藤野英明です。よろしくお願いいたします。

1.昨年の市長選挙の直後に高齢化対策と介護支援が焦眉の急だと取材に答えた市長の危機感について
昨年6月の市長選挙に再選された直後に、上地市長は神奈川新聞のインタビューを受けました。その記事は2025年6月23日付で、見出しは『横須賀市長3選の上地氏インタビュー、高齢化対策や介護支援が焦眉の急』と報じられました。記事の冒頭を紹介します。
「一夜明けた23日、報道各社のインタビューに応じた上地氏は『さらに市政を前進させていく。高齢化率の高い横須賀では、高齢化対策や介護支援が焦眉の急だ』などと抱負を語った。」
焦眉の急とは、眉毛が焦げてしまうほど近くまで炎が迫っているように、危険が目の前に差し迫っている状態を指す、とても強い表現です。上地市長は市長選挙を通じて多くの市民の生の声をお聞きする中で、今の本市にとって高齢化対策と介護支援が極めて危機的な課題だという認識に至ったと記者に語った訳です。
それならば、当然のこととして、再選から現在に至るまでの補正予算や当初予算には、この強い危機感が色濃く反映されてきたはずです。そこで再選から1年がたった今、ぜひ市長に伺いたいと思います。
【質問1】
焦眉の急とまで表現した高齢化対策と介護支援について、再選後から現在に至るまで、市長は担当部局にどのような指示を出されたのでしょうか。重点的に取り組むように指示した事項があれば、高齢化対策と介護支援のそれぞれについて具体的にお聞かせください。
【質問2】
高齢化対策と介護支援への危機感はそれぞれ具体的にどのような施策や予算措置として反映されたのでしょうか。さらに、それらの取り組みによって、再選後に市長がお感じになった強い危機感はどの程度改善されると見込まれていますか。
【質問3】
また、今なお最も大きな課題は何だと認識しておられるのか、お聞かせください。
→答弁なし(質問1と2に包含する形で答弁がありました)
2.介護者支援(ケアラー支援)のために本市が取り組む必要性について
僕も今の本市において、介護支援が焦眉の急だと考えています。その介護支援の中で最も危機的だと考えているのが、介護を担っておられる方々(以下、ケアラー)への支援です。これは一般的にケアラー支援、または介護者支援と呼ばれています。
ケアラー支援とは高齢者の介護に限定されるものではなく、医療的ケアの必要なお子さんのケア、精神疾患や難病をはじめとする様々な疾患や障がいのある御家族のケアなど、あらゆる領域において御家族や身近な人の介護やお世話を無償で担っている人々を社会全体で支えていくことを意味しています。
そのケアラー支援ですが、我が国では明らかに支援が立ち後れている実情があります。その結果、メディアでは毎週のように、介護に疲弊し切ったケアラーによる介護殺人や介護心中のニュースが報じられています。
長年連れ添った老老介護の御夫婦が介護に疲れ切ってしまう。ある日、介護に疲弊し切った自分の姿を見たつれあいが、「もう介護しなくていいよ、楽になってね」と自らの命を終わらせてほしいと懇願してくる。追い詰められているからこそ、他の選択肢が浮かばずに、そして愛しているからこそ、家族を手にかけてしまう。ケアラー支援の網がかかっていれば防げたはずなのに。こうした悲しい介護殺人が横須賀市内でも毎年2〜3件報じられています。
全国ニュースでは、高齢者介護だけでなく、障がいのある家族を手にかけてしまう事件も定期的に報じられています。どの分野においてもケアラーは限界の中で暮らしています。まさにケアラー支援は焦眉の急です。
こうした状況を防ぐ為に、本来ならば国レベルでの取り組みが急務であり、長年にわたって市民団体や学会などがケアラー基本法の制定を求めてきました。しかし、いまだ実現に至っておらず、僅かにヤングケアラーの支援についてのみ、2024年6月の改正子ども・若者育成支援推進法に明記されただけでした。これでは到底足りません。
これまでの認知症基本法や介護保険法などの個別法ではカバーし切れなかった、包括的・横断的な支援体制を国全体でつくり上げる必要性があるからこそ、ケアラー基本法の制定が求められているのです。
(1)本市独自のケアラー支援条例制定の必要性について
遅々とした国の動きを待たずに、埼玉県を筆頭に地方自治体レベルではケアラー支援条例の制定が進んでいます。2026年4月現在で35自治体が条例を制定し、ケアラーの支援に熱心に取り組んでいます。
ここで本市の動向をお話ししますと、本市においてはまず、議会から動きが始まりました。議会主導で条例制定や政策提言を行う政策検討会議において、2度にわたって(仮称)横須賀市ケアラー支援条例の制定が提案されました。残念ながらその2回とも優先順位としては3位になったため、議会主導での条例制定には至りませんでした。
しかしながら、市としても条例化の必要性については前向きに考えていることが伝わってきました。政策検討会議では優先順位が高い条例案について、横須賀市の担当部局の意見を聴取しています。2023年度当時の担当部局による回答は次のようなものでした。
「ケアラー支援条例の制定により、市民や関係団体に対して、ケアラーの存在についての認識と理解が広まり、支援の必要性が浸透することが期待できると考えます。また、市役所や関係機関が一体となってケアラー支援を行うための体制を整えることで、包括的な支援の推進が期待できます。地域社会全体がケアラー支援に共感し、地域住民や企業がケアラー支援に積極的に関わることで、ケアラーの負担軽減や支援の充実が図られると考えます。」つまり、本市としても条例制定の必要性について前向きに考えているという内容でした。
ところが、その後の2024年度の政策検討会議に対する担当部局の回答では「条例を制定し、ケアラー支援に対する理念や市の責務を明示する必要性は低いと考えています」として、条例制定に消極的な見解が示されました。わずか1年の間に担当部局の認識は大きく変わってしまいました。
この間、少なくとも条例制定の必要性が低下したと評価できるほど、本市のケアラー支援が大きく前進したとは僕には見えません。にもかかわらず、なぜ条例制定の必要性は低いという結論に至ったのでしょうか。介護支援が焦眉の急であると市長自らが認識しておられるのであれば、むしろケアラー支援の必要性は以前にも増して高まっているはずです。そこで市長に伺います。
【質問4】
2023年度には本市独自のケアラー支援条例制定の意義を認めていた担当部局が、2024年度にはその必要性は低いとの見解に至った理由をどのように認識しておられるのでしょうか。
→市長の答弁へ(質問5と6に対して市長はまとめて答弁しました)
【質問5】
その上で、市長御自身のお考えをお聞きします。担当部局の見解とは別に、市長御自身は本市におけるケアラー支援条例制定の必要性をどのように認識しておられるでしょうか。
→市長の答弁へ(質問5と6に対して市長はまとめて答弁しました)
【質問6】
また、条例制定に向けた検討を進める考えはありますか、お答え下さい。
→市長の答弁へ(質問5と6に対して市長はまとめて答弁しました)
(2)来年度改定を迎える各種行政計画の中に、本市の基本姿勢としてケアラー支援を明記する必要性について
自治体が様々な取り組みを法的根拠をもって取り組んでいく為には条例の制定が不可欠ですが、一方のデメリットとして、制定及び施行までにある程度、長期間の時間が必要となることが挙げられます。
そこで、今この瞬間もケアラーとして日々を何とか生き延びている方々に向けて本市が積極的に施策を打ち出していくために僕が次に提案したいのは『各種行政計画の中に明記すること』です。計画行政という言葉がありますが、条例の次に重要な位置づけなのは各種の行政計画です。
今年2026年はケアラー支援に関わる多くの行政計画が改定年度を迎えています。具体的に挙げていくと、『横須賀市高齢者保健福祉計画(第10期介護保険事業計画を含む)』『よこすか障害者計画』と『第8期横須賀障害福祉計画及び第4期横須賀障害児福祉計画』『第7次横須賀市男女共同参画プラン』が該当します。
本市がケアラー支援を前進させる為に、このタイミングを絶対に逃してはいけません。これらの計画一つ一つに本市の基本姿勢としてケアラー支援を書き込むべきだと僕は強く訴えたいです。そこで市長に伺います。
【質問7】
来年度改定を迎える各種行政計画の中に、本市の基本姿勢としてケアラー支援を明記すべきではないでしょうか。お答え下さい。
3.援助希求力の弱い男性に対する相談支援の必要性と発信の強化について
ケアラー支援を進める上で最も重要なのは、支援を必要とする方々が早い段階でSOSを出し、支援につながることができる環境を整えることです。
しかし、現実には助けを求めること自体が難しい方々が存在しています。
以前は、子ども・若者らヤングケアラーがSOSを出せない存在でしたが、児童相談所をはじめとする本市の取り組みによって社会的な認知が少しずつ広がり、周囲の大人の気づきが促され、また当事者であるヤングケアラー自身の声も少しずつ上がるようになってきました。やはりターゲットを定めて重点的に取り組むことが支援の展開・拡大には不可欠です。
そして、現在の本市が十分に取り組めていない課題の一つが、男性ケアラーを含めた援助希求力の弱い男性への相談支援だと僕は考えています。特に中高年男性は、弱音を吐いてはいけない、一人で解決すべきという社会的圧力を受けやすく、その結果、介護疲れ、家庭内の問題などを一人で抱え込み、孤独・孤立や自殺に陥るという現実があります。
こうした観点に基づいてこれまでも質問を重ねてきましたが、その後の本市の取り組みについて伺います。
(1)援助希求力の弱い男性の抱えるリスクに対する市長の認識について
令和5年3月定例議会における市長への個人質問において僕は、ジェンダー平等という概念が無かった時代に育った中高年以上の男性をはじめ、つらさや苦しさを誰にも相談できない男性を相談につなげるという視点を新たに検討していただきたいと提案しました。
何故ならば、自殺の犠牲者を分析すると、本市においても中高年以上の男性は自殺の既遂率がとても高いからです。男は弱さを見せてはならないと教えられて育った中高年以上の男性は誰にも相談しない傾向が強いです。また、国が策定中であった孤独・孤立対策推進法の中でも男性への相談支援を強化する方針だったことも取り上げました。男性専用の相談窓口は、2022年3月現在で37都道府県79か所であったものを、全国で男性専用の相談窓口を増やしていこうとする国の動きも紹介しました。
それから3年が経ちましたが、この問題について、国全体で大きな改善には至っていないと僕は受け止めています。本市としてもこの問題を重要な課題と受け止めて、新たな取り組みを行なう必要があると考えています。そこで市長に伺います。
【質問8】
男性は強くあらねばならないし、他人を頼ってはならないという価値観で生きてきた援助希求力の弱い男性の抱えるリスクについて、市長はどのような問題意識をお持ちでしょうか。
(2)男性向け相談支援の取り組みについて
かねてから僕は、全国の動きと同様に、横須賀市も男性向けの相談窓口を開設すべきだと提案してきました。そもそも相談窓口といえば、全ての人を対象にしている訳ですが、あえて男性向け、女性向け、LGBTs向けなどと銘打つことで、対象となった方々に自分は相談しても良いのだと意識してもらう効果があります。他都市で実践されている男性介護者の集いや男性向け性暴力被害の相談窓口なども、自分が相談してもよいのだと感じさせる効果を持っています。
こうした視点から、令和5年3月定例議会で男性向け相談窓口の必要性を訴えたところ、市長から次の答弁を受けました。
「あえて男性向け相談などと銘打つことの意味合いは非常に大きいと思います。計画などの検討・策定においては、どのように男性が抱える課題を位置づけるか検討してまいります。」
「男性向け相談の日を設けることで、女性がその日に、男性がそれ以外の日に相談しにくくなるなど、誤解を招くおそれもあると思います。男性介護者の集いなどといった具体的なイメージが持てるような相談の場やネーミングを考えて実施していきたいと思います。」
この答弁を受けてから3年がたちましたので、市長にお伺いします。
【質問9】
2023年から現在まで、本市は男性向け相談を試行も含めて実施してきたのでしょうか。具体的な取り組みとその効果を市長はどのように受け止めておられるか、お聞かせ下さい。
【質問10】
また、現時点ではどのような課題があるとお考えでしょうか。その改善の為に今後はどのような取り組みが必要だとお考えかもお聞かせ下さい。
(2)援助希求力の弱い男性に向けた発信強化の必要性について
常に男は強くあらねばならないし、誰にも頼ってはならないという社会規範の中で生きてきた中高年以上の男性の多くが孤独・孤立の状態に追い込まれやすく、ケアラーになると公的な社会資源に頼ることもせずに一人で抱え込んで潰れていってしまいがちな状態にあります。
社会規範や固定的価値観が深く内面化されている状態にある方々に対して、いくら相談支援の取り組みを実施しても、実際に相談につながっていただくことは難しいと受け止めています。つまり、相談支援に取り組むと同時に、特に中高年男性に向けて、「横須賀市は男性も相談しやすい体制を整えています」「介護や生活上のお困り事がある方は男女問わずに横須賀市に頼って下さい」というメッセージを強力に発信していくべきだと僕は考えています。そこで市長に伺います。
【質問11】
援助希求力の弱い男性に向けた発信強化の必要性について、市長はどのように認識しておられますか。お聞かせ下さい。
以上で1問目を終わります。再質問は一問一答方式で行ないます。
上地克明・横須賀市長の答弁
(藤野が一般質問に立つのが)久々の登場でうれしく思います。
【答弁1】
藤野議員からはこれまでも、市が様々な施策に取り組んでいるにもかかわらず、その内容が市民のみなさまに十分伝わっていないのではないかという御指摘を継続していただいています。いつも大変ありがたく受け止めるとともに、情報発信に課題があるという認識も共有しているところです。その点も含めて御質問をいただきましたので、この機会に私から改めてこれまでの取り組み状況について説明をさせていただきます。
私は公約として『横須賀復活』『誰も一人させないまちの実現』を掲げています。行政の役割は、市民の福祉の増進であると考えていて、その実現に向けて取り組んでまいりました。
私が示した様々な経済施策も目的は全て福祉の充実につなげることにあります。このことは、3期目の就任に当たり、市役所の全職員に対して、私の市政運営の基本方針として明確に伝えてきました。
その上で、具体的な高齢化対策としては、次の取り組みを進めるよう指示をしました。
まず、高齢者数が増える中でも、高齢者自身がいつまでも元気に暮らしていく為に、ヘルスケアデータを活用した健康支援に取り組んでいます。対象を75歳以上にも広げ、健康リスクの高い市民をデータで抽出し、より多くの市民に保健指導を届けています。
あわせて、動画配信システムを活用したフレイル予防活動事業を推進しています。これにより、身近な場所で気軽に運動や交流ができる環境を整え、高齢者の社会参加や多世代交流、地域のつながりの強化を目指します。
また、加齢に伴い、耳の聞こえが悪くなると、社会的孤立や認知症発症リスクが高まることもあるため、認知症未病対策の一つとして、補聴器の購入費助成を今年度から始めています。
介護支援としては『事業者向け』と『介護者向け』の2つがあり、事業者に向けて具体的には次のような経済的支援をするよう指示をしました。具体的には、令和7年度には補正予算を計上し、物価高騰対策として介護サービス事業者に対し、光熱費、食材費、燃料費を支援するとともに、訪問介護事業所等には経営改善と人材確保に向けた支援も行いました。また、住み慣れた地域での生活を支える介護施設の施設整備補助や、ケアマネジャーの資格更新研修費用の実質無償化、三次福祉避難所への備蓄品等購入費助成を行っています。
介護者に向けては、こころの相談や認知症高齢者介護者の集いの開催のほか、健康維持のためのシニアリフレッシュ券の発行や、寝たきり高齢者を介護する御家族の負担軽減のため各種サービスを行なってきています。
このように、まちの活力と地域のつながりを高め、横須賀に住めば、年を重ねてもいつまでも元気で生き生きと暮らせる、そう言われるまちを目指しています。
【答弁2】
次に、危機感です。私が強い危機感を持っている点は大きく2つあります。
1つは、いわゆる8050問題や老老介護に象徴されるように、支える側も支えられる側も高齢化し、家庭内で抱え込みやすく、孤立や生活の破綻につながりかねないという課題です。
もう1つは、その支えを担う介護人材が不足しているという課題であり、必要な支援があっても担い手がいなければ現場が回らないという非常に現実的な問題です。
8050問題や老老介護への対応については、重層的支援体制の一環として、ほっとかんを中心に、まず相談を確実に受け止め、状況に応じて要介護認定へつなげています。その上で、在宅サービスの活用、さらに必要に応じて介護施設への入所も含め、切れ目なく支援につなげ、本人と家族が抱え込み続けない仕組みを整えていきます。
また、こうした支援を実際に受け止めるのは、地域の介護施設や介護事業者であり、相談支援でつなぐ機能の強化と、介護の受け皿を支える施策を組み合わせることで、必要な方に必要な支援が届く体制を着実につくってまいります。
介護施設や介護事業者への支援として、まず経済面では、介護報酬の地域区分について国に働きかけを行ない、本市の区分が見直されることで、事業者が安定的に介護サービスを提供できる環境の整備につなげました。先ほども述べましたように、令和7年度には補正予算で物価高騰対策を行なうとともに、訪問介護事業所にも支援を行ないました。
人材確保としては、アクティブシニアの雇用説明会では、ハローワークの御協力の下、介護事業所での業務の切り分けを前提に、短時間勤務につながる業務紹介を行ないました。この説明会には50名を超える方に参加をいただき、3名の雇用につながっています。規模としては小さく見えるかもしれませんが、こうした入り口を増やす取り組みを積み重ねることが人材不足の緩和に直結すると受け止めています。
また、有償ボランティアのマッチングサービス『スケッター』については、まず今年度の実績を検証した上で、介護分野での定着を図りつつ、必要に応じて他分野への展開も検討してまいります。
以上の取り組みにより危機感は一定程度、完全とは思いませんが、着実に和らいでいくと見込んでいますが、引き続き、単発の施策に頼るのではなく、担い手の掘り起こし、定着、働きやすさの改善を組み合わせ、継続して取り組んでまいります。
福祉と経済政策は別々のものではなく、一体のものだと考えています。暮らしを支える現場が安定し、事業者が継続でき、働く人が確保されて初めて市民の安心が守られます。福祉と経済の好循環をしっかり回しながら、必要な支援を講じてまいりたいと思います。
【答弁4・5・6】
次に、藤野議員の御指摘のケアラー支援条例についてです。
結論から言います。前向きに考えたいと思います。
ケアラーの方々が抱える負担や孤立、就労・就学、健康への影響などは、見えにくいが故に深刻化し得る重要課題であり、支援の必要性は強く認識しています。
その上で、相談につながりやすい入り口づくり、早期発展とアウトリーチ、切れ目ない支援につなぐ連携、支援策の周知と使いやすさの改善といった実務を確実に前進させることも同時に重要と考えています。
時代とともにケアラーに対する支援は重要度が増加していると考えますので、改めて検討していきたいと思います。
【答弁7】
次に、支援の明記についてです。
ケアラーの方々は、御家族等の介護や看護、見守りなどを日常的に担いながら、自身の就労や学業、子育てとも重なり、心身の負担や孤立を抱えやすい状況にあります。支援を必要としていても、周囲に状況が伝わらず、結果として支援につながりにくい場合がある為、早期に気づき、必要な支援につなげることが重要だと考えています。
横須賀市が掲げる『誰も一人にさせないまち』という点からも、ケアラーの支援は福祉分野にとどまらず、地域で暮らし続けるための基盤となる大切な取り組みであり、高齢、障害、ジェンダー平等など、複数の領域に関わる横断的な課題だと受け止めています。
現時点では、本市の各種行政計画においてケアラー支援という文言で統一的に記載しているものはありません。ただし、これは支援を行なっていないという趣旨ではなく、介護・障害分野では御本人と家族への支援、子ども分野では家庭支援など、各制度・分野の計画の枠組みに沿った表現で、実質的にケアラー支援に当たる取り組みを行なっております。
今後は、これまで実施してきた既存施策をケアラーの視点で整理し、ケアラー支援に資する事業であることが分かるよう、各種計画の改定に合わせて、必要な記載をしっかりと行なうとともに、事業の周知に当たってもその旨を明示してまいりたいと思います。
【答弁8】
次に、援助の希求力についてです。
藤野議員御指摘のとおり、男性は強くあるべき、人に頼るのは恥といった価値観の下で、支援を求めることが遅れがちな方がいらっしゃるということは承知しています。私も同じタイプなので、その気持ちはよく分かるつもりです。
相談窓口の存在は知っていても、どこまで話していいか分からない、弱みを見せたくないと感じて、来所や電話相談をためらうことも少なくないと思います。こうした状況を踏まえると、本人が助けを求めやすい環境を整えることが重要だと思います。
例えば、昨年度実証実験したAIによる傾聴相談をより良い事業となるよう取り組んでいくなど、相談の入り口の多様化だけではなく、連携による切れ目ない支援、相談しやすい社会的雰囲気づくりも重要なことと考え、複合的に進めていかなければならないと思っています。
【答弁9】
次に、取り組みについてです。
ほっとかんにおける福祉相談は、令和2年4月の設立当初から、性別、制度、相談分野で区別すること無く、様々な困り事を一括で受け止める包括的な相談窓口として運用し、市民のみなさまへ周知・啓発を行なってまいりました。
相談窓口を男性限定と打ち出すことにより、女性が相談しづらくなる、あるいは相談先が限定されると受け止められるなど、現場としては影響を懸念している面もあります。
その為、現時点で男性のみを対象とした相談は試行も含めて実施していませんが、ほっとかんで受ける相談件数は年々増加傾向にあり、現場としては男性の相談者も増えている実感があります。
しかし、議員御指摘のとおり、相談につながりづらい男性がいることも踏まえ、相談の入り口の工夫や周知の在り方など、利用しやすさの向上に取り組んでまいりたいと考えます。
【答弁10】
次に、課題についてです。
男性向け相談を進めていく上での課題として、電話や来庁といった従来型の相談行動そのものに心理的なハードルを感じ、支援につながりにくい方がいるという点が挙げられます。また、つながったとしても、単発の相談で終わりやすく、課題が複合的・長期化しやすいことから、必要な支援につながり切らない場合があることも課題だと捉えております。
こうした課題の改善に向けては、第一に、電話や来庁にハードルのある方でも相談しやすいような相談の入り口の多様化や利用しやすさの向上が必要と考えます。その為、相談方法の選択肢を増やすことや、時間帯、周知の工夫、匿名性への配慮などにより、最初の一歩のハードルを下げられるよう取り組んでまいります。
そして、そこでわずかでもつながった市民に対して、単発で終わらせず、状況に応じて継続的に関わり、信頼関係を築きながら適切な支援につなげていくため、関係課・関係機関と連携し、相談者が抱え込みやすい課題を早期に把握し、切れ目なく支援につながる仕組みづくりを進めてまいりたいと思います。
【質問11】
次に、発信の強化についてです。
繰り返しになりますが、男性の中には、弱音を吐きにくい、人に頼りにくいといった価値観や経験から、困り事があっても相談に結びつきにくい方がおられ、結果として問題が表面化したときには複合化・深刻化している場合があります。
そうした方々に必要な支援を届けるには、窓口を整えるだけではなく、相談していいのだ、早めに相談することが自分と家族を守るというメッセージが本人に届く形での発信が重要と考えています。
今後は、相談先の周知にとどまらず、男性がためらいを感じにくい言葉や媒体、接点の持ち方を工夫し、電話や来庁に限らない相談の入り口も含めて、必要な方につながる発信の強化に取り組んでまいりたいと思います。

フジノの再質問
市長、御答弁ありがとうございました。感無量で、ほとんど答弁をメモすることができないぐらいの気持ちでした。ケアラー支援条例制定の方向については、前向きな御答弁がいただけたことを心から感謝しております。
その上で、あえて再質問をさせていただきます。
まず、焦眉の急だと市長が危機感を持って取材にお答えになった、そのお言葉について、改めて伺ってまいります。
今御答弁いただいた、重点的に取り組むように指示した事柄、高齢化対策と介護支援のそれぞれについて、具体的にお聞かせいただきました。
これらは補正予算審査、それから当初予算審査をしてまいりましたので、よくよく承知をしているところです。また、その前段階として市長がご説明下さった『経済を回すのは福祉の為である』という市長の根本的な理念については深く理解して、そしてその想いを議会の側から応援してきたつもりです。
その上で、あえてお伺いしたい。それは、本当に焦眉の急に見合った規模やスピード感であったのかということです。
先ほど市長の御答弁の中に、例えば「規模としては小さく見えるかもしれない」というお言葉もありました。実はそのように僕も感じております。「介護支援は本当に焦眉の急だ」というのを、市長選挙を通じて、一緒に市内を走り回った立場として、やはり感じたのは本音です。そこに対して、もっと本市としてできることがあるのではないかなという思いが正直あります。
先端的な技術を使った、いつまでも元気でいられるようなヘルスケア支援、これは本当にすばらしいと思います。これは横須賀市だからできること、これは上地市長らしい取り組みだとは思います。
でも、例えば動画でのフレイル予防なんていうのは、他の街でもやっているなというのは正直な気持ちとしてあるのです。コロナ禍を経た今ですから、動画を使ってこういった取り組みをやっていくというのはあると思うのです。
その他、事業者向け、介護者向けの取り組みもお伺いしましたけれども、これも他の都市もやっているよなという想いは正直拭えません。
感性豊かな上地市長らしい高齢化対策と介護支援、「焦眉の急」とお言葉を発せられた、その想い、危機感に見合った規模であるとか、また新しい取り組みであるとかスピード感というのがさらに求められていると思うのですが、いかがでしょうか。
上地市長の答弁
おっしゃるとおりだと思っています。
スピード感、新しいことをやらなくてはいけない。ただ、検証をして、何ができるかということを考えなければいけないといつも思っていまして、そこはやらなければいけないと思っています。
他都市がどうのこうのというよりも、横須賀市の高齢化対策、33%という率で、その中で何ができるかと、様々なことを実は考えているのです。
ただ、財政の問題だとか、ありますよね。若い方たちのこともやらなければいけないし、全体のこともやらなくてはいけない時に、ある部局でしか使えないということがある時に、全体で、今言ったように高齢化対策というのは考えていかなければいけないのではないかと。
部局の垣根を超えた高齢化対策を、ある意味では、考えなくてはいけないのではないかと実は思っていて、それは何ができるかということをずっと考えているのです。
だから、もう少しお待ちいただいて、今やっと様々なことが施策として出来上がったり、経済対策があるので、もう一度原点に戻らなければいけない。もちろん焦眉の急であるから、それはこれからまたぜひ考えていきたいと思いますので、応援をいただいたり、御支援をいただければと思います。
フジノの再質問
僕が「焦眉の急」と感じていること、いくつもあるのですけれども、その中で1つ、ご高齢の方々の『貧困』の問題が挙げられると思っています。
先月、そして先々月と、大津地域社会福祉協議会が開催している『子どもレストラン大津』にお邪魔してまいりました。名前のとおり、子ども食堂なのですけれども、大津地区というのは地域福祉が本当に盛んな地域ですので、地域の福祉の取組が進んでいるから掘り起こしが本当によくできている。子ども食堂の取組も回覧板でやりますよとアナウンスをしておられる、すばらしい取り組みだと思います。
その結果、今何が起こっているかというと、3分の2以上の参加者が御高齢の方なのです。
200食御用意したお弁当、今はコロナ禍を経て、一緒にごはんを食べるのではなくて、手渡しをしてお持ち帰りいただいているのですけれども、そこに並んでおられるのは子どもたちだけではなくて、その1.5倍ぐらいのご高齢の方なのです。
そこに2か月連続で通いまして、地区社協の皆さんも本当に悩んでおられる。子ども食堂という名前だけにして、ご高齢の方はなしにするのか。それともあるいは、本市の支援が得られればシニア食堂などをやってみたいなんていう声もいただいています。
こういった危機感をSNSで発信したところ、上町地区の有志の方が10月には子ども食堂・シニア食堂を、1日だけなのですが、やっていただけることになって、横須賀市全体でどれくらいのニーズがあるのか、これから見ていきたいな、そして政策提言していきたいなと感じています。
お話を戻しますと、高齢者の方の貧困、そして孤立がかなり進んでいるのではないかと感じています。
中には、ボランティアの方で、桜が丘で、すばらしい名前なのですが『貴婦人の会』という名前で毎月1回、お弁当を障がい福祉施設から取り寄せて、独り暮らしの女性の方だけが集まってごはんとおしゃべりができるという、こういう自主的な集まりをやることで、お食事を取りながら孤独感も孤立感も解消できるなんていう取り組みをやっているところもあります。
ただ、こういう民間のぽつぽつとした動きに頼っているだけでは、もう弱いのではないかなと。もう本当に追い込まれている時期にきているのではないかなという想いが正直あります。
お話を戻します。ご高齢の方々の貧困と、つまり食事にも悩むという貧困状態と、それから孤独・孤立についてどのようにお考えか、お聞かせいただければと思います。
上地市長の答弁
どこまで支援し、何ができるか。それから、おっしゃるとおり、お年寄りの孤独感というのはあると思うので、地域によっても違うし、今言ったように、様々な地域の中での集まり、コミュニティが出来上がって、その人たちを救っていく仕組みというのは、ある意味、地域運営協議会というのを若い時(上地市長が市議会議員時代)につくったのは、民生委員の皆さんではなく、地域のそういう方たちも救っていただけるという意味合いでつくったのです。お分かりだと思うのですが。
ただ、具体的、個別的にそういうことがあるとするならば、もう少し調べてみて、行政がどこまで関与できて、何ができるかということを考えなければ、今おっしゃったように、しなければいけないかなとは思っています。
ただ、高齢者の方が、どこまで何ができるかというのは、みんな個々違うと思うのです。だからそれも踏まえて、ちょっといろいろ考えてみたいと思います。
フジノの再質問
やはりまず現実を押さえていくというのはすごく大事だと思います。
一方で、個人個人で頑張ってくださっている、例えば飲食店の方、お名前はお店のご希望で言えないのですけれども、平作7丁目で居酒屋という形でお店を開いて下さっている方なんていうのは、もうメニューを全部500円に抑えて、これもうはっきりと「地域のコミュニティの為にやっている」とおっしゃっている所もあるのです。
こういう拠点を民間レベルで増やしていくサポートもぜひ行なっていただきたいし、横須賀市全体として、ご高齢の方々が最低でも月1回ぐらい地区社協レベルでお食事会をできるような、シニア食堂みたいなのができるような、そういう施策も必要ではないかと思うのです。
かつてはやっていたと思うのです。でも、それを最近は聞くことがなくなってしまったように感じています。
食というのは本当に、子ども食堂と同じで、お誘いしやすい。「集まりに来て下さい」というよりは「みなさんでごはんを食べましょう」なんていうのはすごく分かりやすいと思うのです。
そういった場を開催していただいて、そしてそこでお話をヒアリングしていく中で、実際のご高齢の方々の貧困や孤独・孤立がどんな状況なのかも、アンケート調査等もやっていただけると思っているのですが、生の声として把握していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
副市長の答弁
今回、高齢者の貧困ということを取り上げていただいて、いろいろ、るる御提案いただきました。
これは議員ももう前から活動していただいているように、貧困は、子どもさんもそうですし、シングルの方もそうだし、高齢者の方もそうだと思っていて、横須賀に限らず、社会全体に貧困というものが問題として深く根を張っていて、なかなか行政の手が届かないということはおっしゃるとおりだと思います。
例に挙げていただいた大津のような『支え合い協議会』が活発なところはやっていただいていますけれども、そうでないところにも貧困の方はいらっしゃって、我々行政はもちろんですが、地域の方々も分からないという状況もあると思いますので、そこは先ほど来、市長が申し上げているように、行政の役割と地域の役割、それから地域包括などの施設の委託を受けていただいている方々の力も借りなければいけませんので、今も介護保険課、地域福祉課ではいろいろな方々と定期的に会合を持って、どこがどういう役割で何を支えていくかということをやっていますので、もう一度改めて地域の方々とよく話をして、また施設の方々ともよく話をして、何ができるのか。
行政としてはやはり金銭的な支援というのは、なかなかちょっと裾野が広過ぎて厳しいというのは、先ほど市長が申し上げたとおりですけれども、何ができるのか、皆さんと一緒に考えていかなければならない時期だということは認識は同じでございますので、取り組んでいきたいと思います。
フジノの再質問
平沢副市長、御答弁ありがとうございました。
問題意識は全く同じです。お金を配ればいいとは全く思っていなくて、結局それが人をむしろ孤独に追い込んでいくと思っています。
本当はご高齢の方々だけではなくて、子ども食堂が地域食堂化して、大人も子どももご高齢の方もみんなで一緒に食事を取る。そんな中で会話が増えていく、というような状態が一番いいのではないかなと思っています。
そういう意味では、今ご答弁いただいた方向をこれからも進めていっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
続いて、ケアラー支援条例について伺いたいと思います。
本当にお恥ずかしい話なのですが、もう涙ぐんでしまって、全然何もメモが取れなかったのです。そこで、前向きに考えたいと思うとおっしゃって下さったことについて、もう一度確認させて下さい。
これは、本市独自のケアラー支援条例制定について、前向きに検討していただけるということでよろしいでしょうか。確認させてください。
上地市長の答弁
今の質問でそう考えたから、そうです。
フジノの再質問
今回の答弁作成の段階では、この答弁をすることが最優先事項だったと思いますので、細かい点はまだ煮詰めておられないと思うのですが、数点伺わせて下さい。
先ほども「条例制定には一定の期間がかかる」というふうなデメリットがあるよ、というお話をしました。
この上地市長のご答弁というのはケアラーの皆さんにとって福音となる、と思っているのですが、では、どれくらい検討に時間をかけるのか、いつぐらいをめどに条例制定をお考えなのか、お聞かせください。よろしくお願いします。
福祉こども部長の答弁
ケアラー支援条例については、先ほどの質問の中にもありましたけれども、いろいろ二転三転したところがございました。
今年度、前向きに考えたいと整理をしておりますので、これから他市の状況等を把握しながら、また、単なる理念条例になってしまってもいけないと思いますので、実効性のあるものを検討してまいりたいと考えています。
時期については、大変恐縮ですけれども、今年度とかすぐには言えない状況ですので、そこはお許しいただければと思います。
フジノの再質問
じっくりと丁寧に進めつつも、スピード感を持って取り組んでいただけるように、どうかよろしくお願いいたします。
これからまず調査に入っていくと思うのですが、その際に要望したいことが『当事者重視であるということ』をぜひ肝に銘じていただきたいと。
僕自身もいつもそのことを考えているのですが、ケアラーというのは単なる支援される存在ではなくて、一人の人間として夢があったり、目標があったり、生きたいライフスタイルがあったり、それが介護やお世話によってほぼできなくなってしまっているというような現実があります。
ですから、ケアラーの方々を単に支援される存在として扱うのではないということが、まず1点。
それから、様々な調査を行なっていくにあたっては、ぜひケアラーの当事者の方の声を常に重視していっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
福祉こども部長の答弁
おっしゃられる当事者の方、ケアラーの方々のいろいろな状況をまず把握する必要があると思っています。
また、併せてケアラーの方だけではなくて、やはりそれぞれ介護でありますとか、障害でありますとか、ご本人の方、世帯を含めて支援をしていかなければいけないと思っておりますので、その点も併せて当事者の方のお声を聞きながら進めてまいりたいと思っています。
フジノの再質問
続いては、行政計画の中に位置づけていくということについてです。これも、本当に上地市長のご答弁を聞きながら、胸が熱くなるような想いでいました。
今までは個別の計画の中に家族支援であったり、障がいのある方の計画であれば支援者の支援であったりという、単語はバラバラであったのを「今後はケアラー支援だと分かるように網をかけていきたいよ」という話がありました。
その中で2点お伺いしたいことがあります。これは可及的速やかにお願いしたい、取り組んでいただきたいということなのです。
本市では、市立の市民病院が優れた取り組みを行なっていて、ご高齢の方々に関してはレスパイト入院という取り組みを行なって下さっています。指定管理者は本当にすばらしい取り組みをやっていただいていると思います。
ご高齢の方々を介護している方が、例えば病気になってしまった。あるいは本当にメンタルもやられてしまったというような時に、介護を受けている方はお元気であっても、介護者のためにいったんご入院をいただくという形で、そこで生活をしていただくという形で支援をしていただいているのです。
ただ、これも御高齢の方々だけなのです。
本当にうれしいのは(理事者席の)皆さんがうなずいて下さっているのが、本当に家族の介護って、障がいがあったり、例えばアルコール依存症があったり、市長や僕は父親のアルコール依存症に苦しんだ経験を持っているという共通の体験がありますけれども、子どもがそういう親と向き合わねばならなかったり、本当に難病で苦しんでいるご兄弟を御兄弟が面倒を見ていたり、いろいろなバージョンがあると思うのです。それに対して、レスパイトを保障していただきたいと思っているのです。
行政計画の中に何とか書き込めないかと考えているのですが、ご高齢の方のレスパイト入院は多分保険適用もされて、収入も病院に対して保障されると思うのです。
ただ、他の分野は、医療的ケアが必要な方の支援を除いては、保険適用とかは多分無いと思うのです。例えばアルコール依存症の方の支援をしているご家族をレスパイト入院したいと思った時に、アルコール依存症の方を受け入れられる病棟があるかどうかとか、そういうリアルな問題があって、本市独自でやろうとしてもなかなか難しいだろうなという想いは正直あります。
でも、その難しいだろうなという想いを持った上で、なおレスパイトを保障していただけないかという思いがあるのです。
今回、行政計画、今一生懸命、改定作業を審議会でやっていただいているところですが、各計画の中にレスパイトの保障という観点を盛り込んでいただけないかという御提案をさせていただきます。御答弁をよろしくお願いいたします。
民生局長の答弁
今、藤野議員からお話しいただきましたレスパイトです。
介護という中で、介護疲れ等、様々ありますけれども、それを一時的に困難な状況を克服してもらうために非常に大切な取組だと思っています。市民病院で始めましたのは、議員も御承知だと思いますけれども、やはり介護の支援病院ということで、その点で始めさせていただきました。
今お話がありましたように、レスパイトを保障するにはどこか受け手がないとかないけないという状況もございます。今、市民病院の改革も改めてしているところで、自費の取扱いですとか、自費診療と言われるような分野にも取り組んでいきたいというような中で、病院ともよく話しまして、その保障ができるのかどうか、その辺も含めて一度検討させていただき、またそれができるようであれば、また計画に盛り込むということも可能になってくると思いますので、そのあたり、よく病院とも話し合いながらやってまいりたいと思います。
フジノの再質問
民生局長、ありがとうございます。
続いてもう1点、行政計画の中に何とか盛り込めないかというのが『災害時のケアラー支援』という観点です。
先日も台風6号がありました。市職員の皆さんが本当に24時間体制で頑張っていただいたこと、改めてこの場で心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。
その際に、やはり市民の方から御相談いただいたのが、いろいろな理由で避難できないよと。避難をしたいけれども、避難できないよというのを聞いていくと、実はケアラーであったという方がいらっしゃいました。
これは本当に悩ましい問題で、これまでも東日本大震災の時に、議会では特別委員会をつくって、そして危機管理課の皆さんをはじめ、横須賀市役所全体で災害時に、まず障がいのある当事者の方や介護が必要な当事者の方をどう支援していくかということについては語られましたが、その方たちを『要ケア者』とあえて呼ぶとするならば、要ケア者を支援している家族や知人やきょうだいなどはやはり避難できないのです。
要ケア者が自宅にいる限りは、自分も自宅に残らねばならないという気持ちにならざるを得ない。ここを何とか網をかけていただきたい。具体的な対策は、正直私も答えを持っていません。日本ケアラー連盟の政策提案書を見ていても、なかなか災害時のケアラー世帯に対する支援の充実強化という項目を読んでいても、具体的な内容にはちょっと説得力がないなというような思いがあります。
それでも横須賀市としてぜひ考えていっていただきたいと思うのです。どういう形であれば、災害時に要ケア者も含めたケアラー支援ができるか。これもぜひ検討事項として入れていただけないかと思うのですが、いかがでしょうか。
副市長(平澤和宏) 今議員はケアラー支援、福祉の観点ということでの御質問をいただきまして、それはそのとおりだと思います。
片や地域防災計画の支援計画の中でも、障害がある方がいらっしゃる御家庭の個別支援計画、これはそれこそ早急に各御家庭の状況に応じた個別支援計画をつくっていかなければいけないという課題がございます。
ただ、ここはまだ、市の避難所の中では福祉避難所、二次避難所、三次避難所の一応指定まで終わっているということですが、そこにどうやって具体的に個別支援で避難をしていただくかというところが、今議員おっしゃっていただいたように、正直まだできていないという実情でございまして、これは福祉部局も、それから危機管理部局も共につくらなければいけない、早急につくらなければいけないという認識がありますので、なかなか難しいのは議員も御承知だと思いますけれども、何とか取り組んでいきたいという、まだそういう状況でございます。
フジノの再質問
最後の項目に移ります。援助希求力の弱い男性に対する相談支援の必要性と発信の強化についてです。
今回、「3年間の間、男性向け相談を試行も含めて実施してきましたか」という質問をさせていただきました。残念ながら取り組みとしては行なってはいないのですけれども、男性向け相談という名前は銘打っていないのですが、実は2つ、優れた取り組みをしていただいています。
僕から申し上げるのもちょっと僭越なのですが、例えば『認知症介護者の集い』の募集の表現の中に、僕からの質問を受けてから、文章を変えて「男女問わずどなた様でも御参加いただけます」という文言を入れて下さいました。
この結果、『介護者の集い』の参加者の人数の中で、男性が増えていっているのです。令和4年が合計41人中、男性は5人だけであったのが、令和5年は、文言を変えた後は、参加者64人中、男性が22名、3分の1。令和6年は総参加者数59名中、男性21名、やはり3分の1。
この文言を変えるだけで、これだけ男性が参加しやすくなるのですね。こういう取り組みをぜひ進めていただきたいと思っています。これは『介護者の集い』についてだけでしたが、これはほかの取り組みにもぜひ広げていただきたいです。
それからもう1点は、人権・ダイバーシティー推進課が行なっている取組で、まさにテーマが『男性の生きづらさ』というタイトルで、2024年12月15日に講演会を開いて下さっています。こちらはまさに内面化されている男性の固定的価値観を溶かしていこうという取り組みなのですね。
この価値観を変えていくという取り組みと、それから男性も参加しやすい取り組みの両面をこれからも進めていっていただきたいと思っているのです。改めて市長の御見解をお聞かせください。
福祉こども部長の答弁
今、藤野議員お話しいただきましたように、表現を変えただけでこれだけ参加率が増えるというのは、我々も実感として感じるところでございます。
こういった今行なっているようなことを他にも広げていきたいと考えておりますし、相談しづらい状況のハードルをいかに下げるかというところが一番大事だと思っていますので、様々な入り口や周知の工夫については取り組んでまいりたいと思います。
フジノの再質問
本日の議会質疑は、本市のケアラーの皆さんにとってエポックメーキングというか、本当に革命的な答弁をいただいた日だったと思います。
最後に、ケアラーの皆さんに対して、市長からメッセージをいただければと思います。よろしくお願いします。
市長の答弁
様々な状況を抱えているケアラーの皆さん、できる限りこれからも私たちはご支援をさせていただきますのでぜひ頑張っていただきたい、とお伝えください。
※以上です※