横須賀美術館の「教育委員会」から「市長部局」への移管が市議会に報告されました/教育福祉常任委員会

美術館の「移管」について、市議会に報告されました

本日、教育福祉常任委員会が開かれました。

教育委員会から「横須賀美術館を教育委員会から市長部局へ移管する」ことについて報告が行われました。

教育委員会の説明資料

教育委員会の説明資料


報告は、フジノがすでにブログで報告してきた内容と同じです。

以下に、教育委員会が配布した資料を全文引用します。

横須賀美術館の在り方について

  1. 経緯

    平成19年度の開館以来、横須賀美術館は近現代美術をテーマとした企画展や、横須賀・三浦半島ゆかりの作家の紹介、これまで収集してきたコレクションの所蔵品展等を開催し、毎年度10万人以上の観覧者を迎えている。

    また、多くの人が美術に親しみを感じられるようワークショップ等の教育普及事業を実施し、社会教育施設としての役割を果たしてきた。

    一方で、施設運営に年間約3億円の経費負担があることから、運営の見直しについてのご意見もいただいてきた。

    そこで、平成23年度に運営改革の検討をするための庁内組織として 美術館運営方法検討委員会(後に「美術館運営改革プロジェクトチーム」に移行)を設置し、1.集客力アップ 2.市民満足度の向上 3.経費削減・収入増加の3つの柱を掲げ、美術館の運営改革に向けた検討を開始した。

    その検討のなかで試行として、民間企業を展示イベント事業者とする特別企画展を開催したところ、実施方法に疑義が生じたというご意見や、美術館の現場における作業の進め方から、美術館の信用を失いかねない課題があったものの、試行の結果から、美術館には集客や都市イメージの向上に資することのできるポテンシャルがあることを再認識することができた。

    このような経緯や検討結果をまとめフロジェクトチームから、横須賀美術館の在り方について中間報告書が提出された。

    報告書では、今後の美術館の方向性として、今までの教育活動に資する美術館としての機能は残しつつ、美術館をより一層集客や都市イメージの向上などに活用していくために、文化行政を所掌し他部課との連携をより緊密にとることができる市長部局(政策推進部)へ美術館を移管する必要があるとしている。

    この中間報告書を受けて、横須賀美術館の方向性を以下のとおりとして進めていきたいと考えている。

  2. 今後の横須賀美術館の方向性について

    市民の美術に対する理解と親しみを深め、文化の向上を図ることが、美術館の大きな目的である。

    加えて、集客や都市イメージの向上に資するために今までになかった話題性のある高い集客が見込める企画展やイベントの開催、市民の作品の紹介等を実施していく。

    ただし、特別企画展での反省をふまえ、公立美術館としての水準(信用)を維持するために、展覧会め開催、教育普及、美術品の保管等に、専門的知識を有する学芸員がしっかりと携わっていくことが必要であると考えている。

    (1)教育活動に資する美術館

    ○市民の美術に対する理解と親しみを深め、文化の向上を図る。
    ・優れた美術品を紹介する企画展、所蔵品の展示
    ・学校と連携し、子どもたちの鑑賞教育を実践
    ・子どもワークショップ、親子向けギャラリーツアー、野外シネマ等の活動

    (2)従来の美術館の枠を超えた美術館

    ○集客や都市イメージの向上に貢献し、コストパフォーマンスの改善を図る。
    ・サブカルチャ一、アニメなど、高い集客が見込める企画展の開催
    ・美術館の持つイメージを広く発信し、 ドラマ、映画、CM等の商業撮影を拡大

    (3)市民や地域に聞かれた美術館

    ○市民や地域の文化活動に貢献し、市民満足度の向上を図る。
    ・市民の作品を紹介
    ・市民文化団体との連携

  3. 市長部局への移管について

    集客や都市イメージの向上に資するため、教育を自的とすることだけに縛られない、自由な発想、の中から幅広い活用を図るために、美術館を教育委員会から、他部課との連携がより緊密にとれ、文化行政を所掌する市長部局(政策推進部)へ移管することを考えている。

    【参考】他都市の例 *市長部局が所管する美術館

    1.関東近隣
    横浜美術館、千葉市美術館、板橋区立美術館、 町田市立国際版画美術館、川崎市市民ミュージアム、

    2.中核市(全国)
    金沢21世紀美術館、アーツ前橋、高崎市美術館、 川越市立美術館、長崎市野口弥太郎記念美術館

  4. 移管までの主なスケジュール

    今後は、教育委員会会議や社会教育委員会議等においてご議論いただき、第4回市議会定例会に条例改正議案を上程し、平成27年4月を目途に市長部局へ移管したいと考えている。

    平成26年8月教育委員会会議
    ・中間報告書について報告。
    ・美術館の在り方について社会教育委員会議に諮問。
    8〜10月社会教育委員会議
    ・美術館の在り方について(諮問)の審議。
    ・教育委員会に答申。
    9月第3回市議会定例会(美術館の在り方について報告)
    10月教育委員会会議(答申を受け、審議)
    11月教育委員会会議(審議)
    11月第4回市議会定例会(条例改正議案上程・組織改正報告)
    平成27年4月市長部局(政策推進部)へ移管

市議会への報告は、無事に終わりました。

今後のスケジュール

『移管』に向けての手続きが少しずつ進んでいます。

8月22日教育委員会会議
・中間報告書について報告。
・美術館の在り方について社会教育委員会議に諮問。
8月28日社会教育委員会議
・諮問(美術館の在り方について)を受ける。
9月5日第3回市議会定例会(美術館の在り方について報告)
9〜10月社会教育委員会議
・3回の議論。
・教育委員会へ答申
10月教育委員会会議(答申を受け、審議)
11月教育委員会会議(審議)
11月第4回市議会定例会(条例改正議案上程・組織改正報告)
平成27年4月市長部局(政策推進部)へ移管

まず、9〜10月は、『社会教育委員会』の会議での議論です。

これからも経過を全て市民のみなさまにお伝えしてまいります。

今回から新たに「中間報告」が実施されました/横須賀美術館運営評価委員会(2013年度・第2回)

美術館運営評価委員会へ

午後から、観音崎にある横須賀美術館に向かいました。

『横須賀美術館運営評価委員会』(2013年度・第2回)を傍聴する為です。

会場にて

会場にて


この会議では『運営・事業計画・実績の評価』『評価結果に基づく改善策』を議論しています。

横須賀美術館運営評価システムの全体像

横須賀美術館運営評価システムの全体像


その結果をまとめた『評価報告書』がこちらです。

50ページほどでよくまとめられていますので、ぜひご一読下さいね。

年度
 2010年度・横須賀美術館 評価報告書
 2011年度・横須賀美術館 評価報告書
 2012年度・横須賀美術館 運営評価報告書

最新版である2012年度版は、この7月に提出されました。

今回から「中間報告」が実施されました

この運営評価委員会は、2007年から試行錯誤を重ねながら前進してきましたが、今回さらに改善点がありました。

初めて『中間報告』がなされたのです。

上半期が終わりましたので、事業計画の進捗状況と目標の達成状況が報告されました。

今日はそれをもとに議論が行なわれました。

(実際の資料は終了後に回収されてしまったので、ここでご紹介することはできないのがとても残念です)

横須賀美術館

横須賀美術館


かつては1年度が終わってしばらくしてから評価作業を行ない、報告書を作成してきました。

この方法では、ある年度の取り組みへの評価が反映されるのは翌々年度になってしまいます(この問題についてはこちらで取り上げていますのでご覧下さい)。

かつての方法ではPDCAサイクルを1周させるのに2年かかっていた

かつての方法ではPDCAサイクルを1周させるのに2年かかっていた


あらゆる取り組みの改善には『PDCAサイクル』を回していくことが大切ですが、『PDCAサイクル』があまりにも間延びしてしまえば、効果がありません。

そこでこの『時期の大きなズレ』を解消するようにフジノは提案してきたのですが、昨年の運営評価委員会では評価時期がやや前倒しされました。

さらに今回から『中間報告』が実施されたことで、評価が反映される時期がより早くなります。

つまり、ここで指摘された改善すべき事項は、今年の下半期の取り組みにさっそく反映されることになるのです。

『中間報告』の実施をフジノは高く評価したいです。

「事業実績」を向上させるように「評価」を充実させていきます

かつては『評価方法そのもの』の議論が中心だったこの運営評価委員会が、少しずつ本来の目的に近づいてきました。

  1. 評価方法に関すること
  2. 運営・事業計画の評価
  3. 美術館の運営・事業実績の評価
  4. 評価結果の報告・公表に関すること
  5. その他、美術館の評価に必要な、専門的な事柄

こうした5つの目的のうち、2011年くらいまではどうしても1番目の議論にとどまってしまっていたのです。

やはりこの運営評価委員会の在るべき姿は、2と3を中心に議論していくことにこそあるのだとフジノは考えています。

つまり、『評価』を行なうことが「収益を上げる」「お客様満足度を高める」という結果につながるようにしていくことこそが重要です。

フジノが毎回欠かさず傍聴を続けているのは、これを実現できるような運営評価委員会に改善する為です。

残念ながら、今の評価委員会にはまだそれが実現できていません。

今後は『運営評価報告書』の内容がさらに充実したものになるように、この運営評価委員会を引き続きチェックしていき、そしてより良いものとすべく提案を行なっていきます。

美術館改革はフジノの原点です

美術館改革は、大きな制度の変更(直営から民営化する、など)も必要ですが、同時に、現場の細やかな改善の積み重ねやこうした運営評価の在り方を改善することも不可欠です。

フジノは、こうした観点と、時間的な観点(短期・中期・長期)なども含めた複合的な形で、さらに提案を続けていきます。

美術館改革は、フジノの原点です。

必ず最後までやり遂げます。