ついに神奈川県でも「地域医療構想」づくりがスタート/「神奈川県保健医療計画推進会議」へ(その2)

前の記事から続いています)

病院・有床診療所は「病床機能」を報告しなければならなくなりました

まず、この『地域医療構想』の為に、昨年、全国の病院・有床診療所は、自分たちの病棟ごとの医療機能を都道府県に『報告』しました。

病床機能報告制度がスタートしました

病床機能報告制度がスタートしました


機能とは何かというと、下の4つです。

高度急性期
急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、診療密度が特に高い医療を提供する機能
急性期
急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、医療を提供する機能
回復期
急性期を経過した患者への在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供する機能

特に、急性期を経過した脳血管疾患や大腿骨頚部骨折等の患者に対し、ADLの向上や在宅復帰を目的としたリハビリテーションを集中的に提供する機能(回復期リハビリテーション機能)

慢性期
長期にわたり療養が必要な患者を入院させる機能
長期にわたり療養が必要な重度の障害者(重度の意識障害者を含む)、筋ジストロフィー患者又は難病患者等を入院させる機能

もう少しかみくだいてご説明しますね。

  • かなり重い病気やケガによって一番生命の危機にある時期を扱う『高度急性期』
  • 一般的な病気やケガを治療して安定させるまでの時期を扱う『急性期』
  • 危機を脱したけれどまだ医療が必要な方々の為の『回復期』
  • フジノの父のように植物状態の方々やそれほど多くの治療などは不要な方の『慢性期』

この4つの機能に分けて、現在と将来について都道府県に報告したのです。

  • 2014年現在の機能はなにか?
  • 6年後の機能はなにか?



(神奈川県の病院・有床診療所による病床機能報告制度の結果はこちらです)



何故わざわざこんな「報告」をさせたのか?

このままでは日本の医療・介護・福祉が崩壊するという大きく2つの理由があることは、前回のブログにも書いたとおりです。

今、政府は医療費の伸びをとにかく減らしたいので、財務省は厚生労働省をはじめ積極的に病床(病院数・ベット数)を減らすように強い圧力をかけています。

また、日本の医療・介護・福祉のあらゆる資源は足りていません。

そこで、重い病気やケガの治療だけに徹底的に重点を置いた高度急性期・急性期と、それ以外を徹底的に分けることで対応することに決めたのです。

日本では今までは『フリーアクセス』といって誰でもかかりたい病院・診療所に行けば医療を受けることができましたが、これからは本当に重い重篤な危機的な方々しか『急性期機能』の病棟での治療は受けられなくなります。

『フリーアクセス』はやがて無くなり、まずは誰もが『かかりつけ医』(行きつけの診療所)を持たねばならなくなります。

そして、ふだんは『かかりつけ医』のみ。

ひどく重くなった時だけ『急性期機能』のある病院へ、急性期が過ぎたらすぐに大半の方々は自宅に戻ることになります。さらに医療が必要な方々だけが『回復期機能』のある病院へと転院になります。

『回復期』で一定の治療が終わった方の大半は、自宅へ戻るか高齢者福祉施設・障がい福祉施設へ入所することになります。

その後も何らかの医療が必要な方だけが『慢性期機能』のある病棟へ転院することになります。

厚生労働省「医療機関の医療機能の分化・連携の推進」より

厚生労働省「医療機関の医療機能の分化・連携の推進」より


そこで、今回の『病床機能報告制度』をもとにして、在るべき姿を都道府県ごとに決めていくことにしました。

高度急性期の病棟はどれくらいあれば良いか。急性期の病棟が少なすぎないか。あるいは逆に多すぎないか。

といった具合いに。

それが『地域医療構想』なのです。



このシステムチェンジは良いことか?

フジノなりにメリットとデメリットを書いてみました。

  • メリット
    病院中心の生活ではなくなり、誰もが住み慣れた自宅で医療・福祉・介護を受けながら自分らしい暮らしができる。

    2025~2050年に向けて圧倒的に増える恒例の方々を前にして今後は医療人材も医療資源も確実に足りなくなり、今改革を実現しなければ医療崩壊が起こりうる。それを防ぐことができる。

  • デメリット
    今までのように完全に症状が落ち着くまで病院は滞在することはできなくなる。

    入院した日のうちに退院に向けた目まぐるしい動きの中に放り出され、ただでさえ病気やケガで苦しむ患者さんは自分の意志もよく分からないままに置いてきぼりにされてしまいかねない。

    実際には病院の数だけ減らされてしまい、地域の介護・福祉サービス(例えば24時間対応型の訪問看護やヘルパー、小規模多機能型居宅介護など)が足りないままに自宅へと追い返されてしまいかねない。

つまるところ、「絶対に2050年に向けて改革をやらなければならない」という危機感はフジノも全く賛成です。

しかし、一方でこのまちに介護・福祉サービスは足りていません。

十分な質と量の介護・福祉サービスと、同時に在宅療養・在宅看取りなど地域へどんどん出て下さるドクターがもっともっと増えていかねば絶対に地域包括ケアは実現しません。

安心できる未来が待っているか否かは、まさにあなたやフジノたちにかかっています。

地域包括ケア実現の為に、このまちの政治を大きく動かしていかねば明るい未来はありません。




次の記事に続きます)



ついに神奈川県でも「地域医療構想」づくりがスタート/「神奈川県保健医療計画推進会議」へ(その1)

全国の都道府県が新たに「地域医療構想」を作ります

地域包括ケアの実現。

その為に、フジノが今年度最も注目しているのが『地域医療構想』です。

今までの「医療計画」の中に新たに「地域医療構想」を作らねばなりません

今までの「医療計画」の中に新たに「地域医療構想」を作らねばなりません


全国の都道府県は、新たに『地域医療構想』を2016年なかばまでに作らねばなりません。

「ああ、また聞きなれない『専門用語』が出てきたな」

あなたはそうお感じになりましたよね?

実はフジノもです(苦笑)



何故、新たな改革が必要なのか?

今のままでは、2025年~2050年に向けて、確実にわが国の医療・介護は崩壊します。

現在進行形の課題

  • 『高齢者数』の『圧倒的な増加』
    →特に75才以上の方々の数が増えます

  • 『疾病構造』の『圧倒的な変化』
    →今のままでは対応しきれなくなります

  • 医療人材・福祉人材の圧倒的な不足
    →今でさえ足りていません

脅しでも何でもありません。

このままでは確実に『医療難民』『介護難民』『看取り難民』が大量に発生する、悲しい未来が待っています。

そんな未来は絶対にダメです!

そこで政府は、改革として『これからの地域の医療・介護を確保していく仕組み』を下のように考えました。

厚生労働省資料「地域医療・介護の総合的な確保の仕組み」より

厚生労働省資料「地域医療・介護の総合的な確保の仕組み」より


改革の仕組みを実現する為に新たな法律(医療介護総合確保推進法)を作りました。

政府が考えている「改革後の姿」

政府が考えている「改革後の姿」


これらを全て実現させられたらこんな未来になります、と政府は上の図のように考えています。



「地域医療構想」とはどんな中身なのか?

2025年はわずか10年後です。

時間は待ってくれないので、同時進行でやらねばならない改革の取り組みがたくさんあります。

その重要な1つが『地域医療構想』なのです。

もう1度、改革の図を観てみましょう。

厚生労働省資料「地域医療・介護の総合的な確保の仕組み」より

厚生労働省資料「地域医療・介護の総合的な確保の仕組み」より


図の真ん中に『医療計画』とあります。

これはフジノがずっと追いかけ続けてきた『医療計画』(神奈川県では『保健医療計画』と呼んでいます)のことです。

この『医療計画』の一部として新たに『地域医療構想』を定めなければならなくなったのです。

ではその具体的な中身はどんなかというと…。

地域医療構想(ビジョン)の内容

  1. 2025年の『医療需要』
    →入院・外来別・疾患別患者数 等

  2. 2025年に『目指すべき医療提供体制』
    →二次医療圏等(在宅医療・地域包括ケアについては市町村)ごとの医療機能別の必要量

  3. 目指すべき医療提供体制を『実現するための施策』
    →(例)医療機能の分化・連携を進めるための施設設備、医療従事者の確保・養成等

今までも『医療計画』は第6期まで作ってきました。

しかし、もっと厳密に将来の姿をデータで細かく推計していくのです。

50年前の日本と今では、人口に占める年齢構成は完全に変わりました。

また、50年前の日本と今とではまるで別の国になったかのように、病気と障がいの種類や在り方も全く変化しました。

そこで、2025年〜2050年において必要な医療資源(どんな機能を持った、どんな疾病をみられる、どんな職種の人達が必要か)を完全に見直していくのです。

さらには、必要な医療資源(人・物・金など全て)をどうやって確保・養成していくのかも考えねばなりません。

こうした事柄を細かく細かく考えて、計画におとしこんでいくのが『地域医療構想』なのです。

すぐ目の前の未来(2025年はわずか10年後です)を今よりも悲惨なものにしない為に、地域の医療・福祉の在り方を大きく変えねばならないのです。

ここまで読んでもなかなか分かりづらいですよね?

それでもフジノなりに全力でかみくだいてご説明いたしますので、ぜひみなさまも次の記事にもついてきて下さいね。

どうかよろしくお願いします!

次の記事に続きます)



老朽化した「うわまち病院」を視察した全委員が「建てかえすべき」の意見を述べました/市立病院運営委員会(うわまち病院検討第2回)へ

第2回「うわまち病院の建て替え」の議論が行われました

今日は、横須賀市立うわまち病院を会場にして開かれた『市立病院運協委員会』を傍聴しました。

会場となった横須賀市立うわまち病院にて

会場となった横須賀市立うわまち病院にて


うわまち病院の建て替えに関する議論は、今年2月に初めて第1回が行われました。

『うわまち病院の建て替え』は、2012年からフジノが提案してきた大切な政策の1つです。

フジノが「うわまち病院の建て替え」を提案してきた理由

  1. 昭和40年代に建築されたうわまち病院の本館等の老朽化は著しく、患者さん側・医療提供者側どちらにとっても不便かつ安全でない為。

  2. 2025年〜2050年への対応として、横須賀・三浦2次保健医療圏の医療提供の在り方(特に病院の機能分化と強化)を急いで再編しなければならない為。

実際の建て替えにかかる期間は、構想から完成まで10年間近くかかるものです。

第2次実施計画(案)プログラム2「命を守るプログラム」より

第2次実施計画(案)プログラム2「命を守るプログラム」より


現在すでに2015年です。

迫り来る『2025年』に向けて「もはや待ったなし」の状況に追い込まれています。

しかしこんなにも『大切な議論の場』なのですが、今日も(いつもながら)傍聴はフジノ1名でした。

フジノは市民のみなさまに「全ての情報を必ずお伝えしていきます」と昨年このブログでお約束しました。

しっかりとその議論に向き合い、全ての情報を市民のみなさまにお伝えしていきます。



今日のプログラムは「うわまち病院を実際に視察すること」でした

今回のメインのプログラムは、全委員が『うわまち病院』を実際に回ってみることでした。

副院長・看護師長らに付き添っていただき、その場その場で質問や意見交換をしながら、全委員が病棟内を観て歩いて回りました。

「横須賀市立病院運営委員会・次第」より

「横須賀市立病院運営委員会・次第」より


今この瞬間も患者さまがおられる病棟を見学して回る為、どうしても人数に制限が必要です。その為、『傍聴者』は視察には立ち会えませんでした。

委員のみなさまが院内を視察している間、留守番をしていたフジノ

委員のみなさまが院内を視察している間、留守番をしていたフジノ


『傍聴者』=フジノの場合は『市議会議員』ですから、いくらでも他の機会に視察することは可能です。

でも、もしも他にも傍聴を希望した市民の方々がおられたら、視察に同行させてあげてほしかったです。

そして、視察を終えてきた全委員から感想が述べられました。

「今のままでは狭すぎる。建て替えが必要だ」

「かなり老朽化が進んでいる。建て替えしか無い」

「直さねばならない点は多いが、現状をしっかり把握しなければならない」

「ソフト面では最新の機器を導入したり先進的な運営をしているのに、あまりにも廊下や天井や建物のハード面がひどい」

「建て替えが早急に必要だ」

「ボロを隠しながらも一生懸命に知恵と工夫で運営をしている。医療提供者側はハード面が充実すると甘えが出てくる。建て替えをするにしても、今の知恵と工夫を忘れないでほしい」

「増築を重ねてご苦労されていることがわかった。患者さんが快適に過ごせるようにしてほしい」

「工夫のおかげで何とか持っていることがよくわかった。それに対して、横須賀市側のずさんな医療政策は極めて問題だ。南館を新たに建築する前に、病棟全体をどうすべきかもっとしっかり考えるべきだった」

「うわまち病院への道路をどうすべきかなども含めた総合的な観点での計画が必要だ。また近隣病院との調整も横須賀市が積極的に乗り出すべきだ」

あらゆるご意見が出ましたが、共通しているのは「建て替えが必要だ」という点です。

フジノはこの声を聴いて「今日の視察は大成功だ」と感じました。全ての委員が同じ感覚を持つ、ということは大切です。

ようやく『うわまち病院』の建てかえの必要性をみんなが肌で感じたことは、大きな意味があります。

ただ、繰り返しますが『うわまち病院』建てかえの必要性をフジノが提案してきた理由は2つあります。

『老朽化を理由とした建て替え』はあくまでも、目の前の現実への対応でしかありません。

それよりもっと大切なことは『2025〜2050年の超高齢社会における在るべき医療提供体制づくり』の1つとしての、『未来に対応する為の建て替え』なのです。

この点については本当に大切なので、フジノは今後も繰り返し繰り返し分かりやすくご説明していきたいと思います。



これからの議論のスケジュール

最後に、事務局から2015年度のスケジュールが報告されました。

次回以降の委員会予定

  • 第3回(2015年7~8月)
    (1) 『地域医療構想』及び『新公立病院改革プラン』の策定について

    (2)うわまち病院をとりまく環境について
    ア 横須賀市及び地域の人口推移予測
    イ 横須賀市及び地域の患者推計
    ウ 横須賀市及び地域の医療資源

    (3)市内の地域医療支援病院の現状について
    ア うわまち病院、市民病院、横須賀共済病院の概要

    (4) 委員からの質問事項について
    ア 救命救急センター患者数
    イ 地域周産期医療センター患者数
    ウ 高額医療機器による検査件数等


  • 第4回(2015年10~12月)
    (1) 今後、うわまち病院が担うべき医療機能について

  • 第5回(2016年1~2月)
    (1) 今後、うわまち病院が担うべき医療機能について(第4回からの継続審議)

    (2) 市民病院との機能分担等について

ただ、委員のみなさまから「医療機能の分担のパートナーである『市民病院』も視察したい」との声があがり、次回は市民病院の視察を行なうことになりました。

そうすると、議論のスケジュールは上の図のとおりにはいかず、1回ずつ繰り下がることになります。

住み慣れた場所で誰もが老いていくことができる、そして人生の最期の時も地域で迎えることができる。

そんな当たり前の社会を実現するには、本当にまだまだやらねばならないことがたくさんあります。

そして、それは政治・行政だけでは実現できません。

市民のみなさまおひとりおひとりの意識の変化も必要です。

これからも市民のみなさまにどんどん情報をお出ししていきますので、ぜひ一緒にこの課題に取り組んでいって下さいね。

よろしくお願いします!



ついに「うわまち病院」建てかえの議論がスタートしました/市立病院運営委員会(うわまち病院検討第1回)へ

「市立病院運営委員会」に市長から「諮問書」が出されました

今日フジノは『市立病院運営委員会』を傍聴しました。

市立病院運営委員会の会場にて

市立病院運営委員会の会場にて


何故ならば、フジノが提案してきた『うわまち病院の建てかえ』の議論がこの『市立病院運営委員会』でついにスタートしたからです。

「横須賀市立病院運営委員会・次第」より

「横須賀市立病院運営委員会・次第」より


正式に、市長が『諮問書』を読み上げて、市立病院運営委員会の土屋委員長に手渡されました。

横健地第67号
平成27年(2015年)2月5日

横須賀市立病院運営委員会
委員長様

横須賀市長 吉田雄人

諮問書

本市が開設する市立うわまち病院は、平成14年7月1日に国立横須賀病院の移譲を受け、公設民営方式(指定管理者制度)により管理運営を行っている。

移譲から今日までの問、南館の増築(療養病棟及び回復期リハビリテーション病棟の開設)や、救命救急センター及び地域周産期母子医療センターの指定など医療機能の充実を進めてきた。

一方、病院施設については、一部を除いて国立横須賀病院時代の昭和40年に建築された建物であり、平成14年度から15年度にかけて大規模改修を行ったものの、老朽化のほか、医療機能の充実を進めてきていることから手狭になっており、病院運営上の課題となっている。

また、今後、高齢化の進展や人口減少が予測される中で、うわまち病院だけでなく、市民病院も含めた二つの市立病院がどのような役割を担っていくべきか、方向性を示していく必要がある。

このため、以下の事項について検討されるよう諮問する。

  1. うわまち病院が担うべき医療機能について
  2. うわまち病院の建替えについて
  3. 市民病院との機能分担について

こんなにも『大切な議論の場』なのですが、傍聴はいつもながらフジノ1名でした。

フジノは市民のみなさまに「全ての情報を必ずお伝えしていきます」と昨年このブログでお約束しました。

そこで今日のブログでは、フジノとして「何故ここが『大切な議論の場』なのか」をしっかりと記してみたいと思います。



「古い建物」を壊して建てかえるだけではなく、30年先の未来を見据えて「必要な医療体制」を実現すべきです

横須賀市には2つの市立病院(市民病院うわまち病院)があります。

このうち、うわまち病院は築50年が経つ建物もあります。

老朽化に対して『リフォーム的な手直し』を重ねてはきました。

20140215uwamachihospital


それに対して、フジノは『建てかえの必要性』を市議会で繰り返し提案してきました。

何故なら

「超少子・超高齢・多死社会(2025年問題、2050年問題)において、横須賀市の在るべき医療の姿を考えると『現在のうわまち病院の体制(建物だけではありません)』では対応しきれない」

と判断したからです。

もちろん提案にあたっては、うわまち病院で働く方々や市内医療関係者の多くの方々にヒアリングをしました。

その結果、すでに昨年おしらせしたとおり、横須賀市は2014年度予算に『うわまち病院建てかえの検討』を盛り込みました。フジノの提案が実現した訳です。



「うわまち病院」建てかえの議論をスタートするにあたって

ただし、このプロジェクトは完成まで今後約10年にわたって続くものです。古い建物を壊して新しくするだけではダメなのです。

このまちの未来をしっかりと見据えて、いくつもの視点をしっかりと議論していかなければなりません。

新しい「うわまち病院」のソフトとハードの在り方を検討する前提として詳細に検討すべきだとフジノが考える視点

  • 社会保障制度の変化(特に、県の医療政策の権限が強くなっていくなどの大きな変化がすすめられています)

  • 今後の横須賀市と三浦半島全体の人口と人口構造の変化

  • 横須賀・三浦2次保健医療圏の在るべき医療の姿

  • 横須賀・三浦2次保健医療圏における、総合病院と診療所の医療機能の分化

  • 医療と福祉の連携と統合

  • 横須賀市の将来的な財政の在り方

このまちに暮らす人々のいのちを守るという明確なビジョンのもとで、いくつもの視点を丁寧な将来推計と照らし合わせながら、横須賀・三浦2次保健医療圏の拠点病院の1つとしてのうわまち病院の姿を議論していかなければなりません。

限られた医療資源(人口減少で若者が徹底的に減っていく中での医療人材の確保の難しさをはじめ、ソフト・ハード両方の不足)、増えていく一方の高齢者(高齢=複数の疾病を抱えている)という現実が目の前に存在しています。

わが国の医療政策としては、どんどん病院のベットを減らしていく方向に向かっています。

世界の先進国ではみな、入院主体の医療はもはや終わったからです。日本も同じです。

医師・看護師・検査技師・薬剤師などの医療人材は、全く足りない現実があります。

そこで、急性期(今すぐに治療をしなければ命に影響があるような状態)に限られた医療資源を集中的に投下します。

その一方で、どのようなケガや病気であってもまずは誰もが『診療所(かかりつけ医)』にかかる仕組みを作っていくことになります。

本当に重篤な方々だけが総合病院や高度な医療施設のある病院での治療を受ける仕組みへと変わります。

そして、急性期の治療を終えた方は、亜急性期〜慢性期の病棟を経て、福祉施設or自宅へと帰っていかねばなりません。

戦後日本がこの60年近く誰でも総合病院にかかれた、安心できる時期まで入院していられた、そういう医療の仕組みは完全にもう終わったのです。

財政的にも、医療人材的にも、あらゆる意味においても。

それは、横須賀も全く同じです。

だから、今回の『うわまち病院の建てかえ』は建物を壊して新しくする、というようなレベルのお話では全くありません。

例えば、西地区のみなさまの大きなご不安や反対のお気持ちを理解しながらもフジノは、市民病院の小児科医のみなさんをうわまち病院に集約することに賛成したのも同じ理由です。

医療の仕組みは、あなたが慣れ親しんでこられたであろう、これまでの60年間の日本の医療とは全く姿が違うものになります。



今後さらに議論が重ねられていきます

こうした「慎重な議論が必要だ」という考え方はフジノだけでなく、横須賀市健康部も同じく共有しています。

議論の場である『市立病院運営委員会』を定期的に開催して、議論を重ねていきます。

それから、ようやく建てかえの工事に向けて動き出すことになります。

市立病院運営委員会の今後の予定

【第1回 (今回)】

  • 諮問事項(うわまち病院建替え検討)の説明

  • うわまち病院の現状説明
    建物等について
    職員数について
    患者数の状況
    医療機能について
    経営状況



【第2回(2015年度・春)】

  • うわまち病院の見学



【第3回(2015年度・夏)】

  • 横須賀市及び地域の人口推移予測

  • 横須賀市及び地域の患者推計

  • 横須賀市及び地域の医療資源



【第4回(2015度・秋)】

  • 今後『うわまち病院』が担うべき医療機能について

第5回 (2015年度・冬)

  • 今後『うわまち病院』が担うべき医療機能について(第4回からの継続審議)

  • 『市民病院』との機能分担等について

ちなみに、今日配布された資料はこちらです。



改めてお約束します

フジノにとって、『医療政策』は最重要な取り組みの1つです。

財政がどれだけ疲弊しても、人口がどれだけ減少しても、ご高齢の方々がどれだけ増えても、絶対にフジノは『セーフティネットとしての社会保障』を守ります。

国・県・市の制度を全てしっかりと学んで、どんなささやかな法改正も追いかけて、保健・医療・福祉政策のあらゆる情報をみなさまに発信していきます。

かつて吉田市長があまりにもいいかげんな対応をしたせいで西地区のみなさまに大きなご不安を与えた『市民病院の小児科入院診療の廃止』のような間違った方法は、『うわまち病院の建てかえ』にあたっては、絶対に取らせません。

昨年と同じ言葉ですが、改めてお約束します。

どんな細かなささやかなことに思える情報も、全て発信していきます。

全てを市民のみなさまにお伝えして、そして1つずつ丁寧にご説明して、そうすることがいったいどのような未来につながっていくのかをお話していきます。



市民病院小児科の入院診療廃止について、急きょ教育福祉常任委員会を開きます

教育福祉常任委員会の来週開催が決定

本日、市議会・教育福祉常任委員長から委員に対して招集の通知が出されました。

急きょ1月27日に『教育福祉常任委員会』(協議会)を開くことになりました。

横須賀市議会ホームページより

横須賀市議会ホームページより


協議の内容は、

市立2病院の小児科医療体制等の変更について

です。

指定管理者として市民病院の運営を行なっている地域医療振興協会から「横須賀市立市民病院の小児科の入院診療をこの4月から廃止したい」と申し出があった為です。

地域の市民のみなさまから頼りにされている小児科の入院診療を、わずか3ヶ月後に廃止してしまう。

あまりにも性急なこの申し出には、大きな問題があります。



市民病院小児科の入院診療廃止が与えるダメージ

すでに地元メディアによって報じられているので、この問題の具体的な内容についてご存知の方も多いと思います。

2014年1月17日・タウンニュース紙より

2014年1月17日・タウンニュース紙より


1月17日にはタウンニュース紙が報じています。

横須賀市立市民病院、小児科の入院廃止へ
うわまち病院と機能分担

市内長坂にある横須賀市立市民病院の小児科で、今年4月から入院診療が廃止される見込みだ。

昨年末、市民病院を管轄する市健康部地域医療推進課から西地区の市議会議員らに知らされたもので、

「一方的だ」

と議論を求める声も上がっている。

市民病院の運営は平成22年から、『公益社団法人地域医療法人振興協会』が行なっている。

小児科の入院診療を廃止する理由は、同協会の運営する市立うわまち病院と市民病院を比べ、患者数と医師数の割合がアンバランスになっているから、というもの。

市民病院では、小児科医師5人に対して、1日平均の入院患者数は、平成24年度の調べで5.6人(外来患者は9.5人)、うわまち病院では医師10人に対し、入院患者数25.8人(外来42.4人)となっているという。

また、市民病院では、常勤産科医師の不在で分娩を行っていないため(院内助産は月1例ほど)、周産期医療を要せず、生後すぐに小児科へ入院するようなケースもなくなっている。こうした現状から、同協会では小児科入院診療の廃止の意向を市に打診した。

市民病院では、小児科外来患者に関しては紹介状を要するため、急診に応じてもらえないケースもあったという。

「患者数だけ比べて不要と決めてしまうのは拙速ではないか」

と地元出身の伊東雅之市議は話す。

市によると、4月以降は、入院診療をうわまち病院に集約。

市民病院の外来診療時間の延長、紹介状のない患者の受け入れなどで対応する。

2つの病院で機能分担することで、体制を維持していく方向だという。

西地区の医療体制は

「地域の中核的病院として、二次救急体制づくりに多くの人が奔走してきた経緯がある中で、一方的に廃止ではなく、もっと議論をすべき」

と同市議。

市民病院に関しては、経営の健全化に向けて平成22年に公設民営化し、指定管理制度に移行。三浦半島地区の中核的病院として、地域連携にも力を入れてきた。

ただ、小児科と同様に医師の確保が難しく、入院診療を休止している診療科もあるのが現状だ。

「経営改善のために民営化し、市の予算も投入している。市民サービスの後退に、地域住民は不安を感じるのではないか」

「西地区からうわまち病院へとなると、子どもの入院治療に付き添う親の負担も大きくなる」

との声も上がっている。

一方、市立荻野小と連携して設置されている市民病院内の院内学級に関しては、整形外科への入院児童もいるため、継続する方向だという。

取材に答えておられる伊東雅之議員の想いには、フジノも全く同感です。

2014年1月18日・神奈川新聞より

2014年1月18日・神奈川新聞より


翌18日には神奈川新聞が報じています。

小児科の入院休止検討、横須賀市立市民病院

横須賀市立市民病院(同市長坂)が4月から、小児科の入院を休止する方向で検討している。

市中心部にある市立うわまち病院(同市上町)に集約する。

市民病院では代替的に小児科の外来を拡充する方針だが、市西部で入院できる小児科がなくなるため、論議を呼びそうだ。

市民病院では2010年に産科を廃止したことに伴い、小児科の入院患者が減少。現状では1日あたりの平均が2.5人で、10年度の14.1人の2割。現状で27.5人のうわまちとの比較では1割程度の水準となっている。

一方、小児科医は市民が5人、うわまちが10人体制で、入院患者数と比べると、うわまちの医師の負担感が強くなっているという。

両病院は自治医科大が母体の公益社団法人が指定管理者として運営。

両病院間の負担感是正に加え、経験を積んで腕を磨きたいという若手医師の流出への危機感などを市側に伝え、今回の見直し案に至った。

市民病院では代替として、現在は午前中のみの小児科外来を、午後も開設する予定だ。

市地域医療推進課は

「西地区で入院できる小児科がなくなるので、地域の方には大きな不安があると思うが、うわまちでフォローする。市民病院小児科では外来を増やすことでプラスになるので、ご理解いただきたい」

と話している。

市民病院の小児科に入院するのは、肺炎やインフルエンザなどの感染症が主。

入院患者は市内が中心だが、3割は三浦、逗子市や葉山町からで、近隣自治体の住民にも影響が出る。

横須賀市の西地区をはじめ、三浦市、葉山町などの地域において、市民病院の小児科入院診療に与えるダメージなどの主要な問題点は、2紙が報じているとおりです。

また、かねてから長谷川昇議員(研政)は、市議会において、地域医療振興協会による市民病院の運営の在り方を取り上げてこられました。

長谷川議員のブログには、今回の提案に至る経緯を含めた問題点が詳しく解説されていますので、ぜひみなさまにご覧いただきたいです(1月15日の記事1月17日の記事)。



ダメージだけでなく、実は「集約化」には大きなメリットもあります

この問題が市民のみなさまに与えたショックは大きい、と思います。

フジノは市民病院が位置する西地区で30年以上暮らしてきましたので、身を持って『西地区に暮らすみなさまにとっての市民病院の重み』を知る1人です。

その立場から、『地域医療振興協会』の今回の申し出のやり方には、強い怒りを感じます。

多くの方々がこどもたちがケガや病気をした時に、十分な治療が受けられるのか不安でたまらないことと思います。

ただ、その一方で、政治家としてフジノは医療政策を真剣に考え続けてきました。

全国の医療の在り方を見つめてきましたが、ここ数年の流れとして『小児科医療の集約化』は、少ない医療資源をより有効に活かす重要な手段の1つなのです。

少ないドクターで数カ所の小児科診療を行なっていくことよりも、1ヶ所(拠点病院)にドクターを集約することで高い質の医療が受けられるようになるのです。

理想を言えば、身近な場所で『外来』と『入院』ができれば安心です。

けれども、医師不足の今、それがなかなか難しい。

そこで現実的な対応策として『小児科医療の集約化』=『拠点病院方式』は効果をあげています。

「わが国の小児医療・救急医療提供体制の改革に向けて」(2004年)より

「わが国の小児医療・救急医療提供体制の改革に向けて」(2004年)より


実際に『小児科医療の集約化』を実施した他都市(例えば、藤沢や横浜もそうです)の取り組みを見ても、大きなメリットがあることは事実です。

今回の『地域医療振興協会』の突然の申し出のやり方には強い怒りをおぼえますが、医療改革として全国で行なわれてきた『小児科医療の集約化』と同じく良い効果を生むとフジノは考えています。

つまり、『市民病院小児科の入院診療の廃止』=『デメリット』ではなく、『小児科の入院診療のうわまち病院への集約』=『大きなメリット』、とフジノは考えています。



変化する社会における医療体制の在り方を市民のみなさまと議論したい

フジノは、変化する社会における医療体制の在り方を市民のみなさんと議論したいと強く願っています。

地域の医療体制を守り、良くしていく為に、どうか一緒に情報を共有して問題を直視して議論をさせて下さい。

まずは27日の『教育福祉常任委員会協議会』の開催です。

よろしくお願いします。