同性パートナーが意識不明時の手術等の同意書への署名を横須賀市立2病院が「指針」で公的に明確化/毎日新聞が報じてくれました

横須賀市立2病院は大切な人の手術同意書への署名を同性パートナーも明確に認めています

2015年から議会でフジノは提案を続けて、翌2016年に実現した横須賀市立2病院(市民病院うわまち病院)の取り組みがあります。

それは、

『患者本人及びその家族等に説明と同意を行なう際の同意書署名等に関する指針』

という指針を明確に定めたことです。

これによって、大切なパートナーがケガや急病などで救急搬送されてしまい、入院や手術などが必要な時に書く『同意書』に法的な配偶者と同じく同性パートナーが署名できることが明確に定められました。

つまり、ゲイ・レズビアンの同性パートナーの方々も横須賀市では大切な家族として受け止めています。

フジノが2年間かけて実現したこの取り組みが、けさの毎日新聞によって報じられました。

2016年9月1日・毎日新聞より

2016年9月1日・毎日新聞より


以下に全文を引用いたします。

手術などの同意書署名、同性パートナーもOK
横須賀市立の2病院が方針
性的少数者支援団体、歓迎の声

横須賀市立の市民病院とうわまち病院が、患者の手術への同意手続きなどを巡り、患者の同性パートナーを配偶者ら家族と同等に認める方針を決めた。

患者本人の意識がない場合に、同性パートナーも手術などの同意書への署名ができるようになる。

全国的にもこうした取り組みは少ないとみられ、同性愛者ら性的少数者の支援団体からは歓迎の声が上がっている。

同性婚が認められていない日本では、法律上の関係がない同性パートナーは、配偶者と実質的に同じ関係にあっても、病院かちは他人として扱われることが多い。

市は昨年、2病院を運営する指定管理者の公益社団法人地域医療振興協会に、同性パートナーを家族と認めるよう提案。

2病院は、患者や家族が手術などの同意告に署名する際の指針を作成し、同意できる人として、法律上の家族だけでなく、「社会的に内縁関係にあると判断される同性パートナーを含む」と明記した。

パートナーであることの証明は自己申告で良く、公正証書などの公的書類や他の家族への確認などは不要としている。

市の内田康之・市立病院担当課長は

「指針が明文化され、当事者に周知できるようになり大変良かった」

と話す。

同性パートナーの問題解決を議会で提案してきた藤野英明市議は

「当たり前の権利がセクシュアリティー(性のあり方)に関わらず守られるようにしたかった。医療従事者の意識も指針に伴うものとなるよう、研修などを通じて徹底してほしい」

と話す。

医療・福祉現場での性的少数者固有のニーズなどをまとめた冊子を作製するなど支援に取り組むNPO法人『QWRC』(くおーく、大阪市)の桂木祥子さんは

「同性カップルにとって切実な問題だが、医療機関も当事者も、家族として扱われるべきだとなかなか思えないのが現状で、明文化されることは大きな意義がある。全国で適用できるはず」

と訴える。

【藤沢美由紀】

*フジノが赤太文字にしました。

『SOGI』に関する様々なテーマをずっと前から丁寧に追いかけて報道して下さっている、毎日新聞の藤沢美由紀記者が取材してくれました。

藤沢記者、ありがとうございます。

ヤフーニュース「横須賀市立病院、手術への同意など同性パートナーもOK」

ヤフーニュース「横須賀市立病院、手術への同意など同性パートナーもOK」


Yahoo!ニュースにも掲載されました。



神奈川新聞記事には正式に抗議をしました

神奈川新聞が8月に報じた記事では、事実ではないことが報じられてしまい、それがYahooニュースやniftyニュースに載って全国に誤ったまま伝わってしまいました。

それは、署名にあたって同性パートナーとして認める条件として

  • 3年間の同居があること
  • 家族に電話などで確認する



がある、と書かれてしまったのです。

これは完全な誤りです。条件などありません!

条件をつける=強制的にカミングアウトを強いる、横須賀市はそんなことを市立2病院に絶対にさせません。

神奈川新聞の記事が出た直後に、すでに横須賀市は正式に神奈川新聞に対して訂正の申し入れを行なっています。

フジノは、『SOGI』(性的指向と性自認)に関わるあらゆる課題をひとつずつ地道に解決するように8年間とりくんできました。

そもそも、自殺に追い込まれる犠牲者をひとりでも減らしたい、だから政治家になりました。

フジノが長年『SOGI』に関する取り組みを続けてきたのも、苦しい想いをしている方をひとりでも無くしたいという願いからです。

ずっと地道に取り組んできたことで、少しずつ全国の当事者の方々や支援者の方々からフジノと横須賀市の取り組みに対して信頼感が培われてきました。

けれどもその信頼が、今回たった1つの記事であっという間に失われてしまいました。

まさに痛恨の極みでした。

今までフジノは権力の側にいる人間として(また就職活動では新聞記者を目指していたひとりとして新聞記者という職業をリスペクトしていますので)どのような記事を書かれたとしても、受け容れてきました。

「政治家は批判されるものだから」と考えて、13年間の政治家人生でフジノは1度もメディアに抗議したことはありませんでした。

しかし今回ばかりはフジノも、神奈川新聞の記事を書いた記者の方に抗議しました。

13年間で初めての抗議でした。本当に残念です。



手術同意書への署名だけではありません

報道では取り上げてもらえていませんが、フジノは市議会でさらに取り組みを進めてきました。

市立2病院で実施している手術同意書への同性パートナーの対応を市内全医療機関に広げる為の提案をしました。その結果、市長からは以下の答弁を得ています。

  • 市立病院と同じ対応を、市内の他の診療所・病院などの医療機関全体が行なっているかを調査をする

  • 『実施されていない医療機関』については、市立病院と同じ対応をしていただくよう依頼をする



さらに、手術同意書の署名以前に、大切な人がケガや急病で救急搬送された時の容態や安否についての情報照会についてもフジノは議会で質疑を行ないました。

その結果、2005年9月の大阪府議会の尾辻かな子議員の質疑以来、たぶん日本で2例目の「『同性パートナー』への医療における緊急時の情報照会に対する行政の対応」が明確に答弁されました。

  • 横須賀市の消防局救急隊は、同性パートナーの救急搬送や入院時に容体や安否についての情報照会に対して、お答えをしています。

  • 横須賀市の市立2病院も同じく、同性パートナーの救急搬送や入院時に容体や安否についての情報照会に対して、お答えをしています。


  • (*電話による個人情報の照会は、同性パートナーであろうと無かろうと全ての場合において個人情報保護法からお答えをしておりません)

横須賀市に暮らしている限り、どんなセクシャリティだろうと、どんなマイノリティの立場であろうと、安心して暮らしていかれる。そんなまちへフジノが絶対に変えていきます。

人は生まれてきただけで、尊厳があります。

障がいがあろうがなかろうが、難病であろうがなかろうが、外国籍だろうが日本国籍だろうが、所得が低かろうが高かろうが、全ての人には尊厳があるのです。全ての人には守られるべき人権があるのです。

けれども、あらゆる人権はまだまだ放っておいたら守られません。

相模原殺傷事件でもそのことが明らかになりました。

だから、市民運動や、市議会や、いろいろな場で闘って勝ち取らねばなりません。

これからもフジノは、全力で人権を守る為の取り組みを進めていきます。



この数年用いている「SOGI」との単語について

現在、世間では『性的マイノリティ』とか『LGBT』という単語が独り歩きしています。

けれどもフジノは『性的マイノリティ』という単語を使いたくありません。2013年3月に市長と質疑をかわし、市長もこの単語を将来的には使わないと答弁してくれています。

数年前から『SOGI』という単語を(可能な限り)用いるようにしています。
早急に『性的マイノリティ』といった誤った言葉が消えていくことを願っています。



「横須賀市立病院が同性パートナーの救急搬送や意識不明時の入院・手術同意を可能にした新たな指針を作成」を報じた神奈川新聞の記事にフジノは怒っています!

神奈川新聞の記事が全国に波紋を呼んでいます

8月10日に神奈川新聞が報じた記事が、フジノのまわりだけでなく、全国から大きな波紋を呼んでいます。

そこに記されたことが事実ならば、『絶対に許してはならない事態』が起こっているからです。

まず、その記事をご覧下さい。

性的少数者を支援 手術同意 同性パートナーも可
横須賀市立病院、独自に指針

横須賀市が市立病院で性的少数者を支援する取り組みを進めている。

昨年末に改定した市立病院の指針に、意識不明などで判断能力のない患者の手術同意書の署名者として、同性パートナーも認めることを盛り込んだ。

夫婦や親族と同じように同性パートナーを扱うことが明文化されるのは県内でも珍しいという。 

対象は市立市民病院(同市長坂)と市立うわまち病院(同市上町)の2施設。

手術同意書の署名には「3年ほど一緒に過ごし、周囲からパートナーとして認められていること」が条件となる。

関係性は患者の家族に電話などで確認を取る。

市立病院での取り組みは市条例の規定に基づくのではなく、病院独自の試みとして始めた。

東京都渋谷区が昨年、同性カップルを結婚に相当する「パートナーシップ」と認める証明書を交付するなど、性的少数者を支援する社会的な動きを受けて実施することにした。

市救急医療センター、市消防局救急隊でも救急搬送された患者に対して、来院した同性パートナーから依頼があれば、関係者であることを確認した上で、病状の説明などの情報提供をする。

実際に活用された事例はないが、病院は

「同性カップルで一緒に外来に来る患者もいる。核家族化や個人主義が進み、近くに親族がいない場合、これから必要になっていく」

と強調。

「異性、同性に関係なく、患者の生活の質を良くして、幸せにするのが私たちの願い」

と話している。

性的少数者を支援する市立病院での取り組みは、市のホームページに掲載されている。



とても大切なことがらなので、全文を引用させていただきました。

記事中の文章を一部『赤太文字』にしたのはフジノです。そこがまさに問題の箇所です。

カナロコ

カナロコ


神奈川新聞のインターネットサイト『カナロコ』に掲載された記事のいくつかは、@niftyニュースにもYahoo!ニュースにも同じ内容が掲載されます。

@niftyニュース

@niftyニュース


これによって、神奈川新聞の記事が全国に拡散されています。

YAHOO!ニュース

YAHOO!ニュース





この記事の、2つの問題

この記事には、2つの問題があります。

  1. 指針を明文化したきっかけは渋谷区等の動きを受けた、と書かれていること
  2. 同意書にサインできるには「3年同居」の条件や「患者家族に確認を取る」と書かれていること



1点目は、単に『取材不足からの軽微なミス』です。

ただ、政策提案者としてフジノは納得できませんので反論します。

それよりも全国に波紋を呼んでいるのが、2点目です。

これは絶対に許せません!

こんな条件を横須賀市は設けていないので、事実関係を詳細に調べます。こんな条件は絶対あってはならないし、こんな条件を現場サイドが勝手に作ったのならば、そもそも『指針』を廃止すべきです。

フジノはめちゃくちゃ怒っていますし、原因究明をして必ず改善させます。

以下に、問題は具体的にどういうことなのかを説明したいと思います。



問題1.横須賀市の取り組みは長年の積み重ねであり「LGBTブーム」とは無関係です

このブログをずっと読んで下さっているあなたはきっと、2015年予算議会でフジノが提案して1年以上かけて実現させた『指針』についてだと分かりますよね。

横須賀では、フジノが2007年からこれまでずっと『性的な多様性』を保障する為の政策提案を何十回と繰り返してきました。

同時に、数多くの当事者の方々(こどもから大人まで本当にたくさんの方々)に市長・教育長に何度も会ってもらったり、日高庸晴先生(宝塚大学看護学部教授)や星野慎二さん(NPO法人SHIP代表)に何度も横須賀に足を運んで頂きました。

これに対して行政側も、前教育長の永妻さんを筆頭に教育委員会事務局のみなさん、歴代の人権・男女共同参画課長をはじめ、人権施策推進会議のみなさんも積極的に力を貸して下さいました。

つまり、フジノが進めてきた横須賀市におけるSOGIに関する施策(いわゆる性的マイノリティに関する取り組み)は、ここ1〜2年の『LGBTブーム』とは無関係です。

むしろ、僕たちが『LGBTブーム』を引っ張ってきた。それくらいの自負心があります。

(実際にはフジノは『LGBTブーム』をネガティブなものとして強く否定しています。地道な意識改革と制度変革が伴わなければ無意味だからです)

そんな長年の努力の積み重ねを、神奈川新聞が書いたように

東京都渋谷区が昨年、同性カップルを結婚に相当する「パートナーシップ」と認める証明書を交付するなど、性的少数者を支援する社会的な動きを受けて実施することにした。



と表現されるのは、極めて心外です。

実際に今回の提案もフジノが市長に予算議会で質疑をしてから動きました。

神奈川新聞の記述は完全に間違っています。記者の方にはもっとしっかりと取材をしていただきたいです。

しかし、こんなことはささやかでどうでも良いことです。

本当に問題なのは、第2のことがらです。



問題2.こんな条件は「市による強制アウティング」だ。自殺を生みかねない。許されない!

神奈川新聞の記事によれば、このようなことが記されています。

  1. 手術同意書の署名には「3年ほど一緒に過ごし、周囲からパートナーとして認められていること」が条件となる。

  2. 関係性は患者の家族に電話などで確認を取る。



こんなことは絶対にあってはならないことです!

一橋大学ロースクールで起こった、ゲイであることを周囲に言いふらされた(これを『アウティング』と言います)末に学生が自殺に追い込まれた事件を思い出して下さい。

自らが望んで自らのセクシャリティを他人に伝える『カミングアウト』と違い、本人が望んでいないのに周囲が勝手にセクシャリティをバラしたり言いふらすことを『アウティング』と言います。

『アウティング』は人の尊厳を奪いますし、時には自殺へと人を追い込みます。

絶対あってはならないことです。

『人権都市宣言』を発した横須賀市が、『市による強制アウティング』を実行しようとしているとは全く信じられません。

今回、神奈川新聞の記事に書かれているような2つの条件(3年の同居・家族に電話で確認を取る)は、当事者のみなさまにとってまさに『市による強制アウティング』そのものです。

大切な人が事故や病気で意識不明で救急搬送されて駆けつけた同性パートナーの方が、そんな人生の一番つらく苦しい時に、何故、一方的に『病院から強制アウティング』されねばならないのでしょうか。

だからフジノのまわりだけでなく、全国から今、横須賀の取り組みが問題視されているのです。



「パートナー」であることは自己申告で十分。何の条件も不要です!

僕が提案して新たに作成された『指針』にはこんな条件は一切書かれていませんでした。

しかも、この問題の所管課である健康部の市立病院担当課長はとても熱心で信頼できる方です。

その課長から、市長もフジノも同じ書類(下の画像です)を示されて、「これでいきます」と説明を受けています。

横須賀市立2病院が新たに整備した「手術同意の取り扱い」

横須賀市立2病院が新たに整備した「手術同意の取り扱い」


新しく作成された指針の正式名称は

横須賀市立市民病院・うわまち病院の『患者本人及びその家族等に説明と同意を行なう際の同意書署名等に関する指針』

と言います。

繰り返しますが、この『指針』には、一切の条件は記されていません。

神奈川新聞の記者の方は、この『指針』をちゃんとお読みになってから記事を書いたのでしょうか。

一方、記者の方が突然に嘘を書くとも想定できません。嘘を書くメリットも何もありません。

それにもかかわらず、2つの条件が記された理由を推測するならば。。。

市長や市議会(フジノ)への報告の後に、新たに条件が作られてしまったのでしょうか。

現在、横須賀の市立2病院は直営ではなくて、民間の地域医療振興協会に指定管理(実際の運営をしてもらう)に出しています。つまり『公設民営』の病院です。

実際に運営するのは『地域医療振興協会』だとしても、あらゆる決定権を持っているのは横須賀市です。

横須賀市に秘密で、地域医療振興協会が勝手に新たな条件を『指針』に加えたのでしょうか。

いずれにしても、事実を究明して、即刻、もとの無条件だった『指針』に直させます。

一橋大学ロースクールでの事件があったにもかかわらず、あまりにも配慮にかける信じられない内容になってしまった『指針』。

しかも、市議会・市長への説明の後に、我々に一切の報告なしに勝手な運用ルールを後から作ったのだとしたら、それも絶対に許しません。

繰り返しますが、このような条件をつけた『指針』ならば不要です。廃止すべきです。

こんな最低な対応が事実だとすれば、これまで8年間積み重ねてきた横須賀市の性的な多様性を保障する取り組みはゼロになってしまいます。

パートナーの入院・手術などの重大時において苦しんでいる方に、さらに追い打ちをかける『市による強制アウティング』。

僕は自殺を減らしたくて政治家になりました。

そして、自殺を減らす為に性的な多様性の保障をすすめてきました。

しかし、こんな『指針』は新たに自殺を増やしてしまいます。

市の市立病院担当課をはじめ、市立2病院を運営している地域医療振興協会、記事を書いた神奈川新聞社にも、詳しく事情を伺います。

誰が指針をねじまげたのか。信じられない対応にフジノは怒りを隠せません。

絶対に、許しません。



同性パートナーが意識不明の時、横須賀の市立2病院では「法的な家族」と同じく「同性パートナー」も「説明」を受けて「同意書」にサインできます

同性パートナーシップ条例が無くても実現できることを1つずつ増やしてきました

横須賀市では、吉田市長が『同性パートナーシップ条例』は作らない旨をたびたび明言しています。

これは彼の『支持母体』『支援者』の絡みがあってのことですから、別に構いません。

吉田市長が交代するまで条例化がムリでも、当事者のみなさまにはそれを待っている時間はありません。

だからフジノは別の選択肢を選ぶことにしました。

第1に、国の法律そのものが新たに制定されるのを目指す取り組みに参画することです。

国そのものが法を変ればいい訳です。

現在、各政党にプロジェクトチームが立ち上がり超党派での動きも見えてきました。ただ、もう少し時間がかかりそうです。

そこで第2に、条例が無くても、目の前に存在する『人権侵害』を1つでも減らし、『現実的な利益』を同性パートナーにもたらせる提案を実現することに取り組んできました。



「医療現場から同性パートナーが締め出されている問題」を解決する為に

例えば、『医療現場での同性パートナーの締め出し問題』についてです。

「『医療の現場』では同性パートナーが締め出されているのではないか」という不安の声をたくさんの方から聞いてきました。

「ふたりで安心して最期まで暮らす本」より「性的マイノリティが病気する時」

「ふたりで安心して最期まで暮らす本」より「性的マイノリティが病気する時」


そのように記してある本もたくさん出版されています。

「にじ色ライフプランニング入門」より

「にじ色ライフプランニング入門」より


厚生労働省の『ガイドライン』や個人情報保護に関するいろいろな文書を調べていく中で、同性パートナーシップ条例が無くても実現できることがたくさん見つかりました。

何よりも、かつて『自殺対策議連』で一緒に活動をしていただいた尾辻かな子さんが大阪府議会議員として行なった素晴らしい質疑がたくさんあり、大変に参考になりました。

フジノは議会での質疑を通して、それらを1つずつ横須賀市の行政に認めさせてきました。

これまでの質疑を2つだけご紹介します。

2015年予算議会(3月2日)本会議での質疑

フジノの質問

市立病院(市民病院・うわまち病院)を持っている横須賀市ですから、実質的な『同性パートナー』が病院に入院している。

『手術の同意』を求められた。

そういう時に、「『家族』でないからあなたはダメだ」というようなことは、どうか病院の責任にはならない形で、市として「それは正式なパートナーだ」というふうに認めるという『通知』を出すようなことはできないのでしょうか?

この問題もかつて指摘させていただいたことがあるのですが、いかがでしょうか?

市長の答弁

基本的な管理運営は(指定管理者である)『地域医療振興協会』にお願いをしているところですので、その法的なリスク等も含めて、よく相談をしてみたいというふうに思います。

フジノの質問

ぜひ『市立病院管理運営協議会』の場で議論していただきたいと思います。

実際に病院を管理運営している指定管理者に「相談をする」という市長の答弁を得ました。

そこで閉会中も、市や病院側の動きをヒアリングしつつ(現場の医師の方々の感触はとても良いものでした)、次の本会議でも重ねて質問をぶつけました。

2015年第2回定例会(6月11日)本会議での質疑

フジノの質問

市立2病院(市民病院・うわまち病院)を持つ本市は、『同性パートナー』の『手術の同意』を求められるような場面で正式なパートナーだと認められるように、指定管理者に提案して協議を行なうべきではないか、と2005年第1回定例会で私は質問しました。

この問題へのその後の進捗状況をお答え下さい。

法的リスクなど、具体的に指定管理者と相談したのでしょうか。

相談したのであれば、具体的に、いつ、どのような内容を相談し、その結果はどのようなものだったのでしょうか。

健康部長の答弁

市立2病院における同性パートナーの手術の同意について、指定管理者との協議の状況をお答えします。
 
4月28日に市立2病院の管理者に、第1回定例会の御質問の内容を伝えました。

両管理者からはこれまで想定していなかった為、両病院で協議の上、対応が決まり次第連絡をいただくことになっています。
 
なお、現在、両病院で検討していると聞いています。

この直後に、健康部から

「市議会ではまだ答弁できなかったのですが、病院側はほぼ正式な文書にすべく動いてくれています。ガイドラインや指針のような正式な文書にした後も、医師だけでなく、改めて医療職みんなに周知する時間が必要なので、もう少しだけお時間をください」

と連絡をもらいました。

そして、正式な文書にすべく市立2病院の指定管理者は正式な院内委員会で議論を続けて下さった結果、2015年9月頃には正式な『指針』が決定されていました。

『指針』作りによって病院トップや幹部の意思統一はできました。

次は、実際の患者さんに毎日の現場で接する全ての医療職に『指針』が浸透しなければなりません。

そんなこともあって、これまでフジノはこの件について口外せずにきました。

けれども一定程度の進展が見られたので、ここに記します。

横須賀市立2病院が新たに整備した「手術同意の取り扱い」

横須賀市立2病院が新たに整備した「手術同意の取り扱い」


横須賀市では、市立2病院は『説明と同意を行なう際の同意書』にサインできるのは。。。

  • 意識がある場合は、患者本人
  • 意識がない場合は、家族等(等には『同性パートナー』も当然含まれています)

です!

正式な文書名は、横須賀市立市民病院・うわまち病院の

『患者本人及びその家族等に説明と同意を行なう際の同意書署名等に関する指針』

です。

こちらに明記されています。

フジノの質疑から2年、現実は前に進みました!



「急病時の立会い」「看取り」は今までも同性パートナーを拒否してきませんでした

ところで、いろいろな本に出ている

「急病時の面会謝絶の病室に家族では無いからと入れてもらえなかった」

「事故で救急搬送された同性パートナーの病室に家族では無いからと入れてもらえなかった」

という点について、お伝えしたいことがあります。

横須賀市立2病院は同性パートナーを排除することはありません。

これは何度も何度も横須賀市側が確認をしています。

これまでもずっと家族として扱っており、病室に入れないとか病室から追い出すようなことはしていないと明確に返答を受けています。

ですから、フジノはこの点についてはあえて本会議や委員会でわざわざ質問しませんでした。

けれども僕だけ知っていても無意味です。改めて全ての市民のみなさまに知ってほしいです。

横須賀市立の2病院(市民病院・うわまち病院)は、これまでも同性パートナーを家族として扱ってきました。

看取りの時や急病の時にも排除したりしません。

もしもそうした実例が市立2病院で存在したという方はすぐにフジノに電話して下さい。

一刻も争う事態ならば、フジノがじかに指定管理者側に掛け合いますから。

大切な人の急病やケガや意識不明の時に、同性パートナーだからという理由だけで排除なんて絶対にさせませんから。



この予算議会で質疑することはさらに「市内の他の病院・診療所や救急隊の対応」です

このように2年間はかかりましたが、大きく現実は前進しています。

『条例が無くても実現できること』はたくさんあります。

今回の予算議会でのフジノの質疑では、同性パートナーにとって長年の課題である『住まい』(公営住宅・民間の住宅)と、さらに『医療の現場での課題』について深く質していきます。

医療の現場での課題は、多くの同性パートナーの方々のお話や著作において「個人情報保護法によっていざという時の情報照会ができない」という件について取り上げます。

救急隊と市立2病院の対応を、個人情報保護法の例外規定と厚生労働省のガイドラインに基づいて、質問します。

また、『手術の同意』に関して市立2病院と同じ対応を市内の他の病院・診療所にも広げていくよう医師会などに要請できないかを市長に質問します。

質問の結果は、またご報告いたしますね。

同性パートナーシップ条例ができたまちだけが注目されています。

確かに社会的な認知アップは実現したと思います。

けれどもフジノの周りでは「あの条例は実効性がない...」という声も聴こえてきます。

それならばフジノは、条例が無くても実現できることを1つずつ増やしていきます。

「人の数だけ性には多様性があるのが当たり前」なのです。

それなのに人権が損なわれていたり不利益を被っている現実があるのは、間違っています。

必ず変えていきます。