「心的外傷後成長(PTG)」はありうるのか?/日本臨床死生学会(第20回)

今日は、川崎で開催された『日本臨床死生学会(第20回)』に参加しました。

第20回日本臨床死生学会

第20回日本臨床死生学会


記念すべき第20回のテーマは

現代日本における『終活』から死生学を考える

です。

取り急ぎ、画像のみアップします。

日本臨床死生学会(第20回)会場にて

日本臨床死生学会(第20回)会場にて

看取りケアの負担の有無

看取りケアの負担の有無

他死社会には特別養護老人ホームでの看取りケアも当たり前にならざるを得ません

他死社会には特別養護老人ホームでの看取りケアも当たり前にならざるを得ません

エイジングはつらいよ

エイジングはつらいよ

「心的外傷後成長」はありうるか?

「心的外傷後成長」はありうるか?

野田文隆先生の講演

野田文隆先生の講演

パネルディスカッション

パネルディスカッション

我が国の自殺対策は「エビデンス」のある取り組みを明らかにしていかねばならない/第9回日本うつ病学会総会「今こそ問う、うつ病のパースペクティブ」

第9回・日本うつ病学会へ

今日は、東京・新宿の京王プラザホテルへ向かいました。




年に1度の『日本うつ病学会総会(第9回)』に参加する為です。

第9回日本うつ病学会総会

第9回日本うつ病学会総会


今回のテーマは

『今こそ問う、うつ病のパースペクティブ』

でした。

とても重要なテーマです。



自殺対策のセミナー・講演に参加しました

フジノは、自殺対策に関するセミナーを中心に参加しました。

ランチョンセミナー『現代日本のうつ病を解剖する~自殺予防への貢献を目指して~』、演者、坂元薫さん。










続いて、教育講演に参加しました。

『気分障害の精神病理と司法精神医学』、演者は、中谷陽二さん(筑波大学名誉教授)です。





自殺対策委員会企画シンポジウム「自殺予防のエビデンス」へ

最後に、自殺対策委員会企画シンポジウム『自殺予防のエビデンス』に参加しました。

河西千秋先生がオーガナイザーを務めて、6名の方が登壇されました。

エビデンスとは、証拠のことです。

我が国で実施されているたくさんの自殺対策は、どれも「本当に効果があるのか」は証明されないままに実施されています。

というのも、これまで日本ではほぼ全く『自殺対策』そのものが存在していなかったからです。

エビデンスを明らかにできるほどの対策も無いし、あってもそれは個人やNPOなどの取り組みによるものくらいだったからです。

河西先生らは、本当に自殺対策を有効なものにする為に、こうした研究を行なって発表された訳です。

日本の自殺対策は2006年にスタートしたのですが、もはや闇雲に取り組む時期は過ぎました。

明らかなエビデンスのある対策に、自殺対策に充てられる限られた資源(限られた財源・限られた人材)を集中的に投下していくべきです。




『精神療法と自殺予防』張賢徳さん




『自殺予防のために薬物療法によってできることは何か』渡邉衡一郎さん




『地域保健と自殺予防』大塚耕太郎さん




『メディアと自殺予防、あるいは魔法の鈴』太刀川弘和さん







『わが国の自殺対策立案に必要な妥当性の高い根拠を創出する』山田光彦さん





「心理教育」の分かりやすい絵本と出会いました

続いて、展示コーナーをのぞいてみました。




書籍販売コーナーで、偶然とても良い本を見つけました。

『Can I catch it like a cold? Coping with a parent’s depression』

Can I catch it like a cold? Coping with a parent's depression

Can I catch it like a cold? Coping with a parent’s depression


絵本を使って幼いこども向けに精神疾患について語りかける、いわゆる『心理教育』の為の絵本です。

日本にもこういう本があれば良いのに!

素晴らしい内容なのですが、写真だけでごめんなさい。

後日、改めてもう少し詳しく報告します。



後日談:日本でもまさに「プルスアルハ」さんたちによって、こどもたちの為の絵本作りが始められました!

こちら(2014年のブログ記事)に書いたように、日本でもまさに同じ動きがスタートしました。

『プルスアルハ』さんというユニットによって作成されている絵本の数々は、まさに上の本と同じ想いで作られたものでした。

本当に嬉しいです!



河西千秋先生ら主催「自殺問題研究会」へ/グループワークで困難事例を検討しました

自殺問題研究会へ/困難事例の検討をグループワーク

夜から横浜・関内のホテル横浜ガーデンへ。

『第5回自殺問題研究会~いのちを守る行動ネットワーク~』

に参加しました。

第5回自殺問題研究会の会場にて

第5回自殺問題研究会の会場にて


2009年に立ちあげられたこの研究会は、河西千秋先生(横浜市立大学・准教授)が中心となって

神奈川県全域の自殺対策に関わっているあらゆる立場・職種を超えた方々が集まり学びあう場です。

大滝先生(湘南病院副院長)に声をかけていただいて、フジノは2回目からずっと参加し続けてきました。

河西先生によるグループワークの説明

河西先生によるグループワークの説明


精神科ドクター、看護師、精神保健福祉士、保健師、ソーシャルワーカー、メディカルソーシャルワーカー、自治体の精神保健福祉担当、自殺対策担当、弁護士、司法書士、あらゆる立場の方々が参加しています。

(残念ながら政治家の参加はフジノのみ)

毎回50~100名の方々が集まって、毎日の自殺対策の現場で直面する問題を共有しあって、そして、明日からの取り組みに反映させていきます。

事例

事例


張賢徳先生(帝京大学附属溝口病院精神科科長)が自殺未遂へと追い込まれてしまった方の事例を提供して下さり、

会場に集まった50人のメンバーが6つのグループに分かれて『事例検討』を行ないました。

複雑に絡み合ったいくつもの困難を抱えた方が自殺未遂へと追い込まれていったその人生をたどっていきました。

複雑に絡み合ったいくつもの困難を抱えた方が自殺未遂へと追い込まれていった事例

複雑に絡み合ったいくつもの困難を抱えた方が自殺未遂へと追い込まれていった事例


フジノのテーブルは6人のメンバーで職種も立場もみんな様々です。

グループワーク中のBグループのみなさん

グループワーク中のBグループのみなさん


井出広幸先生(信愛クリニック)、河西先生のサポートのもと、「こうしたらどうだったのか」「次はこうすれば」と可能な限りたくさんの意見を自由に出しあって

(1)この方が抱えている課題を挙げて下さい。
(2)この方の想い、精神状態、自殺の危険性をどうみますか?
(3)この方にどのような支援が可能ですか?

の3点をあらゆる角度から検討しました。

グループワークによる事例検討を行ないました

グループワークによる事例検討を行ないました


1時間半にわたって、グループで話しあっては全体に向けて意見を発表、を繰り返しました。

グループワークによる『事例検討』は保健・医療・福祉の最重要な基本的取り組みなのですが

政治家に転職してからのフジノはふだん全く参加する機会がありません。

フジノ以外はみなさんが日常的に取り組んでいるので、とても緊張しましたし、チャレンジングな場でした。

張先生が見守る前でグループワーク

張先生が見守る前でグループワーク


しかも、フジノの座席のまうしろにはグループワークの様子を聴きながらメモをしている張賢徳先生が!

張先生は、わが国で『心理学的剖検』を本格的に導入した自殺対策の世界ではとてもリスペクトされている方です。

市議会での質疑でも『心理学的剖検』の重要性を訴えてきたフジノですから、当然、張先生の著作はほぼ全て読んでいますし、とても尊敬しています。

めちゃくちゃ緊張しました。

グループワークの結果をみんなで報告し合いました

グループワークの結果をみんなで報告し合いました


こうして、予定の1時間半を超えて、とても熱心なやりとりが全てのテーブルで行なわれました。

最後に、河西先生と張先生から講評がありました。

河西先生は

「みなさんの職場で今日のような困難事例に出会うとため息が出てしまう状況になっているのではないでしょうか。

けれども「難しいな」と言葉に出した瞬間にそれは本当に対応が難しくなってしまう。

多くの職種で集まってプロセスを踏んで議論をしていけば、必ず対策が出てきます。

必ず何らかの方向が見えてくるし、必ず支援の道筋は見えてきます。

事例検討を繰り返していけば、必ず進歩していきます。みんなの対応するスキルが上がっていきます。

だから、今日のような事例検討を日常的に何回も何回も繰り返していく必要があります」

と、ふだんからのグループワークの必要性を強く訴えられました。全く同感です。

グループワークを講評する張賢徳先生

グループワークを講評する張賢徳先生


張先生からは

「みなさんがいろいろディスカッションをしているのを聴いて、そのご意見に、私自身、ハッとさせられることもありました。

河西先生がおっしゃったように、自分たちの職種を超えて知恵を出し合うことが絶対に患者さんの為になるのですね。

必ずみなさんそれぞれのレベルアップにつながるのです。

精神科医は万能ではありません。
  
むしろ社会資源についてはそれぞれの専門職のみなさんの方がよくご存じです。
  
どうか、自信を持って連携を組んでいただきたいと思います。

今日のような多くの職種が集まる事例検討をぜひみなさんの地域で継続してやっていきたいのです。

これこそがまさに自殺予防なのです。

こういうケースを1つずつ多職種で地域で事例検討を継続し続けていくと必ず自殺予防につながりますし、みなさんの英知は高まって力がついていきます」

とお話がありました。

被災地での支援活動についてお話する河西千秋先生

被災地での支援活動についてお話する河西千秋先生


最後に、横浜市立大学のこころのケアチームとして河西先生が被災地の方々とむきあった日々についてお話がありました。

これから、あらゆる精神疾患の有病率が上昇するであろうこと。

かなり広汎の地域がダメージを受けているけれど、そもそもこの地域には社会資源が少なく、さらに既存の医療機関が崩壊しているので単に『復旧』して元に戻しても全く精神保健医療福祉が足りないこと。

今後も継続してこころのケアに取り組むとともに、新たな社会資源を生みだすなどの『復興』こそがテーマであること。

震災のような大災害が起これば自殺が増えることもやむを得ない、というような意見には絶対に与してはならないこと。

私たちが目の前の問題に1つずつ対応していくことで必ず自殺を減らすことができること。

フジノも「震災が起こったのだから自殺が増えるのは仕方ない」なんて、絶対に思わないで、こんな時だからこそもっと自殺を減らしたい。

河西先生のお話をうかがって、改めてそう感じました。



今日でいったん「休会」となりますが、自殺対策への想いは変わりません

2009年5月から2年間にわたって行なわれたこの『自殺問題研究会』ですが、なんと今回限りで休会とすることが発表されました。

とてもショックでした。

本当に、こんな素晴らしい機会をこれまでずっと提供してくださった河西先生をはじめとする『自殺問題研究会』の世話人のみなさまには、深く感謝しています。

そして、共催してくださったファイザー株式会社のみなさまにもこころから感謝を申し上げます。ありがとうございました。



張賢徳先生が声をかけてくださいました

今回をもって休会となることもあって『研究会』が終わった後、情報交換会をかねてお疲れさま会が開かれました。

なんと、張先生がフジノのいるテーブルにいらして声をかけてくださいました。

「グループワークを聴いて回っている時にあなたの意見を聴いていて、自殺対策をしっかり理解している若者がいるなと思ってあなたに話しかけたけど、政治家だったなんて!
  
お世辞じゃなくて、あなたすごくいいですよ」

と言って下さいました。

なんか神様に褒められたという感じ!

(この会話は川崎市精神保健福祉センターのみなさまも立ち会ってばっちり聴いていて下さいました。事実です!)

張賢徳先生とフジノ

張賢徳先生とフジノ


日本の自殺対策の最前線でずっと活動してこられた張先生とこうしてお話をできたこと自体がうれしいのに

僕自身の活動や想いを聴いて下さって、本当に感動的な時間でした。

こうした出会いがたくさんあった2年間でした。

神奈川県、川崎市、横浜市、相模原市などあらゆるまちの自殺対策担当の方々とざっくばらんに話し合えるようになったのも、この研究会への参加が大きかったです。

(そう言えばこの提案、この場でお話ししてきました!)

それが休会となってしまって本当に残念ですが、これからはフジノたちがそれぞれの地域でこうした取り組みをやっていかなければならないのだと思います。

ますますがんばっていきたいです。