市立大楠幼稚園・諏訪幼稚園の廃園の「延期」が正式に決定しました。子ども・子育て支援新制度の「施設型給付幼稚園」に移行します/教育委員会定例会(2016年5月)

教育委員会定例会、今日も複数の傍聴がありました

今日は午後から『教育委員会定例会』が開かれました。

教育委員会定例会の会場にて

教育委員会定例会の会場にて


教育委員による毎月の定例会(=教育委員会定例会)の場を市民のみなさまに傍聴していただきたくて、3年前から『STOP!傍聴者ゼロ』キャンペーンをを続けてきました。フジノ以外は傍聴者ゼロということがずっと続いていたからです。

けれども、ここ数回は複数の市民の方々が来て下さるようになり、市議も何人かは来るようになり、さらに神奈川新聞社も取材に来て下さっています。

傍聴者決定に向けての番号棒

傍聴者決定に向けての番号棒


今回もフジノを含めて7名の傍聴者でした。市民の方3名、市議3名、神奈川新聞の記者の方1名です。

『教育委員会定例会』は横須賀の教育の方向性を決める重要な場です。傍聴に来て下さった方々には深く感謝しております。

ありがとうございます。

そして、お忙しくて実際に傍聴に来られない方の為にもフジノはインターネット生中継・録画中継の公開を提案してきました。早期の実現を目指したいです。



教育委員会が「方針転換」を正式に「議決」することになりました

今日の議事は下のとおりで、

  • 議案第24号 市立幼稚園の廃園の議決の改正について
  • 議案第25号 市立幼稚園の子ども・子育て支援新制度への移行について

の2つの議案が審査されました。

今回の議事日程

今回の議事日程


この『議案第24号・市立幼稚園の廃園の議決の改正について』の説明資料には、こう記されています。

市立幼稚園廃園の議決の改正について


  1. 「市立幼稚園の廃園について」(平成27年8月21日議決)について


    市立幼稚園の廃園時期については、当初、平成29年度末とする方向で検討を進めていましたが、市議会や、保護者等を対象とする説明会での『(仮称)中央こども園』の開設時期と廃園時期を合わせることや、私立幼稚園での3年保育を考えた場合、時間的余裕がないとのご意見を踏まえ、平成30年度末で廃園とする議決をいただきました。

  2. 市立幼稚園を取り巻く状況の変化について


    (1) 『(仮称)中央こども園』の開設の遅れ
    平成31年4月を予定していましたが、建設用地について、所有者である国の提示価格と市の鑑定結果が折り合わず、平成27年度中の用地取得ができませんでした。

    その為、平成28年第1回市議会定例会の補正予算審議において、こども育成部から開園が最低でも1年遅れる旨の説明がありました。

    なお、平成28年第2回定例会において、こども育成部から『(仮称)中央こども園』の開園時期に関する報告があると聞いております。


    (2)長坂地区の廃棄物処理施設の設置に関する協定書
    昭和51年当時、長坂地区における廃棄物処理施設の設置に関する地元町内会との協定書の存在が明らかとなり、その中で、大楠幼稚園の設置に関する記述が確認されました。


  3. 議決の改正理由


    廃園時期を平成30年度末とした理由の一つである『(仮称)中央こども園』の開園時期が遅れることとなったこと。

    また、大楠幼稚園の設置に関する地元町内会との協定書の存在が明らかとなったことから、平成30年度末の廃園は困難であると認識しています。

    しかし、教育委員会事務局として、市立幼稚園の存在意義が薄れたとの認識は変わりませんので、今後、市立幼稚園を取り巻く状況を踏まえ、あらためて廃園時期を決定する必要があると考えています。


文章では分かりづらいので、図にしました。

市立幼稚園をめぐる教育委員会の動き(フジノ作成)

市立幼稚園をめぐる教育委員会の動き(フジノ作成)


昨年(2015年8月)、教育委員会は正式に『市立幼稚園の廃止』を議決しました。

決定前から、廃止に反対する多くの市民の方々の活動がありました。議決された後も、その声はやみませんでした。

さらに、前回(4月22日)の定例会の場で、市立幼稚園の廃止の撤回を求める請願が出されました。

その請願には、廃止を撤回せざるをえない決定的な証拠もあって、教育委員会はこれまでの廃止の方針を転換せざるをえなくなりました。まさに市民の方々の強い想いと行動力の勝利でした。

教育委員会は『議案』として正式に1度『議決』してしまったことなので、方針転換をする為には今日改めて『廃止延期の議案』を『議決』しなければならなかったのです。

廃園の時期を正式に延期とする議案第24号

廃園の時期を正式に延期とする議案第24号


上が『廃止延期の議案』です。

絶対にみなさまに忘れていただきたくないのは、残念ながら今回の決定は『廃止とりやめ』ではなくてあくまでも『廃止延期』でしかありません。

フジノとしてはこれからも市民のみなさまと意見交換を続けていき、こどもたちの教育・保育環境がこどもたちと保護者の方々にも安心していただけるように、改善を訴えていきます。



子ども・子育て支援新制度の「施設型給付幼稚園」に移行します

もう1つの議案もかんたんに説明いたします。

市立2幼稚園を「施設型給付幼稚園」に平成29年度から移行する議案

市立2幼稚園を「施設型給付幼稚園」に平成29年度から移行する議案


下が教育委員会による説明資料です。

市立幼稚園の子ども・子育て支援新制度への移行について


  1. 子ども・子育て支援新制度(以下『新制度』)について


    質の高い幼児期の教育と保育の総合的な提供等を目的として、平成24年8月に成立した、『子ども ・子育て支援法』『認定こども園法の一部改正』『子ども ・子育て支援法及び認定こども園法の一部改正法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律』の、子ども・子育て関連3法に基づく制度です。

  2. 新制度に移行した幼稚園について


    下記1または2を選択することになりますが、 市立幼稚園については、2の「施設型給付」幼稚園に移行することになります。

    1.認定こども園…学校教育と保育を提供する施設
    2.『施設型給付』幼稚園 …学校教育のみ提供する施設


  3. 新制度に移行した場合の主な変更点


    利用者は、市町村に対し『保育の必要性』の認定を申請し、1号認定(教育標準時間認定教)の認定証の交付を受けます。

    利用者負担(保育料)については、実施主体である市町村が定めますが、原則として、世帯の所得状況に応じた応能負担となります。


  4. これまでの経緯について


    文部科学省は、平成27年度の新制度施行時から、すべての公立幼稚園は移行するという考え方でした。

    しかし、教育委員会事務局として、在園中の保護者に対し、入園説明会で説明をしていないこと、また平成24年度に保育料を値上げした直後であり、サービス内容の変わらない中で、さらに保育料負担噌となる世帯への配慮、また当時、平成29年度末での廃園を検討していた状況などを総合的に判断し、これまで、新制度に移行しない公立幼稚園として運営してきました。


  5. 今後の方針について


    国から引き続き新制度への移行を促す指導がある中、廃園時期を先送りするとした場合、旧制度のまま運営することは適当ではないと判断しました。

    そのため平成29年度から新制度の幼稚園に移行する必要があると考えます。

    なお、本議案の議決後には新制度移行に係る条例等の改正の手続きを進めてまいります。


これは、市民のみなさまにとってはあまり影響はありません。

財源がどこから出てくるか、そのしくみが変わるだけです。

内閣府ハンドブックから「施設型給付」の説明

内閣府ハンドブックから「施設型給付」の説明


上の図は内閣府の作った子ども・子育て支援新制度のハンドブックです。

これまでは、保育園・幼稚園・こども園とバラバラだった財源の在り方を『施設型給付』に一本化した、というものです。

横須賀市は市立2幼稚園を廃止するつもりだったので、新制度に移行していませんでした。

しかし、今後も市立2幼稚園を継続していくので新制度に移行する、財源は『施設型給付』となる、という内容の議案です。これも可決されました。

改めて、諏訪幼稚園を廃止させずに存続すべく活動を続けてきて下さった市民のみなさま、本当にありがとうございました。

同じく、大楠幼稚園を廃止させずに存続すべき活動を続けてきて下さった市民のみなさま、本当にありがとうございました。

ともに、関わって下さった全ての方々に対して、心から「おつかれさまでした」「ありがとうございました」とお伝えしたいです。

こどもたちの教育・保育環境を守り、より良いものにしていく為に、どうかこれからも力を貸して下さい。

これで正式に廃止の延期が決定しました。

本当にありがとうございました!



大楠幼稚園の廃園は「先送り」へ!教育委員が方針転換をしました/教育委員会定例会

前の記事から続いています)

大楠幼稚園の設置を約束した「協定書」が新たに「再発見」されました!

まず請願第1号『大楠幼稚園の廃止の撤回と、大楠地区の子ども子育て環境の充実を求める請願』を出して下さった方々から、『陳述』が5分間行われました。

『陳述』というのは、請願書の文章だけでは伝えきれない想いを教育委員会定例会のその場で、じかに言葉で述べる機会のことです。

わずか5分間という限られた時間ではありましたが、とても切実な想いが語られました。

さらに驚愕の事実が語られました。

なんと、かつて昭和51年に横須賀市と地域が交わした『協定書』の中に大楠幼稚園創立の根拠が存在したという新たな事実が述べられました。

横須賀市長と長坂町内会長が交わした昭和51年12月22日付「協定書」

横須賀市長と長坂町内会長が交わした昭和51年12月22日付「協定書」


つまり、横須賀市が長坂に『ごみ埋立地』を作るにあたって、当時の横山和夫横須賀市長と長坂町内会長との間で『協定書』が交わされていました。

なんとその中に、大楠幼稚園の設置が約束されていたのです。

事実、この約束に基づいて大楠幼稚園は新設されたのです。

しかもこの『協定書』では、将来何らかの事態の変化があった場合には、しっかりと協議を行わねばならないことが記されていました。

(大楠)幼稚園の設立が約束された「協定書」

(大楠)幼稚園の設立が約束された「協定書」


つまり、廃園をするというならば、『協定書』に基づいて誠意をもって横須賀市は協議をしなければならなかったのです。

けれどもすでに請願にも記されているとおり、教育委員会は廃園の決定ありきで、地域住民のみなさまと丁寧な話し合い(協議)は行わずにきました。

これは『協定書違反』です。

もしも訴訟が起こされれば、横須賀市は確実に敗訴するでしょう。

この『協定書』の存在は、歴代の教育委員会事務局のみなさんも全く知らされていなかったそうです。

『協定書』の存在を憶えておられたいち市民の方が、声をあげてくださったそうです。

署名活動をしておられたみなさんの熱意が、昭和51年当時に『協定書』を交わしたことを憶えておられた市民の方との出会いを生み出したのだと思います。

この『協定書』の中身は今までフジノも全く知らず、陳述によって初めて知らされて、正直なところ大きな衝撃を受けました。



「大楠幼稚園の廃止は先送りする必要がある」と画期的な所見が述べられました!

これを受けて、続いて教育委員会事務局の教育指導課長から所見が述べられました。

大楠幼稚園の廃止の撤回と大楠地区の子ども子育て環境の充実を求める請願に対する教育委員会としての所見

請願第1号の願意は、大楠幼稚園について、平成27年8月21日の教育委員会定例会で議決(議案第44号)された、市立幼稚園の廃園を撤回し、併せて大楠地区の子育て環境の今後の展望を示したうえで、保護者や地域と協議の場を設けることを求めるものです。

市立幼稚園は、その存在意義を、「私立幼稚園の補完的役割」及び「幼児教育の研究活動」、「支援を要する園児の受け入れ」として運営してきました。

まず、「私立幼稚園の補完的役割」については、子どもの増加に陰りが見え、また私立幼稚園数及び定員が増加し、民間での受け入れが充分となったことで、その役割を終えたと、平成9年、10年当時に、市立幼稚園の休園が検討された時点で判断しています。

「幼児教育の研究活動」については、市立幼稚園で行ってきた研究活動とは別に、横須賀市私立幼稚園協会へ研究委託を行っており、毎年、その研究成果をもとに、幼児教育の充実・改善に努めています。

今後も引き続き、横須賀市私立幼稚園協会との連携を深め、研究委託を行っていきたいと考えており、担当指導主事も関わりを持ちながら、研究成果の発信をしていくことができれば、横須賀市全体の幼児教育としては、より良いものになっていくと考えています。

また、「支援を要する園児の受け入れ」については、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」の施行により、障害を理由とした不当な差別的取扱いが禁止されたことや、「子ども・子育て支援新制度」の施行により、新制度に移行した施設には、入園希望者の受け入れについて応諾義務が規定されたことで、その役割をお願いしていきます。

以上の理由から、市立幼稚園の存在意義が薄れていると判断し、教育委員会として廃園方針を決定しました。

しかし、大楠地区には私立幼稚園がないことへの不安などから、幼稚園の存続を望む保護者の要望は強く認識しております。

教育委員会として、市立幼稚園の存在意義が薄れたとの認識は変わりませんが、廃園時期を平成30年度末としていたことについては、その後の市立幼稚園を取り巻く状況の変化や、地域の現状を踏まえ、先送りする必要があると考えております。

あらためて地域の置かれている状況を分析し、大楠地区における、より良い幼児教育の在り方について、保護者をはじめ地域の皆様と協議していきたいと考えております。

所見が読み上げられました。

なんと「廃園は先送りする」と述べられたのです!

これまでの教育委員会の方針が覆されました。

教育委員会は昨年(2015年)8月の教育委員会定例会で廃園を議決していたからです。

傍聴席からも、喜びと戸惑い(本当に廃園は無くなるの?)とが混ざった驚きの声があがりました。

その後、質疑応答に入り、教育委員から数点の質問があがりました。

やはり『協定書』の存在についての質疑も多く交わされました。

これは、完全に方針転換です。

市民のみなさまのがんばりが、教育委員会の方針転換につながったのです。素晴らしい市民力です。



後日談:翌日の神奈川新聞に大きく報道されました!

教育委員会定例会には、前回も今回も神奈川新聞S記者が取材に来て下さっていました。

そしてこの結果を受けて、翌日の神奈川新聞に大きく報じて下さいました。

2016年4月23日・神奈川新聞より

2016年4月23日・神奈川新聞より


フジノのブログでは大楠幼稚園にしか触れることができませんでしたが、神奈川新聞ではしっかりと諏訪幼稚園についても記して下さいました。

とても分かりやすい記事で、とても良い記事だと感じます。

横須賀市は、市立幼稚園の廃止をはじめ、婦人会館の廃止、小学校の統廃合、あらゆる公共施設の廃止など、あまりにも拙速に進めすぎです。

今回の大楠幼稚園を守ろうという市民のみなさまの活躍は、こうした横須賀市の誤った方針に一石を投じたという大きな意義がありました。