大雨の避難勧告のタイミング、自殺対策の再強化、同性カップルの婚姻届への横須賀の向き合い方/生活環境常任委員会としてのフジノの初質疑

11年間所属した「教育福祉常任委員会」から異動して、初めての本格的な質疑を行ないました

今日は『生活環境常任委員会』に出席しました。

生活環境常任委員会の「議事次第」より

生活環境常任委員会の「議事次第」より


この委員会はすでに何度か開催されているのですが、本格的な議論(議案・請願の審査、報告事項・所管事項への質疑)をするのは、今日が初めてです。

これまで11年間、フジノの主戦場はずっと『教育福祉常任委員会』(旧・民生常任委員会、旧・教育経済常任委員会)でした。

  • 政治家に転職した理由である、自殺対策・精神保健福祉・障がいに関する政策

  • 学生時代から専攻やボランティアとしてずっと取り組んできた、教育・こども家庭福祉などに関する政策

  • 自らの家族に降りかかったことをきっかけに全身全霊で取り組んできた、慢性期の医療・市民病院改革・高齢者福祉・地域包括ケアに関する政策

こうしたフジノが大切にしている政策のほぼ全てを扱うことができる委員会でした。

つまり、政治家としてのフジノの『存在理由』である政策を扱う部局がこの委員会ではほぼ網羅されていました。

とても恵まれていた仕事環境だったと思います。

例えて言えば、就職活動の結果『希望の職種』『希望の会社』に採用されて、さらに就職後に『希望の部署』に配属された、というような感覚です。

だから、フジノはいつも高いモチベーションで24時間寝食を忘れてフル稼働で働くことができたのだと思います。

しかし、12年目にして『異動』と相成った訳です。

フジノは会社員だった5年間で、4回もの異動を経験しています。

異動によるモチベーションの変化や新しい異動先のカルチャーへの順応など、気持ちの変化が起こることは体験しています。

でも、どの職場にも学ぶべきことはたくさんあったし、どこの部署でも最後には「まだここを離れたくない。やるべきことがたくさんあるのに」と感じるようになっていました。

だから、今回の生活環境常任委員会への異動に際しても

「教育福祉常任委員会を出たら、フジノは質問のレベルが下がった」

なんて、絶対に言われたくありません。

今まで行なってきたレベル以上の質疑を、生活環境常任委員会でも絶対に必ずやる。

そう固くこころに決めてきました。

こうして迎えたのが、今日の委員会でした。

委員会を終えてみて、自分自身では

「まだ知識量や情報量は全然ダメ。もっと学ばねばダメ。しかし、モチベーションは全く下がっていないで質疑に取り組めた」

と感じたのですが…。

果たして、いかがだったでしょうか?

傍聴して下さった方々・インターネット中継をご覧になった方々・質疑を受けた市職員の方々などのみなさま、生活環境常任委員会委員としてのフジノの質疑は、どうでしたか?

ぜひ感想をお聴かせ下さい。



所管事項として、フジノが今回行なった質疑は3つです

議案・請願・報告ともに、今回も大切なものがいろいろありました。これらは少しずつ報告していきたいと思います。

今日は『所管事項への質疑』について報告します。

これは、所管している部局(消防局・上下水道局・資源循環部・市民部・市民安全部)に対して、何を質疑しても良いというものです。

つまり、政治家個人個人の関心や大切にしている政策に沿って、質疑を行なうことができる重要なチャンスです。

その『所管事項への質疑』において、フジノは下の3つのテーマで質疑をしました。

1.避難勧告の発令の在り方と国への改善提案について

大雨の時、気象庁等が『土砂災害警戒情報』を発表したら地方自治体は『避難勧告』を出すべきだ、と内閣府が4月に指針を改定した。

しかし横須賀市は「この指針改定は現実的でない」との判断から、実際の大雨に際してもこの指針に基づいたタイミングでは『避難勧告等』を出していない。

  1. 現場の経験と勘に基づく横須賀市独自の『避難勧告』を出すタイミングがあるが、それを客観的な基準として明確化すべきではないか。

  2. そして、「これこそ現実的な基準である」と横須賀市の基準を示し、国に対して指針を再度改定するように求めるべきではないか。




2.前年比2倍に増加している横須賀市の自殺の犠牲者を減らす為の、自殺対策の再強化について

  1. 市民部窓口サービス課への提案
    →『死亡に伴う各種手続きの案内』に掲載している相談先の改訂、表現・内容のリニューアル

  2. 消防局消防・救急課への提案
    →自殺未遂による搬送をされた本人及びご家族、自殺による搬送と不搬送となった方のご遺族に対する相談先リーフレットの配布

  3. 消防局総務課への提案
    →消防団に対して5年間をかけて全団員にゲートキーパー養成研修を受けて頂く目的の明確化

  4. 市民部地域コミュニティ支援課への提案
    →地域運営協議会をはじめとする地域の自治組織の役員らを対象にしたゲートキーパー養成研修の実施

  5. 市民部人権・男女共同参画課への提案
    →性的マイノリティ当事者のご家族に対する相談機関の紹介や周知の徹底




3.「同性カップル」による婚姻届の申請が成された時の横須賀市の対応について

青森市において、『同性カップル』が婚姻届を出そうとしたものの青森市は憲法を理由に『不受理』とした。これは極めて重要な問題提起だと全ての自治体が受け止めねばならない。

わが国でもようやく多様な性の在り方への社会的な認知度が向上しつつあるが、同性婚は認めない現状がある。この現状に対する異議申立てとして、市役所に同性カップルが婚姻届を出すという取り組みは今後必ず全国的に起こっていくはずだ。

  1. そこで、「もし今日、『同性カップル』によって婚姻届が出されたら、横須賀市役所はどのような対応を取るべきなのか」という点について検討を始めるべきだ。

  2. また、フジノは昨年2013年予算議会において「法的な婚姻は認められなくとも、横須賀市役所を訪れた『同性カップル』に対してはシンボリックな意味で市長が『祝福』する取り組みをスタートすべきだ」と提案した


    現状では憲法や婚姻法による同性婚が認められなくとも、多様性を大切にするまちである横須賀市では市長の名のもとに婚姻を望む『同性カップル』に『祝福』をするという取り組みの実施を、『性的マイノリティ関係課長会議』での検討課題とすべきではないか。



以上3つのテーマについて質疑をしました。

具体的な質問と答弁の内容は、後日改めて掲載します。

ぜひみなさまの感想や意見をお願いします。



横須賀市内で自殺未遂をした方を「市外へ救急搬送した件数」がゼロになりました/自殺未遂者支援

治療後のケアの必要性を考えれば、自殺未遂をした方々は市内で医療を受けられるようにしたい

自殺未遂をした方々が運良く発見・救急搬送されて、体そのものは治療によって回復しても、再び自殺をする確率は極めて高いことが知られています。

およそ10〜30人に1人は再び自殺をする、という調査結果も報告されています。

自殺へと追い込まれた背景には複数の要因があるのですが、それらの要因の解決に向けた支援が必要です。

そこで、横須賀市では救急救命センターと協力して、自殺未遂者支援を実施してきました。

救急救命センターに搬送された方々に、入院中からアプローチし、退院後の『生きる支援』を行なっていくのです。

しかしこの方法には、1つ大きな欠点があります。

横須賀市は『市内』の救急救命センターとの提携によって支援を実施しているので、もしも『市外』へと搬送されてしまうと、この支援の枠からこぼれ落ちてしまうのです。

『市外』へ搬送されることは、自殺未遂をした方々に限らず、どんな病気でも起こる一般的なことです。

そもそも救急救命センターに空きベットが無いケース(フジノ作成)

そもそも救急救命センターに空きベットが無いケース(フジノ作成)


119番通報によって救急車に来てもらえても、市内の救急救命センターのベットに空きが無い場合には、空きベットがある市外の病院へ搬送されることがあります。

治療後も入院が必要だが空きベットがなく市外に転院せざるを得ないケース(フジノ作成)

治療後も入院が必要だが空きベットがなく市外に転院せざるを得ないケース(フジノ作成)


また、治療を行なって入院できても、もっと症状の重い患者さんが搬送されてくればセンターにはベットが必要になります。

そこでひととおりの治療が終わっていれば、未遂をした方であっても、他の病院に転院していただくしかありません。この時、市内に空きベットが無ければ、市外の病院に転院せざるをえません。

こうして、横須賀市の自殺未遂者支援の仕組みからこぼれ落ちてしまうのです。



支援の枠組みから外れてしまうケースを出さない為のフジノの提案

フジノは、何とかして『市外への搬送によって未遂者支援の枠組みから外れてしまうケース』を無くせないか、と考えてきました。

そこで、こんな提案も市議会で行なってきました。

2013年6月10日・教育福祉常任委員会
question(フジノ)
自殺未遂者支援について、健康づくり課と地域医療推進課にあわせて質問します。

横須賀市では、自殺未遂者支援に非常によく取り組んでいただいています。

先日、関係病院、つまり自殺未遂をした方々が搬送される病院のメディカルソーシャルワーカーの方々と意見交換をする機会がありました。

救急車で搬送されて救急救命センターに来ても、残念ながら大半がセンターで受けられなかったり、あるいはセンターで受けても、すぐに横浜市等の市外の病院に転院せざるを得ないような状況がある。

その為、せっかく自殺未遂者支援の仕組みがあっても、関われない方も複数おられる、とのことでした。

そんな中、「どうか市立病院で1ベッドでいいから、自殺未遂者の方を受けられるようなベッドを確保できないだろうか」というお話をいただきました。

僕は「まさにそれはそのとおりだな」と思って、御提案をお聞きしました。

本市では、そういった実態を把握しておられるかということと、ベッドを確保することが可能なのか、健康づくり課長と地域医療推進課長に伺いたいと思います。

answer(保健所健康づくり課長)
今現在、横須賀共済病院と連携して『自殺未遂者対策』をやっておりますけれども、その辺のベッドの有る無しについては、健康づくり課としては情報として今まで頂いておりません。
answer(地域医療推進課長)
市立病院でそういった自殺未遂者用の為のベッドを確保できないか、という御質問だったと思います。

4月からうわまち病院では救急救命センターを開設しましたけれども、現在は20ベッドです。

その中で特定の為に1つ空けておくということは難しいかなと思います。

1ベッドがあったことで救える命というのもありますので、状況の中で、空きがあれば、受け入れることはあるかと思います。

けれども、自殺未遂者支援用に必ず1ベッドをあけておくということは、運用上難しいかなと思います。

question(フジノ)
僕の質問から地域医療推進課長はイメージを共有して下さり、ありがとうございます。

僕は、精神科のドクターも常駐しておられるようになったこともあってうわまち病院をイメージしていたのですが、現状の救急救命センターは20床しか無い厳しさというのも承知しております。

今後の検討課題として、ぜひ研究していただけないかと思っております。

ぜひ御検討をお願いいたします。

自殺未遂だけでなく全ての怪我や疾患の重症度の高い方の為にベットは使うべきものであり、自殺未遂に限定した目的ではベットをキープすることはできない、という答弁でした。



2013年の市外への搬送がゼロ件になりました

それから半年が経った先日、最新の統計データが発表されました。

この問題について良い変化がありましたので、報告いたします。

下の横須賀市消防局が公表した最新のデータ(2013年・医療機関別搬送人員)をご覧下さい。

『自殺未遂』で救急搬送された132名がどこの病院へ搬送されたかを示したデータです。

横須賀市消防局消防・救急課「医療機関別搬送人員」より

横須賀市消防局消防・救急課「医療機関別搬送人員」より


『市外』へ搬送された方々はゼロになりました!

これは、

  1. 2013年は、自殺未遂をした方々が前年より21%減少したこと
  2. 2013年4月から、うわまち病院の救急救命センターがスタートしたこと

による成果だとフジノは分析しています。

特に、この4年間、自殺未遂によって救急搬送された方々の数は減少し続けているのですが、これは横須賀市による支援の効果が現れてきたのだと思います。

そもそも救急救命センターに空きベットが無いケース(フジノ作成)

そもそも救急救命センターに空きベットが無いケース(フジノ作成)


こうして『市外』に搬送される方がゼロになったということは、未遂者支援を進めていく上で『こぼれ落ちてしまうケース』を無くしていくことにつながります。

とても良い結果につながることだとフジノは嬉しく感じます。



次は「市外への転院」を把握する必要がある

その一方で、こちらの②のケースについては統計データそのものがありません。

治療後も入院が必要だが空きベットがなく市外に転院せざるを得ないケース(フジノ作成)

治療後も入院が必要だが空きベットがなく市外に転院せざるを得ないケース(フジノ作成)


今後の対策として、フジノは『市外への転院を把握する方法』や『市外へ転院した未遂者の方々への支援策』などを考えていきます。

全国の自殺対策関係者のみなさまへ

ここで報告したデータですが、今まではこのデータに関心を持つ人は、たぶん市内では数名(フジノと消防局と救急救命センターの方々くらい)しか存在しませんでした。

でも、ものすごく大切なデータです。

自殺対策には、いくつものいくつもの細かな取り組みが必要です。

今回報告したような取り組みも、自殺対策の重要な対応の1つです。

全国の自殺対策にかかわる有志のみなさま。どうか、あなたのまちの救急搬送のデータをぜひ調べて下さい。

国もようやく未遂者支援の取り組みをスタートさせていますが、細やかな調査や対策を実施できるのは現場に最も近いみなさまです。

ぜひあなたのまちのデータを把握して、あなたのまちの対策に活用して下さい。

どうかよろしくお願いします!