流産・死産へのグリーフケア・ビリーブメントケアの必要性を訴えました/教育福祉常任委員会(2017年決算議会)

絶対に避けてはならない「流産」「死産」への取り組み

これまでフジノは不妊症支援と不育症支援に取り組んできました。

県内でも先駆けて、2012年度から横須賀市が『不育症治療費への助成』をがスタートしたのも、フジノの問題提起がきっかけでした。

保険適用されない高額の治療費の存在は受診への大きな壁になっていましたから、市から助成が出るようになったのは大きな前進です。

けれども・・・

長年にわたって不育症の支援に関われば関わるほど、いつもフジノは別の問題に直面しなければなりませんでした。

それは、

『流産』と『死産』

です。

妊娠の初期であれ、生まれた直後の死であれ、流産と死産の悲しみに立ち会うことほど悲しくてつらくてやりきれないことはありません。

フジノは政治家ですから『第三者』としてその場に立ち会っている訳ですが、それでも胸がはりさけそうな、泣き叫びたい気持ちになります。

当事者である妊婦さん、パートナーの方の悲しみは計り知れません。

さらに、おじいさんやおばあさんになるはずだった方々やご家族も、心理的なダメージの大きさを見過ごしてはならないと感じます。

たくさんの天使たちと出会うたびに、フジノは強く感じるようになりました。

天使ママ・天使パパへのサポートが全く存在していない現状がある。

横須賀にも民間団体『天使ママの会よこすか』が存在していて、当事者の方々が活動して下さっています。

けれどもわずか年4回の集まりがあるに過ぎません。

(当事者のみなさんが活動を毎日することは現実的に不可能です)

『悲嘆』という専門用語があります。

とても大切な存在を失った悲しみをきちんと悲しむということ(『喪の作業』とも呼びます)は、実はとても難しいことです。

とても大切な存在を失った悲しみをきちんと悲しむことができる、その為のサポートをすることを『グリーフケア』または『ビリーブメントケア』と呼びます。

たくさんの天使たちに出会い続けてきた結果、フジノは『流産』『死産』に対する『グリーフケア』『ビリーブメントケア』を行政が行なうべきだと考えるに至りました。

民間団体や当事者のみなさんに任せきりではいけない。

他都市では、一部の産婦人科の診療所やNICUを持つ医療機関において積極的に取り組んでいるところもあります。

けれども、わがまちでは『流産』『死産』に対する取り組みがすっぽりと抜け落ちています。

だからこそ、フジノは政治・行政が取り組むべきだとの結論に至りました。

今後このテーマについて、ずっと取り組んでいく決心がつきました。

そして、この決算議会から質疑や提案をスタートさせることにしました。



まず、本会議で市長に対して訴えました

先月9月11日の本会議において、市長への一般質問で下のように述べました。

本会議での質問(2017年9月11日)

フジノの質問

我がまちには『こんにちは赤ちゃん事業』というものがありまして、全国でも誇るべき取り組みなのですが、出産をした妊婦のところへほぼ100%、保健師が派遣されている。

けれども、実際に死産や流産をされた、まさに産後うつ・自殺の危機がある方々の所へ全員アプローチできているかと保健師にお尋ねすると、

「訪問したいができません」

とおっしゃるのです。

何故できないのですか、少子化で人数が減っていて、それでも何でできないのですかと言うと、

「お一人お一人のご家庭が、無事出産できたご家庭であっても、あまりにも問題が複雑多様化していて、死産をされた・流産をされた方の所に行きたくても行けません。

もし御相談いただいたら行きますが、保健師魂としては行きたいが、現実的にアプローチはできていません」

とお答えされる。
 
また、NICUで39週より前に生まれた極低出生体重児、昔の言葉で言うと超未熟児は、例えば28週などでも生まれている訳ですが、NICUに赤ちゃんが入院していても、『こんにちは赤ちゃん事業』としてお母さんのもとに訪れるべきなのです。

「行っていますか?」

とお聞きしたところ、やはりできていないのです。

熊本市民病院は同じ公立の市民病院ですが、NICUに入院中からお母さんのもとに地区担当保健師が訪れて『こんにちは赤ちゃん事業』を行なっている。
 
このように「本当は実施したいのだ」と思っている公務員の皆さんの思いが、人数がいないからできない。

客観的に見ると、少子化が進んでいて、子どもの人数も出産する赤ちゃんの数も減っている。

この保健師の人数だからできるだろう、と周りは見てしまうが、一つ一つの案件が複雑多様化しているので、本来は行ないたいことができずにいるのです。

ここでは、保健師や助産師の人材不足を訴える文脈で述べました。

特に市長に答弁を求めない形での意見に過ぎない形でした。



所属する委員会では3つの部に対して具体的な提案を始めました

そこで、改めてその後の教育福祉常任委員会では具体的な提案にしっかりと答弁を求める形で質問しました。

所管する4つの部局のうち3つ(『健康部』『福祉部』『こども育成部』)に対して、様々な提案を行ないました。

本日開催された教育福祉常任委員会では、こども育成部に対して質疑を行ないました。

教育福祉常任委員会(こども育成部の決算審査)が行なわれました

教育福祉常任委員会(こども育成部の決算審査)が行なわれました


その質疑を報告します。

教育福祉常任委員会での質疑(2017年10月4日)

フジノの質問

流産・死産への対応について伺います。
 
いろいろな状況で死産または流産してしまう方というのは一定程度必ずいらっしゃる。

それに対して本市ではアプローチができているのか。

例えば、少し過去の数字になってしまうのですが、2014年の国の人口動態統計では、12週以降の死産を発生時間で表現すると、22分21秒に1胎は亡くなっている。

こう考えると、本当に多くの方が死産を体験している訳です。

そうすると『グリーフケア』というのはとても大切になるのですが、僕が見ている限りでは、市内の産科診療所、産科を持つ病院は『グリーフケア』に十分な形では乗り出せていない、と思うのです。

そうすると、民間の診療所や病院ができていないところには保健所あるいは健康福祉センターがアプローチすべきだと思っているのですが、現在、本市はアプローチができているのでしょうか。

こども健康課長の答弁

 
『衛生年報』で見ますと、死産をなされた方は、平成27年で33件いらっしゃいました。

ケアを十分にしているかというと「十分です」とは言い切れないところもあります。

と申しますのは、平成28年、平成29年度現在の段階では、母子手帳を交付した後に死産をしたのだが、母子手帳を返そうかというような御相談があったときに、保健師のほうで体調のことですとかお気持ちのことをよくお伺いして、必要があればメンタルヘルス相談等におつなげすることもできるのですが、

特にそのような御連絡をいただかない場合は、こちらから御連絡しがたいという状況があります。
 
ただ、この6月から『産婦健診』が始まっています。

『産婦健診』は死産の方もお受けになることになりますので、その結果を丁寧に見て、どのようなサポートしていくか検討していきたいと思います。

フジノの質問

死産の場合、そもそも妊娠した事実を誰にも話せていないまま、亡くなったことも葬儀や埋葬したことも誰にも知られないまま、お母さんとお父さん、またはお母さんだけで悲しみを抱え込んでいる状況があると受けとめています。

そうすると、自分から保健所に相談するというのもなかなか難しいのではないかと感じています。

そこに保健所や中央健康福祉センターからアプローチしていただきたいというのが率直な想いです。

これは「デリケートだ」とおっしゃるのですが、デリケートだからこそ、専門家である保健師の方・助産師の方がアプローチしてほしいという思いです。

ぜひ研究していただきたいと思います。
 
今回は健康部・福祉部にも、流産・死産に対してアプローチを新たにしてほしいということで依頼しております。

例えば健康部には、火葬場が所管ですから、火葬場には必ず死産の方、それからまだ若い児童が亡くなって、だびに付すために連れてこられる。

そこに相談窓口のチラシを健康づくり課と相談してつくって配架してほしいというお願いをしました。

研究していただけるということでした。
 
先ほど福祉部とも質疑をしたのですが、『出産育児一時金』の給付が死産の場合でも行なわれるが、死産の場合、『出産育児一時金』という名称が果たしてふさわしいのか。

これも改善をお願いしたところ、「研究したい」ということで前向きに検討していただけることになった。

また、その相談チラシができた場合には『出産育児一時金』の給付の為の申請の封筒に封入していただけるということも検討していただけた。

今回こども育成部にぜひ提案したいのは、死産になった場合は、児童手当の申請取り下げの書類を必ず申請しなければいけない訳です。

その際に、その書類が届いたら、『グリーフケア』に取り組むための何らかの取り組みをお考えいただきたい。

電話を1本かける、あるいはお手紙を1回出す。

それは先ほどこども育成部だけではなくて、健康部・福祉部で相談して作ってほしいといったチラシを送ることかもしれない。

いずれにせよ、何らかの取り組みで、今は相談を受けたら行くという形になっているのを、こちらからアプローチ、相談窓口があるということを周知してほしいと考えるのですが、こども育成部としてはいかがお考えでしょうか。

こども健康課長の答弁

 
こういったケアは、藤野委員がおっしゃったように、なかなか声が出せないところに大変な不安やつらさがあると思います。

1つの担当課だけで対応しても到底できることではありませんので、関係部局とよく相談して研究していきたいと思います。

フジノの質問

声を出せないところに悲しさが募っていくというのは、自殺対策をしていた時に全く同じことを感じました。

それで保健所では、自殺の犠牲になった方の御遺族だけが話し合える『分かち合いの会』を作っていただいたのです。

流産・死産の問題というのも、皆さん誰にも話せないで悩み苦しんでおられるのではないかというのが問題意識としてあります。

ぜひ他部局と連携しながら、こちらからアプローチしていくという姿勢を作っていただけたらと思います。

3部とも積極的な答弁が得られました。

今後の動きを注視して、新たな動きがスタートしたらみなさまにご報告していきたいと思います。

さらなる取り組みの提案も続けていきます。

新たな命の誕生は、奇跡そのものです。

そして、奇跡が起こらない場合も本当にたくさんあるのです。

妊娠することも奇跡ですし、出産が無事になされるのも、すさまじい数の奇跡の連なりによって初めて実現しているのです。

世間や社会はこの奇跡の連なりを知らないままに、妊娠・出産を当たり前のことだと受け止めていることがほとんどです。

けれども、フジノはその奇跡の向こう側で流されているたくさんの涙を知っています。

涙を流すことさえできない悲しみもたくさん見てきました。

たぶん、このまちの政治家の中では誰よりも多くその悲しみに向き合ってきたのがフジノなのだと感じています。

だから、このテーマに取り組みのはフジノの責任であり使命なのだと自覚しています。

今後もずっと取り組みを続けていきます。

天使ママ・天使パパをはじめ、ご意見をいただける方がおられたら、どうぞいつでもフジノにお寄せ下さい。