろな理由があってひきこもっている。それは人間関係であったり、それから自分の思いと現実とのギャップであったり、いろいろな要因があってひきこもってしまっている方が多分多いのだろうと思いますし、それを類型化して、どういう原因が一番多いかということは、正直、お答えしかねる部分だと思います。

フジノの再質問

 御答弁ありがとうございます。

 いろいろな統計があるのですけれども、あえて一言で言うならば、仕事の関係、職場での傷つき、職場での挫折といったことが多くあります。

 よく、ひきこもりというと働かないといったイメージがあるのですけれども、そんなことは全く無くて、社会に出ていくつもの傷つき体験を重ねて、「もうこれ以上はがんばれない」と命を守る為にひきこもっているというのが僕のひきこもりという行為の受け止めになります。

 言うならば、ガソリンが入っていない車のような状態で、そこに御家族や支援者から動け動けと言われても、ガス欠の車は動けないというのが、僕が受け止めているひきこもりという行為についてです。

 この認識をぜひ市長と今回同じにしたいと思っていて、市長は多様な原因で社会参加が困難になりとおっしゃっていただいたのですが、一言で言うと、自殺しない為にひきこもっていると受け止めています。横須賀市の自殺は下がってきていて、こどもの自殺も他都市に比べると全然少ない。本当にありがたいことなのですけれども、一方で、ひきこもり、不登校は増えていて、ですから、物理的に命を落としてはいないけれども、生き地獄の中にいるのがひきこもりであると、正直、感じているのです。家にいれば安心かといったら、そんなことは全くなくて、家が楽園の人なんかいない訳です。家にいても、同級生はどうしているかとか、焦りをすごく感じているわけです。

 そこで、質問に移りたいと思うのですが、施政方針を離れたならば、市長は、ひきこもりををされている、先ほど申し上げた25歳から45歳ぐらいの方々にどんなメッセージを送っていただけるのかなと、ずっと考えていました。

 施政方針で新規・拡充事業を取り上げなければいけないというような側面もあるので、あのような御説明になったのかなと受け止めているのですけれども、もしも今引き籠もっておられる方々に何らかのメッセージを市長が発信していただけるとしたら、どんなメッセージを本市としては発信していただけるのか、お答えいただければと思います。

市長の答弁

 ひきこもりの議論に引き込まれてしまうのは本意ではないのだけれども、私は7〜8年ひきこもりをやっているので、生きることの希望を失ったことは何回もあるし、それに行政や第三者がメッセージをしても、全く私には届かなかった。

 友人と、ありとあらゆる手段を使って、宗教をやってみたり、様々なことをやってみたり、何回も死にたいと思ったことがある自分だから、だから多様性のままにと。それで政治の世界にまた戻ってきた。私の場合は政治に敗れて社会が全く信用できなくなって、傷ついて生きる希望を失った時期が何回もあって、議長にも励まされたことも何回もあって、それで、ここにいるので、あまりこの話は多分個々の問題で、何か行政ができることは、私は、基本的には無かったし、してもらいたくもなかったし、自分自身でできてきたから、偶然助かったみたいな、友達のおかげでね。

 だから、そこで考えるのですよ。突き詰めて、突き詰めて、突き詰めて考えているので、あまりこの話はこういう場ではふさわしくないと思うのだけれども、メッセージとすれば、誰か一人でも二人でも生きていて良いのだよと自己承認してもらえるような人、ここもまた難しい話になってしまうのだけれども、哲学的な話になってしまうので、誰も一人にさせないまちといえども、ある意味では行政は限界があると思っている。

 自分がどのぐらい苦しんできたかという話なので、だからこそ、ふわっと見た時に、行政はいくつかの選択肢を与えることしかできないのではないかと思っています。貧困だとか、社会生活を営む上で、物理的にできなかったとかということとは別の話で、心の問題として考えたときに、そういうことしか行政はできないのではないかと私は思う。

 例えば、もっと生きろとか、生きていることは幸せだよとか、友達がいるとか、もっと良いことがあるではないかなんて、こんな絵空事を言っても、絶対胸には響かない。これはよく分かっている。私がやってきたことだから。だからこそ、今、行政ができることは選択肢を増やしてあげる、あげると言うと語弊がある。増やしていくしか、私は方法が無いと思っている。

 悲しいかな、これは人間が生きていく上で仕方がないと思っています。これが社会の責任だとか、時代の責任だとか、何とかの責任だと私は帰したくないし、自分がそうだったから。

 そうではなくて、できることがあるとするならば、選択肢を増やしていくことしか方法がないと私は思っています。どうして声をかけていったらいいかというときには、声をかけられない。首長として困ってしまうのですよ。私もそうだったけれども、私の克服の仕方は、ありとあらゆることをやって、ここにいるわけで、ということで、あまりこの議論はこういう場ではなじまなかったと思うのですが、そういう意味で、あのような答えをさせていただいたということを理解いただければと思います。

フジノの再質問

 市長、本当に率直な御答弁をありがとうございました。

 実は、再質問の間に昼休みがあったので、今回質問するということを当事者の方々に教えていましたので、感想メールがたくさん来ていたのです。5人ぐらいの方から、答弁を聞いて、「行政には何も期待しない」とか、「ゲームなんかもうやっているよ」とか、「メタバースを今さらやって何になるのだよ」という、すごく厳しい厳しい御意見が出ていたのですけれども、今の市長の御答弁を聞いて、みんなうなずいたと思います。

 正直、皆さんは行政に何もしてほしくないのです。

 例えば、施政方針の中で、悩みの相談を今までどおり行っていくとか、アウトリーチを行っていくと最初に枕言葉であったのですけれども、この間も横須賀市が当事者の方をお招きした、ぼそっと池井多さんもおっしゃっていたのですが、「アウトリーチ支援は恐怖でしかない」と。自分がやっと命からがら逃げ込んでいる家の中に土足で踏み込まれて、アウトリーチというと聞こえがいいけれども、ほかの、例えばひとり親の御家庭にアウトリーチするとか、貧困の御家庭にアウトリーチするというのとは意味合いが全く違って、「来ないでほしい。一番嫌な支援がアウトリーチだ」と。従来の支援は全然効果がないのです。

 だから、今、市長が本音ベースで話してくれた、自分は何も言ってほしくなかったし、何も要らないという言葉が、実は、今のひきこもりの、支援という言葉は上から目線で嫌なのですけれども、最新の知見というか、もし我々にできることがあるとするならば、生命の安全を提供すること、あなたが今ひきこもっていることは、その場所にいることは決して悪いことでも何でも無いと。今、生きていてくれてありがとうと。言えることは、多分それぐらいしかないのです。

 ですから、市長のおっしゃることに全く同感で、プライベートで市長とお話ししたときに、ひきこもりのことをパブリックな場で話すのはなかなか難しいよねというお話があったのですけれども、今のお話をして下さって、聞いておられる当事者の方は、我が意を得たり、市長も同じ体験者なのだなと思ったと、すごく感じています。

 その市長のお考えの上に立って、もう一回、今行っている支援をゼロベースで見直してほしいのです。例えば、生活支援課は生活困窮者自立支援法があるから、就労支援しないといけないのです。生活支援課長は、やはり何人就労につなげられたかというのが目標であったり、例えば健康部であれば、ひだまりんに何人来たかとか、そういうことがどうしてもテーマになってしまうのですけれども、まずは生きていていいというメッセージを横須賀市が、生きていいは上から目線で違いますね。「生きていてくれてありがとう」という言葉を繰り返し繰り返し、あらゆる機会に本市は発信することなのではないかと思っています。

 その先は、市長とお考えは共通で、僕はゲームとかすでにもう皆さんはやっておられるので、横須賀市が提供するのは、むしろ自宅とコンビニとか、秋葉原とか、行かれるところ以外の当事者同士が集まれる場、具体的には保健所が行ってくださっている、ひだまりんみたいな場所をもっともっと複数回開いていく。自分の地元に行くと、そこに知り合いがいるといけないから、例えば追浜に住んでいる人が武山に行ってみたりとか、いろいろな地域で開く。そのようなことのほうが本当に効果があると思っています。

 居場所をつくることが一番大事、そこで安心感が得られて、自分は生きていてもいいのだなと感じることがほのかにもできたときに、別の選択肢が初めて目に入ってくるのではないかと思っています。そういう意味では、今の市長の御答弁というのは、すごく多くの方々に励ましを与えた御答弁だったのではないかと思っています。 

 就労ではない。自立ではない。それは家族や支援者にとってのゴールでしかなくて、ひきこもりのゴールは何かというと、本人にしか分からない。本人にも分からない。だから、行政ができることは、そこに幸せになるための、ゴールが幸せになることだとするならば、どんなお手伝いができるかということを一緒に考えていくことなのではないかと思っています。

 少し長く話してしまったのですが、質問を変えまして、eスポーツやメタバースについてです。

 ひきこもり当事者とeスポーツ大会と銘打たれているのですけれども、せめて名前をやめられないか。みなさんは、ネトゲ廃人と自分のことを言ったりするぐらいにゲームをやっていらっしゃる。よく話すのは、原神という中国のオープンワールドのロールプレイングゲームがあるのですけれども、世界中人気で、みんなやっている旅人になるゲームなのです。このゲームをやっているひきこもり当事者の方たちは、世界中のひきこもり当事者ではない方たちとも関わっていて、ゲームのことを語り合うSNSとか、掲示板で語り合っている場で、それを読んでいると、どうもひきこもりの方みたいだなというのが分かるのです。

 僕たちにできることは、そこに書いてあることを読ませていただいて、どんなことをしたら元気が出るのかなとか、そういうところにあるのではないかと思っているのです。ですから、ゲームそのものを否定はしないのですが、ゲームをした後に語り合っている、その場の空気感とか、そういうものを行政はむしろ把握していただきたいと思っています。

 話を戻しますと、ひきこもり当事者などと銘打たれたゲーム大会に参加はしたくないというのが本音なのです。名称の変更を御検討いただけないでしょうか。

民生局長の答弁

 今の御意見については検討させていただきます。おっしゃるとおりだと思います。 

フジノの再質問

 次の質問に移ります。

 僕は、連携協議会のことを何度も何度も、前回も申し上げましたし、今回も申し上げているのですけれども、ここに集まっている人は、事務局も含めて第一線級の人が集まっています。それにもかかわらず、そこで議論にならなかったことが施政方針に上がってくることというのは、順番がおかしいと思っているのです。

 先ほど、家族や支援者から交流の場、生活の目標となるものが欲しいという声があり、eスポーツやメタバースが活用できるのではと考えたとあるのですけれども、では、連携協議会は何なのか。正直、この関係性が私はよく理解できなかった。市長の下に……。 すみません。時間を失念して質問をしてしまいました。 以上で質問を終わります。ありがとうございます。