市民病院とうわまち病院の「2病院体制」をこれからも維持していく方針が固まりました/市立病院運営委員会(うわまち病院建替え検討第11回)へ

「うわまち病院建替え」の議論が大詰めを迎えています

うわまち病院の建替えについて議論をしている『市立病院運営委員会』が開かれました。

本日の会議で11回目となります。

市立病院運営委員会の会場前にて

市立病院運営委員会の会場前にて


かねてからフジノは、築50年を超えて老朽化が進むうわまち病院を建て替えるよう提案してきました。

2012年9月議会、2013年9月議会と繰り返し提案を行ないました。

その提案が通り、2014年度予算案に『うわまち病院建て替え検討』の予算が計上されて、さらに『第2次実施計画』にも明記されました。

翌2015年2月には市長から市立病院運営委員会へ『諮問』がなされました。

フジノの提案からは5年、そして市長の『諮問』からは2年半が経ちます。

市立病院運営委員会・議事次第

市立病院運営委員会・議事次第


そしてついに次回の委員会(2018年1月)では、市長への答申の『素案』が提示されます。

議論が大詰めを迎えていることに、提案者のフジノとしては感慨深いものがあります。

ただ、無事に建替え工事を終えて、市民のみなさまに安心してご利用していただけるまでにはまだ何年も必要です。

まだ、全く気を緩めることはできません。



市民病院とうわまち病院の「2病院体制」は維持される見通しです

横須賀市には、うわまち病院と市民病院の2つの市立病院があります。

市議会の一部の会派からは「うわまち病院の建替えと同時に市民病院を統合して1病院にすべき」という提案がなされています。

しかしフジノは大反対です。

「絶対に現在の『2病院体制』を維持すべきだ」とフジノは考えています。

そもそも両病院(特に市民病院)の歴史的な背景や地理的な位置づけを考えれば、2病院を統合するメリットは市民のみなさまにはありません。

むしろ、それぞれの病院の機能分化(役割分担のことですね)と連携を深めていくことで、市民のみなさまが安心して医療を受けられるというメリットがさらに大きくなっていくとフジノは考えています。

ありがたいことに、『市立病院運営委員会』の委員のみなさまは、フジノと同じ考えでした。

本日の議論も「このまま2病院を維持していく」という方向で議論は決着をみました。

2018年3月末には最終的に『答申』を行ないますが、2病院体制を維持していく旨の内容になる見込みです。



しっかりと議論の内容をお伝えしていきます

毎回みなさまにお約束していることですが、提案者としてフジノはうわまち病院の建て替えについては全ての情報をお伝えしていきます。

うわまち病院の建て替えには、市民のみなさまの税金がとても多く使われることになります。

ソフト・ハード両面において絶対に今よりも優れた、そしてアクセスしやすい病院へと生まれ変わらせたいとフジノは考えています。

ご意見やご質問があれば、ぜひメールやツイッターでお尋ね下さい。

こちらのブログで必ずお答えしていきます。



老朽化した「うわまち病院」を視察した全委員が「建てかえすべき」の意見を述べました/市立病院運営委員会(うわまち病院検討第2回)へ

第2回「うわまち病院の建て替え」の議論が行われました

今日は、横須賀市立うわまち病院を会場にして開かれた『市立病院運協委員会』を傍聴しました。

会場となった横須賀市立うわまち病院にて

会場となった横須賀市立うわまち病院にて


うわまち病院の建て替えに関する議論は、今年2月に初めて第1回が行われました。

『うわまち病院の建て替え』は、2012年からフジノが提案してきた大切な政策の1つです。

フジノが「うわまち病院の建て替え」を提案してきた理由

  1. 昭和40年代に建築されたうわまち病院の本館等の老朽化は著しく、患者さん側・医療提供者側どちらにとっても不便かつ安全でない為。

  2. 2025年〜2050年への対応として、横須賀・三浦2次保健医療圏の医療提供の在り方(特に病院の機能分化と強化)を急いで再編しなければならない為。

実際の建て替えにかかる期間は、構想から完成まで10年間近くかかるものです。

第2次実施計画(案)プログラム2「命を守るプログラム」より

第2次実施計画(案)プログラム2「命を守るプログラム」より


現在すでに2015年です。

迫り来る『2025年』に向けて「もはや待ったなし」の状況に追い込まれています。

しかしこんなにも『大切な議論の場』なのですが、今日も(いつもながら)傍聴はフジノ1名でした。

フジノは市民のみなさまに「全ての情報を必ずお伝えしていきます」と昨年このブログでお約束しました。

しっかりとその議論に向き合い、全ての情報を市民のみなさまにお伝えしていきます。



今日のプログラムは「うわまち病院を実際に視察すること」でした

今回のメインのプログラムは、全委員が『うわまち病院』を実際に回ってみることでした。

副院長・看護師長らに付き添っていただき、その場その場で質問や意見交換をしながら、全委員が病棟内を観て歩いて回りました。

「横須賀市立病院運営委員会・次第」より

「横須賀市立病院運営委員会・次第」より


今この瞬間も患者さまがおられる病棟を見学して回る為、どうしても人数に制限が必要です。その為、『傍聴者』は視察には立ち会えませんでした。

委員のみなさまが院内を視察している間、留守番をしていたフジノ

委員のみなさまが院内を視察している間、留守番をしていたフジノ


『傍聴者』=フジノの場合は『市議会議員』ですから、いくらでも他の機会に視察することは可能です。

でも、もしも他にも傍聴を希望した市民の方々がおられたら、視察に同行させてあげてほしかったです。

そして、視察を終えてきた全委員から感想が述べられました。

「今のままでは狭すぎる。建て替えが必要だ」

「かなり老朽化が進んでいる。建て替えしか無い」

「直さねばならない点は多いが、現状をしっかり把握しなければならない」

「ソフト面では最新の機器を導入したり先進的な運営をしているのに、あまりにも廊下や天井や建物のハード面がひどい」

「建て替えが早急に必要だ」

「ボロを隠しながらも一生懸命に知恵と工夫で運営をしている。医療提供者側はハード面が充実すると甘えが出てくる。建て替えをするにしても、今の知恵と工夫を忘れないでほしい」

「増築を重ねてご苦労されていることがわかった。患者さんが快適に過ごせるようにしてほしい」

「工夫のおかげで何とか持っていることがよくわかった。それに対して、横須賀市側のずさんな医療政策は極めて問題だ。南館を新たに建築する前に、病棟全体をどうすべきかもっとしっかり考えるべきだった」

「うわまち病院への道路をどうすべきかなども含めた総合的な観点での計画が必要だ。また近隣病院との調整も横須賀市が積極的に乗り出すべきだ」

あらゆるご意見が出ましたが、共通しているのは「建て替えが必要だ」という点です。

フジノはこの声を聴いて「今日の視察は大成功だ」と感じました。全ての委員が同じ感覚を持つ、ということは大切です。

ようやく『うわまち病院』の建てかえの必要性をみんなが肌で感じたことは、大きな意味があります。

ただ、繰り返しますが『うわまち病院』建てかえの必要性をフジノが提案してきた理由は2つあります。

『老朽化を理由とした建て替え』はあくまでも、目の前の現実への対応でしかありません。

それよりもっと大切なことは『2025〜2050年の超高齢社会における在るべき医療提供体制づくり』の1つとしての、『未来に対応する為の建て替え』なのです。

この点については本当に大切なので、フジノは今後も繰り返し繰り返し分かりやすくご説明していきたいと思います。



これからの議論のスケジュール

最後に、事務局から2015年度のスケジュールが報告されました。

次回以降の委員会予定

  • 第3回(2015年7~8月)
    (1) 『地域医療構想』及び『新公立病院改革プラン』の策定について

    (2)うわまち病院をとりまく環境について
    ア 横須賀市及び地域の人口推移予測
    イ 横須賀市及び地域の患者推計
    ウ 横須賀市及び地域の医療資源

    (3)市内の地域医療支援病院の現状について
    ア うわまち病院、市民病院、横須賀共済病院の概要

    (4) 委員からの質問事項について
    ア 救命救急センター患者数
    イ 地域周産期医療センター患者数
    ウ 高額医療機器による検査件数等


  • 第4回(2015年10~12月)
    (1) 今後、うわまち病院が担うべき医療機能について

  • 第5回(2016年1~2月)
    (1) 今後、うわまち病院が担うべき医療機能について(第4回からの継続審議)

    (2) 市民病院との機能分担等について

ただ、委員のみなさまから「医療機能の分担のパートナーである『市民病院』も視察したい」との声があがり、次回は市民病院の視察を行なうことになりました。

そうすると、議論のスケジュールは上の図のとおりにはいかず、1回ずつ繰り下がることになります。

住み慣れた場所で誰もが老いていくことができる、そして人生の最期の時も地域で迎えることができる。

そんな当たり前の社会を実現するには、本当にまだまだやらねばならないことがたくさんあります。

そして、それは政治・行政だけでは実現できません。

市民のみなさまおひとりおひとりの意識の変化も必要です。

これからも市民のみなさまにどんどん情報をお出ししていきますので、ぜひ一緒にこの課題に取り組んでいって下さいね。

よろしくお願いします!



ついに「うわまち病院」建てかえの議論がスタートしました/市立病院運営委員会(うわまち病院検討第1回)へ

「市立病院運営委員会」に市長から「諮問書」が出されました

今日フジノは『市立病院運営委員会』を傍聴しました。

市立病院運営委員会の会場にて

市立病院運営委員会の会場にて


何故ならば、フジノが提案してきた『うわまち病院の建てかえ』の議論がこの『市立病院運営委員会』でついにスタートしたからです。

「横須賀市立病院運営委員会・次第」より

「横須賀市立病院運営委員会・次第」より


正式に、市長が『諮問書』を読み上げて、市立病院運営委員会の土屋委員長に手渡されました。

横健地第67号
平成27年(2015年)2月5日

横須賀市立病院運営委員会
委員長様

横須賀市長 吉田雄人

諮問書

本市が開設する市立うわまち病院は、平成14年7月1日に国立横須賀病院の移譲を受け、公設民営方式(指定管理者制度)により管理運営を行っている。

移譲から今日までの問、南館の増築(療養病棟及び回復期リハビリテーション病棟の開設)や、救命救急センター及び地域周産期母子医療センターの指定など医療機能の充実を進めてきた。

一方、病院施設については、一部を除いて国立横須賀病院時代の昭和40年に建築された建物であり、平成14年度から15年度にかけて大規模改修を行ったものの、老朽化のほか、医療機能の充実を進めてきていることから手狭になっており、病院運営上の課題となっている。

また、今後、高齢化の進展や人口減少が予測される中で、うわまち病院だけでなく、市民病院も含めた二つの市立病院がどのような役割を担っていくべきか、方向性を示していく必要がある。

このため、以下の事項について検討されるよう諮問する。

  1. うわまち病院が担うべき医療機能について
  2. うわまち病院の建替えについて
  3. 市民病院との機能分担について

こんなにも『大切な議論の場』なのですが、傍聴はいつもながらフジノ1名でした。

フジノは市民のみなさまに「全ての情報を必ずお伝えしていきます」と昨年このブログでお約束しました。

そこで今日のブログでは、フジノとして「何故ここが『大切な議論の場』なのか」をしっかりと記してみたいと思います。



「古い建物」を壊して建てかえるだけではなく、30年先の未来を見据えて「必要な医療体制」を実現すべきです

横須賀市には2つの市立病院(市民病院うわまち病院)があります。

このうち、うわまち病院は築50年が経つ建物もあります。

老朽化に対して『リフォーム的な手直し』を重ねてはきました。

20140215uwamachihospital


それに対して、フジノは『建てかえの必要性』を市議会で繰り返し提案してきました。

何故なら

「超少子・超高齢・多死社会(2025年問題、2050年問題)において、横須賀市の在るべき医療の姿を考えると『現在のうわまち病院の体制(建物だけではありません)』では対応しきれない」

と判断したからです。

もちろん提案にあたっては、うわまち病院で働く方々や市内医療関係者の多くの方々にヒアリングをしました。

その結果、すでに昨年おしらせしたとおり、横須賀市は2014年度予算に『うわまち病院建てかえの検討』を盛り込みました。フジノの提案が実現した訳です。



「うわまち病院」建てかえの議論をスタートするにあたって

ただし、このプロジェクトは完成まで今後約10年にわたって続くものです。古い建物を壊して新しくするだけではダメなのです。

このまちの未来をしっかりと見据えて、いくつもの視点をしっかりと議論していかなければなりません。

新しい「うわまち病院」のソフトとハードの在り方を検討する前提として詳細に検討すべきだとフジノが考える視点

  • 社会保障制度の変化(特に、県の医療政策の権限が強くなっていくなどの大きな変化がすすめられています)

  • 今後の横須賀市と三浦半島全体の人口と人口構造の変化

  • 横須賀・三浦2次保健医療圏の在るべき医療の姿

  • 横須賀・三浦2次保健医療圏における、総合病院と診療所の医療機能の分化

  • 医療と福祉の連携と統合

  • 横須賀市の将来的な財政の在り方

このまちに暮らす人々のいのちを守るという明確なビジョンのもとで、いくつもの視点を丁寧な将来推計と照らし合わせながら、横須賀・三浦2次保健医療圏の拠点病院の1つとしてのうわまち病院の姿を議論していかなければなりません。

限られた医療資源(人口減少で若者が徹底的に減っていく中での医療人材の確保の難しさをはじめ、ソフト・ハード両方の不足)、増えていく一方の高齢者(高齢=複数の疾病を抱えている)という現実が目の前に存在しています。

わが国の医療政策としては、どんどん病院のベットを減らしていく方向に向かっています。

世界の先進国ではみな、入院主体の医療はもはや終わったからです。日本も同じです。

医師・看護師・検査技師・薬剤師などの医療人材は、全く足りない現実があります。

そこで、急性期(今すぐに治療をしなければ命に影響があるような状態)に限られた医療資源を集中的に投下します。

その一方で、どのようなケガや病気であってもまずは誰もが『診療所(かかりつけ医)』にかかる仕組みを作っていくことになります。

本当に重篤な方々だけが総合病院や高度な医療施設のある病院での治療を受ける仕組みへと変わります。

そして、急性期の治療を終えた方は、亜急性期〜慢性期の病棟を経て、福祉施設or自宅へと帰っていかねばなりません。

戦後日本がこの60年近く誰でも総合病院にかかれた、安心できる時期まで入院していられた、そういう医療の仕組みは完全にもう終わったのです。

財政的にも、医療人材的にも、あらゆる意味においても。

それは、横須賀も全く同じです。

だから、今回の『うわまち病院の建てかえ』は建物を壊して新しくする、というようなレベルのお話では全くありません。

例えば、西地区のみなさまの大きなご不安や反対のお気持ちを理解しながらもフジノは、市民病院の小児科医のみなさんをうわまち病院に集約することに賛成したのも同じ理由です。

医療の仕組みは、あなたが慣れ親しんでこられたであろう、これまでの60年間の日本の医療とは全く姿が違うものになります。



今後さらに議論が重ねられていきます

こうした「慎重な議論が必要だ」という考え方はフジノだけでなく、横須賀市健康部も同じく共有しています。

議論の場である『市立病院運営委員会』を定期的に開催して、議論を重ねていきます。

それから、ようやく建てかえの工事に向けて動き出すことになります。

市立病院運営委員会の今後の予定

【第1回 (今回)】

  • 諮問事項(うわまち病院建替え検討)の説明

  • うわまち病院の現状説明
    建物等について
    職員数について
    患者数の状況
    医療機能について
    経営状況



【第2回(2015年度・春)】

  • うわまち病院の見学



【第3回(2015年度・夏)】

  • 横須賀市及び地域の人口推移予測

  • 横須賀市及び地域の患者推計

  • 横須賀市及び地域の医療資源



【第4回(2015度・秋)】

  • 今後『うわまち病院』が担うべき医療機能について

第5回 (2015年度・冬)

  • 今後『うわまち病院』が担うべき医療機能について(第4回からの継続審議)

  • 『市民病院』との機能分担等について

ちなみに、今日配布された資料はこちらです。



改めてお約束します

フジノにとって、『医療政策』は最重要な取り組みの1つです。

財政がどれだけ疲弊しても、人口がどれだけ減少しても、ご高齢の方々がどれだけ増えても、絶対にフジノは『セーフティネットとしての社会保障』を守ります。

国・県・市の制度を全てしっかりと学んで、どんなささやかな法改正も追いかけて、保健・医療・福祉政策のあらゆる情報をみなさまに発信していきます。

かつて吉田市長があまりにもいいかげんな対応をしたせいで西地区のみなさまに大きなご不安を与えた『市民病院の小児科入院診療の廃止』のような間違った方法は、『うわまち病院の建てかえ』にあたっては、絶対に取らせません。

昨年と同じ言葉ですが、改めてお約束します。

どんな細かなささやかなことに思える情報も、全て発信していきます。

全てを市民のみなさまにお伝えして、そして1つずつ丁寧にご説明して、そうすることがいったいどのような未来につながっていくのかをお話していきます。



ケア・サイクル論/世界のどの国も体験したことのない「未踏高齢社会」に突入した日本が取るべき新しい理論

地域包括ケアを実現の最新の理論と事例を学ぶべく大学院へ

今夜は、大学院での聴講でした。

高橋紘士先生・武藤正樹先生による「医療福祉の連携と総合化〜地域包括ケアシステムの展開へ〜」です。

国際医療福祉大学院での聴講へ

国際医療福祉大学院での聴講へ


今夜のゲスト講師は、長谷川敏彦先生でした。お話を伺うのは昨年4月以来、1年ぶりです。

長谷川先生は3月いっぱいで日本医科大学教授を退官されたのですが、その熱弁は1年前と全く変わりませんでした。

身振り手振りを交えて、熱く語りつづける長谷川敏彦先生

身振り手振りを交えて、熱く語りつづける長谷川敏彦先生

  • 現在の日本は、世界のどの国も体験したことのない『未踏高齢社会』に突入している。
  • 日本の取り組みを、世界が注目している。
  • 『未踏高齢社会』の先駆者として、日本はその取り組みを世界に発信していかねばならない。
  • そして、その『未踏高齢社会』では、理論も制度も新しい枠組みを構築していかねばならない。

その為の新しい理論として長谷川先生が提唱しておられるのが

『ケア・サイクル論』

です。

長谷川敏彦先生の「ケア・サイクル論」とは

と言っても、全く難しいものではありません。

長谷川先生がおっしゃるほど新しい概念でも無くて(長谷川先生、ごめんなさい)、今では多くの方々が直感的に感じておられるであろう「ケアの在るべき姿」のことです。

ケアサイクル

ケア・サイクル


フジノなりに理解した『ケア・サイクル』を説明してみます。

『ケアサイクル』とは、1人の患者が受ける連続したケアのこと。

様々な保健資源・医療資源・福祉資源から、その時点の状況に対応したケアを受ける、というもの。

ひとことで定義すると、上のようになるとフジノは思います。

ケアサイクルの概念

ケア・サイクルの概念


かつて『病気』は、毎回孤立した出来事でした。

ドクターの仕事(使命)は、救命して完治させることでした。

その『病気』だけにピンポイントで責任を果たしていれば良かったのです。

例えば、肺炎になった方がいれば、ドクターは肺炎を治すことだけを目指して治療をすれば良かった訳です。

けれども、そういう時代は終わりました。

ほとんどの人は、複数の病気を抱えているものです。

例えば、入院して肺炎そのものは治っても、ご高齢の方は病院に入院してベットでの生活を送った後には、退院したら寝たきりになってしまうことがあります。

つまり、『病気』そのものは治せても『生活』が守れなければ、それは治療として正しく無いのです。

その時その時の処置によって、ある『病気』の状態は良くなります。

けれども、他の『病気』や『障がい』や『生活レベル』は元のようには完全には戻らないことが多いものなのです。

こうして、人はみな、完全な健康では無い状態のまま、寿命を迎えるその日まで生き続けていきます。

そこで、人の健康を『ケア・サイクル』で見ていく必要があるのです。

長谷川先生の提言というのは、このようなことだとフジノは考えています。

決して特別な考え方ではなくて、むしろ今の時代では「当たり前」という感じですよね?

ただ、それが実際の現場レベルではまだまだ実現していない。

だからこそ、長谷川先生のようにあえて理論化して訴えていくことが必要なのかな、とフジノは理解しています。

医療の新たな目的

医療の新たな目的

  • ある病気が発生する。
  • 日常の生活動作(ADL)が低下する。
  • 病院(急性期)に入院して、回復する。
  • 自宅で在宅ケアや福祉支援を受ける。
  • また容態が変化する。
  • 治療を受けて、回復すれば自宅に戻る・福祉施設に入所する。
  • このサイクルを繰り返しながら、最後は死を迎える。

長谷川先生によると、「男性は4~5回、女性は7〜8回のケア・サイクル回転をする」とのことでした(この根拠を伺ったのですがフジノには理解できませんでした)。

保健・医療・福祉のあらゆる職種が役割を分担して、地域全体で人々の暮らしを包括的に支援していくことが重要です。

さらには、都市政策・住宅政策も重要です。

こうした取り組みがフジノの考える『地域包括ケア』です。

2025年まで、あとわずか12年しかありません。

一刻も早く『地域包括ケア』を実現していきたいです。

今夜の講義では、そうした基本的なスタンスを再確認させていただきました。

鞆の浦さくらホームの実践/地域包括ケアの切り札、小規模多機能型居宅介護

大学院で聴講、今夜のテーマは「小規模多機能」!

総合福祉会館を出て、事務所で1時間半ほど作業をして、次は東京・青山一丁目駅へ向かいました。

地域包括ケア・地域連携を学ぶ為国際医療福祉大学院で聴講です。

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今夜のテーマは『小規模多機能型居宅介護拠点が取り組む地域連携』です。

講師は、小規模多機能居宅介護支援事業所でケアマネージャーとして働く石川裕子さんです。

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石川先生が働く『鞆の浦さくらホーム』は、広島県福山市の鞆町にあります。万葉集にも登場するほどの長い歴史を持つ古いまちです。

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お寺をはじめとする古い町並みがそのままにとどめられている為、映画のロケにもしばしば使われています。

2008年に公開されたスタジオジブリの映画『崖の上のポニョ』の舞台として、有名になりました。

鞆の浦

かつては港町として栄えましたが、戦後に入り、少子高齢化と人口減少の傾向にあります。

2012年現在で人口はわずか4568人ほど、なんと高齢化率は43.4%となっています。

鞆町の人口構成

しかしその一方で、そんな古いまちだからこそ、良い意味での『人と人との絆』も『地域社会としての連帯感』も強く残っています。

本人が望めば、『施設』だけではなく、住み慣れた『地域』や『自宅』で最期の日まで暮らせるようにすること=地域包括ケアを実現することが、日本の目指している姿です。

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けれども、政治・行政による公的なサービスだけでは、地域包括ケアは実現できません。

上の図でも示してある通りで、

  1. 隣近所・友人・家族・親族などのパーソナルサポートネット
  2. 地域のセーフティネット機能
  3. 介護保険制度などのセーフティネット

この3つの層の網が張られていることで、人は地域で暮らしていかれるのだと思います。

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まさに今も鞆町に強く存在しているつながりこそ、地域包括ケアの実現には不可欠であることを石川先生の講義から感じました。

小規模多機能ってなあに?

今夜のテーマであった『小規模多機能』について、フジノから少し記したいと思います。

2015年に団塊世代が高齢者(65才以上)になることへ対応する1つの取組みとして、2006年の介護保険法改正から新たに導入されたサービスです。

今までは精神科病院に入院させられていたような、重い認知症の状態になっても地域で暮らしていかれるように、より対応していくことができるサービスです。

小規模多機能型居宅介護イメージ

『小規模多機能』という呼び名は省略形で、正式には『小規模多機能型居宅介護』のことです。

  • 小規模=特別養護老人ホームなどの大規模の施設と比べて小さいという意味です。
  • 多機能=「訪問サービス」プラス「通い」プラス「泊まり」と、複数の機能を1箇所で持っているという意味です。
  • 居宅介護=自宅(居宅)で暮らして行かれるように介護サービスを行なう、という意味です。

他市や他県からの人も利用できる特別養護老人ホームとは違って、小規模多機能はそのまちの人しか利用できません。

『泊まる』ことはできるけれど、特別養護老人ホームやグループホームと違って『暮らす』ことはできません。

農地などの『市街化調整区域』に建設を認められてきた特別養護老人ホームと違って、小規模多機能は住宅地など地域の中にしか立地できません。

つまり、全ては『自宅(=在宅)での暮らし』をサポートしていくのが目的だから、です。

小規模多機能型居宅介護のイメージ

地域包括ケアを実現する上で、この小規模多機能型居宅介護は不可欠です。大切な地域密着型サービスの1つです。

横須賀市内の小規模多機能はわずか3ヶ所

現在、横須賀市内に小規模多機能型居宅介護支援事業所は3ヶ所しかありません。

『第5期介護保険事業計画』では、給付額(サービスを使うことで介護保険から支払われるお金)は2013年1億9400万円、2014年2億6100万円、2015年3億3000万円、と伸びていくと見込んでいます。

その為には今の3事業所に加えて、新たな事業者の参入が必要です。

そこで横須賀市では、2015年までの3年間で新たに2事業者の参入を見込んでいます。

12plan

すでに昨年2012年7月に小規模多機能については、募集をかけました。手を挙げてくれた事業者はいたのですが、残念ながら12月に辞退となり、流れてしまいました。

そこで、2013年中に新たに事業者を募集します。今度こそ、実現することを願っています。

大学院の聴講も来週で最終回となりました

ついに大学院での聴講も、後期の講義が来週で最終回になりました。

医療についての知識が弱かったフジノは、スタート当初は「何がわからないのかもわからない状態」でした。

けれども、医療と福祉の連携・統合を進めていく為には医療の知識も不可欠なので、前期・後期と約1年間にわたって全力で学んできました。文献を毎日読み漁り、必死に学んで、今では何とか基礎的な知識を身に付けることができたと思います。

とにかくさらにスピードアップしてフジノ自身の知識と情報量を徹底的に増やして、そして政策的な判断力を高めていきます。

全ては、2025年までの『地域包括ケア』の実現の為です。

もっともっとがんばっていきます!